説明

作業用リフト装置

【課題】車輌などの機械本体に起立した状態で組み付けられる機構部品の取付け及び取外し作業をする際に、機構部品の搬送と昇降を容易かつ安全に行うことができ、作業員の整備作業の軽減と作業の安全性に貢献し得る作業用リフター装置を提供する。
【解決手段】昇降及び走行可能なリフト装置本体のリフターの前部に、機械本体に組み付けられるクラッチカバーやフライホイルなどの機構部品を組み付け姿勢のままほぼ水平方向から着脱自在に保持するクランパを設けて成る。そして、クランパは、前方に延びるとともに機構部品をクランプする位置と開放する位置とに変位し、かつクランプ位置において固定される複数のクランプ爪を有する。クランプ爪と同一方向に延びて機構部品表面を押圧することにより、クランプ爪によってクランプされた機構部品の姿勢を角度調整する姿勢調整部材を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として大型貨物自動車のクラッチカバーやフライホイルなどの比較的重量のある機構部品を自動車本体から分解したり取り付けたりするときに、これら機構部品を搬送し、昇降するために使用される作業用リフト装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大型貨物自動車を整備するときは、自動車をジャッキ装置である程度の高さまで持ち上げ、その高さ位置で各種機構部品を交換するようにしている。これら各種機構部品のうち、例えばクラッチカバーやフライホイルは、数十kg程度の重量がある。従来、これらの重量部品を取り扱う専用の荷役機械はなく、そのため数十kg程度の重量があるクラッチカバーやフライホイルを、2人がかりで自動車本体から取外したり、組み付けているのが実情である。
こうした重量のある機構部品の交換あるいは整備作業は、車輌の下側に入り込んだり、所定の高さ位置で行われることから、整備士に相当の労力を要求するばかりでなく、整備士の背筋や背骨等を痛める虞れもある。また、高い位置からうっかりして部品を落下させると、極めて危険でもある。
【0003】
普通車輌の機構部品を昇降させるためのリフターとして、特許文献1記載の技術がある。この技術は、車輌エンジンを載せた状態のサブフレームを昇降させるためのもので、油圧シリンダのピストンロッド先端に受け台を設け、この受け台にサブフレーム底部の牽引フック孔に貫通させる2本の先尖りピンを立設させたものである。
また、一般的な汎用荷役機械としてのリフターには、例えば特許文献2あるいは3に記載された技術がある。これらは、いずれもパンタグラフ状のリフト機構を採用し、リフト機構の上部に昇降台を設置したものである。
【特許文献1】特開2003−246592号公報
【特許文献2】特開平10−211882号公報
【特許文献3】特開2003−20196号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の技術は、自動車機構部品の専用的な昇降装置であるとはいえ、機構部品を単に上下方向に昇降させることを目的とするものである。この点、特許文献2や3の技術のリフト機構と本質的に異なるものではない。
クラッチカバーやフライホイルは円盤状の機構部品であり、それらを径方向に立てて、すなわち起立した状態で自動車本体に水平方向から組み付けられている。そのため、特許文献1から3に記載された技術では、それらの部品を保持することが出来ず、機構部品の昇降及び搬送を要する整備作業には不向きである。
また、車輌の機構部品には、水平軸線に対して角度を付けて組み付けられた部品もあり、こうした機構部品の取り外し及び取付け時の搬送及び昇降には、従来技術ではほとんど対処できない。
【0005】
本発明は、車輌などの機械本体に起立した状態で組み付けられる機構部品の取付け及び取外し作業をする際に、機構部品の搬送と昇降を容易かつ安全に行うことができ、作業員の整備作業の軽減と作業の安全性に貢献し得る作業用リフター装置を提供することを目的とする。
また、本発明の別の目的は、機械本体の水平軸線に対して角度を付けて組み付けられた機構部品についても、容易かつ安全に分解及び再組付けを行うことのできる、作業用リフター装置を提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、上記目的に加えて、リフターを任意の昇降位置で確実に下降阻止できる、作業用リフター装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記した目的を達成するために次の構成を備える。
すなわち、請求項1に係る発明は、昇降及び走行可能なリフト装置本体のリフターの前部に、機械本体に組み付けられるクラッチカバーやフライホイルなどの機構部品を組み付け姿勢のままほぼ水平方向から着脱自在に保持するクランパを設けて成る。そして、クランパは、前方に延びるとともに機構部品をクランプする位置と開放する位置とに変位し、かつクランプ位置において固定される複数のクランプ爪を有する。
請求項2に係る発明は、クランパが請求項1記載のクランプ爪に加えて、クランプ爪と同一方向に延びて機構部品表面を押圧することにより、クランプ爪によってクランプされた機構部品の姿勢を角度調整する姿勢調整部材とを有する。
請求項3に係る発明は、請求項1もしくは2記載の作業用リフト装置において、リフト装置本体が次の構成を備える。リフト装置本体は、走行可能な基台と、基台上にあってリフト機構によって昇降されるリフターと、リフターの下降を阻止するストッパ機構とを有する。ストッパ機構は、リフターの側面に枢支されるとともに下端に固定歯を有するストッパレバーと、上記基台上に設けられるとともにストッパレバーの固定歯と歯合可能なラックとを有する。そして、ストッパレバーとラックは、リフターの昇降位置に応じてラックと固定歯とが異なる位置で歯合されてリフターの下降を阻止する、ものである。
【0007】
クランパのクランプ爪は、保持する機構部品の構造に応じてクランプ可能な構造に適宜設計される。クランプ爪の変位方向は、機構部品の種類や構造いかんでは、内側から外側に拡開してクランプするのでなく、拡開した状態から狭まる方向に内方に向けて変位するものであっても良い。
また、姿勢調整部材は、リフターからクランプ爪と平行して前方に延び、機構部品の表面を押圧する部材、例えば先端に回転自在な座金を有する調整ボルトなどが最適である。姿勢調整部材は、クランプ爪によってクランプされた機構部品の例えば表面上部と下部を機構部品の必要な傾き角度だけ不均等な長さ分、押圧することにより、機構部品を所定の前傾もしくは後傾姿勢に保持する。
【0008】
請求項1と2に係る発明は、リフターの具体的な構造や機構を限定するものではない。請求項3に係る構成のリフターを用いた場合、ストッパレバーは、固定歯をラックに歯合しない位置に回動されたときに、リフター側面に着脱自在に固定される固定手段を有するようにすると良い。
ストッパレバーの固定手段としては、ストッパレバーの裏面に突出させたプランジャの先端を、バネの付勢力によってリフター側面に設けた凹所に嵌合させるものなどが考えられる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、昇降及び走行可能なリフターの前部に設けたクランパの複数のクランプ爪によって、機構部品を組み付け姿勢のままほぼ水平方向から保持するようにしたので、クラッチカバーやフライホイルなどの機構部品の分解と組付け作業に際し、この種機構部品をそのままの起立した状態で搬送、及び昇降させることができ、作業員が機構部品を持って移動したり上げ下げする必要がなくなって作業を比較的容易かつ安全に行うことができる。
【0010】
また、請求項2に係る本発明によれば、クランパが、クランプ爪だけでなく、クランプされた機構部品の姿勢を角度調整する姿勢調整部材を有するので、上記効果に加えて、機械本体の角度を付けて組み付けられる機構部品についても、姿勢修正を簡単に行うことができ、容易かつ安全に分解及び再組付けを行うことができる。
【0011】
また、請求項3に係る発明によれば、リフターの下降を阻止するストッパ機構として、下端に固定歯を有するストッパレバーと、この固定歯と歯合可能なラックとを設け、リフターの昇降位置に応じてラックと固定歯とが異なる位置で歯合されてリフターの下降を阻止するので、上記した効果に更に加えて、リフターが不意に下降することがなくなり、リフターを任意の昇降位置で確実に下降阻止できる。
【0012】
さらに、請求項4に係る発明によれば、固定歯をラックに歯合しない位置に回動されたときに、ストッパレバーをリフターの側面に着脱自在に固定する固定手段を有するので、ストッパ機構解除時に、ストッパレバーの先端の固定歯車がラックに不意に噛み合って、リフター2の下降が妨げられるようなことがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】

以下、本発明を実施するための最良の形態について、図示した実施例とともに詳説する。
図1は、本発明による作業用リフト装置の一実施例を示す概略側面図で、リフター2が上がってストッパ機構4が働いた状態を示す。
図2は、図1のA部拡大図、図3は、リフター2が図1より低い位置にあってストッパ機構4が解除された状態の側面図、図4は、図3のB部拡大図、図5は図4のC−C線拡大断面図である。
【0014】
作業用リフト装置は、基台1にリフター2とクランパ5を搭載して成る。
基台1は、前後左右の4個所に自在キャスタ7、7を有し、任意の方向に走行移動出来る。
【0015】
リフター2は、基台1の上に配置され、リフト機構3により昇降台2aが昇降する。
リフト機構3は、互いに連結された下部リンク8と上部リンク9の2組のリンクを備える。それぞれのリンク8,9は、X字状に連結された2本(8a,8b、9a,9b)のリンクを左右に1対配して成る(図では、手前側のリンクのみ表示)。
【0016】
下部リンク8の一方のリンク(図中右傾リンク8a)の下端は、基台上に配設されたガイドレール36に沿って走行可能なローラの軸に回転自在に連結されている。下部リンク8の他方のリンク8bの下端は、基台1の後端付近に固定された軸に枢支されている。
【0017】
下部リンクの上端に下端を枢支された上部リンク9は、一方のリンク9aの上端がローラの軸に回転自在に連結されている。ローラは、昇降台2aの長さ方向に走行自在になっている。他方のリンク9bの上端は、昇降台の後端付近に固定された軸に枢支されている。
【0018】
図中符合10は、リフト機構3を駆動させるアクチュエータとしての油圧シリンダで、進退動するプランジャ12の先端が下部リンクの上記他方のリンク(図中左傾リンク)の中央近傍に枢支されている。油圧シリンダ10の底部は、ブラケット11を介して下部リンクの上記一方のリンク(図中右傾リンク)の下部に枢支されている。
13は、基台後部に取り付けた油圧ポンプで、レバー14を往復動させることにより図示しないオイルタンクからオイルを油圧シリンダ10に圧送してプランジャ12を延伸させる。また、操作ハンドル15によって油圧ポンプの逃がし弁を開操作することにより、オイルタンクにオイルが戻り、プランジャ12が油圧シリンダ10の中に引き込まれる。油圧シリンダ11のプランジャが進退動することで、下部リンクの2本のリンク8a、8bは中央の枢軸を支点としてX字の交差角度が変わる。これに連動して上部リンクも、同様に交差角度が変わることにより、昇降台2aが昇降される。
【0019】
4は、例えば油圧回路からの油漏れ等によってリフターが不意に下降するのを阻止するためのストッパ機構である。
ストッパ機構4は、下部リンク8の枢軸8cに回転自在に連結されたストッパレバー18を有する。ストッパレバー18の下端には、扇状の固定歯19が取り付けられている。また、ストッパレバー18の上端部には、図5の断面図に見られるように、表面側にハンドル22が、裏面側にスペーサピン31がそれぞれ突設されている。スペーサピン31は、ストッパレバー18と上記一方のリンク8aの表面との間に所要の間隔を保持する。
【0020】
図5を参照するに、符合21は、ストッパレバー18の表面側から裏面側にかけて貫通するようにして取り付けられたストッパホルダで、ツマミ34を有するプランジャ32にバネ33を取付け、このバネの付勢力によってプランジャ32の先端がストッパレバー18の裏面がわに突出するようにしてある。
一方、ストッパホルダ21のプランジャ先端と対向する上部リンクの上記一方のリンク8a表面には、プランジャ先端が嵌まり込む凹部30が形成されている。
【0021】
したがって、ストッパレバー18を、プランジャ先端がリンク8aの凹部30に嵌まり込み可能な位置に回動させることにより、ストッパレバー18は、リンク8aの表面に添った位置に保持される。保持状態を解除するには、バネ33の付勢力に抗してプランジャ32のツマミ34を手前に引き、プランジャ先端を凹部18から離脱させ、ハンドル22でストッパレバー18を回動させて位置をずらせばよい。
なお、基台1の後部には、同基台1を人が押したり引いたりするためハンドル17が設けられている。
【0022】
図中符合20は、基台1の長さ方向に沿って設けたラックで、ストッパレバー先端の固定歯19と噛み合い可能な歯が形成されている。
図1と図2において、ストッパレバー18は、ストッパホルダ21が解除され、先端の固定歯19がラック20に噛み合っている。この状態では、ストッパレバー18が下部リンク8を下から支える状態となり、万一油圧ポンプ13や油圧シリンダ10等を含む油圧回路にオイル漏れが生じたとしてもリフター2が不意に下降しない。固定歯19とラック20の噛み合いは、ストッパレバー18の傾斜角度を変更させることにより、リフター2の任意高さ位置で行うことができる。すなわち、ストッパレバーとラックは、リフターの昇降位置に応じてラックと固定歯とが異なる位置で歯合されてリフターの下降を阻止する、
【0023】
図3と図4は、ストッパレバー先端の固定歯19とラック20との噛み合いを解除し、ストッパホルダ21によってストッパレバー18をリンク8aの側面に保持した状態を示す。油圧ポンプ13を駆動させあるいはリリースバルブを開いてリフター2を昇降させるときは、この状態で行う。ストッパホルダ21のプランジャ先端とリンク8aの凹部との嵌め合い関係は、上記した通りである。
【0024】
図1、図3及び図6に示すように、リフター2の前方端には、大型貨物自動車のクラッチカバーやフライホイル等の機構部品aを、組み付け姿勢のままほぼ水平方向から着脱自在に保持するためのクランパ5がブラケット24を介して取り付けられている。
【0025】
クランパ5は、前方に向けて水平に延びた左右一対のクランプ爪26,26を備える。このクランプ爪26は、先端に外向きのフックを有し、ブラケット24に固定された爪駆動部25によって、互いに離間して機構部品aをクランプする位置と互いに近接して機構部品aを開放する位置とに変位する。
爪駆動部25は、ハウジング内に、その長手方向(図6の上下方向)に沿って、図示しないネジ軸を回転自在に支持して成る。ネジ軸には、中央から両端側にかけて互いに逆方向で同じリードとピッチのネジが切られている。ネジ軸の両端は爪駆動部25のハウジングの両端から突出され、その部分がレンチ掛28,28けとなっている。クランプ爪26,26は、基端部に雌ネジが形成されており、この雌ネジが上記ネジ軸の両側端にそれぞれねじ込まれている。したがって、レンチ掛28,28にレンチを掛けて回転することにより、クランプ爪26,26は、互いに反対方向に等量、移動する。
【0026】
クランプ爪は、クランプ位置において先端のフックを大型貨物自動車のクラッチカバーやフライホイル等の機構部品aのボス部表面側の内周部分に掛けて、これらを保持する。
【0027】
図中符合29は、姿勢修正ボルトで、クランプ爪26,26の対向する方向と直交する方向に上下に一対設けられる。姿勢修正ボルト29は、長い蝶ボルトから成り、爪駆動部25のハウジングから両側に突出された補強リブ付きブラケット27の各先端にねじ込まれ、手元の蝶形状の頭部を回転することにより、ブラケット27に対する突出長さを調整できるようになっている。姿勢修正ボルト29の先端には、回転自在な座金29aが取り付けられている。座金29aは、機構部品aの表面を押して機構部品aの姿勢を角度調整する。
例えば一対のクランプ爪26,26によって機構部品aを保持しても、2個所での支持となるため、クランプの構造によっては機構部品aが傾きやすい。その場合、一対のクランプ爪と直交する方向に対向して配置した一対の姿勢修正ボルト29,29の座金29aによって、機構部品aの表面を等しく押せば、クランプした機構部品aをほぼ垂直に支持できる。
また、機械本体の水平軸線に対して角度を付けて組み付けられる機構部品の場合、機構部品aの本来の姿勢が当該角度分傾いた状態にある。姿勢修正ボルト29の一方を他方よりも所要量突出させることにより、機構部品aをその本来の姿勢の状態で保持することができ、この種の機構部品の組み付けや取り外し作業を的確に行うことができる。
【0028】
クランパ5によって保持された機構部品aは、作業用リフト装置の基台1を走行させることにより水平移動し、リフターを昇降させることによって上下移動する。
なお、昇降台に、他の機構部品を載せて移動、昇降させることもできる。
【0029】
本発明の上記した実施形態は、本発明の一例を示すものであり、これらの構成に限定されるものではない。例えば、クランプ爪の形態や、クランプの構造、あるいは姿勢修正部材についても上記した発明の作用を発揮し得るものであれば、他の種々の構成を採用することができる。
また、リフト機構を駆動させるアクチュエータとして、手動の油圧ポンプでなく電動油圧ポンプを用いたり、あるいはアクチュエータ自体をネジ機構に替えたりすることもできる。
取り扱う機構部品も大型貨物自動車のクラッチカバーやフライホイル等に限らず、ほぼ水平方向から着脱される様々な機械本体の機構部品に対して有効である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明による作業用リフト装置の一実施例を示すものであり、リフターが上がって、ストッパ機構が働いた状態の側面図。
【図2】図1ののA部拡大図。
【図3】図1のリフト装置にあって、リフターがより低い位置にあり、ストッパ機構が解除された状態の側面図。
【図4】図3のB部拡大図である。
【図5】図4のC−C線拡大断面図である。
【図6】本発明の要部を示す平面図で、図1のリフト装置のリフターとクランパの拡大図。
【符号の説明】
【0031】
1 基台
3 リフト機構
2 リフター
a 機構部品
5 クランパ
4 ストッパ機構
8 上部リンク
9 下部リンク
18 ストッパレバー
19 固定歯
20 ラック
21 ストッパホルダ
25 爪駆動部
26 クランプ爪
29 姿勢調整ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降及び走行可能なリフト装置本体のリフターの前部に、車輌などの機械本体に組み付けられるクラッチカバーやフライホイルなどの機構部品を組み付け姿勢のままほぼ水平方向から着脱自在に保持するクランパを設けて成り、
当該クランパは、前方に延びるとともに機構部品をクランプする位置と開放する位置とに変位し、かつクランプ位置において固定される複数のクランプ爪を有する、
作業用リフト装置。
【請求項2】
昇降及び走行可能なリフト装置本体のリフターの前部に、機械本体に水平方向から組み付けられるクラッチカバーやフライホイルなどの機構部品を組み付け姿勢のままほぼ水平方向から着脱自在に保持するクランパを設けて成り、
当該クランパは、前方に延びるとともに機構部品をクランプする位置と開放する位置とに変位可能し、かつクランプ位置において固定される複数のクランプ爪と、クランプ爪と同一方向に延びて機構部品表面を押圧することにより、クランプ爪によってクランプされた機構部品の姿勢を角度調整する姿勢調整部材とを有する、
作業用リフト装置。
【請求項3】
請求項1もしくは2記載の作業用リフト装置において、
前記リフト装置本体は、走行可能な基台と、基台上にあってリフト機構によって昇降されるリフターと、リフターの下降を阻止するストッパ機構とを備え、
上記ストッパ機構は、リフターの側面に枢支されるとともに下端に固定歯を有するストッパレバーと、上記基台上に設けられるとともにストッパレバーの固定歯と歯合可能なラックとを有し、
上記ストッパレバーとラックは、リフターの昇降位置に応じてラックと固定歯とが異なる位置で歯合されてリフターの下降を阻止する、
作業用リフト装置。
【請求項4】
請求項3記載の作業用リフト装置において、
前記ストッパレバーは、固定歯をラックに歯合しない位置に回動されたときに、リフター側面に着脱自在に固定される固定手段を有する、
作業用リフト装置。
【請求項5】
前記姿勢調整部材は、クランプ爪と平行に延び、先端に回転自在な座金を備えた調整ボルトである、
請求項1から4のいずれかに記載の作業用リフト装置。
【請求項6】
前記姿勢調整部材は、クランプ爪によってクランプされた機構部品の表面上部と下部を、機構部品の組み付けに必要な傾き角度だけ不均等な長さ押圧することにより、機構部品を所定の前傾もしくは後傾姿勢に保持する、
請求項1から4のいずれかに記載の作業用リフト装置。
【請求項7】
前記固定手段は、ストッパレバーの裏面に突出させたプランジャの先端を、バネの付勢力によってリフター側面に設けた凹所に嵌合させるものである、
請求項4記載の作業用リフト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−335530(P2006−335530A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−163554(P2005−163554)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【出願人】(394026611)水戸工機株式会社 (5)
【出願人】(591055975)水戸工業株式会社 (11)