作業者保護具及び高所作業用バケット
【課題】高所作業の際に高所作業用バケットに乗った作業者と配電線等の周辺の物体とが不測に接近若しくは接触するのを好適に防止することで、作業者の安全を確保できる作業者保護具及び高所作業用バケットを提供することを課題とする。
【解決手段】作業者を乗せて高所作業位置へ移動する高所作業用バケットに設置され、高所作業用バケットの側部よりも高い位置に少なくとも一部が突出するように構成されることを特徴とする。また、作業者を乗せて高所作業位置へ移動する高所作業用バケットであって、底部と該底部の周端部から起立する側部とを有して構成され、該側部よりも高い位置に少なくとも一部が突出するように構成される作業者保護手段が備えられることを特徴とする。
【解決手段】作業者を乗せて高所作業位置へ移動する高所作業用バケットに設置され、高所作業用バケットの側部よりも高い位置に少なくとも一部が突出するように構成されることを特徴とする。また、作業者を乗せて高所作業位置へ移動する高所作業用バケットであって、底部と該底部の周端部から起立する側部とを有して構成され、該側部よりも高い位置に少なくとも一部が突出するように構成される作業者保護手段が備えられることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高所作業を行う際に作業者が乗り込む高所作業用バケットに取付ける作業者保護具及び高所作業用バケットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高所作業車等に備えられる高所作業用バケットに作業者が乗り込んで高所作業位置へ移動して様々な作業を行ういわゆる高所作業が行われている。具体例を挙げると、例えば配電線や碍子、腕金といった配電設備等の敷設、点検、修理等を行う電気工事での高所作業が一般的である。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
ここで、これら配電設備を対象とした電気工事について簡単に説明すると、その手法としては、配電線を停電させた状態で作業を行う停電作業と、配電線を通電させた状態で電気工事を行う活線作業とが知られている。近年では、周辺施設への電力の供給を止めることなく作業を行えるという利点を有することから、活線作業が主に行われている。また、この活線作業には、配電設備に作業者が直接触れて作業を行う直接活線作業と、配電設備に作業者が直接触れることなく、間接活線工具と呼ばれる器具を使用して作業を行う間接活線作業とが知られているが、直接活線作業は、感電等の危険を伴うことから、現在では、間接活線作業が主流となっている。
【0004】
また、活線作業においては、たとえ間接活線作業であっても、配電線の電圧によっては配電設備に直接接触せずとも感電の危険性があるため、作業者が配電設備との間に保たなければならない距離が接近限界距離として定められている。そして、活線作業では、感電の危険性の程度に応じて、作業対象物への絶縁用防具の装着や、作業者の絶縁用保護具の着用が義務付けられ、安全性の確保が図られている。
【特許文献1】特開2007−112586号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、高所作業は、作業対象物の周辺に様々な物体が密集して存在するような状況下で行われることがある。電気工事での高所作業を例にすると、複数本まとめて敷設された配電線の中の一つに対して作業を行なうような状況である。
【0006】
このような状況下では、高所作業中にバケット内で作業者が移動等した際、作業者が周辺の物体に不測に接近あるいは接触してしまうことが考えられ、このような事態は、作業者の安全性の観点から好ましいことではない。特に、電気工事での高所作業において、作業者が配電設備の接近限界距離の範囲内にまで接近してしまうといった事態はなおさら好ましいことではない。
【0007】
そして、高所作業用バケットを高所と地上付近の低所との間で移動させる際や、高所において高所作業用バケットの位置を微調整する際に、作業対象物に対して適正な距離を維持するように高所作業用バケットを移動させたとしても、作業者と周辺の物体とが不測に接近あるいは接触してしまう事態が発生する可能性がある。
【0008】
特に、高所作業用バケットの操作中や高所作業中に作業者の死角となる位置に存在する物体は、作業者が把握し難く、不測に接近あるいは接触する可能性がさらに高くなると考えられる。
【0009】
また、高所作業においては、作業者自身以外にも、作業に使用される器具等(例えば、上述したような間接活線工具)を周辺の物体に不測に接触させてしまうといった事態も考えられ、このような事態も設備保護の観点から好ましいことではない。
【0010】
そこで、本発明は、高所作業の際に高所作業用バケットに乗った作業者と配電線等の周辺の物体とが不測に接近若しくは接触するのを好適に防止することで、作業者の安全を確保できる作業者保護具及び高所作業用バケットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る作業者保護具は、作業者を乗せて高所作業位置へ移動する高所作業用バケットに設置され、高所作業用バケットの側部よりも高い位置に少なくとも一部が突出するように構成されることを特徴とする。
【0012】
上記構成の作業者保護具によれば、高所作業用バケットの側部よりも高い位置に作業者保護具が突出することで、作業者と周辺の物体とが側部だけでなく作業者保護具によっても隔てられることとなり、作業者と周辺の物体とが接近若しくは接触するのを好適に防止することができる。例えば、作業者が高所作業用バケット内で移動したり身動きを取ったりした場合や、間接活線工具等の器具を使用した場合に、仮に作業者が周囲の物体を認識していなかったとしても、作業者自身や器具が作業者保護具に接触することで、周辺の物体にまで接近若しくは接触することを未然に防止することができる。また、作業者保護具自体によって作業者の注意が喚起されることで、周辺の物体への接近若しくは接触を間接的に防止することもできる。
【0013】
また、上記作業者保護具は、高所作業用バケットの側部に沿って少なくとも一部を突出させる本体部と、該本体部を前記側部に取り付ける取付部とを備え、側部に対して着脱可能に構成されることが好ましい。
【0014】
かかる構成の作業者保護具によれば、作業者保護具が着脱可能に構成されることで、既存の高所作業用バケットに設置することができるので、作業環境に応じて作業者保護具を使用することができる。加えて、本体部が側部に取り付けられることで、高所作業用バケット内のスペースを広く確保することができる。また、本体部が側部に沿って突出することで、作業者保護具が高所作業用バケットの外方に必要以上に食み出すことがなく、例えば高所作業用バケットを作業対象物に接近させる際に障害になることがない。
【0015】
また、上記作業者保護具は、前記本体部は、高所作業用バケットの側部に沿った形状を有する板部材を用いて構成されることが好ましい。
【0016】
かかる構成の作業者保護具によれば、本体部が板部材を用いて構成されることで、作業者と周辺の物体とを広い範囲で隔てることができる。よって、作業者保護具を、周辺の物体の位置や形状によらず、様々な状況に対応可能なものとすることができる。
【0017】
また、上記作業者保護具は、前記取付部は、高所作業用バケットの側部に掛止される側部掛止部と、前記本体部を支持する本体部支持部とを備え、前記側部掛止部は、側部を間に挟んで該側部の内側面及び外側面に対向する一対の対向部を有し、該対向部の一方が他方よりも長く形成されると共に、前記一方の対向部に前記本体部支持部が設けられることが好ましい。
【0018】
かかる構成の作業者保護具は、側部に掛止することによって取り付けられるので、着脱を容易に行うことができる上に、容易に脱落しないようにすることができる。また、一方の対向部に本体部支持部が設けられることで作業者保護具の重心が一方側に偏るが、一方の対向部を他方の対向部よりも長く形成することによって、側部に掛止された際には一方の対向部が他方の対向部よりも下方側から側部に当接する状態となり、安定した取付状態を確保することができる。
【0019】
また、本発明に係る高所作業用バケットは、作業者を乗せて高所作業位置へ移動する高所作業用バケットであって、底部と該底部の周端部から起立する側部とを有して構成され、該側部よりも高い位置に少なくとも一部が突出するように構成される作業者保護手段が備えられることを特徴とする。
【0020】
上記構成の高所作業用バケットによれば、高所作業用バケットの側部よりも高い位置に作業者保護手段が突出することで、作業者と周辺の物体とが側部だけでなく作業者保護手段によっても隔てられることとなり、作業者と周辺の物体とが接近若しくは接触するのを好適に防止することができる。また、高所作業用バケットに作業者保護手段が備えられることで、作業者保護するための設備を別途設置する必要が無く、高所作業の準備等にかかる手間を軽減することができる。
【0021】
また、上記高所作業用バケットは、前記作業者保護手段は、前記側部よりも高い位置に少なくとも一部を突出させるべく前記側部に対して出退可能に構成される本体部を備える
ことが好ましい。
【0022】
かかる構成の高所作業用バケットによれば、前記本体部が昇降可能に構成されることで、作業環境に応じて作業者保護手段を使用するか否かを選択することができる。従って、使用するときのみ本体部を突出させ、使用しないときは本体部を退避させて作業時の視界の確保や作業性の向上を図ることができる。
【0023】
また、上記高所作業用バケットは、前記本体部は、側部の内部に収納可能に構成されることが好ましい。
【0024】
かかる構成の高所作業用バケットによれば、本体部が側部の内部に収納されるため、作業者保護手段を使用しないとき(即ち、本体部を退避させた状態)であっても、高所作業用バケットの内側に露出することがなく、作業の邪魔にならず、また、高所作業用バケット内のスペースを広く確保することができる。
【0025】
また、上記高所作業用バケットは、前記側部は、異なる方向を向いて配置される複数の側壁を備えて構成され、少なくとも二つの側壁に前記作業者保護手段が設けられることが好ましい。
【0026】
かかる構成の高所作業用バケットによれば、異なる方向を向く少なくとも二つの側壁に作業者保護手段が設けられることで、前記周辺の物体が作業者を基準に複数方向に存在する場合や、高所作業用バケット内で作業者が移動したり、高所作業用バケットの向きを変えたりして、作業者に対する周辺の物体の方向や位置関係が変化する場合でも、必要な作業者保護手段を選択して使用することができる。従って、高所作業用バケットの配置が作業者保護手段と周辺の物体との位置関係による制約を受けにくくなり、高所作業用バケットを使い勝手のよいものとすることができる。
【発明の効果】
【0027】
以上のように、本発明によれば、高所作業の際に高所作業用バケットに乗った作業者と配電線等の周辺の物体とが不測に接近若しくは接触するのを好適に防止することで、作業者の安全を確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
<第一実施形態>
以下、本発明の第一実施形態について、図1〜図3を参照しながら説明する。
【0029】
第一実施形態に係る作業者保護具10についての説明に先立って、まず、高所作業車1及び作業者保護具10の設置対象となる高所作業用バケット(以下、単にバケットと記すことがある)4について説明する。図1に示すように、高所作業車1は、車輌本体2と該車輌本体2に搭載されるブーム3と該ブーム3の先端に取り付けられるバケット4とを備えて構成される。
【0030】
前記バケット4は、作業者を乗せて高所作業位置へ移動するものであり、図2に示すように、作業者を下方から支える底部5と、底部5の周端部から起立する側部6とを有し、上端が開口した形状に形成されている。前記底部5は、多角形状(具体的には、四角形状)を有する。
【0031】
前記側部6は、異なる方向を向いて配置される複数の側壁6a〜6dによって構成される。各側壁6a〜6dは、隣接する側壁に対して直交させて配置され、また、高さ方向に沿う幅方向端部同士を一体的に連続させて形成される。従って、側部6は、上面視四角形状を有する。具体的には、各側壁6a〜6dは、平坦な形状を有し、対向する側壁6a,6c及び6b,6d同士が平行に配置されるとともに、側壁6a,6cとそれらに直交する側壁6b,6dとは、異なる幅寸法に形成される。具体的には、前記ブーム3が設けられる方向に沿う側壁6a,6cが直交する側壁6b,6dよりも長く形成される。
【0032】
また、前記側部6は、上端部6eが他の部分に比べて肉厚に形成され、具体的には、側部6の上端部6eは、バケット4の外方に延出するように形成されている。
【0033】
また、前記バケット4は、該バケット4の操作を行うための操作盤7を備え、該操作盤7は、前記側部6に一体的に設けられる。具体的には、操作盤7は、側部6を構成する側壁6dの外側部分に設けられる。
【0034】
次に、本実施形態の特徴的部分である作業者保護具10について説明する。作業者保護具10は、図2に示すように、前記バケット4に設置して使用される。また、前記作業者保護具10の少なくとも一部は、側部6よりも高い位置に突出するように構成されている。
【0035】
また、作業者保護具10は、側部6に対して着脱可能に構成され、側部6に設置された状態で側部6に沿って突出する本体部20と、該本体部20を側部6に取り付ける取付部21とを備えている。具体的には、前記本体部20は、下部が側部6の上端部6eよりも下方の位置に取り付けられる。
【0036】
前記本体部20は、図3に示すように、側部6に沿った形状を有する板部材を用いて構成されている。該板部材は、平坦な四角形状を有する。該本体部20は、少なくとも一辺の長さが前記側部6の内側面の幅寸法よりも短く形成される。また、前記本体部20は、側部6の内側面の高さ寸法と同程度の高さ寸法を有する。なお、前記本体部20は、絶縁性を有する素材を用いて構成され、例えば、FRP等の樹脂材料から形成されている。また、本体部20は、外側と内側とを貫通するような部分を有しないで形成される。
【0037】
好ましくは、本体部20は、長方形状に形成され、長辺の寸法が側壁6a,6cの内側面の幅より小さく設定され、短辺の寸法が側壁6b,6dの内側面の幅より小さく設定される。かかる縦寸法及び横寸法を有する本体部20であれば、側壁6a,6cに対しては長辺が水平方向に沿うように取り付け、側壁6b,6dに対しては長辺が上下方向に沿うように取り付けることで、一つの本体部20によって側壁6a,6c及び側壁6b,6dのいずれにも取り付け可能なものとなる。
【0038】
次に、前記取付部21について説明する。取付部21は、図3に示すように、取付部21は、側部6に掛止する側部掛止部50と、本体部20を支持する本体部支持部60とから構成される部材である。前記側部掛止部50は、断面コの字状の形状を有し、側部6の上端側から掛止される。また、側部掛止部50は、図3に示すように、前記側部6を間に挟んで該側部6の内側面及び外側面に対向する一対の対向部53a,53bを有する。具体的には、一対の対向部53a,53bは、前記バケット4の側部6の厚み寸法よりも大きな間隔を有して対向する。また、前記一対の対向部53a,53bは、各対向部53a,53bの上端部を接続部54によって接続されている。さらに、前記一対の対向部53a,53bは、一方が他方よりも長く形成される。前記各対向部53a,53bは、平坦な長方形状を有し、接続部54も平坦な長方形状に形成されている。
【0039】
また、前記作業者保護具10には、取付部21を側部6に固定するための固定具56が設けられている。該固定具56は、他方の対向部53bに設けられ、前記側部6に圧接可能に構成される。具体的には、固定具56は、前記一方の対向部53aに接離する方向に変位可能に構成され、外側対向部53bに螺合するネジ部位56aと、側部6の外側面に当接する当接部位56bと、前記ネジ部位56aを回転させるための操作部位56cとから構成されている。
【0040】
前記本体部支持部60は、図3に示すように、一方の対向部53aに設けられる。本体部支持部60には、前記本体部20が挿入される挿入部65が形成されている。該挿入部65は、溝状を有し、本体部20の厚みと同幅若しくはそれより幅広に形成されている。
【0041】
上記構成からなる作業者保護具10を使用する方法について説明する。以下では、一つの本体部20を取り付けるのに二つの取付部21,21を用いる場合について説明する。まず、各取付部21を前記側壁の幅方向両端部に取り付ける。具体的には、一方の対向部53aがバケット4の内側に配置され、他方の対向部53bがバケット4の外側に配置される態様で、側部掛止部50を側部6に掛止する。すると、前記一方の対向部53aは、バケット4の側部6の内側面に対向し、他方の対向部53bは、前記バケット4の側部6の外側面に対向し、各対向部53a,53bは、側部6に沿って底部5側に向かって延びる状態となる。また、前記接続部54は、側部6の上端部6eに当接する。次に、操作部位56cを操作して固定具56を締め付けて、一方の対向部53aを前記側部6の内側面に当接させるとともに、当接部位56bを側部6の外側面に当接させ、取付部21を側部6に固定する。
【0042】
そして、側部6に取り付けられた取付部21の本体部支持部60に形成された挿入部65に本体部20を挿入し、取付部21に本体部20を支持させる。すると、前記本体部20の上端部が側部6よりも高い位置に突出する状態となる。具体的には、本体部20は、例えば側部6の上端部6eよりも約90cm突出し、上端部が作業者の頭部よりも上方に位置する。
【0043】
以上のように、第一実施形態に係る作業者保護具10によれば、高所作業の際に高所作業用バケット4に乗った作業者と配電線等の周辺の物体とが不測に接近若しくは接触するのを好適に防止することで、作業者の安全を確保できる。
【0044】
即ち、前記作業者保護具10は、作業者を乗せて高所作業位置へ移動する高所作業用バケット4に設置され、高所作業用バケット4の側部6よりも高い位置に少なくとも一部が突出するように構成される。従って、作業者と周辺の物体とが側部6だけでなく作業者保護具10によっても隔てられることとなり、作業者と周辺の物体とが接近若しくは接触するのを好適に防止することができる。例えば、作業者が高所作業用バケット4内で移動したり身動きを取ったりした場合や、間接活線工具等の器具を使用した場合に、仮に作業者が周囲の物体を認識していなかったとしても、作業者自身や器具が作業者保護具10に接触することで、周辺の物体にまで接近若しくは接触することを未然に防止することができる。また、作業者保護具10自体によって作業者の注意が喚起されることで、周辺の物体への接近若しくは接触を間接的に防止することもできる。
【0045】
また、前記作業者保護具10は、高所作業用バケット4の側部6に沿って少なくとも一部を突出させる本体部20と、該本体部20を前記側部6に取り付ける取付部21とを備え、側部6に対して着脱可能に構成される。従って、既存の高所作業用バケット4に設置することができるので、作業環境に応じて作業者保護具10を使用することができる。加えて、本体部20が側部6に取り付けられることで、高所作業用バケット4内のスペースを広く確保することができる。また、本体部20が側部6に沿って突出することで、作業者保護具10が高所作業用バケット4の外方に必要以上に食み出すことがなく、例えば高所作業用バケット4を作業対象物に接近させる際に障害になることがない。
【0046】
また、前記作業者保護具10は、前記本体部20が高所作業用バケット4の側部6に沿った形状を有する板部材を用いて構成される。従って、作業者と周辺の物体とを広い範囲で隔てることができる。よって、作業者保護具10を、周辺の物体の位置や形状によらず、様々な状況に対応可能なものとすることができる。
【0047】
また、前記作業者保護具10は、前記取付部21が高所作業用バケット4の側部6に掛止される側部掛止部50と、前記本体部20を支持する本体部支持部60とを備え、前記側部掛止部50は、側部6を間に挟んで該側部6の内側面及び外側面に対向する一対の対向部53を有し、該対向部53の一方が他方よりも長く形成されると共に、前記一方の対向部53aに前記本体部支持部60が設けられる。
【0048】
即ち、作業者保護具10が側部6に掛止することによって取り付けられるため、着脱を容易に行うことができる上に、容易に脱落しないようにすることができる。また、一方の対向部53aに本体部支持部60が設けられることで作業者保護具10の重心が一方側に偏るが、一方の対向部53aを他方の対向部53bよりも長く形成することによって、側部6に掛止された際には一方の対向部53aが他方の対向部53bよりも下方側から側部6に当接する状態となり、安定した取付状態を確保することができる。
【0049】
また、前記作業者保護具10には、取付部21を側部6に固定するための固定具56が設けられているため、前記本体部20を側部6に確実に取り付けることができる。
【0050】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について、図4〜図5を用いて説明する。第二実施形態に係る作業者保護具10は、第一実施形態に係る作業者保護具10と比較すると、主に本体部20の構成が異なるものであり、それに伴って、該本体部20を側部6に取り付ける取付部21(具体的には、本体部支持部60)の構成も一部異なる点を有する。従って、以下では、第一実施形態と異なる点を中心に説明し、同一の構成に対しては同一の符号を付すこととして説明を省略する。
【0051】
前記本体部20は、大きさ(具体的には、面積)を変更可能に構成される展開部30を備える。該展開部30は、下方から上方に引き伸ばす態様で展開するように構成される。具体的には、展開部30は、巻き取り可能な程度の柔軟な素材を用いて構成されるシート状体31と、該シート状体31を保持するシート状体保持体32とを備えて構成され、前記シート状体31は、シート状体保持体32に備えられる軸体33に巻き回された状態で保持される。また、シート状体31は、基端部を前記シート状体保持体32側(具体的には、軸体33)に固定されている。前記シート状体31の先端部には、該先端部の端縁に沿って先端側部材34が設けられる。かかる構成を有する展開部30は、軸体33に巻き付けられた状態から先端側部材34を引っ張ってシート状体31を巻き解きつつ引き出すことにより、縮めた状態から展開することができる。
【0052】
また、前記本体部20は、前記展開部30を展開した状態に維持する維持手段40を備える。具体的には、維持手段40は、シート状体31を引き出した状態とすべく、シート状体保持体32とシート状体31の先端部とが一定の距離離間した状態に維持する。ここで、前記本体部20は、前記シート状体保持体32が取付部21に支持され且つシート状体31の先端部が上方に突出する状態で使用される。従って、前記維持手段40は、シート状体31の先端部を上方の位置で維持するように構成され、具体的には、前記先端側部材34を支持する柱状体41によって構成される。また、前記維持手段40は、前記先端側部材34を幅方向両端部の二箇所で支持するように構成され、即ち、前記維持手段40には二つの柱状体41,41が用いられる。
【0053】
前記柱状体41は、基端部を前記展開部30の先端側部材34に軸支される。具体的には、前記先端側部材34は、前記一対の柱状体41,41を長手方向に沿って収容可能に構成される。該柱状体41は、前記先端側部材34よりも短く形成され、従って、前記先端側部材34の内部に全体が収容される。また、前記先端側部材34には、柱状体41を係止する係止部(図示しない)が設けられており、具体的には、前記柱状体41は係止部に挟持された状態で係止される。また、前記柱状体41は、先端部を前記取付部21に固定される。具体的には、柱状体41の先端部は、後述する本体部支持部60に設けられる柱状体固定部62に挟持される態様で固定される。
【0054】
次に、第二実施形態に係る取付部21について説明する。該取付部21の本体部支持部60は、前記本体部20を構成する展開部30の幅方向端部を支持する展開部支持部61を有するとともに、前記維持手段40の柱状体41の先端部を固定する柱状体固定部62を有する。
【0055】
前記展開部支持部61は、上方側が開放され、上方側から展開部30を出し入れ可能に構成される。また、前記本体部支持部60の柱状体固定部62は、前記柱状体41の先端部の厚みと同幅以下に形成されている。該柱状体固定部62は、本体部支持部60の一側面及び上方側が開放され、柱状体41をスライドさせる態様で出し入れ可能に構成される。
【0056】
前記各部材の寸法について説明すると、前記柱状体41は、上述のように、前記先端側部材34よりも短く形成される。また、前記シート状体31の幅寸法は、前記先端側部材34の長さよりも小さく設定され、さらに、前記シート状体31は、前記一対の柱状体41,41を前記先端側部材34に直交させる状態とした際の一対の柱状体41,41間の間隔よりも小さく設定される。従って、取付状態では、シート状体31と柱状体41とが重ならないようになっている。
【0057】
次に、上記構成からなる作業者保護具10を使用する方法について説明する。なお、第一実施形態の作業者保護具10と共通する部分については省略する。まず、取付部21を前記側部6に取り付ける。次に、前記本体部支持部60の展開部支持部61に該展開部30を載置する態様で支持させる。そして、前記先端側部材34を引っ張ってシート状体31を所定の長さ引き出し、先端側部材34に収容される柱状体41を回転させる態様で取り出した後、該柱状体41を前記柱状体固定部62に挿入して固定させる。
【0058】
この状態で、前記柱状体41は、側方に抜け止めされるとともに、前後方向(前記一方の対向部53aから他方の対向部53bに向かう方向)にも倒れることなく起立した姿勢となり、前記先端側部材34を支える柱として機能する。また、前記先端側部材34は柱状体41によって側部6よりも上方に位置する状態に維持され、シート状体31が先端側部材34から垂れ下がる。
【0059】
以上のように、第二実施形態に係る作業者保護具10によれば、本体部20が大きさを変更可能に構成される展開部30を備えるため、作業者保護具10を使用しないときには、本体部20を小さく縮めておけばよく、取り外してコンパクトに保管することができるとともに、バケット4に取り付けた状態のままにしておいても、作業の邪魔にならず、また、高所作業用バケット4内のスペースを広く確保することができる。
【0060】
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態について、図6を用いて説明する。第三実施形態に係る作業者保護具10は、第一及び第二実施形態に係る作業者保護具10と本体部20及び取付部21の一部の構成が異なる。従って、以下では、第三実施形態の特徴的な構成を中心に説明し、同一の構成に対しては同一の符号を付すこととして説明を省略する。
【0061】
第三実施形態に係る作業者保護具10の本体部20は、第二実施形態と共通する構成を有するが、展開部30が水平方向に引き伸ばす態様で展開するように構成される点で異なる。具体的には、本体部20は、高さ方向に沿って配置される。また、第三実施形態における本体部20は、幅方向に引き出されたシート状体31が重力によって弛んでしまうことを防止すべく弛み防止手段が備えられ、具体的には、弛み防止手段は、引き出されたシート状体31を巻き戻すように張力を作用させるものであり、例えば、シート状体保持体32の軸体33に渦巻バネを取り付けて構成されたものが考えられる。
【0062】
そして、第三実施形態に係る作業者保護具10は、本体部20がかかる態様で用いられるべく、取付部21の構成が第二実施形態とは異なる。次に、第三実施形態に係る取付部21について説明する。取付部21の本体部支持部60は、シート状体保持体32を支持する保持体支持部63と、前記シート状体31の先端側を支持する先端側部材34を支持する先端側部材支持部64とで構成される。前記保持体支持部63は、前記シート状体保持体32を着脱可能に支持する。具体的には、前記シート状体保持体32は、前記保持体支持部63に下端部をスライド可能に挿入された状態で支持される。同様に、前記先端側部材支持部64は、先端側部材34を着脱可能に支持する。具体的には、前記先端側部材支持部64は、先端側部材34に下端部を挿入された状態で支持される。具体的には、保持体支持部63と先端側部材支持部64とは、別個の部材として設けられる。
【0063】
上記構成からなる作業者保護具10は、保持体支持部63をバケット4の側部6に取り付け、先端側部材支持部64を側部6に取り付け、保持体支持部63にシート状体保持体32を保持させ、先端側部材支持部64に先端側部材34を保持させた状態で使用するものである。このとき、保持体支持部63と先端側部材支持部64とを先に側部6に取り付けた後、保持体支持部63にシート状体保持体32を保持させ、先端側部材支持部64に先端側部材34を保持させるものであってもよく、保持体支持部63にシート状体保持体32を保持させて一体化し、先端側部材支持部64に先端側部材34を保持させて一体化した後、保持体支持部63と先端側部材支持部64とをそれぞれ側部6に取り付けるものであってもよい。
【0064】
なお、取付部21は、保持体支持部63と先端側部材支持部64とを両端側に備えた長い部材として構成されるものであってもよい。また、作業者保護具10は、保持体支持部63及びシート状体保持体32を一体化した第一部材と、先端側部材支持部64及び先端側部材34を一体化した第二部材とで構成されるものであってもよい。
【0065】
以上のように、第三実施形態に係る作業者保護具10によれば、本体部20の長さを自由に調整することができるため、どのような大きさ(即ち、幅の大きさ)のバケット4に対しても使用することができる。
【0066】
<第四実施形態>
次に、本発明の第四実施形態について、図7〜図8を参照しながら説明する。第四実施形態に係る高所作業用バケット104は、基本的な構成は第一実施形態において説明したような高所作業車1に備えられるバケット4と共通する。従って、以下では、本実施形態に係る高所作業用バケット104の特徴的な構成を中心に説明する。
【0067】
前記バケット104は、作業者を乗せて高所作業位置へ移動するものであり、図7に示すように、作業者を下方から支える底部105と、底部105の周端部から起立する側部106とを有し、上端が開口した形状に形成されている。前記底部105は、多角形状(具体的には、四角形状)を有する。
【0068】
前記側部106は、異なる方向を向いて配置される複数の側壁によって構成される。各側壁106a〜106dは、隣接する側壁に対して直交させて配置され、また、高さ方向に沿う幅方向端部同士を一体的に連続させて形成される。従って、側部106は、上面視四角形状を有する。具体的には、各側壁106a〜106dは、平坦な形状を有し、対向する側壁106a,106c及び106b,106d同士が平行に配置されるとともに、側壁106a,106cとそれらに直交する側壁106b,106dとは、異なる幅寸法に形成される。具体的には、前記ブーム3が設けられる方向に沿う側壁106a,106cが直交する側壁106b,106dよりも長く形成される。
【0069】
また、前記側部106は、上端部106eが他の部分に比べて肉厚に形成され、具体的には、側部106の上端部106eは、バケット104の外方に延出するように形成されている。
【0070】
また、前記バケット104は、該バケット104の操作を行うための操作盤107を備え、該操作盤107は、前記側部106に一体的に設けられる。具体的には、操作盤107は、側部106を構成する側壁106dの外側部分に設けられる。
【0071】
次に、第四実施形態に係る高所作業用バケット104の特徴的部分について説明する。高所作業用バケット104は、側部106よりも高い位置に少なくとも一部が突出するように構成される作業者保護手段110が備えられるものであり、即ち、第一実施形態で説明したような作業者保護具の機能が内蔵されている。
【0072】
具体的には、前記作業者保護手段110は、前記側部106よりも高い位置に少なくとも一部を突出させるべく前記側部106に対して出退可能に構成される本体部120を備える。具体的には、前記本体部120は、側部106に沿って上下方向に昇降するように構成される。また、高所作業用バケット104には、前記本体部120の昇降動作を行うための駆動手段(図示しない)が備えられる。駆動手段としては、電動のものが用いられるが、油圧や空圧等の流体圧を用いたものであってもよい。
【0073】
また、前記作業者保護手段110は、少なくとも二つの側壁に設けられ、具体的には、前記操作盤107が設けられる側壁106d以外の3つの側壁106a,106b,106cに設けられる。
【0074】
また、高所作業用バケット104には、本体部120が側部106から突出していない非突出状態と、突出した突出状態との間で本体部120の出退操作を行う本体部操作部(図示しない)が設けられる。より好ましくは、本体部操作部は、本体部120が側部106から突出する程度(突出量)を段階的若しくは連続的に調整可能に構成される。ただし、本体部操作部は、前記非突出状態及び突出状態の二つの状態の切替のみを行うものであってもよい。なお、前記本体部操作部は、バケット104の操作盤107に設けられる。ただし、本体部操作部は、操作盤107に設けられる以外にも、本体部120自体やバケット104の側部106など、作業者が操作しやすい箇所であればいずれの箇所に設けられるものであってもよい。
【0075】
また、前記本体部120は、側部106の内部に収納可能に構成される。具体的には、前記バケット104の側部106には、前記本体部120を収納する収納空間108が設けられており、該収納空間108は、側部106の厚み方向中間部に設けられ、且つ、上端部106eからバケット104の底部105に向かって下方に延びるように形成される。また、前記収納空間108は、前記本体部120の長さに対応した深さを有し、側部106の下部にまで至るように形成される。
【0076】
前記本体部120は、図8にも示すように、側部106に沿った形状を有する板部材を用いて構成されている。該板部材は、平坦な四角形状を有する。該本体部120は、一辺の長さが少なくとも前記側部106の外側面の幅寸法よりも短く形成され、具体的には、側部106の内側面の幅寸法と同程度に形成される。また、前記本体部120は、少なくとも側部106の高さ寸法よりも小さい高さ寸法を有する。また、前記本体部120は、絶縁性を有する材料で構成され、具体的には、FRP等の樹脂材料から構成されている。
【0077】
また、高所作業用バケット104は、周辺の物体に接近したことを作業者に報知するための報知手段160を備える。該報知手段160は、光による視覚的な報知を行う接近報知部161を有し、具体的には、発光体を用いて構成される。かかる接近報知部161は、具体的には、周辺の物体に接近したことを点滅によって報知するように構成される。また、該接近報知部161は、充電部(例えば、通電状態の配電線)が発生させる磁界によって発生する誘導電圧(若しくは誘導電流)によって駆動されるように構成される。かかる報知手段160の一例としては、例えば誘導コイルと該誘導コイルに接続されたLEDによって構成されるものが考えられる。また、前記報知手段160は、前記本体部120に備えられ、具体的には、本体部120の上端部に設けられる。
【0078】
上記構成からなる作業者保護手段110を備えた高所作業用バケット104を使用する方法について説明する。バケット104を移動操作させる状況では、バケット104の移動に伴って不測に配電設備に接近すると、前記報知手段160が報知を行う。接近の報知を認識した作業者は、本体部操作部を操作して、本体部120を突出状態とする。バケット104に複数の作業者保護手段110が備えられている場合には、接近報知部161が作動した作業者保護手段110を使用する。ただし、高所作業用バケット104は、報知手段160が報知を行った場合以外にも、作業者の判断で随意使用するものでもよい。
【0079】
第四実施形態に係る高所作業用バケット104によれば、高所作業の際に高所作業用バケット104に乗った作業者と配電線等の周辺の物体とが不測に接近若しくは接触するのを好適に防止することで、作業者の安全を確保できる。
【0080】
即ち、前記高所作業用バケット104は、作業者を乗せて高所作業位置へ移動する高所作業用バケット104であって、底部105と該底部105の周端部から起立する側部106とを有して構成され、該側部106よりも高い位置に少なくとも一部が突出するように構成される作業者保護手段110が備えられる。従って、高所作業用バケット104の側部106よりも高い位置に作業者保護手段110が突出することで、作業者と周辺の物体とが側部106だけでなく作業者保護手段110によっても隔てられることとなり、作業者と周辺の物体とが接近若しくは接触するのを好適に防止することができる。また、高所作業用バケット104に作業者保護手段110が備えられることで、作業者を保護するための設備を別途設置する必要が無く、高所作業の準備等にかかる手間を軽減することができる。
【0081】
また、上記高所作業用バケット104は、前記作業者保護手段110が前記側部106よりも高い位置に少なくとも一部を突出させるべく前記側部106に対して出退可能に構成される本体部120を備える。かかる構成の高所作業用バケット104によれば、前記本体部120が昇降可能に構成されることで、作業環境に応じて作業者保護手段110を使用するか否かを選択することができる。従って、使用するときのみ本体部120を突出させ、使用しないときは本体部120を退避させて作業時の視界の確保や作業性の向上を図ることができる。
【0082】
また、上記高所作業用バケット104は、前記本体部120が側部106の内部に収納可能に構成される。従って、本体部120が側部106の内部に収納されるため、作業者保護手段110を使用しないとき(即ち、本体部120を退避させた状態)であっても、高所作業用バケット104の内側に露出することがなく、作業の邪魔にならず、また、高所作業用バケット104内のスペースを広く確保することができる。
【0083】
また、上記高所作業用バケット104は、前記側部106が異なる方向を向いて配置される複数の側壁を備えて構成され、少なくとも二つの側壁に前記作業者保護手段110が設けられる。従って、周辺の物体が作業者を基準に複数方向に存在する場合や、高所作業用バケット104内で作業者が移動したり、高所作業用バケット104の向きを変えたりして、作業者に対する周辺の物体の方向や位置関係が変化する場合でも、必要な作業者保護手段110を選択して使用することができる。従って、高所作業用バケット104の配置が作業者保護手段110と周辺の物体との位置関係による制約を受けにくくなり、高所作業用バケット104を使い勝手のよいものとすることができる。
【0084】
<第五実施形態>
次に、本発明の第五実施形態について、図9〜図10を参照しながら説明する。第五実施形態に係る高所作業用バケット104は、基本的な構成は第四実施形態に係るバケット104と共通する。従って、以下では、第五実施形態の特徴的な構成を中心に説明し、同一の構成に対しては同一の符号を付すこととして説明を省略する。
【0085】
前記作業者保護手段110は、第四実施形態の場合と同様に、前記側部106に対して出退可能に構成される本体部120を備えるのであるが、該本体部120が伸縮可能に構成される点に特徴があり、本体部120は、互いに相対変位可能に嵌合する複数の嵌合体121a,121b,121cによって構成される。具体的には、本体部120は、略高さの等しい三つの嵌合体121a,121b,121cを用いて構成され、最も収縮させた状態から伸長させると高さが約3倍に変化する。また、本体部120(即ち、嵌合体121a〜121c)は、少なくとも前記側部106の外側面の幅寸法よりも短く形成され、具体的には、側部106の内側面の幅寸法と同程度に形成される。
【0086】
また、前記バケット104の側部106には、前記本体部120を収納する収納空間108が設けられており、該収納空間108は、前記本体部120を最も収縮させた際の長さに対応した深さを有し、側部106の上部に形成される。
【0087】
以上のように、第五実施形態に係る高所作業用バケット104によれば、本体部120が伸縮可能に構成されるため、側部106に形成される収納空間108が小さくて済み、従って、側部106の高い強度を確保することができる。
【0088】
<第六実施形態>
次に、本発明の第六実施形態について、図11〜図12を参照しながら説明する。第六実施形態に係る高所作業用バケット104は、基本的な構成は第四及び第五実施形態に係るバケット104と共通する。従って、以下では、第六実施形態に係る高所作業用バケット104の特徴的な構成を中心に説明し、同一の構成に対しては同一の符号を付すこととして説明を省略する。
【0089】
前記作業者保護手段110は、前記側部106に対して出退可能に構成される本体部120を備えるのであるが、該本体部120は、大きさ(具体的には、面積)を変更可能に構成される展開部130を備える。具体的には、前記本体部120は、展開部130を扇状に広がるように伸長させる態様で展開するように構成される。前記本体部120は、バケット104の側部106に沿って該バケット104の上端部106eに配置される。
【0090】
展開部130は、折り畳み可能なシート状体131と、該シート状体131の一端部を保持する一端側シート状体保持体132とを備えて構成される。該シート状体131は、保形性を有し、折り畳んだ状態と展開した状態とを再現可能に構成される。具体的には、シート状体131は、所定の間隔で折り目が設けられ、折り目位置で折曲する程度の剛性を有する素材によって形成される。また、シート状体131は、他端部をバケット104の側部106側に固定されている。具体的には、前記本体部120は、シート状体131の他端部を保持する他端側シート状体保持体133を備えるとともに、該他端側シート状体保持体133がバケット104に取り付けられる。
【0091】
前記展開部130は、一端側シート状体保持体132が他端側シート状体保持体133に対して長手方向一端部を中心に回転可能に設けられ、一端側シート状体保持体132の長手方向他端部が円弧状の軌跡を描くように変位する。
【0092】
また、バケット104には、前記展開部130の一端側シート状体保持体132の回転動作を行うための駆動手段(図示しない)が備えられる。駆動手段としては、電動のものが用いられるが、油圧や空圧等の流体圧を用いたものであってもよい。
【0093】
また、前記バケット104の側部106には、前記本体部120を収納する収納空間108が設けられており、該収納空間108は、前記本体部120を縮めた際の厚みに対応した深さを有し、側部106の上端部106eに形成される。具体的には、前記収納空間108は、一端側シート状体保持体132の厚みと、折り畳まれた状態のシート状体131の厚みと、他端側シート状体保持体133の厚みの和と同等の深さを有し、収納状態において前記一端側シート状体保持体132の上面が前記側部106の上端部106eと面一となるように設定される。
【0094】
以上のように、第六実施形態に係る高所作業用バケット104によれば、本体部120が伸縮可能に構成されるため、側部106に形成される収納空間108が小さくて済み、従って、側部106の高い強度を確保することができる。
【0095】
なお、本発明に係る作業者保護具及び高所作業用バケットは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0096】
例えば、上記第一〜第三実施形態では、作業者保護具10は、側部6に対して着脱可能に構成されるが、これに限定されるものではなく、バケットの側部に一体的に設けられるものであってもよい。また、作業者保護具は、バケットに取り付けられるのではなく、例えばバケットの底部に載置して使用されるものであってもよい。
【0097】
また、上記第一実施形態では、板部材を用いて構成される本体部20が取付部21に対して不動に保持されるものであったが、該板部材の一端縁部が取付部に対して回転可能に取り付けられ、使用しないときは板部材が側部に沿って下方を向く状態とされ、使用するときは板部材を上方に引き上げて上方を向く状態とされるものであってもよい。また、このような構成においては、本体部が突出した姿勢を安定させるべく、回転可能に固定された下端部に姿勢安定手段が備えられることが好ましい。
【0098】
また、本体部20は、板部材を用いて構成されているが、これに限定されるものではなく、ネット状部材や棒状部材等を用いて構成されるものであってもよい。
【0099】
また、取付部21は、一方の対向部53aが側部6の内側面に対向し、他方の対向部53bが側部6の外側面に対向するように配置されるが、一方の対向部が側部6の外側面に対向し、他方の対向部が側部6の外側面に対向するように配置されてもよい。この場合、取付部を側部6に固定するための固定具は、バケット4の外側に配置されることとなる一方の対向部に備えられ、且つ、該一方の対向部に備えられる本体部支持部よりも下方の位置に設けられることが好ましい。
【0100】
また、上記実施形態では、取付部21を側部6に固定するための固定具56が備えられているが、これに限定されるものではなく、例えば、前記一方の対向部及び他方の対向部が側部に当接するように構成されることで、固定具を用いずに脱落を防止することができるものであってもよい。
【0101】
また、上記第一〜第三実施形態では、取付部21は、側部6に掛止される側部掛止部50を備えるものであったが、これに限定されるものではなく、掛止以外の方法によって側部6に取り付けられるものであってもよい。例えば、取付部が板状に形成され、ボルト等の止め具を用いて側部6の面に固定されるものであってもよい。
【0102】
また、作業者保護具10は、本体部20と取付部21とを備えるものであったが、これに限定されるものではなく、本体部が取付部を介さずにバケットの側部にボルト等の止め具を用いて側部の面に取り付けられるものであってもよい。
【0103】
また、上記第二実施形態では、維持手段40が本体部20に備えられているが、これに限定されるものではなく、維持手段が取付部に備えられてもよい。このような構成としては、例えば、維持手段の柱状体が取付部に回転可能に設けられ、該柱状体が展開部の先端側部材を下方側から支持するものが考えられる。
【0104】
また、上記第一〜第三実施形態では、本体部20と取付部21とが別体として構成されているが、これに限定されるものではなく、本体部と取付部とが一体として構成されたものであってもよい。また、本体部20を取り付けるために二つの取付部21が用いられているが、これに限定されるものではなく、本体部をバケット4に取付可能であれば、一つ若しくは二つ以上用いるものであってもよい。
【0105】
また、上記第一実施形態では、一つの作業者保護具10がバケット4に設置される場合を図示しているが、作業者保護具は、複数設置されるものであってもよい。具体的には、バケット4の側部6を構成する複数の側壁に対して複数の作業者保護具を用いるものであってもよく、一つの側壁に対して複数の作業者保護具を幅方向に並べて用いるものであってもよい。
【0106】
また、上記第四〜第六実施形態では、本体部120は、駆動手段によって駆動されるように構成されているが、本体部は、手動で出退させる構成であってもよい。この場合には、本体部を引き出して突出状態を維持するための維持手段が備えられることが好ましい。
【0107】
また、本発明に係る高所作業用バケットは、本体部が第二実施形態や第三実施形態において説明したような巻き取り可能なシート状体を用いて構成された展開部を備え、例えばシート状体の先端部に設けられる先端側部材を引っ張ってシート状体を巻き解きつつ引き出すことにより、縮めた状態から展開することができるものであってもよい。
【0108】
また、上記第六実施形態では、折り畳み可能なシート状体131を扇状に広げることにより展開部130を展開させるものであったが、シート状体を上方へ引き上げることによって折り畳まれたシート状体が広がり、突出した状態とするものであってもよい。
【0109】
また、本発明に係る作業者保護具及び高所作業用バケットでは、本体部は圧縮空気等の気体を注入すると膨張し気体を抜くと収縮する袋状体を用いて構成されるものであってもよい。
【0110】
また、上記第四実施形態では、報知手段160が光による視覚的な報知を行うものとして説明したが、これに限定されるものではなく、音声による聴覚的な報知や、振動等を用いた触覚的な報知を行うものであってもよい。
【0111】
また、本発明に係る高所作業用バケットには接近検知手段がさらに備えられ、前記報知手段は、前記接近検知手段と接続されて報知を行うものであってもよい。この場合、接近を検知した接近検知手段が検知信号等の形式で検知結果を出力し、報知手段は、該検知結果に基づいて作動する構成が考えられる。該接近検知手段は、充電部の周囲に発生する電界や通電状態の配電線の周囲に発生する磁界等の電気的な物理量を検出するものの他、温度や光、圧力等、他の物理量を検出するものであってもよい。
【0112】
そして、上記構成の場合には、前記作業者保護手段と接近検知手段とが連動し、周辺の物体に接近したことを検知すると自動的に作業者保護手段が作動するものであってもよい。さらには、前記作業者保護手段と接近検知手段と報知手段とが連動するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の第一実施形態に係る作業者保護具が設置された状態の高所作業用バケット及び高所作業車の側面図。
【図2】同実施形態に係る作業者保護具を高所作業用バケットに設置した状態の斜視図。
【図3】同実施形態に係る作業者保護具を高所作業用バケットの側部に設置した状態の側面図。
【図4】本発明の第二実施形態に係る作業者保護具の斜視図。
【図5】同実施形態に係る作業者保護具の本体部の斜視図。
【図6】本発明の第三実施形態に係る作業者保護具の斜視図。
【図7】本発明の第四実施形態に係る高所作業用バケットの斜視図。
【図8】同実施形態に係る高所作業用バケットの側部の断面図。
【図9】本発明の第五実施形態に係る高所作業用バケットの斜視図。
【図10】同実施形態に係る高所作業用バケットの側部の断面図。
【図11】本発明の第六実施形態に係る高所作業用バケットの斜視図。
【図12】同実施形態に係る高所作業用バケットの側部の断面図。
【符号の説明】
【0114】
1…高所作業車、2…車輌本体、3…ブーム、4…高所作業用バケット、5…底部、6…側部、6a,6b,6c,6d…側壁、6e…上端部、7…操作盤、10…作業者保護具、20…本体部、21…取付部、30…展開部、31…シート状体、32…シート状体保持体、33…軸体、34…先端側部材、40…維持手段、41…柱状体、50…側部掛止部、53a,53b…対向部、54…接続部、56…固定具、56a…ネジ部位,56b…当接部位,56c…操作部位、60…本体部支持部、61…展開部支持部、62…柱状体固定部、63…保持体支持部、64…先端側部材支持部、65…挿入部、104…高所作業用バケット、105…底部、106…側部、106a,106b,106c,106d…側壁、106e…上端部、107…操作盤、108…収納空間、110…作業者保護手段、120…本体部、121a,121b,121c,…嵌合体、130…展開部、131…シート状体、132,133…シート状体保持体、160…報知手段、161…接近報知部
【技術分野】
【0001】
本発明は、高所作業を行う際に作業者が乗り込む高所作業用バケットに取付ける作業者保護具及び高所作業用バケットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高所作業車等に備えられる高所作業用バケットに作業者が乗り込んで高所作業位置へ移動して様々な作業を行ういわゆる高所作業が行われている。具体例を挙げると、例えば配電線や碍子、腕金といった配電設備等の敷設、点検、修理等を行う電気工事での高所作業が一般的である。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
ここで、これら配電設備を対象とした電気工事について簡単に説明すると、その手法としては、配電線を停電させた状態で作業を行う停電作業と、配電線を通電させた状態で電気工事を行う活線作業とが知られている。近年では、周辺施設への電力の供給を止めることなく作業を行えるという利点を有することから、活線作業が主に行われている。また、この活線作業には、配電設備に作業者が直接触れて作業を行う直接活線作業と、配電設備に作業者が直接触れることなく、間接活線工具と呼ばれる器具を使用して作業を行う間接活線作業とが知られているが、直接活線作業は、感電等の危険を伴うことから、現在では、間接活線作業が主流となっている。
【0004】
また、活線作業においては、たとえ間接活線作業であっても、配電線の電圧によっては配電設備に直接接触せずとも感電の危険性があるため、作業者が配電設備との間に保たなければならない距離が接近限界距離として定められている。そして、活線作業では、感電の危険性の程度に応じて、作業対象物への絶縁用防具の装着や、作業者の絶縁用保護具の着用が義務付けられ、安全性の確保が図られている。
【特許文献1】特開2007−112586号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、高所作業は、作業対象物の周辺に様々な物体が密集して存在するような状況下で行われることがある。電気工事での高所作業を例にすると、複数本まとめて敷設された配電線の中の一つに対して作業を行なうような状況である。
【0006】
このような状況下では、高所作業中にバケット内で作業者が移動等した際、作業者が周辺の物体に不測に接近あるいは接触してしまうことが考えられ、このような事態は、作業者の安全性の観点から好ましいことではない。特に、電気工事での高所作業において、作業者が配電設備の接近限界距離の範囲内にまで接近してしまうといった事態はなおさら好ましいことではない。
【0007】
そして、高所作業用バケットを高所と地上付近の低所との間で移動させる際や、高所において高所作業用バケットの位置を微調整する際に、作業対象物に対して適正な距離を維持するように高所作業用バケットを移動させたとしても、作業者と周辺の物体とが不測に接近あるいは接触してしまう事態が発生する可能性がある。
【0008】
特に、高所作業用バケットの操作中や高所作業中に作業者の死角となる位置に存在する物体は、作業者が把握し難く、不測に接近あるいは接触する可能性がさらに高くなると考えられる。
【0009】
また、高所作業においては、作業者自身以外にも、作業に使用される器具等(例えば、上述したような間接活線工具)を周辺の物体に不測に接触させてしまうといった事態も考えられ、このような事態も設備保護の観点から好ましいことではない。
【0010】
そこで、本発明は、高所作業の際に高所作業用バケットに乗った作業者と配電線等の周辺の物体とが不測に接近若しくは接触するのを好適に防止することで、作業者の安全を確保できる作業者保護具及び高所作業用バケットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る作業者保護具は、作業者を乗せて高所作業位置へ移動する高所作業用バケットに設置され、高所作業用バケットの側部よりも高い位置に少なくとも一部が突出するように構成されることを特徴とする。
【0012】
上記構成の作業者保護具によれば、高所作業用バケットの側部よりも高い位置に作業者保護具が突出することで、作業者と周辺の物体とが側部だけでなく作業者保護具によっても隔てられることとなり、作業者と周辺の物体とが接近若しくは接触するのを好適に防止することができる。例えば、作業者が高所作業用バケット内で移動したり身動きを取ったりした場合や、間接活線工具等の器具を使用した場合に、仮に作業者が周囲の物体を認識していなかったとしても、作業者自身や器具が作業者保護具に接触することで、周辺の物体にまで接近若しくは接触することを未然に防止することができる。また、作業者保護具自体によって作業者の注意が喚起されることで、周辺の物体への接近若しくは接触を間接的に防止することもできる。
【0013】
また、上記作業者保護具は、高所作業用バケットの側部に沿って少なくとも一部を突出させる本体部と、該本体部を前記側部に取り付ける取付部とを備え、側部に対して着脱可能に構成されることが好ましい。
【0014】
かかる構成の作業者保護具によれば、作業者保護具が着脱可能に構成されることで、既存の高所作業用バケットに設置することができるので、作業環境に応じて作業者保護具を使用することができる。加えて、本体部が側部に取り付けられることで、高所作業用バケット内のスペースを広く確保することができる。また、本体部が側部に沿って突出することで、作業者保護具が高所作業用バケットの外方に必要以上に食み出すことがなく、例えば高所作業用バケットを作業対象物に接近させる際に障害になることがない。
【0015】
また、上記作業者保護具は、前記本体部は、高所作業用バケットの側部に沿った形状を有する板部材を用いて構成されることが好ましい。
【0016】
かかる構成の作業者保護具によれば、本体部が板部材を用いて構成されることで、作業者と周辺の物体とを広い範囲で隔てることができる。よって、作業者保護具を、周辺の物体の位置や形状によらず、様々な状況に対応可能なものとすることができる。
【0017】
また、上記作業者保護具は、前記取付部は、高所作業用バケットの側部に掛止される側部掛止部と、前記本体部を支持する本体部支持部とを備え、前記側部掛止部は、側部を間に挟んで該側部の内側面及び外側面に対向する一対の対向部を有し、該対向部の一方が他方よりも長く形成されると共に、前記一方の対向部に前記本体部支持部が設けられることが好ましい。
【0018】
かかる構成の作業者保護具は、側部に掛止することによって取り付けられるので、着脱を容易に行うことができる上に、容易に脱落しないようにすることができる。また、一方の対向部に本体部支持部が設けられることで作業者保護具の重心が一方側に偏るが、一方の対向部を他方の対向部よりも長く形成することによって、側部に掛止された際には一方の対向部が他方の対向部よりも下方側から側部に当接する状態となり、安定した取付状態を確保することができる。
【0019】
また、本発明に係る高所作業用バケットは、作業者を乗せて高所作業位置へ移動する高所作業用バケットであって、底部と該底部の周端部から起立する側部とを有して構成され、該側部よりも高い位置に少なくとも一部が突出するように構成される作業者保護手段が備えられることを特徴とする。
【0020】
上記構成の高所作業用バケットによれば、高所作業用バケットの側部よりも高い位置に作業者保護手段が突出することで、作業者と周辺の物体とが側部だけでなく作業者保護手段によっても隔てられることとなり、作業者と周辺の物体とが接近若しくは接触するのを好適に防止することができる。また、高所作業用バケットに作業者保護手段が備えられることで、作業者保護するための設備を別途設置する必要が無く、高所作業の準備等にかかる手間を軽減することができる。
【0021】
また、上記高所作業用バケットは、前記作業者保護手段は、前記側部よりも高い位置に少なくとも一部を突出させるべく前記側部に対して出退可能に構成される本体部を備える
ことが好ましい。
【0022】
かかる構成の高所作業用バケットによれば、前記本体部が昇降可能に構成されることで、作業環境に応じて作業者保護手段を使用するか否かを選択することができる。従って、使用するときのみ本体部を突出させ、使用しないときは本体部を退避させて作業時の視界の確保や作業性の向上を図ることができる。
【0023】
また、上記高所作業用バケットは、前記本体部は、側部の内部に収納可能に構成されることが好ましい。
【0024】
かかる構成の高所作業用バケットによれば、本体部が側部の内部に収納されるため、作業者保護手段を使用しないとき(即ち、本体部を退避させた状態)であっても、高所作業用バケットの内側に露出することがなく、作業の邪魔にならず、また、高所作業用バケット内のスペースを広く確保することができる。
【0025】
また、上記高所作業用バケットは、前記側部は、異なる方向を向いて配置される複数の側壁を備えて構成され、少なくとも二つの側壁に前記作業者保護手段が設けられることが好ましい。
【0026】
かかる構成の高所作業用バケットによれば、異なる方向を向く少なくとも二つの側壁に作業者保護手段が設けられることで、前記周辺の物体が作業者を基準に複数方向に存在する場合や、高所作業用バケット内で作業者が移動したり、高所作業用バケットの向きを変えたりして、作業者に対する周辺の物体の方向や位置関係が変化する場合でも、必要な作業者保護手段を選択して使用することができる。従って、高所作業用バケットの配置が作業者保護手段と周辺の物体との位置関係による制約を受けにくくなり、高所作業用バケットを使い勝手のよいものとすることができる。
【発明の効果】
【0027】
以上のように、本発明によれば、高所作業の際に高所作業用バケットに乗った作業者と配電線等の周辺の物体とが不測に接近若しくは接触するのを好適に防止することで、作業者の安全を確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
<第一実施形態>
以下、本発明の第一実施形態について、図1〜図3を参照しながら説明する。
【0029】
第一実施形態に係る作業者保護具10についての説明に先立って、まず、高所作業車1及び作業者保護具10の設置対象となる高所作業用バケット(以下、単にバケットと記すことがある)4について説明する。図1に示すように、高所作業車1は、車輌本体2と該車輌本体2に搭載されるブーム3と該ブーム3の先端に取り付けられるバケット4とを備えて構成される。
【0030】
前記バケット4は、作業者を乗せて高所作業位置へ移動するものであり、図2に示すように、作業者を下方から支える底部5と、底部5の周端部から起立する側部6とを有し、上端が開口した形状に形成されている。前記底部5は、多角形状(具体的には、四角形状)を有する。
【0031】
前記側部6は、異なる方向を向いて配置される複数の側壁6a〜6dによって構成される。各側壁6a〜6dは、隣接する側壁に対して直交させて配置され、また、高さ方向に沿う幅方向端部同士を一体的に連続させて形成される。従って、側部6は、上面視四角形状を有する。具体的には、各側壁6a〜6dは、平坦な形状を有し、対向する側壁6a,6c及び6b,6d同士が平行に配置されるとともに、側壁6a,6cとそれらに直交する側壁6b,6dとは、異なる幅寸法に形成される。具体的には、前記ブーム3が設けられる方向に沿う側壁6a,6cが直交する側壁6b,6dよりも長く形成される。
【0032】
また、前記側部6は、上端部6eが他の部分に比べて肉厚に形成され、具体的には、側部6の上端部6eは、バケット4の外方に延出するように形成されている。
【0033】
また、前記バケット4は、該バケット4の操作を行うための操作盤7を備え、該操作盤7は、前記側部6に一体的に設けられる。具体的には、操作盤7は、側部6を構成する側壁6dの外側部分に設けられる。
【0034】
次に、本実施形態の特徴的部分である作業者保護具10について説明する。作業者保護具10は、図2に示すように、前記バケット4に設置して使用される。また、前記作業者保護具10の少なくとも一部は、側部6よりも高い位置に突出するように構成されている。
【0035】
また、作業者保護具10は、側部6に対して着脱可能に構成され、側部6に設置された状態で側部6に沿って突出する本体部20と、該本体部20を側部6に取り付ける取付部21とを備えている。具体的には、前記本体部20は、下部が側部6の上端部6eよりも下方の位置に取り付けられる。
【0036】
前記本体部20は、図3に示すように、側部6に沿った形状を有する板部材を用いて構成されている。該板部材は、平坦な四角形状を有する。該本体部20は、少なくとも一辺の長さが前記側部6の内側面の幅寸法よりも短く形成される。また、前記本体部20は、側部6の内側面の高さ寸法と同程度の高さ寸法を有する。なお、前記本体部20は、絶縁性を有する素材を用いて構成され、例えば、FRP等の樹脂材料から形成されている。また、本体部20は、外側と内側とを貫通するような部分を有しないで形成される。
【0037】
好ましくは、本体部20は、長方形状に形成され、長辺の寸法が側壁6a,6cの内側面の幅より小さく設定され、短辺の寸法が側壁6b,6dの内側面の幅より小さく設定される。かかる縦寸法及び横寸法を有する本体部20であれば、側壁6a,6cに対しては長辺が水平方向に沿うように取り付け、側壁6b,6dに対しては長辺が上下方向に沿うように取り付けることで、一つの本体部20によって側壁6a,6c及び側壁6b,6dのいずれにも取り付け可能なものとなる。
【0038】
次に、前記取付部21について説明する。取付部21は、図3に示すように、取付部21は、側部6に掛止する側部掛止部50と、本体部20を支持する本体部支持部60とから構成される部材である。前記側部掛止部50は、断面コの字状の形状を有し、側部6の上端側から掛止される。また、側部掛止部50は、図3に示すように、前記側部6を間に挟んで該側部6の内側面及び外側面に対向する一対の対向部53a,53bを有する。具体的には、一対の対向部53a,53bは、前記バケット4の側部6の厚み寸法よりも大きな間隔を有して対向する。また、前記一対の対向部53a,53bは、各対向部53a,53bの上端部を接続部54によって接続されている。さらに、前記一対の対向部53a,53bは、一方が他方よりも長く形成される。前記各対向部53a,53bは、平坦な長方形状を有し、接続部54も平坦な長方形状に形成されている。
【0039】
また、前記作業者保護具10には、取付部21を側部6に固定するための固定具56が設けられている。該固定具56は、他方の対向部53bに設けられ、前記側部6に圧接可能に構成される。具体的には、固定具56は、前記一方の対向部53aに接離する方向に変位可能に構成され、外側対向部53bに螺合するネジ部位56aと、側部6の外側面に当接する当接部位56bと、前記ネジ部位56aを回転させるための操作部位56cとから構成されている。
【0040】
前記本体部支持部60は、図3に示すように、一方の対向部53aに設けられる。本体部支持部60には、前記本体部20が挿入される挿入部65が形成されている。該挿入部65は、溝状を有し、本体部20の厚みと同幅若しくはそれより幅広に形成されている。
【0041】
上記構成からなる作業者保護具10を使用する方法について説明する。以下では、一つの本体部20を取り付けるのに二つの取付部21,21を用いる場合について説明する。まず、各取付部21を前記側壁の幅方向両端部に取り付ける。具体的には、一方の対向部53aがバケット4の内側に配置され、他方の対向部53bがバケット4の外側に配置される態様で、側部掛止部50を側部6に掛止する。すると、前記一方の対向部53aは、バケット4の側部6の内側面に対向し、他方の対向部53bは、前記バケット4の側部6の外側面に対向し、各対向部53a,53bは、側部6に沿って底部5側に向かって延びる状態となる。また、前記接続部54は、側部6の上端部6eに当接する。次に、操作部位56cを操作して固定具56を締め付けて、一方の対向部53aを前記側部6の内側面に当接させるとともに、当接部位56bを側部6の外側面に当接させ、取付部21を側部6に固定する。
【0042】
そして、側部6に取り付けられた取付部21の本体部支持部60に形成された挿入部65に本体部20を挿入し、取付部21に本体部20を支持させる。すると、前記本体部20の上端部が側部6よりも高い位置に突出する状態となる。具体的には、本体部20は、例えば側部6の上端部6eよりも約90cm突出し、上端部が作業者の頭部よりも上方に位置する。
【0043】
以上のように、第一実施形態に係る作業者保護具10によれば、高所作業の際に高所作業用バケット4に乗った作業者と配電線等の周辺の物体とが不測に接近若しくは接触するのを好適に防止することで、作業者の安全を確保できる。
【0044】
即ち、前記作業者保護具10は、作業者を乗せて高所作業位置へ移動する高所作業用バケット4に設置され、高所作業用バケット4の側部6よりも高い位置に少なくとも一部が突出するように構成される。従って、作業者と周辺の物体とが側部6だけでなく作業者保護具10によっても隔てられることとなり、作業者と周辺の物体とが接近若しくは接触するのを好適に防止することができる。例えば、作業者が高所作業用バケット4内で移動したり身動きを取ったりした場合や、間接活線工具等の器具を使用した場合に、仮に作業者が周囲の物体を認識していなかったとしても、作業者自身や器具が作業者保護具10に接触することで、周辺の物体にまで接近若しくは接触することを未然に防止することができる。また、作業者保護具10自体によって作業者の注意が喚起されることで、周辺の物体への接近若しくは接触を間接的に防止することもできる。
【0045】
また、前記作業者保護具10は、高所作業用バケット4の側部6に沿って少なくとも一部を突出させる本体部20と、該本体部20を前記側部6に取り付ける取付部21とを備え、側部6に対して着脱可能に構成される。従って、既存の高所作業用バケット4に設置することができるので、作業環境に応じて作業者保護具10を使用することができる。加えて、本体部20が側部6に取り付けられることで、高所作業用バケット4内のスペースを広く確保することができる。また、本体部20が側部6に沿って突出することで、作業者保護具10が高所作業用バケット4の外方に必要以上に食み出すことがなく、例えば高所作業用バケット4を作業対象物に接近させる際に障害になることがない。
【0046】
また、前記作業者保護具10は、前記本体部20が高所作業用バケット4の側部6に沿った形状を有する板部材を用いて構成される。従って、作業者と周辺の物体とを広い範囲で隔てることができる。よって、作業者保護具10を、周辺の物体の位置や形状によらず、様々な状況に対応可能なものとすることができる。
【0047】
また、前記作業者保護具10は、前記取付部21が高所作業用バケット4の側部6に掛止される側部掛止部50と、前記本体部20を支持する本体部支持部60とを備え、前記側部掛止部50は、側部6を間に挟んで該側部6の内側面及び外側面に対向する一対の対向部53を有し、該対向部53の一方が他方よりも長く形成されると共に、前記一方の対向部53aに前記本体部支持部60が設けられる。
【0048】
即ち、作業者保護具10が側部6に掛止することによって取り付けられるため、着脱を容易に行うことができる上に、容易に脱落しないようにすることができる。また、一方の対向部53aに本体部支持部60が設けられることで作業者保護具10の重心が一方側に偏るが、一方の対向部53aを他方の対向部53bよりも長く形成することによって、側部6に掛止された際には一方の対向部53aが他方の対向部53bよりも下方側から側部6に当接する状態となり、安定した取付状態を確保することができる。
【0049】
また、前記作業者保護具10には、取付部21を側部6に固定するための固定具56が設けられているため、前記本体部20を側部6に確実に取り付けることができる。
【0050】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について、図4〜図5を用いて説明する。第二実施形態に係る作業者保護具10は、第一実施形態に係る作業者保護具10と比較すると、主に本体部20の構成が異なるものであり、それに伴って、該本体部20を側部6に取り付ける取付部21(具体的には、本体部支持部60)の構成も一部異なる点を有する。従って、以下では、第一実施形態と異なる点を中心に説明し、同一の構成に対しては同一の符号を付すこととして説明を省略する。
【0051】
前記本体部20は、大きさ(具体的には、面積)を変更可能に構成される展開部30を備える。該展開部30は、下方から上方に引き伸ばす態様で展開するように構成される。具体的には、展開部30は、巻き取り可能な程度の柔軟な素材を用いて構成されるシート状体31と、該シート状体31を保持するシート状体保持体32とを備えて構成され、前記シート状体31は、シート状体保持体32に備えられる軸体33に巻き回された状態で保持される。また、シート状体31は、基端部を前記シート状体保持体32側(具体的には、軸体33)に固定されている。前記シート状体31の先端部には、該先端部の端縁に沿って先端側部材34が設けられる。かかる構成を有する展開部30は、軸体33に巻き付けられた状態から先端側部材34を引っ張ってシート状体31を巻き解きつつ引き出すことにより、縮めた状態から展開することができる。
【0052】
また、前記本体部20は、前記展開部30を展開した状態に維持する維持手段40を備える。具体的には、維持手段40は、シート状体31を引き出した状態とすべく、シート状体保持体32とシート状体31の先端部とが一定の距離離間した状態に維持する。ここで、前記本体部20は、前記シート状体保持体32が取付部21に支持され且つシート状体31の先端部が上方に突出する状態で使用される。従って、前記維持手段40は、シート状体31の先端部を上方の位置で維持するように構成され、具体的には、前記先端側部材34を支持する柱状体41によって構成される。また、前記維持手段40は、前記先端側部材34を幅方向両端部の二箇所で支持するように構成され、即ち、前記維持手段40には二つの柱状体41,41が用いられる。
【0053】
前記柱状体41は、基端部を前記展開部30の先端側部材34に軸支される。具体的には、前記先端側部材34は、前記一対の柱状体41,41を長手方向に沿って収容可能に構成される。該柱状体41は、前記先端側部材34よりも短く形成され、従って、前記先端側部材34の内部に全体が収容される。また、前記先端側部材34には、柱状体41を係止する係止部(図示しない)が設けられており、具体的には、前記柱状体41は係止部に挟持された状態で係止される。また、前記柱状体41は、先端部を前記取付部21に固定される。具体的には、柱状体41の先端部は、後述する本体部支持部60に設けられる柱状体固定部62に挟持される態様で固定される。
【0054】
次に、第二実施形態に係る取付部21について説明する。該取付部21の本体部支持部60は、前記本体部20を構成する展開部30の幅方向端部を支持する展開部支持部61を有するとともに、前記維持手段40の柱状体41の先端部を固定する柱状体固定部62を有する。
【0055】
前記展開部支持部61は、上方側が開放され、上方側から展開部30を出し入れ可能に構成される。また、前記本体部支持部60の柱状体固定部62は、前記柱状体41の先端部の厚みと同幅以下に形成されている。該柱状体固定部62は、本体部支持部60の一側面及び上方側が開放され、柱状体41をスライドさせる態様で出し入れ可能に構成される。
【0056】
前記各部材の寸法について説明すると、前記柱状体41は、上述のように、前記先端側部材34よりも短く形成される。また、前記シート状体31の幅寸法は、前記先端側部材34の長さよりも小さく設定され、さらに、前記シート状体31は、前記一対の柱状体41,41を前記先端側部材34に直交させる状態とした際の一対の柱状体41,41間の間隔よりも小さく設定される。従って、取付状態では、シート状体31と柱状体41とが重ならないようになっている。
【0057】
次に、上記構成からなる作業者保護具10を使用する方法について説明する。なお、第一実施形態の作業者保護具10と共通する部分については省略する。まず、取付部21を前記側部6に取り付ける。次に、前記本体部支持部60の展開部支持部61に該展開部30を載置する態様で支持させる。そして、前記先端側部材34を引っ張ってシート状体31を所定の長さ引き出し、先端側部材34に収容される柱状体41を回転させる態様で取り出した後、該柱状体41を前記柱状体固定部62に挿入して固定させる。
【0058】
この状態で、前記柱状体41は、側方に抜け止めされるとともに、前後方向(前記一方の対向部53aから他方の対向部53bに向かう方向)にも倒れることなく起立した姿勢となり、前記先端側部材34を支える柱として機能する。また、前記先端側部材34は柱状体41によって側部6よりも上方に位置する状態に維持され、シート状体31が先端側部材34から垂れ下がる。
【0059】
以上のように、第二実施形態に係る作業者保護具10によれば、本体部20が大きさを変更可能に構成される展開部30を備えるため、作業者保護具10を使用しないときには、本体部20を小さく縮めておけばよく、取り外してコンパクトに保管することができるとともに、バケット4に取り付けた状態のままにしておいても、作業の邪魔にならず、また、高所作業用バケット4内のスペースを広く確保することができる。
【0060】
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態について、図6を用いて説明する。第三実施形態に係る作業者保護具10は、第一及び第二実施形態に係る作業者保護具10と本体部20及び取付部21の一部の構成が異なる。従って、以下では、第三実施形態の特徴的な構成を中心に説明し、同一の構成に対しては同一の符号を付すこととして説明を省略する。
【0061】
第三実施形態に係る作業者保護具10の本体部20は、第二実施形態と共通する構成を有するが、展開部30が水平方向に引き伸ばす態様で展開するように構成される点で異なる。具体的には、本体部20は、高さ方向に沿って配置される。また、第三実施形態における本体部20は、幅方向に引き出されたシート状体31が重力によって弛んでしまうことを防止すべく弛み防止手段が備えられ、具体的には、弛み防止手段は、引き出されたシート状体31を巻き戻すように張力を作用させるものであり、例えば、シート状体保持体32の軸体33に渦巻バネを取り付けて構成されたものが考えられる。
【0062】
そして、第三実施形態に係る作業者保護具10は、本体部20がかかる態様で用いられるべく、取付部21の構成が第二実施形態とは異なる。次に、第三実施形態に係る取付部21について説明する。取付部21の本体部支持部60は、シート状体保持体32を支持する保持体支持部63と、前記シート状体31の先端側を支持する先端側部材34を支持する先端側部材支持部64とで構成される。前記保持体支持部63は、前記シート状体保持体32を着脱可能に支持する。具体的には、前記シート状体保持体32は、前記保持体支持部63に下端部をスライド可能に挿入された状態で支持される。同様に、前記先端側部材支持部64は、先端側部材34を着脱可能に支持する。具体的には、前記先端側部材支持部64は、先端側部材34に下端部を挿入された状態で支持される。具体的には、保持体支持部63と先端側部材支持部64とは、別個の部材として設けられる。
【0063】
上記構成からなる作業者保護具10は、保持体支持部63をバケット4の側部6に取り付け、先端側部材支持部64を側部6に取り付け、保持体支持部63にシート状体保持体32を保持させ、先端側部材支持部64に先端側部材34を保持させた状態で使用するものである。このとき、保持体支持部63と先端側部材支持部64とを先に側部6に取り付けた後、保持体支持部63にシート状体保持体32を保持させ、先端側部材支持部64に先端側部材34を保持させるものであってもよく、保持体支持部63にシート状体保持体32を保持させて一体化し、先端側部材支持部64に先端側部材34を保持させて一体化した後、保持体支持部63と先端側部材支持部64とをそれぞれ側部6に取り付けるものであってもよい。
【0064】
なお、取付部21は、保持体支持部63と先端側部材支持部64とを両端側に備えた長い部材として構成されるものであってもよい。また、作業者保護具10は、保持体支持部63及びシート状体保持体32を一体化した第一部材と、先端側部材支持部64及び先端側部材34を一体化した第二部材とで構成されるものであってもよい。
【0065】
以上のように、第三実施形態に係る作業者保護具10によれば、本体部20の長さを自由に調整することができるため、どのような大きさ(即ち、幅の大きさ)のバケット4に対しても使用することができる。
【0066】
<第四実施形態>
次に、本発明の第四実施形態について、図7〜図8を参照しながら説明する。第四実施形態に係る高所作業用バケット104は、基本的な構成は第一実施形態において説明したような高所作業車1に備えられるバケット4と共通する。従って、以下では、本実施形態に係る高所作業用バケット104の特徴的な構成を中心に説明する。
【0067】
前記バケット104は、作業者を乗せて高所作業位置へ移動するものであり、図7に示すように、作業者を下方から支える底部105と、底部105の周端部から起立する側部106とを有し、上端が開口した形状に形成されている。前記底部105は、多角形状(具体的には、四角形状)を有する。
【0068】
前記側部106は、異なる方向を向いて配置される複数の側壁によって構成される。各側壁106a〜106dは、隣接する側壁に対して直交させて配置され、また、高さ方向に沿う幅方向端部同士を一体的に連続させて形成される。従って、側部106は、上面視四角形状を有する。具体的には、各側壁106a〜106dは、平坦な形状を有し、対向する側壁106a,106c及び106b,106d同士が平行に配置されるとともに、側壁106a,106cとそれらに直交する側壁106b,106dとは、異なる幅寸法に形成される。具体的には、前記ブーム3が設けられる方向に沿う側壁106a,106cが直交する側壁106b,106dよりも長く形成される。
【0069】
また、前記側部106は、上端部106eが他の部分に比べて肉厚に形成され、具体的には、側部106の上端部106eは、バケット104の外方に延出するように形成されている。
【0070】
また、前記バケット104は、該バケット104の操作を行うための操作盤107を備え、該操作盤107は、前記側部106に一体的に設けられる。具体的には、操作盤107は、側部106を構成する側壁106dの外側部分に設けられる。
【0071】
次に、第四実施形態に係る高所作業用バケット104の特徴的部分について説明する。高所作業用バケット104は、側部106よりも高い位置に少なくとも一部が突出するように構成される作業者保護手段110が備えられるものであり、即ち、第一実施形態で説明したような作業者保護具の機能が内蔵されている。
【0072】
具体的には、前記作業者保護手段110は、前記側部106よりも高い位置に少なくとも一部を突出させるべく前記側部106に対して出退可能に構成される本体部120を備える。具体的には、前記本体部120は、側部106に沿って上下方向に昇降するように構成される。また、高所作業用バケット104には、前記本体部120の昇降動作を行うための駆動手段(図示しない)が備えられる。駆動手段としては、電動のものが用いられるが、油圧や空圧等の流体圧を用いたものであってもよい。
【0073】
また、前記作業者保護手段110は、少なくとも二つの側壁に設けられ、具体的には、前記操作盤107が設けられる側壁106d以外の3つの側壁106a,106b,106cに設けられる。
【0074】
また、高所作業用バケット104には、本体部120が側部106から突出していない非突出状態と、突出した突出状態との間で本体部120の出退操作を行う本体部操作部(図示しない)が設けられる。より好ましくは、本体部操作部は、本体部120が側部106から突出する程度(突出量)を段階的若しくは連続的に調整可能に構成される。ただし、本体部操作部は、前記非突出状態及び突出状態の二つの状態の切替のみを行うものであってもよい。なお、前記本体部操作部は、バケット104の操作盤107に設けられる。ただし、本体部操作部は、操作盤107に設けられる以外にも、本体部120自体やバケット104の側部106など、作業者が操作しやすい箇所であればいずれの箇所に設けられるものであってもよい。
【0075】
また、前記本体部120は、側部106の内部に収納可能に構成される。具体的には、前記バケット104の側部106には、前記本体部120を収納する収納空間108が設けられており、該収納空間108は、側部106の厚み方向中間部に設けられ、且つ、上端部106eからバケット104の底部105に向かって下方に延びるように形成される。また、前記収納空間108は、前記本体部120の長さに対応した深さを有し、側部106の下部にまで至るように形成される。
【0076】
前記本体部120は、図8にも示すように、側部106に沿った形状を有する板部材を用いて構成されている。該板部材は、平坦な四角形状を有する。該本体部120は、一辺の長さが少なくとも前記側部106の外側面の幅寸法よりも短く形成され、具体的には、側部106の内側面の幅寸法と同程度に形成される。また、前記本体部120は、少なくとも側部106の高さ寸法よりも小さい高さ寸法を有する。また、前記本体部120は、絶縁性を有する材料で構成され、具体的には、FRP等の樹脂材料から構成されている。
【0077】
また、高所作業用バケット104は、周辺の物体に接近したことを作業者に報知するための報知手段160を備える。該報知手段160は、光による視覚的な報知を行う接近報知部161を有し、具体的には、発光体を用いて構成される。かかる接近報知部161は、具体的には、周辺の物体に接近したことを点滅によって報知するように構成される。また、該接近報知部161は、充電部(例えば、通電状態の配電線)が発生させる磁界によって発生する誘導電圧(若しくは誘導電流)によって駆動されるように構成される。かかる報知手段160の一例としては、例えば誘導コイルと該誘導コイルに接続されたLEDによって構成されるものが考えられる。また、前記報知手段160は、前記本体部120に備えられ、具体的には、本体部120の上端部に設けられる。
【0078】
上記構成からなる作業者保護手段110を備えた高所作業用バケット104を使用する方法について説明する。バケット104を移動操作させる状況では、バケット104の移動に伴って不測に配電設備に接近すると、前記報知手段160が報知を行う。接近の報知を認識した作業者は、本体部操作部を操作して、本体部120を突出状態とする。バケット104に複数の作業者保護手段110が備えられている場合には、接近報知部161が作動した作業者保護手段110を使用する。ただし、高所作業用バケット104は、報知手段160が報知を行った場合以外にも、作業者の判断で随意使用するものでもよい。
【0079】
第四実施形態に係る高所作業用バケット104によれば、高所作業の際に高所作業用バケット104に乗った作業者と配電線等の周辺の物体とが不測に接近若しくは接触するのを好適に防止することで、作業者の安全を確保できる。
【0080】
即ち、前記高所作業用バケット104は、作業者を乗せて高所作業位置へ移動する高所作業用バケット104であって、底部105と該底部105の周端部から起立する側部106とを有して構成され、該側部106よりも高い位置に少なくとも一部が突出するように構成される作業者保護手段110が備えられる。従って、高所作業用バケット104の側部106よりも高い位置に作業者保護手段110が突出することで、作業者と周辺の物体とが側部106だけでなく作業者保護手段110によっても隔てられることとなり、作業者と周辺の物体とが接近若しくは接触するのを好適に防止することができる。また、高所作業用バケット104に作業者保護手段110が備えられることで、作業者を保護するための設備を別途設置する必要が無く、高所作業の準備等にかかる手間を軽減することができる。
【0081】
また、上記高所作業用バケット104は、前記作業者保護手段110が前記側部106よりも高い位置に少なくとも一部を突出させるべく前記側部106に対して出退可能に構成される本体部120を備える。かかる構成の高所作業用バケット104によれば、前記本体部120が昇降可能に構成されることで、作業環境に応じて作業者保護手段110を使用するか否かを選択することができる。従って、使用するときのみ本体部120を突出させ、使用しないときは本体部120を退避させて作業時の視界の確保や作業性の向上を図ることができる。
【0082】
また、上記高所作業用バケット104は、前記本体部120が側部106の内部に収納可能に構成される。従って、本体部120が側部106の内部に収納されるため、作業者保護手段110を使用しないとき(即ち、本体部120を退避させた状態)であっても、高所作業用バケット104の内側に露出することがなく、作業の邪魔にならず、また、高所作業用バケット104内のスペースを広く確保することができる。
【0083】
また、上記高所作業用バケット104は、前記側部106が異なる方向を向いて配置される複数の側壁を備えて構成され、少なくとも二つの側壁に前記作業者保護手段110が設けられる。従って、周辺の物体が作業者を基準に複数方向に存在する場合や、高所作業用バケット104内で作業者が移動したり、高所作業用バケット104の向きを変えたりして、作業者に対する周辺の物体の方向や位置関係が変化する場合でも、必要な作業者保護手段110を選択して使用することができる。従って、高所作業用バケット104の配置が作業者保護手段110と周辺の物体との位置関係による制約を受けにくくなり、高所作業用バケット104を使い勝手のよいものとすることができる。
【0084】
<第五実施形態>
次に、本発明の第五実施形態について、図9〜図10を参照しながら説明する。第五実施形態に係る高所作業用バケット104は、基本的な構成は第四実施形態に係るバケット104と共通する。従って、以下では、第五実施形態の特徴的な構成を中心に説明し、同一の構成に対しては同一の符号を付すこととして説明を省略する。
【0085】
前記作業者保護手段110は、第四実施形態の場合と同様に、前記側部106に対して出退可能に構成される本体部120を備えるのであるが、該本体部120が伸縮可能に構成される点に特徴があり、本体部120は、互いに相対変位可能に嵌合する複数の嵌合体121a,121b,121cによって構成される。具体的には、本体部120は、略高さの等しい三つの嵌合体121a,121b,121cを用いて構成され、最も収縮させた状態から伸長させると高さが約3倍に変化する。また、本体部120(即ち、嵌合体121a〜121c)は、少なくとも前記側部106の外側面の幅寸法よりも短く形成され、具体的には、側部106の内側面の幅寸法と同程度に形成される。
【0086】
また、前記バケット104の側部106には、前記本体部120を収納する収納空間108が設けられており、該収納空間108は、前記本体部120を最も収縮させた際の長さに対応した深さを有し、側部106の上部に形成される。
【0087】
以上のように、第五実施形態に係る高所作業用バケット104によれば、本体部120が伸縮可能に構成されるため、側部106に形成される収納空間108が小さくて済み、従って、側部106の高い強度を確保することができる。
【0088】
<第六実施形態>
次に、本発明の第六実施形態について、図11〜図12を参照しながら説明する。第六実施形態に係る高所作業用バケット104は、基本的な構成は第四及び第五実施形態に係るバケット104と共通する。従って、以下では、第六実施形態に係る高所作業用バケット104の特徴的な構成を中心に説明し、同一の構成に対しては同一の符号を付すこととして説明を省略する。
【0089】
前記作業者保護手段110は、前記側部106に対して出退可能に構成される本体部120を備えるのであるが、該本体部120は、大きさ(具体的には、面積)を変更可能に構成される展開部130を備える。具体的には、前記本体部120は、展開部130を扇状に広がるように伸長させる態様で展開するように構成される。前記本体部120は、バケット104の側部106に沿って該バケット104の上端部106eに配置される。
【0090】
展開部130は、折り畳み可能なシート状体131と、該シート状体131の一端部を保持する一端側シート状体保持体132とを備えて構成される。該シート状体131は、保形性を有し、折り畳んだ状態と展開した状態とを再現可能に構成される。具体的には、シート状体131は、所定の間隔で折り目が設けられ、折り目位置で折曲する程度の剛性を有する素材によって形成される。また、シート状体131は、他端部をバケット104の側部106側に固定されている。具体的には、前記本体部120は、シート状体131の他端部を保持する他端側シート状体保持体133を備えるとともに、該他端側シート状体保持体133がバケット104に取り付けられる。
【0091】
前記展開部130は、一端側シート状体保持体132が他端側シート状体保持体133に対して長手方向一端部を中心に回転可能に設けられ、一端側シート状体保持体132の長手方向他端部が円弧状の軌跡を描くように変位する。
【0092】
また、バケット104には、前記展開部130の一端側シート状体保持体132の回転動作を行うための駆動手段(図示しない)が備えられる。駆動手段としては、電動のものが用いられるが、油圧や空圧等の流体圧を用いたものであってもよい。
【0093】
また、前記バケット104の側部106には、前記本体部120を収納する収納空間108が設けられており、該収納空間108は、前記本体部120を縮めた際の厚みに対応した深さを有し、側部106の上端部106eに形成される。具体的には、前記収納空間108は、一端側シート状体保持体132の厚みと、折り畳まれた状態のシート状体131の厚みと、他端側シート状体保持体133の厚みの和と同等の深さを有し、収納状態において前記一端側シート状体保持体132の上面が前記側部106の上端部106eと面一となるように設定される。
【0094】
以上のように、第六実施形態に係る高所作業用バケット104によれば、本体部120が伸縮可能に構成されるため、側部106に形成される収納空間108が小さくて済み、従って、側部106の高い強度を確保することができる。
【0095】
なお、本発明に係る作業者保護具及び高所作業用バケットは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0096】
例えば、上記第一〜第三実施形態では、作業者保護具10は、側部6に対して着脱可能に構成されるが、これに限定されるものではなく、バケットの側部に一体的に設けられるものであってもよい。また、作業者保護具は、バケットに取り付けられるのではなく、例えばバケットの底部に載置して使用されるものであってもよい。
【0097】
また、上記第一実施形態では、板部材を用いて構成される本体部20が取付部21に対して不動に保持されるものであったが、該板部材の一端縁部が取付部に対して回転可能に取り付けられ、使用しないときは板部材が側部に沿って下方を向く状態とされ、使用するときは板部材を上方に引き上げて上方を向く状態とされるものであってもよい。また、このような構成においては、本体部が突出した姿勢を安定させるべく、回転可能に固定された下端部に姿勢安定手段が備えられることが好ましい。
【0098】
また、本体部20は、板部材を用いて構成されているが、これに限定されるものではなく、ネット状部材や棒状部材等を用いて構成されるものであってもよい。
【0099】
また、取付部21は、一方の対向部53aが側部6の内側面に対向し、他方の対向部53bが側部6の外側面に対向するように配置されるが、一方の対向部が側部6の外側面に対向し、他方の対向部が側部6の外側面に対向するように配置されてもよい。この場合、取付部を側部6に固定するための固定具は、バケット4の外側に配置されることとなる一方の対向部に備えられ、且つ、該一方の対向部に備えられる本体部支持部よりも下方の位置に設けられることが好ましい。
【0100】
また、上記実施形態では、取付部21を側部6に固定するための固定具56が備えられているが、これに限定されるものではなく、例えば、前記一方の対向部及び他方の対向部が側部に当接するように構成されることで、固定具を用いずに脱落を防止することができるものであってもよい。
【0101】
また、上記第一〜第三実施形態では、取付部21は、側部6に掛止される側部掛止部50を備えるものであったが、これに限定されるものではなく、掛止以外の方法によって側部6に取り付けられるものであってもよい。例えば、取付部が板状に形成され、ボルト等の止め具を用いて側部6の面に固定されるものであってもよい。
【0102】
また、作業者保護具10は、本体部20と取付部21とを備えるものであったが、これに限定されるものではなく、本体部が取付部を介さずにバケットの側部にボルト等の止め具を用いて側部の面に取り付けられるものであってもよい。
【0103】
また、上記第二実施形態では、維持手段40が本体部20に備えられているが、これに限定されるものではなく、維持手段が取付部に備えられてもよい。このような構成としては、例えば、維持手段の柱状体が取付部に回転可能に設けられ、該柱状体が展開部の先端側部材を下方側から支持するものが考えられる。
【0104】
また、上記第一〜第三実施形態では、本体部20と取付部21とが別体として構成されているが、これに限定されるものではなく、本体部と取付部とが一体として構成されたものであってもよい。また、本体部20を取り付けるために二つの取付部21が用いられているが、これに限定されるものではなく、本体部をバケット4に取付可能であれば、一つ若しくは二つ以上用いるものであってもよい。
【0105】
また、上記第一実施形態では、一つの作業者保護具10がバケット4に設置される場合を図示しているが、作業者保護具は、複数設置されるものであってもよい。具体的には、バケット4の側部6を構成する複数の側壁に対して複数の作業者保護具を用いるものであってもよく、一つの側壁に対して複数の作業者保護具を幅方向に並べて用いるものであってもよい。
【0106】
また、上記第四〜第六実施形態では、本体部120は、駆動手段によって駆動されるように構成されているが、本体部は、手動で出退させる構成であってもよい。この場合には、本体部を引き出して突出状態を維持するための維持手段が備えられることが好ましい。
【0107】
また、本発明に係る高所作業用バケットは、本体部が第二実施形態や第三実施形態において説明したような巻き取り可能なシート状体を用いて構成された展開部を備え、例えばシート状体の先端部に設けられる先端側部材を引っ張ってシート状体を巻き解きつつ引き出すことにより、縮めた状態から展開することができるものであってもよい。
【0108】
また、上記第六実施形態では、折り畳み可能なシート状体131を扇状に広げることにより展開部130を展開させるものであったが、シート状体を上方へ引き上げることによって折り畳まれたシート状体が広がり、突出した状態とするものであってもよい。
【0109】
また、本発明に係る作業者保護具及び高所作業用バケットでは、本体部は圧縮空気等の気体を注入すると膨張し気体を抜くと収縮する袋状体を用いて構成されるものであってもよい。
【0110】
また、上記第四実施形態では、報知手段160が光による視覚的な報知を行うものとして説明したが、これに限定されるものではなく、音声による聴覚的な報知や、振動等を用いた触覚的な報知を行うものであってもよい。
【0111】
また、本発明に係る高所作業用バケットには接近検知手段がさらに備えられ、前記報知手段は、前記接近検知手段と接続されて報知を行うものであってもよい。この場合、接近を検知した接近検知手段が検知信号等の形式で検知結果を出力し、報知手段は、該検知結果に基づいて作動する構成が考えられる。該接近検知手段は、充電部の周囲に発生する電界や通電状態の配電線の周囲に発生する磁界等の電気的な物理量を検出するものの他、温度や光、圧力等、他の物理量を検出するものであってもよい。
【0112】
そして、上記構成の場合には、前記作業者保護手段と接近検知手段とが連動し、周辺の物体に接近したことを検知すると自動的に作業者保護手段が作動するものであってもよい。さらには、前記作業者保護手段と接近検知手段と報知手段とが連動するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の第一実施形態に係る作業者保護具が設置された状態の高所作業用バケット及び高所作業車の側面図。
【図2】同実施形態に係る作業者保護具を高所作業用バケットに設置した状態の斜視図。
【図3】同実施形態に係る作業者保護具を高所作業用バケットの側部に設置した状態の側面図。
【図4】本発明の第二実施形態に係る作業者保護具の斜視図。
【図5】同実施形態に係る作業者保護具の本体部の斜視図。
【図6】本発明の第三実施形態に係る作業者保護具の斜視図。
【図7】本発明の第四実施形態に係る高所作業用バケットの斜視図。
【図8】同実施形態に係る高所作業用バケットの側部の断面図。
【図9】本発明の第五実施形態に係る高所作業用バケットの斜視図。
【図10】同実施形態に係る高所作業用バケットの側部の断面図。
【図11】本発明の第六実施形態に係る高所作業用バケットの斜視図。
【図12】同実施形態に係る高所作業用バケットの側部の断面図。
【符号の説明】
【0114】
1…高所作業車、2…車輌本体、3…ブーム、4…高所作業用バケット、5…底部、6…側部、6a,6b,6c,6d…側壁、6e…上端部、7…操作盤、10…作業者保護具、20…本体部、21…取付部、30…展開部、31…シート状体、32…シート状体保持体、33…軸体、34…先端側部材、40…維持手段、41…柱状体、50…側部掛止部、53a,53b…対向部、54…接続部、56…固定具、56a…ネジ部位,56b…当接部位,56c…操作部位、60…本体部支持部、61…展開部支持部、62…柱状体固定部、63…保持体支持部、64…先端側部材支持部、65…挿入部、104…高所作業用バケット、105…底部、106…側部、106a,106b,106c,106d…側壁、106e…上端部、107…操作盤、108…収納空間、110…作業者保護手段、120…本体部、121a,121b,121c,…嵌合体、130…展開部、131…シート状体、132,133…シート状体保持体、160…報知手段、161…接近報知部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者を乗せて高所作業位置へ移動する高所作業用バケットに設置され、高所作業用バケットの側部よりも高い位置に少なくとも一部が突出するように構成されることを特徴とする作業者保護具。
【請求項2】
高所作業用バケットの側部に沿って少なくとも一部を突出させる本体部と、該本体部を前記側部に取り付ける取付部とを備え、側部に対して着脱可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載の作業者保護具。
【請求項3】
前記本体部は、高所作業用バケットの側部に沿った形状を有する板部材を用いて構成されることを特徴とする請求項2に記載の作業者保護具。
【請求項4】
前記取付部は、高所作業用バケットの側部に掛止される側部掛止部と、前記本体部を支持する本体部支持部とを備え、前記側部掛止部は、側部を間に挟んで該側部の内側面及び外側面に対向する一対の対向部を有し、該対向部の一方が他方よりも長く形成されると共に、前記一方の対向部に前記本体部支持部が設けられることを特徴とする請求項2または3に記載の作業者保護具。
【請求項5】
作業者を乗せて高所作業位置へ移動する高所作業用バケットであって、底部と該底部の周端部から起立する側部とを有して構成され、該側部よりも高い位置に少なくとも一部が突出するように構成される作業者保護手段が備えられることを特徴とする高所作業用バケット。
【請求項6】
前記作業者保護手段は、前記側部よりも高い位置に少なくとも一部を突出させるべく前記側部に対して出退可能に構成される本体部を備えることを特徴とする請求項5に記載の高所作業用バケット。
【請求項7】
前記本体部は、側部の内部に収納可能に構成されることを特徴とする請求項6に記載の高所作業用バケット。
【請求項8】
前記側部は、異なる方向を向いて配置される複数の側壁を備えて構成され、少なくとも二つの側壁に前記作業者保護手段が設けられることを特徴とする請求項6及び7に記載の高所作業用バケット。
【請求項1】
作業者を乗せて高所作業位置へ移動する高所作業用バケットに設置され、高所作業用バケットの側部よりも高い位置に少なくとも一部が突出するように構成されることを特徴とする作業者保護具。
【請求項2】
高所作業用バケットの側部に沿って少なくとも一部を突出させる本体部と、該本体部を前記側部に取り付ける取付部とを備え、側部に対して着脱可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載の作業者保護具。
【請求項3】
前記本体部は、高所作業用バケットの側部に沿った形状を有する板部材を用いて構成されることを特徴とする請求項2に記載の作業者保護具。
【請求項4】
前記取付部は、高所作業用バケットの側部に掛止される側部掛止部と、前記本体部を支持する本体部支持部とを備え、前記側部掛止部は、側部を間に挟んで該側部の内側面及び外側面に対向する一対の対向部を有し、該対向部の一方が他方よりも長く形成されると共に、前記一方の対向部に前記本体部支持部が設けられることを特徴とする請求項2または3に記載の作業者保護具。
【請求項5】
作業者を乗せて高所作業位置へ移動する高所作業用バケットであって、底部と該底部の周端部から起立する側部とを有して構成され、該側部よりも高い位置に少なくとも一部が突出するように構成される作業者保護手段が備えられることを特徴とする高所作業用バケット。
【請求項6】
前記作業者保護手段は、前記側部よりも高い位置に少なくとも一部を突出させるべく前記側部に対して出退可能に構成される本体部を備えることを特徴とする請求項5に記載の高所作業用バケット。
【請求項7】
前記本体部は、側部の内部に収納可能に構成されることを特徴とする請求項6に記載の高所作業用バケット。
【請求項8】
前記側部は、異なる方向を向いて配置される複数の側壁を備えて構成され、少なくとも二つの側壁に前記作業者保護手段が設けられることを特徴とする請求項6及び7に記載の高所作業用バケット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−84033(P2009−84033A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−259505(P2007−259505)
【出願日】平成19年10月3日(2007.10.3)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月3日(2007.10.3)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】
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