作業車両の操作装置
【課題】従来の装置は、作業機昇降レバーと動力を伝動入り切りするスイッチとは、配置位置が離れており連動操作が困難であった。また、入り切りスイッチが他のスイッチ類の中に混在していたから、操作間違いをする虞がある等の課題があった。
【解決手段】この発明は、上記課題を解決するために、運転席1の側方に配置された操作フレーム2に、前後方向に形成した案内溝3に沿って作業機4の昇降操作を可能にしたポジションレバー5を設け、一方、前記ポジションレバー5の操作によって所定量上昇移動した作業機4への伝動を停止する上昇停止スイッチ6をスイッチボックス7に装備して構成し、該スイッチボックス7は、前記操作フレーム2にブラケット8によって取り付けたことを特徴とする作業車両の操作装置の構成とする。
【解決手段】この発明は、上記課題を解決するために、運転席1の側方に配置された操作フレーム2に、前後方向に形成した案内溝3に沿って作業機4の昇降操作を可能にしたポジションレバー5を設け、一方、前記ポジションレバー5の操作によって所定量上昇移動した作業機4への伝動を停止する上昇停止スイッチ6をスイッチボックス7に装備して構成し、該スイッチボックス7は、前記操作フレーム2にブラケット8によって取り付けたことを特徴とする作業車両の操作装置の構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、作業機の伝動と昇降との二つの操作具を、ごく接近させた位置に配置して構成した作業車両の操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の作業車両に設けられている操作装置は、走行系に関する機器の操作装置と、作業機系に関する操作装置とに大別され、更に、近年、各装置が制御化されたのに伴って設定ダイヤルやスイッチ類が増加し、これらの配置が複雑となって込み入り、操作も煩雑になる傾向がある。
【0003】
例えば、その1例として、特開2008−37411号公報に示されているように、限られた広さのキャビン内における操作性を損なうことなく、多数の操作具の操作性を確保することができるトラクタの操作装置を提供すると記載している。そして、該公報には、明細書と図面(特に、図2、及び図3参照)とに開示されているように、複数のレバーやスイッチ類、更に設定ダイヤル等を上下の数段に分けて、関連操作具を各段ごとに配置した構成となっている。
【特許文献1】特開2008−37411号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の装置は、前項で提示した特許文献1の特開2008−37411号公報でも明らかなように、作業機昇降レバーと作業機へ動力を伝動するPTOの入・切スイッチとは、前者が運転席の側方で前寄りの位置に前後方向へ操作する構成であり、後者が運転席の側部で後方寄りにあって、しかも、段上にある他のスイッチ類の中に混在した状態で配置して設けた構成となっている。
【0005】
したがって、従来の構成は、PTOの入・切スイッチの操作にあたりオペレータが操作間違いをする虞があり、更に、操作間違いを防止するために、精神的に集中した操作が必要で、疲労の原因となり、制作上もコスト的に高価になる課題があった。更に、従来の装置は、PTO入・切スイッチと作業機昇降レバーとが、離れた位置に配置されていたから、作業機の昇降操作に関連させながら同時にスイッチ操作をすることがほとんど不可能で、本来ならば連動操作をするべきものが、個別操作をせざるを得ない課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決するために、つぎの如き技術手段を講じたものである。
即ち、請求項1に記載した発明は、運転席(1)の側方に配置された操作フレーム(2)に、前後方向に形成した案内溝(3)に沿って作業機(4)の昇降操作を可能にしたポジションレバー(5)を設け、一方、前記ポジションレバー(5)の操作によって所定量上昇移動した作業機(4)への伝動を停止する上昇停止スイッチ(6)をスイッチボックス(7)に装備して構成し、該スイッチボックス(7)は、前記操作フレーム(2)にブラケット(8)によって取り付けたことを特徴とする作業車両の操作装置としたものである。
【0007】
ポジションレバー(5)をガイドする案内溝(3)を設けた操作フレーム(2)に、上昇停止スイッチ(6)を装備したスイッチボックス(7)を、ブラケット(8)によって取り付けたもので、ポジションレバー(5)と上昇停止スイッチ(6)とを接近させて配置し、関連操作が容易にできる構成にすると共に、構成をシンプルにして製造コストを大幅に低減することが出来た。
【0008】
そして、請求項2の発明は、前記操作フレーム(2)には、前記ポジションレバー(5)の案内溝(3)に平行して設けた案内溝(9)にドラフトレバー(10)を設け、前記上昇停止スイッチ(6)のスイッチボックス(7)は、前記二つの案内溝(3),(9)の間にブラケット(8)によって前記操作フレーム(2)に取り付けて構成し、前記スイッチボックス(7)に接続されたハーネス(11)を、フロア(12)を貫通させて配線したことを特徴とする請求項1記載の作業車両の操作装置としたものである。
【0009】
スイッチボックス(7)を操作フレーム(2)に取り付けるにあたり、二つの案内溝(3),(9)の間にブラケット(8)によって固着したから、取付け幅(取付部分の幅)が広くなって強固になると共に、上昇停止スイッチ(6)、及びスイッチボックス(7)が、レバー操作の邪魔にならず、しかも、上昇停止スイッチ(6)は、スイッチ操作時に他のスイッチと混同する虞がなく、安心して操作が出来る。
【発明の効果】
【0010】
まず、請求項1の発明は、ポジションレバー(5)をガイドする案内溝(3)を設けた操作フレーム(2)に、上昇停止スイッチ(6)を装備したスイッチボックス(7)を、ブラケット(8)によって取り付けているから、ポジションレバー(5)と上昇停止スイッチ(6)とが接近した位置に配置でき、関連操作が容易にできる特徴がある。更に、請求項1の発明は、従来の装置に対比すると、周辺に他のスイッチ類が配置されておらず、構成がきわめてシンプルになっているから、操作時に他のスイッチ類と混同する余地がなく、安全で、確実にスイッチ操作が出来る特徴と、併せて、製造コストを大幅に低減した利点がある。
【0011】
そして、請求項2の発明は、請求項1に記載した発明と同様の効果を奏するが、その上に加えて、スイッチボックス(7)を操作フレーム(2)に取り付けるにあたり、二つの案内溝(3),(9)の間にブラケット(8)によって固着したから、取付け面積が拡大されることによって強固な取付けとなった特徴がある。
【0012】
そして、上昇停止スイッチ(6)、及びスイッチボックス(7)は、2つのレバー操作の邪魔になることはなく、しかも、製作が安価となった利点がある。そして、スイッチボックス(7)に接続したハーネス(11)は、そのまま下側のフロア(12)に貫通させた配線にしたから、防水効果も高く、安定した機能を長期間保持できる特徴がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、トラクタ(「作業車両」に相当する)15は、図3、及び図4に示すように、車体フレーム16の後部に左右一対の後輪17,17が設けられ、前部には操舵可能に軸架した左右の前輪18,18が設けられ、車体フレーム16の前部と後部とにはそれぞれ作業機4を着脱自在に連結して装備できる構成となっている。実施例の場合には、トラクタ15の後部に作業機4としてロータリー耕耘装置を装着した構成としている。
【0014】
そして、運転席1は、車体フレーム16上の後部に寄せて装置され、その前方位置にはステアリングハンドル19の他、各種の操作レバー類、更には操作パネルや表示パネル等が配置して設けられている。
【0015】
そして、エンジン20は、前側のボンネットカバー21に覆われた内部に搭載され、出力する回転動力を静油圧式無段変速装置(図5参照、以下、「HST」と呼ぶ)22に入力して後部のミッション装置23に伝動する構成としている。この場合、実施例のトラクタ15は、図5に示すように、前記HST22を構成する油圧ポンプ22aから後方のPTO軸24に、作業機4を伝動する動力を取り出す伝動系と、該油圧ポンプ22aから油圧モーター22bに入力されて変速された動力を走行動力として前記ミッション装置23へ伝動する伝動系とから構成されている。
【0016】
なお、トラクタ15の前・後進走行の切り替えは、図示を省略しているが、前進用ペダルと後進用ペダルとの操作によって、前記HST22のトラニオン軸の回動切替調節によって行う構成となっているが、本件出願には直接関係がないから具体的な説明は省略する。
【0017】
図5において、25はPTOクラッチを示す。
そして、図5に示す実施例の場合、ミッション装置23を構成する副変速装置26は、各変速歯車の全てを副変速室27内の変速軸28上に軸着した構成に改良して、製造工程において副変速装置26の組立作業の大幅な効率化を図る構成としている。
【0018】
今、少し具体的に説明すると、従来の副変速装置の構成は、図6に示すように、原動側の伝動歯車Aに、副変速室Bの外側(前側)の入力軸Cに軸架した入力歯車Dを噛合させ、該入力歯車Dを経て入力した動力を高速の変速動力として、前記入力軸Cから軸受装置Eを経て副変速室Bの副変速軸Fに入力する構成をとっていた。したがって、従来の構成は、副変速室B内に軸架する副変速軸Fに、入力歯車(高速変速歯車)Dを含めて副変速装置に関する全ての変速歯車を、予めサブ組みして製品組立作業の効率化を図ることができない課題があった。
【0019】
それに対して、実施例に係る副変速装置26は、図5に示すように、副変速室27内に軸架した変速軸28上に、変速歯車〔図6の入力歯車(高速変速歯車)Dに相当する〕29を軸架し、更に、シフターによって操作される変速契合輪体30、その他の変速歯車(低速)31や変速歯車(中速)32等を軸装して、高速の路上走行速度から中・低速の作業速度に至る副変速操作が出来る構成としている。
【0020】
このように、実施例に係る副変速装置26は、高速歯車を含めて、全てのギヤを副変速室27内に軸架した変速軸28に軸装した構成に改良したから、従来の課題を解決し、製造工程における組立において、前工程で、予め、サブ組みが可能となった。したがって、副変速装置26は、工場の組立工程において、入力歯車(高速変速歯車)29や他の各変速歯車(中速変速歯車、低速変速歯車)31,32等を変速軸28上にサブ組みしておき、ミッション装置23の組立作業を行うことができるから、組立作業が楽になり、組立作業の効率を大きく向上させた特徴がある。
【0021】
つぎに、この出願の主要部である操作装置について、実施例を説明する。
まず、操作フレーム2は、図1、乃至図3に示すように、前記運転席1の側方に配置されて前後方向に2つの案内溝3,9が平行に設けられており、外側の案内溝3には作業機4を油圧昇降機構によって昇降操作するポジションレバー5を設け、内側の案内溝9には、ドラフトレバー10を操作自由に設けた構成としている。このドラフトレバー10の替わりに他のレバーを設けてもよいが、作業機4に関連するレバーが使い易い。
【0022】
ドラフトレバー10は、作業機4を一定の耕深で耕す耕深制御を行なっているときにおいて、ドラフト比をリニアに選択するものである。
ドラフト比とは耕深を優先するか、又は負荷を優先するかの考え方である。レバーをポジション側にするほど、負荷に対する作業機の昇降変化量が少なくなる。即ち、耕深(ポジション)を優先するものであり、軟質圃場に適している。
【0023】
レバーをドラフト側にするほど負荷に対する作業機の昇降変化量が大きくなる。即ち、負荷が作用すると耕深を浅くして負荷を下げるものであり、硬質圃場に適している。作業者は作業の状態から圃場の硬さやエンジン回転数の下がり具合を判断して、ドラフト比をリニアに選択する。
【0024】
そして、スイッチボックス7は、図面に示すように、上部に前記作業機4への伝動を停止する上昇停止スイッチ6を設け、前記操作フレーム2の前側において、二つの案内溝3,9に跨った状態に設けたブラケット8によって取り付けた構成としている。そして、スイッチボックス7は、下部に接続したハーネス11を、フロア12を貫通させて下側に配線した構成としている。
【0025】
そして、リミットスイッチ35は、図1、及び図2に示すように、案内溝3の上部内側(溝内)に設け、ポジションレバー5の上限位置を検出する構成としている。
なお、既に説明した運転席1は、図7に示すように、フレーム12上に樹脂フロア部材13を載置し、その上側に載せたシートブラケット14を、直接フレーム12に取り付けた構成としている。したがって、運転席1は、安定した状態に取付けられ、強度的にも強化されて合理的なものとなっている。
【0026】
以上のように、実施例は、ポジションレバー5をガイドする案内溝3を設けた操作フレーム2に、上昇停止スイッチ6を装備したスイッチボックス7を、ブラケット8によって取り付けた構成にすることによって、ポジションレバー5と上昇停止スイッチ6とを、接近した位置に配置できて関連操作が容易にできるものとなっている。そして、実施例の場合、従来装置のように周辺に他のスイッチ類が配置されておらず、しかも、きわめてシンプルになっているから、操作時に他のスイッチ類と混同する余地がほとんどなく、安全で確実にスイッチ操作が出来るものとなった。又、製造コスト面でも、大幅に低減されている。
【0027】
そして、実施例の構成は、スイッチボックス7を操作フレーム2に取り付けるにあたり、二つの案内溝3,9に跨った状態にした取付面の広いブラケット8によって固着したから、取付けが強固になっている。
【0028】
そして、上昇停止スイッチ6、及びスイッチボックス7は、2つのレバー操作の邪魔になることはなく、しかも、製作が安価となり、スイッチボックス7に接続したハーネス11も、そのまま下側のフロア12に貫通させた配線にしたから、防水効果も高く、安定した機能を長期間保持できるものとなっている。
【0029】
つぎに、既に、図3、及び図4に基づいて説明した実施例に係るトラクタ15のマウントフレーム39等を受けて支持するマウント37について説明する。
まず、マウント37は、図3、図4、図8、乃至図11に示すように、ステアリングハンドル19の下部取付部位(図10参照)と、ミッションケース38の左右両側部位(図8、及び図11参照)と、更に、左右の後部車軸の上側部位(図10参照)との5箇所に配置して設け、マウントフレーム39等をミッションケース38や車体フレーム16に緩衝的に支持する構成としている。
【0030】
そして、ステアリングハンドル19は、図3,図4、及び図10に示すように、支持アーム40(前側から伸ばしてきたアーム)上にマウント37を設けて、支持した構成としている。したがって、ステアリングハンドル19は、オペレータの操作腕(手)を通して大きな力の懸かる装置であるから、従来から歪や揺れを防止するために、鉄板等を利用して強固に固定されており、製造コストの掛かる装置であったが、上記の如くマウント37によって支持する構成にすれば、コストの低減が可能となった。
【0031】
図7に示すように、運転席1はシートブラケット14に固定されており、樹脂フロア13を介してフロア12に載置固定されている構成である。このとき、樹脂フロア13には穴13aを開けてボルト14aを貫通させ、鉄製のシートブラケット14とフロア12との間で固定する構成としている。これにより、安定して固定可能となる。また、樹脂フロア13を設けることで、運転席1への振動軽減となる。
【0032】
つぎに、ミッションケース38の左右両側部位に配置したマウント37,37は、図8に示すように、ミッションケース38から左右両外側に突出させた支持アーム40,40の先端部分に取り付け、図9に示すように、乗降時のステップ41の略中央部を支持する位置に配置した構成としている。
【0033】
従来のステップを支持するマウントの位置は、ミッションケースの前寄りの左右両側位置にあって、オペレータの乗降時に踏む位置から前に大きく離れ、安全な支持が出来ない構成であった。
【0034】
そして、実施例に係る前記マウントフレーム39は、図3、及び図4に示すように、4個のマウント37を前後、左右に配置して支えているが、これに、図10、及び図11に示すように、ミッションケース38との接触部分にインシュレータ43を、介装して構成している。
【0035】
このように構成することによって、実施例は、フロア等を支持するマウントフレーム39を安定よく、しかも、緩衝的に支持することができるものとなり、フレーム強度も従来ほど強い素材を使用する必要がない利点がある。
【0036】
つぎに、操作装置の実施例を、図12、及び図13に基づいて説明する。
まず、従来の操作装置Aは、図13に示すように、上部のフェンダBに装置した操作レバーCと下部の操作軸Dとを繋ぐ連動杆Eを、フェンダBとフロアFとを貫通して上端部と下端部とをそれぞれ接続して操作可能に構成されていた。したがって、従来の構成は、1本の連動杆Eで上下を連結することは困難で、フロアFを貫通させるために、複数本の別々のアーム(ロット)を継ぎ足して1本に構成せざるを得ない課題があった。
【0037】
それに対して、実施例の操作装置45は、図12に示すように、フェンダ46やフロア47を貫通させないで、上部の操作レバー48と下部の操作軸49とを1本の連動杆50で操作可能に連結して構成している。そして、操作は、操作レバー48を操作すると、連動杆50を介して下部の操作軸49に操作力として連動することができる構成となっている。なお、51は、運転席を示している。
【0038】
以上のように、実施例は、図12で解るように、操作レバー48から操作軸49までの間を、フェンダ46やフロア47を貫通させないロットで接続した構成としたから、1本のロットからなる連動杆50で構成することが可能となっている。したがって、実施例は、従来装置(図13参照)の課題を解決して、連動杆50が接続箇所のない1本のロットからなる構成となり、製造コストを大幅に低減出来ると共に、操作力の伝達に狂いがなく、適確に伝達し、正確な操作が出来る特徴がある。
【0039】
つぎに、マフラーの取付構造について、図14、乃至図16に示した実施例を説明する。
従来のマフラーの取付構造は、テールパイプ部分とマフラー本体後部との2箇所が支持、固定されていたために、エンジンの振動、特に、大きな振動がばらついて発生すると、マフラーやテールパイプが折損する課題があった。又、マフラーは、取付用の支持アームを本体側面に外側から固定すると、本体部分の板厚が薄いために強度の確保が困難となる課題もあった。
【0040】
それに対して、実施例は、図面に示すように、マフラー55の前部のエンドプレート56を利用して、これにU字型プレート57を固着し、このU字型プレート57の外側に取付アーム58を挟んで機枠60に固定して支持する構成としている。そして、前記取付アーム58は、図面に示すように、下方のエンジン側に延長してエンジンヘッドの側面に固着して支持した構成とする。
【0041】
なお、マフラー55は、始端部分の開口部61をエンジンの排気口に連通・連結し、本体部分には消音装置62を内装して収納し、終端部の排気口にはテールパイプ(排気管)63を連通した構成としている。
【0042】
以上の構成によって、実施例に係るマフラー55は、エンジンの振動に対して強くなり、破損することがほとんどなくなり、従来装置の課題を解消して耐久性に富むものとなった。
【0043】
図17に示すように、運転席1は回動支点64を中心として前後に回転する構成としている。トラクタの機体後部にバックホーを装着したときには、運転席1を180度回転させて作業を行なう。
【0044】
65はスイッチであり、運転者が運転席1に着座すると、スイッチ65が感知するものであるが、このスイッチ65が感知していることを条件にトラクタの前進走行操作、即ち、前向き走行を有効にするものである。
【0045】
バックホーを使用するときにおいては機体は走行しないので、前記スイッチ65の入り切りは関係ない。そこで、運転席1が後向きになると、前記スイッチ65の機能を無効となるように構成する。運転席1の後向きの検出はスイッチで行なうが、このスイッチは、運転席1の後向きが検出可能な場所であればどこでもよい。また、運転席1を後向きにするときには、運転席1を少し持ち上げるので、この動きを検出するように構成してもよい。
【0046】
66は前記スイッチ65からCPUの入力側に接続しているハーネスであるが、運転席1が回転するので、回動支点64のボス64aの穴の中を通過させる構成としている。
図18は機体側に対する運転席1の取り付けベース角度を、所定角度K前傾斜となるように構成するものである。これにより、運転席1を前側にスライドしても、ステアリングハンドル19と運転席1の着座部分1aとの間隔が極端に短くなるのを防止できるようになる。そして、運転者の足などがステアリングハンドル19に当たるのを防止できるので、快適な作業環境となる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】操作フレームの正面図
【図2】操作フレームの斜面図
【図3】トラクタの平面図
【図4】トラクタの側面図
【図5】ミッション装置の内部側断面図
【図6】説明用の従来図
【図7】シート(運転席)の取り付け側面図
【図8】マウントを取り付けたミッションケースの平面図
【図9】ステップの平面図
【図10】マウントの取り付け位置を示す側面図
【図11】ミッションケースにマウントフレームを取り付けて示す横断面図
【図12】操作装置の連動杆の正面図
【図13】操作装置の説明用の従来図
【図14】マフラー取り付け状態の正面図
【図15】マフラー取り付け状態の側面図
【図16】マフラーの取り付け状態の平面図
【図17】運転席1の側面図
【図18】運転席1の側面図
【符号の説明】
【0048】
1 運転席 2 操作フレーム
3 案内溝 4 作業機
5 ポジションレバー 6 上昇停止スイッチ
7 スイッチボックス 8 ブラケット
9 案内溝 10 ドラフトレバー
11 ハーネス 12 フロア
【技術分野】
【0001】
この発明は、作業機の伝動と昇降との二つの操作具を、ごく接近させた位置に配置して構成した作業車両の操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の作業車両に設けられている操作装置は、走行系に関する機器の操作装置と、作業機系に関する操作装置とに大別され、更に、近年、各装置が制御化されたのに伴って設定ダイヤルやスイッチ類が増加し、これらの配置が複雑となって込み入り、操作も煩雑になる傾向がある。
【0003】
例えば、その1例として、特開2008−37411号公報に示されているように、限られた広さのキャビン内における操作性を損なうことなく、多数の操作具の操作性を確保することができるトラクタの操作装置を提供すると記載している。そして、該公報には、明細書と図面(特に、図2、及び図3参照)とに開示されているように、複数のレバーやスイッチ類、更に設定ダイヤル等を上下の数段に分けて、関連操作具を各段ごとに配置した構成となっている。
【特許文献1】特開2008−37411号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の装置は、前項で提示した特許文献1の特開2008−37411号公報でも明らかなように、作業機昇降レバーと作業機へ動力を伝動するPTOの入・切スイッチとは、前者が運転席の側方で前寄りの位置に前後方向へ操作する構成であり、後者が運転席の側部で後方寄りにあって、しかも、段上にある他のスイッチ類の中に混在した状態で配置して設けた構成となっている。
【0005】
したがって、従来の構成は、PTOの入・切スイッチの操作にあたりオペレータが操作間違いをする虞があり、更に、操作間違いを防止するために、精神的に集中した操作が必要で、疲労の原因となり、制作上もコスト的に高価になる課題があった。更に、従来の装置は、PTO入・切スイッチと作業機昇降レバーとが、離れた位置に配置されていたから、作業機の昇降操作に関連させながら同時にスイッチ操作をすることがほとんど不可能で、本来ならば連動操作をするべきものが、個別操作をせざるを得ない課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決するために、つぎの如き技術手段を講じたものである。
即ち、請求項1に記載した発明は、運転席(1)の側方に配置された操作フレーム(2)に、前後方向に形成した案内溝(3)に沿って作業機(4)の昇降操作を可能にしたポジションレバー(5)を設け、一方、前記ポジションレバー(5)の操作によって所定量上昇移動した作業機(4)への伝動を停止する上昇停止スイッチ(6)をスイッチボックス(7)に装備して構成し、該スイッチボックス(7)は、前記操作フレーム(2)にブラケット(8)によって取り付けたことを特徴とする作業車両の操作装置としたものである。
【0007】
ポジションレバー(5)をガイドする案内溝(3)を設けた操作フレーム(2)に、上昇停止スイッチ(6)を装備したスイッチボックス(7)を、ブラケット(8)によって取り付けたもので、ポジションレバー(5)と上昇停止スイッチ(6)とを接近させて配置し、関連操作が容易にできる構成にすると共に、構成をシンプルにして製造コストを大幅に低減することが出来た。
【0008】
そして、請求項2の発明は、前記操作フレーム(2)には、前記ポジションレバー(5)の案内溝(3)に平行して設けた案内溝(9)にドラフトレバー(10)を設け、前記上昇停止スイッチ(6)のスイッチボックス(7)は、前記二つの案内溝(3),(9)の間にブラケット(8)によって前記操作フレーム(2)に取り付けて構成し、前記スイッチボックス(7)に接続されたハーネス(11)を、フロア(12)を貫通させて配線したことを特徴とする請求項1記載の作業車両の操作装置としたものである。
【0009】
スイッチボックス(7)を操作フレーム(2)に取り付けるにあたり、二つの案内溝(3),(9)の間にブラケット(8)によって固着したから、取付け幅(取付部分の幅)が広くなって強固になると共に、上昇停止スイッチ(6)、及びスイッチボックス(7)が、レバー操作の邪魔にならず、しかも、上昇停止スイッチ(6)は、スイッチ操作時に他のスイッチと混同する虞がなく、安心して操作が出来る。
【発明の効果】
【0010】
まず、請求項1の発明は、ポジションレバー(5)をガイドする案内溝(3)を設けた操作フレーム(2)に、上昇停止スイッチ(6)を装備したスイッチボックス(7)を、ブラケット(8)によって取り付けているから、ポジションレバー(5)と上昇停止スイッチ(6)とが接近した位置に配置でき、関連操作が容易にできる特徴がある。更に、請求項1の発明は、従来の装置に対比すると、周辺に他のスイッチ類が配置されておらず、構成がきわめてシンプルになっているから、操作時に他のスイッチ類と混同する余地がなく、安全で、確実にスイッチ操作が出来る特徴と、併せて、製造コストを大幅に低減した利点がある。
【0011】
そして、請求項2の発明は、請求項1に記載した発明と同様の効果を奏するが、その上に加えて、スイッチボックス(7)を操作フレーム(2)に取り付けるにあたり、二つの案内溝(3),(9)の間にブラケット(8)によって固着したから、取付け面積が拡大されることによって強固な取付けとなった特徴がある。
【0012】
そして、上昇停止スイッチ(6)、及びスイッチボックス(7)は、2つのレバー操作の邪魔になることはなく、しかも、製作が安価となった利点がある。そして、スイッチボックス(7)に接続したハーネス(11)は、そのまま下側のフロア(12)に貫通させた配線にしたから、防水効果も高く、安定した機能を長期間保持できる特徴がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、トラクタ(「作業車両」に相当する)15は、図3、及び図4に示すように、車体フレーム16の後部に左右一対の後輪17,17が設けられ、前部には操舵可能に軸架した左右の前輪18,18が設けられ、車体フレーム16の前部と後部とにはそれぞれ作業機4を着脱自在に連結して装備できる構成となっている。実施例の場合には、トラクタ15の後部に作業機4としてロータリー耕耘装置を装着した構成としている。
【0014】
そして、運転席1は、車体フレーム16上の後部に寄せて装置され、その前方位置にはステアリングハンドル19の他、各種の操作レバー類、更には操作パネルや表示パネル等が配置して設けられている。
【0015】
そして、エンジン20は、前側のボンネットカバー21に覆われた内部に搭載され、出力する回転動力を静油圧式無段変速装置(図5参照、以下、「HST」と呼ぶ)22に入力して後部のミッション装置23に伝動する構成としている。この場合、実施例のトラクタ15は、図5に示すように、前記HST22を構成する油圧ポンプ22aから後方のPTO軸24に、作業機4を伝動する動力を取り出す伝動系と、該油圧ポンプ22aから油圧モーター22bに入力されて変速された動力を走行動力として前記ミッション装置23へ伝動する伝動系とから構成されている。
【0016】
なお、トラクタ15の前・後進走行の切り替えは、図示を省略しているが、前進用ペダルと後進用ペダルとの操作によって、前記HST22のトラニオン軸の回動切替調節によって行う構成となっているが、本件出願には直接関係がないから具体的な説明は省略する。
【0017】
図5において、25はPTOクラッチを示す。
そして、図5に示す実施例の場合、ミッション装置23を構成する副変速装置26は、各変速歯車の全てを副変速室27内の変速軸28上に軸着した構成に改良して、製造工程において副変速装置26の組立作業の大幅な効率化を図る構成としている。
【0018】
今、少し具体的に説明すると、従来の副変速装置の構成は、図6に示すように、原動側の伝動歯車Aに、副変速室Bの外側(前側)の入力軸Cに軸架した入力歯車Dを噛合させ、該入力歯車Dを経て入力した動力を高速の変速動力として、前記入力軸Cから軸受装置Eを経て副変速室Bの副変速軸Fに入力する構成をとっていた。したがって、従来の構成は、副変速室B内に軸架する副変速軸Fに、入力歯車(高速変速歯車)Dを含めて副変速装置に関する全ての変速歯車を、予めサブ組みして製品組立作業の効率化を図ることができない課題があった。
【0019】
それに対して、実施例に係る副変速装置26は、図5に示すように、副変速室27内に軸架した変速軸28上に、変速歯車〔図6の入力歯車(高速変速歯車)Dに相当する〕29を軸架し、更に、シフターによって操作される変速契合輪体30、その他の変速歯車(低速)31や変速歯車(中速)32等を軸装して、高速の路上走行速度から中・低速の作業速度に至る副変速操作が出来る構成としている。
【0020】
このように、実施例に係る副変速装置26は、高速歯車を含めて、全てのギヤを副変速室27内に軸架した変速軸28に軸装した構成に改良したから、従来の課題を解決し、製造工程における組立において、前工程で、予め、サブ組みが可能となった。したがって、副変速装置26は、工場の組立工程において、入力歯車(高速変速歯車)29や他の各変速歯車(中速変速歯車、低速変速歯車)31,32等を変速軸28上にサブ組みしておき、ミッション装置23の組立作業を行うことができるから、組立作業が楽になり、組立作業の効率を大きく向上させた特徴がある。
【0021】
つぎに、この出願の主要部である操作装置について、実施例を説明する。
まず、操作フレーム2は、図1、乃至図3に示すように、前記運転席1の側方に配置されて前後方向に2つの案内溝3,9が平行に設けられており、外側の案内溝3には作業機4を油圧昇降機構によって昇降操作するポジションレバー5を設け、内側の案内溝9には、ドラフトレバー10を操作自由に設けた構成としている。このドラフトレバー10の替わりに他のレバーを設けてもよいが、作業機4に関連するレバーが使い易い。
【0022】
ドラフトレバー10は、作業機4を一定の耕深で耕す耕深制御を行なっているときにおいて、ドラフト比をリニアに選択するものである。
ドラフト比とは耕深を優先するか、又は負荷を優先するかの考え方である。レバーをポジション側にするほど、負荷に対する作業機の昇降変化量が少なくなる。即ち、耕深(ポジション)を優先するものであり、軟質圃場に適している。
【0023】
レバーをドラフト側にするほど負荷に対する作業機の昇降変化量が大きくなる。即ち、負荷が作用すると耕深を浅くして負荷を下げるものであり、硬質圃場に適している。作業者は作業の状態から圃場の硬さやエンジン回転数の下がり具合を判断して、ドラフト比をリニアに選択する。
【0024】
そして、スイッチボックス7は、図面に示すように、上部に前記作業機4への伝動を停止する上昇停止スイッチ6を設け、前記操作フレーム2の前側において、二つの案内溝3,9に跨った状態に設けたブラケット8によって取り付けた構成としている。そして、スイッチボックス7は、下部に接続したハーネス11を、フロア12を貫通させて下側に配線した構成としている。
【0025】
そして、リミットスイッチ35は、図1、及び図2に示すように、案内溝3の上部内側(溝内)に設け、ポジションレバー5の上限位置を検出する構成としている。
なお、既に説明した運転席1は、図7に示すように、フレーム12上に樹脂フロア部材13を載置し、その上側に載せたシートブラケット14を、直接フレーム12に取り付けた構成としている。したがって、運転席1は、安定した状態に取付けられ、強度的にも強化されて合理的なものとなっている。
【0026】
以上のように、実施例は、ポジションレバー5をガイドする案内溝3を設けた操作フレーム2に、上昇停止スイッチ6を装備したスイッチボックス7を、ブラケット8によって取り付けた構成にすることによって、ポジションレバー5と上昇停止スイッチ6とを、接近した位置に配置できて関連操作が容易にできるものとなっている。そして、実施例の場合、従来装置のように周辺に他のスイッチ類が配置されておらず、しかも、きわめてシンプルになっているから、操作時に他のスイッチ類と混同する余地がほとんどなく、安全で確実にスイッチ操作が出来るものとなった。又、製造コスト面でも、大幅に低減されている。
【0027】
そして、実施例の構成は、スイッチボックス7を操作フレーム2に取り付けるにあたり、二つの案内溝3,9に跨った状態にした取付面の広いブラケット8によって固着したから、取付けが強固になっている。
【0028】
そして、上昇停止スイッチ6、及びスイッチボックス7は、2つのレバー操作の邪魔になることはなく、しかも、製作が安価となり、スイッチボックス7に接続したハーネス11も、そのまま下側のフロア12に貫通させた配線にしたから、防水効果も高く、安定した機能を長期間保持できるものとなっている。
【0029】
つぎに、既に、図3、及び図4に基づいて説明した実施例に係るトラクタ15のマウントフレーム39等を受けて支持するマウント37について説明する。
まず、マウント37は、図3、図4、図8、乃至図11に示すように、ステアリングハンドル19の下部取付部位(図10参照)と、ミッションケース38の左右両側部位(図8、及び図11参照)と、更に、左右の後部車軸の上側部位(図10参照)との5箇所に配置して設け、マウントフレーム39等をミッションケース38や車体フレーム16に緩衝的に支持する構成としている。
【0030】
そして、ステアリングハンドル19は、図3,図4、及び図10に示すように、支持アーム40(前側から伸ばしてきたアーム)上にマウント37を設けて、支持した構成としている。したがって、ステアリングハンドル19は、オペレータの操作腕(手)を通して大きな力の懸かる装置であるから、従来から歪や揺れを防止するために、鉄板等を利用して強固に固定されており、製造コストの掛かる装置であったが、上記の如くマウント37によって支持する構成にすれば、コストの低減が可能となった。
【0031】
図7に示すように、運転席1はシートブラケット14に固定されており、樹脂フロア13を介してフロア12に載置固定されている構成である。このとき、樹脂フロア13には穴13aを開けてボルト14aを貫通させ、鉄製のシートブラケット14とフロア12との間で固定する構成としている。これにより、安定して固定可能となる。また、樹脂フロア13を設けることで、運転席1への振動軽減となる。
【0032】
つぎに、ミッションケース38の左右両側部位に配置したマウント37,37は、図8に示すように、ミッションケース38から左右両外側に突出させた支持アーム40,40の先端部分に取り付け、図9に示すように、乗降時のステップ41の略中央部を支持する位置に配置した構成としている。
【0033】
従来のステップを支持するマウントの位置は、ミッションケースの前寄りの左右両側位置にあって、オペレータの乗降時に踏む位置から前に大きく離れ、安全な支持が出来ない構成であった。
【0034】
そして、実施例に係る前記マウントフレーム39は、図3、及び図4に示すように、4個のマウント37を前後、左右に配置して支えているが、これに、図10、及び図11に示すように、ミッションケース38との接触部分にインシュレータ43を、介装して構成している。
【0035】
このように構成することによって、実施例は、フロア等を支持するマウントフレーム39を安定よく、しかも、緩衝的に支持することができるものとなり、フレーム強度も従来ほど強い素材を使用する必要がない利点がある。
【0036】
つぎに、操作装置の実施例を、図12、及び図13に基づいて説明する。
まず、従来の操作装置Aは、図13に示すように、上部のフェンダBに装置した操作レバーCと下部の操作軸Dとを繋ぐ連動杆Eを、フェンダBとフロアFとを貫通して上端部と下端部とをそれぞれ接続して操作可能に構成されていた。したがって、従来の構成は、1本の連動杆Eで上下を連結することは困難で、フロアFを貫通させるために、複数本の別々のアーム(ロット)を継ぎ足して1本に構成せざるを得ない課題があった。
【0037】
それに対して、実施例の操作装置45は、図12に示すように、フェンダ46やフロア47を貫通させないで、上部の操作レバー48と下部の操作軸49とを1本の連動杆50で操作可能に連結して構成している。そして、操作は、操作レバー48を操作すると、連動杆50を介して下部の操作軸49に操作力として連動することができる構成となっている。なお、51は、運転席を示している。
【0038】
以上のように、実施例は、図12で解るように、操作レバー48から操作軸49までの間を、フェンダ46やフロア47を貫通させないロットで接続した構成としたから、1本のロットからなる連動杆50で構成することが可能となっている。したがって、実施例は、従来装置(図13参照)の課題を解決して、連動杆50が接続箇所のない1本のロットからなる構成となり、製造コストを大幅に低減出来ると共に、操作力の伝達に狂いがなく、適確に伝達し、正確な操作が出来る特徴がある。
【0039】
つぎに、マフラーの取付構造について、図14、乃至図16に示した実施例を説明する。
従来のマフラーの取付構造は、テールパイプ部分とマフラー本体後部との2箇所が支持、固定されていたために、エンジンの振動、特に、大きな振動がばらついて発生すると、マフラーやテールパイプが折損する課題があった。又、マフラーは、取付用の支持アームを本体側面に外側から固定すると、本体部分の板厚が薄いために強度の確保が困難となる課題もあった。
【0040】
それに対して、実施例は、図面に示すように、マフラー55の前部のエンドプレート56を利用して、これにU字型プレート57を固着し、このU字型プレート57の外側に取付アーム58を挟んで機枠60に固定して支持する構成としている。そして、前記取付アーム58は、図面に示すように、下方のエンジン側に延長してエンジンヘッドの側面に固着して支持した構成とする。
【0041】
なお、マフラー55は、始端部分の開口部61をエンジンの排気口に連通・連結し、本体部分には消音装置62を内装して収納し、終端部の排気口にはテールパイプ(排気管)63を連通した構成としている。
【0042】
以上の構成によって、実施例に係るマフラー55は、エンジンの振動に対して強くなり、破損することがほとんどなくなり、従来装置の課題を解消して耐久性に富むものとなった。
【0043】
図17に示すように、運転席1は回動支点64を中心として前後に回転する構成としている。トラクタの機体後部にバックホーを装着したときには、運転席1を180度回転させて作業を行なう。
【0044】
65はスイッチであり、運転者が運転席1に着座すると、スイッチ65が感知するものであるが、このスイッチ65が感知していることを条件にトラクタの前進走行操作、即ち、前向き走行を有効にするものである。
【0045】
バックホーを使用するときにおいては機体は走行しないので、前記スイッチ65の入り切りは関係ない。そこで、運転席1が後向きになると、前記スイッチ65の機能を無効となるように構成する。運転席1の後向きの検出はスイッチで行なうが、このスイッチは、運転席1の後向きが検出可能な場所であればどこでもよい。また、運転席1を後向きにするときには、運転席1を少し持ち上げるので、この動きを検出するように構成してもよい。
【0046】
66は前記スイッチ65からCPUの入力側に接続しているハーネスであるが、運転席1が回転するので、回動支点64のボス64aの穴の中を通過させる構成としている。
図18は機体側に対する運転席1の取り付けベース角度を、所定角度K前傾斜となるように構成するものである。これにより、運転席1を前側にスライドしても、ステアリングハンドル19と運転席1の着座部分1aとの間隔が極端に短くなるのを防止できるようになる。そして、運転者の足などがステアリングハンドル19に当たるのを防止できるので、快適な作業環境となる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】操作フレームの正面図
【図2】操作フレームの斜面図
【図3】トラクタの平面図
【図4】トラクタの側面図
【図5】ミッション装置の内部側断面図
【図6】説明用の従来図
【図7】シート(運転席)の取り付け側面図
【図8】マウントを取り付けたミッションケースの平面図
【図9】ステップの平面図
【図10】マウントの取り付け位置を示す側面図
【図11】ミッションケースにマウントフレームを取り付けて示す横断面図
【図12】操作装置の連動杆の正面図
【図13】操作装置の説明用の従来図
【図14】マフラー取り付け状態の正面図
【図15】マフラー取り付け状態の側面図
【図16】マフラーの取り付け状態の平面図
【図17】運転席1の側面図
【図18】運転席1の側面図
【符号の説明】
【0048】
1 運転席 2 操作フレーム
3 案内溝 4 作業機
5 ポジションレバー 6 上昇停止スイッチ
7 スイッチボックス 8 ブラケット
9 案内溝 10 ドラフトレバー
11 ハーネス 12 フロア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席(1)の側方に配置された操作フレーム(2)に、前後方向に形成した案内溝(3)に沿って作業機(4)の昇降操作を可能にしたポジションレバー(5)を設け、一方、前記ポジションレバー(5)の操作によって所定量上昇移動した作業機(4)への伝動を停止する上昇停止スイッチ(6)をスイッチボックス(7)に装備して構成し、該スイッチボックス(7)は、前記操作フレーム(2)にブラケット(8)によって取り付けたことを特徴とする作業車両の操作装置。
【請求項2】
前記操作フレーム(2)には、前記ポジションレバー(5)の案内溝(3)に平行して設けた案内溝(9)にドラフトレバー(10)を設け、前記上昇停止スイッチ(6)のスイッチボックス(7)は、前記二つの案内溝(3),(9)の間にブラケット(8)によって前記操作フレーム(2)に取り付けて構成し、前記スイッチボックス(7)に接続されたハーネス(11)を、フロア(12)を貫通させて配線したことを特徴とする請求項1記載の作業車両の操作装置。
【請求項1】
運転席(1)の側方に配置された操作フレーム(2)に、前後方向に形成した案内溝(3)に沿って作業機(4)の昇降操作を可能にしたポジションレバー(5)を設け、一方、前記ポジションレバー(5)の操作によって所定量上昇移動した作業機(4)への伝動を停止する上昇停止スイッチ(6)をスイッチボックス(7)に装備して構成し、該スイッチボックス(7)は、前記操作フレーム(2)にブラケット(8)によって取り付けたことを特徴とする作業車両の操作装置。
【請求項2】
前記操作フレーム(2)には、前記ポジションレバー(5)の案内溝(3)に平行して設けた案内溝(9)にドラフトレバー(10)を設け、前記上昇停止スイッチ(6)のスイッチボックス(7)は、前記二つの案内溝(3),(9)の間にブラケット(8)によって前記操作フレーム(2)に取り付けて構成し、前記スイッチボックス(7)に接続されたハーネス(11)を、フロア(12)を貫通させて配線したことを特徴とする請求項1記載の作業車両の操作装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−286219(P2009−286219A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−139732(P2008−139732)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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