説明

作業車両用の分草装置

【課題】
分草中に絡み付く作物の茎葉部を左右両側に案内し、作物を誤って圃場から引き抜くことを防止できる作業者の分草装置を提供する。
【解決手段】
手方向の軸芯を中心に回転自在な棒状乃至筒状の複数の回転式分草体41c,41cを、トラクタ等の作業車両1の走行装置3の前側の位置に、回転式分草体41c,41c同士の左右間隔を後部側ほど大きくして後上り傾斜姿勢に設け、回転式分草体41c,41cを一体化して作業車両1に対して上下回動自在に取り付け、回転式分草体41c,41cを設置支持する接地輪31cを設けるとともに、複数の回転式分草体41c,41cを作業車両1側に着脱自在に取り付ける装着具41dを設ける構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両に取り付けて作物の茎葉を分草する分草装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネギなどの作物の収穫をする作業車両において、機体前側部のゲートフレームから左右一対の分草板を前方へ突出させて設け、この分草板を後側ほど左右に拡張するように構成し、ネギなどの作物の茎葉部を引き抜き搬送装置に案内するものは、公知である。
【特許文献1】特開2004−267163号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
背景技術の分草板は固定されているため、分草しながら案内する作物の茎葉部この分草板に付着して絡み付き、作物そのものを引き抜いてしまうという不具合があった。そこで、本発明はこのような不具合を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明は、長手方向の軸芯を中心に回転自在な棒状乃至筒状の複数の回転式分草体(41c,41c)を、トラクタ等の作業車両(1)の走行装置(3)の前側の位置に、該複数の回転式分草体(41c,41c)同士の左右間隔を後部側ほど大きくして後上り傾斜姿勢に設けたことを特徴とする作業車両用の分草装置とした。
【0005】
前記構成によると、分草される作物の茎葉部は、回転自在な棒状及び筒状の複数の回転式分草体(41c,41c)に当接し、この茎葉部の当接による回転式分草体(41c,41c)の回転によって左右両側へ円滑に分草される。
【0006】
請求項2の発明は、前記複数の回転式分草体(41c,41c)を一体化して作業車両(1)に対して上下回動自在に取り付け、該複数の回転式分草体(41c,41c)を設置支持する支持輪(31c)を設けたことを特徴とする請求項1記載の作業車両用の分草装置とする。
【0007】
前記構成によると、回転式分草体(41c,41c)を接地輪(31c)で接地支持することによって、回転式分草体(41c,41c)は圃場面の凹凸等に応じて最適な高さで作物の茎葉部を分草することができる。
【0008】
請求項3の発明は、前記複数の回転式分草体(41c,41c)を作業車両(1)側に着脱自在に取り付ける装着具(41d)を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の作業車両用の分草装置とする。
【0009】
前記構成によると、作業条件に応じて回転式分草体(41c,41c)を作業車両(1)に容易に着脱できるようになる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、作物の茎葉部を回転自在な回転式分草体(41c,41c)によって左右両側に分草するため、回転式分草体(41c,41c)に作物の茎葉部が絡み付くことを防止でき、作物を引き抜いてしまうような不具合が解消されて作業能率を向上させることができる。
【0011】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、回転式分草体(41c,41c)を接地輪(31e)で接地支持することによって、圃場面の凹凸等に追従して作物の茎葉部を確実に分草することができ、作業能率が向上する。
【0012】
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明の効果に加えて、装着具(41d)の操作によって回転式分草体(41c,41c)を容易に着脱することができるので、作物の品種や収穫時期等の作業条件に応じた作業を行うことができ、作業能率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に基づき、本発明を農業用トラクタに装着した形態について説明する。
農用トラクタ1の車体フレーム2の前後には左右前輪3,3及び左右後輪4,4を設け、車体フレーム2の前側部にはエンジン(図示省略)を搭載してボンネット5で被覆し、エンジンの動力を、ミッションケース6内の静油圧式無段変速装置(図示省略)及びギヤ式副変速装置(図示省略)を経由して左右前輪3,3、左右後輪4,4及びPTO軸(図示省略)に伝達している。車体フレーム2のボンネット5の後側部からハンドルポスト8を上方へ延出してステアリングハンドル9を設け、ステアリングハンドル9の後方に操縦席10を設けている。ハンドルポスト8の左右両側には無段変速装置変速用の主変速レバー、副変速レバー、アクセルレバー等を設け、操縦席10の左側には作業機を昇降する昇降レバー14を設けている。また、ミッションケース6上にはオペレータが足を置くフロア15を設け、フロア15上には左右ブレーキペダル、クラッチペダルを設けている。
【0014】
車体フレーム2の後部には油圧シリンダ(図示省略)により昇降可能に作業機昇降装置21を設け、この作業機昇降装置21に例えばタマネギ収穫装置22を連結している。このタマネギ収穫機22は、PTO軸から動力が伝達される伝動ケース22aと、タマネギ収穫装置22の前側で且つ該伝動ケース22aの下方に配置される、圃場に植生するタマネギを掘り起こす掘取刃22bと、該掘取刃22bによって掘り起こされたタマネギを揺動しながら後方に搬送する揺動搬送コンベヤ22cと、該揺動搬送コンベア22cの搬送終端から排出されるタマネギを受けて、機体後側の左右いずれか一側に向けてタマネギを排出搬送する排出コンベヤ22dと、前記伝動ケース22aの動力を揺動搬送コンベア22cと排出コンベア22dとに伝達する伝動装置22e等により構成している。
【0015】
上記構成によれば、タマネギ収穫装置22を畝に沿って進行させると、タマネギ収穫装置22の前側部の掘取刃22bによって圃場からタマネギが掘り起こされ、掘取刃22bの後側の揺動搬送コンベヤ22cによってタマネギは付着した泥土を落とされながら後側上方に搬送されるので、回収した作物から泥土を取り除く作業が必要なくなり、作業者の労力が軽減される。また、掘り起こしたタマネギを保存処理するために、タマネギを圃場に放置して太陽光や風によって乾燥させる場合、泥土がタマネギの乾燥を妨げることがなく、効率よくタマネギが乾燥されて商品価値が向上する。
【0016】
そして、揺動搬送コンベア22cの搬送終端から排出される排出コンベヤ22dの左右一側に供給され、排出コンベヤ22dによって左右他側に搬送されてまとめて列状に排出されるので、作業者はタマネギの列に沿って農用トラクタ1に装着するドーザー体やその他の回収手段によって、タマネギを効率よく回収することができる。
【0017】
図2には、収穫時期を調節するために収穫前のタマネギの根部を土中で切断するタマネギ根切装置23を示している。このタマネギ切断装置23は、収穫フレーム23hの左右両側に圃場を走行するための左右支持輪23i,23iを回転自在に設け、該左右支持輪23i,23iよりも前側に左右支持輪23i,23iの前側に畝間に入り込んだタマネギの茎葉や雑草等を切断する左右切断輪23j,23jを回転自在に設け、収穫フレーム23hの後部にはタマネギの根部を切断する根切刃23kを収穫フレーム23hの左右方向に亘って設け、該根切刃23kの左右両側部上方にタマネギを畝上に寄せ集めるための左右案内装置23m,23mを設け、平面視で後側ほど中央寄りに傾斜させて構成している。
【0018】
上記構成によれば、タマネギ根切装置23を畝に沿って進行させると、左右切断輪23j,23jにより他の畝から畝間に垂れ下がっているタマネギの茎葉部や畝間に生えている雑草を切断し、左右支持輪23i,23iがその後を通過するので、タマネギの茎葉部や雑草等が左右切断輪23j,23jの後部の左右支持輪23i,23iに絡み付くことを防止できるので、左右支持輪23i,23iに絡み付いた茎葉部を引っ張って収穫前のタマネギを引き抜いてしまうことが防止され、商品価値が向上するとともに、絡み付いた茎葉部や雑草等によって左右支持輪23i,23iの回転が妨げられて農用トラクタ1の前進が妨げられることが防止され、作業能率が向上する。
【0019】
また、タマネギ根切装置23の根切刃23kは土中のタマネギの根部を、タマネギを掘り起こすことなく切断することができるので、タマネギの最適な収穫時期をコントロールして商品価値を可能な限り高くすることが可能となる。
【0020】
そして、左右案内装置23m,23mによって、根切作業の際に畝間寄りとなった畝端のタマネギを畝の中央部に向けて寄せることによって、タマネギを掘取収穫の時期まで土中に埋設しておくことができるとともに、タマネギが畝からはみ出すことを防止できるので、最適な収穫時期のタマネギを前記タマネギ収穫装置23等の収穫手段で傷つけることなく収穫することができ、タマネギの商品価値が向上する。
【0021】
次に、図3及び図4に基づきタマネギ収穫装置22またはタマネギ根切装置23と左右前部分草杆31,31と左右後輪部分草体24,24を装着した作業状態について説明する。
【0022】
農用トラクタ1の機体後部にタマネギ収穫機22またはタマネギ根切装置23を設け、左右後輪4,4の前方に左右後輪部分草体24,24を設け、左右前輪3,3の前方には左右前部分草杆31,31を設けている。
【0023】
ミッションケース6の下部から左右に左右中間フレーム25を延出し、左右中間フレーム25に昇降自在に設けた昇降アーム26に左右後輪部分草体24,24を取り付けている。この左右後輪部分草体24,24は、前側部には所定高さの左右前側部分草板24a,24aを平面視で後側ほど左右両側に傾斜するように構成し、その後側にこの傾斜方向に沿わせて接続している上下複数のロッドからなる左右後側部分草杆24b,24bとにより構成し、左右後側後輪分草杆24b,24bの後側部を左右後輪4,4の左右両側まで延長している。
【0024】
上記構成によれば、左右両側後輪部分草体24,24を接地させながら左右後輪4,4の前側を前進させると、畝間に落ちた収穫前のタマネギの茎葉部やタマネギを左右後輪4,4の左右両側に案内するため、左右後輪4,4がタマネギの茎葉部やタマネギを踏み潰すことが防止できるので、円滑迅速に収穫作業や分草作業をすることができるとともに、タマネギの収穫数が維持される。
【0025】
次に、図5乃至図7に基づき、左右前部分草杆31,31を具体的に説明する。
前記左右前輪3,3の左右前車軸3a,3aには平面視でL字型に屈曲している左右支持アーム32,32の後部を軸支し、該左右支持アーム32,32の前側部を左右前輪3,3の前側部外周面に沿わせて上下回動可能に構成している。該左右支持アーム32,32の前端部に前記左右前部分草杆31,31をボルト、ナット等の固定部材で着脱自在に取り付けている。
【0026】
前部分草杆31の下部には分草フレーム31aを設け、該分草フレーム31aには、前端に突起部を有し、平面視で後側ほど左右両側に拡がり、側面視で上方へ拡張する板体から構成される、後側ほど分草作用面が広い前部分草体31bを固着している。この左右前部分草体31bの後部には、同様に後側ほど左右及び上方へ拡張する多数の棒状体からなる後部分草ガイド31cを固定し、支持アーム32の前側部に分草フレーム31aの後部をボルト、ナットで着脱自在に固定している。
【0027】
また、分草フレーム31aの後側上部には、図6に示すように、左右車輪支持アーム31d,31dを左右方向の軸で上下調節自在に軸支し、該左右車輪支持アーム31d,31dの前側部に分草ゲージホイル31eを前部分草体31bの内側に位置するように、且つ回転自在に設け、分草ゲージホイル31eにより左右前部分草杆31,31の下端部を少し浮き上がるように支持する構成である。
【0028】
また、図5及び図6に示すように、農用トラクタ1の前下部に取り付ける前側ヒッチ33には昇降アーム37を機体上下方向に回動自在に支持し、前記左右支持アーム32,32の前側端部と前側ヒッチ33の昇降アーム37との間に左右昇降ワイヤ34,34を連結し、該左右昇降ワイヤ34,34の中間部を左右前輪ケース35,35に取り付けた左右滑車36,36に巻き付け支持している。そして、図6に示すように、前記昇降アーム37を下方に回動させると左右前部分草杆31,31が分草位置に下降するとともに、昇降アーム37を前方へ突出するように回動させると左右前部分草杆31,31が非分草位置に上昇するように構成している。
【0029】
次に、図8及び図9に基づき、補助分草装置41について説明する。
補助分草装置41は、前記左右前部分草杆31,31に必要に応じて取り付け、分草性能を向上させるものであり、作業条件に合わせて補助分草装置41を取り付ける、或いは取り外すことによって最適な作業を行うことができるので、作業能率が向上する。
【0030】
該補助分草装置41は、前後方向に長い補助分草フレーム41aと、補助分草フレーム41aの前端部に取り付ける、前端が尖っているとともに後側ほど左右両側に広くなる構成の、後側ほど分草作用面が広い先端補助分草体41bと、該補助分草フレーム41aと先端補助分草体41bとの前後間に、夫々ベアリングを介して軸心線回りに回転自在に支持するとともに後側ほど左右間隔が広くなるように配置する左右分草ローラ41c,41cと、補助分草フレーム41aの後側部における左右分草ローラ41c,41cの左右方向の略中間位置に設けた係止バックル41dとで構成する。
【0031】
そして、該補助分草装置41の補助分草フレーム41aを左右前部分草杆31,31の上側に載置し、前部分草体31bの先端部に先端補助分草部41bを嵌合装着し、前部分草体31bの後側ほど左右及び上方へ拡張する案内面に左右分草ローラ41c,41cを沿わせるようにし、分草フレーム31aに補助分草フレーム41aを係止バックル41dにより着脱自在に固定する。
【0032】
左右前部分草杆31,31だけの構成であると、タマネギの茎葉部が左右両側にうまく分離されずに左右前部分草杆31,31に絡み付き、タマネギを引き抜くという不具合が発生していた。
【0033】
しかし、上記構成によれば、補助分草装置41を装着した左右前部分草杆31,31を畝に沿って進行させると、先端補助分草部41bにより引き起こされたタマネギの茎葉部は、後続する左右分草ローラ41c,41cに案内され、左右分草ローラ41c,41cの後側ほど左右及び上方へ拡張する案内面に沿って左右両側に案内される。そして、相対的に後方へ摺接移動するタマネギの茎葉部により、左右分草ローラ41c,41cが軸心回りに回転するので、茎葉部を左右両側へ円滑に分草しながら案内することができ、左右分草ローラ41c,41cへの巻き付き防止することができる。
【0034】
また、左右前輪3,3の左右前車軸3a,3aに取り付けている左右前部分草杆31,31に左右補助分草装置41,41を取り付けていることによって、左右前輪3,3の操舵方向に動かすことによって分草方向を変更することができるので、畝に追従した分草作業を円滑に行なうことができて作業能率が向上する。
【0035】
さらに、左右前部分草杆31,31を左右分草ゲージホイル31e,31eにより支持しているため、左右前部分草杆31,31を圃場の凹凸に追従して上下動させることができるので、タマネギの茎葉部を確実に残さず分草することができ、作業能率が向上する。
【0036】
そして、補助分草装置41を係止バックル41dの操作によって分草杆31から着脱できることによって、早生品種のタマネギを収穫するときや前記タマネギ根切装置23で圃場に植生するタマネギの根部を切断するとき、即ちタマネギの茎葉部が瑞々しく丈夫な時期には補助分草装置41を装着することによって、分草杆31や補助分草装置41等に絡み付いてくるタマネギの茎葉部を左右分草ローラ41c,41cによって分草杆31の左右両側に案内することができるので、分草杆31が茎葉部の絡み付いたタマネギを圃場から引き抜いてしまうことが防止され、タマネギの商品価値を維持することができる。
【0037】
逆に、根部を切断して収穫適期まで放置したタマネギや、晩成品種のタマネギを収穫するとき、即ちタマネギの茎葉部が枯れて脆い時期には補助分草装置41を外すことによって、農用トラクタ1の前後幅を短くすることができるので、枕地作業や圃場端での旋回作業が容易になり、作業能率が向上する。
【0038】
次に、図10に基づき補助分草装置41の左右分草ローラ41c,41cを強制的に回転駆動する構成について説明する。
分草フレーム31aの後側上部には、左右車輪支持アーム31d,31dの後端部を左右方向の軸で上下調節自在に軸支し、左右車輪支持アーム31d,31dの前側部に分草ゲージホイル31eを前部分草体31bの後方に位置するように設け、分草ゲージホイル31eにより左右前部分草杆31,31の下端部を少し浮き上がるように支持している。
【0039】
補助分草装置41の補助分草フレーム41aの後側部にはローラ駆動装置43を着脱自在に取り付けている。このローラ駆動装置43は、補助分草フレーム41aの後部に着脱自在に取り付けられる駆動フレーム43aと、駆動フレーム43aには平面視で左右両側ほど後側になるように傾斜する、軸回りに回転するように軸架している左右駆動輪体43b,43bとで構成されている。
【0040】
そして、この左右駆動輪体43b,43bの下部を分草ゲージホイル31eの上側面に接触させると共に、左右駆動輪体43b,43bの上部を補助分草装置41側の左右分草ローラ41c,41cの下側部に接触するように構成している。
【0041】
前記構成によると、前部分草杆31と補助分草装置41が前進し、分草ゲージホイル31eが回転すると、接触している左右駆動輪体43b,43bが回転し、左右分草ローラ41c,41cの上部側が左右両側に向けて回転する。
【0042】
従って、補助分草装置41の左右分草ローラ41c,41cを強制回転させることによって、タマネギの茎葉部を強制的に左右両側へ移動させることができるので、左右分草ローラ41c,41cへのタマネギの茎葉の絡み付きが防止され、より円滑に茎葉部の分離を促進することができる。
【0043】
次に、図11及び図12に基づき、補助分草装置41における左右分草ローラ41c,41cの上下揺動構成について説明する。
分草フレーム31aの後側上部には、左右車輪支持アーム31d,31dの後端部を左右方向の軸で上下調節自在に軸支し、左右車輪支持アーム31d,31dの前側部に分草ゲージホイル31eを前部分草体31bの後方に位置するように設け、分草ゲージホイル31eにより左右前部分草杆31,31の下端部を少し浮き上がるように支持している。
【0044】
前部分草杆31側のボール状支持部31fに先端補助分草体41bの前側端部に設けた凹部41eを上方から嵌合して支持し、補助分草フレーム41a及び左右分草ローラ41c,41cを上下揺動自在に支持し、補助分草フレーム41aの後側部にはローラ揺動装置45を着脱自在に取り付けている。
【0045】
このローラ揺動装置45は、補助分草フレーム41aの後部に垂下支持されている長さ調節自在の支持棒45aと、支持棒45aの下端部に前後方向中間部が枢支されている揺動フレーム45bと、揺動フレーム45bの後側部に軸支されていて前記分草ゲージホイル31eの後側部に接触している偏心ローラ45cと、揺動フレーム45bの前側左右両側部に左右方向に沿うように中間部が軸支されている左右前側アーム45d,45dと、左右前側アーム45d,45dの左右両側部に前後方向軸心回りに支架されていて、且つ、左右分草ローラ41c,41cの下側部に接触する左右ローラ45e,45eと、左右ローラ45e,45eを左右分草ローラ41c,41cに押圧付勢するトルクスプリング45f,45fと、左右前側アーム45d,45dの内側端部と揺動フレーム45bの中間部との間を連結する長さ調節自在の左右調節棒45g,45gに、より構成している。
【0046】
前記構成によると、分草ゲージホイル31eが回転すると、偏心ローラ45cが回転し、揺動フレーム45bの前後方向中間部を支点として上下揺動し、左右ローラ45e,45eも上下揺動に応じて、左右分草ローラ41c,41cも上下揺動する。従って、タマネギの茎葉部を左右ローラ45e,45eにより上下揺動しながら分草することができ、絡み付きが少なく分離がスムーズになり、分草速度を速くし、作業能率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】タマネギ回収装置を装着したトラクタの側面図。
【図2】タマネギ根切装置を装着したトラクタの側面図。
【図3】タマネギ回収装置と後輪部分草体を装着したトラクタの側面図。
【図4】タマネギ根切装置と後輪部分草体を装着したトラクタの側面図。
【図5】前部分草杆の斜視図。
【図6】前部分草杆の分解斜視図。
【図7】前部分草杆の分解斜視図。
【図8】(a) 前部分草杆及び補助分草装置の側面図。
【0048】
(b) 前部分草杆及び補助分草装置の平面図。
【図9】(a) 補助分草装置の側面図。 (b) 補助分草装置の平面図。
【図10】補助分草装置の側面図、平面図。
【図11】補助分草装置の側面図、平面図。
【図12】ローラ上下動装置の平面図。
【符号の説明】
【0049】
1 農用トラクタ(作業車両)
3 走行装置(前輪)
3a 車軸部
31 分草杆
31a 分草フレーム
31b 前部分草体
31c 後部分草ガイド
31d 車輪支持アーム
31e 分草ゲージホイル(接地輪)
32 支持アーム
41 補助分草装置(分草装置)
41a 補助分草フレーム
41b 先端補助分草体
41c 分草ローラ(回転式分草体)
41d 係止バックル(装着具)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向の軸芯を中心に回転自在な棒状乃至筒状の複数の回転式分草体(41c,41c)を、トラクタ等の作業車両(1)の走行装置(3)の前側の位置に、該複数の回転式分草体(41c,41c)同士の左右間隔を後部側ほど大きくして後上り傾斜姿勢に設けたことを特徴とする作業車両用の分草装置。
【請求項2】
前記複数の回転式分草体(41c,41c)を一体化して作業車両(1)に対して上下回動自在に取り付け、該複数の回転式分草体(41c,41c)を設置支持する接地輪(31c)を設けたことを特徴とする請求項1記載の作業車両用の分草装置。
【請求項3】
前記複数の回転式分草体(41c,41c)を作業車両(1)側に着脱自在に取り付ける装着具(41d)を設けたことを特徴とする請求項1及び2記載の作業車両用の分草装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate