説明

作業車両

【課題】傾斜高位側の燃料タンク内の燃料が傾斜低位側の燃料タンク内に流入することに起因する燃料供給管におけるエア噛みの発生を簡単な構成により抑制することができる作業車両を提供する。
【解決手段】車体の左右に振り分けて配置され、互いの容量が異なる左右の燃料タンク20(右タンク21および左タンク22)と、左右の燃料タンク20(右タンク21および左タンク22)同士を連通させる連通管23と、連通管23上に設けられ、連通管23に流れる燃料Nをエンジン3に供給する供給口23cと、を備え、供給口23cは、左右の燃料タンク20(右タンク21および左タンク22)のうちの容量の大きい左タンク22側寄りに配置されるトラクタ1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体の左右に振り分けて配置され、互いの容量が異なる左右の燃料タンクを備える作業車両に関し、特に車体が傾斜した際に傾斜高位側の燃料タンク内の燃料が傾斜低位側の燃料タンク内に流入することに起因するエンジンの燃料中への空気の混入の発生を抑制可能な作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トラクタ等の作業車両においては、エンジンに供給される燃料が貯溜される燃料タンクを一対に構成し、該一対の燃料タンクをエンジンやトランスミッション等を回避して車体の左右に振り分けて配置することにより、燃料タンク全体の容量を大きくしている。これら左右の燃料タンク同士は、連通管によって連通されており、両燃料タンク内の燃料がこの連通管内を流れて、該連通管上に設けられた供給口から燃料供給管を介してエンジンに供給される。
【0003】
また、燃料タンクの容量をさらに多くしたり、無駄なスペースを有効利用したりするために、容量の異なる燃料タンクを車体の左右に振り分けて配置する場合がある。さらに、容量の異なる燃料タンクを車体の左右に振り分けた作業車両によって、傾斜地での作業、プラウ作業等を行うことにより車体が左右一方に傾斜すると、左右の燃料タンクのうち小容量側の燃料タンクが傾斜高位側に位置し、大容量側の燃料タンクが傾斜低位側に位置する場合がある。このような場合において、上記供給口が上記連通管の左右略中間に位置すると、大容量側の燃料タンク内に燃料が大量に残っているにもかかわらず、上記供給口から空気を吸入することとなり、燃料をエンジンへ供給する燃料供給管においてエア噛みが生じていた。そして、当該エア噛みによりエンジンストールや、燃料警告灯の誤報が生じていた。
【0004】
そこで、特許文献1においては、当該エア噛みを防止するために、燃料タンクと連通管とを連通させる燃料タンク内のドレンポートに締切弁を設け、ドレンポートの燃料油による浸漬の有無により締切弁を閉塞又は開口する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−42779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の作業車両においては、上記エア噛みを防止するために燃料タンク内に締切弁を新たに設けることから、部品点数が増加し、燃料タンクの構成が複雑になる、という問題があった。
【0007】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、傾斜高位側の燃料タンク内の燃料が傾斜低位側の燃料タンク内に流入することに起因する燃料供給管におけるエア噛みの発生を簡単な構成により抑制することができる作業車両を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上であり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、第1の発明は、車体の左右に振り分けて配置され、互いの容量が異なる左右の燃料タンクと、前記左右の燃料タンク同士を連通させる連通管と、前記連通管上に設けられ、前記連通管に流れる燃料をエンジンに供給する供給口と、を備える作業車両において、前記供給口は、前記左右の燃料タンクのうちの容量の大きい燃料タンク側寄りに配置されるものである。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、前記左右の燃料タンクは、互いが前記車体の左右方向に対向するように配置され、前記連通管は、前記左右の燃料タンク同士の左右間に配置され、前記連通管および前記供給口は、熱を遮蔽する遮熱部材によって覆われるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0012】
第1の発明においては、新たな部材を設けることなく既存の供給口の位置を変更するだけで、容量の大きい燃料タンク側に偏った燃料が供給口に届き易くなり、傾斜高位側となる小容量側の燃料タンク内の燃料が、傾斜低位側となる大容量側の燃料タンク内に流入することに起因する燃料供給管におけるエア噛みの発生を簡単な構成により抑制することができる。
【0013】
第2の発明においては、左右の燃料タンク同士を遮熱部材で覆われた連通管によって最短距離で連通することにより、連通管および供給口の耐火性を向上しつつ、連通管および遮熱部材の寸法を小さくし、連通管周辺の構成を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】トラクタの全体的な構成を示す側面図。
【図2】トラクタの全体的な構成を示す平面図。
【図3】燃料タンク(右タンクおよび左タンク)の斜視図。
【図4】燃料タンク(右タンクおよび左タンク)の正面図。
【図5】燃料タンク(右タンクおよび左タンク)の底面図。
【図6】(a)連通管の平面図。(b)連通管の正面図。
【図7】燃料タンク内の燃料の状態を示す概略図。(a)トラクタが水平状態の場合。(b)トラクタが左側に傾いた場合。(c)トラクタが右側に傾いた場合。
【図8】遮熱部材を取り付けた場合の燃料タンク(右タンクおよび左タンク)の斜視図。
【図9】遮熱部材を取り付けた場合の燃料タンク(右タンクおよび左タンク)の底面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず、本発明に係る作業車両の実施の一形態であるトラクタ1について説明する。以下では、図1の矢印Fの方向をトラクタ1の進行方向として前後左右方向を規定する。
【0016】
図1および図2に示すように、トラクタ1においては、機体フレーム2が長手方向を前後方向として配置される。機体フレーム2には、エンジン3が搭載される。エンジン3の後部には、トラクタ1の動力伝達機構の一部を収納するトランスミッションケース4が長手方向を前後方向として連結される。トランスミッションケース4の左右両側面には、それぞれ、後述する左右一対の燃料タンク20(右タンク21、左タンク22)が設けられる。機体フレーム2の前部はフロントアクスル5・5を介して左右一対の前輪6・6に支持され、トランスミッションケース4の後部はリアアクスル7・7を介して左右一対の後輪8・8に支持される。
【0017】
エンジン3の動力は、前記動力伝達機構で変速された後、フロントアクスル5・5を経て左右一対の前輪6・6に伝達可能とされるとともに、リアアクスル7・7を経て左右一対の後輪8・8に伝達される。エンジン3の動力が伝達されることによって、左右一対の前輪6・6および左右一対の後輪8・8が回転駆動され、トラクタ1の走行が行われる。
【0018】
また、エンジン3の動力は、前記動力伝達機構で変速された後、トランスミッションケース4に対して作業機装着装置9を介して装着された図示しない耕耘装置等の作業機にも伝達される。さらに、エンジン3の動力によって駆動される図示しない油圧ポンプにより圧送される作動油は、作業機装着装置9を昇降駆動する油圧シリンダや、機体フレーム2に装着された図示しないフロントローダ等の作業機に供給可能とされる。このようにして、エンジン3の動力が伝達されることによって、種々の作業機が駆動される。
【0019】
トランスミッションケース4の上部においては、作業者が搭乗してトラクタ1を操作するための運転操作部10が設けられ、キャビン11によって覆われる。また、キャビン11の前方には、エンジン3を覆うボンネット12が設けられる。
【0020】
次に、燃料タンク20の周辺の構成について説明する。
【0021】
図3から図5に示すように、燃料タンク20は、エンジン3に供給する燃料を貯溜するものであり、右タンク21と、左タンク22と、で構成される一対の燃料タンクである。燃料タンク20においては、右タンク21および左タンク22が車体の左右に振り分けて配置され、右タンク21および左タンク22の互いが車体の左右方向に対向するように配置される。
【0022】
右タンク21は、前後方向を長手方向とする略直方体形状のタンクであり、トランスミッションケース4の右側に配置される(図2参照)。
右タンク21の上面には、エア抜き口21aが形成される。エア抜き口21aは、燃料注入時等に、燃料タンク20内部にかかる圧力を外部に逃がすためのものである。
右タンク21の底面には、不図示の燃料戻し口が形成される。右タンク21においては、前記燃料戻し口からエンジン3の余剰燃料を右タンク21に戻すように構成される。
右タンク21の前後略中央部であって、左側面下部(右タンク21の内側下部)には、右通油口21bが形成される。
【0023】
左タンク22は、前後方向を長手方向とする略直方体形状のタンクであり、トランスミッションケース4の左側に配置される(図2参照)。
左タンク22の前後長、左右幅、上下高さは、右タンク21と比較して、それぞれ大きく形成される。左タンク22の容量V2は、右タンク21の容量V1と比較して大きく形成される。なお、本実施形態においては、左タンク22の容量V2は、右タンク21の容量V1の略2倍となっている。
左タンク22の上面には、二つのエア抜き口22a・22aが形成される。エア抜き口22a・22aは、燃料注入時等に、燃料タンク20内部にかかる圧力を外部に逃がすためのものである。
左タンク22の上面前部には、上向きに突出する給油口22cが設けられ、給油口22cから燃料が給油される。
左タンク22の前後略中央部であって、右側面下部(左タンク22の内側下部)には、左通油口22bが形成される。
【0024】
右タンク21および左タンク22は、左タンクの左側面と、右タンクの右側面とが対向して配置される。また、トランスミッションケース4の下方であって、右タンク21と左タンク22との間には連通管23が配置される。
【0025】
図5および図6に示すように、連通管23は、耐油性やフレキシブル性を有するゴム材又は金属等で構成された左右方向を長手方向とする筒形状の部材である。
図6(b)に示すように、連通管23は、右端23aおよび左端23bが上方に湾曲されることで正面視において略凹字状に形成される。連通管23は、その中央部の下端が右タンク21および左タンク22の底面よりも下方に位置するように配置される。
【0026】
図5に示すように、連通管23の両端部は、右タンク21および左タンク22の内側下部に取り付けて連通される。具体的には、連通管23の右端23aは、右タンク21の左側面下部に設けられる右通油口21bに取り付けられる。また、連通管23の左端23bは、左タンク22の右側面下部に設けられる左通油口22bに取り付けられる。
このように連通管23の両端部を取り付けることで、右タンク21と左タンク22との間が連通管23により連通され、右タンク21および左タンク22内の燃料が連通管23に流動可能となり、右タンク21と左タンク22との液面高さを同一に保つことができる。また、連通管23の両端部を右タンク21および左タンク22の内側下部に取り付けることで、右タンク21および左タンク22内の燃料を最後までエンジン3へ供給することができる。
【0027】
連通管23の左右中途部には、供給口23cが設けられる。
供給口23cは、右タンク21および左タンク22内の燃料を燃料供給管24を介してエンジン3に導くためのものである。
供給口23cは、右タンク21および左タンク22の容量に対応する位置に設けられる。具体的には、一対の燃料タンク20のうちの容量の大きい左タンク22側寄り、すなわち、連通管23の左側に配置される。
燃料供給管24は、ウォーターセパレータやフィードポンプを介してエンジン3と接続される。燃料供給管24は、供給口23cから排出された左右タンクの燃料を、エンジン3に供給可能とされる。
【0028】
ここで、連通管23における供給口23cの配置について説明する。
【0029】
図7に示すように、従来のトラクタは、連通管23の中央部に供給口100が配置される。このような従来のトラクタにおいて、図7(a)に示すように、右タンク21および左タンク22内に貯溜される燃料Nの貯溜量が少量の場合には、図7(b)に示すような傾斜地での作業、プラウ作業等によって、小容量の右タンク21が傾斜高位側に位置し、大容量の左タンク22が傾斜低位側に位置することで、連通管23においては、供給口100まで燃料Nが満たされずに供給口100から空気を吸入する状態、すなわち、フィードポンプにおいてエア噛みが生じたり、燃料噴射ポンプに空気が入り始動不良の状態となる。このような状態は、右タンク21に貯溜される燃料Nの貯溜量が少量であるために生じるものであり、右タンク21に貯溜される燃料Nのほぼ全てが左タンク22内に流入し、連通管23全体を満たし切ることができないことにより生じる。
【0030】
逆に、従来のトラクタにおいて、図7(a)に示すように、右タンク21および左タンク22内に貯溜される燃料Nの貯溜量が少量であり、図7(c)に示すような傾斜地での作業、プラウ作業等によって、大容量の左タンク22が傾斜高位側に位置し、小容量の右タンク21が傾斜低位側に位置する場合には、連通管23においては、供給口100まで燃料Nが満たされ、供給口100から空気を吸入することはない。このことは、左タンク22に貯溜される燃料Nの貯溜量が、右タンク21に貯溜される燃料Nの貯溜量より多いためであり、左タンク22内の燃料Nが右タンク21内に流入しても、さらに連通管23全体を満たすことができるからである。
【0031】
このように、供給口100から空気を吸入する状態(エア噛みの状態)となるか否かは、右タンク21および左タンク22に貯溜される燃料Nの貯溜量に起因するとともに、右タンク21と、左タンク22との容量の比率に起因する。
このため、トラクタ1においては、右タンク21と、左タンク22との容量の比率配分に基づいて、連通管23における供給口23cの配置を決定する。
【0032】
具体的には、トラクタ1が水平な地面に位置している時に、連通管23が水平に配置されるとともに、右タンク21の右通油口21bと左タンク22の左通油口22bとが、機体左右中心から等距離に配置され、言い換えれば、連通管23の右端23aと左端23bとが、機体左右中心から等距離に配置される場合において、図6(b)に示すように、連通管23の右端23aから供給口23cの中心部までの長さL1と、連通管23の左端23bから供給口23cの中心部までの長さL2との比率を、右タンク21の容量V1と、左タンク22の容量V2との比率配分に基づいて決定する。そして、当該比率(L1:L2)に基づいて、連通管23上における供給口23cの配置を決定する。
【0033】
トラクタ1においては、右タンク21の容量V1が左タンク22の容量V2より小さいため、連通管23の右端23aから供給口23cの中心部までの長さL1を、連通管23の左端23bから供給口23cの中心部までの長さL2より長くなるように、供給口23cが連通管23上に配置される。すなわち、容量の大きい左タンク22側寄りである連通管23の左側に供給口23cが配置される。この時、L1とL2との比率は、右タンク21の容量V1と、左タンク22の容量V2と、の比率配分に基づいて決定される。つまり、L1:L2=V2:V1である。
【0034】
このように、右タンク21の容量V1と、左タンク22の容量V2との比率配分に基づいて、連通管23上における供給口23cの配置が、容量の大きい左タンク22側寄り(連通管23の左側)に決定されるため、図7(b)に示すように、傾斜地での作業、プラウ作業等によって、小容量の右タンク21が傾斜高位側に位置し、大容量の左タンク22が傾斜低位側に位置する場合であっても、供給口23cまで燃料Nが満たされ、供給口23cから空気を吸入することはない。
【0035】
また逆に、図7(c)に示すように、大容量の左タンク22が傾斜高位側に位置し、小容量の右タンク21が傾斜低位側に位置する場合であっても、供給口23cの配置は、容量の大きい左タンク22側寄り(連通管23の左側)になるが、左タンク22の燃料Nの貯溜量が、右タンク21の燃料Nの貯溜量より多いため、傾斜により左タンク22の燃料Nが右タンク21内に流入しても、さらに連通管23全体を満たすことができる。そのため、供給口23cまで燃料Nが満たされ、供給口23cから空気を吸入することはない。
なお、トラクタ1の傾斜角度によっては、燃料Nが供給口23cを満たさない場合も考えられるが、通常の傾斜地での作業、プラウ作業等においては、当該場合となるまでトラクタが傾斜することはない。
【0036】
図8および図9に示すように、連通管23および供給口23cは、第1遮熱部材30によって覆われている。
第1遮熱部材30は、エンジン3からの放熱を遮蔽するため、または耐火試験における炎を遮蔽するための遮熱部材(耐火用カバー)である。図9に示すように、第1遮熱部材30は板状の部材である。第1遮熱部材30は、右タンク21と、左タンク22との左右間であって、連通管23および供給口23cの下方から連通管23および供給口23cを覆うように配置される。このように第1遮熱部材30を配置することで、エンジン3からの放熱、または耐火試験における炎が、連通管23の下方から連通管23および供給口23cに当たることを防止できる。
また、上述のように、連通管23の両端部が右タンク21および左タンク22の内側下部に取り付けられることで、右タンク21と左タンク22との間を寸法の小さい連通管23によって連通しているため、連通管23を覆う第1遮熱部材30の寸法も小さくすることができ、第1遮熱部材30の部品コストを低減できる。
【0037】
図8および図9に示すように、右タンク21および左タンク22は、第2遮熱部材31および第3遮熱部材32によって覆われている。
第2遮熱部材31および第3遮熱部材32は、エンジン3からの放熱を遮蔽するため、または耐火試験における炎を遮蔽するための遮熱部材である。第2遮熱部材31および第3遮熱部材32は板状の部材であり、右タンク21および左タンク22の前面、外側面、下面を覆うように配置される。第2遮熱部材31および第3遮熱部材32を配置することにより、エンジン3からの放熱、または耐火試験における炎が、右タンク21および左タンク22に当たることを防止できる。
【0038】
以上のように、トラクタ1は、車体の左右に振り分けて配置され、互いの容量が異なる一対の燃料タンク20(右タンク21および左タンク22)と、一対の燃料タンク20(右タンク21および左タンク22)同士を連通させる連通管23と、連通管23上に設けられ、連通管23に流れる燃料Nをエンジン3に供給する供給口23cと、を備えるトラクタ1(作業車両)において、供給口23cは、一対の燃料タンク20(右タンク21および左タンク22)のうちの容量の大きい左タンク22側寄りに配置されるものである。
【0039】
このようにトラクタ1を構成することにより、新たな部材を設けることなく既存の供給口23cの位置を変更するだけで、容量の大きい燃料タンク(左タンク22)側に偏った燃料Nが供給口23cに届き易くなり、傾斜高位側となる小容量側の燃料タンク(右タンク21)内の燃料が、傾斜低位側となる大容量側の燃料タンク(左タンク22)内に流入することに起因する燃料供給管24におけるエア噛みの発生を簡単な構成により抑制することができる。
【0040】
また、トラクタ1は、一対の燃料タンク20(右タンク21および左タンク22)は、右タンク21および左タンク22の互いが車体の左右方向に対向するように配置され、連通管23は、一対の燃料タンク20(右タンク21および左タンク22)同士の左右間に配置され、連通管23および供給口23cは、熱を遮蔽する第1遮熱部材30によって覆われるものである。
【0041】
このようにトラクタ1を構成することにより、一対の燃料タンク20(右タンク21および左タンク22)同士を第1遮熱部材30で覆われた連通管23によって最短距離で連通することにより、連通管23および供給口23cの耐火性を向上しつつ、連通管23および第1遮熱部材30の寸法を小さくし、連通管23周辺の構成を簡素化することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 トラクタ(作業車両)
3 エンジン
20 燃料タンク
22 左タンク(容量の大きい燃料タンク)
23 連通管
23c 供給口
30 遮熱部材
N 燃料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の左右に振り分けて配置され、互いの容量が異なる左右の燃料タンクと、
前記左右の燃料タンク同士を連通させる連通管と、
前記連通管上に設けられ、前記連通管に流れる燃料をエンジンに供給する供給口と、
を備える作業車両において、
前記供給口は、前記左右の燃料タンクのうちの容量の大きい燃料タンク側寄りに配置される、
ことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記左右の燃料タンクは、互いが前記車体の左右方向に対向するように配置され、
前記連通管は、前記左右の燃料タンク同士の左右間に配置され、
前記連通管および前記供給口は、熱を遮蔽する遮熱部材によって覆われる、
ことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−144163(P2012−144163A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4349(P2011−4349)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】