説明

作業車両

【課題】
走行装置を制動している状態で、走行装置の無断変速装置から駆動力が出力されても変速装置が破損しない作業車両を提供する。
【解決手段】
変速ギア(Gt)を、油圧式無段変速装置(14)からの駆動力を第1副変速軸(17)に伝達する駆動状態と、油圧式無段変速装置(14)からの駆動力を遮断する動力遮断状態とに切換可能に構成し、動力遮断状態においては、変速ギア(Gt)と走行ミッションケース(15)側に設けたギアロック手段(27)とが係合して、当該変速ギア(Gt)を回転不能な状態に固定する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、作業車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
走行用の主変速装置と副変速装置を備えた作業車両において、副変速装置を操作する副変速レバーの操作経路に駐車ブレーキを作動させる駐車用の操作位置を備え、駐車ブレーキの解除忘れを防止して機体の走行を開始するようにしたものは、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−159467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術の発明は、エンジンからの回転動力を油圧式の無段変速装置を経由してギア式の副変速装置に伝達し、副変速装置の変速用ギアと走行ミッションケースに設けたブレーキ板とを噛み合わせ副変速装置を固定状態にするものである。この副変速装置の固定状態では油圧式の無段変速装置からギア式の副変速装置へ動力伝達状態であるので、副変速装置の固定状態の解除を忘れて無段変速装置の操作レバーを操作して、この無段変速装置から駆動力が出力された場合、副変速装置や油圧式の無段変速装置が破損する畏れがある。
【0005】
そこで、本発明はこのような不具合を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、油圧式無段変速装置(14)からの駆動力を、走行ミッションケース(15)の内部に備える副変速装置(22)を介して走行装置(2)に伝達する作業車両において、前記副変速装置(22)は、前記油圧式無段変速装置(14)からの駆動力を変速する変速ギア(Gt)と、該変速ギア(Gt)よりも伝動下手側の第1副変速軸(17)とを備え、該変速ギア(Gt)は、前記油圧式無段変速装置(14)からの駆動力を第1副変速軸(17)に伝達する駆動状態と、油圧式無段変速装置(14)からの駆動力を遮断する動力遮断状態とに切換可能に構成し、前記動力遮断状態においては、変速ギア(Gt)と走行ミッションケース(15)側に設けたギアロック手段(27)とが係合して、当該変速ギア(Gt)を回転不能な状態に固定する構成としたこと特徴とする作業車両としたものである。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記走行ミッションケース(15)内の動力伝達経路における前記変速ギア(Gt)よりも伝動上手側の部位から作業部(7)駆動用の駆動経路を分岐させたことを特徴とする請求項1記載の作業車両としたものである。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記油圧式無段変速装置(14)から駆動力が入力される走行入力軸(16)にギア(G1)を一体で設け、前記変速ギア(Gt)は、前記副変速軸(17)に対して回転不能且つ該副変速軸(17)の軸方向に移動自在に設け、前記ギア(G1)と変速ギア(Gt)が噛合うことで該変速ギア(Gt)が駆動状態となり、変速ギア(Gt)が副変速軸(17)の軸方向に移動してギア(G1)から離脱することで動力遮断状態となった後に、該変速ギア(Gt)がギアロック手段(27)に係合する構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の作業車両としたものである。
【0009】
請求項4の発明は、前記ギアロック手段(27)を走行ミッションケース(15)の内側面に着脱自在に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載の作業車両としたものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によると、油圧式無段変速装置(14)からの駆動力を第1副変速軸(17)に伝達する駆動状態と、油圧式無段変速装置(14)からの駆動力を遮断する動力遮断状態に切換可能に構成し、動力遮断状態においては、変速ギア(Gt)と走行ミッションケース(15)側に設けたギアロック手段(27)とが係合して、当該変速ギア(Gt)を回転不能な状態に固定するので、変速ギア(Gt)の動力遮断状態において油圧式無段変速装置(14)を変速しても、この油圧式無段変速装置(14)の出力軸や副変速装置(22)がロックせず、油圧式無段変速装置(14)及び副変速装置(22)の破損を防止することができる。
【0011】
請求項2記載の発明によると、請求項1記載の発明による効果に加えて、走行ミッションケース(15)の動力伝達経路における前記変速ギア(Gt)よりも伝動上手側の部位から作業部(7)駆動用の駆動経路を分岐させたので、走行装置(2)の駆動速度に同調して作業部(7)を駆動できるものでありながら、走行装置(2)をギアロック手段(27)によって制動した状態においても、油圧式無段変速装置(14)を変速して回転を出力することで作業部(7)を駆動することができる。
【0012】
請求項3記載の発明によると、請求項1又は請求項2記載の発明による効果に加えて、変速ギア(Gt)を副変速軸(17)の軸方向に移動させると、変速ギア(Gt)が動力遮断状態となり、ギアロック手段(27)によってロックされるので、簡易な構成で走行装置(2)を制動することができ、走行ミッションケース(15)を小型化することができる。
【0013】
請求項4の発明によると、請求項1又は請求項2又は請求項3の発明による効果に加えて、副変速装置(22)の変速ギア(Gt)と係合するギアロック手段(27)を走行ミッションケース(15)の内側面に着脱自在に設けたので、ギアロック手段(27)を容易に交換することができ、メンテナンス作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】コンバインの全体側面図。
【図2】コンバインの全体平面図。
【図3】走行ミッションケースの展開した正断面図。
【図4】コンバインの前側部の平面図。
【図5】コンバインの前側部の平面図。
【図6】コンバインの前側部の平面図。
【図7】コンバインの前側部の側面図。
【図8】コンバインの前側部の側面図。
【図9】燃料タンクの側面図。
【図10】燃料タンクの正面図。
【図11】燃料タンクの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下本発明の実施例について説明する。まず、図1及び図2に基づき本発明を備えたコンバインの全体構成について説明する。
コンバインの走行車台1の下方には左右2つのクローラ走行装置(走行装置)2,2を配設し、走行車台1の右側部には、前側部に座席付きの操縦部3を、操縦部3の後方下部にはエンジンを備えた原動部4を、原動部4の後方には穀粒収納用のグレンタンク5を配設している。走行車台1の左側部に脱穀部6を搭載し、走行車台1の前側部には刈取搬送部(作業部)7を昇降自在に設け、脱穀部6及びグレンタンク5の後方に排稾処理装置8を設けている。また、グレンタンク5の後側部に排出オーガ9を設け、グレンタンク5内の穀粒を外部に排出するようにしている。
【0016】
しかして、圃場の穀稈を刈取搬送部7の分草杆60により穀稈条列毎に分草して穀稈引起し装置62に案内し、次いで、穀稈引起し装置62で穀稈を引起し、引き起こした穀稈を掻込搬送装置で後方へ掻き込み搬送し刈刃装置61で刈り取る。刈取穀稈を中継ぎ搬送装置で左右方向中央部へ集送しながら中継ぎ搬送し、次いで、引継ぎ搬送装置を経て脱穀部6のフィードチエンへ引き継ぎ搬送する。次いで、脱穀部6で脱穀選別し、一番穀粒を一番揚穀機で揚穀し、グレンタンク5に貯溜する。
【0017】
また、コンバインは操縦部3の操縦席において主変速レバー11及び副変速レバー12を操作することにより、エンジンの動力をミッションケース内の油圧式無段変速装置14及び副変速装置22で変速し、左右クローラ走行装置2,2に伝達し任意の速度で走行する。
【0018】
また、コンバインはオペレータが操縦席において操向パワステレバー13を左右に傾動操作することにより、左右に旋回走行することができる。すなわち、操向パワステレバー13を旋回走行する方向に傾動操作すると、ミッションケース内のサイドクラッチ(左右サイドクラッチ装置)23が作動し、左右のクローラ走行装置2,2に速度差が与えられ走行方向の変更をすることができる。
【0019】
次に、図3に基づき走行ミッションケース15の伝動構成について説明する。
走行ミッションケース15には、伝動上手側から下手側に向けて走行入力軸16、第1副変速軸17、第2副変速軸18、左右サイドクラッチ軸19,19、左右ホイール軸20L,20Rを備え、左右サイドクラッチ軸19,19には左右サイドクラッチ装置23,23、左右ブレーキ装置24,24を設けている。
【0020】
エンジンからの回転動力が油圧式無段変速装置14に伝達され、正逆転の切り換えや変速回転された動力が出力軸14aから走行ミッション15の走行入力軸16に伝達される。そして、副変速装置22のギア群で変速され、第2副変速軸18からギア群を経て左右サイドクラッチ軸19,19に伝達される。そして、左右サイドクラッチ装置23,23により動力の入り切りがなされ、左右ホイール軸20L,20Rを経由して左右クローラ走行装置2,2に伝達される。
【0021】
前記主変速レバー11により油圧式無段変速装置14は変速と前後進の切り換えがなされ、前記副変速レバー12により副変速装置22の変速がなされる。また、前記操向パワステレバー13の左右傾動操作により、左右サイドクラッチ装置23,23を入切し、左右ホイール軸20L,20Rへの伝動を断接しながら旋回走行する。
【0022】
走行ミッションケース15上部の走行入力軸16における右側端部をケース側面から突出して刈取動力取出プーリ26を取り付け、走行動力に同期した刈取動力を取り出し、刈取搬送部7の各部を駆動すると共に、脱穀部6のフィードチエンを駆動し、走行速度に同期した速度で刈取穀稈を搬送し、脱穀部6の脱穀穀稈を搬送するようにしている。
【0023】
次に、副変速装置22の伝動変速構成について説明する。
走行入力軸16には幅広のギアG1を取り付け、第1副変速軸17には軸方向に摺動自在に変速ギアGtを設けている。この変速ギアGtは、一体的に形成された大中小のギアG2,ギアG3,ギアG4からなる。ギアG1とギアG2を噛み合わせ油圧式無段変速装置14から副変速装置22の第1副変速軸17に動力を伝達している。また、第2副変速軸18には小中大のギアG5,ギアG6,ギアG7を各別に独立して固着している。
【0024】
しかして、副変速レバー12を操作して変速ギアGtを移動し、ギアG2とギアG5、ギアG3とギアG6、ギアG4とギアG7を噛み合わせ、3段の副変速をするように構成している。
【0025】
そして、走行ミッションケース15の側壁内面にギアロック手段27を設けている。ギア2の右側面に停止ギアG8を設け、ギアG2、ギアG3、ギアG4を最右側に移動するとし、ギアG1とギアG2との噛み合いが外れ油圧式無段変速装置14との伝動が遮断状態となり、ギアG2の右側面の停止ギアG8とギアロック手段27とが噛み合い、ギアG2,ギアG3,ギアG4をロックし副変速装置22を停止状態とするように構成している。
【0026】
従来構成では、駐車ブレーキレバーを操作し、左右サイドクラッチ装置23,23を切り、左右ブレーキ装置24,24を制動状態とし駐車ブレーキをかけていた。しかし、確実に左右ブレーキ装置24,24がきいた状態にすることが難しく、コンバインが傾斜地に停止している状態では動きだすことがあった。
【0027】
しかし、前記構成によると、副変速レバー12を停止位置に操作し変速ギアGtを最右側に移動し、ギアG2の右側面の停止ギアG8とギアロック手段27と噛み合わせ、ギアG2,ギアG3,ギアG4をロックすることにより、下手側の走行伝動経路をロックし、左右サイドクラッチ装置23,23を入り状態のままで駐車ブレーキをかけることができ、停車状態を確実にすることができる。
【0028】
また、ギアG2の右側面の停止ギアG8とギアロック手段27とを噛み合わせ、ギアG2,ギアG3,ギアG4をロックした状態では、ギアG1とギアG2の噛み合いが外れて油圧式無段変速装置14と副変速装置22との伝動が遮断されているので、駐車ブレーキをかけた状態で、主変速レバー11を操作し油圧式無段変速装置14を駆動し、刈取動力取出プーリ26を駆動し、刈取搬送部7を駆動しても、油圧式無段変速装置14に無理な負荷がかかることもなく、油圧式無段変速装置14の損傷を回避することができる。
【0029】
また、走行ミッションケース15にギアロック手段27を着脱自在に取り付けるようにすると、副変速装置22の停止構成をコストの低減を図りながら簡単に構成することができる。
【0030】
また、ギアロック手段27を走行ミッションケース15の素材よりも軟質材で着脱自在に取り付けるようにすると、ギアG2,ギアG3,ギアG4のロック時における走行ミッションケース15の破損を防止することができる。また、ギアロック手段27を容易に交換することができメンテナンスが容易になる。
【0031】
次に、図4に基づき副変速レバー12の操作構成について説明する。
操縦部3の前側部にフロント操作パネル31を設け、その右側部に操向パワステレバー13を設けている。左側部にはサイド操作パネル32を設け、その前側部に前後方向に沿わせて主変速レバー11操作用の主変速操作溝33を設けている。主変速操作溝33の中間部に中立操作位置33aを設け、前側部に前進操作位置33b、後側部に後進操作位置33cを設ける。
【0032】
また、サイド操作パネル32の後側部には、副変速レバー12操作用の副変速操作溝34を前後方向に沿わせて設けている。この副変速操作溝34には前側から後側に向けて駐車位置34a、左右に操作可能な高速位置34b、中速位置34c、低速位置34dを設けている。
【0033】
しかして、副変速レバー12を副変速操作位置から駐車位置34aに操作する場合には、高速位置34bで左右方向に操作し、次いで前側に操作するので、駐車操作を意識しながら行なうことができ、誤操作を防止することができる。
【0034】
また、図5のように構成してもよい。サイド操作パネル32の後側部には前後方向に沿った副変速操作溝34を設け、前側から後側にわたり駐車位置34a、高速位置34b、中速位置34c、低速位置34dを設け、駐車位置34aと高速位置34bとの間隔を長くし、駐車状態への誤操作を防止する。
【0035】
また、図6のように構成してもよい。サイド操作パネル32の後側部には前後方向に沿った副変速操作溝34を構成し、副変速操作溝34には前側から後側にかけて駐車位置34a、左右へ操作可能な高速位置34b、左右に操作可能な中速位置34c、低速位置34dを設ける。
【0036】
しかして、駐車位置34aへの操作時には、高速位置34bの副変速レバー12を一度左右に移動し、次いで前側へ移動するので、駐車操作の注意力が高まり誤操作を防止することができる。また、低速位置34dに操作し倒伏穀稈の刈取作業をするときには、中速位置34cの副変速レバー12を一度左右に操作し、次いで後側へ移動するので、倒伏刈取操作の注意力が高まり、誤操作を防止することができる。
【0037】
次に、図7及び図8に基づき他の駐車ブレーキ構成について説明する。
走行ミッションケース15の上方のフロア36には駐車ブレーキレバー35a付きの駐車ブレーキぺダル35を左右方向の軸35b回りに回動自在に軸支している。駐車ブレーキぺダル35の下方にロックアーム40を左右方向の軸40a回りに回動自在に軸支し、駐車ブレーキぺダル35のアーム部とロックアーム40の一端側下部とを長さ調節自在のブレーキロッド37を介してピン連結している。そして、ロックアーム40の一端側上部に第2ブレーキロッド37aを介して左右ブレーキ装置24,24のアーム部24a,24aに連係すると共に、クラッチロッド42を介して左右サイドクラッチ装置23,23に連係している。
【0038】
また、ロックアーム40の下方に駐車検出スイッチ39を設け、駐車ブレーキぺダル35を最終制動位置まで操作すると、駐車検出スイッチ39がONし、コントローラの警報指令により、ブザーが鳴るように構成している。
【0039】
また、ロックアーム40の他端側の扇形部にロック爪38,…を回動方向に沿って多数構成し、制動位置に回動したロック爪38を機体側の係止片43により弾圧係止するようにしている。
【0040】
しかして、駐車ブレーキぺダル35を踏み込み制動位置に操作すると、左右サイドクラッチ装置23,23を切りにし、次いで左右ブレーキ装置24,24を制動することができる。また、オペレータは駐車ブレーキの効き状態を知ることができ、機体を確実に駐車状態とすることができる。
【0041】
次に、図9乃至図11に基づき燃料タンク51の配設構成について説明する。
操縦部3の下側部のステップ52の下方部位で且つ左側にオフセットした部位に燃料タンク51を配設している。燃料タンク51の右側空間部にブレーキぺダル53を配設し、ブレーキぺダル53に駐車ブレーキレバー53aを設けている。
【0042】
また、操縦部3の前側部を前側フレーム54で被覆している。この前側フレーム54を後側のフレーム部54aと、フレーム部54aに前側に膨出するように取り付けている前側板54bと、前側板54bの下端部に左右方向に沿うように設けている前側下部フレーム部54cとで構成している。
【0043】
そして、燃料タンク51の前側部を前上り傾斜状51aに構成し、この前上り傾斜状51a部分の上部をフレーム部54aより前方へ突出し且つ前側板54bで被覆している。燃料タンク51の前上り傾斜状51a部分の下部を前側下部フレーム部54cで被覆するように接近配置している。
【0044】
また、燃料タンク51を右クローラ走行装置2の上方に配置し、右クローラ走行装置2の前側部を前上り傾斜状2aに構成し、後側に位置する右クローラ走行装置2の前上り傾斜状2a部分の傾斜面と前方上方に位置する燃料タンク51の前上り傾斜状51a部分の傾斜面とを、側面視で略同一の前上り傾斜面に沿うように構成している。
【0045】
また、ステップ52の右側端部を走行車台1の前後方向に沿っている右側フレーム部1aに取り付け、ステップ52の左側端部を走行車台1の前後方向に沿った中間フレーム部1bに取り付けている。
【0046】
また、燃料タンク51をブレーキぺダル53の左側の機体中央寄りに配設し、燃料タンク51の前側部を側面視で右側フレーム部1aの前側端部よりも前方へ突出するように配設し、燃料タンク51の後側上部を屈曲して空間部を構成し、この空間部にブレーキぺダル53の左右方向の軸35bを配置し、軸35bの左側端部から連係部材を介して左右ブレーキ装置24,24に連係している。
【0047】
また、燃料タンクの給油口51aを右外側部のブレーキぺダル53の方向に向け且つ側面視で後側に屈曲し、ブレーキぺダル53の左側近傍に延出している。そして、給油口51aの位置を操縦部3のシート56に対して正面視でシート56の左右方向の略中央部に位置するようにしている。また、ブレーキぺダル53におけるぺダルストロークの上限位置よりも低く、下限位地よりも高い部位に給油口51aの上側端部を配置している。
【0048】
前記構成によると、操縦部3の狭い空間部に大容量の燃料タンク51を配設し、ステップ52の強度アップを図ることができる。また、コンバインの湿田での作業中に左右クローラ走行装置2,2及び燃料タンク51が沈下しても、燃料タンク51の前上り傾斜状51a部分が接地し、タンクの変形を防止することができる。
【0049】
また、燃料タンク51の右側部を右側フレーム部1aで被覆し、前側部を前側下部フレーム部54cで被覆しているので、燃料タンク51の変形損傷を防止し耐久性を高めることができる。
【0050】
また、燃料の給油時には駐車ブレーキ53を下方の制動位地に操作し、給油口51aよりも下方に移動して給油作業をするので、駐車状態で安全に給油することができる。
また、燃料タンクの給油口51aをシート56の前方下方で正面視でシート56の左右方向の略中央部に配置しているので、シート56に座ったオペレータの両足の中間部に給油口51aが位置し、邪魔にならない。
【符号の説明】
【0051】
2 クローラ走行装置(走行装置)
7 刈取搬送部(作業部)
14 油圧式無段変速装置
15 走行ミッションケース
17 第1副変速軸
22 副変速装置
27 ギアロック手段
G1 ギア
Gt 変速ギア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧式無段変速装置(14)からの駆動力を、走行ミッションケース(15)の内部に備える副変速装置(22)を介して走行装置(2)に伝達する作業車両において、前記副変速装置(22)は、前記油圧式無段変速装置(14)からの駆動力を変速する変速ギア(Gt)と、該変速ギア(Gt)よりも伝動下手側の第1副変速軸(17)とを備え、該変速ギア(Gt)は、前記油圧式無段変速装置(14)からの駆動力を第1副変速軸(17)に伝達する駆動状態と、油圧式無段変速装置(14)からの駆動力を遮断する動力遮断状態とに切換可能に構成し、前記動力遮断状態においては、変速ギア(Gt)と走行ミッションケース(15)側に設けたギアロック手段(27)とが係合して、当該変速ギア(Gt)を回転不能な状態に固定する構成としたこと特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記走行ミッションケース(15)内の動力伝達経路における前記変速ギア(Gt)よりも伝動上手側の部位から作業部(7)駆動用の駆動経路を分岐させたことを特徴とする請求項1記載の作業車両。
【請求項3】
前記油圧式無段変速装置(14)から駆動力が入力される走行入力軸(16)にギア(G1)を一体で設け、前記変速ギア(Gt)は、前記副変速軸(17)に対して回転不能且つ該副変速軸(17)の軸方向に移動自在に設け、前記ギア(G1)と変速ギア(Gt)が噛合うことで該変速ギア(Gt)が駆動状態となり、変速ギア(Gt)が副変速軸(17)の軸方向に移動してギア(G1)から離脱することで動力遮断状態となった後に、該変速ギア(Gt)がギアロック手段(27)に係合する構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の作業車両。
【請求項4】
前記ギアロック手段(27)を走行ミッションケース(15)の内側面に着脱自在に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載の作業車両。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−205551(P2012−205551A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74266(P2011−74266)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】