説明

使いやすい信号表示装置を備えた衣類

衣類は、信号表示装置を含む。信号表示装置は、使用者に、身体流体が衣類内に存在することを示すように形成することができる。衣類は、内側表面と外側表面とを有する外カバーを含むシャーシを含むことができる。シャーシは、前領域と後領域との間に位置する股部領域を含むことができる。衣類は、少なくとも1つの第一端子及び少なくとも1つの第二端子を含む信号表示装置を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
オムツ、訓練用パンツ、失禁用製品、女性用衛生製品、水着用下着、及び同様のものなどの吸収性物品は、通常は、液体透過性身体側ライナー、液体不透過性外カバー、及び吸収性芯を含む。吸収性芯は、典型的には、使用者から排出された液体(例えば尿)を取り入れて保持するために、外カバーとライナーとの間に位置する。
【0002】
吸収性芯は、例えば、超吸収性粒状物で形成することができる。多くの吸収性粒状物、特に超吸収性粒状物は、効率的に液体を吸収するので、身体流体が吸収性物品に放出されたかどうかを知らせることが困難な場合がある。
【0003】
したがって、様々な型の湿分又は湿潤性指示器が、吸収性物品に使用するために提案されてきた。湿潤性指示器は、放出された時に、親又は介護人が、湿潤したオムツ状態を認識することを助けるように設計された警報装置を含むことができる。該装置は、可視信号又は可聴信号のいずれかを発する。
【0004】
幾つかの実施形態においては、例えば、安価な導電性糸又は箔が、吸収性物品内に配置されてきた。導電性材料は、信号表示装置のための導電性リードとして機能し、尿などの身体流体が回路を閉じる時に、閉じることができる開放回路を物品内に形成する。これらの実施形態においては、吸収性物品は使い棄てとすることができるが、信号表示装置は使い棄てではない。このように、信号表示装置は、物品から取り外し、次の物品に再取り付けするように意図されている。
【0005】
しかしながら、導電性リードに信号表示装置を確実に取り付けることが可能で、かつ吸収性物品の費用をそれほど増加させないような、信号表示装置のための取り付け機構を設計する、という問題に遭遇している。更に、高速での製造工程中に、吸収性物品に組み込むことができる取り付け機構の設計という問題が経験されている。
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,798,603号公報
【特許文献2】米国特許第5,176,672号公報
【特許文献3】米国特許第5,509,915号公報
【特許文献4】米国特許第5,993,433号公報
【特許文献5】米国特許第6,248,097号公報
【特許文献6】PCT特許出願WO00/37009
【特許文献7】米国特許第4,940,464号公報
【特許文献8】米国特許第5,766,389号公報
【特許文献9】米国特許第6,645,190号公報
【特許文献10】米国特許第4,704,116号公報
【特許文献11】米国特許第5,486,166号公報
【特許文献12】米国特許第5,490,846号公報
【特許文献13】米国特許第5,820,973号公報
【特許文献14】米国特許第6,417,455号公報
【特許文献15】米国特許第4,100,324号公報
【特許文献16】米国特許第5,284,703号公報
【特許文献17】米国特許第5,350,624号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般的には、本開示は、使いやすい信号表示装置を備えた衣類に向けられる。例えば、信号表示装置は、身体流体が吸収性物品内に存在することを、使用者に指示するように形成することができる。例えば、一実施形態においては、衣類は、内側表面と外側表面とを有する外カバーを含むシャーシを含む。シャーシは、前領域と後領域との間に位置する股部領域を含む。前領域と後領域は、合わさって腰部領域を定める。衣類は、シャーシに収められる第一及び第二導電性要素を含む。導電性要素は、少なくとも腰部領域内に配置される。第一及び第二導電性要素は、回路の部分を形成する。衣類は又、少なくとも1つの第一端子及び少なくとも1つの第二端子を含む信号表示装置を含む。第一及び第二端子は、第一及び第二導電性要素に作動的に接続するようにされる。更に第一及び第二端子は、外カバー内の少なくとも1つのオリフィスを通して、第一及び第二導電性要素と作動的に接続する。
【0008】
別の実施形態においては、衣類は、内側表面と外側表面とを有する外カバーを含むシャーシを含む。シャーシは、前領域と後領域との間に位置する股部領域を含む。前領域と後領域は、合わさって腰部領域を定める。衣類は、シャーシに収められる第一及び第二導電性要素を含む。導電性要素は、少なくとも腰部領域内に配置される。第一及び第二導電性要素は、回路の部分を形成する。衣類は、少なくとも1つの第一端子と少なくとも1つの第二端子とを含む信号表示装置を含む。第一及び第二端子は、第一及び第二導電性要素に作動的に接続するようにされる。更に、第一及び第二端子は、外カバー内の少なくとも1つのオリフィスを通して、第一及び第二導電性要素に作動的に接続する。更に、第一端子は、端子頂部及び端子軸部から成る。端子頂部は、端子頂部幅を有する。端子軸部は、端子軸部幅を有する。端子頂部幅は、端子軸部幅より大きいものとする。
【0009】
本発明の前述した及び他の特性及び態様、及びそれらを得る方法、並びに本発明自体は、以下の説明、添付した特許請求の範囲及び添付図面を参照することにより、一層明らかとなり、より理解されるであろう。
【0010】
本明細書及び図面の繰り返し使用されている参照番号は、本発明における同一の又は類似した特性又は要素を表わすものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この開示は、例示的実施形態のみの説明であり、本発明の広い態様を制限するものではないことを、当業者は理解すべきである。
【0012】
本開示は、一般的には、吸収性物品内の身体流体の存在、又は製品又は着用者の状態における他の変化を示すことができるように形成された信号表示装置に取り付けられるようにされる吸収性物品に向けられる。吸収性物品は、例えば、オムツ、訓練用パンツ、失禁用製品、女性用衛生製品、医療用衣類、包帯、及び同様のものとすることができる。吸収性物品は、身体流体などの導電性流体が1対の導電性リードの間に存在する場合に閉じられる、開放回路を含むことができる。代替的には、吸収性物品は、身体流体などの流体が存在する場合に開かれる、閉回路を含むことができる。一般的には、回路を収容する吸収性物品は、再使用のために洗濯又は貯蔵されるのではなく、制限された使用の後廃棄されるという意味の使い棄てである。
【0013】
本開示の吸収性物品内に収容される回路は、信号表示装置に取り付けられるように形成される。信号表示装置は、回路に電力を供給することができ、更に、使用者に身体流体の存在を示す、幾つかの型の可聴信号、可視信号及び/又は電磁信号を含むことができる。吸収性物品自体は使い棄てであるが、信号表示装置は、物品から物品へと再使用することができる。これに関して、本開示は特に、吸収性物品内の回路と信号表示装置との間を容易に接続することが可能な、異なる型の取り付け機構に向けられる。
【0014】
上記したように、信号表示装置と組み合わせた回路は、吸収性物品内に収容される身体流体の存在を示すように形成することができる。特に目標とされる身体流体は、特定の型の吸収性物品及び望まれる用途に応じて異なるものとすることができる。例えば、一実施形態においては、吸収性物品は、オムツ、訓練用パンツ、又は同様のものを含み、信号表示装置は、尿の存在を示すように形成される。代替的には、信号表示装置は、オムツかぶれの存在を示す代謝産物の存在を示すように形成することができる。一方、大人用失禁用製品及び女性用衛生製品の場合には、信号表示装置は、尿又は月経内における多糖類などの酵母菌又は特定の成分の存在を示すように形成することができる。
【0015】
図1及び2を参照すると、例示的目的で吸収性物品20が示されている。吸収性物品20は、使い棄てとすることができ、又は使い棄てではないものとすることこともできる。本発明は、本発明の範囲から外れることなく、これらに限定するものではないが、オムツ、訓練用パンツ、水泳用パンツ、女性用衛生製品、失禁用製品、医療用衣類、外科用パッド及び包帯、他の個人ケアー用又は健康ケアー用衣類、及び同様のものを含む、個人で着用することを意図する様々な他の吸収性物品で使用するのに適していることが理解される。
【0016】
説明のためだけに挙げると、本発明の様々な態様のオムツ20などの、吸収性物品を形成するための様々な材料及び方法が、1989年1月17日付けのMeyer他の米国特許第4,798,603号、1993年1月5日付けのBruemmer他の米国特許第5,176,672号、1996年4月23日付けのHanson他の米国特許第5,509,915号、1999年11月30日付けのSt.Louis他の米国特許第5,993,433号、2001年6月19日付けのBeitz他の米国特許第6,248,097号、2000年6月29日付けのA.Fletcher他のPCT特許出願WO00/37009、1990年7月10日付けのVan Gompel他の米国特許第4,940,464号、1998年6月16日付けのBrandon他の米国特許題5,766,389号、2003年11月11日付けのOlson他の米国特許題6,645,190号に記載されており、一貫性のある範囲で(すなわち矛盾することのない範囲で)引用によりここに組み入れられる。
【0017】
オムツ20が、部分的に締結された状態で、図1に代表的に示されている。図1及び2に示されたオムツ20は、開いて折り畳まれない状態で図3及び4に示されている。具体的に述べると、図3は、オムツ20の外側を示す平面図であり、図4は、オムツ20の内側を示している。図3及び4に示されているように、オムツ20は、着用された時に、物品の前部から物品の後部に延びる縦方向48を定める。縦方向48に対向するのが、横方向49である。
【0018】
オムツ20は、ここでは前領域22及び後領域24と示されている1対の縦方向端部領域、及び前領域22と後領域24との間を縦方向に延び、かつ相互結合されていて、ここでは股部領域26と示されている中央領域を定める。オムツ20は、使用中に、着用者に向いて配置されるようにする内側表面28と、該内側表面の反対側の外側表面30を定める(例えば、物品20とは別の部品に対して位置決めされる)。前領域22及び後領域24は、着用された時、着用者の腰部又は低胴部を全体的に又は部分的に覆うか或いは囲むオムツ20の部分である。股部領域26は、一般的には、着用された時、着用者の脚部の間に位置するオムツ20の部分であり、着用者の低胴部及び股部を覆う。吸収性物品20は、1対の横方向両側の側部縁36と1対の縦方向両側の腰部縁とを有し、それぞれが前腰部縁38及び後腰部縁39で示される。
【0019】
示されたオムツ20は、この実施形態においては、前領域22、後領域24及び股部領域26を囲むシャーシ32を含む。図1−4を参照すると、シャーシ32は、外カバー40、及び接着剤、超音波接着、熱接着、又は他の従来の技術によって、重なる関係で外カバー40に接合することができる身体側ライナー42(図1及び4)を含む。図4を参照すると、ライナー42は、適当なものとしてはシャーシ32の周辺に沿って外カバー40と接合して、前腰部シーム62及び後腰部シーム64を形成することができる。図4に示されているように、ライナー42は、適当なものとしては、外カバー40に接合して、前領域22及び後領域24に1対の側部シーム61を形成することができる。ライナー42は全体的に、吸収性物品の着用中に、物品20の他の部品に対して、着用者の皮膚に向くように配置されるようにさせる、すなわち位置決めすることができる。シャーシ32は、特定的に図4に示されているように、着用者により排出された液体身体排出物を吸収するために、外カバー40と身体側ライナー42との間に配置された吸収性構造44を更に含み、かつ身体排出物の横方向流出を妨げるために、身体側ライナー42に取り付けられた1対の収容フラップ46を含むことができる。
【0020】
図4に示された弾性収容フラップ46は、オムツ20の少なくとも股部領域26において、直立した形態を呈する、部分的に取り付けられていない縁部を定め、着用者の身体に対してシールを形成する。収容フラップ46は、シャーシ32の長さ全体にわたって縦方向に延びることができるか、又はシャーシの長さに沿って部分的にのみ延びることができる。収容フラップ46に対する適当な形態及び配列は、全体的に当業者によく知られており、1987年11月3日付けのEnloeの米国特許第4,704,116号に記載されており、引用によりここに組み入れられる。更に身体排出物の収容及び/又は吸収を促進するために、オムツ20は、適当なものとしては、当業者に知られているように、脚部弾性部材58(図4)を含むことができる。脚部弾性部材58は、外カバー40及び/又は身体側ライナー42に作動的に接合することができ、吸収性物品20の股部領域26内に位置決めされる。
【0021】
脚部弾性部材58は、あらゆる適当な弾性部材で形成することができる。当業者によく知られているように、適当な弾性材料は、天然ゴムのシート、ストランド又はリボン、合成ゴム、又は熱可塑性エラストマー性ポリマーを含む。弾性材料は、延伸されて基体に粘着されるか、ギャザー寄せされた基体に粘着されるか、又は基体に粘着した後、例えば熱の付与などで弾性化又は収縮されて、弾性収縮力を基体に与えることができる。例えば、1つの特定の態様においては、脚部弾性部材58は、米国デラウエア州ウイルミントンのInvistaから入手可能なLYCRAという商標名で販売されている、複数のドライスピニング法により得られた、撚り合わされたマルチフィラメントスパンデックスエラストマー性糸を含むことができる。
【0022】
幾つかの実施形態においては、吸収性物品20は、サージ処理層(図示されず)を含むことができ、任意ではあるが、吸収性構造体44の近傍に位置し、接着剤を使用するなどの当業者に知られている方法によって、吸収性構造体44又は身体側ライナー42などの物品20の様々な部品に取り付けることができる。サージ処理層は、液体のサージ又は放出を減速及び放散させて、物品の吸収性構造内に急速に導くことができる。サージ処理層は、液体を急速に受け入れて、該液体を吸収性構造体の貯蔵部分又は保持部分に放出する前に、一時的に保持することができることが望ましい。適当なサージ処理層の例は、米国特許第5,486,166号、及び第5,490,846号に記載されている。他の適当なサージ処理材料は、米国特許第5,820,973号に記載されている。これらの特許の開示全体は、一貫性のある範囲で(矛盾することのない範囲で)引用によりここに組み入れられる。
【0023】
図1−4に示されているように、吸収性物品20は、1対の両側の弾性側部パネル34を含み、シャーシ32の後領域に取り付けられる。特に図1及び2に示されているように、側部パネル34は、衣類を所定の位置に固定するために、着用者の腰部及び/又は臀部周囲に延伸することができる。図3及び4に示されているように、弾性側部パネルは、1対の両側の縦方向縁部37に沿って、シャーシに取り付けられる。側部パネル34は、あらゆる適当な接着技術を使用して、シャーシ32に取り付け又は接着することができる。例えば、側部パネル34は、接着剤、超音波接着、熱接着、又は他の従来の技術によって、シャーシに接合することができる。
【0024】
代替的実施形態においては、弾性側部パネルは、シャーシ32と一体に形成することができる。例えば、側部パネル34は、身体側ライナー42の延長部、外カバー40の延長部、又は身体側ライナー42と外カバー40両方の延長部を含むことができる。
【0025】
図面に示した実施形態においては、側部パネル34は、吸収性物品20の後領域に結合され、使用者の所定の位置に物品が固定された状態では、物品の前領域を越えて延びる。しかしながら、側部パネル34は、代替的には、物品20の前領域に結合されて、物品が着用された時、後領域を越えて延びることを理解するべきである。
【0026】
図1及び2に部分的に示されているような締結状態の吸収性物品20では、弾性側部パネル34は、締結システム80によって結合することができ、腰部開口50及び1対の脚部開口52を有する3次元オムツ形態を定める。物品20の腰部開口50は、着用者の腰部を囲む腰部縁38及び39により定められる。
【0027】
図面に示された実施形態においては、側部パネルは、締結システムにより、物品20の前領域22に取り外し可能に取り付けられる。しかしながら、他の実施形態においては、側部パネルは、各々の端部でシャーシ32に永久的に接合することができることを理解するべきである。側部パネルは、例えば、訓練用パンツ又は吸収性水着を形成する場合には、互いに永久的に接着することができる。
【0028】
弾性側部パネル34の各々は、縦方向外側縁68、オムツ20の縦方向中央に向かって位置する脚部端部縁70、及び吸収性物品の縦方向端部に向かって位置する腰部端部縁72を有する。吸収性物品20の脚部端部縁70は、適当なものとしては、横方向49に対して湾曲及び/又は傾斜をもつものとすることができ、着用者の脚部周囲に、良好な適合状態を形成する。しかしながら、本発明の範囲から外れることなく、脚部端部縁70の1つだけが、後領域24の脚部端部縁のように湾曲又は傾斜することができるか、又は代替的にはどの脚部端部縁も湾曲又は傾斜しないようにできることが理解される。図4に示されるように、外側縁68は、縦方向48にほぼ平行であるが、腰部端部縁72は、横方向軸49にほぼ平行である。しかしながら他の実施形態においては、外側縁68及び/又は腰部縁72は、望まれるように傾斜又は湾曲することができることを理解するべきである。最終的には、側部パネル34は、シャーシの腰部領域90にほぼ整列する。
【0029】
締結システム80は、第二締結部品84に対応する再締結可能な係合に適した、横方向両側の第一締結部品82を含むことができる。図面に示された実施形態においては、第一締結部品82は、弾性側部パネル34上に位置するが、第二締結部品84は、シャーシ32の前領域22上に位置する。一態様においては、締結部品82、84の各々の前又は外側表面は、複数の係合要素を含む。第一締結部品82の係合要素は、3次元形態で取り外し可能に物品20を固定するために、第二締結部品84の対応する係合要素を繰り返して係合及び取り外しさせる。
【0030】
締結部品82、84は、接着剤締結具、粘着材締結具、機械締結具、又は同様のものなどの、吸収性物品に対して適当なあらゆる再締結可能な締結具とすることができる。特定の態様においては、締結部品は、性能を改善するための機械的締結要素を含む。適当な機械的締結要素は、フック、ループ、バルブ、マッシュルーム型、矢じり型、ステム上のボール、雄・雌結合部品、バックル、スナップ、又は同様のものなどの、相互係合する幾何学的形状の材料により形成することができる。
【0031】
示された態様においては、第一締結部品82はフック締結具を含み、第二締結部品84は相補的ループ締結具を含む。代替的には、第一締結部品82はループ締結具を含むことができ、第二締結部品84は相補的フック締結具とすることができる。別の態様においては、締結部品82、84は、同様の表面締結具、又は接着剤締結具及び接着剤受容可能なランディング領域又は材料、又は同様のものなどの、接着剤及び粘着剤締結要素と相互係合することができる。フック・ループ型の形状、密度及びポリマー組成物は、締結部品82、84間に望ましいレベルの係合を得られるように選択することができることを当業者は理解するものである。適当な締結システムは、前に組み込まれた2000年6月29日付けのPCT特許出願WO00/37009及び前に組み込まれた2003年11月11日付けのOlson他の米国特許第6,645,190号に記載されている。
【0032】
図面に示された実施形態においては、締結部品82は、縁部68に沿って、側部パネル34に取り付けられる。この実施形態においては、締結部品82は、弾性でもなく、延伸可能でもない。しかしながら他の実施形態においては、締結部品は、側部パネル34と一体とすることができる。例えば、締結部品は、その表面上の側部パネル34に直接取り付けることができる。
【0033】
弾性側部パネルを有する可能性に加えて、吸収性物品20は、腰部開口周囲に弾性を付与するための様々な腰部弾性部材を含むことができる。例えば、図面に示しているように、吸収性物品20は、前腰部弾性部材54及び/又は後腰部弾性部材56を含むことができる。
【0034】
上記したように、本開示は、湿潤指示システムなどの身体流体指示システムを吸収性物品20内に組み込むことに特に向けられる。これに関して、図1−4に示されるように、吸収性物品20は、第二導電性要素102から間隔を持った位置に第一導電性要素100を含む。この実施形態においては、導電性要素は、交差せずに吸収性物品の前領域22から後ろ領域24まで延びる。導電性要素100及び102は、例えば、Electroscience Laboratories,Inc.からの112−S銀製金属導電性ペースト(インク)及び2002年7月9日付けのZein他の米国特許第6,417,455号に記載された導電性ホイルを含む、導電性糸及び導電性箔などの、あらゆる適当な導電性材料を含むことができる。第一導電性要素100は、例えば、導電性流体が導電性要素の間に位置する場合に、閉じることができる開放回路を形成するために、第二導電性要素102と交差することはできない。しかしながら他の実施形態においては、第一導電性要素100及び第二導電性要素102は、シャーシ内のセンサーと接続することができる。センサーは、温度変化を感じることができるか、又は代謝産物などの特定の物質の存在を感じるように使用することができる。
【0035】
図1に示された実施形態においては、導電性要素100及び102は、吸収性物品20の長さ全体に延びる。しかしながら、他の実施形態においては、導電性要素は、股部領域26だけに延びることもでき、或いは身体流体を感知させようとする吸収性物品内のあらゆる特定の位置まで延びることができることを理解するべきである。
【0036】
導電性要素100及び102は、導電性要素が、吸収性物品20により吸収される身体流体と接触するように位置される限り、あらゆる適当な位置でシャーシ32に組み込むことができる。これに関して、導電性要素100及び102は、一般的には、外カバー40の内側に存在する。事実、一実施形態においては、導電性要素100及び102は、吸収性構造体44に面する外カバー40の内側表面に取り付けるか又は積層することができる。しかしながら、代替的には、導電性要素100及び102は、吸収性構造体44上に位置決めするか、又はライナー42上に位置決めすることができる。
【0037】
導電性要素100及び102は、直接的接触又は間接的接触のいずれかで、直接信号表示装置に接続することができる。第一導電性要素100は、第一導電性パッド部材104に取り付けることができるが、第二導電性要素102は、第二導電性パッド部材106に接続することができる。パッド部材104及び106は、導電性要素により形成される開放回路を、消費者又は製造者によりシャーシ上に取り付けるように意図される信号表示装置に確実に接続するために形成することができる。パッド部材104及び106は、信号表示装置及び導電性リード又は要素を取り付けるために、目標領域を形成することができる。
【0038】
導電性パッド部材104及び106は、導電性要素100及び102に対して、比較的大きい表面積を有するものとすることができる。例えば、導電性パッド部材104及び106は、少なくとも1cm2、少なくとも2cm2、更に一実施形態においては、少なくとも3cm2の表面積を有するようにすることができる。例えば、一実施形態においては、各々のパッド部材の表面積は、約2cm2から約4cm2とすることができる。
【0039】
吸収性物品20上の導電性パッド部材104及び106の位置は、信号表示装置をどこに取り付けたいかに応じて変化することができる。例えば、図1、3及び4においては、導電性パッド部材104及び106は、物品の腰部開口に沿った前領域22に位置決めされる。一方図2においては、導電性部材104及び106は、物品の腰部開口に沿った後領域24に位置決めされる。しかしながら他の実施形態においては、吸収性物品20は、各々の導電性要素100及び102の各々の端部に位置決めされる導電性パッド部材を含むことができることを認識するべきである。更に他の実施形態においては、パッド部材は、物品の側部に沿って、又は物品の股部領域に向かって配置することができる。
【0040】
シャーシ32の多層内の導電性パッド部材104及び106の位置は、信号表示装置を接続しようとする場所、及び信号表示装置と接続させるために使用される取り付け機構の型に応じて変化することができる。上記したように、パッド部材104及び106は、導電性要素100及び102と電気接続される。したがって、一実施形態においては、パッド部材104及び106は、外カバー40の少なくとも1つの層で、下側(身体側の方に)に位置決めされる。材料の少なくとも1つの層の下側にパッド部材104及び106を位置決めすることは、幾つかの実施形態において様々な利点を提供することができる。例えば、シャーシ32内の材料の少なくとも1つの層で、下側にパッド部材104及び106に配置すると、移送及び貯蔵中にパッド部材を保護し、更に特にパッド部材が互いに近接して配置される場合に、使用中に短い回路を形成することから保護する。材料の少なくとも1つの層の下にパッド部材を配置することの別の利点は、高速機械速度で吸収性物品20を製造しやすくする可能性があることである。
【0041】
しかしながら他の実施形態においては、導電性パッド部材104及び106は、シャーシ32の外側表面で位置決めすることができることを理解するべきである。例えば、パッド部材104及び106は、外側表面上又は内側表面上の望まれる部分に位置決めすることができる。
【0042】
例示的目的のために図5を参照すると、導電性パッド部材104及び106に取り付けられた信号表示装置110(参照番号112及び114で示されている)が示されている。示されているようにこの実施形態においては、信号表示装置全体110は、一般的には送信機112及び受信機114を含む。送信機112は、1対の両側の端子を含み、対応する導電性要素に電気接続される。身体流体が吸収性物品20に存在する場合は、導電性要素100及び102により形成された開放回路が閉じられ、反対に信号表示装置110が作動する。特にこの実施形態においては、送信機112は、受信機114に無線信号を送り、使用者に、身体流体が吸収性物品に存在することを示す。
【0043】
信号表示装置110は、回路が閉じられたことを使用者に示すために、可聴信号又は可視信号を発することができる。例えば、可聴信号は、おそらく音曲を発するだけの1又はそれ以上の発信音のような単一のものとすることができる。同様に、信号表示装置110が可視信号である場合は、可視信号は、幾つかの光又は相互作用による表示を含むことができる。更に別の実施形態においては、信号表示装置110の受信機114は、吸収性物品内の回路が閉じられた時、振動するように形成することができる。
【0044】
導電性パッド部材又は導電性要素と、信号表示装置及び各々の実施形態に対するパッド部材の特定の構造体との間の取り付け機構が、図7−13に関して詳細に述べられる。信号表示装置110は、多くの異なる方法でシャーシ32に接続することができる。吸収性物品20は、信号表示装置110を吸収性シャーシ32に接続するようにさせる信号表示装置受け部140を含むことができる。信号表示装置110は、接着剤、粘着剤、磁石、フック・ループ型、クリップ、又はスナップを利用して、シャーシに接続することができる。代替的には、信号表示装置110は、該信号表示装置を所定の位置に維持する信号表示装置周囲を囲むポケット又は利用する弾性部分に、信号表示装置110の全体又は部分を捕捉することにより、シャーシ140に接続することができる。
【0045】
信号表示装置110は、外カバー40内のオリフィス122を通して、物品20に接続するように構成することができる。信号表示装置110、シャーシ32、及び受け部140(利用する場合は)の設計は、第一及び第二端子116、118が、1、2、又はそれ以上のオリフィス122を通して、第一及び第二導電性要素100、102に作動的に接続するように設計することができる。信号表示装置110とシャーシ32との間のこの両立性は、端子116、118と導電性要素100、102との間の簡単で、あまり複雑ではなく、高い質を有する接続を可能とさせる。この特性は、高い嵩を有するか又はかなり布様のものとすることができる外カバー40を利用する場合に、非常に有効とすることができる。
【0046】
図7に示されているように、第一導電性要素100は受け部140の左部分に位置し、第二導電性要素102は受け部140の右部分に位置する。更に図7に示されているように、信号表示装置110は、第一端子116及び第二端子118を含む。
【0047】
信号表示装置110の第一端子116は、外カバー40内の少なくとも1つのオリフィス122を通して、第一又は第二導電性要素100、102に接続する。更に、第二端子118は、外カバー40内の少なくとも1つのオリフィス122を通して、第一又は第二導電性要素100、102に接続する。図7に示されているように、第一及び第二端子116、118は、外側の単一オリフィス122を通して、第一及び第二導電性要素100、102に接続することができる。代替的には、図8に示されているように、第一端子116は、第一オリフィス122’を通して、第一又は第二導電性要素100、102に接続することができ、第二端子118は、第二オリフィス122”を通して、第一又は第二導電性要素100、102に接続することができる。
【0048】
オリフィス122は、該オリフィス122を完全に囲むオリフィス周辺部124により定めることができる。オリフィス周辺部124は、オリフィス面積を定めることができ、オリフィス周辺部124により囲まれた外カバー40の平面上の開口面積である。オリフィス面積は、シャーシ32及び信号表示装置110の特定の設計に応じて、あらゆる大きさとすることができる。オリフィス面積は、第一又は第二端子116、118の面積より、小さいか、大きいか、又は同じ大きさとすることができる。オリフィス面積は、第一及び第二端子116、118の面積の組み合わせより大きいものとすることができる。更に、オリフィス面積は、信号表示装置110の面積より大きいか又は同じ大きさとすることができる。
【0049】
オリフィス122、122’、122”は、シャーシ32及び信号表示装置110の特定の設計に応じて、あらゆる形状を有することができる。図7に示されたように、オリフィス122は、長方形の形状を有することができる。図9に示されているように、オリフィス122’、122”は、円形の形状とすることができる。
【0050】
オリフィス周辺部124は、図7Aに示されているように、外カバー40の縁部により形成することができる。代替的には、図10に示されているように、オリフィス周辺部124は、例えば、管形成を外カバー40の縁部に付加した第二材料により形成することができる。オリフィス周辺部124は、折り畳まれるか又は巻き返された外カバー40の一部により形成することができる。
【0051】
オリフィス周辺部124は、シャーシ32を信号表示装置110に接続するようにさせた取り付け機構を含むことができる。これらの取り付け機構は、接着剤締結具、粘着材締結具、機械的締結具、又は同様のものを含むことができる。締結用部品は、フック、ループ、バルブ、マッシュルーム型、矢じり型、ステム上のボール、雄・雌嵌合部品、バックル、スナップ、又は同様のものを含む、機械的締結要素を含むことができる。
【0052】
オリフィス周辺部124は、延伸可能とすることができる。代替的には、オリフィス周辺部124は、弾性的に延伸可能とすることができる。オリフィス周辺部124の延伸性は、外カバー40の延伸性から形成することができる。代替的には、オリフィス周辺部124の延伸性は、外カバー40の縁部に付加した第二材料、例えば弾性管形成材料から形成することができる。
【0053】
図11及び12は、衣類及び信号表示装置110の側面図である。示しているように、信号表示装置は、端子頂部126及び端子軸部128を含む端子116を含んでいる。端子軸部128は、信号表示装置110の本体から外側に延びる。端子頂部126は、端子軸部128の末端に、信号表示装置110の本体から離れている位置する。端子頂部126は、端子頂部幅130を有する。端子軸部128は、端子軸部幅132を有する。端子頂部幅130は、端子軸部幅132より大きいものとすることができる。端子頂部幅130は、端子軸部幅132の3倍より大きいものとすることができる。代替的には、端子頂部幅130は、端子軸部幅132の2倍より大きいものとすることができるか、又は端子軸部幅132の1.25倍より大きいものとすることができる。更に、オリフィス122は、端子軸部幅132と端子頂部幅130に平行に測定したオリフィス幅134を有する。オリフィス幅134は、端子頂部幅130より小さいものとすることができる。オリフィス幅134は、端子軸部幅132より大きいものとすることができるか、又は代替的には、端子軸部幅132と同じか、又はこれより小さいものとすることができる。
【0054】
図11及び12に示されている形態は、衣類に、一層容易で、かつすばやい信号表示装置110の取り付けを提供することができる。更に、端子頂部126は、ボタンホールのボタンのように保持されるので、信号表示装置110を衣類に取り付けるために、何の付加的取り付け機構も必要ではない。端子軸部128は、ポール上部のボールのように、信号表示装置110に隆起させた状態で取り付けることができる。
【0055】
端子軸部128は、端子頂部126が、取り付け及び取り外しのために信号表示装置110から離れて移動したり、使用中に信号表示装置110に向かって移動することができるように、信号表示装置110に取り付けることができる。端子軸部128及び端子頂部126は、隆起部を持った材料から形成することができる。代替的には、端子軸部128又は端子頂部126は、シャーシ32及び信号表示装置110の特定の設計に応じて、しなやかな材料から形成することができる。
【0056】
図13は、開口縁部166を有するポケットを形成する信号表示装置受け部140を示している。信号表示装置は、開口縁部166を通って受け部140に入るようにすることができる。ポケットを形成する受け部140は、単一の材料片から形成され、折り畳まれてポケットを形成することができる。代替的には、ポケットを形成する受け部140は、2つ又はそれ以上の材料片から形成され、互いに接合されてポケットを形成することができる。受け部140の開口縁部166は、受け部140に信号表示装置110を維持することが可能なように弾性とすることができる。開口縁部166は、腰部弾性部材部品54又は56により弾性とすることができる。代替的には、開口縁部166は、ポケットを形成する材料の1つにより弾性とすることができる。開口縁部166は幅168を有し、ポケットは、開口縁部と平行に最大幅170を有することができる。延伸する前の開口縁部幅168は、最大幅170より小さいものとし、代替的には延伸前の開口縁部幅168は、最大幅170の90%より小さい、又は75%より小さいものとすることができる。この最大幅170は、特定の信号表示装置により求めることができ、信号表示装置より僅かに小さいか、又は僅かに大きいものとする。この特性は、使用中に、信号表示装置110をポケットに押し込むように機能することができ、これにより信号表示装置110が落ちて、作動しなくなる機会を減少させる。
【0057】
図6を参照すると、本発明により形成された吸収性物品20の更に別の実施形態が示されている。図6に示された実施形態においては、第一導電性要素100及び第二導電性要素102に加えて、吸収性物品は、第三導電性要素150及び第四導電性要素160を含む。示されているように、第一導電性要素100は、吸収性物品の長さ全体に延びる。しかしながら、第二導電性要素102は、主にシャーシの前領域内に位置する。第三導電性要素150は、前領域を通過して、主にシャーシの股部領域に位置する。
【0058】
最後に、第四導電性要素160は、前領域及び股部領域を通って延び、主にシャーシの後領域に位置する。
【0059】
導電性要素100及び102と同様に、第三導電性要素150は、第三導電性パッド部材152と接続することができ、第四導電性要素160は、第四導電性パッド部材162と接続することができる。
【0060】
図6に示された実施形態においては、付加的導電性要素は、身体流体の存在を示すだけでなく、身体流体の位置を示すために使用される。例えば、身体流体が前領域に位置する場合は、第一導電性要素100と第二導電性要素102との間の回路が閉じられる。一方、身体流体が股部領域に収容されている場合は、第三導電性要素150と第一導電性要素100との間に形成された回路が閉じられる。同様の形態において、身体流体が後領域に位置する場合は、第四導電性要素160と第一導電性要素100との間の回路が閉じられる。
【0061】
図6に示された実施形態は、4つの導電性パッド部材の各々に対して、4つの対応する端子を含む信号表示装置と組み合わせて配置されるように意図されている。信号表示装置は、身体流体が存在する時を示すだけでなく、回路が閉じられて身体流体の単に存在だけでなく、身体流体の位置を示すように形成することができる。
【0062】
信号表示装置受け部140を囲む吸収性物品20を形成するために使用される残りの材料は、特定の用途及び形成される特定の製品に応じて変えることができる。
【0063】
例えば、外カバー40は、通気性とすることができ、及び/又は液体不透過性とすることができる。外カバー40は、単一層、多層、積層体、スパンボンド布、フィルム、メルトブローン布、弾性網目、マイクロポーラスウエブ、ボンデッドカーデッドウエブ、又はエラストマー性或いはポリマー性材料により形成された発泡体で構成することができる。例えば、外カバー40は、液体不透過性材料の単一層とすることができるか、又は代替的には、少なくとも1つの層が液体不透過性である多層積層体構造とすることができる。しかしながら他の実施形態においては、外カバーは、液体透過性とすることができることを理解するべきである。この実施形態においては、例えば、吸収性物品は、内部液体バリア層を含むことができる。
【0064】
例えば、外カバー40は、液体透過性外側層及び液体不透過性内側層を含むことができ、適当なものとしては、互いが積層体接着剤、超音波接着、熱接着又は同様のものなどにより接合される。ビーズ、スプレー、平行渦巻き、又は同様のものとして、連続して又は断続的に付与することができる適当な積層体接着剤は、米国ウイスコンシン州ウオーワトサのBostik Findley Adhesives,Inc.から、又は米国ニュージャージー州ブリッジウオーターのNational Starch and Chemical Companyから得ることができる。液体透過性外側層は、あらゆる適当な材料とすることができ、全体的に布のような手触りを与えるものが望ましい。このような材料の一例としては、20gsm(グラム/平方メートル)のスパンボンドポリプロピレン不織ウエブがある。外側層は、液体透過性身体側ライナー42が形成されるような材料で形成することができる。
【0065】
外カバー40の内側層は、液体と蒸気の両方に不透過性であるか、又は液体不透過性でかつ蒸気透過性とすることができる。内側層は、薄い可塑性フィルムから形成することができるが、他の可撓性液体不透過性材料も使用することができる。内側層、又は単一層の場合の液体不透過性外カバー40は、ベッド用シーツ及び布などの物品、並びに着用者及び介護人が、廃棄物質で湿潤しないようにさせる。液体不透過性内側層、又は単一層の液体不透過性外カバー40として使用するために適当な液体不透過性フィルムは、米国イリノイ州シャウムバーグのPliant Corporationから商業的に入手可能な0.02ミリメートルのポリエチレンフィルムである。
【0066】
身体側ライナー42は、しなやかで、柔軟な感触、及び着用者の皮膚に刺激を与えないものが適当である。身体側ライナー42は、その厚さを通って、液体身体排出物が吸収性構造体44にまで容易に挿通することを可能とさせるのに、十分液体透過性である。適当な身体側ライナー42は、多孔性発泡体、網目状発泡体、孔あき可塑性フィルム、織成ウエブ及び不織ウエブ、又はあらゆるこれらの材料の組み合わせなどのウエブ材料から広く選択して形成することができる。例えば、身体側ライナー42は、メルトブローンウエブ、スパンボンドウエブ、又は天然繊維、合成繊維又はこれらの組み合わせから成るボンデッドカーデッドウエブを含むことができる。身体側ライナー42は、実質的には疎水性材料で形成することができ、更に疎水性材料は、任意ではあるが、望ましい程度の湿潤性及び親水性を与えるために、表面活性剤で処理されるか、又はその他の方法で加工することができる。
【0067】
吸収性構造体44は、外カバー40と身体側ライナー42との間に位置することができる。吸収性構造体44は、全体的に圧縮性、順応性があり、着用者の皮膚に刺激がなく、液体及びある種の身体排出物を吸収及び保持することが可能な、あらゆる構造又は成分の組み合わせとすることができる。例えば、吸収性構造体44は、セルロース系繊維(例えば、木質パルプ繊維)の吸収性ウエブ材料、他の天然繊維、合成繊維、織成又は不織シート、粗く織ったネット又は他の安定構造体、超吸収性材料、結合材材料、表面活性剤、選択した疎水性材料、顔料、ローション、臭気調整剤又は同様のもの、並びにこれらの組み合わせを含むことができる。特定の態様においては、吸収性ウエブ材料は、セルロース系フラフのマトリックス及び超吸収性ヒドロゲル形成粒状物である。セルロース系フラフは、木質パルプフラフの混合物を含むことができる。フラフの1つの好ましい型は、米国サウスカロライナ州グリーンヴィルのBowaterから入手可能な、登録商標CR1654と認識されており、これは主に南方軟材木質繊維を含む、漂白された、高度に吸収性のある硫酸塩木質パルプである。吸収性材料は、様々な従来の方法及び技術を使用して、ウエブ構造に形成することができる。例えば、吸収性ウエブは、乾燥時形成技術、空気形成技術、湿潤時形成技術、発泡体形成技術、又は同様のもの、並びにこれらの組み合わせで形成することができる。このような技術を実行するための方法及び装置は、当業者によく知られている。更に、吸収性構造体は、Z方向に多層を含むことができる。このような多層は、低容量の吸収性材料層をライナー42の近くに配置し、高容量の吸収性材料を外カバー層40の近くに配置することにより、吸収容量の違いを利用することができる。同様に、吸収体単一層構造の個々の部分は、高容量の吸収体を含み、構造体の他の個々の部分は、低容量の吸収体を含むことができる。
【0068】
一般的に、超吸収性材料は、ウエブの総重量に対して、約0から約90重量パーセントの量で、吸収性ウエブ内に存在する。ウエブは、約0.10から約0.60グラム/立方センチメートルの範囲内の密度を有することができる。
【0069】
超吸収性材料は、当業者によく知られており、天然、合成、及び変成天然ポリマー及び材料から選択することができる。超吸収性材料は、シリカゲルなどの無機材料、又は架橋結合したポリマーなどの有機化合物とすることができる。典型的には、超吸収性材料は、液体で、その重量の少なくとも約10倍を吸収することが可能であり、望ましくは、液体でその重量の約25倍より多くを吸収することが可能である。適当な超吸収性材料は、様々な供給者から容易に入手することができる。例えば、SXM9394及びFavor9543超吸収体は、DeGussa Superabsorbersから入手可能である。
【0070】
望ましい形状に形成した後又は切断した後、吸収性ウエブ材料は、吸収性構造体44の一体性及び形状を維持することを介助する適当なティッシュ、又はメルトブローンウエブ又は同様のもの、ラップシートによりラップされるか又は囲むことができる。
【0071】
吸収性ウエブ材料は、コフォーム材料とすることができる。「コフォーム材料」という用語は、一般的には、熱可塑性繊維及び第二非熱可塑性材料の混合物又は安定したマトリックスを含む複合材料を意味する。例えば、コフォーム材料は、少なくとも1つのメルトブローンダイヘッドが、シュートの近くに配列されて、形成中に、そこを通って他の材料がウエブに添加されるという方法によって形成することができる。このような他の材料は、これらに限定されるものではないが、木質パルプなどの繊維性有機材料、又は綿などの非木質パルプ、レーヨン、再生紙、パルプフラフ及び超吸収性粒状物、無機吸収性材料、処理済ポリマー性ステープル繊維及び同様のものを含むことができる。種々異なる合成ポリマーのいずれも、コフォーム材料の溶融紡糸された成分として利用することができる。例えば、ある態様においては、熱可塑性ポリマーを利用することができる。利用することができる適当な熱可塑材の幾つかの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン及び同様のものなどのポリオレフィン、ポリアミド、及びポリエステルを含む。一態様においては、熱可塑性ポリマーはポリプロピレンである。このようなコフォーム材料の幾つかの例としては、Anderson他の米国特許第4,100,324号、Everhart他の米国特許第5,284,703号、及びGeorger他の米国特許第5,350,624号に記載されており、一貫性がある範囲で(すなわち、矛盾することのない範囲で)引用によりここに組み入れられる。
【0072】
本発明に対するこれらの及び他の修正及び変更は、本発明の思想及び範囲から外れることなく当業者により実施することができ、これは添付した特許請求の範囲に、より特定的に述べられる。更に、様々な実施形態の態様は、全体又は部分の両方において交換することができる。更に当業者は、前述した説明は例示的なものであり、添付した特許請求の範囲に更に述べられている本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】吸収性物品の一実施形態の背面斜視図である。
【図2】図1に示された吸収性物品の正面斜視図である。
【図3】着用者に面していない物品の表面を、締結せず、折り畳まないで、平坦な状態で置いた図1に示された吸収性物品の平面図である。
【図4】着用した時に着用者に面する吸収性物品の表面を、下側にある特性を示すために部分的に切り取った状態で示した、図3と同様の平面図である。
【図5】信号表示装置の一実施形態を含む、図1に示した実施形態の斜視図である。
【図6】着用者に面していない物品の表面を、締結せず、折り畳まないで、平坦な状態で置いた物品を表わした、吸収性物品の別の実施形態の平面図である。
【図7】信号表示装置を吸収性物品に取り付けるための、取り付け機構の一実施形態の斜視図である。
【図7A】図7の吸収性物品を7A−7Aの線に沿って見た断面図である。
【図8】信号表示装置を吸収性物品に取り付けるための、取り付け機構の別の実施形態の図である。
【図9】信号表示装置を吸収性物品に取り付けるための、取り付け機構の更に別の実施形態の図である。
【図10】信号表示装置を吸収性物品に取り付けるための、取り付け機構の別の実施形態の断面図である。
【図11】信号表示装置を吸収性物品に取り付けるための、取り付け機構の別の実施形態の断面図である。
【図12】図11に示された実施形態の拡大断面図である。
【図13】信号表示装置を吸収性物品に取り付けるための、取り付け機構の別の実施形態の斜視図である。
【符号の説明】
【0074】
20 吸収性物品
22 前領域
24 後領域
26 股部領域
32 シャーシ
34 側部パネル
40 外カバー
42 ライナー
44 吸収性構造体
80 締結システム
100 導電性要素
104 パッド部材
110 信号表示装置
112 送信機
114 受信機
122 オリフィス
124 オリフィス周辺部
126 端子頂部
128 端子軸部
140 受け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側表面と外側表面とを有する外カバーを備えるとともに、前領域と後領域との間に位置する股部領域を含み、前記前領域と前記後領域が、合わさって腰部領域を形成するシャーシと、
前記シャーシ内に収められ、少なくとも前記腰部領域に位置して、回路の一部を形成する第一及び第二導電性要素と、
少なくとも1つの第一端子及び少なくとも1つの第二端子を含み、該第一端子及び第二端子が前記第一導電性要素と第二導電性要素に作動的に接続するようにされた信号表示装置と、
から成り、
前記第一及び第二端子は、前記外カバー内の少なくとも1つのオリフィスを通して、前記第一及び第二導電性要素に作動的に接続することを特徴とする衣類。
【請求項2】
前記第一端子及び前記第二端子は、単一のオリフィスを通して、前記第一及び第二導電性要素に接続することを特徴とする請求項1に記載の衣類。
【請求項3】
前記第一端子は、第一オリフィスを通して、前記第一又は第二導電性要素に接続し、前記第二端子は、第二オリフィスを通して、前記第一又は第二導電性要素に接続することを特徴とする請求項1に記載の衣類。
【請求項4】
前記オリフィスは、弾性のオリフィス周辺部により定められることを特徴とする請求項1に記載の衣類。
【請求項5】
前記第一導電性要素に電気接続する第一導電性パッド部材と、前記第二導電性要素に電気接続する第二導電性パッド部材とを更に含み、前記導電性パッド部材の各々は、前記導電性要素を前記端子に電気接続するように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の衣類。
【請求項6】
前記外カバーの前記内側表面の近傍に位置する吸収性構造体を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の衣類。
【請求項7】
前記信号表示装置は、前記回路が完成した時、可聴信号、可視信号、又は振動を発生することを特徴とする請求項1に記載の衣類。
【請求項8】
前記信号表示装置は、前記第一及び第二導電性要素に電気接続する前記第一端子及び前記第二端子を含む送信機と受信機とを含み、前記送信機は、前記受信機に無線信号を発して、前記信号表示装置が作動した時に、使用者に可聴信号又は可視信号を形成することを特徴とする請求項1に記載の衣類。
【請求項9】
前記第一端子は、端子頂部と端子軸部とを含み、前記端子頂部は端子頂部幅を有し、前記端子軸部は端子軸部幅を有し、前記端子頂部幅は前記端子軸部幅より大きいことを特徴とする請求項1に記載の衣類。
【請求項10】
前記端子頂部幅は、前記端子軸部幅の二倍より大きいことを特徴とする請求項9に記載の衣類。
【請求項11】
前記第一及び第二導電性要素は、交差することなく前記腰部領域から前記股部領域に延びることを特徴とする請求項1に記載の衣類。
【請求項12】
前記第一及び第二導電性要素は開放回路を形成し、身体流体が前記第一導電性要素と第二導電性要素との間に存在する場合に、前記身体流体が前記回路を閉じて、前記信号表示装置を作動させることを特徴とする請求項1に記載の衣類。
【請求項13】
前記シャーシは、前記信号表示装置を収めるようになった信号表示装置受け部を含み、前記受け部は、弾性化された開口縁部を有するポケットを形成することを特徴とする請求項1に記載の衣類。
【請求項14】
前記シャーシは、前記信号表示装置を収めるようになった信号表示装置受け部を含み、前記受け部は、開口縁部幅を有する開口縁部と、前記開口縁部に平行な最大幅とを有するポケットを形成し、前記開口縁部幅は、前記最大幅より小さいことを特徴とする請求項1に記載の衣類。
【請求項15】
前記開口縁部幅は、最大幅の90パーセントより小さいことを特徴とする請求項14に記載の衣類。
【請求項16】
前記シャーシは、前記信号表示装置を収めるようになった信号表示装置受け部を含み、前記受け部は、第一材料と、前記第一材料に接合された第二材料とを含み、前記第一導電性要素は、前記第一材料と接続し、前記第二導電性要素は前記第二材料と接続することを特徴とする請求項1に記載の衣類。
【請求項17】
前記外カバーは、多層を含むことを特徴とする請求項1に記載の衣類。
【請求項18】
前記第一端子は面積を有し、前記第二端子は面積を有し、前記オリフィスは、前記第一端子面積と前記第二端子面積との組み合わせより大きいオリフィス面積を有することを特徴とする請求項1に記載の衣類。
【請求項19】
内側表面と外側表面とを有する外カバーを備えるとともに、前領域と後領域との間に位置する股部領域を含み、前記前領域と前記後領域が、合わさって腰部領域を形成するシャーシと、
前記シャーシ内に収められ少なくとも前記腰部領域に位置して、回路の一部を形成する第一及び第二導電性要素と、
少なくとも1つの第一端子及び少なくとも1つの第二端子を含み、該第一端子及び第二端子が前記第一導電性要素と第二導電性要素に作動的に接続するようにされた信号表示装置と、
から成り、
前記第一端子は、端子頂部幅を有する端子頂部と、端子軸部幅を有する端子軸部とを含み、前記端子頂部幅は、前記端子軸部幅より大きいことを特徴とする衣類。
【請求項20】
前記端子頂部は、取り付け及び取り外しに際して前記信号表示装置の本体から離れる方向に移動させるようにされ、使用のために前記信号表示装置の前記本体に向かって移動させられることを特徴とする請求項19に記載の衣類。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図7A】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2009−519752(P2009−519752A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545635(P2008−545635)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際出願番号】PCT/US2006/046072
【国際公開番号】WO2007/070267
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】