説明

使い捨ておむつ

使い捨ておむつが開示される。おむつは、着色されたトップシートを含む。トップシートは、12〜18gsmの坪量を有し、かつ複数の接合点を含む。接合点のそれぞれは、2mm〜5mmの面積を有し、複数の接合点の累積面積は、トップシートの総面積の10〜25%である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、良好な性能を示し、着用者の皮膚と接触する領域の手触りが柔らかく、かつ消費者に魅力的な使い捨ておむつに言及する。
【背景技術】
【0002】
尿又は糞などの身体排出物を受容しかつ保持するための使い捨て吸収性物品は、当該技術分野において周知である。これらの例としては、使い捨ておむつ、トレーニングパンツ、及び成人失禁用物品が挙げられる。典型的には、使い捨ておむつは、着用者の身体に面する液体透過性トップシートと、着用者の衣類に面する液体不透過性バックシートと、液体透過性トップシートとバックシートとの間に介在する吸収性コアと、を含む。
【0003】
使い捨ておむつが市場に導入されて以来、使い捨ておむつは、快適性、フィット感、及び機能性に関して改善され続けてきた。吸収能力はおむつにとって非常に重要であるが、消費者はまた、特に着用者の皮膚と直接接触するおむつ領域、例えばおむつのトップシートにおいてソフトな手触りを有する製品を高く評価する。例えば、トップシートの製造に用いられる特定の繊維の種類を選択することによって、又は材料(例えば、不織布材料)内で接合する繊維を減らすことによって、トップシートの柔軟性を高めるための多くの試みがなされている。典型的には、繊維の接合は、材料に強度を付与する。強度は、おむつの使用中、更には製造プロセスの間に、破断に対する抵抗を提供するために必要である。しかし残念なことに、例えば、柔軟性を高めるために接合領域を減少させるといった、トップシートの柔軟性を高めるための工程を実施する場合、強度に悪影響を与える場合がある。
【0004】
この技術的難関(即ち、強度を損なわずに柔軟性を高める)に加えて、視覚的に識別可能な接合パターンを備えたトップシートを有するおむつを消費者が好む傾向があることが認められた。そのような目立つ接合パターンは、製品の魅力を増大させ、更には、消費者が有し得る製品の柔軟性の認知を有意に高める。しかし残念なことに、今日用いられている坪量では、トップシートの接合パターンは、消費者にほとんど認識されない。トップシートを形成する材料の坪量を増加させることは、接合パターンの視覚的識別を望ましく改善することができる一方で、トップシートのその他の物理的特性に悪影響を与えることが分かっている。例えば、望ましくない様式で、トップシートの液体保持特性が増大する。その上、より可視的にするために接合面積を大きくすることは、トップシートの柔軟性を低下させ、トップシートにプラスチック感触を提供する一因となり、また、液体がトップシートから流れ出る危険性を増加させるので、望ましくないことが分かっている。このように、接合パターンの可視性を高めようとする際に生じる、トップシートの液体処理特性に与える負の効果は、皮膚に柔らかく、所望の流体管理特性を有し、また、消費者にとって非常に魅力的であるおむつを作るという既知の技術的難関に、更なる複雑性を加える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、皮膚に柔らかく、所望の流体透過性及び低い再湿潤といった所望の流体管理特性を有し、また、消費者にとって非常に魅力的である使い捨ておむつが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、着色されたトップシートを含む使い捨ておむつに関する。トップシートは、12gsm〜18gsmの坪量を有し、かつ複数の接合点を含む。接合点のそれぞれは、2mm〜5mmの面積を有し、複数の接合点の累積面積は、トップシートの総面積の10%〜25%である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】おむつの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で使用するとき、「おむつ」とは、身体から排出される様々な排泄物を吸収及び収容するために着用者の皮膚に対して着装されることを意図する装置を指す。おむつは、一般に、着用者の腰及び脚を取り囲むように、乳幼児及び尿失禁者により胴体下部の周囲に着用される。おむつの例としては、乳幼児又は成人用おむつ、及びトレーニングパンツなどのパンツ様おむつが挙げられる。
【0009】
「トレーニングパンツ」という用語は、本明細書で使用するとき、乳幼児又は成人の着用者に合わせて設計されているウエスト開口部及び脚部開口部を備えている使い捨て衣類を指す。パンツは、着用者の脚を脚部開口部に挿入し、パンツを着用者の胴体下部の周囲の位置にまで滑らせることによって着用者の所定位置に配置されてよい。パンツは、再締結可能な及び/又は再締結不可能な接合(例えば、縫い目、溶接、接着剤、粘着接着、締め具など)を用いて、物品の部分を共に連結することが挙げられるが、これらに限定されない、任意の好適な技術により予備成形されてもよい。パンツは、物品の周囲に沿った任意の場所に予備成形されてもよい(例えば、側面固定、前部ウエスト固定)。
【0010】
本明細書で使用するとき、「使い捨て」という用語は、通常洗濯若しくは他の方法で復元又は再使用することを想定していない(即ち、1回使用した後に廃棄することを前提としており、リサイクル、堆肥化、又は環境に適合する方法で処理する場合がある)装置を説明するために使用する。
【0011】
本明細書で使用するとき、「不織布材料」は、配向性繊維又は不規則に配向された繊維で製造されたウェブを指し、紙と、更なるニードル加工の有無を問わず、接合糸若しくは長繊維を組み込んだ織り製品、編み製品、タフテッド製品、ステッチで接合した製品、又は湿式粉砕によるフェルト製品とを除く。不織布材料及びそれらを作製するためのプロセスは、当該技術分野において既知である。一般に、スパンレイ法、メルトブロー法、カード法、エアレイ法、湿式レイ法、コフォーム、及びこれらの組み合わせを含むことができる不織布材料の製造プロセスは、繊維を成形平面上に置くことを含む。繊維は、天然起源のものであっても人工起源のものであってもよく、短繊維若しくは連続フィラメントであっても、又はその場で形成されたものであってもよい。
【0012】
本明細書で使用するとき、「粒子状吸収性ポリマー材料」とは、遠心分離保持容量(Centrifuge Retention Capacity)試験(Edana 441.2−01)で測定した場合に、それらの重量の少なくとも5倍の脱イオン水に溶解した0.9%塩溶液を吸収することができる、実質的に非水溶性のポリマー粒子を指す。
【0013】
本明細書で使用するとき、「接合点」とは、繊維が融解及び溶解されている、即ち、繊維の融点を超えるまで加熱されている、トップシートの個別領域を意味する。接合点は、熱接合、又は加圧接合と熱接合の組み合わせによってもたらされることができる(繊維は融点を上回って加熱される)。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「坪量」とは、単位面積当たりの乾燥繊維材料の質量、即ち、単位面積当たりの乾燥シートの質量、例えば、1平方メートル当たりのグラム数(gsm)を指す。
【0015】
トップシート
着色されたトップシートであって、12gsm〜18gsm、若しくは13gsm〜16gsm、又は15gsmの坪量と、複数の接合点を有し、該接合点のそれぞれが、2mm〜5mm、若しくは2.5mm〜4.5mm、又は3mm〜4mmの面積を有し、該複数の接合点の累積面積が、トップシートの総面積の10%〜25%、若しくは14%〜22%、又は16%〜21%である着色されたトップシートを有するおむつが、先に述べた問題を解決することを、本発明者らは見出した。
【0016】
低秤量(即ち、12gsm〜18gsm、若しくは13gsm〜16gsm、又は15gsm)の上記トップシートは、優れた流体処理特性を示す。実際に、本発明者らは、そのようなトップシートが液体を望ましい方法で捕捉すること、即ち、尿などの流体が、トップシートの厚さを容易に貫通することを見出した。更に、トップシートは多量の流体を保持しないので、流体がトップシート内に保持されているときに見られることがある再湿潤の危険性を最小限に抑える。再湿潤を最小限に抑えることは、おむつの着用者の皮膚を乾燥した状態に維持して、着用者の快適性を高めるのに役立つ。
【0017】
複数の接合点は、トップシートの面上にパターンを形成する。選択されたパターン、即ち、2mm〜5mm、若しくは2.5mm〜4.5mm、又は3mm〜4mmの面積と、トップシートの総面積の10%〜25%、若しくは14%〜22%、又は16%〜21%の累積面積とを有する複数の接合点は、強度を損なうことなくトップシートの柔軟性を高める。実際に、接合点の数を減らして、接合点のそれぞれの面積を増加させると、トップシートの非接合面積が増加する、つまり、トップシートの面上により多くの遊離繊維が存在するので、柔軟性が高くなる。更に、選択されたパターンと、低秤量の着色材料の組み合わせは、トップシートの面上のパターンの可視化を強化する。実際に、トップシートの呈色は、接合領域の光沢ある外観を強化するので、トップシート上のパターンの視覚的識別を強化するのに役立つことが分かっている。総体的に、このことは、消費者の製品に対する魅力を高め、またトップシートの流体処理特性を損なうことなくパターンの可視性を高めるという技術的難関を克服する。
【0018】
トップシートは、合成繊維のみで、又は天然繊維類と組み合わされて製造される不織布材料であってもよい。天然繊維類の例としては、広葉樹源、針葉樹源、でんぷん又は他の非木材植物類からの繊維などのセルロース性天然繊維類を挙げることができる。合成繊維は、例えば、ポリオレフィン類(ポリプロピレン及びポリプロピレンコポリマー、ポリエチレン及びポリエチレンコポリマー)、ポリエステル類(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリエーテル類、ポリアミド類、ポリエステルアミド類、ポリビニルアルコール類、ポリヒドロキシアルカノエート類、多糖類、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるものであるがこれらに限定されない、任意の材料であることができる。更に、合成繊維は、単一構成成分(即ち、単一合成材料又は混合物が繊維全体を構成する)、2構成成分(即ち、繊維は領域に分けられ、領域は2つ以上の異なる合成材料又はその混合物を包含し、並びに共押出繊維及びコア・シース繊維を包含する場合がある)、及びこれらの組み合わせであることができる。2成分繊維は、不織布材の成分繊維として使用することができ、及び/又は不織布材料中に存在するその他の繊維の接合剤として作用するために存在してもよい。繊維のいずれか又は全ては、繊維のいずれかの望ましい性質を変えるために、製造前、製造中、又は製造後に処理されてもよい。好ましくは、トップシートは、少なくとも20%の合成繊維、若しくは少なくとも30%の合成繊維、又は少なくとも50%の合成繊維を含む。いくつかの実施形態では、トップシートは、100%の合成繊維を含む。合成繊維は、熱可塑性繊維であるのが好ましい。好ましくは、トップシートは、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はこれらの混合物などのポリオレフィンで作製される不織布材料で製造される。トップシートは、多層の不織布ウェブ、即ち、積層体であってもよい。積層体は、スパンボンド層(S)、及び/若しくはメルトブローン層(M)、並びに/又はカード層(C)を含み得る。好適な積層体としては、SS、SSS、SMS又はSMMSが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、トップシートは、単層スパンボンド(S)、又は二層スパンボンド(SS)などのスパンボンド不織布材料、あるいは、三層以上を含む不織布材料、例えば、三層(SSS)のスパンボンド不織布などである。
【0019】
トップシートは、複数の接合点を含む。複数の接合点の累積面積は、トップシートの総面積の10%〜25%、若しくは14%〜22%、又は16%〜21%である。
【0020】
接合点は、円形、菱形、三角形、矩形、正方形、楕円形、又は任意のその他の規則的若しくは不規則な形状といった、あらゆる形状をとることができる。各接合点は、2mm〜5mm、若しくは2.5mm〜4.5mm、又は3mm〜4mmの面積を有する。接合点は全て、個々に、等しい面積を有してもよく、又は様々な面積を有してもよい。
【0021】
複数の接合点の累積面積が、トップシートの総面積の10%〜25%、若しくは14%〜22%、又は16%〜21%である場合、また、各点が、2mm〜5mm、若しくは2.5mm〜4.5mm又は3mm〜4mmの面積を有する場合には、得られるトップシートは、柔軟性と強度の点で適正なバランスを有することが見出された。更に、各接合点の面積は、一般に知られている接合面積よりも相対的に大きいにもかかわらず、トップシートを通して液体を適切に流して、トップシートから液体が流れ出る危険性、及び漏れの危険性を最小限に抑えることが見出された。これに加えて、大きな面積の接合点は、消費者に吸収性を望ましく伝えることが見出された。
【0022】
複数の接合点は、トップシート上に均等に分配されてもよい。しかしながら、一部の実施形態では、複数の接合点の密度は、トップシートの中心部と比べると、トップシートの長手方向周辺部で高くてもよい。本明細書で使用するとき、「トップシートの長手方向周辺部」とは、トップシートの長手方向縁部で始まり、長手方向軸に向かって延びるトップシートの面積の3分の1を指す。したがって、トップシートの面積の3分の1を占めるトップシートの左側長手方向周辺部と、トップシートの面積の別の3分の1を占めるトップシートの右側長手方向周辺部と、トップシートの中心部の面積の3分の1を占めかつ長手方向軸と交差する中心領域とが存在する。横方向領域における接合領域の増加は、普通であればトップシートから流出して漏れてしまう可能性がある液体を方向付けることができ、中心領域においてより少ない接合領域は、液体の吸収に使用可能なトップシートの量が過度に低減されないことを確実にするので、このような実施形態は一般に好都合である。接合領域に含まれる繊維は融解しており、その結果接合領域の吸収性は低減することになり得るので、このことは特に有利である。
【0023】
接合領域は、使い捨ておむつのトップシートの下側に位置する層(例えば、捕捉システム又は吸収性コアの1つ以上の層)内まで延びないのが好ましい。製造の観点から、トップシートは、予め接合されて組み立てられる準備が整った状態で、使い捨ておむつの製品製造ラインに提供されることができるので、これらの実施形態は好都合である。したがって、トップシートは、トップシート材料の更なる変更を必要とせずに、使い捨ておむつの他の構成要素(例えば、吸収性コア、バックシート)と連結されることができる。このように、使い捨ておむつの製造プロセスに、追加の処理工程を必要としない。
【0024】
いくつかの実施形態では、非接合領域から接合領域への変化は段階的であり得るので、トップシート材料自体の接合領域の実寸法を決定することは困難な場合がある。したがって、本発明では、本明細書において提供される接合点の寸法は、一般に、トップシートに接合パターンを設けるのに使用される装置の寸法によって決定される。そのため、トップシート材料上の寸法は概算されることができる一方で、装置に設けられるパターンは確定されなければならず、かつ本発明の接合領域に等しい。接合領域を設けるのに使用されるパターン(例えば、接合ロール又はカレンダーロール上の隆起部など)が、まっすぐな側壁を有さない実施形態では、装置上の最大寸法(即ち、隆起部の高さではなく、隆起部の幅の最大寸法)が、本発明の寸法であると考えられる。
【0025】
トップシートは着色される。本明細書で使用するとき、「着色される」とは、例えば、ピンク色、黄色、紫色、赤、オレンジ色、青、緑、明るい青紫色、及び、それらの任意の傾向色又は混合色などであるが、これらに限定されない、白色以外の色で着色されることを意味する。いくつかの実施形態では、着色されたトップシートは、薄い色又は柔らかい色調のバリエーションで着色される、つまり、トップシートには薄い色がつけられる。
【0026】
色は、人の目に知覚される全ての色を数値コードに変換した、国際的に認められた3D色実線図により測定することができる。この方式は、3次元(x、y、z)、具体的にはL、a、bに基づく。
【0027】
この方式にしたがって色を規定した場合、Lは明るさを表し(0=黒色、100=白色)、a及びbは独立してそれぞれ2つの色軸を表し、aは赤色/緑色軸(+a=赤色、−a=緑色)を表し、bは黄色/青色軸(+b=黄色、−b=青色)を表す。
【0028】
いずれの色も一意的なΔE値により識別され、それは次の方程式により数学的に表される。
ΔE=[(L基本−L試料+(a基本−a試料+(b基本−b試料)]1/2
【0029】
ΔEは、3次元モデルの基本色と無色の点(即ち、球の中心L基本=50、a基本=0、b基本=0)の間の距離を図形的に表す。
【0030】
色は座標L、a、bを提供する比色計、MINOLTAモードCR−300機器(Minolta Company,Japanより入手可能)を用いて測定することができ、それによりΔE値が決定され得る。
【0031】
トップシートの材料の暗さ/明るさを定義するために本明細書において使用されるLハンター尺度の値(L)は、ハンターカラー方式(Hunter Color system)における色測定の単位である。この方式の完全な技術的説明は、R.S.Hunterによる論文である「photoelectric color difference Meter」、Journal of the Optical Society of America,Vol.48,pp.985〜95,1958に見出すことができる。ハンター尺度による色の測定のために特に設計された装置が、米国特許第3,003,388号(Hunterら、1961年10月10日発行)に記載されている。一般に、ハンターカラー「L」尺度の値は、光反射率測定値の単位であり、より明るい色の材料が、より多くの光を反射するため、値が高い程、色は明るい。特に、ハンターカラー方式では「L」尺度は100の等しい分割単位を含有し、純粋な黒は尺度の底部にあり(L=0)、純粋な白は尺度の最上部にある(L=100)。したがって、トップシートのハンターカラー値の測定において、「L」尺度の値が高い程、材料は明るくなる。
【0032】
本明細書におけるLハンター値及びカラー値ΔEは、層をなす又はそれ自体の上に折り畳まれる、目的の材料(例えば、トップシート)上で測定されるので、同一材料を追加的に層化した又はそれを追加的に折り畳んだ上でもLハンター値及びカラー値は一定であることを理解する必要がある。実際に、Lハンター値及びΔEは、測定のために計器において材料が配置される支持体のいずれの影響もない材料それ自体のものである。換言すれば、トップシートのLハンター値を測定する場合、この材料の数層が重ねて置かれた又はその層がそれ自身の上で数回折り畳まれた後そのLハンター値が測定され、同一の材料が追加的に層化された又は折り畳まれた後で再度測定されるが、この後の操作は追加的に層化される又は折り畳まれてもLハンター値がそれ以上変化しなくなるまで必要なだけ行われる。この値が本明細書で検討される必要のある値である。
【0033】
いくつかの実施形態では、着色されたトップシートは、少なくとも60、例えば、60〜95、若しくは70〜95、又は80〜90などのL値を有する。Lハンター値を満たすように着色されるトップシートは、柔らかい又は薄い色を有する。
【0034】
いくつかの実施形態では、着色されたトップシートは、約−50.0〜約+50.0、約−30.0〜約+30、約−20.0〜約+20.0、又は約−10.0〜約+10.0の「a」値を有する。更に、着色されたトップシートは、約−50.0〜約+50.0、約−35.0〜約+25.0、約−25.0〜約+15.0、又は約−20.0〜約+5.0の「b」値を有する。
【0035】
トップシートは、その全面にわたって着色される、典型的には、その全面にわたって均一に着色される。好ましくは、トップシートは、単色で着色される、典型的には、その全面にわたって均一に単色で着色される。
【0036】
着色は、当該技術分野において利用可能な任意の方法で行われることができる。トップシートは、それらの製造後に着色されてもよく、あるいは、不織布材料の繊維を製造する、例えば、ポリオレフィンなどの材料に、好適な顔料が添加されてもよい。
【0037】
好適な着色剤は、一般に、顔料と呼ばれる場合があり、顔料は、微細分散した形態で使用される不溶性の着色物質を指す。着色剤は、染料、有機顔料又は無機顔料であってよい。代表的な有機顔料としては、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 3、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 7、C.I.Pigment Red 12、C.I.Pigment Red 112、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Blue 2、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Vat Blue 4、C.I.Vat Blue 6、又はカーボンブラック、を挙げることができる。代表的な無機顔料としてはカーボンブラック(例えば、Pigment Black 7)、酸化鉄、酸化鉄黒(例えば、Pigment Black 11)、酸化クロム、又はフェロシアン化鉄アンモニウム(ferric ammonium ferrocyanide)を挙げることができる。代表的な染料としては、Solvent Yellow 14、Dispersed Yellow 23、Metanil Yellow、Solvent Red 111、Dispersed Violet 1、Solvent Blue 56、Solvent Orange 3、Solvent Green 4、Acid Red 52、Basic Red 1、Solvent Orange 63、又は暗黒色(Jet Black)を挙げることができる。
【0038】
驚くべきことに、着色されたトップシート、即ち、白以外のあらゆる色のトップシートは、接合点に光沢ある外観を与えることによって、トップシート上の接合パターンの可視性を高めることを、本発明者らは見出した。面が光を正反射方向に反射する能力は、接合領域と非接合領域とで異なる。したがって、これにより、トップシートの流体処理特性を損なわずに、パターンの可視性を高めることが可能である。
【0039】
本発明のトップシートを含む使い捨ておむつ
本明細書に記載のトップシートは、図1に示されるような使い捨ておむつ1に組み込まれることができる。使い捨ておむつ1は、平らに広げた非収縮状態(即ち、弾性により引き起こされた収縮のない状態)で示されており、使い捨ておむつ1のいくつかの部分は、使い捨ておむつの下層構造をより明確に示すために切り取られている。おむつ1の着用者に接触する部分は、図1の観察者に向いている。図1に示されているおむつ1は、長手方向軸Aと横軸Bとを有する。
【0040】
おむつの一方の端部は前側腰部領域2(物品の前側3分の1であり、物品の長さの3分の1を有する)として形成される。反対側の端部は、おむつの後側腰部領域3(後側3分の1)として形成され、物品の長さの3分の1を有する。おむつの中間部分は股領域5(中央3分の1)として形成され、これは、長手方向で前側腰部領域と後側腰部領域との間に延在し、これも物品の長さの3分の1を有する。股領域5は、おむつが着用されると、一般に着用者の脚の間に位置付けられる、おむつの部分である。
【0041】
使い捨ておむつ1は、一般に、シャーシ6と、シャーシ内に設けられる吸収性コア7とを含む。
【0042】
おむつのシャーシ6は、本明細書に記載のような接合点8’を有するトップシート8を含む。トップシート8は、典型的には、おむつのシャーシ6と共に延びる。トップシートは、スキンケア組成物を含んでいてもよい。スキンケア組成物は着色されていてもよい。しかしながら、着色されたトップシートは、本明細書で使用するとき、スキンケア組成物によって着色されるトップシートを指さない。スキンケア組成物が着色されている場合、着色されたトップシートの初期の色は、わずかに変更される可能性がある。シャーシ6は、典型的には、バックシート9も含む。バックシート9は、液体不透過性でないが、蒸気透過性であってもよい。バックシートは、吸収性構造体に吸収されて収容されている流体が、パンツ、ズボン、パジャマ、下着、及びシャツ又はジャケットなどの吸収性物品と接触する材料を濡らすことを防ぐことができ、これにより、流体移動に対するバリアとして作用する。バックシートはまた、少なくとも水蒸気、又は水蒸気及び空気の両方を移動させることができる。いくつかの実施形態では、バックシートは、0.012mm〜0.051mmの厚さを有する熱可塑性フィルムなどの薄いプラスチックフィルムと不織布との積層体を含んでもよい。好適なバックシートフィルムとしては、Tredegar Industries Inc.(Terre Haute,Ind.)によって製造され、商標名X15306、X10962、及びX10964で販売されているものが挙げられる。
【0043】
シャーシ6は、おむつ1のトップシート8とバックシート9との間に設けられた吸収性コア7を更に含む。吸収性コア7は、典型的には、セルロース繊維、変性セルロース繊維(セルロース繊維及び変性セルロース繊維は、通常、当該技術分野において「エアフェルト」と呼ばれる)、粒子状吸収性ポリマー材料、吸収性発泡体、ティッシュ、又はこれらの組み合わせなどの吸収性材料10を含む。好適な粒子状吸収性ポリマー材料は、ポリアクリレート及びポリアクリレートをベースとする材料、例えば、部分中和架橋ポリアクリレート又は酸ポリアクリレートなどの中から選択されることができる。極めてわずかに架橋された、又は実質的に全く架橋されていないポリアクリレートをベースとするポリマーの例は、PCT国際特許出願WO 07/047598に記載されている。
【0044】
いくつかの実施形態では、吸収性コアは、5重量%未満、より典型的には2重量%未満のセルロースを含んでもよく、最も典型的にはセルロースを含まない。得られた吸収性構造体は、セルロース繊維を含む従来の吸収性構造体と比較して、乾燥状態での厚さが薄い。薄い厚さは、着用者に対する吸収性物品のフィット感及び快適性を改善するのを助ける。
【0045】
いくつかの実施形態では、吸収性コア7は、1つ以上の吸収性構造体を含んでもよく、各吸収性構造体は、粒子状吸収性ポリマー材料を支持する不織布基材層を含み、この粒子状吸収性ポリマー材料は、好ましくは粒子状吸収性ポリマー材料上に線維網を形成する熱可塑性接着剤組成物によって、不織布基材層上に固定される。好適な熱可塑性接着剤組成物は、少なくとも熱可塑性ポリマーを、可塑剤、及び粘着付与樹脂などの他の熱可塑性希釈剤、並びに抗酸化剤などの添加剤と一緒に含むホットメルト接着剤を包含する。代表的な好適なホットメルト接着剤材料は、欧州特許第1447067(A2)号に記載されている。いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリマーは、10,000を超える分子量と、通常は室温より低い、又は−6℃〜16℃を包含するガラス転移温度とを有する。いくつかの実施形態では、ホットメルト接着剤(hot melt)中の熱可塑性ポリマーの濃度は、約20重量%〜約40重量%の範囲内である。熱可塑性ポリマーは、水耐性であってもよい。代表的なポリマーは、A−B−A三元ブロック構造、A−B二元ブロック構造、及び(A−B)n放射状ブロックコポリマー構造を含む(スチレン)ブロックコポリマーであり、Aブロックは、典型的にはポリスチレンを含む非エラストマーポリマーブロックであり、Bブロックは、不飽和共役ジエン又はその(部分的に)水素添加したものである。Bブロックは、典型的には、イソプレン、ブタジエン、エチレン/ブチレン(水素添加ブタジエン)、エチレン/プロピレン(水素添加イソプレン)、及びこれらの混合物である。熱可塑性接着剤組成物は、一般に、粒子状吸収性ポリマー材料上に線維網を形成する繊維の形態で存在する。繊維は、約1μm〜約100μm又は約25μm〜約75μmの平均の厚さ、及び約5mm〜約50cmの平均長さを有することができる。熱可塑性接着剤組成物は、基材層あたり、0.5〜30g/m、1〜15g/m、1〜10g/m、又は更に1.5〜5g/mの量で適用されてもよい。いくつかの実施形態では、粒子状吸収性ポリマー材料は、不織布基材層上の粒子クラスターに分布される。いくつかの実施形態では、吸収性構造体は、5%未満、若しくは2重量%のセルロースを含み、又はセルロースを含まない。不織布基材層は、吸収性ポリマー材料及び熱可塑性組成物を封入し、又は、分離した不織布基材層が、吸収性ポリマー材料及び熱可塑性組成物を覆ってもよい。したがって、これら不織布基材層は、コアラップ又はコアカバーと呼ばれることが多い。コアラップ又はコアカバーは、吸収性物品の身体に面する面に向いた第1の上側不織布ウェブ11と、吸収性物品の衣類に面する面に向いた第2の下側不織布ウェブ(図には示されず)とで構成されてもよい。第1及び第2の不織布ウェブは、それらの外縁周辺で、互いに連続的又は断続的に接合されてもよい。第1及び第2の基材層は、同一不織布ウェブで作製されてもよく、又は異なる不織布ウェブで作製されてもよい、言い換えれば、第1の上側基材層は流体透過性であるのに対して、第2の下側基材層は流体不透過性であってもよい。多層の吸収性コアでは、粒子状吸収性ポリマー材料を少なくとも部分的に分離及び分割するために、基材(例えば、不織布ウェブ)の1つ以上の層が、吸収性コア内に追加的に設けられてもよい。コアラップ又はコアカバーは、あらゆる種類の吸収性コアに存在してもよい。
【0046】
吸収性コア7の周辺部は、吸収性コア外側縁部によって画定され、吸収性コア前側腰部縁部12及び後側腰部縁部13は、使い捨ておむつ1の横軸Aに対して略平行な長手方向縁部15の間を走る。吸収性コア7の長手方向寸法は、吸収性コア前側腰部縁部12から吸収性コア後側腰部縁部13まで、長手方向軸Aに沿って延びる。吸収性コア7はまた、長手方向軸Aに対して垂直に走る横軸Bに沿って延びる横断方向寸法を有する。吸収性コア7は、吸収性コア股領域16と、吸収性コア前側腰部区域17とを有し、吸収性コア前側腰部区域17は、吸収性コア股領域16から吸収性コア前側腰部縁部12まで延びて、吸収性コア7の長手方向寸法の25%を占める。吸収性コア後側腰部区域18は、吸収性コア股領域16から吸収性コア後側腰部縁部13まで延びて、吸収性コア7の長手方向寸法の25%を占める。吸収性コア股領域16は、吸収性コア7の長手方向寸法の50%を占める。
【0047】
吸収性コア7の構成及び構造は変化してもよく、例えば、吸収性コア7は、変化するキャリパーゾーン、親水性勾配、超吸収性勾配、又はより低い平均密度及びより低い平均坪量の捕捉領域を有してもよい。吸収性コアの全体的な吸収能力は、しかしながら、おむつの設計負荷及び意図される用途に適合しなければならない。更に、乳児から成人にまで及ぶ着用者に対応するように、吸収性コアの寸法及び吸収能力を変更してもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、吸収性材料10(例えば、粒子状吸収性ポリマー材料)は、吸収性コア7の長手方向寸法に沿って均等に分布されてもよい。例えば、吸収性コア股領域16は、吸収性コア前側腰部区域17及び後側腰部区域18と比べて、単位面積当たり、より多量の吸収性材料10を含んでもよい。一部の実施形態では、吸収性コア後側腰部区域18は、cm面積当たり0.01グラム以下の吸収性材料(即ち、cm当たり0gからcm当たり0.01グラムの吸収性材料)を含む。これらの実施形態では、吸収性コア前側腰部区域17は、好ましくは、cm当たり少なくとも0.03グラム、より好ましくは、cm当たり少なくとも0.04グラムの吸収性材料を含む。吸収性コア股領域16は、好ましくは、cm当たり少なくとも0.04グラム、より好ましくはcm当たり少なくとも0.05グラムの吸収性材料を含む。各領域の吸収性材料の量は、この領域の吸収性材料の重量を決定し、これをこの領域の総面積で割る(したがって、平均量を得る)ことによって計算される。
【0049】
一部の実施形態では、吸収性コア後側腰部区域18の各領域は、cm当たり0.01グラム以下の吸収性材料を含む。同様に、吸収性コア前側腰部区域17の各領域は、cm当たり少なくとも0.03グラム、好ましくはcm当たり少なくとも0.04グラムの吸収性材料を含んでもよく、吸収性コア股領域16の各領域は、cm当たり少なくとも0.04グラム、好ましくはcm当たり少なくとも0.05グラムの吸収性材料を含んでもよい。好ましい実施形態では、吸収性材料10は、少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、及び更により好ましくは100重量%の粒子状吸収性ポリマー材料を含む。
【0050】
図1に示されるようないくつかの実施形態では、吸収性コア後側腰部縁部13は、シャーシ後側腰部縁部19から少なくとも10%だけ長手方向にオフセットされ、使い捨ておむつのその領域では、吸収性コア7が使用されていないことが分かる。この10%は、シャーシ6の縦長延長部に基づいて決定される。好ましくは、吸収性コア後側腰部縁部13は、シャーシ後側腰部縁部19から少なくとも12%だけ長手方向にオフセットされ、より好ましくは少なくとも15%だけ長手方向にオフセットされる。これらの構造により、液体の吸収が本当に必要である領域のみに吸収性材料が分布することになり、おむつの嵩の低減に寄与する結果となる。吸収性材料の量はまた、吸収性コア内で様々であってもよく、例えば、液体排出が主に生じるおむつの前側半分に吸収能力のほとんどを提供するために、吸収性コアを長手方向に浮き上がらせてもよい。嵩が減ったとしても、おむつの後側腰部区域の吸収性材料を除去することが、一部の消費者に必ずしも容易に受け入れられるとは限らない場合があることが判明した。驚くべきことに、本明細書に記載のようなトップシートは、吸収性の認知を強化するとして、消費者の間での製品の受け入れを増加させる。
【0051】
おむつは、トップシート8と、吸収性コア7の着用者に面する側との間、例えば、吸収性コア7のカバー層11とトップシート8との間に設けられる捕捉システムを更に含んでもよい。捕捉システムは、吸収性コア7と直接接触していてもよい。捕捉システムは、単一層からなってもよく、又は着用者の皮膚に面する上部捕捉層20及び着用者の衣類に面する下部捕捉層21などの多層からなってもよい。捕捉システムは、尿の噴出のような急増する液体を受け取るように機能してもよい。換言すれば、捕捉システムは、吸収性コアが液体を吸収できるまで液体の一時的なリザーバとしての機能を果たし得る。捕捉層は、例えば、吸収性コアのカバー層と同様に、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はポリプロピレン(PP)などの合成繊維をエアレイ処理又はウェットレイ処理することによって作製される繊維性不織布材料を含むことができる。流体捕捉層の代表的な材料としては、スパンボンド又はカード不織布材料、又は、例えばラテックス接着若しくは熱接着したエアレイド材料のようなエアレイド材料が含まれ得る。坪量は、典型的には、約10g/m〜約60g/m、又は約25g/m〜約40g/mの範囲であり得る。
【0052】
使い捨ておむつ1を着用者の周りの所定位置に保持するために、シャーシ後側腰部区域3の少なくとも一部は、締着部材22によってシャーシ前側腰部区域2の少なくとも一部に取り付けられて、脚部開口部(1つ又は複数)及び物品の腰部を形成することが可能である。特定の実施形態によると、使い捨ておむつ1は、使い捨ておむつを着用者に固定するための、シャーシに連結される再閉締可能な締結システムを備えてもよく、あるいは、パンツ型使い捨ておむつの形態で提供されてもよい。締結システムは、少なくとも1つの締着部材22と、少なくとも1つのランディングゾーン23とを含んでもよい。パンツ型使い捨ておむつでは、該物品は、長手方向軸Aに向いた長手方向縁部に沿ってバックシート9及び/又はトップシート8に連結され、かつ長手方向軸Aから反対方向に向いた長手方向縁部に沿って互いに連結されてパンツを形成する、少なくとも2つのサイドパネルを含んでもよい。
【0053】
使い捨ておむつはまた、レッグカフ24及び/又はバリアカフを有してもよい。好適なカフは、例えば、米国特許第3,860,003号、第4,808,178号及び4,909号、第4,695,278号及び第4,795,454号に記載されている。使い捨ておむつはまた、弾性部材25を有してもよい。
【0054】
おむつを組み立てるプロセスは、使い捨て吸収性物品を構成しかつ形成するための、当該技術分野において既知の従来技術を包含する。例えば、バックシート及び/又はトップシートは、接着剤の均一な連続層、接着剤のパターン付き層、又は接着剤の別個の線、螺旋、若しくは点の配列により、吸収性コアに接合させるか、又は互いに接合させることができる。満足のいくものであることが判明した接着剤は、H.B.Fuller Company(St.Paul,Minnesota)によって、HL−1258又はH−2031の名称で製造されている。
【0055】
トップシートの乾燥及び再湿潤
【実施例】
【0056】
(実施例1)
Fiberweb Corovin(Peine,Germany)から入手可能な単一層のスパンボンドされている(S)不織布。ポリプロピレンで作製された不織布は、12g/mの坪量を有し、丸い(円形)接合点で熱的に接合されており、各接合点の面積は4mmであり、総接合領域は材料の総面積の21%である。接合点は均等に分布される。
【0057】
(実施例2)
Fiberweb Corovin(Peine,Germany)から入手可能な単一層のスパンボンドされている(S)不織布。ポリプロピレンで作製された不織布は、15g/mの坪量を有し、丸い(円形)接合点で熱的に接合されており、各接合点の面積は4mmであり、総接合領域は材料の総面積の21%である。接合点は均等に分布される。
【0058】
(実施例3)
Fiberweb Corovin(Peine,Germany)から入手可能な単一層のスパンボンドされている(S)不織布。ポリプロピレンで作製された不織布は、15g/mの坪量を有し、丸い(円形)接合点で熱的に接合されており、各接合点の面積は4mmであり、総接合領域は材料の総面積の21%である。接合点は均等に分布される。
【0059】
実施例4(比較例)
Fiberweb Corovin(Peine,Germany)から入手可能な単一層のスパンボンドされている(S)不織布。ポリプロピレンで作製された不織布は、15g/mの坪量を有し、丸い(円形)接合点で熱的に接合されており、各接合点の面積は4mmであり、総接合領域は材料の総面積の21%である。接合点は均等に分布される。
【0060】
トップシートの乾燥試験
トップシートの乾燥試験は、トップシートに保持される液体の量を決定する。この試験は、おむつの使用中の性能をシミュレートする。試験は、約22+/−2℃及び相対湿度50+/−5%で実施されなければならない。
【0061】
試料調製及び負荷
試験試料は、捕捉システムと、トップシートと、バックシートとを有する吸収性コアを含む。本発明の試料の捕捉システムを有する吸収性コアは、英国で販売されているPampers(登録商標)Active Fit、サイズ4で市販のおむつとして入手可能なものである。トップシート上に、矩形部分(55mm×105mm)の印を付け(横断方向に中心を定める)、55mm幅の矩形部分の先頭側を、吸収性コアの前縁部から28mm離して定置する。
【0062】
これらの試験方法で使用する合成尿は、脱イオン水に溶解した0.9% NaCl溶液である。
【0063】
試験試料を、トップシートを上に向けた状態で、機器のダイ上に平らに位置するように配置する。好適な機器は、FKV S.r.l(Italy)から入手可能な機器を包含する。その中央に直径5cmの開口部を有するプレートを、試料の負荷ゾーン上の試料上に定置する。負荷ゾーンを、直径5cmの開口部の下に中心合わせする。試料の負荷ゾーンは、吸収性コアの前縁部から102mmに位置し、吸収性コアの長手方向縁部に対して中心合わせされたゾーンとして定められる。2.07kPaの圧力を試料に加える。
【0064】
試験試料に、ポンプ(Cole Parmer Instruments.Model 7520−00,Chicago,U.S.A.)を用いて、試料面の上方約5cmの高さから、15mL/秒の速度で、合成尿の75mlの噴出で負荷をかける。合成尿は、プレートの5cmの開口部に取り付けられたシリンダーを介して試料に導入される。噴出の正確に5分後に、試料に、15mL/秒の速度で合成尿の75mlの噴出で再度で負荷をかける。負荷工程は、正確に5分の噴出間隔で、本明細書に記載の通りに更に2回行われる。
【0065】
測定
4回目の噴出の吸収から10分後に、印の付けられたトップシートの矩形(55mm×105mm)を試料から切断し、ペトリ皿に入れる。次に、トップシート及びペトリ皿の重量を測定し、湿重量として記録する。
【0066】
ペトリ皿内の印の付けられたトップシートの矩形部分を、60℃に予熱された炉内に12時間入れる。次に、トップシート及びペトリ皿の重量を測定し、乾燥重量として記録する。
【0067】
湿重量と乾燥重量との差異は、トップシートに保持された液体として特定される。
【0068】
12〜18gsmの坪量を有するトップシートは、許容可能な流体保持を示すことが判明した。それにもかかわらず、13〜16gsmのより低い坪量のトップシートは、より良好に機能することが判明した。
【表1】

【0069】
再湿潤試験
再湿潤試験は、おむつの使用中の性能を判定する。この試験は、トップシートが放出する液体の量を測定する。高い再湿潤特性は、着用者を不快にすることになるので、望ましくない。試験は、約22+/−2℃及び相対湿度50+/−5%で実施されなければならない。
【0070】
試料の調製及び負荷
試料を準備し、上記のように負荷をかける。
【0071】
測定
試験を実施するために、COFFIの名称でNATURIN GmbH(Weinhein,Germany)から購入し、坪量が約28g/mであるコラーゲンフィルムを、例えば、試料切断装置を使用して直径70mmに切断し、試験室の制御環境中で(上記参照)少なくとも12時間平衡化させることによって準備する(コラーゲンフィルムの取り扱いには全てピンセットが使用されるべきである)。
【0072】
試料の負荷準備のための最後の噴出が吸収された10分後に、試験試料を実験作業台上に注意深く平らに置く。
【0073】
事前に切断し平衡にしたコラーゲン材料の4枚のシートを、少なくとも1mgの精度で秤量した後、トップシートの負荷点の中心(即ち、吸収性コアの長手方向縁部に対して中心合わせし、かつ吸収性コアの前縁部から102mm離れた点)に置き、直径が90mmで厚さが約20mmのパースペクスプレートを被せる。9.1kgの重りを注意深く(また中心に)加える。30±2秒の後、重りとパースペクスプレートを注意深く再び取り外し、コラーゲンフィルムを再び秤量する。
【0074】
負荷後の乾燥コラーゲンシートと湿潤コラーゲンシートの重量の差異は、mgで示されるコラーゲンフィルムの水分ピックアップである。
【0075】
12〜18gsmの坪量を有するトップシートは、許容可能な再湿潤を示すことが判明した。それにもかかわらず、13〜16gsmのより低い坪量のトップシートは、より良好に機能することが判明した。
【表2】

【0076】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図している。
【0077】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願書類を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、その全体を参考として本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0078】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色されたトップシートを有する使い捨ておむつであって、
該トップシートが、12gsm〜18gsmの坪量を有し、かつ複数の接合点を含み、
該接合点のそれぞれが、2mm〜5mmの面積を有し、
複数の接合点の累積面積が、前記トップシートの総面積の10%〜25%である、使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記トップシートが、少なくとも20%の熱可塑性繊維を含む、請求項1に記載の使い捨ておむつ。
【請求項3】
前記トップシートが、13gsm〜16gsmの坪量を有する、請求項1又は2に記載の使い捨ておむつ。
【請求項4】
前記接合点のそれぞれが、2.5mm〜4.5mmの面積を有し、及び/又は、前記接合点の前記累積面積が、前記トップシートの総面積の14%〜22%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項5】
前記トップシートの前記色が、ピンク色、赤、青、緑、オレンジ色、黄色、明るい青紫色、及び、それらの任意の傾向色又は混合色からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項6】
前記接合点のそれぞれが、円形、菱形、楕円形、矩形、三角形、及び、正方形からなる群から選択される形状を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項7】
前記接合点が、熱的に接合される点である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項8】
前記おむつが、
−長手方向寸法と、シャーシ後側腰部縁部と、シャーシ前側腰部縁部とを有するシャーシと、
−前記シャーシの前記長手方向寸法と共に延びる長手方向寸法と、吸収性コア後側腰部縁部と、吸収性コア前側腰部縁部と、を有し、前記シャーシ内に設けられる吸収性コアと、
を含み、
前記吸収性コア後側腰部縁部が、前記シャーシ後側腰部縁部から少なくとも10%だけ長手方向にオフセットされ、該10%のオフセットは、前記シャーシの前記長手方向寸法に基づく、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項9】
前記吸収性コアが、1つ以上の吸収性構造体を含み、
該吸収性構造体のそれぞれが、粒子状吸収性ポリマー材料を支持する不織布基材層を含み、
該粒子状吸収性ポリマー材料は、該粒子状吸収性ポリマー材料上に線維網を形成する熱可塑性接着剤組成物によって、前記不織布基材層上に固定される、請求項8に記載の使い捨ておむつ。
【請求項10】
前記トップシートが、合成繊維と、合成繊維及び天然繊維と、の組み合わせからなる群から選択される繊維を含む不織布材料で製造される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項11】
前記トップシートが二層スパンボンドである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項12】
前記トップシートが三層スパンボンドである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項13】
前記トップシートがポリプロピレン繊維で製造される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項14】
前記複数の接合点が、前記トップシートの面上に均等に分布される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項15】
前記トップシートが、前記おむつの前記シャーシと同一の広がりを持つ、請求項1〜14のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。

【図1】
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【公表番号】特表2013−500842(P2013−500842A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524001(P2012−524001)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際出願番号】PCT/US2011/040623
【国際公開番号】WO2011/163046
【国際公開日】平成23年12月29日(2011.12.29)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】