説明

供給品引上げ管理装置、供給品引上げ管理方法、供給品引上げ管理プログラム及びこれを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体

【課題】顧客への機器納入の対象地域が区分されて形成された複数の担当地域をそれぞれ担当している倉庫に保管されている、顧客に納入された機器に対する供給品を、必要に応じて当該倉庫から引上げるための供給品引上げ管理装置、供給品引上げ管理方法、供給品引上げ管理プログラム及びこれを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体の提供。
【解決手段】供給品引上げ管理装置、供給品引上げ管理方法、供給品引上げ管理プログラムは、供給品を保管した倉庫ごとに実現される。当該供給品が当該倉庫から引上げるべき引上げ品であるとの引上げ判断が行われるときに満たされるべき所定の条件は、当該供給品が供給される機器であって当該倉庫の担当地域内に納入されている機器が所定の重要性を満たしているとの条件(S4)と、当該機器が稼動状態であるとの条件(S6)との少なくとも一方が不備であることを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、倉庫に保管されている、顧客に納入された機器に対する供給品を、必要に応じて当該倉庫から引上げるための供給品引上げ管理装置、供給品引上げ管理方法、供給品引上げ管理プログラム及びこれを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、顧客に納入された機器のメンテナンスや故障に対応するため、かかる機器の保守部品を準備して倉庫に保管しておくことが行われている。かかる部品の供給は必要に応じて迅速に行うことが重要であることから、出庫を速やかに行うために、部品に電子タグ及び表示装置を取り付け、その管理等を行う技術がすでに提案されている。
【0003】
一方、倉庫に保管しておいても、過去数年間といった長期間にわたって取引のない部品がある。このような部品は、新たな機器に対する保守部品を保管すべき倉庫スペースを占有するなど、限られた倉庫スペースの有効活用の妨げとなり、倉庫の狭小化を生み出している上、在庫回転率向上の妨げともなっている。そのため、所定期間需要がなかった物品を抽出して廃棄選定する技術がすでに提案されている。
【特許文献1】特開2007−290863
【特許文献2】特開2004−185116
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、かかる部品を速やかに供給する観点から、倉庫を顧客への機器納入の対象地域に分散させて配置して物理的な距離を短縮することが行われている。この場合、各倉庫は部品供給の担当地域を有している。そのため、担当地域内に部品供給対象機器がなければ部品を保管しておく必要はなく、部品供給対象機器の廃棄等の事態が生じた場合には、部品を倉庫から引上げてその部品を必要とする地域を担当する倉庫に移送する必要がある。また、部品供給対象機器が公的機関等において用いられている重要な機器である場合には、たとえば他の機器の引上げ条件として適用されている保管期間と同一の期間が経過したことを理由に引上げると問題が生じ得る。
【0005】
このような事情があるにもかかわらず、倉庫を顧客への機器納入の対象地域に分散させて配置した場合のこれらの問題を解決するための技術は、いまだ提案されていない。倉庫には多種多様な部品が保管されており、部品の将来的な需要を、経験のみによって、部品一点一点についてその特性に応じて確認していくことは、きわめて煩雑である。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑み、顧客への機器納入の対象地域が区分されて形成された複数の担当地域をそれぞれ担当している倉庫に保管されている、顧客に納入された機器に対する供給品を、必要に応じて当該倉庫から引上げるための供給品引上げ管理装置、供給品引上げ管理方法、供給品引上げ管理プログラム及びこれを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の供給品引上げ管理装置、供給品引上げ管理方法、供給品引上げ管理プログラムは、顧客への機器納入の対象地域が区分されて形成された複数の担当地域をそれぞれ担当している倉庫に保管されている、顧客に納入された機器に対する供給品が、所定の条件を満たすときに、当該倉庫から引上げるべき引上げ品であるとの引上げ判断を行う引上げ判断を行うものであって、前記引上げ判断が行われるときに満たされるべき前記所定の条件は、前記供給品が供給される機器であって当該倉庫の担当地域内に納入されている機器が所定の重要性を満たしているとの第1の条件と、当該機器が稼動状態であるとの第2の条件との少なくとも一方が不備であることを含み、前記引上げ判断手段によって前記引上げ判断が行われたときに当該引上げ品を当該倉庫から引上げるための、前記倉庫ごとに用いられるものとされており、本発明のコンピュータ読取可能な記録媒体は、かかる供給品引上げ管理プログラムを記録したものとなっている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の供給品引上げ管理装置、供給品引上げ管理方法、供給品引上げ管理プログラムによれば、当該倉庫の担当地域内における、その倉庫で保管している供給品が供給される機器の重要性、同機器の稼動状態に応じて、適切に当該供給品を当該倉庫から引上げるかどうかを判断することができ、新たな機器に対する供給品を保管すべき倉庫スペースを占有を拡大可能であり、限られた倉庫スペースの有効活用を促進可能であり、倉庫の狭小化を緩和することが可能であり、在庫回転率向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は本発明を適用した供給品引上げ管理装置の使用態様を示す概念図である。同図において、符号100が供給品引上げ管理装置を示している。同図に示されているように、供給品引上げ管理装置100は、顧客への機器納入の対象地域に分散して配置された複数の倉庫101ごとに設けられている。
【0010】
倉庫101はそれぞれ、担当地域を有している。各倉庫101の担当地域を概念的に表すと図2に示すようになる。同図における各四角内の領域が各倉庫101の担当領域を示している。
【0011】
同図において、領域Aと領域Bとを合わせた領域が、顧客への機器納入の対象地域であり、この領域がたとえば日本全国地域であるとすると、領域Aはたとえば東日本地域であり、領域Bはたとえば西日本地域である。またこのとき、たとえば領域A1、領域A2、領域A3、領域A4はそれぞれ、東日本地域に含まれる北海道地域、東北地域、関東甲信越地域、東海北陸地域であり、領域B1、領域B2、領域B3、領域B4はそれぞれ、西日本地域に含まれる関西地域、中国地域、四国地域、九州地域である。また同様に、領域A11〜A42は領域A1〜A4に含まれる各都道府県であり、領域B11〜B43は領域B1〜B4に含まれる各府県である。
【0012】
このように、顧客への機器納入の対象地域は、担当領域の広狭によって上位から下位に、ツリー状に階層化されている。なお、顧客への機器納入の対象地域は日本全国地域でなくそのうちの一部の地域あるいは日本を含むアジア地域、全世界地域等の地域であってもよい。また階層数も図2に示したような3階層でなく、必要に応じて2階層あるいは4階層以上であってもよい。
【0013】
いずれにしても、倉庫101は、各領域にそれぞれ設けられるものであり、顧客への機器納入の対象地域が区分されて形成された複数の領域である担当地域をそれぞれ担当するものである。各倉庫101は、それぞれの担当領域内において顧客に納入された機器に対する供給品を保管する保管倉庫である。各倉庫101は、階層にかかわらず、担当領域内の機器に供給品を供給する他、他の倉庫101に供給品を給送する役目も持っている。
【0014】
ここで、機器とは、たとえば、一般的な顧客に納入されるPC等の機器のほか、公共的性格を有する行政機関、金融機関等の顧客に納入され社会的インフラ等を構成するような機器をも含むものである。また、供給品は、かかる機器を構成する有体物である部品の他、かかる機器を動作させるために必要なデータ、プログラム等の無体物をも含む。
【0015】
有体物である供給品は単なる消耗品であっても良い。無体物は、半導体媒体(たとえば、ROM、不揮発性メモリ等)、光媒体(たとえば、DVD、MO、MD、CD−R等)、磁気媒体(たとえば、ハードディスク、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のコンピュータ読取可能な記録媒体である有体物に記録された状態で保管される。
【0016】
保管、管理、出庫等の作業性、確実性、効率等の向上のため、供給品は、倉庫101に保管されるにあたり、RFIDなどの電子タグ及びこの電子タグに記憶された情報等を表示するための電子ペーパー等の表示手段としての表示装置が貼り付けの態様で付される。電子タグと表示装置とは一体型のものとされている。
【0017】
図3は供給品引上げ管理装置100の機能ブロック図である。
同図に示すように、供給品引上げ管理装置100は、供給品に関する種々の情報である供給品情報、機器に関する種々の情報である機器情報、倉庫101に関する種々の情報である倉庫情報等を入力される入力部10と、入力部10から入力された供給品情報を記憶する供給品情報記憶手段11と、入力部10から入力された機器情報を記憶する機器情報記憶手段12と、入力部10から入力された倉庫情報を記憶する倉庫情報記憶手段13とを有している。
【0018】
供給品引上げ管理装置100はまた、供給品情報記憶手段11に記憶された供給品情報と機器情報記憶手段12に記憶された機器情報とに基づいて、その供給品引上げ管理装置100が受け持っている倉庫101から引上げて他の倉庫101に出庫する供給品の候補についての引上げ候補情報を作成する引上げ候補作成部14と、引上げ候補作成部14によって作成された引上げ候補情報を記憶する引上候補情報記憶手段15とを有している。
【0019】
供給品引上げ管理装置100はまた、引上候補情報記憶手段15に記憶された引上げ候補情報と供給品情報記憶手段11に記憶された供給品情報と機器情報記憶手段12に記憶された機器情報とに基づいて、引上げ候補となった供給品から実際に引上げる供給品を選択して引上げ品として決定する引上げ決定部16を有している。
【0020】
供給品引上げ管理装置100はまた、引上げ決定部16によって引上げ品として決定された供給品を、他の倉庫101のうちの何れの倉庫101に出庫するかの出庫先の決定を、倉庫情報記憶手段13に記憶された倉庫情報に基づいて行うとともに、供給品とその出庫先とを関連付けた、引上げ品として決定された供給品を出庫するための出庫情報を作成する出庫情報作成手段として機能する出庫先決定手段としての出庫先決定部17を有している。
【0021】
供給品引上げ管理装置100はまた、出庫先決定部17によって作成された出庫情報を記憶する出庫情報記憶手段18と、出庫情報記憶手段18に記憶された出庫情報に基づいて出庫処理がスムーズに行われるように所定の出力を行う出力部19とを有している。
【0022】
入力部10には、供給品に付された電子タグに記憶された情報を読み取るための情報読取手段としてのタグリーダの他、マウス、キーボード等の各種入力インターフェイスが接続されており、これらも供給品引上げ管理装置100に含まれる。出力部19には、供給品に付された電子タグに所定の情報を記憶させたり供給品に付された表示装置に所定の情報を表示させたりするための情報出力手段の他、モニタ、プリンタ等の各種出力インターフェイスが接続されており、これらも供給品引上げ管理装置100に含まれる。
【0023】
図3に示した供給品引上げ管理装置100本体は、CPU(Central Processing Unit)、RAM、ROM等のメモリ、HDD(Hard Disk drive)、各種入出力インターフェイスに対応したI/Oポート等を備えた制御手段としてのコンピュータによって構成されており、入力部10、出力部19が主にI/Oポートによって実現され、供給品情報記憶手段11、機器情報記憶手段12、倉庫情報記憶手段13、引上候補情報記憶手段15、出庫情報記憶手段18が主にメモリやHDDによって適宜実現され、引上げ候補作成部14、引上げ決定部16、出庫先決定部17が主にCPUによって実現されている。
なお、同図において矢印で示した情報の流れ以外にも、情報の流れが生じることがあるが、これについては後述する。
【0024】
供給品情報記憶手段11に記憶される供給品情報は、各供給品それぞれについての情報である。供給品情報記憶手段11には、当該倉庫101に保管されている各供給品について、図4に示すように、仕様、版数、製造号機、製造元、耐用年数、装置名、保管期間、重用性、保管位置、最終入庫年月日、最終出庫年月日、未取引期間、引上げ候補フラグの各項目の記憶領域を有する部品情報マスタが形成される。
【0025】
これらの項目について、たとえば、装置名とは、その供給品が供給される機器すなわち供給対象機器の装置名を意味している。保管期間とは、後述するように、引上げ候補となってからその期間が過ぎたときに引上げ決定がなされる条件となる期間を意味しており、本形態では一律2年とされている。保管期間は、供給品の種類ごとに異なっていても良い。重要性とは、供給対象機器が、公共的性格を有する行政機関、金融機関等の顧客に納入され社会的インフラ等を構成するような機器であるかどうかを意味しており、そのような機器である場合にはフラグが立つようになっている。ここに、供給品情報記憶手段11は、供給対象機器の重要性を記憶する機器重要性記憶手段として機能する。未取引期間とは、その供給品が引上げ候補となってからの経過時間を意味し、ここに、供給品情報記憶手段11は、当該倉庫101におけるその供給品の不動期間を記憶する不動期間記憶手段として機能する。引上げ候補フラグとは、その供給品が引上げ候補となったときにフラグが立つ領域である。
【0026】
このような供給品情報は、供給品に付された電子タグにも記憶されており、電子タグとの情報の共有化がなされている。そのため、供給品に初めて電子タグが付されるときには、各種インターフェイスから入力部10を通じて供給品情報が入力され、供給品情報記憶手段11に記憶されるとともに、入力された情報が出力部19を介して電子タグに入力され、記憶される。また、供給品情報記憶手段11に記憶された供給品情報に上述の各種フラグが立てられたときも同様に、その情報が出力部19を介して電子タグに入力され、記憶される。
【0027】
機器情報記憶手段12に記憶される機器情報は、各供給品それぞれについての供給対象機器に関する情報である。機器情報記憶手段12には、当該倉庫101の担当地域に納入されている各機器について、図5に示すように、装置名、顧客コード、製造号機、設置場所コード、設置場所住所、担当CEコード、稼動開始日、稼動終了日、稼動終了予定、保守契約コード、保守契約開始日、保守契約終了日の各項目の記憶領域が形成され、顧客納入機器情報とされる。
【0028】
機器情報記憶手段12に記憶される機器情報としては他に、図6に示す重点監視マスタがある。重点監視マスタは、上述の重要性の判断基準となる情報を記憶領域の項目に有している。具体的に、重点監視マスタは、重要性、仕様、装置名、顧客コード、顧客名称、担当CEコードの各項目の記憶領域を有している。重要性の項目は、部品情報マスタの重要性の項目にフラグが立つ場合にこの項目と関連付けられ、この重点監視マスタとその部品情報マスタとの関連付けを行うためものである。
【0029】
倉庫情報記憶手段13に記憶される倉庫情報は、当該倉庫101でない他のそれぞれの倉庫101における供給品の在庫情報であって、当該倉庫101に保管されている供給品と同種の供給品についての在庫情報を少なくとも含む。倉庫情報は、出庫先の決定にあたって用いられるものであるため、出庫先が決定された供給品についての、他のそれぞれの倉庫101における在庫情報を少なくとも含んでいれば良い。よって、倉庫情報を読み込むタイミングは、出庫先の決定後が好ましく、この場合には引上げが決定した供給品のみについて他のそれぞれの倉庫101の在庫情報を収集すればよく、情報処理の効率が良いとともに、倉庫情報を記憶するための倉庫情報記憶手段13の領域が節減される。一方、倉庫情報を読み込むタイミングを、出庫先の決定前とすれば、当該倉庫101に保管されている全ての供給品について他のそれぞれの倉庫101の在庫情報を収集しておく必要があるものの、出庫先が決定されれば速やかに出庫先の決定が行われる。ただし、情報が古いと出庫先の正しい決定を妨げる可能性があるので、適時更新しておくことが望ましい。
【0030】
引上げ候補作成部14は、供給品情報である図4に示した部品情報マスタに含まれている装置名等の情報と、機器情報である図6に示した重点監視マスタに含まれている装置名等の情報とを照合し、同一性が確認されない場合すなわち重点監視マスタの装置名中に部品情報マスタの装置名が含まれていない場合には、その供給品の重要度が低いとして重要性の項目にフラグを立てることなく引上げ候補フラグの項目にフラグを立てて図7に示す引上げ候補情報を作成する。同一性が確認された場合には、部品情報マスタの、重要性の項目にフラグを立て、また、供給品情報である図4に示した部品情報マスタに含まれている装置名等の情報と、機器情報である図5に示した顧客納入機器情報に含まれている装置名等の情報を照合するとともに同顧客納入機器情報に含まれている稼動終了日等を参照し、供給対象機器が稼動状態でない場合には、その供給品は不要であるとして引上げ候補フラグの項目にフラグを立てて図7に示す引上げ候補情報を作成し、供給対象機器が稼動状態である場合には、未取引期間に最終入庫年月日からの経過期間を記憶する。
【0031】
引上げ候補作成部14は、耐用年数の項目を参照してこれが経過している場合にはその供給品を廃却処分に付すべき旨を決定する廃却処分の決定を行う廃却処分決定手段として機能する。廃却処分が決定された供給品は、出力部19からの入力を受けて表示部に廃却すべき旨が表示され、廃却処分されるように促される。この処理は後述する出庫処理と同様に行われるため、ここでの説明は省略する。
【0032】
このように、引上げ候補作成部14は、供給対象機器であって当該倉庫101の担当地域内に納入されている機器が上述の重要性を満たしているとの第1の条件と、供給対象機器であって当該倉庫101の担当地域内に納入されている機器が稼動状態にあるとの第2の条件との少なくとも一方が不備であるときにその供給品を引上げ候補とする引上げ候補決定手段として機能するようになっている。
【0033】
なお、引上げ候補作成部14は、引上げ候補決定手段として機能するにあたり、第1の条件と第2の条件とがともに不備であることを引上げ候補決定の条件としてもよい。また、引上げ候補作成部14は、引上げ候補決定手段として機能するにあたり、機器情報である図5に示した顧客納入機器情報に含まれている保守契約終了日等を参照し、この情報を勘案して、保守契約が切れている場合には、供給対象機器が稼動状態であっても、あるいは第1の条件と第2の条件とがともに不備であることに加えて、保守契約状態であるとの条件が不備であるとして、その供給品を引上げ候補とするようにしても良い。
【0034】
図7に示す引上げ候補情報は、引上げ候補となった各供給品それぞれについて作成される情報であり、引上候補情報記憶手段15に記憶される。引上候補情報記憶手段15には、引上げ候補となった各供給品について、図7に示すように、引上げ候補フラグ、仕様、版数、製造号機、製造元、耐用年数、装置名、保管期間、重用性、保管位置、未取引機関、稼動装置有無、引上げ決定フラグ、出庫先、出庫年月日の各項目の記憶領域を有する。
【0035】
これらの項目について、たとえば、未取引期間とは、引上げ候補となってからの経過時間が記憶される領域であり、ここに、引上候補情報記憶手段15は、当該倉庫101におけるその供給品の不動期間を記憶する不動期間記憶手段として機能する。稼動装置有無とは、引上げ候補の決定の際に図5に示した顧客納入機器情報を参照したときに、供給対象機器が稼動状態にあるか否かを判断した結果を記憶する領域を意味しており、ここに、引上候補情報記憶手段15は、機器稼動状態記憶手段として機能する。引上げ決定フラグとは、後述するように引上げ決定部16によって引上げが決定されたときにフラグが立つ領域である。出庫先とは、後述するように出庫先決定部17によって出庫先の決定が行われたときにその出庫先が記憶される領域である。出庫年月日とは、後述するように出庫先決定部17によって作成された出庫情報と梱包された供給品の電子タグに記憶されている記憶とが一致したときにその年月日が記憶される領域である。重要性の項目は、部品情報マスタにおける重要性の項目と同様であり、ここに、引上候補情報記憶手段15は、供給対象機器の重要性を記憶する機器重要性記憶手段として機能する。
【0036】
引上げ決定部16は、引上げ候補情報の未取引期間に記憶されている、引上げ候補となってからの経過時間が、保管期間を経過しているかどうか、すなわち、引上げ候補となってから当該倉庫101に保管期間である所定期間保管されているとの第3の条件を満たすかどうかを判断し、満たす場合には、その供給品について、当該倉庫101から引上げるべき引上げ品であるとの引上げ決定を行う。ここに、引上げ決定部16は、保管期間判断手段として機能する。
【0037】
このように、第3の条件を満たすことを引上げ決定の条件とすることで、当該倉庫101で一定期間需要がなく、当該倉庫101の担当地域で未使用状態が継続すると見込まれる供給品を他の倉庫101に送ることとなるため好ましい。
なお、引上げ決定が行われると、図7に示した引上げ候補情報の引上げ決定フラグの項目にフラグが立つ。
【0038】
以上のことから明らかなように、引上げ候補作成部14と、引上候補情報記憶手段15と、引上げ決定部16とは、第1、第2、第3の条件に基づいて、供給品がこれを保管した倉庫101から引上げるべき引上げ品であるとの引上げ判断を行う引上げ判断手段20を構成している。
【0039】
なお、引上げ決定部16は、引上げ決定を行うときには、念のため、第1の条件と第2の条件を再度チェックし、これらの条件が維持されているときだけ引上げを決定する。条件が維持されていない場合には、引上げ候補の解除を行う。ここに、引上げ決定部16は、引上げ候補解除手段として機能する。また、引上げ決定にあたって参照される、図7に示した引上げ候補情報の未取引期間に記憶される経過時間の起算時は、その供給品がその倉庫101による保管を開始された、例えば最終入庫年月日など、他の時点であってもよい。
【0040】
出庫先決定部17は、引上げ判断手段20によって引上げ品であると判断された供給品について、倉庫情報記憶手段13に記憶されている、当該倉庫101でない他のそれぞれの倉庫101における在庫情報の検索を行い、引上げ品であると判断された供給品の在庫がない、あるいは少なくなっており、その供給品が不足していると判断した倉庫101を、出庫先に決定する。このように、出庫先決定部17は、引上げ判断手段20によって引上げ判断が行われたときのために、その供給品を当該倉庫101から他の倉庫101のうちの何れに出庫するかの出庫先の決定を行う出庫先決定手段として機能する。なお、出庫先の決定は、引上げ判断手段20によって引上げ判断が行われる前であってもよいが、出庫先の決定が早すぎると、正しい決定がなされない可能性があるので、この場合は適時更新しておくことが望ましい。
【0041】
出庫先の決定にあたり、出庫先決定部17は、図2を参照して説明したように担当地域の広狭によって上位から下位に階層化された倉庫101の上位から下位に向けて、上述の検索を行い、引上げ品であると判断された供給品の在庫がない、あるいは少なくなっており、その供給品が不足していると判断した倉庫101が見つかった時点でその倉庫101を出庫先に決定する。上位の階層であるほど担当地域が広いことから、供給品がその担当地域で機器に供給される可能性が高いため、高い供給効率が見込まれるという利点がある。なお、その供給品が不足している倉庫101が見つからなかった場合には、その供給品の在庫が最も少ない倉庫101を出庫先に決定する。
【0042】
出庫先が決定すると、図7に示した引上げ候補情報の出庫先の領域に決定した出庫先が記憶される。これにより、図7に示した引上げ候補情報には、引上げ決定フラグの項目にフラグが立てられているとともに、出庫先の項目に決定された出庫先が記憶された状態となり、出庫情報となる。
【0043】
ただし、出庫先決定部17は、出庫先の決定にあたり、担当地域内に納入されている機器について、上述の第1の条件と第2の条件とのうち少なくとも一方が満たされている倉庫101を優先して出庫先として決定するようにしてもよい。すなわち、この場合には、第1の条件と第2の条件とのうち少なくとも一方が満たされている倉庫101についてのみ、上位の階層の倉庫101から下位の階層の倉庫101に向けて上述の検索を行い、引上げ品であると判断された供給品の在庫がない、あるいは少なくなっており、その供給品が不足していると判断した倉庫101が見つかった時点でその倉庫101を出庫先に決定する。
【0044】
第1の条件、第2の条件を満たすことはその供給品の重要度が高いことを意味するため、そのような担当地域に供給品を供給する意義が大きいという利点があるとともに、その供給品が当該他の倉庫101の担当地域で供給対象機器に供給される可能性が高いため、高い供給効率が見込まれるという利点がある。
【0045】
このような検索を行う場合には、倉庫情報記憶手段13に記憶させる倉庫情報等に、他の倉庫101に保管されている供給品について第1の条件、第2の条件を判断するのに要する情報を含ませておく。
【0046】
出庫情報記憶手段18は、出庫先決定部17によって作成された出庫情報を記憶する。出庫先決定部17によって出庫情報が作成された時点では、図7に示した引上げ候補情報における出庫年月日の項目に対応する部分には情報が記憶されてない状態となっている。
【0047】
出力部19は、出庫情報記憶手段18に記憶された出庫情報に基づいて出庫処理がスムーズに行われるように、出庫情報に含まれている出庫先の情報を参照して、引上げ品と判断された供給品の表示装置に出庫先を表示させる。このように、かかる表示装置は、供給品にそれぞれ配設され、出庫先の決定が行われたときにその出庫先の表示を行うための出庫先表示手段として機能するようになっている。
【0048】
よって、当該倉庫101で引上げ作業等を行っている作業者は、表示装置に出庫先が表示された供給品が引上げ品と判断された供給品であると容易に判別が付き、出庫作業をすべき供給品であるか否かの見分けが容易であるとともに、出庫作業をすべき供給品であると見分けたものについて、表示装置に表示された出庫先ごとに供給品を仕分ければよいため、出庫作業の作業効率が極めて高い。
【0049】
仕分けた供給品は、出庫先ごとに準備された箱等の梱包体に収容する。梱包体には、出庫先に関する出庫先情報が記憶された、供給品に付されたのと同様の方式の電子タグ及び出庫先が表示される表示装置が付されている。
【0050】
入力部10は、梱包体に収容された供給品の電子タグを読み取るとともに、その梱包体に付された電子タグを読み取り、出庫先決定部17は、それぞれに記憶された出庫先に関する情報が一致しているか否か確認する。出庫先決定部17は、梱包体側の電子タグと供給品側の電子タグとで出庫先に関する情報が一致している供給品については、出庫情報記憶手段18に記憶されている出庫情報における出庫年月日の項目にそのときの年月日を記憶し、かかる出庫先に関する情報が一致していない供給品については、出力部19により、その供給品及びその供給品を収容した梱包体の表示装置に、仕分けが誤っている旨や仕分けをやり直す旨等の表示を行わせる。
【0051】
全ての供給品について、出庫先に関する情報が、その梱包体の出庫先に関する情報と一致し、出庫情報記憶手段18に記憶されている出庫情報における出庫年月日の項目にそのときの年月日が記憶されると、出力部19はその梱包体の表示装置に出庫可能である旨等の表示を行い、その梱包体及びこれに収納されている供給品の出庫作業を促す。
【0052】
以上説明した供給品引上げ管理装置100によって実現される供給品引上げ管理方法について、図8を参照して説明する。なお、重複説明を避けるため、すでに述べた事項については適宜記載を省略する。
【0053】
倉庫管理者等の作業者による作業によって、供給品が、倉庫101内の保管位置から取り出され、供給品に付された電子タグが、入力部10に接続されたタグリーダで読み取られ、供給品の情報を収集する(S1)。この情報の収集のタイミングは、半期すなわち半年に一度、あるいは3、4ヶ月に一度など、その倉庫101の棚卸し等のタイミングで行われる。
【0054】
ステップS1で収集された情報に基づいて、供給品情報記憶手段11に記憶されている、その供給品についての部品情報マスタが読み出され、引上げ候補フラグが立っている場合には、引上げ候補フラグが立ったときからの期間によって未取引期間の更新が行われる(S2)。未取引期間の更新は、出力部19に接続された情報出力手段によって、その供給品に付されている電子タグに対しても行われる。
【0055】
読み出された部品情報マスタを構成している情報に基づいて、機器情報記憶手段12に記憶されている、その供給品の供給対象機器の顧客納入機器情報及び重点監視マスタが読み出される(S3)。
【0056】
その供給品の引上げ候補フラグが立っていない場合には、ステップS2においては最終入庫年月日の入力が行われる態様で未取引期間の更新が行われ、ステップS3で読み出された顧客納入機器情報及び重点監視マスタを構成している情報に基づいて、その供給品に上述した重要性があるか否かが判断される(S4)。このように、供給品引上げ管理装置100は重要性判断手段、第1の条件判断手段として機能するものであり、ステップS4は重要性判断ステップ、第1の条件判断ステップとなっている。
【0057】
ステップS4において重要性がないと判断されたときには、その供給品の部品情報マスタの重要性のフラグを立てることなく、引上げ候補作成部14によって、その供給品を引上げ候補とする引上げ候補情報化が行われる(S5)。この引上げ候補情報化は、供給品情報記憶手段11に記憶されている、その供給品についての部品情報マスタに対して行われるとともに、出力部19に接続された情報出力手段によって、その供給品に付されている電子タグに対しても行われる。この引上げ候補情報化は、引上げ候補情報の作成も伴っており、作成された引上げ候補情報は、引上候補情報記憶手段15に記憶される。
【0058】
ステップS4において重要性があると判断されたときには、その供給品の部品情報マスタの重要性のフラグを立てるとともに、ステップS3で読み出された顧客納入機器情報を構成している情報に基づいてその供給品を保管している倉庫101の担当地域内の供給品対象機器が稼動しているか否かが判断される(S6)。このように、供給品引上げ管理装置100は機器稼動性判断手段、第2の条件判断手段として機能するものであり、ステップS6は重要性判断ステップ、第2の条件判断ステップとなっている。
【0059】
ステップS6において供給品対象機器が稼動していないと判断されたときには引上げ候補作成部14によってその供給品を引上げ候補とする引上げ候補情報化が行われる(S5)。この引上げ候補情報化は、ステップS4において重要性がないと判断されたときと同様に行われ、また、重要性のフラグを立てる処理は、供給品情報記憶手段11に記憶されている、その供給品についての部品情報マスタに対して行われるとともに、出力部19に接続された情報出力手段によって、その供給品に付されている電子タグに対しても行われ、また引上げ候補情報にもこれが反映される。
【0060】
一方、ステップS3の後、その供給品の引上げ候補フラグが立っている場合には、引上候補情報記憶手段15に記憶されているその供給品の引上げ候補情報が読み出され、この引上げ候補情報並びにステップS3で読み出された顧客納入機器情報及び重点監視マスタを構成している情報に基づいて、上述のステップS4、ステップS6と同様にしてその供給品が引上げ候補としての的確性を維持しているかどうかが確認される。
【0061】
かかる的確性が維持されているときには上述のステップS5において引上げ候補情報化がなされている状態が維持される。このとき、引上げ候補情報の未取引期間の情報は、引上げ候補作成部14によって、その供給品の部品情報マスタの未取引期間の情報に一致するように更新される。なお、場合に応じて、引上げ候補情報、部品情報マスタの重要性の項目について、重要性のフラグが立つ状態への情報の変更が行われる。
【0062】
かかる的確性が維持されていないとき、すなわちステップS4において重要性があると判断されるとともにステップS6において供給品対象機器が稼動していると判断されたときは、引上げ候補作成部14によって、その供給品を引上げ候補から外す引上げ候補解除処理が行われる。具体的には、引上げ候補情報が破棄されるとともに、引上げ候補フラグの解除が行われる。引上げ候補フラグの解除は、供給品情報記憶手段11に記憶されている、その供給品についての部品情報マスタに対して行われるとともに、出力部19に接続された情報出力手段によって、その供給品に付されている電子タグに対しても行われる。
【0063】
以上のようなステップS1〜ステップS6の処理が行われると、その供給品の引上げ候補情報が参照され(S7)、未取引期間と保管期間とが比較され(S8)、未取引期間が保管期間を下回っているときには、その供給品は、その供給品についての次の情報の収集のタイミングまでその倉庫101に保管される。なお、保管位置が変更されるときには、これがその供給品の部品情報マスタ、引上げ候補情報、電子タグに反映される。ステップS8において、未取引期間が保管期間以上となっていると判断されたときには、引上げ決定部16によって、その供給品の引上げが決定され、引上げ候補情報の引上げ決定フラグが立てられる(S9)。このように、引上げ決定部16は不動期間判断手段、第3の条件判断手段として機能するものであり、ステップS8は不動期間判断ステップ、第3の条件判断ステップとなっている。
【0064】
このようにして引上げ判断手段20によってその倉庫101から引上げるべき引上げ品であるとの引上げ判断がなされた供給品については、出庫先決定部17によって、倉庫情報記憶手段13に記憶されている倉庫情報が読み出され、その引上げ決定供給品が不足している、その倉庫101の担当地域と異なる担当地域を担当している倉庫101が検索され(S10)、すでに述べたようにして出庫先の決定が行われる(S11)とともに出庫先の記憶が行われて出庫情報が作成され(S12)、また、出力部19によってその供給品の表示装置に出庫先が表示される(S13)。
【0065】
作業者による作業によって、表示装置に表示された出庫先に応じて、その供給品が、集合梱包を行うべく、出庫先ごとに用意された梱包体に収容される。供給品が梱包体に収容されるたびに、あるいは収容された供給品の数がその梱包体の最大収容可能数に達するなどしたときに、供給品の電子タグが読み取られ、これによって出庫先毎に仕分けられた引上げ決定供給品の情報収集が行われる(S15)とともに、これを収容している梱包体の電子タグが読み取られて、出庫情報と一致しているか否かが判断される(S16)。
【0066】
出庫情報と一致していないときは、出庫情報と一致していない引上げ決定品を、出庫情報と一致する他の梱包体に収容しなおすなどし、出庫情報と一致した状態となるまでステップS14〜ステップS16が繰り返される。ステップS16で出庫情報と一致したら、出力部19に接続されているプリンター等を用いて、引上げ決定品を収容した状態の梱包体を出庫先に運搬するべく、運送会社への送り状を出力し(S17)、梱包体を密封するなどして出庫すなわち出荷を行う(S18)。
【0067】
なお、倉庫101内を含み、供給品を出庫終了過程まで運搬する手段は、その一部又は全部を自動倉庫のような自動制御される運搬手段によって行うようにしても良い。また、供給品引上げ管理装置100は、電子タグの読み取り、書込み等を行うためのインターフェイスについては倉庫101内部あるいはその敷地内に配設して各倉庫101それぞれに対して設けられるものの、それ以外の部分については、実質的に各倉庫101それぞれに対して設けられるのであれば、インターネット、LAN等のネットワークで接続することにより、他の場所に配設してもよい。
【0068】
このような供給品引上げ管理装置100、供給品引上げ管理方法を実現する供給品引上げ管理プログラム及びコンピュータ読取可能な記録媒体について説明すると、かかるプログラムは、供給品引上げ管理装置100のROMに記憶され、CPUで実行されるものであり、かかるROMがコンピュータ読取可能な記録媒体に相当する。ただし、かかるプログラムを記憶するコンピュータ読取可能な記録媒体は、半導体媒体(たとえば、RAM、不揮発性メモリ等)、光媒体(たとえば、DVD、MO、MD、CD−R等)、磁気媒体(たとえば、ハードディスク、磁気テープ、フレキシブルディスク等)の何れでも良い。かかる記録媒体には、かかるプログラムを記憶したサーバコンピュータのハードディスク等の記憶装置も、インターネット、LAN等のネットワークで接続された利用者のコンピュータ等を通じてかかるプログラムをダウンロードして配布する場合等においては、これに含まれる。プログラムの実行の態様には、ロードしたプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステム等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述の方法が実現される場合が含まれる。
【0069】
供給品引上げ管理プログラムを、これを記録した記録媒体から供給品引上げ管理装置100に導入する場合には、かかる記録媒体の読み取りに適した情報読取手段を入力部10に接続して供給品引上げ管理装置100を構成し、RAM、HDD等に記憶することが可能である。
【0070】
(付記1)
顧客への機器納入の対象地域が区分されて形成された複数の担当地域をそれぞれ担当している倉庫に保管されている、顧客に納入された機器に対する供給品が、所定の条件を満たすときに、当該倉庫から引上げるべき引上げ品であるとの引上げ判断を行う引上げ判断手段を備え、前記引上げ判断手段によって前記引上げ判断が行われるときに満たされるべき前記所定の条件は、前記供給品が供給される機器であって当該倉庫の担当地域内に納入されている機器が所定の重要性を満たしているとの第1の条件と、当該機器が稼動状態であるとの第2の条件との少なくとも一方が不備であることを含み、前記引上げ判断手段によって前記引上げ判断が行われたときに当該引上げ品を当該倉庫から引上げるための、前記倉庫ごとに設けられた供給品引上げ管理装置。
【0071】
(付記2)
付記1記載の供給品引上げ管理装置において、前記所定の条件は、当該供給品が当該倉庫に所定期間保管されているとの第3の条件を含むことを特徴とする供給品引上げ管理装置。
【0072】
(付記3)
付記1又は2記載の供給品引上げ管理装置において、前記引上げ判断手段によって前記引上げ判断が行われたときのために、当該供給品を、当該倉庫から、他の前記倉庫のうちの何れに出庫するかの出庫先の決定を行う出庫先決定手段を有し、この出庫先決定手段は、前記倉庫であって前記担当地域の広狭によって上位から下位に階層化された倉庫の上位から下位に向けて、当該供給品の不足を判断していき、当該供給品が不足していると判断した倉庫を、前記出庫先に決定することを特徴とする供給品引上げ管理装置。
【0073】
(付記4)
付記3記載の供給品引上げ管理装置において前記出庫先決定手段は、前記出庫先の決定にあたり、第1の条件及び/又は第2の条件が満たされている倉庫を優先して前記出庫先として決定することを特徴とする供給品引上げ管理装置。
【0074】
(付記5)
付記3又は4記載の供給品引上げ管理装置において、前記供給品にそれぞれ配設され、前記出庫先の決定が行われたときに当該出庫先の表示を行うための出庫先表示手段を有することを特徴とする供給品引上げ管理装置。
【0075】
(付記6)
顧客への機器納入の対象地域が区分されて形成された複数の担当地域をそれぞれ担当している倉庫に保管されている、顧客に納入された機器に対する供給品が、所定の条件を満たすときに、当該倉庫から引上げるべき引上げ品であるとの引上げ判断を行う引上げ判断手段を用い、前記引上げ判断手段によって前記引上げ判断が行われるときに満たされるべき前記所定の条件は、前記供給品が供給される機器であって当該倉庫の担当地域内に納入されている機器が所定の重要性を満たしているとの第1の条件と、当該機器が稼動状態であるとの第2の条件との少なくとも一方が不備であることを含み、前記引上げ判断手段によって前記引上げ判断が行われたときに当該引上げ品を当該倉庫から引上げるための、前記倉庫ごとに用いられる供給品引上げ管理方法。
【0076】
(付記7)
付記6記載の供給品引上げ管理方法において、前記所定の条件は、当該供給品が当該倉庫に所定期間保管されているとの第3の条件を含むことを特徴とする供給品引上げ管理方法。
【0077】
(付記8)
付記6又は7記載の供給品引上げ管理方法において、前記引上げ判断手段によって前記引上げ判断が行われたときのために、当該供給品を、当該倉庫から、他の前記倉庫のうちの何れに出庫するかの出庫先の決定を行う出庫先決定手段を用い、この出庫先決定手段は、前記倉庫であって前記担当地域の広狭によって上位から下位に階層化された倉庫の上位から下位に向けて、当該供給品の不足を判断していき、当該供給品が不足していると判断した倉庫を、前記出庫先に決定することを特徴とする供給品引上げ管理方法。
【0078】
(付記9)
付記8記載の供給品引上げ管理方法において、前記出庫先決定手段は、前記出庫先の決定にあたり、第1の条件及び/又は第2の条件が満たされている倉庫を優先して前記出庫先として決定することを特徴とする供給品引上げ管理方法。
【0079】
(付記10)
付記8又は9記載の供給品引上げ管理方法において、前記供給品にそれぞれ配設され、前記出庫先の決定が行われたときに当該出庫先の表示を行うための出庫先表示手段を用いることを特徴とする供給品引上げ管理方法。
【0080】
(付記11)
顧客への機器納入の対象地域が区分されて形成された複数の担当地域をそれぞれ担当している倉庫に保管されている、顧客に納入された機器に対する供給品が、所定の条件を満たすときに、当該倉庫から引上げるべき引上げ品であるとの引上げ判断を行う引上げ判断ステップを備え、前記引上げ判断ステップによって前記引上げ判断が行われるときに満たされるべき前記所定の条件は、前記供給品が供給される機器であって当該倉庫の担当地域内に納入されている機器が所定の重要性を満たしているとの第1の条件と、当該機器が稼動状態であるとの第2の条件との少なくとも一方が不備であることを含み、前記引上げ判断手段によって前記引上げ判断が行われたときに当該引上げ品を当該倉庫から引上げるための、前記倉庫ごとに用いられる供給品引上げ管理プログラム。
【0081】
(付記12)
付記11記載の供給品引上げ管理プログラムにおいて、前記所定の条件は、当該供給品が当該倉庫に所定期間保管されているとの第3の条件を含むことを特徴とする供給品引上げ管理プログラム。
【0082】
(付記13)
付記11又は12記載の供給品引上げ管理プログラムにおいて、前記引上げ判断ステップによって前記引上げ判断が行われたときのために、当該供給品を、当該倉庫から、他の前記倉庫のうちの何れに出庫するかの出庫先の決定を行う出庫先決定ステップを有し、この出庫先決定ステップは、前記倉庫であって前記担当地域の広狭によって上位から下位に階層化された倉庫の上位から下位に向けて、当該供給品の不足を判断していき、当該供給品が不足していると判断した倉庫を、前記出庫先に決定することを特徴とする供給品引上げ管理プログラム。
【0083】
(付記14)
付記13記載の供給品引上げ管理プログラムにおいて、前記出庫先決定ステップは、前記出庫先の決定にあたり、第1の条件及び/又は第2の条件が満たされている倉庫を優先して前記出庫先として決定することを特徴とする供給品引上げ管理プログラム。
【0084】
(付記15)
付記13又は14記載の供給品引上げ管理プログラムにおいて、前記供給品にそれぞれ配設され、前記出庫先の決定が行われたときに当該出庫先の表示を行うための出庫先表示ステップを有することを特徴とする供給品引上げ管理プログラム。
【0085】
(付記16)
付記11ないし15の何れか1つに記載の供給品引上げ管理プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【0086】
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0087】
たとえば、供給品に付する情報管理手段は電子タグ、電子ペーパー等でなく、ラベル等の用紙等であってもよい。ただし、上述の入力部10、出力部19を備え、情報を電子的に処理することとの相性から、かかる情報管理手段は電子タグ、電子ペーパー等の電子媒体であることが好ましい。
【0088】
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明を適用した供給品引上げ管理装置の使用態様の概念図である。
【図2】各倉庫の担当領域の概念図である。
【図3】本発明を適用した供給品引上げ管理装置の機能ブロック図である。
【図4】図3に示した供給品情報記憶手段に記憶される部品情報マスタの概念図である。
【図5】図3に示した機器情報記憶手段に記憶される顧客納入機器情報の概念図である。
【図6】図3に示した機器情報記憶手段に記憶される重点監視マスタの概念図である。
【図7】図3に示した引上候補情報記憶手段に記憶される引上げ候補情報の概念図である。
【図8】本発明を適用した供給品引上げ管理方法のフローチャートである。
【符号の説明】
【0090】
17 出庫先決定手段
20 引上げ判断手段
100 供給品引上げ管理装置
101 倉庫
A、B、A1、B1、・・・ 担当領域
S4、S6、S8 引上げ判断ステップ
S11 出庫先決定ステップ
S13 出庫先表示ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客への機器納入の対象地域が区分されて形成された複数の担当地域をそれぞれ担当している倉庫に保管されている、顧客に納入された機器に対する供給品が、所定の条件を満たすときに、当該倉庫から引上げるべき引上げ品であるとの引上げ判断を行う引上げ判断手段を備え、
前記引上げ判断手段によって前記引上げ判断が行われるときに満たされるべき前記所定の条件は、前記供給品が供給される機器であって当該倉庫の担当地域内に納入されている機器が所定の重要性を満たしているとの第1の条件と、当該機器が稼動状態であるとの第2の条件との少なくとも一方が不備であることを含み、
前記引上げ判断手段によって前記引上げ判断が行われたときに当該引上げ品を当該倉庫から引上げるための、前記倉庫ごとに設けられた供給品引上げ管理装置。
【請求項2】
請求項1記載の供給品引上げ管理装置において、
前記所定の条件は、当該供給品が当該倉庫に所定期間保管されているとの第3の条件を含むことを特徴とする供給品引上げ管理装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の供給品引上げ管理装置において、
前記引上げ判断手段によって前記引上げ判断が行われた場合に、当該供給品を、当該倉庫から、他の前記倉庫のうちの何れに出庫するかの出庫先の決定を行う出庫先決定手段を有し、
この出庫先決定手段は、前記倉庫であって前記担当地域の広狭によって上位から下位に階層化された倉庫の上位から下位に向けて、当該供給品の不足を判断していき、当該供給品が不足していると判断した倉庫を、前記出庫先に決定することを特徴とする供給品引上げ管理装置。
【請求項4】
請求項3記載の供給品引上げ管理装置において、
前記出庫先決定手段は、前記出庫先の決定にあたり、第1の条件及び/又は第2の条件が満たされている倉庫を優先して前記出庫先として決定することを特徴とする供給品引上げ管理装置。
【請求項5】
請求項3又は4記載の供給品引上げ管理装置において、
前記供給品にそれぞれ配設され、前記出庫先の決定が行われたときに当該出庫先の表示を行うための出庫先表示手段を有することを特徴とする供給品引上げ管理装置。
【請求項6】
顧客への機器納入の対象地域が区分されて形成された複数の担当地域をそれぞれ担当している倉庫に保管されている、顧客に納入された機器に対する供給品が、所定の条件を満たすときに、当該倉庫から引上げるべき引上げ品であるとの引上げ判断を行う引上げ判断手段を用い、
前記引上げ判断手段によって前記引上げ判断が行われるときに満たされるべき前記所定の条件は、前記供給品が供給される機器であって当該倉庫の担当地域内に納入されている機器が所定の重要性を満たしているとの第1の条件と、当該機器が稼動状態であるとの第2の条件との少なくとも一方が不備であることを含み、
前記引上げ判断手段によって前記引上げ判断が行われたときに当該引上げ品を当該倉庫から引上げるための、前記倉庫ごとに用いられる供給品引上げ管理方法。
【請求項7】
顧客への機器納入の対象地域が区分されて形成された複数の担当地域をそれぞれ担当している倉庫に保管されている、顧客に納入された機器に対する供給品が、所定の条件を満たすときに、当該倉庫から引上げるべき引上げ品であるとの引上げ判断を行う引上げ判断ステップを備え、
前記引上げ判断ステップによって前記引上げ判断が行われるときに満たされるべき前記所定の条件は、前記供給品が供給される機器であって当該倉庫の担当地域内に納入されている機器が所定の重要性を満たしているとの第1の条件と、当該機器が稼動状態であるとの第2の条件との少なくとも一方が不備であることを含み、
前記引上げ判断手段によって前記引上げ判断が行われたときに当該引上げ品を当該倉庫から引上げるための、前記倉庫ごとに用いられる供給品引上げ管理プログラム。
【請求項8】
請求項7記載の供給品引上げ管理プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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