説明

便器用取付具

【課題】排泄が起きるまで幼児を便器上にとどめておくためのトイレトレーニング装置を提供する。
【解決手段】漫画又はデザインを含む1つの装飾体12を2つの部分に分け、第1部分14をトイレタンク22の上面にトイレタンク22から上方に突き出るように取付け、第2部分16はトイレタンク22の前面上に下方に向かって従属状態で提供され、便座蓋28が閉じている時に装飾体12全体が見えるようになっている。第2部分16に類似する顔が便座蓋28の下面に取付けられている。便座蓋28を開けると、トレーニング中の幼児が装飾体12に注目してトイレトレーニング指示により反応しやすいように漫画キャラクターの視覚的連続性が維持されるようになっている。便器26の外周部は装飾体12とコーディネートされてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幼児のトイレトレーニングの促進を目的として便器に取付ける装飾物に関する。
【背景技術】
【0002】
幼児のトイレトレーニングのため、長年に渡っていろいろな技術が利用されているが、それ程の効果は見られていない。また、ある幼児には効果があるものが他の幼児には失敗となってトレーニングをさらに難しくすることがある。
【0003】
ある技術は、幼児の関心をつかんで、排泄が起きるまで幼児を室内便器上にとどめておくようにベル、笛及び特別な音響効果を有する室内便器によるものである。このような室内便器の例は1997年8月5日に登録されたグローリー エス.ホスキンの米国特許5652975号と、2000年3月21日に登録されたウィリアム エイ.クラークの米国特許6038711号に開示されている。
【0004】
ホスキンは容器支持構造体12と容器支持構造体によって支持される容器14とを含む自動会話式室内便器装置を開示している。座面16は容器上に提供され、幼児が座面に座る間は幼児座位センサー構造体24が感知するようになっている。制御構造体(タイマー20)が幼児座位構造体に接続されており、性別選択スイッチ22が制御構造体へ接続されている。タイマーがサイクルに従って作動するにつれて、チップ25又はチップ26が室内便器を使用する幼児へ増幅器によって性別に合ったメッセージを提供する。
【0005】
クラークは、幼児を惹きつけるための擬水流音を発するハンドル26を有する小型模型トイレに似た室内便器20を開示している。表示可能トロフィー42とキャンディ、ステッカー及びおもちゃ等の褒美保存部屋を含む2段階褒美システムが幼児に装置の使用を促し、トイレットトレーニングの習得を加速させる。図2で示すように、ステッカーをトイレ座部の下面に適用でき、後方部材はタンクの内容物が観察できるように透明プラスチックで作られることができる。室内便器は保管が困難で邪魔になる。また、室内便器を使用の度に掃除しなければならない。
【0006】
室内便器との組み合わせで使用できる別の技術、、又はその代わりとなる技術には、従来の便器への装飾物又は取付具によるものがある。取付具は審美的に楽しいものであって、幼児の便器への注目度に重点を置き、トレーニングもこれに関する。2001年3月13日登録のエイオン エヌ.クリスマスの米国意匠登録第438940号は装飾便器を開示しており、一方、2000年3月14日登録のスティーブン ケイ.バビロンの米国特許第6047871号は便器用取付具を開示している。
【0007】
クリスマスは水タンク、便器及び便座蓋に軸で取付けられた便座を含むトイレについて説明している。便座蓋の下側の、上列を表す絵又はステッカーと下列を表す絵又はステッカーを示す。図2は水タンク前面部の目、水タンクの両側の耳を示す。便器を開けるために便座が上方に軸回転されると、蓋がタンクの目を覆い隠すようになっている。
【0008】
バビロンはトイレ12,14,15,18を含むトイレ衛生トレーニングシステムを開示している。トイレ感知収容部20はタンクに取り外し可能にカップリングされており、収容部はトレーニング中の幼児が喜ぶ楽しいキャラクターを提供するように猿の形状である。トイレ音再生構造体28(図3参照)はトイレ感知収容部内に収容されている。便座センサー34はトイレ感知収容部へカップリングされており、ハンドルセンサー36はトイレ感知収容部へカップリングされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述のトイレトレーニング装置は1以上の以下の欠点を有する。クリスマスが開示する様ないくつかの装置では、既存技術のトイレタンクにタンクの両側から横方向に突き出る耳を追加する設定をしなければならない。バビロン等の他の装置では、猿の形状をしたユニークな収容部が音声再生構造体、デジタル再生制御体等の電子部品を収容している。これらの部品はトイレ付近の便座、ハンドル、踏み台等周囲のセンサーによって作動される。その結果、簡単で効果的な、従来のトイレに使用でき、設置に手間がかからず、最終的には取り外せるトイレトレーニングシステムとしては不満が残る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、従来のトイレへ簡単に取り付けることができ、トイレトレーニングが終了した時には簡単に取り外すことができる装飾体を含むトイレトレーニングシステムを提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、トイレトレーニング中の幼児がトイレを親しい相手として見ることができるよう、装飾的漫画、デザインあるいはこれらの組み合わせをトイレタンクの上部及び前面部に固定することである。
【0012】
別の目的は、便座蓋の下側とトイレタンクの前面部を延び下る装飾体部分の従属部分に同一又は一致する漫画又はデザインを提供することである。便座の下側とトイレタンクの前面部の漫画は、タンク上部に固定された装飾体の上部分の漫画キャラクターと視覚的にコーディネートされている。
【0013】
さらに別の目的は、描写又はステッカーによって、トイレ基部がトイレタンクに固定された装飾体の漫画キャラクター又はデザインの下部分を表すことである。
【0014】
その他の目的及び利点は、添付の図面を明細書と共に理解することで明らかになるであろう。
【0015】
前述の目的を達成するため、装飾体を含むトイレトレーニングシステムが提供される。装飾体は耳を有する頭部等の上方に延びている第1部分と顔等の従属する第2部分を含んでいる。装飾体の第1部分は、装飾体の2部分が相補的な画像を提供するようにトイレタンクに取り付けられている。第2部分はタンクの前面と接触する。トイレタンクは便器と協調的に関連している。蓋はトイレタンクに関して軸回りに回動するように便器に固定されている。蓋の下側は装飾体の従属部分の画像と一致する画像で装飾されている。よって、蓋が装飾体の従属部分の画像を覆う位置に回動されると、蓋の下側の画像が代わりとなって視覚的連続性を維持する。
【0016】
さらに、装飾体の第1部分はトイレタンクに取り付けられるか又は固定されることができる。装飾体の第1部分は突き出た耳を有する犬の頭の形状でもよく、第2部分は目、鼻及び口を有する犬の顔でもよい。装飾体の第1部分は3次元画像を表すように型取ったプラスチック又は平面画像を表す堅いボール紙への印刷物でもよく、第2部分はトイレタンクの前面に適用されたステッカー又は印刷でもよい。蓋の下側の画像は装飾体の第2部分に対応するステッカー又は印刷でもよい。
【0017】
最後に、便器は装飾体の画像と一致する状態に装飾されてもよい。このように、便器は犬の体を連想させるように印刷されるか又は装飾される。犬の体の斑点、手足はトイレトレーニングの成功率を上昇させるよう便器の外側に描かれてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1と図2は本発明のトイレトレーニング装置を示す。トイレトレーニング装置は番号10で示されており、犬やネコ等の親しみやすい動物、童話の登場人物、童謡、デザイン又は運動選手等のキャラクターが提供された装飾体12を含んでいる。
【0019】
装飾体12は2つの視覚的相補的な部分を含んでいる。装飾体12は耳や別部分16等の直立部分14を含む第1部分を含んでいる。実施例では、全体が漫画の顔となっている。第2部分16は楽しい雰囲気にアレンジされた目17、鼻19及び口21で装飾されてもよい。第1部分14は、狭間隔18又はトイレタンク22のカバー20の側面19によって第2部分16から分離されてもよい。
【0020】
ハンドル24はタンク22から便器26への水流を制御し、ハンドル24は従来型又は漫画キャラクターに合う形状であってもよい。ここでは漫画キャラクターは犬であり、ハンドル24は犬の骨の形状でもよい。便座蓋28は、図1では従来技術のように下方にあり、便座30に重なって覆うよう上面29を現している。玉浮バルブ等のバルブとフラッパーバルブ(図示せず)はタンク22の内部に取り付けられており、従来のようにハンドル24の下降に反応してトイレを通過する水通路を制御するよう作用する。
【0021】
便器26は、漫画12の頭部14と顔16の斑点模様と一致する模様の斑点32で装飾されてもよく、同様に、足36を含む漫画犬の本体34に似た装飾を便器26へ適用してもよい。装飾を便器26へ印刷するか又は感圧式ステッカーによって貼付してもよい。
【0022】
蓋28は従来のように便座30(図2)後部のヒンジ38によって回動式に取付されている。蓋28が上方に引き上げられると、蓋28の上面29がトイレタンク22の正面に乗って漫画顔16を覆う。便器26の開口部40は従来のように蓋28の軸回転運動によって現れる。
【0023】
蓋28の下面31は、引き上げられた蓋28に覆われた装飾体12の正面16に対応する印刷、ステッカー等42を表す。下面31の装飾体42は一般的に画像16と一致し、装飾体12の他の特徴及び第1部分14とコーディネートされている。このようにして装飾体42は装飾体12の図の統一性を維持しており、便器26の開口部40を開けた時、幼児の関心を引くことに重点を置いている。トイレトレーニングやレッスンが終了した時には、蓋28が軸38周りを回動して便座30を閉じ、装飾体12の元の第2部分16が再び現れるようになっている。
【0024】
図3は本発明の別実施例を示しており、100番台の番号は本発明の第1実施例の説明で使用した部品と類似する部品を示す。装飾体112を含む装置110は漫画であり、装飾体112は犬類を表している。便器26は第1実施例の装飾体12を補完的に装飾しているが、図3の実施例では便器126は従来構造の装飾されていないものである。装飾体112は、頭部が延びた弓状デザインである装飾体を含む第1部分114と印刷又はステッカーでタンク22へ接着できるデザインの第2部分を含んでいる。さらに、縁部121の下方に延びるタンクカバー120にはデザインがない。キャラクターの繋がりは114と116の2つの部分の接近性から判断できる。
【0025】
図4と図5は本発明のさらに別の実施例を示しており、200番台の番号は前述の実施例で説明した部品と類似する部品を示す。装置210は別の漫画キャラクターの装飾体212を含んでいる。便器226は前述の実施例の装飾体12と112を相補的に装飾するように装飾されているが、便器226はキャラクター233を象徴するように装飾している。本実施例では漫画キャラクター212は牛でもよい。便器226は漫画キャラクター212を象徴するようなもので装飾できる。本実施例では、牛の首周りに典型的に提供される代表的なものである牛の鈴とロープの部分図235が提供されることができ、漫画牛の顔の直下の中心に位置されている。牛の典型的な斑点模様237を提供することもでき、便器基部239には牛のひづめ241を表す象徴的な漫画を提供することもできる。選択された漫画キャラクターの顔を象徴するような類似物も本発明の別の実施例で同様に選択できる。装飾体212は、本実施例ではキャラクターと調和する延びた角を有する直立頭部を示す第1部分114と、印刷物、ステッカー又は顔状のものを取付けたもの等の第2部分216を含んでいる。水洗ハンドル124も同様に利用できる。
【0026】
本実施例では、キャラクターの顔212(図5)はカバー228の下面231の縁部229には提供せず、装飾のない境界線243であってもよい。頭部214の顔212間の接続はタンク222の顔212の整合性と類似性によって判断される。また、蓋228が閉じている時(図5)は目245は開いた状態であり(図4)、蓋228が上がっている時は目245は閉じた状態である。目が開いている時は歓迎を、閉じているときは休業を表し、プライバシーを意味している。
【0027】
第1部分14,114,214はトイレタンク22,122,222のカバー20,120,220の上面23,223(図3では見えない)に直立させてもよい。第1部分14、114、214はベルコロ(Velcro)接着剤(図示せず)又は同等の手段で上面23,223に取り付けるか、さらに安定するようクリップや他の支持体等で取付ることもできる。第1部分14,114,214はキャラクターの平面画像、立体物すなわち3次元物であってもよい。
【0028】
便座蓋28(図1と図2)、128(図3)と228(図4と図5)が閉じている時、キャラクターの顔12,112,212と頭部14,114,214は幼児に歓迎する魅力的な漫画又は同等の顔を表示するようになっている。蓋28、128,228が上げられている時、同じ顔12,112,212は頭部14,114,214と整合する。キャラクターが見える間は、便座は幼児を歓迎する状態となっている。さらに、蓋228が下がっている時、目245は開いており、蓋228が上がっている時、目は閉じており、この体系的なつながりが幼児にプライバシーの感覚を与えると思われる。
【0029】
前述の説明を検討すれば当業者にとって本発明の改良や変形は可能である。例えば、装飾体12と112の頭部14,114を適切に装飾された堅い紙又はボール紙で作ったり、又はプラスチック成型物でもよい。ステッカー又はアップリケも印刷物42の代わり又は組み合わせで使用できる。装飾体12,112の画像は幾何学形状、デザイン、童話本又は漫画キャラクター等でもよい。よって、請求の範囲は自由に解釈されるべきであり、語句にとらわれるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、便座蓋が閉じた状態の、従来のトイレに固定されたトイレトレーニング装置の1実施例の斜視図である。
【図2】図2は、便座蓋が開いた状態の、図1のトレーニング装置の斜視図である。
【図3】図3は、便座蓋が閉じた状態の、トイレに固定された本発明のトイレトレーニング装置の別実施例を示す正面図である。
【図4】図4は、便座蓋が閉じた状態の、トイレに固定された本発明のトイレトレーニング装置のさらに別の実施例を示す正面図であり、。
【図5】図5は、便座蓋を開いた状態の、図4の実施例の正面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器、便座、便座蓋、タンク及びタンクカバーを有するトイレ用トイレトレーニング装置であって、
a)上方に延びる第1部分と従属する第2部分とを含む装飾体を含んでおり、
b)前記装飾体の前記第1部分と前記第2部分は実質的に1つの画像を形成し、
c)前記装飾体の前記第1部分はトイレの前記トイレタンク上部に取付けられており、
d)前記第2部分は前記タンクの前面に取付けられており、
e)前記便座蓋の下面に取付けられた第3装飾体は前記装飾体の前記従属第2部分の画像に一致する画像を含んでおり、前記蓋が前記装飾体の前記第2部分を覆う位置に回動すると、前記蓋の下面の前記画像は前記第2部分に代わって前記第1部分との連続性を維持することを特徴とするトイレトレーニング装置。
【請求項2】
装飾体の第1部分はタンクの上部に取付けられており、前記装飾体の第2部分とは離れていることを特徴とする請求項1記載のトイレトレーニング装置。
【請求項3】
画像は漫画キャラクター又は漫画を含んでおり、装飾体の第1部分は少なくとも前記漫画キャラクター又は漫画の頭部の1部を表し、前記装飾体の第2部分は前記頭部とコーディネートされた前記漫画キャラクター又は漫画を表すことを特徴とする請求項2記載のトイレトレーニング装置。
【請求項4】
装飾体の第1部分はタンクカバーの上面に取付けられた平面部材を含んでいることを特徴とする請求項3記載のトイレトレーニング装置。
【請求項5】
平面部材は第2部分の相補的な画像を表し、前記第2部分はトイレタンクの前面部に取付けられていることを特徴とする請求項4記載のトイレトレーニング装置。
【請求項6】
装飾体の第1部分はタンクカバーの上面に取付けられた平面部材を含んでいることを特徴とする請求項1記載のトイレトレーニング装置。
【請求項7】
平面部材は第2部分の相補的な画像を表し、前記第2部分はトイレタンクの前面に取付けられていることを特徴とする請求項5記載のトイレトレーニング装置。
【請求項8】
トイレタンクに取付けられた装飾体の前面部は目が開いた状態の顔の画像を含んでおり、便座蓋の下面の画像は実質的に類似するが目が閉じた状態の顔の画像を有していることを特徴とする請求項3記載のトイレトレーニング装置。
【請求項9】
トイレタンクに取付けられた装飾体の顔は目が開いた状態であり、便座蓋の下面の画像は目が閉じた状態であることを特徴とする請求項7記載のトイレトレーニング装置。
【請求項10】
装飾体の第1部分はタンクカバーの上面に取付けられた直立基部レリーフを含んでいることを特徴とする請求項3記載のトイレトレーニング装置。
【請求項11】
基部レリーフは第1部分を含んでおり、該第1部分は第2部分を補って共に1つの画像を提供するようになっており、該第2部分はトイレタンクの前面に取付けられていることを特徴とする請求項10記載のトイレトレーニング装置。
【請求項12】
装飾体の第1部分はタンクカバーの上面に取付けられた平面表示体を有する直立部材を含んでいることを特徴とする請求項3記載のトイレトレーニング装置。
【請求項13】
平面表示体は第2部分を補って共に1つの画像を提供するようになっており、前記第2部分はトイレタンクの前面に取付けられていることを特徴とする請求項10記載のトイレトレーニング装置。
【請求項14】
装飾体の第1部分は直立基部レリーフを含んでいることを特徴とする請求項1記載のトイレトレーニング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−146557(P2007−146557A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−344626(P2005−344626)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(505441878)
【Fターム(参考)】