説明

便座装置

【課題】使い勝手がより良い便座装置を提供する。
【解決手段】便座装置は、洋風便器本体1の上面に取り付けられ、起立状態と倒伏状態との間を回動可能な便蓋10及び便座20を備えている。便蓋10及び/又は便座20は駆動装置31により回動可能である。トイレルームRの出入口Eの近傍の使用者H1を検知する第1検知装置100が出入口E付近に取り付けられている。洋風便器本体1の近傍の使用者H2を検知する第2検知装置200が洋風便器本体1に取り付けられている。制御装置32は、第2検知装置200が使用者H2を検知していた状態から非検知の状態に変化した後に第1検知装置が使用者H1を初めに検知した場合を除き、第1検知装置100が使用者H1を検知すると、便蓋10のみ又は便蓋10と便座20とが起立状態になるように駆動装置31を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は便座装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の便座装置が開示されている。この便座装置は、洋風便器本体の上面に取り付けられ、起立状態と倒伏状態との間を回動可能な便蓋及び便座を備えている。便蓋はモーター等からなる駆動装置により回動可能にされている。トイレルームの出入口付近には、出入口の近傍の使用者を検知する検知装置が取り付けられている。また、便座には、使用者が着座したことを検知する着座検知装置が内蔵されている。この便座装置は、検知装置及び着座検知装置の出力に基づいて駆動装置を制御する制御装置を備えている。この制御装置は、使用者の手動操作により便蓋が倒伏状態に回動された後、特定時間(以下、「受信禁止時間」という。)が経過するまでは検知装置からの出力を受信しない。
【0003】
このような構成である従来の便座装置では、使用者の手動操作により便蓋が倒伏状態に回動された後、受信禁止時間が経過するまで、便蓋は起立状態に回動されない。つまり、この間に使用者がトイレルームを退室すれば、検知装置がこの使用者を検知しても便蓋は起立状態に回動されない。
【0004】
【特許文献1】特開2005−143628号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の便座装置では、使用者が手動操作により便蓋を倒伏状態に回動した後、使用者がトイレルーム内で手洗いをしたり、身だしなみを整えたりすると、使用者がトイレルームを退室するまでの間に、受信禁止時間が経過してしまうおそれがある。受信禁止時間が経過した後は、検知装置からの出力を制御装置が受信してしまうため、使用者がトイレルームを退室するにもかかわらず、便蓋は起立状態に回動されてしまう。
【0006】
また、使用者が便蓋を倒伏状態に回動した後に手洗い等を行なうことを想定して、受信禁止時間を長い時間に設定することが考えられる。この場合、使用者がトイレルームから退室した後に別の使用者がトイレルームに入室した際、未だ、受信禁止時間を経過していない状況が起こりうる。受信禁止時間が経過していないと、トイレルームに入室した使用者を検知した検知装置からの出力を制御装置が受信しないため、使用者がトイレルームに入室したにもかかわらず、便蓋は起立状態に回動されない。
【0007】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、使い勝手がより良い便座装置を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明の便座装置は、洋風便器本体の上面に取り付けられ、起立状態と倒伏状態との間を回動可能な便蓋及び便座と、
該便蓋及び/又は該便座を回動させる駆動装置と、
該洋風便器本体が据え付けられたトイレルームの出入口付近に取り付けられ、該出入口の近傍の使用者を検知する第1検知装置と、
該洋風便器本体に取り付けられ、該洋風便器本体の近傍の使用者を検知する第2検知装置と、
該第1検知装置及び該第2検知装置の出力に基づいて該駆動装置を制御する制御装置とを備えた便座装置において、
前記制御装置は、前記第2検知装置が前記使用者を検知していた状態から非検知の状態に変化した後に前記第1検知装置が前記使用者を初めに検知した場合を除き、該第1検知装置が該使用者を検知すると、前記便蓋のみ又は該便蓋と前記便座とが起立状態になるように前記駆動装置を制御することを特徴とする。
【0009】
このような構成である第1発明の便座装置では、使用者が洋風便器本体の使用を終えて洋風便器本体から離れると、第2検知装置は使用者を検知していた状態から非検知の状態に変化する。この後にこの使用者がトイレルームの出入口から退室すると、第1検知装置はこの使用者を検知することになる。つまり、第2検知装置が使用者を検知していた状態から非検知の状態に変化した後に第1検知装置が初めに検知するのは、洋風便器本体の使用を終えてトイレルームを退室する使用者である。このため、第2検知装置が使用者を検知していた状態から非検知の状態に変化した後に第1検知装置が使用者を初めに検知した場合、制御装置は便蓋等を起立状態に回動させない。また、その後に第1検知装置が使用者を検知した場合、トイレルームに入室した使用者を検知したことになるため、制御装置は便蓋等を起立状態に回動させる。このように、第1検知装置及び第2検知装置の検知により、使用者のトイレルームの入退室を適確に判断し、使用者がトイレルームに入室した際には、便蓋等を確実に起立状態に回動させることができる。
【0010】
したがって、第1発明の便座装置は、使い勝手がより良くなる。
【0011】
第1発明の便座装置において、制御装置は、第2検知装置が使用者を検知していた状態から非検知の状態に変化した時から特定時間が経過した後、第1検知装置が使用者を検知すると、便蓋のみ又は便蓋と便座とが起立状態になるように駆動装置を制御することが好ましい。
【0012】
この場合、特定時間が経過する前に第1検知装置が使用者を検知すると、洋風便器本体の使用を終えてトイレルームを退室する使用者が検知されたものと判断し、制御装置は便蓋等を起立状態に回動させない。一方、特定時間が経過した後に第1検知装置が使用者を検知すると、第1検知装置がトイレルームを退室する使用者を何らかの原因で検知することができず、その後にトイレルームに入室した使用者を検知したものと判断し、制御装置は便蓋等を起立状態に回動させる。このため、トイレルームを退室する使用者を第1検知装置が検知できなかった場合でも、その後に使用者がトイレルームに入室した際には、便蓋等を確実に起立状態に回動させることができる。
【0013】
この特定時間は、使用者が洋風便器本体の使用を終えた後にトイレルーム内で手洗いをしたり、身だしなみを整えたりする時間を考慮して、確実に使用者がトイレルームを退室することのできる時間に設定され得る。
【0014】
第2発明の便座装置は、洋風便器本体の上面に取り付けられ、起立状態と倒伏状態との間を回動可能な便蓋及び便座と、
該便蓋及び/又は該便座を回動させる駆動装置と、
該洋風便器本体が据え付けられたトイレルームの出入口付近に取り付けられ、該出入口の近傍の使用者を検知する第1検知装置と、
該洋風便器本体に取り付けられ、該洋風便器本体の近傍の使用者を検知する第2検知装置と、
該第1検知装置及び該第2検知装置の出力に基づいて該駆動装置を制御する制御装置とを備えた便座装置において、
前記トイレルームの壁面に取り付けられ、操作スイッチを有し、該操作スイッチが操作されると前記便蓋を起立状態から倒伏状態に回動するように前記制御装置に信号を出力するリモコンを備え、
該制御装置は、該操作スイッチが操作され、該便蓋が倒伏状態に回動した後に前記第1検知装置が前記使用者を初めに検知した場合を除き、該第1検知装置が該使用者を検知すると、該便蓋のみ又は該便蓋と該便座とが起立状態になるように前記駆動装置を制御することを特徴とする。
【0015】
このような構成である第2発明の便座装置では、使用者が操作スイッチを操作して便蓋を倒伏状態に回動させた後は、この使用者は洋風便器本体の使用を終えており、トイレルームを退室するものと考えられる。つまり、使用者が操作スイッチを操作して便蓋を倒伏状態に回動させた後に第1検知装置が初めに検知するのは、洋風便器本体の使用を終えてトイレルームを退室する使用者である。このため、使用者が操作スイッチを操作して便蓋を倒伏状態に回動させた後に第1検知装置が使用者を初めに検知した場合、制御装置は便蓋等を起立状態に回動させない。また、その後に第1検知装置が使用者を検知した場合、トイレルームに入室した使用者を検知したことになるため、制御装置は便蓋等を起立状態に回動させる。このように、リモコンの操作スイッチの操作及び第1検知装置の検知により、使用者のトイレルームの入退室を適確に判断し、使用者がトイレルームに入室した際には、便蓋等を確実に起立状態に回動させることができる。
【0016】
したがって、第2発明の便座装置は、使い勝手がより良くなる。
【0017】
第2発明の便座装置において、制御装置は、操作スイッチが操作され、便蓋が倒伏状態に回動した時から特定時間が経過した後、第1検知装置が使用者を検知すると、便蓋のみ又は便蓋と便座とが起立状態になるように駆動装置を制御することが好ましい。
【0018】
この場合、特定時間が経過する前に第1検知装置が使用者を検知すると、洋風便器本体の使用を終えてトイレルームを退室する使用者が検知されたものと判断し、制御装置は便蓋等を起立状態に回動させない。一方、特定時間が経過した後に第1検知装置が使用者を検知すると、第1検知装置がトイレルームを退室する使用者を何らかの原因で検知することができず、その後にトイレルームに入室した使用者を検知したものと判断し、制御装置は便蓋等を起立状態に回動させる。このため、トイレルームを退室する使用者を第1検知装置が検知できなかった場合でも、その後に使用者がトイレルームに入室した際には、便蓋等を確実に起立状態に回動させることができる。
【0019】
この特定時間は、使用者が洋風便器本体の使用を終えた後にトイレルーム内で手洗いをしたり、身だしなみを整えたりする時間を考慮して、確実に使用者がトイレルームを退室することのできる時間に設定され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、第1発明を具体化した実施例1及び第2発明を具体化した実施例2を図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0021】
図1及び図2に示すように、実施例1の便座装置は、洋風便器本体1の上面後方に固定されたケース30に軸支され、起立状態と倒伏状態との間を回動可能な便蓋10及び便座20を備えている。ケース30内には、便蓋10及び/又は便座20を回動させる駆動装置31が内蔵されている。駆動装置31は、モーター31Mと、モーター31Mからケース30外に延びる回動軸31F、31Sとを有している。回動軸31Fは便蓋10の軸支部に連結され、回動軸31Sは便座20の軸支部に連結されており、夫々が独立して回動可能である。ケース30内には、図示しないが、衛生洗浄装置等の機能装置が内蔵されている。
【0022】
洋風便器本体1が据え付けられたトイレルームRには、出入口Eの上方の内壁面に第1検知装置100が取り付けられている。第1検知装置100は、焦電型赤外線センサであり、検知エリアを制限する遮光筒101を有している。このため、第1検知装置100は、出入口Eの近傍のみの赤外線の変化を検知することができ、出入口Eの近傍の使用者H1を検知することができる。第1検知装置100は乾電池を電源とし、図示しないが、第1検知装置100は乾電池を内蔵している。焦電型赤外線センサは消費電力が少ないため、乾電池を電源としても長時間の使用が可能である。また、第1検知装置100は、電源のための配線が不要となるため、トイレルームRの出入口E付近の任意の箇所に取り付けられる。第1検知装置100は、出入口Eの近傍の使用者H1を検知すると信号を出力する発信装置102が組み付けられている。
【0023】
洋風便器本体1の上面後方に固定されたケース30の前面部には、第2検知装置200が組み付けられている。第2検知装置200は、反射型赤外線センサである。このため、第2検知装置200は、ケース30の前面から前方に投射した赤外線の反射光を検知し、洋風便器本体1の近傍の使用者H2を検知することができる。
【0024】
また、ケース30には、第1検知装置100の発信装置102から出力された信号を受信する受信装置33が組み付けられている。また、ケース30には、第2検知装置200及び受信装置33に接続され、第1検知装置100及び第2検知装置200の出力に基づいて駆動装置31を制御する制御装置32が内蔵されている。
【0025】
トイレルームRの内壁面には、使用者が便座20に着座した状態で操作しやすい位置にリモコン300が取り付けられている。リモコン300は、ケース30内に内蔵された衛生洗浄装置等の機能装置を操作するための操作スイッチと共に、便蓋10及び/又は便座20を起立状態及び倒伏状態に回動させるための操作スイッチ301を備えている。リモコン300は、図示しないが、出力信号を発信する発信部を有しており、操作スイッチ301等の各操作スイッチの操作に応じた出力信号をケース30に組み付けられた受信装置33に向けて発信する。このため、リモコン300の出力信号は、受信装置33を介して制御装置32に伝達される。
【0026】
操作スイッチ301が押されると、次に示すように、制御装置32により便蓋10又は便座20が回動する。便蓋10及び便座20が共に倒伏状態である場合、操作スイッチ301が押されると、便蓋10のみが起立状態に回動する。便蓋10が直前に起立状態に回動し、便座20が倒伏状態である場合、操作スイッチ301が押されると、便座20が起立状態に回動し、便蓋10及び便座20は共に起立状態になる。便蓋10及び便座20が共に起立状態である場合、操作スイッチ301が押されると、便座20のみが倒伏状態に回動する。便座20が直前に倒伏状態に回動し、便蓋10が起立状態である場合、操作スイッチ301が押されると、便蓋10が倒伏状態に回動し、便蓋10及び便座20は共に倒伏状態になる。
【0027】
以上の構成をした実施例1において、制御装置32の処理手順を図3及び図4に示すフローチャートにより説明する。
【0028】
便座装置に電源が投入されると、図3に示すメインプログラムが起動する。メインプログラムでは、先ず、ステップS1によりタイマーがリセットされる。ステップS2では、便蓋10が倒伏状態に位置しているか否かをチェックする。便蓋10が倒伏状態に位置しているか否かは、制御装置32が駆動装置31に対する制御信号を記憶しており、その記憶に基づいて判断される。便蓋10が倒伏状態と判断された場合(Yes)、ステップS3に進む。便蓋10が倒伏状態でないと判断された場合(No)、ステップS5に進む。
【0029】
ステップS3では、第2検知装置200の出力が非検知状態から検知状態に変化したか否かをチェックする。第2検知装置200の出力が非検知状態から検知状態に変化した場合(Yes)、洋風便器本体1の近傍に使用者H2が接近した判断して、ステップS4に進み、便蓋10を起立状態に回動させる。第2検知装置200の出力が非検知状態から検知状態に変化しない場合(No)、ステップS1に戻る。ステップS4が実行された後は、ステップS1に戻る。
【0030】
ステップS5では、第2検知装置200の出力が検知状態であるか否かをチェックする。第2検知装置200の出力が検知状態である場合(Yes)、洋風便器本体1の近傍に使用者H2がいると判断して、ステップS1に戻る。第2検知装置200の出力が検知状態でない場合(No)、洋風便器本体1の近傍に使用者H2はいないと判断して、ステップS6に進む。
【0031】
ステップS6では、タイマーがX秒(例えば、60秒)以上であるか否かをチェックする。タイマーがX秒以上である場合(Yes)、使用者は洋風便器本体1の使用を終えて、洋風便器本体1から完全に離れたと判断して、ステップS7に進み、便蓋10を倒伏状態に回動させる。タイマーがX秒以上でない場合(No)、使用者が洋風便器本体1の使用途中である可能性があるため、ステップS2に戻る。ステップS7が実行された後は、ステップS1に戻る。
【0032】
第1検知装置100が出入口Eの近傍の使用者H1を検知して発信装置102から信号を出力し、制御装置32が受信装置33を介してこの信号を受信すると、図4に示すプログラムがステップS7を除くメインプログラムに割り込んで実行される。
【0033】
この割り込みプログラムでは、先ず、ステップS8により、第1検知装置100が出入口Eの近傍の使用者H1を検知して出力した信号を制御装置32が受信した時が、第2検知装置200が洋風便器本体1の近傍の使用者H2を検知していた状態から非検知の状態に変化した時からY秒(例えば、180秒)以内であるか否かをチェックする。このY秒は、使用者が洋風便器本体1の使用を終えた後にトイレルームR内で手洗いをしたり、身だしなみを整えたりする時間を考慮して、確実に使用者がトイレルームRを退室することのできる時間に設定される。Y秒以内である場合(Yes)、ステップS9に進む。Y秒以内でない場合(No)、第1検知装置100がトイレルームRを退室する使用者を何らかの原因で検知することができず、その後にトイレルームRに入室した使用者を第1検知装置100が検知したものと判断してステップS10に進む。
【0034】
ステップS9では、第1検知装置100による出入口Eの近傍の使用者H1の検知が、第2検知装置200が洋風便器本体1の近傍の使用者H2を検知していた状態から非検知の状態に変化した後、初めての検知か否かをチェックする。初めての検知である場合(Yes)、洋風便器本体1の使用を終え、トイレルームRを退室する使用者を第1検知装置100が検知したと判断してメインプログラムに復帰する。初めての検知でない場合(No)、トイレルームRに入室した使用者を第1検知装置100が検知したものと判断してステップS10に進む。
【0035】
ステップS10では、便蓋10が倒伏状態か否かをチェックする。便蓋10が倒伏状態である場合(Yes)、ステップS11に進み、便蓋10を起立状態に回動させた後、メインプログラムに復帰する。なお、この際、便蓋10のみでなく便座20も起立状態に回動させても良い。便蓋10が倒伏状態でない場合(No)、メインプログラムに復帰する。
【0036】
このように、制御装置32は、第1検知装置100及び第2検知装置200により、使用者のトイレルームRの入退室を適確に判断し、使用者がトイレルームRに入室した際には、便蓋10を確実に起立状態に回動させることができる。また、第1検知装置100がトイレルームRを退室する使用者を検知できなかった場合でも、その後に使用者がトイレルームRに入室した際には、便蓋10を確実に起立状態に回動させることができる。
【0037】
したがって、実施例1の便座装置は、使い勝手がより良くなる。
【実施例2】
【0038】
実施例2の便座装置は、実施例1と同様、図1及び図2に示す構成を有している。また、制御装置32は、図3のフローチャートに示される実施例1と同様の処理を行なうメインプログラムと、図4のフローチャートに示される実施例1の割り込みプログラムの替わりに図5のフローチャートに示される割り込みプログラムとを有している。以下、実施例1と異なる割り込みプログラムを図5に示すフローチャートにより説明する。
【0039】
この割り込みプログラムでは、先ず、ステップS12により、第1検知装置100が出入口Eの近傍の使用者H1を検知して出力した信号を制御装置32が受信した時が、リモコン300の操作スイッチ301が操作され、便蓋10が倒伏状態に回動した時からY秒(例えば、180秒)以内であるか否かをチェックする。このY秒は実施例1と同様の時間に設定される。Y秒以内である場合(Yes)、ステップS13に進む。Y秒以内でない場合(No)、第1検知装置100がトイレルームRを退室する使用者を何らかの原因で検知することができず、その後にトイレルームRに入室した使用者を第1検知装置100が検知したものと判断してステップS14に進む。
【0040】
ステップS13では、第1検知装置100による出入口Eの近傍の使用者H1の検知が、リモコン300の操作スイッチ301が操作され、便蓋10が倒伏状態に回動した後、初めての検知か否かをチェックする。初めての検知である場合(Yes)、洋風便器本体1の使用を終え、トイレルームRを退室する使用者を第1検知装置100が検知したと判断してメインプログラムに復帰する。初めての検知でない場合(No)、トイレルームRに入室した使用者を第1検知装置100が検知したものと判断してステップS14に進む。
【0041】
ステップS14では、便蓋10が倒伏状態か否かをチェックする。便蓋10が倒伏状態である場合(Yes)、ステップS15に進み、便蓋10を起立状態に回動させた後、メインプログラムに復帰する。なお、この際、便蓋10のみでなく便座20も起立状態に回動させても良い。便蓋10が倒伏状態でない場合(No)、メインプログラムに復帰する。
【0042】
このように、制御装置32は、リモコン300の操作スイッチ301の操作及び第1検知装置100の検知により、使用者のトイレルームRの入退室を適確に判断し、使用者がトイレルームRに入室した際には便蓋10を確実に起立状態に回動させることができる。また、第1検知装置100がトイレルームRを退室する使用者を検知できなかった場合でも、その後に使用者がトイレルームRに入室した際には、便蓋10を確実に起立状態に回動させることができる。
【0043】
したがって、実施例2の便座装置も、使い勝手がより良くなる。
【0044】
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0045】
例えば、制御装置32において、便蓋10及び便座20の状態をチェックし、便蓋10及び便座20を起立状態又は倒伏状態に回動させるよう駆動装置31を制御することが可能である。
【0046】
また、第1検知装置100の電源を乾電池と太陽電池とを併用して利用することが可能である。この場合、乾電池の寿命が長くなるため、乾電池の交換の手間を少なくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は洋風便器に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】実施例1、2の便座装置が備えられたトイレルームを示す概略図である。
【図2】実施例1、2の便座装置の概略構成図である。
【図3】実施例1、2の便座装置に係り、メインプログラムのフローチャートである。
【図4】実施例1の便座装置に係り、割り込みプログラムのフローチャートである。
【図5】実施例2の便座装置に係り、割り込みプログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
【0049】
1…洋風便器本体
10…便蓋
20…便座
31…駆動装置
32…制御装置
100…第1検知装置
200…第2検知装置
300…リモコン
301…操作スイッチ
R…トイレルーム
E…出入口
H1、H2…使用者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洋風便器本体の上面に取り付けられ、起立状態と倒伏状態との間を回動可能な便蓋及び便座と、
該便蓋及び/又は該便座を回動させる駆動装置と、
該洋風便器本体が据え付けられたトイレルームの出入口付近に取り付けられ、該出入口の近傍の使用者を検知する第1検知装置と、
該洋風便器本体に取り付けられ、該洋風便器本体の近傍の使用者を検知する第2検知装置と、
該第1検知装置及び該第2検知装置の出力に基づいて該駆動装置を制御する制御装置とを備えた便座装置において、
前記制御装置は、前記第2検知装置が前記使用者を検知していた状態から非検知の状態に変化した後に前記第1検知装置が前記使用者を初めに検知した場合を除き、該第1検知装置が該使用者を検知すると、前記便蓋のみ又は該便蓋と前記便座とが起立状態になるように前記駆動装置を制御することを特徴とする便座装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記第2検知装置が前記使用者を検知していた状態から非検知の状態に変化した時から特定時間が経過した後、前記第1検知装置が前記使用者を検知すると、前記便蓋のみ又は該便蓋と前記便座とが起立状態になるように前記駆動装置を制御する請求項1記載の便座装置。
【請求項3】
洋風便器本体の上面に取り付けられ、起立状態と倒伏状態との間を回動可能な便蓋及び便座と、
該便蓋及び/又は該便座を回動させる駆動装置と、
該洋風便器本体が据え付けられたトイレルームの出入口付近に取り付けられ、該出入口の近傍の使用者を検知する第1検知装置と、
該洋風便器本体に取り付けられ、該洋風便器本体の近傍の使用者を検知する第2検知装置と、
該第1検知装置及び該第2検知装置の出力に基づいて該駆動装置を制御する制御装置とを備えた便座装置において、
前記トイレルームの壁面に取り付けられ、操作スイッチを有し、該操作スイッチが操作されると前記便蓋を起立状態から倒伏状態に回動するように前記制御装置に信号を出力するリモコンを備え、
該制御装置は、該操作スイッチが操作され、該便蓋が倒伏状態に回動した後に前記第1検知装置が前記使用者を初めに検知した場合を除き、該第1検知装置が該使用者を検知すると、該便蓋のみ又は該便蓋と該便座とが起立状態になるように前記駆動装置を制御することを特徴とする便座装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記操作スイッチが操作され、前記便蓋が倒伏状態に回動した時から特定時間が経過した後、前記第1検知装置が前記使用者を検知すると、該便蓋のみ又は該便蓋と該便座とが起立状態になるように前記駆動装置を制御する請求項3記載の便座装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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