説明

便座装置

【課題】例えば、ガラス、人工大理石、石、金属、樹脂、陶器、あるいは磁器などといった異なる材質を用いつつ、より高い意匠性を持った便蓋を有する便座装置を提供することを目的とする。
【解決手段】便器に設置されるケーシングと、前記ケーシングに回動可能に装着されるヒンジ部を有する便座および便蓋と、を備え、前記便蓋は、前記ヒンジ部が設けられた基材と、前記基材の上方を覆うように前記基材に装着された天板と、前記基材の側方を覆うように前記基材に装着された側板と、を有することを特徴とする便座装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、便座装置に関し、具体的には洋式腰掛便器に装着される便座装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、便蓋や便座を有する便座装置に対して、より高い意匠性が求められる場合がある。例えば、便蓋の少なくとも一部に、ガラス、人工大理石、石、金属、陶器、あるいは磁器などといった従来とは異なる材質を利用して、使用者の好みやトイレ環境に合わせたデザインを得ようとする試みがある。
【0003】
そこで、ヒンジ部を有する外側部材とセンター部材とを異なる色調から構成し、両者の部材を平面方向に着脱自在に接合した便座装置がある(特許文献1)。特許文献1に記載された便座装置によれば、ツートンカラーが可能となり、美観が向上するとともに高級感が得られる。
【0004】
また、傷ついた便蓋部を交換可能にする観点から、ヒンジ部を有するフレームに対して、便蓋部を着脱可能に保持させたトイレ装置がある(特許文献2)。特許文献2に記載されたトイレ装置によれば、便蓋部を交換することにより、便蓋部とフレームとの色調を合わせたり、あるいは異ならせるなどして、便座装置の意匠性を高めることも可能である。
【0005】
しかしながら、特許文献1および2に記載された装置では、ヒンジ部を有する外側部材あるいはフレームに対して、センター部材あるいは便蓋部がそれぞれ着脱自在に設けられているため、そのセンター部材あるいは便蓋部を交換することができる程度にとどまる。そのため、センター部材あるいは便蓋部を、例えば、ガラス、人工大理石、石、金属、樹脂、陶器、あるいは磁器などといった異なる材質から選択して、使用者の好みやトイレ環境に合わせたデザインを得ようとした場合には、外側部材あるいはフレームと、センター部材あるいは便蓋部と、を意匠的に合わせることができないおそれがある。その結果、便座装置やトイレ装置の意匠性を損なうおそれがある。
【特許文献1】特開2002−282165号公報
【特許文献2】特開2002−272645号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、例えば、ガラス、人工大理石、石、金属、樹脂、陶器、あるいは磁器などといった異なる材質を用いつつ、より高い意匠性を持った便蓋を有する便座装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、便器に設置されるケーシングと、前記ケーシングに回動可能に装着されるヒンジ部を有する便座および便蓋と、を備え、前記便蓋は、前記ヒンジ部が設けられた基材と、前記基材の上方を覆うように前記基材に装着された天板と、前記基材の側方を覆うように前記基材に装着された側板と、を有することを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、例えば、ガラス、人工大理石、石、金属、樹脂、陶器、あるいは磁器などといった異なる材質から選択した天板に対して、意匠的に調和する側板を選択することができる。したがって、外観部分の調和をとりつつ高い意匠性を有する便蓋を提供することができる。
なお、ここで、「上方」とは閉じた状態における便蓋の上方を指し、「側方」とは閉じた状態における便蓋の側方を指すものである。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記側板は、前記基材に対して着脱自在とされたことを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、使用者は自身の好みに応じて側板を交換することができる。そのため、便蓋全体を交換することなく、低価格で新たな意匠の便蓋を提供することができる。さらに、側板に傷がついた場合であっても、その傷がついた部分だけを交換すればよいため、低価格で修理することができる。
【0009】
第3の発明は、第2の発明において、前記天板は、前記基材に対して着脱自在とされたことを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、使用者は自身の好みに応じて天板を交換することができる。そのため、便蓋全体を交換することなく、低価格で新たな意匠の便蓋を提供することができる。さらに、天板に傷がついた場合であっても、その傷がついた部分だけを交換すればよいため、低価格で修理することができる。
【0010】
第4の発明は、第3の発明において、前記天板は、固定されたナットを有し、前記ナットと前記基材とがねじで締結されることにより、前記天板が前記基材に装着されることを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、開閉を繰り返す便蓋の表面に天板を強固に取り付けることができる。そのため、便蓋の開閉時に天板が脱落するおそれはほとんどない。また、天板が設けられた表面側から、ねじが見られることはないため、より高い意匠性を有する便蓋を提供することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の態様によれば、例えば、ガラス、人工大理石、石、金属、樹脂、陶器、あるいは磁器などといった異なる材質を用いつつ、より高い意匠性を持った便蓋を有する便座装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる便座装置を備えたトイレ装置を表した斜視模式図である。
【0013】
本実施形態にかかる便座装置は、洋式腰掛便器(以下、単に「便器」と称す)100に設置されたケーシング200と、ケーシング200に対して回動自在に軸支された便座300および便蓋400と、を備えている。便座300および便蓋400は、ヒンジ部を有し、それぞれのヒンジ部がケーシング200に装着されることにより、ケーシング200に対して回動自在に開閉できる。ケーシング200の内部には、例えば、便座300に座った使用者の「おしり」などの洗浄を実現する局部洗浄機能部などが内蔵されている。
【0014】
また、ケーシング200の内部には、例えば、便器100のボウル内の空気を吸い込み、フィルタや触媒などを介して臭気成分を低減させる脱臭機能部や、便座300に座った使用者の「おしり」などに向けて温風を吹き付けて乾燥させる温風乾燥機能部や、トイレ室内に温風を吹き出してトイレ室を暖房する室内暖房機能部などが内蔵されていてもよい。なお、局部洗浄機能部や脱臭機能部や温風乾燥機能部や室内暖房機能部などは、必ずしも設けなくてもよい。
【0015】
図2は、本実施形態の便蓋を斜め後方から眺めた斜視模式図である。
また、図3は本実施形態の便蓋を斜め前方から眺めた分解模式図である。
便蓋400は、後部にヒンジ部411が設けられた基材410と、基材410の上方を覆うように基材410に装着される天板420と、基材410の側方を覆うように基材410に装着される側板430と、を有している。便蓋400は、ヒンジ部411がケーシング200に装着されることにより、ケーシング200に対して回動自在に開閉できる。
【0016】
また、基材410の下側には、図3に表したように、側板430に側方を覆われるようにして、断熱材440が設けられている。そして、断熱材440の下側には、同じく側板430に側方を覆われるようにして、化粧板450が設けられている。但し、断熱材440および化粧板450は、必ずしも設けなくともよい。
【0017】
基材410は、例えば、樹脂などから形成されている。また、天板420は、例えば、金属、樹脂、ガラス、人工大理石、あるいは石などから形成されている。またさらに、側板430は、金属あるいは樹脂などから形成されている。これによれば、天板420は様々な材質から形成されるため、種々のデザインの便蓋400を得ることができる。
【0018】
図4は、本実施形態にかかる便蓋の内部構造を表す断面模式図である。
また、図5は、基材と天板との取付位置を拡大して眺めた断面模式図である。
なお、以下の図4〜図16は、図2に表したA−A断面図に相当する。
【0019】
図4および図5に表したように、天板420の中央部には凸部421が設けられている。凸部421には、図5に表したように、ナット422が挿入されている。なお、ナット422は、天板420の形成時に予め挿入されていてもよいし、天板420の形成後に挿入されてもよい。
【0020】
また、天板420の凸部421は、基材410の中央部に設けられた凹部413(図3参照)に挿入されるようにして、基材410に当接している。これによれば、天板420を基材410に固定するための平面が確保される。そして、例えば、ねじやボルトなどの固定部材472を基材410に設けられた固定部材孔414に下側から挿入して、ナット422に締結することによって、天板420を基材410に取り付けることができる。これによれば、開閉を繰り返す便蓋400において天板420を強固に取り付けることができる。そのため、便蓋400の開閉時に天板420が脱落するおそれはほとんどない。
【0021】
ナット422に締結された状態の固定部材472の下側には、断熱材440が取り付けられ、その断熱材440の下側には化粧板450がさらに取り付けられている。そのため、固定部材472は、化粧板450によって覆い隠されており、使用者によって見られることはない。これによれば、本実施形態にかかる便蓋400は、より高い意匠性を持つことができる。
【0022】
なお、本実施形態では、天板420に凸部421が設けられ、基材410に凹部413が設けられた場合を例に挙げて説明したが、これだけに限定されるわけではない。例えば、天板420は平板状を有し、基材410に凸部が設けられていてもよい。これによっても、天板420を基材410に固定するための平面が確保される。但し、固定部材472を固定部材孔414に下側から挿入して、ナット422に締結することを考慮すると、図4および図5に表したように、天板420に凸部421が設けられ、締結するための一定距離が確保されることが好ましい。
【0023】
図6は、基材と側板との取付位置を拡大して眺めた断面模式図である。
側板430には、後に詳述するように、突起部431が設けられている。また、その突起部431には、固定部材を挿入するための固定部材孔432が設けられている。そして、突起部431を基材410に当接し、固定部材孔432の下側から固定部材473を挿入して、基材410に締結することによって、側板430を基材410に取り付けることができる。
【0024】
基材410に締結された状態の固定部材473の下側には、化粧板450が取り付けられている。そのため、図4および図5に関して前述したように、固定部材473は、化粧板450によって覆い隠されており、使用者によって見られることはない。これによれば、本実施形態にかかる便蓋400は、より高い意匠性を持つことができる。
【0025】
また、図4および図5に関して前述したように、天板420はその中央部に設けられた凸部421において支持され、固定部材472によって基材410に固定されている。その結果、図6に表したように、天板420と側板430との間には、隙間Bが生じている。そのため、例えば、天板420に外部から衝撃が加わったとしても、隙間Bはその衝撃や天板420の撓みを吸収することができる。これによれば、天板420に外部から衝撃が加わったとしても、天板420が側板430に干渉したり、破損するおそれは少ない。
【0026】
図7は、本実施形態の変形例にかかる便蓋の内部構造を表す断面模式図である。
図8は、本変形例の便蓋における基材と側板との取付位置を拡大して眺めた断面模式図である。
図9は、側板の変形例を例示した模式図であり、基材と側板との取付位置を拡大して眺めた断面模式図である。
【0027】
天板420は、図2および図3に関して前述したように、例えば、金属、樹脂、ガラス、人工大理石、あるいは石などから形成されている。そのため、天板420は、ガラス、人工大理石、あるいは石などの材質により形成された場合には、外部からの非常に強い衝撃により破損するおそれがある。
【0028】
そこで、本変形例にかかる便蓋400aでは、基材410と天板420との間に、外部からの衝撃および天板420の撓みを吸収可能な緩衝材471が設けられている。緩衝材471は、基材410に設けられた緩衝材孔412に挿入され固定されている。なお、緩衝材471の固定方法については、例えば緩衝材471に「雄ねじ」が設けられ、一方で緩衝材孔412に「雌ねじ」が設けられ、その「雄ねじ」と「雌ねじ」とが螺合されることにより、緩衝材471は基材410に固定されていてもよい。その他の構造については、図2〜図6に関して前述した便蓋400と同様である。
【0029】
緩衝材471は、外部からの衝撃や天板420の撓みを吸収することができるため、天板420に外部から衝撃が加わったとしても、天板420が側板430に干渉したり、破損するおそれは少ない。また、図6に表した隙間Bと同様に、本変形例にかかる便蓋400aにおいても、天板420と側板430との間には、隙間Bが生じている。したがって、緩衝材471と隙間Bとの相乗効果により、天板420に外部から非常に強い衝撃が加わったとしても、天板420が側板430に干渉したり、破損するおそれは少ない。
【0030】
なお、側板430の上端部433は、図9に表したように、天板420よりも外側に配置されてもよい。この場合には、天板420と側板430aとの間には、水平方向の隙間Cが生ずる。これによれば、上下方向に対して外部から非常に強い衝撃が天板420に加わったとしても、天板420と側板430aとの干渉をより確実に回避することができる。
【0031】
本実施形態の便蓋400によれば、天板420および側板430は、基材410に対して着脱可能に設けられている。つまり、便蓋400の外観部分(天板420および側板430)を着脱して交換することができる。そのため、例えば、ガラス、人工大理石、石、金属、樹脂、陶器、あるいは磁器などといった異なる材質から選択した天板420に対して、意匠的に調和する側板430を選択することができる。これによれば、便蓋400は、外観部分の調和をとりつつ高い意匠性を有することができる。
【0032】
また、天板420および側板430は、基材410に対して着脱可能に設けられているため、使用者は自身の好みに応じて天板420および側板430の少なくともいずれかを交換することができる。そのため、使用者は、便蓋400全体を交換することなく、低価格で新たな意匠の便蓋400を得ることができる。さらに、天板420および側板430の少なくともに傷がついた場合であっても、その傷がついた部分だけを交換すればよいため、低価格で修理することができる。
【0033】
次に、各部材の構造や取り付け方法などの具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図10は、本実施形態の基材を縦に半割りした状態で斜め上方から眺めた斜視模式図である。
また、図11は、本実施形態の基材を縦に半割りした状態で斜め下方から眺めた斜視模式図である。
なお、「縦に半割りした状態」とは、図2に表したA−Aに沿って切断した状態(A−A断面図)に相当する。
【0034】
基材410の中央部には、図10に表したように、凹部413が設けられている。天板420を基材410に取り付ける際には、天板420の凸部421は凹部413に挿入される。また、基材410をその上面に対して略垂直に見た場合の凹部413の形状と、天板420をその下面に対して略垂直に見た場合の凸部421の形状と、は略相似形であり、凹部413の形状は凸部421の形状よりもやや大きい。そのため、凸部421が凹部413に挿入された際には、基材410に対する天板420の位置が簡略的に決定される。
【0035】
また、基材410は中央部に設けられた凹部413においてのみ、天板420を支持し固定しているため、天板420を基材410に固定するための平面が確保される。つまり、天板420は所定の大きさを有し、その厚さはその大きさに比べて非常に小さい。そのため、天板420が形成された後には、反りなどが発生するおそれがある。そのような場合に、中央部ではなく周辺部において天板420を支持すると、天板420を基材410に固定するための平面が確保され難いおそれがある。
【0036】
これに対して、本実施形態の基材410および天板420では、中央部においてのみ天板420を支持し固定しているため、天板420を基材410に固定するための平面が確保されやすい。なお、天板420の形成条件や寸法の管理などを十分に行えば、中央部ではなく周辺部において天板420を支持しても、天板420を基材410に固定するための平面を確保することは可能である。
【0037】
また、基材410の下面には、図11に表したように、例えば「リブ」などと呼ばれる補強部415が設けられている。そのため、基材410は、ある程度の荷重に対しても耐えることができる。これによれば、天板420に荷重が加わり、その荷重が基材410に加わったとしても、基材410が破損するおそれは少ない。また、基材410には、便蓋クッション475が取り付けられる。この便蓋クッション475については、後に詳述する。
【0038】
図12は、本実施形態に側板を斜め上方から眺めた斜視模式図である。
図12に表したように、側板430には突起部431が設けられ、その突起部431には固定部材孔432が設けられている。この固定部材孔432の下側から固定部材473を挿入して、基材410に締結することによって、側板430は基材410に固定される。
【0039】
また、側板430の側方には、周縁部434が設けられている。この周縁部434は、基材410および断熱材440の側方を覆い隠すことができる。そのため、基材410および断熱材440は、使用者によって見られることはない。これによれば、本実施形態にかかる便蓋400は、より高い意匠性を持つことができる。
【0040】
図13は、断熱材の取り付け方法を説明するための斜視模式図である。
なお、以下の図13〜図16については、緩衝材471が設けられた場合を例に挙げて説明する。
【0041】
断熱材440は、基材410の下側に両面テープなどの接着剤により接合されている。この断熱材440は、便座300を暖房したり保温したりして、便座300に着座した使用者の臀部を暖めることができる暖房便座からの熱が放熱することを抑制できる。断熱材440が設けられていない場合には、便座300からの熱が基材410および天板420に伝わり、外部に放熱されやすくなる。天板420が金属などのような熱伝導率が大きい材質から形成されている場合には、この現象が顕著になる。
【0042】
これに対して、本実施形態にかかる便蓋400には、基材410の下側に断熱材440が設けられているため、暖房便座からの熱が外部に放熱することを抑制できる。なお、断熱材440には、図13に表したように、側板430の突起部431との干渉を回避する切り欠き部441が適宜設けられている。また、側板430の突起部431および便蓋クッション475を取り付ける便蓋クッション孔416との干渉を回避する切り欠き部442が、断熱材440の前端部に設けられている。なお、断熱材440を基材410に取り付ける方法は、接着剤に限定されず、例えばねじやボルトなどの固定部材によるものであってもよい。
【0043】
図14は、化粧板の取り付け方法を説明するための斜視模式図である。
また、図15は、化粧板の後端部を拡大して眺めた拡大模式図である。
また、図16は、化粧板の前端部を拡大して眺めた拡大模式図である。
【0044】
化粧板450は、断熱材440の下側に設けられ、断熱材440や側板430を固定する固定部材473などを覆い隠している。そのため、断熱材440や固定部材473などは、使用者によって見られることはない。これによれば、本実施形態にかかる便蓋400は、より高い意匠性を持つことができる。
【0045】
化粧板450は、後端部において爪部451によって基材410に引っかけられ、前端部において便蓋クッション475によって押さえられている。より具体的には、図15に表したように、化粧板450の後端部には、爪部451が設けられている。一方、基材410の後端部には、化粧板450の爪部451と係合可能な爪部417が設けられている。そして、化粧板450の爪部451と、基材410の爪部417と、が図15に表したように係合されることにより、化粧板450は基材410に取り付けられている。
【0046】
また、図16に表したように、化粧板450の前端部は便蓋クッション475の両端部によって断熱材440の方向に押さえられている。便蓋クッション475には突起部475a(図3参照)が設けられており、この突起部475aは基材410の前端部に設けられた便蓋クッション孔416に挿入されている。これにより、便蓋クッション475は、その両端部において化粧板450を断熱材440の方向に押さえることができる。つまり、便蓋クッション475は、化粧板450を固定する機能と、便蓋400がケーシング200に対して閉止されたときの衝撃を緩和する緩衝材としての機能と、を有している。
【0047】
以上説明したように、本実施形態によれば、便蓋400は基材410と天板420と側板430との3つの部材を有し、天板420および側板430は基材410に対して着脱可能に設けられている。つまり、便蓋400の外観部分(天板420および側板430)を着脱して交換することができる。そのため、例えば、ガラス、人工大理石、石、金属、樹脂、陶器、あるいは磁器などといった異なる材質から選択した天板420に対して、意匠的に調和する側板430を選択することができる。したがって、便蓋400は、外観部分の調和をとりつつ高い意匠性を有することができる。
【0048】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、便座装置や便蓋400などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや断熱材440や化粧板450の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態にかかる便座装置を備えたトイレ装置を表した斜視模式図である。
【図2】本実施形態の便蓋を斜め後方から眺めた斜視模式図である。
【図3】図3は本実施形態の便蓋を斜め前方から眺めた分解模式図である。
【図4】本実施形態にかかる便蓋の内部構造を表す断面模式図である。
【図5】基材と天板との取付位置を拡大して眺めた断面模式図である。
【図6】基材と側板との取付位置を拡大して眺めた断面模式図である。
【図7】本実施形態の変形例にかかる便蓋の内部構造を表す断面模式図である。
【図8】本変形例の便蓋における基材と側板との取付位置を拡大して眺めた断面模式図である。
【図9】側板の変形例を例示した模式図であり、基材と側板との取付位置を拡大して眺めた断面模式図である。
【図10】本実施形態の基材を縦に半割りした状態で斜め上方から眺めた斜視模式図である。
【図11】本実施形態の基材を縦に半割りした状態で斜め下方から眺めた斜視模式図である。
【図12】本実施形態に側板を斜め上方から眺めた斜視模式図である。
【図13】断熱材の取り付け方法を説明するための斜視模式図である。
【図14】化粧板の取り付け方法を説明するための斜視模式図である。
【図15】化粧板の後端部を拡大して眺めた拡大模式図である。
【図16】化粧板の前端部を拡大して眺めた拡大模式図である。
【符号の説明】
【0050】
100 便器、 200 ケーシング、 300 便座、 400 便蓋、 400a 便蓋、 410 基材、 411 ヒンジ部、 412 緩衝材孔、 413 凹部、 414 固定部材孔、 415 補強部、 416 便蓋クッション孔、 417 爪部、 420 天板、 421 凸部、 422 ナット、 430 側板、 430a 側板、 431 突起部、 432 固定部材孔、 433 上端部、 434 周縁部、 440 断熱材、 441 切り欠き部、 442 切り欠き部、 450 化粧板、 451 爪部、 471 緩衝材、 472 固定部材、 473 固定部材、 475 便蓋クッション、 475a 突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器に設置されるケーシングと、
前記ケーシングに回動可能に装着されるヒンジ部を有する便座および便蓋と、
を備え、
前記便蓋は、
前記ヒンジ部が設けられた基材と、
前記基材の上方を覆うように前記基材に装着された天板と、
前記基材の側方を覆うように前記基材に装着された側板と、
を有することを特徴とする便座装置。
【請求項2】
前記側板は、前記基材に対して着脱自在とされたことを特徴とする請求項1記載の便座装置。
【請求項3】
前記天板は、前記基材に対して着脱自在とされたことを特徴とする請求項2記載の便座装置。
【請求項4】
前記天板は、固定されたナットを有し、
前記ナットと前記基材とがねじで締結されることにより、前記天板が前記基材に装着されることを特徴とする請求項3記載の便座装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2010−82013(P2010−82013A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−251827(P2008−251827)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】