説明

便座開閉システム

【課題】 トイレの使用に際して便座が開いた状態であるようにした使い勝手のよい便座開閉システムを提供すること。
【解決手段】 便器本体4に便座5が開閉自在に軸支された洋式便器3に対し、便座5の開閉を制御できるようにしたものであって、便座5を回転軸5aを中心に揺動させて開閉を操作するための駆動装置7と、トイレ室2の入口ドア1に設けられたドア錠の施錠状態と解錠状態とを検出するドア錠スイッチ10と、ドア錠スイッチからの信号に基づいて駆動装置7の動作を制御するための制御装置8とを有し、制御装置8が、ドア錠スイッチ10から施錠状態又は解錠状態を示す信号を受けることにより、駆動装置7を動作させて便座5を開状態にするようにした便座開閉システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多くの人が利用するような場所に設置された洋式便器について、その便座を上げ下げするための便座可動開閉システムに関し、特に男性が立って小用を行うときに便座を下ろしたまま行わないようにした便座開閉システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在では、トイレの形態も洋式化が進み、家庭だけではなく不特定多数の人が利用する施設などでも洋式便器が設置されることが多くなってきた。男性用トイレでは、多くの場合、小用と大用とに区別されているため洋式便器で立って小用を行うことは少ないが、例えば新幹線内ではトイレの数が限られているため、洋式便器の個室トイレで、立って小用を行う機会も多い。そうした場合は、蓋と同様に便座を上げて行わなければならないが、便座が下りた状態のまま小用を行ってしまい、便座を汚してしまうことが問題であった。
【0003】
一方、センサによって人を感知して電動で蓋を開けたり、ボタンの入力によって電動で便座を開ける機能をもった洋式便器に関するシステムが開発されている。しかし、洋式便器の便座は、閉じた位置が通常状態であるため、トイレに入った人は、その人自身が便座を手で上げるか、ボタンを押して便座を開ける動作をとらなければならず、特に緊急を要するような場合にはとても面倒であった。そのため、便座が閉じた状態のまま小用を行ってしまい、便座を汚してしまう問題の解消にはなっていない。こうした欠点を補うため、特開2000−300468号公報には、用便後に自動的に便座が開くようにする便座開放装置が提案されている。
【0004】
図4は、当該公報に記載された便座開閉システムを示した図である。便器50には、回便座51が動自在に取り付けられ、その便座51には従動杆101が取り付けられている。一端部が便座51の下面に固定され、他端側が後方へ延設され、その中間部が便器50に設けられた枢支固定部材102に枢着されている。枢支固定部材102は、渦巻きばねやロック機構が収容されている。その渦巻きばねは、内側一端が従動杆101に突設された回動軸103に固定され、外側他端が枢支固定部材102のカバー内側に固定される。枢支固定部材102に設けられたロック機構は、便座51が閉状態のときに従動杆5をロックして便座51を開放させないようにするものであり、牽引作用をするワイヤ104が係止されている。
【0005】
ワイヤ14が引かれると従動杆101がロック機構から開放され、逆にワイヤ14の引きが解除されるとロック機構が働く。すなわち、タンク55の水流レバー56の回動操作でロック機構を解除することができるように、ワイヤホース105によって案内されたワイヤ104の先端が連結されている。
そこで、こうした従来の便座開閉システムでは、便座51を閉じた(倒した)状態で用便を済まし、水を流すために水流レバー56が回される。すると、ワイヤ104が引っ張られて枢支固定部材102内のロックが解除され、渦巻きばねと重錘106に付勢されている便座51が上がり、用便後は自動的に便座が開くようになる。
【特許文献1】特開2000−300468号公報(第3−4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記特許文献1に記載された従来の便座開閉システムは、枢支固定部材102内のロック機構に水流レバー56を連動させるようにしているため、用便後に流し忘れがあると便座51は閉じたままになってしまう。また、最近では除菌用のウエットティッシュを携帯し、使用前に便座を拭いてから使用する人も多くなってきている。従って、開いている便座51を一旦下ろして拭き取りした後、ウエットティッシュを流してしまった場合には、そこで便座51が開いてしまい、使用者が再度便座を下ろさなければならず、非常に利用しづらいものになってしまう。また、便器50の横に従動杆101や枢支固定部材102、さらにワイヤ104などの構成がむき出しになっているため外観を損なう他、物が当たる等して破損し易い構造になっている。
【0007】
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、トイレの使用に際して便座が開いた状態であるようにした使い勝手のよい便座開閉システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る便座開閉システムは、便器本体に便座が開閉自在に軸支された洋式便器に対し、便座の開閉を制御できるようにしたものであって、前記便座を回転軸を中心に揺動させて開閉を操作するための駆動装置と、トイレ室の入口ドアに設けられたドア錠の施錠状態と解錠状態とを検出するドア錠スイッチと、前記ドア錠スイッチからの信号に基づいて前記駆動装置の動作を制御するための制御装置とを有し、前記制御装置が、前記ドア錠スイッチから施錠状態又は解錠状態を示す信号を受けることにより、前記駆動装置を動作させて前記便座を開状態にするようにしたものであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る便座開閉システムは、便座を閉状態にするための便座閉スイッチを有し、前記制御装置が、その便座閉スイッチからの信号を受けることにより、前記駆動装置を動作させて前記便座を閉状態にするようにしたものであることが好ましい。
また、本発明に係る便座開閉システムは、前記便座スイッチが非接触スイッチであることが好ましい。
更に、本発明に係る便座開閉システムは、前記駆動装置が、伸縮作動によって前記便座を回動させるエアシリンダを備え、前記制御装置が、前記エアシリンダのヘッド側及びロッド側に対しそれぞれエアの供給と大気解放とを切り換える一対の電磁弁と、その電磁弁の切り換え動作を操作するためのマイクロプロセッサとを備えるものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
よって、本発明の便座開閉システムによれば、ドア錠スイッチによってドア錠の施錠状態と解錠状態とを検出し、制御装置が駆動装置を動作させて便座を開いた状態にするため、例えば、解錠状態を検知して便座を開いた状態にするならば、次の使用者が入った場合には便座が開いた状態になっている。また、施錠状態を検知して便座を開いた状態にするならば、先の使用者がどのような使用の仕方であっても、次の使用者がトイレ室へ入って施錠をしたときに便座が開状態になる。
【0011】
そのため、トイレに入った使用者が男性であって小用をする場合には、便座を上げる煩わしさがなく、便座を下ろしたまま小用をしてしまって便座を汚してしまう問題もなくなる。また、本発明の便座開閉システムによれば、便座を下ろして使用したい場合には便座閉スイッチによって簡単に閉状態にすることができる。しかも、便座閉スイッチ9には光電スイッチを使用することにより衛生的でもある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明に係る便座開閉システムの一実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。本実施形態の便座開閉システムは、新幹線車両内に設置されたトイレに設けられたものであって、図1は、そうした新幹線車両内のトイレにおける便座開閉システムを示したシステム構成図である。
仕切られた空間のトイレ室2には入口ドア1が形成され、その中に洋式便器3が設置されている。洋式便器3は、便器本体4に便座5と便器蓋6が軸支され、使い方によって、その軸を中心に上げ下げして開閉ができるようになっている。そして、特にこの洋式便器3には、便座5の開閉を自動で行うことができるようにした駆動装置7が設けられている。
【0013】
すなわち、本実施形態の洋式便器3は、使用者が自ら便座5を開閉することができるようになっているが、駆動装置7を備えることで、直接便座5に触れることなく衛生的に開閉を行うことができるようになっている。そして、本実施形態の便座開閉システムでは、特に男性が小用を行う場合に便座5を汚してしまわないように開閉を制御することを目的とし、そうした駆動装置7の駆動を制御するための制御装置8が設けられている。具体的には、使用者がトイレを使用する場合、便座5が実線で示すように開放状態に上がっている状態を初期状態とするようにしたものである。
【0014】
ここで、図2は、洋式便器3に設けられた駆動装置7を具体的に表した便座開閉システムを示す図である。本実施形態の駆動装置7は、図示するようにエアシリンダ11によって構成されたものである。エアシリンダ11は、便器本体4の横に配置され、一点鎖線で示す装置カバー12によって被われている。便器本体4には、その背面板3aに取付金具13が固定され、そこにエアシリンダ11のシリンダチューブが、そのヘッド側端部にて軸支されている。一方、便座5の回転軸5aには腕14が固定され、エアシリンダ11のピストンロッド先端がその腕14に軸着されている。
【0015】
新幹線車両などの鉄道車両は車体にエアタンクを備えており、便座5を開閉させるための駆動源としてエアの活用が有効であるため、本実施形態の便座開閉システムでは駆動手段としてエアシリンダ11が採用されている。そして、駆動装置7を自動制御するための制御装置8は、エアシリンダ11を伸縮させるエアの供給及び排出の切り換えを行う電磁弁15,16や、その電磁弁による便座5の開閉を制御する開閉プログラムを格納したマイクロプロセッサ17などを備えた電磁弁ユニットが構成されている。
【0016】
制御装置8の電磁弁15,16には、エアシリンダ11を伸縮作動させるためのエアを供給するエアライン21が接続され、エアシリンダ11との間には、ロッド側ライン22とヘッド側ライン23がコネクタ24,25を介してそれぞれ一方に接続されている。すなわち、電磁弁15は、ロッド側ライン22をエアライン21と大気に切り換えるものであり、電磁弁16は、ヘッド側ライン23をエアライン21と大気に切り換えるものである。そして、制御装置8は、こうした電磁弁15,16を操作させるための駆動電源が電源線27を介して接続されている。
【0017】
そこで、本実施形態の場合、便座5を図の実線で示すように開いた状態にするには、電磁弁15がエアライン21側に切り換えられ、電磁弁16は大気側に切り換えられる。これにより、圧縮エアがエアライン21から電磁弁15を介してロッド側ライン22へと供給され、エアシリンダ11が収縮作動することになる。このようにしてエアシリンダ11が収縮すると、腕14を介して回転軸5aが図面上で時計方向に回転し、便座5が上に跳ね上がって開いた状態になる。そして、その後は電磁弁15も大気側に切り換えられるため、エア圧から解放されたエアシリンダ11は伸縮がフリーになり、便座5も使用者の上げ下ろしによって自由に開閉できるようになる。
【0018】
一方、便座5を図の二点鎖線で示すように閉じた状態にするには、電磁弁16がエアライン21側に切り換えられ、電磁弁15は大気側に切り換えられる。これにより、圧縮エアがエアライン21から電磁弁16を介してヘッド側ライン23へと供給され、エアシリンダ11が伸張作動することになる。このようにしてエアシリンダ11が伸びると、腕14を介して回転軸5aが図面上で反時計方向に回転し、便座5が下りて閉じた状態になる。そして、その後は電磁弁16も大気側に切り換えられるため、エア圧から解放されたエアシリンダ11は伸縮がフリーになり、便座5も使用者の上げ下ろしによって自由に開閉できるようになる。
【0019】
ところで、便座5の開閉がエアシリンダ11の伸縮に連動した構成になっているため、便座5の開閉は、エアシリンダ11の伸縮状態を検出することによって確認することができる。そこで、エアシリンダ11には、その伸縮状態を検出するための位置センサ18(図1参照)が取り付けられている。位置センサ18には例えばリードスイッチが使用され、エアシリンダ11のピストンに取り付けられた永久磁石を検知して伸縮状態を検出するようにする。そして、その位置センサ18は、センサケーブル26を介して制御装置8に接続され、マイクロプロセッサ17による電磁弁15,16の開閉を制御するための信号となる。
【0020】
本実施形態では、前述したように便座5が開いた状態を初期状態とするため、閉じた状態で使用する場合には、使用者は便座5を直接手で下ろすことになる。しかし、便座5を直接手で触れるのは衛生的ではない。そこで、駆動装置7によって開閉を自動制御することができることから、図1に示すようにトイレ室2内に便座閉スイッチ9が設置され、ここからの入力信号によって制御装置8によって便座5の閉制御ができるようになっている。つまり、便座閉スイッチ9から制御装置8に送られた信号によって電磁弁16が切り換えられ、エアシリンダ11が伸張作動して便座5が自動で閉じるように構成されている。なお、便座閉スイッチ9は、衛生面を考慮し、直接手を触れないでスイッチを入れることができるように光電スイッチが用いられる。
【0021】
また、本実施形態の便座開閉システムでは、便座5が開いた状態を初期状態とするが、特に入口ドア1に設けられたドア錠の施錠状態及び解錠状態に基づいて便座5の開閉を決定するようにしている。そのため、入口ドア1の不図示のドア錠には、その開閉を検知するドア錠スイッチ10が設置され、それが制御装置8に接続されている。ドア錠は、入口ドア1側に設けられたかぎ爪が壁面側の錠穴に入って施錠できるようにしたものであり、ドア錠スイッチ10は、錠穴側に設置されたものあって、例えば施錠の際にかぎ爪によって押されて接点が切り換えられるリミットスイッチである。
【0022】
続いて、本実施形態の便座開閉システムが備えられたトイレの使用について説明する。ここで、図3は、制御装置8のマイクロプロセッサ17が実行する開閉プログラムに従った便座開閉システムの動作フローを示した図である。
本実施形態の便座開閉システムでは、洋式便器3の便座5は、図の実線で示すように開いている。すなわち、誰も使用していない待機状態では、便座5が開いた状態を初期状態としている(S101)。
【0023】
そこで、使用者が入口ドア1を開けて入ってきた場合、その使用者が座った状態で使用するには先ず便座5を下ろす必要がある。それには、手で便座5を直接下ろしてもよいが、光電スイッチからなる便座閉スイッチ9の前に手をかざしてONにする(S102)。このとき、エアシリンダ11の位置センサ18によって便座5の開閉位置が確認されている(S103)。従って、便座5が開いている場合には(S103:YES)、前述したように駆動装置7のエアシリンダ11が伸張動作し、便座5が回転軸5aを中心に揺動して閉動作が行われ(S104)、その結果、便座5はて閉状態になる(S105)。一方、便座閉スイッチ9がON状態(S102)になっても、既に使用者によって便座5が下ろされているような場合は何の変化もない(S103:YES/S105)。
【0024】
トイレ使用者は、通常、トイレ室2に入って入口ドア1を閉めたところで施錠を行う。従って、ドア錠が施錠されると、ドア錠スイッチ10がON状態になり、そのON信号が制御装置8に送られる。本実施形態の開閉プログラムでは、このドア錠によるドア錠スイッチ10の状態が確認され(S106)、更にエアシリンダ11の位置センサ18によって便座の閉状態も確認されている(S107)。
そこで、ドア錠の施錠がされずに(S106:NO)、便座5が下りて閉状態であるならば(S107:YES)、その後もドア錠の確認(S106)と、便座の閉状態の確認(S107)とが繰り返される。この場合は、施錠をし忘れて使用していると考えられる。一方で、ドア錠の施錠がされていない場合であって(S106:NO)、便座5の位置が上がって開状態になっている場合には(S107:NO)、S101に戻り、以上の所定ステップS101〜S107が繰り返される。この場合は、一旦、便座5を下ろしたものの使用者が自ら再び上げたような場合が考えられる。
【0025】
次に、ドア錠の施錠が行われると、制御装置8にドア錠スイッチ10からON信号が入り、施錠状態であることが確認され(S106:YES)、その後、トイレの使用が終わって使用者がトイレ室2から出るまで待機状態になる。そこで、トイレの使用が終わって使用者がトイレ室2から出る場合にはドア錠が解錠され、ドア錠スイッチ10からの信号がOFFになる(S108)。そして、このとき便座5が閉状態であるか否かが位置センサ18によって確認される(S109)。そして、使用者が手で便座5を上げて開状態にしてトイレ室2から出たような場合(S109:NO)にはS101に戻る。一方、使用者が便座5を下げたままトイレ室2から出た場合には(S109:YES)、駆動装置7によって便座5の開動作が行われ(S110)、便座5が開いて初期状態に戻され、S101へと戻る。
【0026】
こうして、本実施形態の便座開閉システムでは、トイレの使用者が出る場合の解錠を検知して便座5を開いた状態にするため、次の使用者が入った場合には便座5が開いた状態になっている。そのため、次に入った使用者が男性であって小用をする場合には、便座5を上げる煩わしさがなく、便座5を下ろしたまま小用をしてしまって便座5を汚してしまう問題もなくなった。
一方、便座5を下ろして使用したい場合には便座閉スイッチ9によって簡単に閉状態にすることができる。しかも、便座閉スイッチ9には光電スイッチを使用することにより衛生的でもある。
【0027】
また、本実施形態では、エアシリンダ11を使用して駆動装置7を構成したので、ヘッド側及びロッド側を共に大気解放することによって、使用者が便器5を自由に上げ下げすることができる。その際、電磁弁15,16のエアライン21側と大気側との切り換えを行う簡易な構造によって構成され、システム全体を安価に提供することができる。特に鉄道車両では車両ドアの開閉などに使用するエアタンクを備えているため、この作動エアを利用することにより、電源を消費することなく極めて効率的に開閉動作を制御することができる。
【0028】
本実施形態では、次の使用者がトイレ室2に入ったときに便座5が開いている状態にするため、先の使用者が出るときの解錠動作に連動させて便座5を開けるようにした。しかし、これとは逆にドア錠を施錠したときに便座5を開けるようにしてもよい。すなわち、先の使用者がどのような使用の仕方(便座5の開閉)にかかわらず、次の使用者がトイレ室2へ入って施錠をした場合には、ドア錠スイッチ10からのON信号によって便座5を開状態にする。
【0029】
こうした構成の場合も、使用者が男性であって小用をする場合には、便座5を上げる煩わしさがなく、便座5を下ろしたまま小用をしてしまって便座5を汚してしまう問題もなくなる。そして、ドア錠を施錠したときに便座5が開くので、便座5を下ろして使用する場合に、便座5が開いた状態であることが認識し易いため、便座5を下ろさないまま誤って座ってしまうことも回避できる。便座5を下ろして使用したい場合には、便座閉スイッチ9によって簡単に閉状態にすることができ、しかも便座閉スイッチ9には光電スイッチを使用することにより衛生的である。
【0030】
以上、本発明に係る便座開閉システムについて一実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、前記実施形態では鉄道車両内に設置されたトイレにおける便座開閉システムを説明したが、鉄道車両以外にも公共施設など多くの人が利用するような場所に設置された洋式トイレに利用可能なものである。
また、前記実施形態では、鉄道車両内に設置されたトイレであるため、エアシリンダ11を利用して駆動装置を構成したが、エアシリンダ以外に例えば電動モータを用いて構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】便座開閉システムの一実施形態を示したシステム構成図である。
【図2】洋式便器に設けられた駆動装置を具体的に表した便座開閉システムの一実施形態を示した図である。
【図3】制御装置が実行する便座開閉システムの動作フローを示した図である。
【図4】従来の便座開閉システムを示した図である。
【符号の説明】
【0032】
1 入口ドア
2 トイレ室
3 洋式便器
4 便器本体
5 便座
5a 回転軸
6 便器蓋
7 駆動装置
8 制御装置
9 便座閉スイッチ
10 ドア錠スイッチ
11 エアシリンダ
13 取付金具
14 腕
15,16 電磁弁
17 マイクロプロセッサ
21 エアライン
22 ロッド側ライン
23 ヘッド側ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器本体に便座が開閉自在に軸支された洋式便器に対し、便座の開閉を制御できるようにした便座開閉システムにおいて、
前記便座を回転軸を中心に揺動させて開閉を操作するための駆動装置と、
トイレ室の入口ドアに設けられたドア錠の施錠状態と解錠状態とを検出するドア錠スイッチと、
前記ドア錠スイッチからの信号に基づいて前記駆動装置の動作を制御するための制御装置とを有し、
前記制御装置が、前記ドア錠スイッチから施錠状態又は解錠状態を示す信号を受けることにより、前記駆動装置を動作させて前記便座を開状態にするようにしたものであることを特徴とする便座開閉システム。
【請求項2】
請求項1に記載する便座開閉システムにおいて、
便座を閉状態にするための便座閉スイッチを有し、前記制御装置が、その便座閉スイッチからの信号を受けることにより、前記駆動装置を動作させて前記便座を閉状態にするようにしたものであることを特徴とする便座開閉システム。
【請求項3】
請求項2に記載する便座開閉システムにおいて、
前記便座スイッチが非接触スイッチであることを特徴とする便座開閉システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載する便座開閉システムにおいて、
前記駆動装置は、伸縮作動によって前記便座を回動させるエアシリンダを備え、前記制御装置は、前記エアシリンダのヘッド側及びロッド側に対しそれぞれエアの供給と大気解放とを切り換える一対の電磁弁と、その電磁弁の切り換え動作を操作するためのマイクロプロセッサとを備えるものであることを特徴とする便座開閉システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−50068(P2007−50068A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−236515(P2005−236515)
【出願日】平成17年8月17日(2005.8.17)
【出願人】(000004617)日本車輌製造株式会社 (722)
【出願人】(390021577)東海旅客鉄道株式会社 (413)
【出願人】(591009451)株式会社五光製作所 (9)
【Fターム(参考)】