説明

係止可能容器および製作方法

本明細書は、単位用量パック20を取外し可能に結合および保護するための係止可能容器10を教示する。係止可能容器に結合された折りたたみ可能な部分12によって、単位用量パック20またはブリスターカード72を一次的または持続的にフラップ16または容器内のその他の構造に取り付けることが可能になる。同様に、係止可能容器10に結合されたブリスターカード70によって、ブリスターパック20を、一時的または持続的にブリスターカード70に貼り付けることができる。また、ブリスターパックをブリスターカードに貼り付ける方法も教示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年10月16日に出願した同時係属中の米国仮特許第60/511,336号の優先権を主張する。その先行出願の開示全体を参照として本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、係止可能容器、および係止可能容器内の製品を保護する方法に関する。この係止可能容器は、ブリスターパック内に保持された医薬品などの製品の保管に適している。
【背景技術】
【0003】
傷つきやすい、繊細な、または危険な品目を保護することが頻繁に必要となるため、様々な係止装置を備える容器がよく知られている。危険であると考えられることがあるタイプの品目の1つは、対象とされていない使用者の手にある医薬品である。たとえば、子供がアクセスすることができる単位用量の処方用量調合剤は、その子供に対して危険となる可能性が高い。したがって、係止可能容器を開発する目的の1つは、単位用量パックなどの医薬品を保管する、子供には開けられない装置を提供することである。
【0004】
単位用量パッケージという概念は、これによって便利にも単回用量を計画的に調剤することが可能になり、また使用者が、所定のスケジュールに従って用量の消費を確かめることも可能になるので、いくつかの医薬応用例では魅力的である。そのようなパッケージの1つの特徴は、その投薬クールが完了するまで何度も開閉するのに十分頑丈であることである。子供が開けられないようにすることは、単回用量医薬パッケージのための特に望ましい特徴であり、1970年の毒物予防パッケージ法で指示されている。この一般的なガイドラインは、パッケージが子供のいたずらに対する十分な完全性を維持することを保証するために策定されている。
【0005】
そのようなパッケージの例が、本願と同じ譲受人に譲渡された特許文献1(Johnstone)、および特許文献2(Gelardiら)に記載されている。Johnstoneの特許は、外側スリーブとスリーブ内に係止可能に保持される内側スライドカードとを備える、単位用量パッケージに関する。Gelardiらの出願は、一体の係止機構を備える剛性のフレームを取り囲む、可撓性の外部カバーで形成された単位用量パッケージに関する。
【0006】
子供が開けることができない単位投与パッケージの最近の発展にもかかわらず、産量の需要、市場の変化、および消費者のニーズにより、係止可能容器の新規の改良が頻繁に要求される。たとえば、係止可能な容器は通常、それが保管する医薬品のクールよりもはるかに長い間、壊れることなく使用することができる。すなわち、再使用不可能な係止可能容器は、その耐用期間が終了するより大分前に無駄に廃棄される。さらに、子供が開けることができないパッケージを必要とする使用者に、子供が開けることができるパッケージで医薬品が支給されることがある。さらに、使用済みであるが完全に機能する係止可能容器ではなく、新しい係止可能容器に詰め替えられた調合薬は、新しい容器のコストを賄うためにより高価となり得る。
【特許文献1】米国特許第6,047,829号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0062287号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2003/0015438号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、当分野では依然、これらの満たされていないニーズに合う係止可能容器が必要とされている。たとえば、新しい調合薬をそれぞれ備えることができる安価な係止可能容器が必要とされており、再使用可能な安価な係止可能容器が必要とされており、消費者が交換パックまたはカードを充填することができる安価な係止可能容器が必要とされており、また、薬剤者など第三者の医療介護提供者が交換パックまたはカードを充填することができる、安価な係止可能容器が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
概括的に言えば、本発明は、単位用量パックを取外し可能に結合および保護するための係止可能容器と、係止可能容器に取り付けられた、ブリスターパックを貼り付けるための折りたたみ可能な複数パネルブリスターカードと、係止可能な容器に取付け可能な、ブリスターパックを貼り付けるためのブリスターカードと、ブリスターパックをブリスターカードに貼り付ける方法の様々な実施形態を提供することによって、上記で特定されたニーズを満たす。
【0009】
例示的な実施形態では、本発明の係止可能な容器は、一連の連続的なパネルおよび剛性の成形プラスチック係止要素で構成される、折りたたみ可能な部分を備える。単位用量は、好ましくは、これらに限定されないがパネル、カード、ディスペンサ、または付属部などの構造内にまたはそれに貼り付けて容器内部に収容することができる。本明細書で使用するとおり、単位用量とは、容器によって別々に収容される品目のいかなる分離された部分をも含む。単位用量の例は、支持体上の胞またはブリスター、シリンジ、小袋、ピロー、パッケージされた部分、その他の収納容器、または材料がその中で個別に分配または消費されるその他いかなる形態も含む。分離されたそれぞれの割当て部分内で、単位用量はまた個別の分配可能な品目を収容することもできる。たとえばカード上の胞またはブリスターはそれぞれ、複数の錠剤を収容することができる。
【0010】
例示的な実施形態で、折りたたみ可能な部分は、板紙、プラスチック、積層板、蝶番式の金属、またはそれらのいかなる組合せも含めて、引き裂き強さを有する可撓性または折曲げ可能な材料で形成することができる。折りたたみ可能な部分は好ましくは、成形された係止要素と協働して、外部カバーによって取り囲まれた剛性のフレームを形成する。これに関して、折りたたみ可能な部分の1つまたは複数のパネルは通常、剛性のフレームを形成するために、成形された係止要素に少なくとも部分的に取り付けられ、さらなるパネルが、外部カバーを形成するためにフレームの頂部および底部上にわたって延びる。パネルは、成形部分によって設けられたフレーム内に嵌るように切断することができ、パネルを成形部分に精密に嵌めることを保証するために、1つまたは複数の切欠き、切り抜き、タブ、スロットなどを備えることができる。これに関して、たとえば、パッケージの頂部を形成するパネルは、成形部分内に形成された係止機構が通過することを可能にする、スロットを備えることができる。パッケージの底部を形成するパネルはまた、容器内の係止機構にアクセスし操作することを可能にするための、1つまたは複数の切欠き、切り抜き、タブ、またはフラップなど、制限されたアクセスを有することができる。
【0011】
折りたたみ可能な部分は、これらに限定されないが、漂白または無漂白の、コートされていないまたはコートされたC1SまたはC2Sを含めて、パッケージ用途に適したいかなる板紙で形成することもできる。板紙はまた、必要に応じて、さらなる剛度および引き裂き強さをもたらすためにポリマー材料またはその他の材料で積層することができる。あるいは、折りたたみ可能な部分は、熱成形用途で使用されるようなプラスチックで構成することができる。折りたたみ可能な部分は、一体の抜板などの単一部片から形成し、容器のそれぞれのパネルを形成するように折り曲げることができ、あるいは、容器を形成するために必要なように個々のパネルを設け、係止要素に取り付けることができる。単位用量を受けまたそうでなければ保護する構造を設けるために、同一の材料を使用することができる。
【0012】
例示的な実施形態では、成形された係止要素は、係止要素および係止解除要素を備える。適当な係止要素および係止解除要素のいくつかの非限定的な実施形態が、同時係属中の本願と同じ譲渡人に譲渡された、2003年1月23日公開の特許文献3に詳細に説明されている。係止要素は、垂直に結合されたパネルで構成されたフレーム部分、および摺動可能な係止舌部の要素を受け入れるフレーム基部を形成する。フレーム基部は、折りたたみ可能な部分の少なくとも1つのパネルに、化学的または機械的に取り付けることができる。
【0013】
成形されたフレームは矩形とすることができ、2つの側部パネルよりも高さが低く長さが短い2つの端部パネルを備えることができる。端部パネルおよび側部パネルに加え、側部パネル同士の間およびフレーム基部の上に、スロットハウジングパネルを挿入することができる。このパネルは、係止フラップから垂れ下がるタブを受け係合させるためのスロットを備え、フレーム基部よりそれが高くなるのに十分な厚さで成形され、したがって係止舌部をその下面に係合させることが可能になる。またスロットハウジングパネルのこの高さによって、容器が閉じられたときに係止フラップに対する支持がもたらされる。
【0014】
成形された非緊張位置で係止構成となる係止機構を非作動状態にするために、トリガ機構を使用することができる。様々な実施形態でトリガ機構は、円形プルリング、T字形レバー、またはロッドとすることができる。一実施形態では、リングが引っ張られると摺動可能な舌部が動かされて、湾曲しただぼまたは横方向タブをスロットハウジングの下から引き出す。係止舌部の引張方向への移動は、フレーム基部内にプルリングからある距離離して配置された1対の停止部、および停止部を係合させるようにバーを横切って水平方向に配置された停止リッジによって制限することができる。ストップリッジはさらに、バーの幅を横切りそれを超えて延びるように構成され、こうしてバーおよびプルリングをフレーム基部と同一平面内に配置したままに保つ。
【0015】
一実施形態で係止フラップは、成形されたパッケージフレームの端部パネルの1つに蝶番式に結合される。係止フラップは任意で、使用者が容易にアクセスすることを可能にするつまみを備えることができる。垂下タブが、係止フラップの一端部に、好ましくはその中央領域付近で取り付けられる。この垂下タブは、係止舌部に取り付けられた横方向タブに対応するスロットを備える。係止機構は、垂下タブがスロットハウジング内に係合し、横方向タブが垂下タブ内でスロットに係合すると、固定される。
【0016】
折りたたみ可能な部分は、いかなる適当な手段で成形プラスチック部分に固定することもできる。調合薬、医薬品、栄養補助剤などの単位投与材料を保持するために容器を使用する場合、単位投与収容要素を容器の内部に備えることができる。その他の消耗品および様々な材料も、特に個別の量に分配することが求められる場合に、このタイプの容器を使用してパッケージすることができる。このような要素は、すべて従来の手段によって形成される、胞、ブリスター、小袋、ピロー、箔挿入物、およびその他の収納容器から選択することができ、また、容器を形成する折りたたみ可能な部分、または容器内の分離された保管要素として挿入されたカード上に取り付けることができ、あるいは、フレームまたは別のパネルに取り付けられた付属部などの一体構造に取り付けることができる。たとえば、ブリスターカードをパッケージ内に組み込む場合、ブリスターカードは、折りたたみ可能な部分の1つまたは複数のパネルとして形成することができ、1つまたは複数のパネルに貼り付けることができ、1つまたは複数のパネルに取り付けることができ、フレーム内の別個のパネルに取り付けることができ、あるいは、フレームにそれ自体が取り付けられた付属部などの構造要素に取り付けることができる。
【0017】
パッケージを閉じるためには、折りたたみ可能な部分をフレーム基部上に延ばし、係止フラップの垂下タブ領域に圧力を加えて、タブをスロットハウジングパネル内のスロットと係合させる。垂下タブはスロットに係合されるとき、突出した横方向タブを通過して摺動して、定位置に嵌り込む。完全に係止された位置で、横方向タブは、垂下タブの側部に正の力を加え、こうして、横方向タブを外すための適度な大きさの圧力を加えずに垂下タブを移動させることが困難となる。容器を開けるためには、垂下タブをスロットハウジングパネルから引き出すために、横方向タブを外して非係合状態にする。これに関して、使用者の指は、パッケージの底部でプルリングに係合し、リングを係止フラップと反対方向に引っ張る。リングは係止舌部を引き、次いで湾曲しただぼをスロットハウジングパネルから外側へと引き出す。横方向タブと垂下タブの正の接触(positive contact)が引き離され、こうして、垂下タブをスロットハウジングパネルから自由に動かすことができる。次いで係止フラップを、一体蝶番の周囲で回動させて、容器のカバーまたは頂部パネルを解放することができる。
【0018】
開放時のさらなる安全機構として、係止フラップの最も内側の縁部付近にある1対のスリットによって、係止フラップを部分的に3つの区画に分けることができる。そのように形成された各区画は、隣接区画に対していくらかの制限された移動をすることができる。パッケージを開けるためには、係止フラップをうまく開けるように係止舌部をスロットハウジングパネルから引き出しながら、少なくとも1つの区画を把持しパッケージから外側へと引き出す。
【0019】
上記で参照した実施形態の再使用および詰め替えを対象とする特徴を提供する実施形態もまた、本明細書で教示する。たとえば、一代替実施形態では、従来のブリスターパックを折り重ねフラップまたはパネルに取外し可能に結合する手段が提供される。そこで、フレームに取り付けられる縁部、カバーパネル、および折り重ねフラップを備える折りたたみ可能な部分が、それらの縁部それぞれに沿った折り重ねフラップに取り付けられるブリスターパックを受けるように構成される。ブリスターパックの収容物が消費されると、ブリスターパックを折り重ねパネルから取り外して廃棄することができ、詰め替え用のブリスターパックを折り重ねフラップまたはパネルに取り付けることができる。
【0020】
別の代替実施形態では、フレームに結合された折りたたみ可能な部分を同様に形成する、ブリスターカードが提供される。そこで、裏側パネル、背部、カバーパネル、および貼り付けられたブリスターパックを受けるためのブリスターカードとして構成された少なくとも1つの内部パネルを備える折りたたみ可能な部分が、フレームに取り付けられる。本開示の目的のために、貼り付けられたブリスターパックは、ブリスターカードに一時的または持続的に固定され、またはそうでなければそれに対合された、表面を貼り付けたブリスターパックおよび/または裏面を貼り付けたブリスターパックのすべての組合せを含む。表面貼付けには剥取りブリスターパックがより適当であり、裏面貼付けには押出しブリスターパックがより適している可能性があるが、この例示的な組合せは単なる例示に過ぎず、貼付け構成に関する限定ではない。次いで、複数の貼り付けられたブリスターパックを折りたたみ、係止可能容器の内部に納めることができる。
【0021】
さらなる代替実施形態では、貼り付けられたブリスターパックを受け、次いで係止可能容器内で保護される前にフレームまたは折りたたみ可能な部分に取り付けることができるように構成されたブリスターカードが提供される。たとえば、ブリスターパックは、少なくとも1つの開口を有する打抜パネルに、表面または裏面を貼り付けることができる。パネルは次いで、容器が係止されるとブリスターパックが保護され、係止要素をうまく操作することによってのみアクセス可能となるように、フレーム、フレーム内の構成、または折りたたみ可能な部分に直接結合されることができる。あるいは、この貼り付けられたブリスターカードは、別の容器と組み合わせて、または単にそれ自体で使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
必要に応じて、本明細書で本発明の詳細な実施形態を開示する。開示する実施形態は、様々な代替形態として実施することができる本発明の例示に過ぎないことを理解されたい。図は必ずしも一定の縮尺ではなく、特定の構成要素の詳細を示すために、いくつかの特徴を誇張または縮小する可能性がある。その他の例では、本発明が不明瞭になることを避けるために、よく知られた材料または方法の詳細を説明していない。したがって、本明細書で開示する特定の構造的および機能的な詳細は、限定としてではなく、特許請求の範囲、および当分野の技術者が本発明を様々に利用するための教示の根拠として理解されるべきである。
【0023】
次に、全体を通して同様の番号が同様の特徴を表す図面を参照すると、本発明の実施形態が示されている。まず図1を見ると、本発明による係止可能容器10の一実施形態が、頂部パネル14および折り重ねフラップ16を有する折りたたみ可能部分12を備える。図示の実施形態では、少なくとも1つのブリスターまたは胞22および保護裏当て24(図2Bに最もよく示される)を備える従来のブリスターパック20が、折り重ねフラップ16に取り付けられる。ここでは、ブリスターパック20の1つの縁部が、化学的または機械的な取付け手段あるいはそれらの組合せのいずれかによって、折り重ねフラップの縁部に取り付けられて示される。限定ではなく例示として、取付け手段は、接着剤、糊、ホットメルト、結合配合物、および、材料を結合するための同様の化学的な解決法を含む。取付け手段はまた、互いに係合するタブとスロット、摩擦嵌め部品、ラッチ部品、Velcro(登録商標)、および、材料を結合するための同様の機械的な解決法を含む。取付け手段はまた、当分野の技術者にはよく知られた、片面テープ、両面テープ、溶接など、材料を取り付けるための化学的および機械的解決法の組合せを含む。取付け手段はさらに、持続的な結合部と同様、一時的または取外し可能な結合部を含む。
【0024】
頂部パネル14は、係止可能容器10の背部を形成する端部パネル30に、折りたたみ可能に結合することができる。底部パネル32は、ここでは成形プラスチック構造として示す係止要素34に取り付けることができる。図示の実施形態でパネル32は、成形された係止要素34の一部上の可動領域を提供するために切削された、スロット36を備える。その他の実施形態では、スロット36を成形された係止要素の切抜露出要素で置き換えることができる。折りたたみ可能部分12は、本明細書に記載するいかなる取付け手段で、成形された係止要素34に取り付けることもできる。
【0025】
係止要素34は、係止フラップ38、係止舌部40、およびフレーム基部42を備える。フレーム基部42はさらに、ここでは容器10の形状を画成する矩形フレームを形成するように垂直に結合された、端部パネル44および側部パネル46を備える。当分野の技術者には理解されるように、矩形フレームは単なる例示であって限定ではなく、その他の形状も可能でありまたむしろ望ましい。係止要素34はさらに、係止フラップ38を係合させるためのスロット50と、係止舌部40の湾曲しただぼ部分がそこに配置される中空領域(図示せず)とをその下に有する、スロットハウジングパネル48を備える。その他の実施形態では、内部パネル(図示せず)は係止要素を覆い、文字、図用の、またはブリスターパックまたはカードを取り付けるための構造を形成する。
【0026】
図2に示すように、折りたたみ可能部分12は、折曲線54によって分割される選択された基部材料の単一抜板から、底部パネル32、頂部パネル14、および折り重ねフラップ16として形成される。実際には、ブリスターパック20が取り付けられた延長部16は、頂部パネル14に向かって内側へと折りたたまれ、頂部パネル14から外側へと開かれる。したがって、頂部パネル14および延長部16の内面または外面に、文字または図を印刷することができ、あるいは紙またはコンピュータ可読媒体上に保存された患者情報をそこに保持することができる。パネル14、16は、パネル14、16を折り重ねたときに整列するように配置およびサイズ決めされた、任意のスロット60、62、…を備え、背部パネル30および端部パネル66もまた、折曲線54によって画成される。スロット60、62は、容器10 が閉じられるときに、係止フラップ38の内側に配置された垂下タブ64(図1に最もよく示される)がパネル14、16を通過することが可能になるように形成される。端部パネル66は、一表面が前方端部パネル44に接触することを可能にし、容器の前方縁部を保護するように形成することができる。抜板は、フレーム42の形状およびその他の設計基準に合うように必要に応じて構成することができ、複数の部品として設けることができる。
【0027】
図2Aに図示する代替実施形態で示すように、折りたたみ可能部分12は、底部パネル32、頂部パネル14、第1のブリスターカード70、および任意の第2のブリスターカード72として、単一の抜板から形成される。パネル14およびカード70も同様に、パネル14とカード70を折り重ねたときに整列するように位置決めおよびサイズ決めされた、任意のスロット60、62、…を備える。スロット60、62は、十分広い幅の係止フラップ38および十分頑丈な折曲げ可能部分12を使用する場合、なくすことができる。さらに、ブリスターカード70、72は、図2B に最もよく示される貼り付けられたブリスターパックと位置合せされるように構成された、開口74を備える。
【0028】
図2Bは、裏面が取り付けられたブリスターパック80および表面が取り付けられたブリスターパック82を示す。ここで、ブリスターパック80は、従来の押出しブリスターパックであり、ブリスターまたは胞22内で保持された品目(図示せず)が妨害されずに保護カバー24および開口74を通過することができるように、その保護カバー24がカードのうち1つに貼り付けられている。同様に、ブリスターパック82は、従来の剥取りブリスターパックであり、保護カバー24を少なくとも部分的に除去した後に、開口74内に配置されたブリスターまたは胞22内で保持された品目(図示せず)を妨害されずに取り外すことができるように、カードのうちの1つにその表面が貼り付けられている。ここでブリスターパック80、82は、化学的または機械的な貼り付け手段、またはそれらの組合せによってカードに貼り付けられる。
【0029】
当分野の技術者であれば、本発明が図2、図2A、および図2Bに示す実施形態または構成に限定されないことに容易に気付くであろう。たとえば、より少ないまたはより多くのブリスターカードをこの抜板から形成することができ、ブリスターパックは、表面または裏面あるいはその両方をいくつかまたはすべてのブリスターカードに貼り付けることができ、いくつかのブリスターパックを同じ容器内の折り重ねカードに貼り付けながらその他のブリスターパックはブリスターカードに貼り付けることができ、ブリスターパックは、容器内の構造に直接取り付けられたブリスターカードに貼り付けることができ、かつ、ブリスターパックをブリスターカードに単に貼り付けて、係止可能容器なしで単位用量の医薬品を運ぶために最終使用者がそれ自体単独で使用する、しばしば折り重ねカードと呼ばれるものを形成することができる。
【0030】
限定ではなく例示として、貼付け手段は、接着剤、糊、ホットメルト、結合配合物、および材料を結合するための同様の化学的な解決方法を含む。貼付け手段はまた、互いに係止するタブとスロット、摩擦嵌め部品、ラッチ部品、Velcro(登録商標)、および材料を結合するための同様の機械的な解決方法を含む。貼付け手段はまた、片面テープ、両面テープ、溶接など、当分野の技術者に知られた材料を取り付けるための化学的および機械的な解決方法の組合せも含む。貼付け手段はさらに、持続的な結合部と同様、一時的または取外し可能な結合部を含む。
【0031】
図3に、閉じた係止可能容器10の等角図を示す。容器10が完全に閉じられると、頂部パネル14がフレームの内部に向かって折りたたまれ、係止フラップ38の下に折り込まれる。パネル14は、側部パネル46の縁部付近に配置されたリッジ90によって定位置に保持される。パネル14が下方に押されると、その縁部はリッジ90の下へと押し込まれそれによって確実に係合され、定位置に維持される。係止フラップ38は、係止フラップ38を隣接区画に対して限られた移動範囲を有するそれぞれの区画に分割する、1対のスリット92によって3つ又に分けることができる。本実施形態ではつまみ94が、フラップ38の両端部に成形される。その他の実施形態でつまみは、湾曲させ、傾斜させ、またはリブを付けることができる。フラップ38を複数の区画に分割することによって、使用者は容器を開けるために、係止舌部40を非緊張位置から動かすようにプルリング96(図5に示す)を係合させながら少なくとも1つの区画を引っ張るので、安全機構を強化することができる。垂下タブ64の真上に配置された、係止フラップ38の中央区画内のスロット98は、係止フラップ38の平面の下で下方へと突出して係止舌部40に係合する。
【0032】
容器10の下面または底部は、図4および図5に示すように、外面上のパネル32を示す。パネル32はフレーム基部の底面に当接し、取付け手段によって、または側部パネル46上のリッジ90との係合によって、あるいはその両方によって定位置に保持される。パネル32には、その下でトリガ機構の動作を可能にするための凹部が設けられる。図示の実施形態では、プルリング96の上にノード36が形成されるように、傾斜切欠きが切削されている。取り付けられていないノード36は押下することができ、こうして使用者がプルリング96を把持し操作することが可能になる。あるいは、ノード36をなくすことができ、切り抜き100が、プルリング96を部分的または完全に露出させるように形成される。プルリングの隠蔽部は、プルリングへのアクセスを分かりにくくするので、子供が開けられない特徴をさらに加えることができる。
【0033】
図6は、ブリスターカード114、116上に貼り付けられた、単位用量を収容するブリスターパック110、112の内部位置を示す、係止可能容器10の横方向断面である。ここで、限定ではなく例示目的で、ブリスターパック110はブリスターカード114に裏面が取り付けられ、ブリスターパック112はブリスターカード116に表面が取り付けられる。ブリスターカード116は折りたたまれ係止された位置で、それぞれのブリスターパック110、112のブリスターがはまり込むように、すなわち閉じられた容器の内部空間118の効率性を最大にするよう配置されるように、ブリスターカード114と対合するように折りたたまれる。さらに、底部パネル32は片側で保護カバーを提供し、係止フラップ38によって捉えられ固定された頂部パネル14は、反対側で保護カバーを提供する。好ましくは容器は、ブリスターが係止機構要素によって圧迫されることなく保管されるような寸法である。
【0034】
次に初期製造に関してすべての図面を参照すると、係止可能容器10は通常、予め切削され予め折り曲げられた抜板が、フレーム基部42の底部、端部パネル30、44、および側部パネル46上の取付け箇所で結合される機械作業で形成される。側部パネル46の長さに沿ったリッジ90は、折りたたみ可能な部分が、これらの側部および端部パネルによって形成された成形フレーム内にスナップ嵌めされることを可能にする。ブリスターパック20、110、112は、折り重ねフラップ16に取り付けることができ、またはブリスターカード70、72、114、116に貼り付けることができ、あるいは、1つまたは複数のブリスターパックは、容器10が係止されるとブリスター22が保護され容易にアクセスできなくなるように、内部空間118内に配置された構成に取り付けることができる。その後の使用に関しては、本明細書で説明するように使用者または第三者が、空になったブリスターパックを取り外すことができ、新しいブリスターパックを取付けまたは貼り付けることができる。
【0035】
本発明は、本明細書では詳細を説明しないにもかかわらず上記の開示から当分野の技術者には理解される、その他の実施形態、特徴、および利点を含む。したがって、本開示は、上記の例のみまたは指定された実施形態のみに限定して読まれるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明による部分的に開かれた係止可能容器の一実施形態を示す等角図である。
【図2】本発明による折りたたみ可能な部分の一実施形態を示す平面図である。
【図2A】本発明による折りたたみ可能な部分の一代替実施形態を示す平面図である。
【図2B】ブリスターパックが貼り付けられた図2Aの実施形態の側面図である。
【図3】本発明による係止可能容器の一実施形態を示す等角図である。
【図4】本発明による係止可能容器の一実施形態を示す平面図である。
【図5】本発明による係止可能容器の一実施形態を示す等角図である。
【図6】本発明による係止可能容器の一実施形態の横方向断面図である。
【符号の説明】
【0037】
10 係止可能容器
12 折りたたみ可能部分
14 頂部パネル
16 折り重ねラップ
20 ブリスターパック
22 ブリスター
24 保護カバー
30 端部パネル
32 底部パネル
34 係止要素
36 スロット
38 係止フラップ
40 係止舌部
42 フレーム基部
44 端部パネル
46 側部パネル
48 スロットハウジングパネル
50 スロット
60 スロット
62 スロット
64 垂下タブ
70 ブリスターカード
72 ブリスターカード
90 リッジ
96 プルリング
100 切り抜き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単位用量パックを結合および保護するための装置であって、
係止要素を有するフレームに折りたたみ可能に取り付けられた第1の縁部と、
前記第1の縁部から離間した遠位にある第2の縁部と、
前記縁部の間に前記縁部のうち一方とほぼ平行に配置された折曲線と、
前記第1の縁部および前記折曲線によって画成され、前記係止要素に係合するように構成されたカバーパネルと、
前記第2の縁部および前記折曲線によって画成され、単位用量パックに取り付けられた折り重ねフラップとを備える装置。
【請求項2】
前記カバーパネルの表面積が、前記折り重ねフラップの表面積よりも大きい、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記折り重ねフラップが、ブリスターパックの縁部の少なくとも一部分を取り付けるための手段を備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ブリスターパックおよび折り重ねフラップは、前記カバーパネルが係止可能に係合されたときに、前記フレーム内で前記カバーパネルの下に配置される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記パネルが折りたたまれたとき、前記開口が前記係止要素と一体のほぼ垂直のタブと係止可能に協働するよう構成されるように、前記折曲線付近に少なくとも1つの開口をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
連続的なパネルで形成された折りたたみ可能なブリスターパック貼付けカードであって、
第1の端部および離間した第1の折曲線によって画成された外部カバーパネルと、
前記第1の折曲線および離間された第2の折曲線によって画成され、前記第1のパネルに貼り付けられたブリスターパック上に配置された少なくとも1つの胞を取り囲むように構成された少なくとも1つの開口を有する、第1の内部折り重ねパネルと、
前記第1の折曲線および離間された第2の端部によって画成され、前記第2のパネルに貼り付けられたブリスターパック上に配置された少なくとも1つの胞を取り囲むように構成された少なくとも1つの開口を有する、第2の内部折り重ねパネルとを備え、
前記カバーパネルが、前記折り重ねパネルに重なり係止要素を係合させるように構成されたカード。
【請求項7】
第1の面および反対側の第2の面をさらに備える、請求項6に記載のカード。
【請求項8】
前記ブリスターパックがそれぞれ、前記面のうちいずれかの同じ面に貼り付けられる、請求項7に記載のカード。
【請求項9】
前記ブリスターパックがそれぞれ、前記面のうちいずれかの面の反対側に貼り付けられる、請求項7に記載のカード。
【請求項10】
前記カバーパネルの表面積が、前記第1の折り重ねパネルの表面積以上の大きさである、請求項6に記載のカード。
【請求項11】
前記第1の折り重ねパネルの表面積が、前記第2の折り重ねパネルの表面積以上の大きさである、請求項10に記載のカード。
【請求項12】
ブリスターパック貼付けカードであって、
少なくとも1つの開口を有する抜板パネルと、
保護カバー、および品目を収容する少なくとも1つの胞を備え、前記パネル上に貼り付けられるブリスターパックと、
前記ブリスターカードを、子供が開けることができない容器と一体の受け入れ付属部に取外し可能に結合する手段とを備えるカード。
【請求項13】
前記ブリスターパックは、前記品目が前記パネルによって妨害されることなく前記保護裏当てを通過することができるように貼り付けられた従来の押出しブリスターパックである、請求項12に記載のカード。
【請求項14】
前記ブリスターパックは、前記パネルによって妨害されることなく前記品目を前記胞から取り外すことができるように貼り付けられた従来の剥取りブリスターパックである、請求項12に記載のカード。
【請求項15】
ブリスターパックへのアクセスを妨げる方法であって、
内部を画成する複数の縁部を備えるフレーム、および少なくとも1つの外部係止フラップを設けるステップと、
前記第1の外部カバーを、第1の面から前記内部へと入ることを妨げる前記フレームに隣接して取り付けるステップと、
前記内部内に付属部を設けるステップと、
前記付属部にブリスターパック貼付けカードを結合するステップと、
少なくとも1つの胞および隣接する保護裏当てを備えるブリスターパックを前記カードに貼り付けるステップと、
取外し可能な第2の外部カバーを前記フレームに隣接して取り付けるステップと、
前記ブリスターパックを前記内部内で前記外部カバーの間に配置するステップと、
前記第2のカバーの前記外面の一部分を前記係止フラップで捉えるステップと、
前記第2のカバーを固定するために前記係止フラップを係合するステップとを含む方法。
【請求項16】
フレームを設ける前記ステップがさらに、第1の端部でトリガ機構に、遠位端で横方向タブに結合された摺動可能な係止舌部を備える、一体の係止要素全体を提供することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記貼り付けるステップがさらに、前記ブリスターパックの前記表面の少なくとも一部分を前記カードに固定することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記貼り付けるステップがさらに、前記胞を覆う前記保護裏当ての部分が遮断されないように、前記ブリスターパックの前記裏面の少なくとも一部分を前記カードに固定することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
貼り付けられたブリスターパックであって、
少なくとも1つの開口を有する抜板パネルと、
保護カバー、および品目を収容する少なくとも1つのブリスターを備えるブリスターパックと、
前記ブリスターカードを前記抜板パネルに貼り付ける手段とを含み、
前記開口およびブリスターは、前記品目が前記パネルによって妨げられることなく前記保護裏当てを通過することができるように配置されるブリスターパック。
【請求項20】
前記ブリスターパックが、従来の押出しブリスターパックである、請求項19に記載のカード。
【請求項21】
前記ブリスターパックが、従来の剥取りブリスターパックである、請求項20に記載のカード。
【請求項22】
ブリスターパックを貼り付ける方法であって、
少なくとも1つの開口を有する抜板パネルを提供するステップと、
保護カバー、および品目を収容する少なくとも1つのブリスターを備えるブリスターパックを提供するステップと、
前記ブリスターを前記開口と位置合せするステップと、
前記ブリスターカードを、前記品目が前記パネルによって妨害されることなく前記保護裏当てを通過することができるように、前記抜板パネルに接着するステップとを含む方法。
【請求項23】
ブリスターパックを提供する前記ステップがさらに、従来の押出しブリスターパックを提供することを含む、請求項22に記載のカード。
【請求項24】
ブリスターパックを提供する前記ステップがさらに、従来の剥取りブリスターパックを提供することを含む、請求項22に記載のカード。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−509004(P2007−509004A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−535431(P2006−535431)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/034483
【国際公開番号】WO2005/054062
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(504376810)ミードウエストベコ・コーポレーション (55)
【Fターム(参考)】