説明

保護剤供給部材、並びに、保護層形成装置、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

【課題】発泡体層を有するローラ状の保護剤供給部材において、摺擦による保護剤の粉の飛翔が殆ど発生せず、保護剤の消費量を多くする必要がなく、かつフィルミングを防止できる保護剤供給部材などの提供。
【解決手段】芯材と、該芯材の外周に、表面から内部に切り込みを有する発泡体層を有し、ローラ状であり、前記切り込みの平均深さ(A)が、A≧0.2mmであり、前記発泡体層の平均厚み(B)と前記切り込みの平均深さ(A)とが、[B−A]≧0.5mmを満たし、隣り合う前記切り込みの平均距離(C)が、0.3mm≦C≦5.0mmである保護剤供給部材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護剤供給部材、並びに、保護層形成装置、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子写真方式による画像形成装置は、現像方式の違いによらず、一般的にドラム形状やベルト形状をした像担持体(一般には感光体)を回転させつつ一様に帯電し、レーザー光等により像担持体上に潜像パターンを形成し、これを現像装置により可視像化し、更に転写媒体上にトナー像を転写することで、画像を形成している。
また、転写媒体上へトナー像を転写した後の像担持体上には、転写されなかったトナー成分が残存する。このような残存物がそのまま帯電工程に搬送されると像担持体の均等な帯電を阻害することがある。そのため、一般的には、転写工程を経た後に像担持体上に残存するトナー成分等をクリーニング工程にて除去し、像担持体表面を十分に清浄な状態とした上で、帯電が行われる。
【0003】
画像形成の各工程においては様々な物理的ストレスや電気的ストレスが存在する。そして、様々な物理的ストレスや電気的ストレスを受けた像担持体は、使用時間を経るに伴って表面状態が変化する。
例えば、これらのストレスのうちクリーニング工程での摩擦によるストレスは、像担持体を摩耗させること、及び擦過傷を発生させることが知られている。
【0004】
このような問題に対して、像担持体上に保護剤を塗布することが有効であることが知られている。像担持体上への保護剤の塗布は、像担持体上の摩擦係数を低下させてクリーニングブレードや像担持体の劣化を低減させるとともに、像担持体上に付着する未転写トナー等の付着物の離脱性を向上させ、その結果、経時のクリーニング不良やフィルミングの発生を抑止することができる。
【0005】
保護剤を像担持体上に塗布する技術として、保護剤ブロックと、保護剤ブロックに接触して表面に付着させた保護剤を像担持体に塗布するブラシ状回転部材からなる保護剤供給部材と、保護剤ブロックを加圧して保護剤供給部材に接触させる保護剤加圧部材とを有する保護層形成装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかし、この提案の技術では、ブラシ状回転部材の回転によって、保護剤ブロックから摺擦された保護剤の粉が大量に飛翔してしまい、大量の保護剤が無駄になるという問題がある。また、経時でブラシ繊維の毛倒れや劣化がおこり、保護剤の消費量が安定せず、長期に亘り一定の量で保護剤を供給できないという問題がある。
【0006】
そこで、保護層形成装置の保護剤供給部材に、発泡体層を有するローラ状の保護剤供給部材を使用する技術が提案されている(例えば、特許文献2)。この提案の技術では、摺擦による保護剤の粉の飛翔が殆ど発生しない。
しかし、この提案の技術において、発泡体層を有するローラ状の保護剤供給部材は、ブラシ状回転部材に比べて像担持体の研摩力が高いために、保護剤による像担持体の保護効果が低くなってしまう。そのため、ブラシ状回転部材を用いた場合と同等以上の保護剤の消費量で塗布しても、フィルミングの発生頻度が高くなってしまうという問題がある。
【0007】
したがって、発泡体層を有するローラ状の保護剤供給部材において、摺擦による保護剤の粉の飛翔が殆ど発生せず、保護剤の消費量を多くする必要がなく、かつフィルミングを防止できる保護剤供給部材、並びに、該保護剤供給部材を用いた保護層形成装置、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジが求められているのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、発泡体層を有するローラ状の保護剤供給部材において、摺擦による保護剤の粉の飛翔が殆ど発生せず、保護剤の消費量を多くする必要がなく、かつフィルミングを防止できる保護剤供給部材、並びに、該保護剤供給部材を用いた保護層形成装置、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 芯材と、
該芯材の外周に、表面から内部に切り込みを有する発泡体層を有し、
ローラ状であり、
前記切り込みの平均深さ(A)が、A≧0.2mmであり、
前記発泡体層の平均厚み(B)と前記切り込みの平均深さ(A)とが、[B−A]≧0.5mmを満たし、
隣り合う前記切り込みの平均距離(C)が、0.3mm≦C≦5.0mmであることを特徴とする保護剤供給部材である。
<2> 発泡体層が、発泡ポリウレタンを含有する前記<1>に記載の保護剤供給部材である。
<3> 発泡体層が、連続気泡型の発泡体層である前記<1>から<2>のいずれかに記載の保護剤供給部材である。
<4> 発泡体層が、25個/inch〜300個/inchのセルを有し、かつ50N〜500Nの硬さである前記<1>から<3>のいずれかに記載の保護剤供給部材である。
<5> 保護剤ブロックと、
前記<1>から<4>のいずれかに記載の保護剤供給部材とを有することを特徴とする保護層形成装置である。
<6> 保護剤ブロックが、脂肪酸金属塩と無機潤滑剤とを含有する前記<5>に記載の保護層形成装置である。
<7> 脂肪酸金属塩が、ステアリン酸亜鉛である前記<6>に記載の保護層形成装置である。
<8> 無機潤滑剤が、窒化ホウ素である前記<5>から<7>のいずれかに記載の保護層形成装置である。
<9> 保護剤ブロックを押圧して保護剤供給部材に当接させる押圧力付与部材と、
像担持体表面に供給された保護剤を薄層化して保護層を形成する保護層形成部材とを有する前記<5>から<8>のいずれかに記載の保護層形成装置である。
<10> 像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、
転写後の前記像担持体表面に保護剤を付与して保護層を形成する保護層形成工程と、
前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含み、
前記保護層形成工程が、前記<5>から<9>のいずれかに記載の保護層形成装置により行われることを特徴とする画像形成方法である。
<11> 像担持体と、
該像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
転写後の前記像担持体表面に保護剤を付与して保護層を形成する保護層形成手段と、
前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有し、
前記保護層形成手段が、前記<5>から<9>のいずれかに記載の保護層形成装置であることを特徴とする画像形成装置である。
<12> 像担持体と、前記<5>から<9>のいずれかに記載の保護層形成装置とを少なくとも有してなり、画像形成装置本体と着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、発泡体層を有するローラ状の保護剤供給部材において、摺擦による保護剤の粉の飛翔が殆ど発生せず、保護剤の消費量を多くする必要がなく、かつフィルミングを防止できる保護剤供給部材、並びに、該保護剤供給部材を用いた保護層形成装置、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の保護剤供給部材の一例の概略正面図である。
【図2】図2は、図1の保護剤供給部材の断面図である。
【図3】図3は、図2の部分拡大図である。
【図4】図4は、発泡体層の表面の断面拡大図である。
【図5】図5は、独立気泡型の発泡体層の構造を示す断面模式図である。
【図6】図6は、連続気泡型の発泡体層の構造を示す断面模式図である。
【図7A】図7Aは、保護剤供給部材の正面図である。
【図7B】図7Bは、保護剤供給部材の発泡体層の拡大図である。
【図8】図8は、保護剤ブロックの製造装置を用い、圧縮成型により保護剤ブロックを形成する工程を示す斜視図である。
【図9】図9は、図8に示した製造装置の側断面図である。
【図10】図10は、保護剤ブロックの形状の一例を示す図である。
【図11】図11は、本発明の保護層形成装置の一例を示す概略断面図である。
【図12】図12は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略断面図である。
【図13】図13は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(保護剤供給部材)
本発明の保護剤供給部材は、芯材と、発泡体層とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部を有する。
前記保護剤供給部材は、ローラ状である。
【0013】
−芯材−
前記芯材の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記芯材の材質としては、例えば、樹脂、金属などが挙げられる。前記樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。前記金属としては、例えば、鉄、アルミ、ステンレスなどが挙げられる。
前記芯材の形状としては、例えば、円柱状、円筒状などが挙げられる。
【0014】
−発泡体層−
前記発泡体層は、前記芯材の外周に形成される。
前記発泡体層は、その表面から内部に切り込みを有する。
【0015】
−−切り込み−−
前記発泡体層が、前記発泡体層の表面から内部に切り込みを有することにより、前記発泡体層の表面は撓みやすくなる。その撓みにより、前記保護剤供給部材が像担持体に当接した際の圧力が緩和され、前記保護剤供給部材が像担持体に当接することによる研摩が起こりにくくなる。
また、前記切り込みを有する前記発泡体層の表面が適度に撓むことで、削り取った保護剤を像担持体へ受け渡すことができる。
さらに、切り込み深さや隣り合う切り込みの平均距離を変化させることで、保護剤の消費量を所望の消費量に調整することができる。
これらにより、十分な量の保護剤を像担持体に供給でき、像担持体のフィルミングを抑制することができる。
【0016】
前記切り込みの平均深さ(A)は、A≧0.2mmであり、0.2mm≦A≦1.0mmであることが好ましく、0.5mm≦A≦1.0mmであることがより好ましい。前記切り込みの平均深さ(A)が、0.2mm未満であると、切り込みが浅すぎて像担持体のフィルミングの抑制効果が得られない。前記切り込みの平均深さ(A)が、前記より好ましい範囲であると、像担持体のフィルミングの抑制効果がより優れる点で有利である。
切り込みの深さは、切り込みに金尺などを差し込んで測定することや、前記発泡体層の断面を顕微鏡などで観察して測定することで求めることができる。
前記切り込みの平均深さ(A)は、任意に切り込みの深さを5点測定した結果の平均値である。
【0017】
前記発泡体層は、前記発泡体層の平均厚み(B)と前記切り込みの平均深さ(A)との差[B−A]が、[B−A]≧0.5mmを満たす。前記差[B−A]は、2.0mm≦[B−A]≦2.8mmを満たすことが好ましく、2.0mm≦[B−A]≦2.5mmを満たすことがより好ましい。前記差[B−A]が、0.5mm未満であると、像担持体のフィルミングの抑制効果が得られない。前記[B−A]が、前記より好ましい範囲であると、像担持体のフィルミングの抑制効果がより優れる点で有利である。
【0018】
前記発泡体層は、隣り合う前記切り込みの平均距離(C)が、0.3mm≦C≦5.0mmであり、0.3mm≦C≦0.5mmが好ましい。前記平均距離(C)が、0.3mm未満であると、前記発泡体層の強度が低く、経時で前記発泡体層が劣化し、像担持体のフィルミングの抑制効果が得られず、かつ帯電部材の汚れが発生する。前記平均距離(C)が、5.0mmを超えると、前記発泡体層が撓みにくくなるため、像担持体のフィルミングの抑制効果が得られず、かつ帯電部材の汚れが発生する。前記平均距離(C)が、前記好ましい範囲であると、像担持体のフィルミングの抑制効果、及び帯電部材の汚染の抑制効果がより優れる点で有利である。
前記隣り合う切り込みの平均距離(C)は、前記発泡体層の表面において、隣り合う切り込みの距離(間隔)を任意に5点測定して、その平均値を計算することにより求めることができる。
【0019】
前記発泡体層における前記切り込みの方向は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記保護剤供給部材の軸方向と平行な方向であってもよく、前記軸方向と所定の角度をなす方向であってもよく、前記軸方向と直角な方向(周方向と平行な方向)であってもよい。なお、前記切り込みの方向が、前記軸方向と所定の角度をなす方向の場合には、形成される切り込みは、例えば、前記発泡体層の表面に螺旋状に形成される。前記螺旋は、1重螺旋であってもよく、多重螺旋であってもよい。
【0020】
前記保護剤供給部材においては、前記切り込みが前記発泡体層に略均一に形成されていることが、像担持体の全面に渡って均一にフィルミングを抑制できる点で好ましい。
ただし、本発明の効果を奏する限りにおいて、前記発泡体層の一部に切り込みがない箇所があってもよい。例えば、トナーよる可視像(トナー像)が形成されない像担持体の端部と当接する前記発泡体層の端部においては、前記切り込みはあってもよいが、なくてもよい。
【0021】
前記切り込みを前記発泡体層に形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カッターなどの刃物を前記発泡体層の表面から内部に差し込む方法が挙げられる。
なお、前記切り込みは、上記のように刃物などを前記発泡体層の表面から内部に差し込むことにより形成されるものであるため、溝や凹部とは異なり、切り込み自体が空間を形成しているものではない。すなわち、前記切り込みが形成された前記発泡体層を前記発泡体層の表面から観察した場合、前記発泡体層の表面には、前記切り込みに沿った筋が観察されることはあるものの、切り込みに沿った溝や凹部などは存在していない。
【0022】
ここで、図を用いて前記発泡体層の前記切り込みについて説明する。
図1は、本発明の保護剤供給部材の一例の概略正面図である。図2は、図1の保護剤供給部材の断面図である。
図1及び図2の保護剤供給部材25は、ローラ状であり、芯材23と、前記芯材23の外周に円筒状の発泡体層24を有している。そして、前記発泡体層24には、前記保護剤供給部材の軸方向と平行な方向に切り込み26が形成されている。前記切り込み26は、前記発泡体層24の表面から内部に向かって、すなわち前記保護剤供給部材の断面における中心に向かって形成されている。また、前記切り込み26は、隣り合う切り込みが所定の距離を有して形成されている。
なお、図1において、前記切り込み26は、前記保護剤供給部材の軸方向と平行な方向で、前記発泡体層24の一方の端部から他方の端部に渡り全体に略均一に形成されている。
【0023】
図3は、図2の部分拡大図である。符号A’は切り込みの深さを表し、符号B’は発泡体層24の厚みを表し、符号C’は隣り合う切り込みの距離を表す。
なお、前記発泡体層24の厚みは、円筒状の前記発泡体層24の内周面と外周面との距離である。前記隣り合う切り込みの距離(C’)は、前記発泡体層の最表面における隣り合う切り込みの距離であり、前記距離とは、ここでは円弧に沿った長さである。
【0024】
図4は、発泡体層の表面の断面拡大図である。前記発泡体層は、図4に示すように、内部及び表面に微小な孔28を有する。そのため前記発泡体層の表面には、微小な凹部が存在する。
ここで、発泡体層の厚み、切り込みの深さ、及び隣り合う切り込みの距離を測定する際には、前記発泡体層の最外面を測定の基準とする。前記最外面とは、図4に示すような、前記発泡体層24を構成する材質が存在する前記発泡体層24の最も外側の面(外接表面27)をいう。なお、前記発泡体層24の内周面においても、前記外接表面27と同様に、前記発泡体層24を構成する材質が存在する最内面を前記発泡体層の厚みの測定の基準とする。
【0025】
前記発泡体層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、発泡ポリウレタンが挙げられる。
【0026】
−−発泡ポリウレタン−−
前記発泡ポリウレタンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオールと、ポリイソシアネートと、触媒と、発泡剤とを少なくとも混合し、更に必要に応じて、整泡剤等のその他の成分を混合し、反応させて得られる発泡ポリウレタンが挙げられる。
【0027】
−−−ポリオール−−−
前記ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。これらの中でも、加工性、発泡体層の硬さなどの調整が容易な点から、ポリエーテルポリオールが好ましい。
【0028】
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、2個〜8個の活性水素基を有する低分子ポリオール及び低分子ポリアミンの少なくともいずれかを開始剤として、これにエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの少なくともいずれかを開環付加重合させることにより得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。
また、前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、一般に軟質ポリウレタンフォームの製造に用いられているポリエーテルポリエーテルポリオール、ポリエステルポリエーテルポリオール、ポリマーポリエーテルポリオールなどが挙げられる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、成形性の点から、エチレンオキシドが5モル%以上端末に結合したポリエーテルポリエーテルポリオールが好ましい。
【0029】
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水マレイン酸などの二塩基酸又はその無水物と、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどのグリコールやトリオールとを重合させることにより得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
また、前記ポリエステルポリオールとしては、ポリエチレンテレフタレート樹脂の廃材を、上記したグリコールで解重合することによって得られたものも用いることができる。
前記ポリオールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0030】
−−−ポリイソシアネート−−−
前記ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2、4−トリレンジイソシアネート(2、4−TDI)及び2、6−トリレンジイソシアネート(2、6−TDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、カルボジイミド変成MDI、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ポリメリックポリイソシアネートなどが挙げられる。
前記ポリイソシアネートは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0031】
前記ポリイソシアネートの配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ポリオールの水酸基に対する前記ポリイソシアネートのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)として、1.0〜3.0の範囲が挙げられる。
【0032】
−−−触媒−−−
前記触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミン系触媒、有機金属系触媒などが挙げられる。
前記アミン系触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン、ビス(ジメチルアミノ)エチルエーテルなどが挙げられる。
前記有機金属系触媒としては、例えば、ジオクチルスズ、ジステアリルスズジブチレートなどが挙げられる。
前記触媒は、活性水素を有するジメチルアミノエタノールなどの反応性触媒であってもよい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0033】
前記触媒の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ポリオール100質量部に対して、0.01質量部〜20質量部が挙げられる。
【0034】
−−−発泡剤−−−
前記発泡剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば水、フロン系化合物、低沸点炭化水素系化合物などが挙げられる。
前記フロン系化合物としては、例えば、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−245fa、HFC−365mfcなどが挙げられる。
前記の低沸点炭化水素系化合物としては、例えば、シクロペンタン、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ブタンなどが挙げられる。
これら発泡剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記発泡剤の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ポリオール100質量部に対して、5質量部〜50質量部が挙げられる。
【0035】
−−−整泡剤−−−
前記整泡剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン系界面活性剤が挙げられる。
前記シリコーン系界面活性剤の市販品としては、ジメチルシロキサン系整泡剤[例えば、トーレダウコーニングシリコーン社製の「SRX−253」、信越化学工業社製の「F−122」等]、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン系整泡剤[例えば、日本ユニカー社製の「L−5309」、「SZ−1311」等]などが挙げられる。
前記整泡剤の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ポリオール100質量部に対して、0.2質量部〜10質量部が挙げられる。
【0036】
−−−その他の成分−−−−
前記その他の成分としては、独立気泡、連続気泡の生成を制御するための架橋剤、破泡剤などが挙げられる。
前記架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが挙げられる。
前記破泡剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記整泡剤の中で破泡性の高いものが挙げられる。
【0037】
前記発泡ポリウレタンを製造する際には、通常、前記ポリイソシアネート以外の前記発泡ポリウレタンの原料を予め混合し、成形の直前にその混合物と前記ポリイソシアネートとを混合する方法が用いられる。
【0038】
前記発泡体層の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円筒状が挙げられる。
【0039】
前記発泡体層の平均厚み(B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、製品全体の小型化、軽量化という点から、1mm〜5mmが好ましい。
なお、前記発泡体層が円筒状の場合には、円筒状の内周面と外周面との距離を厚みとする。
ここで、前記平均厚みとは、前記発泡体層の前記厚みを任意に5点測定した際の平均値である。
【0040】
前記発泡体層の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、独立気泡型、連続気泡型が挙げられる。これらの中でも、連続気泡型が、圧縮残留ひずみが小さく、圧縮させても元の形状に戻りやすいため、長期の使用においてもほとんど変形しない点で好ましい。
なお、前記独立気泡型の発泡体層とは、図5に示すように、孔(「セル」と称することがある。)が独立しており、空気や水を通さない構造の発泡体層をいう。
前記連続気泡型の発泡体層とは、図6に示すように、隣接するセルが互いにつながっており、空気や水を通す構造の発泡体層をいう。
【0041】
前記発泡体層のセルの数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25個/inch〜300個/inchが好ましく、50個/inch〜150個/inchがより好ましい。前記セルの数が、25個/inch未満であると、像担持体のフィルミングの抑制が困難となることがあり、300個/inchを超えると、像担持体のフィルミングの抑制が困難となることがある。前記セルの数が、前記より好ましい範囲であると、像担持体のフィルミングの抑制がより優れる点で有利である。
前記セルの数は、以下の方法によって測定された値の平均値である。
前記発泡体層の表面において前記保護剤供給部材の軸方向の両端部近傍と中央部とで測定箇所を任意に3箇所(図7A中、符号20、及び21)選択する。ここで、図7Aは、保護剤供給部材の正面図である。保護剤供給部材25は、芯材23の外周に発泡体層24を有している。図7A中、符号20が端部の測定箇所、符号21が中央部の測定箇所である。次に、各測定箇所において周方向にさらに2箇所づつ選択して(図7Aには図示せず)、合計9箇所の測定箇所を決定する。次に、マイクロスコープを用い、それぞれの測定箇所の写真画面を観察する。そして、図7Bに示すように、写真画面の中心部に実寸1inch(約25mm)に対応する長さの線22を引き、その線内に何個のセルがあるかを数え、前記9箇所の平均値を求める。たとえわずかでも1inchの線22に接触したセルは1つとしてカウントする。例えば、図7Bに示すようなケースでは、セルの数は12個である。
【0042】
前記発泡体層の硬さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50N〜500Nが好ましく、100N〜300Nがより好ましい。前記硬さが、50N未満であると、像担持体のフィルミングの抑制が困難となることがあり、500Nを超えると、像担持体のフィルミングの抑制が困難となることがある。前記硬さが、前記より好ましい範囲であると、像担持体のフィルミングの抑制がより優れる点で有利である。
前記硬さは、前記発泡体層表面における任意の3点においてJIS K 6400に基づいて測定された値の平均値である。
【0043】
前記発泡体層における、独立気泡型、連続気泡型、セルの数、及び硬さなどは、発泡ポリウレタンを製造する際の、発泡ポリウレタン原料の種類、発泡剤の量、反応条件などを適宜調整することにより、制御することができる。
【0044】
前記保護剤供給部材の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記保護剤供給部材の製造方法の一例として、前記発泡ポリウレタンを前記発泡体層の材質とした場合の製造例を説明する。
まず、公知の方法により発泡ポリウレタン原料を発泡硬化させてブロック状の発泡ポリウレタンを形成する。そして、必要な形状に切り出して表面を研摩し、表面に開口したセルを有する円筒状に加工した後、円筒状の内部に前記芯材を挿入する。前記芯材には、発泡体層との接着性を高めるために、接着材を塗布しておいてもよい。その後、カッターのような刃物を用いて、前記発泡ポリウレタンにより形成された発泡体層の表面から内部に向かって所定の切り込みを入れる。これら工程により、前記保護剤供給部材が製造される。
他の製造例を説明する。
前記芯材を収納した保護剤供給部材成型用の成形型に発泡ポリウレタン原料を注入し、発泡硬化させる。その後、カッターのような刃物を用いて、前記発泡ポリウレタンにより形成された発泡体層の表面から内部に向かって所定の切り込みを入れる。このことにより、前記保護剤供給部材が製造される。
前記成形型を用いる製造方法においては、複雑な加工を必要とせず、好適な開口性を有する前記発泡体層を形成できる点から、成形型内表面にフッ素樹脂コーティング剤、離型剤等による離型層を設けておくことが好ましい。
【0045】
(保護層形成装置)
本発明の保護層形成装置は、保護剤ブロックと、保護剤供給部材とを少なくとも有し、更に必要に応じて、押圧力付与部材、保護層形成部材などのその他の部材を有する。
【0046】
<保護剤ブロック>
前記保護剤ブロックとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪酸金属塩を少なくとも含有し、更に必要に応じて、無機潤滑剤などのその他の成分を含有する保護剤ブロックが挙げられる。
【0047】
−脂肪酸金属塩−
前記脂肪酸金属塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸金属塩、オレイン酸金属塩、パルミチン酸金属塩、カプリル酸金属塩、リノレン酸金属塩、リシノール酸金属塩などが挙げられる。
前記ステアリン酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。
前記オレイン酸金属塩としては、例えば、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレインサン銅、オレイン酸鉛、オレイン酸マンガンなどが挙げられる。
前記パルミチン酸金属塩としては、例えば、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウムなどが挙げられる。
前記カプリル酸金属塩としては、例えば、カプリル酸鉛などが挙げられる。
前記リノレン酸金属塩としては、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウムなどが挙げられる。
前記リシノール酸金属塩としては、例えば、リシノール酸亜鉛、リシノール酸カドミウムなどが挙げられる。
これらの中でも、像担持体のフィルミングの抑制に優れる点、及び安価な点で、ステアリン酸金属塩が好ましく、ステアリン酸亜鉛がより好ましい。
これら脂肪酸金属塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0048】
−無機潤滑剤−
前記保護剤ブロックは、帯電部材の汚染を抑制できる点から、無機潤滑剤を含有することが好ましい。
前記無機潤滑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マイカ、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、タルク、カオリン、モンモリロナイト、フッ化カルシウム、グラファイトなどが挙げられる。
これらの中でも、窒化ホウ素が、帯電部材の汚染の抑制により優れる点で好ましい。
これら無機潤滑剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0049】
前記保護剤ブロックにおける前記脂肪酸金属塩と前記無機潤滑剤の配合割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、脂肪酸金属塩:無機潤滑剤(質量比)=100:0〜50:50が好ましく、95:5〜60:40がより好ましい。前記配合割合において、50:50よりも脂肪酸金属塩が少なくなると、像担持体上に保護層を形成することが困難になることがある。前記配合割合が、前記より好ましい範囲であると、像担持体のフィルミングの抑制及び帯電部材の汚染の抑制に優れる点で利点がある。
【0050】
前記保護剤ブロックの大きさ、形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、形状としては、例えば、バー状が挙げられる。
前記バー状としては、例えば、四角柱状、円柱状などが挙げられる。
【0051】
前記保護剤ブロックの形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、圧縮成型、溶融成型が挙げられる。これらの中でも、脂肪酸金属塩と無機潤滑剤とを含有する保護剤ブロックにおいては、圧縮成型で形成することが、帯電部材の汚れの抑制の点から好ましい。
【0052】
−圧縮成型−
前記圧縮成型の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。ここで、前記圧縮成型の方法の一例を、図を用いて説明する。
図8は、保護剤ブロックの製造装置を用い、圧縮成型により保護剤ブロックを形成する工程を示す斜視図である。図9は、図8に示した製造装置の側断面図である。
【0053】
図8及び図9に示すように、前記保護剤ブロックの製造装置50は、下型51と、前記下型51を挟むように配置され前記保護剤ブロックの長手方向に延在する側面を形成する一対の横型52と、前記下型51及び前記横型52を挟むように配置され前記保護剤ブロックの長手方向における端面を形成する一対の端型53と、上型54とを有している。
【0054】
図8において、前記端型53の一方は分解した状態を示しているが、実際には、他方の前記端型53に対向する位置を占めており、次に述べる前記保護剤ブロックの圧縮成型時には、これら前記端型53、前記下型51、前記横型52により、前記上型54が進入する空間を除いて密閉空間を形成する。また、図8及び図9において矢Vで示すように前記上型54が移動してかかる密閉空間に進入すると、前記下型51、前記横型52、前記端型53、前記上型54により、完全な密閉空間が形成される。
【0055】
前記上型54が外された状態で、形成された空間に、前記保護剤ブロックの原材料となる粉体Gが充填される。前記粉体Gは、粒状であってもよいし、顆粒状であってもよいし、これらの混合物であってもよい。
【0056】
前記粉体Gの投入が終了すると、前記上型54をかかる密閉空間に向けてV方向に進入させ、完全な密閉空間を形成しつつ、プレスを行い、前記保護剤ブロックが形成される。
以上の工程により、圧縮成型により図10に示すような四角柱状の保護剤ブロックが製造される。
【0057】
なお、溶融成型で形成された保護剤ブロックは半透明であり、圧縮成型で形成された保護剤ブロックは白色であるため、これらは目視により判別が可能である。
【0058】
<保護剤供給部材>
前記保護剤供給部材は、保護剤ブロックから保護剤を削り取り該保護剤を像担持体表面に供給する、本発明の前記保護剤供給部材である。
【0059】
<押圧力付与部材>
前記押圧力付与部材としては、前記保護剤ブロックを押圧して前記保護剤供給部材に前記保護剤ブロックを当接させる部材であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加圧バネが挙げられる。
【0060】
<保護層形成部材>
前記保護層形成部材としては、像担持体表面に供給された保護剤を薄層化して保護層を形成することができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブレードが挙げられる。
【0061】
前記ブレードの材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタンゴム、ヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらブレードは、像担持体との接点部分を低摩擦係数材料で、コーティングや含浸処理してもよい。また、前記ブレードの硬度を調整するために、有機フィラー、無機フィラーなどの充填材を分散させてもよい。
【0062】
前記ブレードは、ブレード支持体に、先端部が像担持体表面へ押圧当接できるように、接着や融着等の任意の方法によって固定される。前記ブレードの厚みについては、押圧で加える力との兼ね合いで一義的に規定できるものではないが、0.5mm〜5mmが好ましく、1mm〜3mmがより好ましい。
また、前記ブレード支持体から突き出し、撓みを持たせることができるブレードの長さ、いわゆる自由長についても同様に押圧で加える力との兼ね合いで一義的に規定できるものではないが、1mm〜15mmが好ましく、2mm〜10mmがより好ましい。
【0063】
前記保護層形成部材の他の構成としては、バネ板等の弾性金属ブレード表面に、必要に応じてカップリング剤やプライマー成分等を介して、樹脂、ゴム、エラストマー等の被覆層をコーティング、ディッピング等の方法で形成し、必要により熱硬化等を行い、更に必要であれば表面研摩等を施したものが挙げられる。
【0064】
前記被覆層は、少なくともバインダー樹脂及び充填剤を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる、例えば、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリ塩化ビニリデン(PVdF)等のフッ素樹脂;フッ素系ゴム、メチルフェニルシリコーンエラストマー等のシリコーン系エラストマーなどが挙げられる。
【0065】
前記弾性金属ブレードの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05mm〜3mmが好ましく、0.1mm〜1mmがより好ましい。前記弾性金属ブレードでは、ブレードのねじれを抑止するために、取り付け後に支軸と略平行となる方向に、曲げ加工等の処理を施してもよい。
【0066】
前記保護層形成部材で像担持体を押圧する力は、像担持体用保護剤が延展し保護層の状態になる力で十分であり、線圧として5gf/cm〜80gf/cmが好ましく、10gf/cm〜60gf/cmがより好ましい。
【0067】
前記保護層形成部材は、クリーニング部材を兼ねてもよいが、より確実に保護層を形成するには、予めクリーニング部材により像担持体上のトナーを主成分とする残存物を除去し、残存物が保護層内に混入しないようにすることが好ましい。
【0068】
前記保護層形成装置について、図を用いて説明する。図11は、本発明の前記保護層形成装置の概略断面図である。
像担持体である感光体ドラム11に対向して配設された保護層形成装置18は、保護剤ブロック13、保護剤供給部材14、押圧力付与部材15、保護層形成部材16等から主に構成される。
【0069】
前記保護剤ブロック13は、前記押圧力付与部材15の押圧力により、ローラ状の前記保護剤供給部材14に接する。前記保護剤供給部材14は感光体ドラム11と線速差をもって回転して摺擦し、この際に、保護剤供給部材表面に保持された保護剤を像担持体表面に供給する。
像担持体表面に供給された保護剤は、物質種の選択によっては供給時に十分な保護層にならない場合があるため、より均一な保護層を形成するために、例えばブレード状の部材を持つ保護層形成部材16により薄層化されて保護層となる。
【0070】
前記保護層が形成された像担持体は、例えば、図示しない高電圧電源により直流電圧もしくはこれに交流電圧を重畳させた電圧を印加した帯電ローラ17を、接触乃至近接させて、微小空隙での放電による像担持体の帯電が行われる。この際、保護層の一部は電気的ストレスにより分解や酸化が生じ、また、保護層表面への気中放電生成物の付着が生じる。
【0071】
なお、劣化した像担持体用保護剤は、通常のクリーニング機構により、像担持体に残存したトナー等の成分と共にクリーニング機構により除去される。このようなクリーニング機構は、上述の保護層形成部材16と兼用にしてもよいが、像担持体表面残存物を除去する機能と、保護層を形成する機能とは、適切な部材の摺擦状態が異なることがあるため、機能を分離し、図11に示すように保護剤供給部材より上流側に、クリーニング部材12、クリーニング押圧機構(図示せず)等からなるクリーニング機構を設けることが好ましい。
【0072】
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、保護層形成工程と、定着工程とを少なくとも含み、好ましくはクリーニング工程を含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成装置は、像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、保護層形成手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、好ましくはクリーニング手段を有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有する。
【0073】
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記保護層形成工程は前記保護層形成手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
【0074】
<静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段>
前記静電潜像形成工程は、像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
−像担持体−
前記像担持体(「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさなどについて特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体などが挙げられる。
【0075】
本発明の画像形成装置に用いる像担持体(感光体)は、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも感光層を有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
【0076】
前記感光層としては、電荷発生材と電荷輸送材を混在させた単層型、電荷発生層の上に電荷輸送層を設けた順層型、又は電荷輸送層の上に電荷発生層を設けた逆層型がある。また、前記感光体の機械的強度、耐摩耗性、耐ガス性、クリーニング性等の向上のため、感光層上に最表面層を設けることもできる。また、前記感光層と導電性支持体の間には下引き層が設けられていてもよい。また、各層には必要に応じて可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等を適量添加することもできる。
【0077】
前記導電性支持体としては、体積抵抗値が1.0×1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法でドラム状に素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。
ドラム状の支持体としては、直径が20mm〜150mmが好ましく、24mm〜100mmがより好ましく、28mm〜70mmが更に好ましい。前記ドラム状の支持体の直径が20mm未満であると、ドラム周辺に帯電、露光、現像、転写、クリーニングの各工程を配置することが物理的に困難となることがあり、150mmを超えると、画像形成装置が大きくなってしまうことがある。特に、画像形成装置がタンデム型の場合には、複数の感光体を搭載する必要があるため、直径は70mm以下が好ましく、60mm以下がより好ましい。また、特開昭52−36016号公報に開示されているようなエンドレスニッケルベルト、又はエンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
【0078】
前記感光体の下引き層は、一層であっても、複数の層で構成してもよく、例えば(1)樹脂を主成分としたもの、(2)白色顔料と樹脂を主成分としたもの、(3)導電性基体表面を化学的又は電気化学的に酸化させた酸化金属膜等が挙げられる。これらの中でも、白色顔料と樹脂を主成分とするものが好ましい。
前記白色顔料としては、例えば酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられ、これらの中でも、導電性支持体からの電荷の注入防止性が優れる酸化チタンが特に好ましい。
前記樹脂としては、例えばポリアミド、ポリビニルアルコール、カゼイン、メチルセルロース等の熱可塑性樹脂;アクリル、フェノール、メラミン、アルキッド、不飽和ポリエステル、エポキシ等の熱硬化性樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記下引き層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1μm〜10μmが好ましく、1μm〜5μmがより好ましい。
【0079】
前記感光層における電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、テトラキスアゾ顔料等のアゾ顔料、トリアリールメタン系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔料、スクアリリウム系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機系顔料又は染料;セレン、セレン−ヒ素、セレン−テルル、硫化カドミウム、酸化亜鉛、酸化チタン、アモルファスシリコン等の無機材料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0080】
前記感光層における電荷輸送物質としては、例えば、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、カルバゾール誘導体、テトラゾール誘導体、メタロセン誘導体、フェノチアジン誘導体、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチリルヒドラゾン化合物、エナミン化合物、ブタジエン化合物、ジスチリル化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、チアゾール化合物、イミダゾール化合物、トリフェニルアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリフェニルメタン誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0081】
前記感光層を形成するのに使用する結着樹脂としては、電気絶縁性であり、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂及び光導電性樹脂等を使用することができる。該結着樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネ−ト、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0082】
前記感光体の最表面層は、感光体の機械的強度、耐摩耗性、耐ガス性、クリーニング性等の向上のために設けられる。該最表面層としては、感光層よりも機械的強度の高い高分子、高分子に無機フィラーを分散させたものが好適である。また、前記最表面層に用いる樹脂としては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれであってもよいが、該熱硬化性樹脂は機械的強度が高く、クリーニングブレードとの摩擦による摩耗を抑える能力が極めて高いため特に好ましい。前記表面層は薄い厚みであれば、電荷輸送能力を有していなくても支障はないが、電荷輸送能力を有しない表面層を厚く形成すると、感光体の感度低下、露光後電位上昇、残留電位上昇を引き起こしやすいため、表面層中に前述の電荷輸送物質を含有させたり、表面層に用いる高分子として電荷輸送能力を有するものを用いることが好ましい。
【0083】
前記感光層と最表面層との機械的強度は一般に大きく異なるため、クリーニングブレードとの摩擦により最表面層が摩耗し、消失すると、すぐに感光層は摩耗していってしまうため、最表面層を設ける場合には、最表面層は十分な厚みとすることが重要であり、0.1μm〜12μmが好ましく、1μm〜10μmがより好ましく、2μm〜8μmが特に好ましい。前記厚みが、0.1μm未満であると、薄すぎてクリーニングブレードとの摩擦により部分的に消失しやすくなり、消失した部分から感光層の摩耗が進んでしまうことがあり、12μmを超えると、感度低下、露光後電位上昇、残留電位上昇が生じやすく、特に電荷輸送能力を有する高分子を用いる場合には、電荷輸送能力を有する高分子のコストが高くなってしまうことがある。
【0084】
前記最表面層に用いる樹脂としては、画像形成時の書き込み光に対して透明であり、絶縁性、機械的強度、接着性に優れたものが好ましく、例えばABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの高分子は熱可塑性樹脂であってもよいが、高分子の機械的強度を高めるため、多官能のアクリロイル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基等を持つ架橋剤により架橋し、熱硬化性樹脂とすることで、最表面層の機械的強度は増大し、クリーニングブレードとの摩擦による摩耗を大幅に減少させることができる。
【0085】
前記最表面層は、電荷輸送能力を有していることが好ましく、最表面層に電荷輸送能力を持たせるためには、最表面層に用いる高分子と前述の電荷輸送物質を混合して用いる方法、電荷輸送能力を有する高分子を最表面層に用いる方法が考えられ、後者の方法が、高感度で露光後電位上昇、残留電位上昇が少ない感光体を得ることができ好ましい。
【0086】
前記最表面層中には該最表面層の機械的強度を高めるために金属微粒子、金属酸化物微粒子、その他の微粒子など含有することが好ましい。前記金属酸化物としては、例えば酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム、窒化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アンチモン等が挙げられる。その他の微粒子としては、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂、又はこれらの樹脂に無機材料を分散したものなどが挙げられる。
【0087】
次に、静電潜像の形成は、例えば、前記像担持体の表面を帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。前記静電潜像形成手段は、例えば、前記像担持体の表面を帯電させる帯電器と、前記像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
【0088】
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、等が挙げられる。
前記帯電器としては、交流成分を有する電圧を印加する電圧印加手段を有するものが好ましい。
【0089】
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、等の各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
【0090】
<現像工程及び現像手段>
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
【0091】
−トナー−
前記トナーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、該プレポリマーと伸長又は架橋する化合物、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させることにより作製するトナーが挙げられる。このトナーは、トナー表面を硬化させることで、ホットオフセットを少なくすることができる。
【0092】
前記窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマーとしては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーが挙げられ、また、該プレポリマーと伸長又は架橋する化合物としては、アミン類が挙げられる。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとしては、ポリオールとポリカルボン酸の縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルを更にポリイソシアネートと反応させた物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられる。これらの中でも、アルコール性水酸基が特に好ましい。
【0093】
前記ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、3価以上のポリオールが挙げられる。これらの中でも、ジオール単独、ジオールと少量の3価以上のポリオールとの混合物が好ましい。
【0094】
前記ポリカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジカルボン酸、3価以上のポリカルボン酸が挙げられる。これらの中でも、ジカルボン酸単独、ジカルボン酸と少量の3価以上のポリカルボン酸との混合物が好ましい。
【0095】
前記ポリオールとポリカルボン酸の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]は、2/1〜1/1が好ましく、1.5/1〜1/1がより好ましく、1.3/1〜1.02/1が更に好ましい。
【0096】
前記ポリイソシアネートとしては、例えば脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0097】
前記ポリイソシアネートの比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]は、5/1〜1/1が好ましく、4/1〜1.2/1がより好ましく、2.5/1〜1.5/1が更に好ましい。前記[NCO]/[OH]が5を超えると、低温定着性が悪化することがあり、[NCO]のモル比が1未満であると、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0098】
前記アミン類としては、ジアミン、3価以上のポリアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸、これらのアミノ基をブロックしたものなどが挙げられる。これらアミン類のうち好ましいものは、ジアミン、ジアミンと少量の3価以上のポリアミンとの混合物である。
【0099】
更に、必要により伸長停止剤を用いてウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、又はそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
【0100】
また、前記画像形成方法及び画像形成装置には、上述のような、高品質な画像を得るに適した構成の重合法トナーばかりではなく、粉砕法による不定形のトナーに対しても適用でき、この場合にも、装置寿命を大幅に延ばすことができる。このような粉砕法のトナーを構成する材料としては、通常、電子写真用トナーとして使用されるものが、特に制限なく、適用可能である。
【0101】
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
【0102】
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
【0103】
<転写工程及び転写手段>
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
【0104】
前記像担持体は、感光体上に形成されたトナー像を一次転写して色重ねを行い、更に記録媒体へ転写を行う、いわゆる中間転写方式による画像形成を行う際に使用する、中間転写体であってもよい。
【0105】
−中間転写体−
前記中間転写体としては、体積抵抗値が1.0×10〜1.0×1011Ω・cmの導電性を示すものが好ましい。前記体積抵抗が1.0×10Ω・cmを下回る場合には、感光体から中間転写体上へトナー像の転写が行われる際に、放電を伴いトナー像が乱れるいわゆる転写チリが生じることがあり、1.0×1011Ω・cmを上回る場合には、中間転写体から紙などの記録媒体へトナー像を転写した後に、中間転写体上へトナー像の対抗電荷が残留し、次の画像上に残像として現れることがある。
【0106】
前記中間転写体としては、例えば、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物やカーボンブラック等の導電性粒子や導電性高分子を、単独又は併用して熱可塑性樹脂と共に混練後、押し出し成型したベルト状もしくは円筒状のプラスチックなどを使用することができる。この他に、熱架橋反応性のモノマーやオリゴマーを含む樹脂液に、必要により上述の導電性粒子や導電性高分子を加え、加熱しつつ遠心成型を行い、無端ベルト上の中間転写体を得ることもできる。
中間転写体に表面層を設ける際には、上述の感光体表面層に使用した表面層材料の内、電荷輸送材料を除く組成物に、適宜、導電性物質を併用して抵抗調整を行い、使用することができる。
【0107】
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、等が挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
【0108】
<保護層形成工程及び保護層形成手段>
前記保護層形成工程は、転写後の前記像担持体表面に保護剤を付与して保護層を形成する工程である。
前記保護層形成手段としては、上述した、本発明の前記保護層形成装置を用いることができる。
【0109】
<定着工程及び定着手段>
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を前記定着手段を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、等が挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
【0110】
<除電工程及び除電手段>
前記除電工程は、前記像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
【0111】
<クリーニング工程及びクリーニング手段>
前記クリーニング工程は、前記像担持体上に残留する前記電子写真用トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段は、転写手段より下流側かつ保護層形成手段より上流側に設けられることが好ましい。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
【0112】
<リサイクル工程及びリサイクル手段>
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
【0113】
<制御工程及び制御手段>
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
【0114】
ここで、図12は、本発明の画像形成装置100の一例を示す概略断面図である。
ドラム状の像担持体1Y,1M,1C,1Kの周囲に、それぞれ保護層形成装置2、帯電装置3、潜像形成装置8、現像装置5、転写装置6、及びクリーニング装置4が配置され、以下の動作で画像形成が行われる。
【0115】
次に、画像形成のための一連のプロセスについて、ネガ−ポジプロセスで説明を行う。
有機光導電層を有する感光体(OPC)に代表される像担持体は、除電ランプ(図示せず)等で除電され、帯電部材を有する帯電装置3で均一にマイナスに帯電される。
帯電装置による像担持体の帯電が行われる際には、電圧印加機構(図示せず)から帯電部材に、像担持体1Y,1M,1C,1Kを所望の電位に帯電させるに適した、適当な大きさの電圧又はこれに交流電圧を重畳した帯電電圧が印加される。
帯電された像担持体1Y,1M,1C,1Kは、レーザー光学系等の潜像形成装置8によって照射されるレーザー光で潜像形成(露光部電位の絶対値は、非露光部電位の絶対値より低電位となる)が行われる。
レーザー光は半導体レーザーから発せられて、高速で回転する多角柱の多面鏡(ポリゴン)等により像担持体1Y,1M,1C,1Kの表面を、像担持体の回転軸方向に走査する。
このようにして形成された潜像が、現像装置5にある現像剤担持体である現像スリーブ上に供給されたトナー粒子、又はトナー粒子及びキャリア粒子の混合物からなる現像剤により現像され、トナー可視像が形成される。
潜像の現像時には、電圧印加機構(図示せず)から現像スリーブに、像担持体1Y,1M,1C,1Kの露光部と非露光部の間にある、適当な大きさの電圧又はこれに交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される。
【0116】
各色に対応した像担持体1Y,1M,1C,1K上に形成されたトナー像は、転写装置6にて中間転写体60上に転写され、給紙機構200から給送された、紙などの記録媒体上に、トナー像が転写される。
このとき、転写装置6には、転写バイアスとして、トナー帯電の極性と逆極性の電位が印加されることが好ましい。その後、中間転写体60は、像担持体から分離され、転写像が得られる。
また、像担持体上に残存するトナー粒子は、クリーニング部材によって、クリーニング装置4内のトナー回収室へ、回収される。
画像形成装置としては、上述の現像装置が複数配置されたものを用い、複数の現像装置によって順次作製された色が異なる複数トナー像を順次転写材上へ転写した後、定着機構へ送り、熱等によってトナーを定着する装置であっても、あるいは同様に作製された複数のトナー像を順次一旦中間転写体上に順次転写した後、これを一括して紙のような記録媒体に転写後に、同様に定着する装置であってもよい。
【0117】
また、前記帯電装置3は、像担持体表面に接触又は近接して配設された帯電装置であることが好ましく、放電ワイヤを用いた。これにより、いわゆるコロトロンやスコロトロンと言われるコロナ放電器と比して、帯電時に発生するオゾン量を大幅に抑制することが可能となる。
【0118】
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、像担持体と、本発明の前記保護層形成手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段などのその他の手段を有してなる。
本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置に着脱自在に備えさせることができ、上述した本発明の前記画像形成装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
【0119】
ここで、図13は本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略断面図である。
前記プロセスカートリッジは、像担持体である感光体ドラム1に対向して配設された保護層形成装置2は、保護剤ブロック13、保護剤供給部材14、押圧力付与部材15、保護層形成部材16等から構成される。
また、像担持体は、転写工程後に部分的に劣化した像担持体用保護剤やトナー成分等が残存した表面となっているが、クリーニング部材12により表面残存物が清掃され、クリーニングされる。
図13では、クリーニング部材は、いわゆるカウンタータイプ(リーディングタイプ)に類する角度で当接されている。
クリーニング部材12により、表面の残留トナーや劣化した像担持体用保護剤が取り除かれた像担持体表面へは、保護剤供給部材14から、保護剤が供給され、保護層形成部材16により皮膜状の保護層が形成される。
このようにして保護層が形成された像担持体は、帯電後、レーザー等の露光Lによって静電潜像が形成され、現像装置5により現像されて可視像化され、プロセスカートリッジ外の転写装置6などにより、記録媒体7へ転写される。
【実施例】
【0120】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
【0121】
(製造例1)
<保護剤ブロック1の製造>
ステアリン酸亜鉛(GF−200、日油社製)90質量部及び窒化ホウ素(NX5、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製)10質量部の混合物を所定の型に入れ均した後に、圧力130kN、圧縮時間10秒間で圧縮成型をし、高さ方向の長さ10mm、横方向の長さ8mm、長手方向の長さ320mmの四角柱状の保護剤ブロック1を得た。
【0122】
(製造例2)
<保護剤ブロック2の製造>
ステアリン酸亜鉛(GF−200、日油社製)90質量部及びタルク(PFIタルク、三好化成社製)10質量部の混合物を所定の型に入れ均した後に、圧力130kN、圧縮時間10秒間で圧縮成型をし、高さ方向の長さ10mm、横方向の長さ8mm、長手方向の長さ320mmの四角柱状の保護剤ブロック2を得た。
【0123】
(製造例3)
<保護剤ブロック3の製造>
ステアリン酸亜鉛(GF−200、日油社製)90質量部及びマイカ(SAマイカ、三好化成社製)10質量部の混合物を所定の型に入れ均した後に、圧力130kN、圧縮時間10秒間で圧縮成型をし、高さ方向の長さ10mm、横方向の長さ8mm、長手方向の長さ320mmの四角柱状の保護剤ブロック3を得た。
【0124】
(製造例4)
<保護剤ブロック4の製造>
ステアリン酸亜鉛(GF−200、日油社製)を所定の型に入れ均した後に、圧力130kN、圧縮時間10秒間で圧縮成型をし、高さ方向の長さ10mm、横方向の長さ8mm、長手方向の長さ320mmの四角柱状の保護剤ブロック4を得た。
【0125】
(製造例5)
<保護剤ブロック5の製造>
ステアリン酸亜鉛(GF−200、日油社製)90質量部及び窒化ホウ素(NX5、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製)10質量部の混合物を溶融させた後、所定の型に入れて保護剤ブロック5を得た。
得られた保護剤ブロック5の形状は、高さ方向の長さ10mm、横方向の長さ8mm、長手方向の長さ320mmの四角柱状であった。
【0126】
(製造例6)
<保護剤ブロック6の製造>
ステアリン酸亜鉛(GF−200、日油社製)を溶融させた後、所定の型に入れて保護剤ブロック6を得た。
得られた保護剤ブロック6の形状は、高さ方向の長さ10mm、横方向の長さ8mm、長手方向の長さ320mmの四角柱状であった。
【0127】
【表1】

【0128】
(実施例1)
<保護剤供給部材1の製造>
発泡ポリウレタン(エバーライトSF QZK−70、ブリジストン化成品社製)を所定の大きさに裁断した。続いて、裁断した前記発泡ポリウレタンに芯材(平均直径6mm、長さ365mm、ステンレス製)を挿入するための穴を開け、その穴に前記芯材を挿入して固着させた。その後、前記芯材を軸とするローラ状に切り出し、研磨することにより、芯材の外周に発泡ポリウレタンからなる発泡体層を形成した。続いて、前記発泡体層の表面から内部に向かって、前記発泡体層の軸方向と平行な方向に切り込みを入れ、保護剤供給部材1を製造した。
前記保護剤供給部材1には、図1に示すように、前記保護剤供給部材1の軸方向に平行な方向に切り込みが均一に形成されており、かつ前記発泡体層の一方の端部から他方の端部に渡って切り込みが形成されていた。前記切り込みの平均深さ(A)は0.2mmであり、発泡体層の平均厚み(B)と前記切り込みの平均深さ(A)との差[B−A]は2.8mmであり、隣り合う前記切り込みの平均距離(C)は0.5mmであった。
また、得られた保護剤供給部材1は、ローラ状であった。発泡体層は連続気泡型であり、平均厚みが3.0mmであった。セルの数は70個/inch、硬さは150Nであった。
【0129】
<測定>
切り込みの平均深さ(A)、[B−A]、隣り合う切り込みの平均距離(C)、セルの数、及び硬さは以下の方法により測定した。
<<切り込みの平均深さ(A)>>
切り込みの深さを金尺により5点測定し、その平均値から切り込みの平均深さ(A)を求めた。
【0130】
<<[B−A]>>
レーザー外形測定機(RSV−1560PIIC、東京光電子工業社製)により保護剤供給部材の外周を測定し、直径(B1’)を算出した。また、芯材の直径(B2’)をノギスで測定した。保護剤供給部材の直径(B1’)と芯材の直径(B2’)との差(B1’−B2’)を2で割ることにより、発泡体層の厚み(B’)を求めた。発泡体層の厚み(B’)を5点測定し、その平均値から発泡体層の平均厚み(B)を求めた。そして、前記発泡体層の平均厚み(B)と上記で測定した切り込みの平均深さ(A)との差[B−A]を求めた。
【0131】
<<隣り合う切り込みの平均距離(C)>>
発泡体層における隣り合う切り込みの距離(間隔)を金尺により5点測定し、その平均値から隣り合う切り込みの平均距離(C)を求めた。
【0132】
<<セルの数>>
発泡体層の表面において保護剤供給部材の軸方向の両端部近傍と中央部とで測定箇所を任意に3箇所選択した。次に、各測定箇所において周方向にさらに2箇所づつ選択して、合計9箇所の測定箇所を決定した。次に、マイクロスコープを用い、それぞれの測定箇所の写真画面を観察した。そして、写真画面の中心部に実寸1inch(約25mm)に対応する長さの線を引き、その線内に何個のセルがあるかを数え、前記9箇所の平均値を求めた。たとえわずかでも1inchの線に接触したセルは1つとしてカウントした。
【0133】
<<硬さ>>
発泡体層表面の任意の3点においてJIS K 6400に基づいて硬さを測定し、それらの値を平均して求めた。
【0134】
<評価>
株式会社リコー製 imagio MP C5000の作像部に、同装置で使用されているステアリン酸亜鉛ブロックに代えて、前記保護剤ブロック1を配設した。また、同装置で使用されているブラシローラに代えて、前記保護剤供給部材1を配設した。
上記のように改造した前記装置における保護層形成装置の構成は図11に示すものである。
前記装置において、前記保護剤供給部材1が像担持体と当接した際の前記保護剤供給部材1の食い込み量は1.0mmとした。前記食い込み量とは、保護剤供給部材が像担持体に当接した際の、発泡体層の厚み方向における発泡体層の最大の変形量である。
なお、本実施例で用いた株式会社リコー製 imagio MP C5000には、保護剤ブロックを押圧して保護剤供給部材に当接させる押圧力付与部材に特開2007−293740の技術を採用しており、保護剤ブロックを経時においても定圧で且つ長手方向において均一な圧力で押圧することができる。なお、その圧力は、保護剤ブロックへの加圧力で5Nであった。
【0135】
A4版、画像面積率100%の原稿を1,000枚連続通紙した。
<<像担持体のフィルミング>>
1,000枚通紙後の像担持体のフィルミングの様子を目視で観察し、以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
◎:全く発生していない。
○:殆ど発生しておらず、良好である。
△:発生しているが、許容できる範囲である。
×:大きく発生しており許容できない。
【0136】
<<帯電部材の汚染>>
1,000枚通紙後の帯電部材(帯電ローラ)の汚染を目視で観察し、以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
◎:全く発生していない。
○:殆ど発生しておらず、良好である。
△:発生しているが、許容できる範囲である。
×:大きく発生しており許容できない。
【0137】
(実施例2〜9)
<保護剤供給部材2〜9の製造>
実施例1において、切り込みの平均深さ(A)、[B−A]、及び隣り合う切り込みの平均距離(C)を表2に記載の切り込みの平均深さ(A)、[B−A]、及び隣り合う切り込みの平均距離(C)に代えた以外は、実施例1と同様にして、保護剤供給部材2〜9を製造した。
得られた保護剤供給部材2〜9はローラ状であった。発泡体層は連続気泡型であり、厚みが3mmであった。保護剤供給部材2〜9の切り込みの平均深さ(A)、[B−A]、隣り合う切り込みの平均距離(C)、セルの数、及び硬さを表2に示す。
【0138】
<評価>
実施例1において、保護剤供給部材を表2に記載の保護剤供給部材に代えた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
【0139】
(実施例10)
<保護剤供給部材10の製造>
実施例3において、発泡ポリウレタンを発泡ポリウレタン(エバーライトSF HR−20、ブリジストン化成品社製)に代えた以外は、実施例3と同様にして、保護剤供給部材10を製造した。
得られた保護剤供給部材10はローラ状であった。発泡体層は連続気泡型であり、厚みが3mmであった。保護剤供給部材10の切り込みの平均深さ(A)、[B−A]、隣り合う切り込みの平均距離(C)、セルの数、及び硬さを表2に示す。
【0140】
<評価>
実施例3において、保護剤供給部材を保護剤供給部材10に代えた以外は、実施例3と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
【0141】
(実施例11)
<保護剤供給部材11の製造>
実施例3において、発泡ポリウレタンを発泡ポリウレタン(エバーライトSF QZK−70(密度3倍品)、ブリジストン化成品社製)に代えた以外は、実施例3と同様にして、保護剤供給部材11を製造した。
得られた保護剤供給部材11はローラ状であった。発泡体層は連続気泡型であり、厚みが3mmであった。保護剤供給部材11の切り込みの平均深さ(A)、[B−A]、隣り合う切り込みの平均距離(C)、セルの数、及び硬さを表2に示す。
【0142】
<評価>
実施例3において、保護剤供給部材を保護剤供給部材11に代えた以外は、実施例3と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
【0143】
(実施例12)
<保護剤供給部材12の製造>
実施例3において、発泡ポリウレタンを発泡ポリウレタン(エバーライトSF EPT、ブリジストン化成品社製)に代えた以外は、実施例3と同様にして、保護剤供給部材12を製造した。
得られた保護剤供給部材12はローラ状であった。発泡体層は連続気泡型であり、厚みが3mmであった。保護剤供給部材12の切り込みの平均深さ(A)、[B−A]、隣り合う切り込みの平均距離(C)、セルの数、及び硬さを表2に示す。
【0144】
<評価>
実施例3において、保護剤供給部材を保護剤供給部材12に代えた以外は、実施例3と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
【0145】
(実施例13〜16)
<評価>
実施例3において、保護剤ブロックを表2に記載の保護剤ブロックに代えた以外は、実施例3と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
【0146】
(実施例17)
<保護剤供給部材13の製造>
実施例3において、芯材の平均直径を7mmに代えた以外は、実施例3と同様にして、保護剤供給部材13を製造した。
得られた保護剤供給部材13はローラ状であった。発泡体層は連続気泡型であり、厚みが3mmであった。保護剤供給部材13の切り込みの平均深さ(A)、[B−A]、隣り合う切り込みの平均距離(C)、セルの数、及び硬さを表2に示す。
【0147】
<評価>
実施例3において、保護剤供給部材を保護剤供給部材13に代え、かつ食い込み量を1.5mmに代えた以外は、実施例3と同様にして、評価を行った。結果を表2に示す。
【0148】
(実施例18)
<保護剤供給部材14の製造>
実施例3において、芯材の平均直径を5mmに代えた以外は、実施例3と同様にして、保護剤供給部材14を製造した。
得られた保護剤供給部材14はローラ状であった。発泡体層は連続気泡型であり、厚みが3mmであった。保護剤供給部材14の切り込みの平均深さ(A)、[B−A]、隣り合う切り込みの平均距離(C)、セルの数、及び硬さを表2に示す。
【0149】
<評価>
実施例3において、保護剤供給部材を保護剤供給部材14に代え、かつ食い込み量を0.5mmに代えた以外は、実施例3と同様にして、評価を行った。結果を表2に示す。
【0150】
(実施例19、及び20)
<保護剤供給部材15、及び16の製造>
実施例1において、切り込みの平均深さ(A)、[B−A]、及び隣り合う切り込みの平均距離(C)を表2に記載の切り込みの平均深さ(A)、[B−A]、及び隣り合う切り込みの平均距離(C)に代えた以外は、実施例1と同様にして、保護剤供給部材15、及び16を製造した。
得られた保護剤供給部材15、及び16はローラ状であった。発泡体層は連続気泡型であり、厚みが3mmであった。保護剤供給部材15、及び16の切り込みの平均深さ(A)、[B−A]、隣り合う切り込みの平均距離(C)、セルの数、及び硬さを表2に示す。
【0151】
<評価>
実施例1において、保護剤供給部材を表2に記載の保護剤供給部材に代えた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
【0152】
(実施例21)
<評価>
実施例3において、保護剤ブロックを保護剤ブロック6に代えた以外は、実施例3と同様にして、評価を行った。結果を表2に示す。
【0153】
(実施例22)
<保護剤供給部材17の製造>
実施例1において、切り込みの平均深さ(A)、及び[B−A]を表2に記載の切り込みの平均深さ(A)、及び[B−A]に代えた以外は、実施例1と同様にして、保護剤供給部材17を製造した。
得られた保護剤供給部材17はローラ状であった。発泡体層は連続気泡型であり、厚みが3.5mmであった。保護剤供給部材17の切り込みの平均深さ(A)、[B−A]、隣り合う切り込みの平均距離(C)、セルの数、及び硬さを表2に示す。
【0154】
<評価>
実施例1において、保護剤供給部材を保護剤供給部材17に代えた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
【0155】
(比較例1)
<保護剤供給部材18の製造>
実施例1において、切り込みの平均深さ(A)、及び[B−A]を表2に記載の切り込みの平均深さ(A)、及び[B−A]に代えた以外は、実施例1と同様にして、保護剤供給部材18を製造した。
得られた保護剤供給部材18はローラ状であった。発泡体層は連続気泡型であり、厚みが3mmであった。保護剤供給部材18の切り込みの平均深さ(A)、[B−A]、隣り合う切り込みの平均距離(C)、セルの数、及び硬さを表2に示す。
【0156】
<評価>
実施例1において、保護剤供給部材を保護剤供給部材18に代えた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
【0157】
(比較例2)
<保護剤供給部材19の製造>
実施例1において、切り込みの平均深さ(A)、及び[B−A]を表2に記載の切り込みの平均深さ(A)、及び[B−A]に代えた以外は、実施例1と同様にして、保護剤供給部材19を製造した。
得られた保護剤供給部材19はローラ状であった。発泡体層は連続気泡型であり、厚みが3mmであった。保護剤供給部材19の切り込みの平均深さ(A)、[B−A]、隣り合う切り込みの平均距離(C)、セルの数、及び硬さを表2に示す。
【0158】
<評価>
実施例1において、保護剤供給部材を保護剤供給部材19に代えた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
【0159】
(比較例3、及び4)
<保護剤供給部材20、及び21の製造>
実施例3において、隣り合う切り込みの平均距離(C)を表2に記載の隣り合う切り込みの平均距離(C)に代えた以外は、実施例1と同様にして、保護剤供給部材20、及び21を製造した。
得られた保護剤供給部材20、及び21はローラ状であった。発泡体層は連続気泡型であり、厚みが3mmであった。保護剤供給部材20、及び21の切り込みの平均深さ(A)、[B−A]、隣り合う切り込みの平均距離(C)、セルの数、及び硬さを表2に示す。
【0160】
<評価>
実施例1において、保護剤供給部材を表2に記載の保護剤供給部材に代えた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
【0161】
(比較例5)
<保護剤供給部材22の製造>
実施例1において、発泡体層に切り込みを形成しない以外は、実施例1と同様にして、保護剤供給部材22を製造した。
得られた保護剤供給部材22はローラ状であった。発泡体層は連続気泡型であり、厚みが3mmであった。保護剤供給部材22のセルの数、及び硬さを表2に示す。
【0162】
<評価>
実施例1において、保護剤供給部材を保護剤供給部材22に代え、かつ保護剤ブロックを保護剤ブロック6に代えた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
【0163】
【表2】

表中、「A」は、切り込みの平均深さ(A)を表し、「B−A」は、発泡体層の平均厚み(B)と切り込みの平均深さ(A)との差[B−A]を表し、「C」は、隣り合う切り込みの平均距離(C)を表す。
【0164】
実施例1〜22においては、保護剤の粉の飛翔はほとんどなかった。また、保護剤の使用量は、従来のブラシローラを保護剤供給部材として使用した場合と比較して少なかった。
【0165】
本願発明の保護剤供給部材を用いた実施例1〜22は、該保護剤供給部材の発泡体層が撓むことで、前記保護剤供給部材が像担持体に当接した際の圧力が緩和され、前記保護剤供給部材が像担持体に当接することによる研摩が起こりにくくなり、像担持体のフィルミンを抑制することができた。
【0166】
切り込みの平均深さ(A)が0.5mm≦A≦1.0mmのもの(例えば、実施例2、3)は、切り込みの平均深さ(A)が0.5mm≦A≦1.0mmの範囲外のもの(例えば、実施例1、5)に比べ、像担持体のフィルミング、及び帯電部材の汚染の点でより優れていた。
[B−A]が2.0≦[B−A]≦2.5mmのもの(例えば、実施例2、3)は、2.0≦[B−A]≦2.5mmの範囲外のもの(例えば、実施例1、5)に比べ、像担持体のフィルミング、及び帯電部材の汚染の点でより優れていた。
隣り合う切り込みの平均距離(C)が、0.3mm≦C≦0.5mmのもの(例えば、実施例1、5)は、それ以外の範囲のもの(例えば、実施例8、9)に比べ、像担持体のフィルムニング、及び帯電部材の汚染の点でより優れていた。
【0167】
発泡体層のセルの数が70個/inch〜80個/inchのもの(例えば、実施例3、12)は、セルの数が70個/inch〜80個/inchの範囲外のもの(例えば、実施例10、11)に比べ、像担持体のフィルミング、及び帯電部材の汚染の点でより優れていた。
【0168】
保護剤ブロックが脂肪酸金属塩と無機潤滑剤を混合したもの(例えば、実施例2、14、15)は、脂肪酸金属塩のみのもの(実施例16)に比べ、帯電部材の汚染の点でより優れていた。特に、無機潤滑剤が窒化ホウ素のもの(例えば、実施例2)は、無機潤滑剤が窒化ホウ素以外のもの(例えば、実施例14、15)と比べ、帯電部材の汚染が非常に優れていた。
保護剤ブロックが圧縮成型で形成されたもの(例えば、実施例3)は、溶融成型で形成されたもの(例えば、実施例13)と比べ、帯電部材の汚染の点でより優れていた。
【0169】
食い込み量が1.0mmのもの(例えば、実施例2)は、食い込み量が1.5mmのもの(例えば、実施例17)、食い込み量が0.5mmのもの(例えば、実施例18)と比べ、像担持体のフィルミング、及び帯電部材の汚染の点でより優れていた。
【0170】
比較例1では、切り込みの平均深さ(A)が0.1mmと浅すぎるため、発泡体層の表面が撓みにくい。そのため、保護剤供給部材が像担持体へ当接した際の研摩が起こりやすく、像担持体にフィルミングが発生した。
比較例2では、切り込みの平均深さ(A)が2.7mmと深すぎるために、発泡体層の表面が撓みすぎ、保護剤ブロックの削取りが十分ではなかった。そのため、像担持体への保護剤の供給が不十分となり、像担持体にフィルミングが発生した。
比較例3、及び4では、隣り合う切り込みの平均距離(C)が適度な距離である0.3mm≦C≦5.0mmの範囲を外れているために、発泡体層の表面の撓みが適度ではなく、像担持体にフィルミングが発生した。
比較例5では、切り込みが無いために、発泡体層の表面が撓みにくい。そのため、保護剤供給部材が像担持体へ当接した際の研摩が起こりやすく、像担持体にフィルミングが発生した。
【産業上の利用可能性】
【0171】
本発明の保護剤供給部材は、発泡体層を有するローラ状の保護剤供給部材において、摺擦による保護剤の粉の飛翔が殆ど発生せず、保護剤の消費量を多くする必要がなく、かつフィルミングを防止できることから、電子写真形式の画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジなどに好適に使用される。
【符号の説明】
【0172】
1 感光体ドラム
2 保護層形成装置
3 帯電装置
4 クリーニング装置
5 現像装置
6 転写装置
7 記録媒体
8 潜像形成装置
11 感光体ドラム
12 クリーニング部材
13 保護剤ブロック
14 保護剤供給部材
15 押圧力付与部材
16 保護層形成部材
17 帯電ローラ
18 保護層形成装置
20 端部の測定箇所
21 中央部の測定箇所
22 線
23 芯材
24 発泡体層
25 保護剤供給部材
26 切り込み
27 外接表面
28 孔
50 製造装置
51 下型
52 横型
53 端型
54 上型
60 中間転写体
100 画像形成装置
200 給紙機構
G 粉体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0173】
【特許文献1】特開2006−65100号公報
【特許文献2】特開2009−150986号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材と、
該芯材の外周に、表面から内部に切り込みを有する発泡体層を有し、
ローラ状であり、
前記切り込みの平均深さ(A)が、A≧0.2mmであり、
前記発泡体層の平均厚み(B)と前記切り込みの平均深さ(A)とが、[B−A]≧0.5mmを満たし、
隣り合う前記切り込みの平均距離(C)が、0.3mm≦C≦5.0mmであることを特徴とする保護剤供給部材。
【請求項2】
発泡体層が、発泡ポリウレタンを含有する請求項1に記載の保護剤供給部材。
【請求項3】
発泡体層が、連続気泡型の発泡体層である請求項1から2のいずれかに記載の保護剤供給部材。
【請求項4】
発泡体層が、25個/inch〜300個/inchのセルを有し、かつ50N〜500Nの硬さである請求項1から3のいずれかに記載の保護剤供給部材。
【請求項5】
保護剤ブロックと、
請求項1から4のいずれかに記載の保護剤供給部材とを有することを特徴とする保護層形成装置。
【請求項6】
保護剤ブロックが、脂肪酸金属塩と無機潤滑剤とを含有する請求項5に記載の保護層形成装置。
【請求項7】
脂肪酸金属塩が、ステアリン酸亜鉛である請求項6に記載の保護層形成装置。
【請求項8】
無機潤滑剤が、窒化ホウ素である請求項6から7のいずれかに記載の保護層形成装置。
【請求項9】
保護剤ブロックを押圧して保護剤供給部材に当接させる押圧力付与部材と、
像担持体表面に供給された保護剤を薄層化して保護層を形成する保護層形成部材とを有する請求項5から8のいずれかに記載の保護層形成装置。
【請求項10】
像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、
転写後の前記像担持体表面に保護剤を付与して保護層を形成する保護層形成工程と、
前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含み、
前記保護層形成工程が、請求項5から9のいずれかに記載の保護層形成装置により行われることを特徴とする画像形成方法。
【請求項11】
像担持体と、
該像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
転写後の前記像担持体表面に保護剤を付与して保護層を形成する保護層形成手段と、
前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有し、
前記保護層形成手段が、請求項5から9のいずれかに記載の保護層形成装置であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
像担持体と、請求項5から9のいずれかに記載の保護層形成装置とを少なくとも有してなり、画像形成装置本体と着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−58540(P2012−58540A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202365(P2010−202365)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】