説明

保護管のための補助工具

【課題】保護管用の補助工具を供給する。
【解決手段】保護管1は長手方向に切れ目2をもち、長手方向の縁3を、切れ目2にそって互いに平面に保持する閉鎖要素4が備えられる。保護管1は次の特徴を有する。閉鎖要素4は分離した側面部品4であり、側面部品4の中央繋部が保護管の長手方向の縁3の間に挿入され、保護管1の外面は長手方向の縁3にそって側面部品4により覆われ、保護管1の内面は側面部品4により支持される。閉鎖要素4はそのような断面形状である。閉鎖要素により保護管を閉鎖する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護管のための補助工具に関する。
【背景技術】
【0002】
保護管は実に多彩な分野で保護に用いられる。例えば、電気配線、気体配管、外部の影響を防ぐ管として用いられる。この種の保護管は、複数のケーブルやばらばらのワイヤを束ねることにも用いられる。通常プラスチック製の、このような保護管に、特に外部の影響に対する高い安定性を与え、同時に柔軟にするため、いわゆる波形管が形成される。前記の管の直径は範囲が広く、通常、数mmから数十mm、あるいはそれ以上に及ぶ。
【0003】
このような保護管に線を導入するためには、線を一端から引き込まなければならない。もし線を、このような保護管に長距離導入することになると、距離が長くなるほど線の引き込みは困難になる。そのため、引き込み補助具の使用が避けられない。最初に保護管に引き込み補助具を通し、次に末端で、引き込むケーブルや線を束ねながら、ケーブルや線を引き込み補助具と一緒に保護管の中を通すことができる。ケーブルが既に引き込まれている保護管に、他のケーブルを加えようとすると、引き込み補助具を使用しても、引き込み作業は、はるかに困難になる。ケーブルが既に敷設されている、例えばコンピューターワークステーションにおいて、後でケーブルを保護管にまとめて入れるのも、同じように困難である。このため、長手方向に切れ目のある保護管が提供されており、後でケーブルを入れるため、保護管を開くことができる。たいていの場合、切れ目に沿った切り口は鋭いため、切り口を素手で開くと、怪我をするおそれがある。切り口は緊張状態にあるため、保護管を縦の切れ目に沿って開くのは難しい。切れ目付き保護管の他の問題は、管を開いた後、両切り口がいつも正確に互いに面上にあるわけではない。例えば、一方の縦切り口が、他の縦切り口に載り上げることがある。その場合、管の直径が小さくなる。さらに、保護管が見える場所に使用されると、例えば、職場のパソコンの線を束ねると、見た目も悪い。
【0004】
特許文献1は、単純な、軸方向の切れ目をもった波形管を記載している。波形管はプラスチック製で、ワイヤ、金属線などを収納し、切れ目が波形である。波形の切れ目により、ケーブルやワイヤが曲がっているとき、波形管内に保持しやすくなる。
【0005】
長いプラスチックの、ケーブル用の保護管や保護ケースが、特許文献2に記載されている。この保護管では、自由な切れ目は重なっているので、保護管の切り口は隙間なく閉じている。
【0006】
特許文献3は、自動車の電気ケーブルの保護鞘として、波形管を記載している。この波形管は、長手方向に貫通した切れ目と、それを閉じるための手段からなる。閉じる手段は、片方の切れ目の縁にある、留め金のような突起である。これは、他の切れ目の縁にある突起とぴったり合って結びつき、他の突起を挟んで落ち着く。切れ目に沿って管を閉じようとすると、突起を留めることが、不具合のある作業となる。
【0007】
特許文献4には、長手方向の切れ目に沿って、舌片やつまみがついた、切れ目付波形管が記載されている。舌片やつまみは、波形管の他の長手方向の縁の下を移動するため、2つの長手方向の縁の位置と方向は、互いに固定される。この公報には、連続的あるいは一枚ずつの押し出し機による押し出し成形により、このような波形管を製造する方法が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】ドイツ実用新案公報20 2004 009 048号
【特許文献2】ドイツ実用新案公報200 13 481号
【特許文献3】ドイツ特許公報10 2004 005 310号
【特許文献4】ドイツ特許公報696 22 048号(欧州特許公報0 883 922の翻訳)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、ケーブルを挿入するため、切目付保護管を開くのは難しい。そのため、上述の特許文献2は、引込締具としての補助工具を提供する。引込締具は2つの部分からなり、それぞれは、締具台と締具本体からなる。これらは締具ばねで保持され、ケーブル案内筒が締具ばねの力に対抗して開くことができ、ケーブルをケーブル案内筒に挿入すると、締具ばねの力で再度閉じて、閉じたままになる。さらに、案内部品(ハウジングヘッド)が締具本体に隣接してあり、ケーブル保護ハウジングの2つの縁が、締め付け線に沿って延びていて、締め付け線は締具本体とハウジング案内ヘッドの間に両側に形成され、ハウジング案内ヘッドはケーブル保護ハウジングの中を通って延びていて、案内部品として働く。同時に、補助工具が切れ目に沿って移動すると、ケーブルは、ケーブル保護ハウジングの中に、ケーブル案内筒を通して、挿入される。ケーブル保護ハウジングは、引き込み締具の後ろで、再度閉じる。この引き込み締具を扱うのは難しく、いつも正確な案内が保証されるわけではない。引き込み締め具が切れ目から外れることもある。これは特に、ケーブル保護ハウジングに挿入するケーブルが太いときに起こる。さらに、このシステムには、ケーブル保護ハウジングの切れ目に沿った縁が、他の切れ目の上で閉じたまま停止するという問題がある。このとき、異なる直径のケーブル保護被覆が生じることがある。これはとりわけ柔軟な材料が使われたとき、ケーブル保護ハウジングの古さと、挿入ケーブルの多さにより変わる。
【0010】
本発明の目的は、保護管用の補助工具を供給することである。保護管と補助工具を用いて、上述の従来技術の欠点を排除し、切れ目付保護管の縁を、特に、互いに安全に保持し、複雑な構造の手段を必要としないで、製造工程に関する限り、補助工具は保護管、特に波形管の取扱を容易にする。補助工具は移動可能な配置にて有用で、線、ケーブルその他は長大でも、設置場所で保護管内に容易に引き込むことができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、長手方向に切れ目をもつ保護管で達成される。閉塞要素があり、これは切れ目に沿った長手方向の縁を互いに平面上に維持する。閉塞要素は、分離した側面部品からなり、断面は、中央繋部が管の長手方向の縁の間に挿入される。管の上側は、側面部品で長手方向縁に沿って覆われ、管内部は、側面部品で支持される。
【0012】
さらに、本発明の目的は補助工具で達せられる。補助工具は、保護管の長手方向の切れ目に合致し、保護管の長手方向の縁を切れ目に沿って広げ、それを受け台で再び互いに閉じる。補助工具は2つの部分体からなり、一方の長手方向側は蝶番に結合し、2つの部分体の間にはケーブル、線などを案内する空隙あるいは空間がある。部分体は蝶番で開閉でき、部分体の外面に案内部品がある。案内部品とともに、補助工具は移動し、保護管の切れ目の長手方向の縁に沿って案内される。案内部品は、蝶番と反対側の自由な長手方向の縁にあり、部分体の間の空隙領域に案内要素が設けられる。部分体の外側から垂直に見たとき、部分体の一端から外側に、案内部品に傾いて突き出ている。そして、部分体の他の端で、おおよそ案内部品の面で終わる。
【0013】
結局、本発明は、保護管と側面部品と補助工具の組み合わせで理解される。
【0014】
さらに、本発明の目的は、保護管供給機構、補助工具の配置により実現される。補助工具は作業台に固定され、案内要素は作業台に設けられ、保護管を補助工具に向けて、あるいは離すように移動させる。供給ユニットが補助工具の入口側に、保護管、保護管に導入するケーブル、線などのため、および、側面部品のためにある。
【0015】
保護管は、切れ目に沿って管の長手方向の縁の間に挿入された側面部品に、切れ目に沿って閉じられることが必須である。側面部品は、長手方向の縁が、互いに方向をそろえて固定される。このような側面部品は長手方向に切れ目のある、異なる直径の保護管に使用できる。このような側面部品は、それぞれ必要な長さに切断される、終わりのない保護管に使用される。
【0016】
閉鎖要素または側面部品の構成は、断面を見ると、二重の「U」あるいは二重の「T」の形状をしている。外形の中央繋部は長手方向の縁をつなぐ繋部となり、管の上側部は長手方向の縁に沿って個々の外形の表面要素に覆われる。管の内部は長手方向の縁に沿って、対応する外形表面要素に支持される。さらに、閉鎖要素または側面部品は、断面を見ると、繋部で繋がれた2つの丸い部品で構成される。外形の繋部は保護管の長手方向の縁の間の繋部になる。管の長手方向の縁に沿った上側は、外形のひとつの円柱に覆われ、長手方向の縁に沿った管の内部は、他の外形の円柱により支持される。このような側面部品は保護管、特に波形管の長手方向の切れ目について使用することに合致する。
【0017】
複数の応用に用いる側面部品を構成するため、特に、異なる直径の保護管に用いるため、保護管の内部に隣接する側面部品の自由脚は、側面部品または閉鎖要素の断面が二重の「U」または二重の「T」であるとき、保護管内部の曲率半径より小さい曲率半径をもつ必要がある。対照的に、保護管の外側に載る側面部品の自由脚は、直線的な表面部材で構成できる。保護管の外側に載る自由脚を、事実上水平に支持するため、側面部品の自由脚は保護管の外側の曲率半径とほぼ等しい曲率半径の曲面をもつ。言うまでもなく、保護管の外側領域に位置する側面部品の自由脚は、保護管の外側の曲面に合うため、外側に載ることができる。
【0018】
閉鎖要素は保護管と色調の合った着色プラスチック材料からなる。そのため閉鎖要素は目立たないように保護管と一体化する。しかし保護管の色調変化に対応するため、無色で柔軟なプラスチック材料が好ましい。そうすれば保護管の色調が側面要素の一部を通して見え、側面要素は保護管の色調にいわば合致する。側面要素を柔軟にして、保護管の長手方向の縁の間の切れ目に容易に合うようにするため、閉鎖要素はポリウレタン(PU)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、あるいはポリ塩化ビニル(PVC)で作られる。
【0019】
前述の補助工具は次の構造を有する。一方で、前記の側面要素が、切れ目付保護管の長手方向の縁の間に挿入でき、他方で、ケーブル、線などが同時に保護管に挿入できる。保護管の長手方向の切れ目の縁に沿って移動中に安全に補助工具を案内する、部分体の外側に在る案内部品は、前記の道具において必須の重要性がある。同時に、部分体の間の空洞領域にある案内要素は、結合要素あるいは側面部品を、保護管の長手方向の縁の間に案内し、そこに正確に挿入する。最後に、空洞は、ケーブルを保護管内部に、同じ操作で導入するのに用いられる。操作中、側面要素は長手方向の切れ目に挿入される。
【0020】
上から見ると、部分体は三角形あるいは台形である。傾斜端は、補助工具が、保護管の長手方向の縁の間を入る、あるいは、通る領域である。反対側は、ケーブルと側面部品を、互いに分離して供給する十分な余地を与える。
【0021】
部分体の傾斜端では、案内部品と案内要素が同じ平面上で終了する。
【0022】
好ましくは、案内部品と案内要素は繋部で形成される。
【0023】
各案内部品の少なくとも2個の繋部は、U型の樋を形成するように配置される。
【0024】
保護管の縁を補助工具全体に案内するため、案内部品は、部分体の一端から他端まで伸びている。
【0025】
空洞領域の案内要素は、閉鎖要素(縁かがり)を、保護管の長手方向の縁の間に挿入するように案内すべく、形成される。つまり、案内要素は閉鎖要素の外形に合致する。
【0026】
2個の部分体間距離を適切に確保するため、各繋部は各部分体の内部に配置される。各繋部の高さは、相対する繋部の自由端が接する高さである。
【0027】
さらに、各部分体内部に配置された繋部の高さは、相対する繋部の間に空間が形成される高さである。対応する閉鎖要素あるいは側面部品は、2つの繋部間を通して空間に挿入される。
【0028】
補助工具と保護管の長手方向の縁の間の摩擦を小さく保つため、U型樋の底面には、部分体の外側の波形の突起があり、部分体には保護管の長手方向の縁が延びている。
【0029】
2つの部分体をつなぐ蝶番は、補助工具がプラスチック製のとき、好ましくは、フィルム蝶番で形成される。蝶番にそって2つの部分体は開くことができ、例えば、ケーブルやケーブル束を、保護管に導入するため、空洞に挿入することができる。
【0030】
蝶番は、二枚のフィルム蝶番として形成される。
【0031】
補助工具、保護管、保護管と同じ長さの側面部品が、販売単位として梱包される。さらに、補助工具を扱うための取扱説明書が添付される。
【0032】
長い線やケーブルを保護管に納める要求がしばしばある。線やケーブルを挿入するため、上述の、保護管供給機構と補助工具の配置が同時に使用される。配置は、補助工具が固定される作業台あるいは似た支持機構を含む。案内部品が作業台に配置され、保護管を補助工具に向かって、および離れるように移動させる。さらに、供給設備が補助工具の入口側に備えられる。保護管には、ケーブルや線などと側面部品が導入される。必要な長さの線やケーブルが保護管に導入され、保護管が側面部品で閉鎖された後、所望の長さに保護管が切断され、次の保護管が作られる。保護管の長さを決定するため、計測機構が備えられることもある。
【0033】
供給機構は、ケーブルや線などが、保護管の上部から供給され、側面部品がケーブルや線などの上部から供給されるように、配置される。
【0034】
供給機構は供給輪からなる。
【0035】
所望の保護管を設置作業に準備するため、ケーブルや線などを導入した保護管の巻き取り輪が、作業台の出口側に設けられ、保護管は所望の状態で巻き取り輪に巻き取られる。
【0036】
供給装置と供給輪は棚に保持される。
【0037】
長手方向の保護管切れ目が挿入され、ケーブルや線の挿入後、閉鎖要素により閉鎖されることが必須である。最初の材料として、切れ目なしの保護管を使用できるように、切れ目を入れる道具が補助工具の入口側に設けられ、補助工具に供給する前に、切れ目なしの保護管に長手方向の切れ目を入れる。固定刃が、切れ目を入れる道具として用いられる。刃は、補助工具が載せられる作業台に固定される。
【0038】
本発明のさらに詳細と特徴は図を参照した以下の記述により明らかになる。
【発明の効果】
【0039】
本発明の目的は、保護管用の補助工具を供給することである。この保護管と補助工具を用いて、上述の従来技術の欠点を排除し、切れ目付保護管の縁を、特に、互いに安全に保持し、複雑な構造の手段を必要としないで、製造工程に関する限り、補助工具は保護管、特に波形管の取扱を容易にする。補助工具は移動可能な配置にて有用で、線、ケーブルその他は長大でも、設置場所で保護管内に容易に引き込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】長手方向に切れ目のある波形管の断面の立体図である。補助工具により、側面部品が長手方向の切れ目に挿入過程にある。
【図2】図1と同じ図であるが、補助工具の他の側から見た図である。
【図3】図3Aは導入側から見た補助工具の立体図である。図3Bも導入側から見た補助工具の立体図である。
【図4】図1、2、3Aに示す補助工具であるが、外側から見た展開状態の立体図である。
【図5】図5Aは図3Bに示す補助工具であるが、外側から見た展開状態の立体図である。図5Bは図3Bに示す補助工具であり、図5Aに示す展開状態であるが、内側から見た図である。
【図6】A、B、Cの異なる3種の側面部品を示し、保護管の閉鎖に使用される。側面部品Aは図1、2に示されたものである。
【図7】ケーブル、線などを保護管に半自動式で引き込む配置の模式的側面図である。拡大詳細図Aは切れ目のない保護管に切れ目を入れる配置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1、2に示す保護管1は、標準的なプラスチック製波形管であるが、長手方向に切れ目がある。切れ目2の領域には、2つの対向した長手方向の縁3があり、互いに事実上の同一面である。2つの長手方向の縁3を平面上に固定し、切れ目2に沿って保護管1を再度閉鎖するため、閉鎖要素4あるいは側面部品が切れ目2に挿入される。断面を見ると、特に図2の閉鎖要素4と、図5Aの側面部品の説明図で分かるように、側面部品はいわゆる二重T形あるいは二重U形をしており、中央繋部5と2つの上部表面要素6と、2つの下部表面要素7が、概略正しい角度で延びている。閉鎖要素4の中央繋部5は、保護管1の2つの長手方向の縁3の間にあり、2つの上部表面要素6は、長手方向の縁3に沿って保護管1の上部縁部分を覆っており、下部表面要素7は、長手方向の縁3に沿って、保護管1の領域を支持する。保護管の2つの長手方向の縁3は、閉鎖要素4が切れ目2に挿入されても、それぞれの位置に固定される。
【0042】
図2の閉鎖要素4の断面から分かるように、2つの下部表面要素7は、断面が少し曲がっており、2つの下部表面要素7の曲率半径は、保護管1の内面の曲率半径より小さい。そのため、上部表面要素6、下部表面要素7と中央繋部5との間の溝幅は、保護管1の切れ目2の領域では、壁厚より大きい。その結果、閉鎖要素4は切れ目に、保護管1の長手方向の縁3に押しつぶされることなく、挿入できる。
【0043】
好ましくは、側面部品は柔らかくて、実質的に柔軟な材料でできているので、閉鎖要素4は保護管1の長手方向の縁3に適合できる。好ましくは、閉鎖要素4はポリプロピレン(PP)製である。閉鎖要素4は着色してもよい。そうすればその色は保護管1の色と適合する。しかし閉鎖要素4を無色でやや透明な材料で作ることもできる。その場合は、保護管1の基礎色調が閉鎖要素4を通して見えるので、あまり目立たない。
【0044】
閉鎖要素4を切れ目2に挿入する動作は難しい。というのは保護管あるいは波形管1は通常堅い材料でできていて、波形にすることで、管を曲げられるようにして、柔軟にしている。さらに管1の縁は鋭い縁であるため、閉鎖要素4を道具の助けを借りずに切れ目2に挿入すると、怪我をするおそれがある。そのため、図1、2に示す補助工具8が使用される。これは、拡大図3A、上側からの展開図4に示される。
【0045】
補助工具8は2つの部分体9からなり、これらは上部接続部10により接続される。補助工具8の2つの部分体9はプラスチック製で、フィルム蝶番11により左右が接続されている。このため2つの部分体9は、プラスチックの射出成形で図4の位置に作られ、そこから図3Aの位置に回転できる。
【0046】
上述のように、図4に示すとおり、2つの部分体9は概略三角形である。各部分体9の下側縁12に沿って案内部品が設けられ(符号13)、2本の繋部14が間隔をおいて平行に設けられる。溝15が2本の繋部14の間に形成される。溝15は図1、2のように、保護管1の長手方向縁が案内できる寸法に作られる。案内部品13と繋部14の前面と後面は保護管1の長手方向縁3が導入しやすいように傾斜をつける。溝15の底面は突起16が波形に延びるように形成される。これは保護管1の長手方向縁3と溝15の底面との摩擦を減らす。
【0047】
部分体9の内部には、第一繋部17と第二繋部18が上部領域に設けられ、互いに対向している。部分体9の基礎部分から始まり、繋部17は、互いに接する長さあるいは高さである。対照的に、2つの第二繋部18は間隙19が間に残るような高さである。さらに、2つの後端断面は内側に湾曲し、補助工具の分割線21に沿って、端が互いに出会う。2つの後端断面20は互いに端で接するが、部分体9の周辺部は、各々の案内部品13は外側に配置されるが、内部に隙間をあけて配置される。隙間の間隔は、上部領域の、2つの第一繋部17で決まる間隔と同じである。図3Aのように、第一繋部17と第二繋部18は、前端23から後端22まで延びている。また、図1、2に明確に見られるように、曲線形で延びている。
【0048】
第二の繋部18の下に、空洞あるいは拡大領域24が設けられる。拡大領域24は各部分体9上の2つの胴25で形成される。拡大領域24は、波形管1に補助工具8を通して引き込まれるケーブル、ワイヤ、線の入口あるいは漏斗形入口を与える。平面図では、拡大領域24は長方形であるが、これは補助工具8を用いるときの線束の断面により、円形あるいは楕円形になる。
【0049】
図1、2に示すように、補助工具8は波形管1を切れ目2に沿って開き、ケーブル束を保護管1に導入し、前記切れ目2を、続く段階で、閉鎖要素4を用いて再度閉鎖する。以上は既に説明した。この目的のため、補助工具は前端23から、つまりその場所で2つの傾斜した後端断面20でもって、保護管1の切れ目2に挿入される。後端断面20がくさび形に広がっているので、保護管1の長手方向の縁3は、切れ目2に沿って押し開かれ、繋部14の間の溝15に導入され、管1は長手方向の縁3と共に波形突起16上を滑る。補助工具8が保護管1の切れ目2に、案内部品13が保護管1の長手方向の縁3に保持されるように、挿入された後、閉鎖要素4の中央繋部5が、第二の繋部18の間の間隙19を進むように、閉鎖要素4が、第一の繋部17の下にある第二の繋部18の間に導入される。閉鎖要素4はさらに補助工具8の中に移動し、繋部17、18に案内されて、後端22に達する。後端22にて、繋部17、18は、外部案内部品13のほぼ平面上に延び、閉鎖要素4は保護管の長手方向の縁3の間の切れ目2に導入される。保護管1、補助工具8、閉鎖要素4の動作位置は図1、2に示される。保護管に導入されるケーブル(詳細は示していない)は、拡大された領域24に束で、あるいは、個別に挿入され、特定の距離を保護管1内で進む。補助工具8は、図1、2の方向を示す矢印のように、保護管1に沿って切れ目2に引き込まれる。この過程で、ケーブルの束は一端から拡大領域24に入り、閉鎖要素4は保護管1の切れ目2に、補助工具8のうしろで、他の端から挿入される。保護管1の端で、補助工具8は切れ目2から引き上げられ、閉鎖要素4は保護管1の長さに合わせて切断される。
【0050】
補助工具8の、切れ目2に沿った引き込みを容易にするため、二個の握り27が前端23に設けられ、握りは部分体9の端に外側から垂直に突出し、出っ張り25の外側下方に延びている。
【0051】
補助工具8は、ケーブル束を拡大領域24に挿入するため、二個の部分体9が接続部10上のフィルム蝶番11で折りたたまれるように、扱われる。
【0052】
図4のように、補助工具8は単純な射出成形でできるプラスチック製であって安価な補助工具である。このため、組み合わせは安価に市販できる。組み合わせは、長い保護管1、対応する長さの閉鎖要素4、補助工具8、補助工具8を扱う取扱説明書である。
【0053】
案内部品13が設置される下側の縁に沿って、補助工具8は、概略、長さが80mmから100mmであり、前端23の高さが約50mmであり、拡大領域24の開口幅が約20mmである。溝15の幅は約2mmから4mmで、いずれにしても、溝15は、保護管1(または波形管)の壁の厚さを納める幅が必要である。補助工具8は、無理やり割り込むようなことはなく、ここで使用される。繋部14は、保護管1の長手方向の縁3が溝15に安全に案内されるような高さが必要である。
【0054】
図3B、5A、5Bは、補助工具(符号8’)の他の実施形態である。
【0055】
補助工具8は、図3Aに示すように、正方形あるいは長方形の断面の拡大領域24を有するが、図3Bの実施形態の拡大領域24では、補助工具8’は、断面の分割線21に垂直方向の最大幅を有する長円形である。この断面によれば、何本もの線を並べて補助工具8’に導入することができる。
【0056】
さらに、補助工具8’では第二の繋部18だけがある。図3Aの補助工具8の第一の繋部17は、この実施形態では無い。第二の繋部18は、間隙19が、閉鎖要素4の中央繋部5を間隙の中で案内するように、形成される。
【0057】
二つの繋部18を、一様な間隙19が端で形成されるように維持するため、スペーサ30、31が、部分体9の内面に、図5Bで示すように、設けられる。この型の二つの各々のスペーサは、各部分体9上の、第二の繋部18と各々のフィルム蝶番11の間に設けられ、二つの部分体9が、フィルム蝶番11の回りに回転させられたとき、スペーサ30の端面が互いに接する。二つのスペーサ31は、第二の繋部の外側にある部分体9の表面に設けられ、一方に凸部32が、他方に穴33があり、凸部32が穴33にはまりこむことにより、二つの部分体9の中心が合う。
【0058】
さらに、補助工具8’において、案内部品13は、部分体9の前端23から始まり、後端22に至る。従って、部分体の総長さは、溝15内の保護管1の長手方向の縁3を案内するのに利用される。保護管の切れ目を十分拡大して開くため、拡大領域24の全断面幅は、保護管にケーブルや線を導入するのに使用され、案内部品13は、初めは斜め外側に広がるが、後端22に向かって互いの距離を縮める。二つの溝15の最大距離は、溝15の長さの1/3である。
【0059】
閉鎖要素あるいは側面部品4は、保護管1の切れ目の中で、上部表面要素6と下部表面要素7が損傷を受けずに保持される形状である。実用上、閉鎖要素4は、保護管1が軸の周りに回転しても、小半径に曲げられても、切れ目2内に安全に保持される。さらに、閉鎖要素4は切れ目2からいつでも取り去れるし、再度補助工具8を用いて、保護管1の切れ目2に挿入できる。
【0060】
図6は3つの異なる側面部品4、4’、4’’の、3つの異なる外観A、B、Cを示し、外観Aの側面部品4は、図1、2に見られるものである。
【0061】
外観Bの側面部品4’は、図6外観Aの、側面部品4の上部表面要素6と下部表面要素7の代わりに、上部円柱28と下部円柱29を示す。円柱28、29は、保護管1の上側と下側を、長手方向の縁3に沿って、切れ目2の中で結合し、切れ目2を閉鎖する。上部円柱28の厚さに応じて、補助工具8の部分体9の内部にある繋部17、18を変更して、側面部品4’が補助工具8内で、容易に滑るようにする。
【0062】
外観Cの側面部品4’は、断面形状が、外観Aの側面部品4に似ているが、上部表面要素6’(自由脚)が弓形で、上部表面要素6’は保護管の外周の曲面に合う。しかし、この種の側面部品4’’では、繋部5の高さが保護管の壁厚さが、保護管の壁厚に適合しなければならない。一方、外観Aの実施例では、保護管の壁厚に許容がある。
【0063】
側面部品4は、図6外観Aのように、上部表面要素6の幅が約4mm〜10mmであり、繋部の高さは、保護管1の壁厚に依存して、2mm〜7mmである。
【0064】
図6外観Bに示す、側面部品4’の円柱28、29は、直径3mm〜6mmである。図5A、5Bに示すように、側面部品の形状は結合できる。例えば、図6外観Bに示すように、円柱29は、図6外観Aの側面部品4の下部表面要素7の代わりに使用できる。
【0065】
側面部品4’、4’’の寸法は、上記のように側面部品4とほぼ同じである。
【0066】
図7は、ケーブル、線などを保護管に半自動で引き込む配置である。この配置は、補助工具8または8’を、前述のように用いる。しかし、補助工具は、机35の一部である作業台34の上に固定されている。補助工具8または8’は、直接、作業台34に設置されているのではなく、U型樋を形成する案内要素37上の、横締め具36により保持される。保護管1は供給輪38に蓄えられ、U型樋に入口から供給される。保護管1は、次に補助工具8下に、切れ目2に沿って伸ばされ、供給輪41に蓄えられたケーブルや線40は、補助工具8の拡張領域を通って供給される。ケーブルや線40の上方には、供給輪42に蓄えられた閉鎖要素/側面部品4が、保護管1の長手方向の縁3の間に、切れ目2を閉鎖するように、供給される。ケーブルや線が引き込まれて、閉鎖要素4で閉鎖される、特注の保護管1が、取り出し輪43に巻き取られる、あるいは、直接そのまま敷設される。案内要素37は、作業台34の始まりと終わりで、覆い要素39で覆われる。保護管1は補助工具8の前後で、安全に案内される。供給輪38、41、42は、作業台34の入口側の棚45の上に保持され、付加案内輪44で案内されることも可能である。取り出し輪43は、適当な棚46に保持されることができる。
【0067】
切れ目付保護管1は保護管として用いられる。これは供給輪38に蓄えられ、図1〜6に関して説明したとおりである。しかし、切れ目なし保護管1’を供給輪38に蓄えることもできる。保護管1’は補助工具8に通す前に、例えば、図7の拡大図Aに示すように、縦方向の固定刃47により、切れ目を入れる。このような刃47は図7の配置では、覆い要素39の領域で、案内要素37の前に設置される。
【0068】
図7に示すように、この配置は移動性と小型性に特徴がある。そのため、これは挿入場所に容易に設置できる。さらに別の輪が、例えば、保護管1に導入される他のケーブルや線のため、棚45上に設置できるのは明らかである。さらに、棚45、46は図の形状に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の目的は、保護管用の補助工具を供給することである。この保護管と補助工具を用いて、上述の従来技術の欠点を排除し、切れ目付保護管の縁を、特に、互いに安全に保持し、複雑な構造の手段を必要としないで、製造工程に関する限り、補助工具は保護管、特に波形管の取扱を容易にする。補助工具は移動可能な配置にて有用で、線、ケーブルその他は長大でも、設置場所で保護管内に容易に引き込むことができる。
【符号の説明】
【0070】
1 保護管、波形管
2 切れ目
3 長手方向の縁
4 閉鎖要素、側面部品
5 中央繋部
6 上部表面要素
7 下部表面要素
8 補助工具
9 部分体
10 上部接続部
11 フィルム蝶番
12 下側縁
13 案内部品
14 繋部
15 溝
16 突起
17 第一繋部
18 第二繋部
19 間隙
20 後端断面
21 分割線
22 後端
23 前端
24 拡大領域
25 胴
28 上部円柱
29 下部円柱
30 スペーサ
32 凸部
33 穴
34 作業台
35 机
36 横締め具
37 案内要素
38 供給輪
39 覆い要素
40 線
41 供給輪
42 供給輪
43 取り出し輪
44 付加案内輪
45 棚
46 棚
47 固定刃

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に切れ目のある保護管のための補助工具で、前記保護管の長手方向の縁を、切れ目にそって開き、再度それを互いに隣接して閉鎖する補助工具であり、前記補助工具は二つの部分体をもち、一つの長手方向側は蝶番と結合され、それらの間に、ケーブル、線などを案内するための空洞または空隙が形成され、前記部分体は蝶番に沿って開閉でき、前記部分体の外面に案内部品が備えられ、それとともに前記保護管の切れ目の長手方向の縁にそって前記補助工具が移動でき、前記案内部品(13)は、前記蝶番(10、11)の反対側に在る自由な長手方向の縁(12)上に設置され、前記部分体(9)の間の空洞は案内要素(17、18)を備え、前記部分体9の外面から見ると、前記案内要素(17、18)は、前記部分体(9)の端から、前記部分体(9)の外面上の前記案内部品(13;14、15)と角度をもって延びて、前記部分体(9)の他の端で、前記案内部品(13)の概略同一面上で終了する、補助工具。
【請求項2】
前記部分体(9)の上面が、三角形または台形である、請求項1に記載の補助工具。
【請求項3】
前記部分体(9)の傾斜した端面にて、前記案内部品(13;14、15)と前記案内要素(17、18)が、同一面上で終了する、請求項2に記載の補助工具。
【請求項4】
前記案内部品または前記案内要素、あるいはその両方が、繋部(14;17、18)により形成される、請求項1から3のいずれかに記載の補助工具。
【請求項5】
前記各案内部品(13)の、少なくとも二つの繋部(14)が、それぞれU型樋(15)を形成するように設置される、請求項4に記載の補助工具。
【請求項6】
前記案内部品(13;14、15)が、前記部分体(9)の一端から他端にかけて延びている、請求項1から5に記載の補助工具。
【請求項7】
前記案内要素(17、18)が、前記保護管(1)の長手方向の縁(3)の間に挿入される閉鎖要素(4;4’、4’’)(縁かがり)を案内する空隙に形成される、請求項1から6のいずれかに記載の補助工具。
【請求項8】
前記部分体(9)の内部に設けられる各繋部(17)が、反対側の繋部(17)の自由脚と、互いに接する高さである、請求項7に記載の補助工具。
【請求項9】
前記部分体(9)の内部に設けられる各繋部(18)が、間隙(19)が反対側の繋部(18)との間に形成される高さである、請求項8に記載の補助工具。
【請求項10】
前記U型樋(15)の底面が、波形突起(16)を前記部分体(9)の外側に形成する、請求項9に記載の補助工具。
【請求項11】
前記二つの部分体(9)をつなぐ前記蝶番が、フィルム蝶番(11)として形成される、請求項1から10のいずれかに記載の補助工具。
【請求項12】
前記蝶番が二重フィルム蝶番として形成される、請求項11に記載の補助工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−81364(P2013−81364A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−250048(P2012−250048)
【出願日】平成24年11月14日(2012.11.14)
【分割の表示】特願2009−543356(P2009−543356)の分割
【原出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【出願人】(509178426)フレクサ ゲーエムベーハー ウント コー プロダクチオン ウント フェアトリープ カーゲー (3)
【Fターム(参考)】