説明

信号伝送システム、信号送信機及び信号受信機

【課題】 f特などの基本性能を劣化させることなく、簡易な構成で、電源に伝送信号を重畳して伝送できるようにする。
【解決手段】 信号送信機は、伝送信号をPPM信号に変換し、変換したPPM信号を直流電源に重畳して伝送路へ送出する。信号受信機は、信号送信機が送出した送出信号を受信すると、直流電源とPPM信号に分離し、分離したPPM信号を伝送信号に復調する。ここで、PPM信号として、3値PPM信号を適用することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は信号伝送システム、信号送信機及び信号受信機に関し、例えば、オーディオアンプからスピーカへのオーディオ信号の伝送に適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
独立したオーディオアンプとスピーカとをケーブルを介して接続したオーディオシステムがあり、このようなシステムでは、オーディオアンプからスピーカに対して、ケーブルを介してオーディオ信号を供給するようになされている。
【0003】
近年においては、オーディオアンプから独立したスピーカとして、電源が直接供給されて動作するパワードスピーカがある。このようなパワードスピーカに対応するため、オーディオ信号を交流電源に重畳して、オーディオアンプからスピーカに伝送することも考えられる。また、オーディオ信号ではなく、音声信号を取り扱うものであるが、音声信号を直流電源に重畳して、音声配給装置から音声出力端末に伝送するものがあり(特許文献1参照)、この技術を、オーディオアンプからスピーカの伝送に適用することも考えられる。
【特許文献1】特開2005−79768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オーディオアンプ及びスピーカ間のケーブル長は短いとは言え、ケーブルを介した伝送であるので、基本性能(f特や歪み)が劣化することを避け得ない。
【0005】
特許文献1に記載のように、デジタル変調信号(例えばASK)を伝送信号とすることにより、上記劣化を抑えることが可能になるが、オーディオ信号の場合には帯域が広いため、デジタル変調信号の変調系及び復調系が複雑な回路となり、また、デジタル変調信号の帯域幅内のノイズ成分は当然に除去することができない。
【0006】
パワードスピーカを考慮して交流電源にオーディオ信号を重畳して伝送する場合、スピーカ側に、AC/DCコンバータを持たせなければならない。この点からは、直流電源に伝送信号を重畳させることの方が好ましい。しかし、伝送信号として、デジタル変調信号を適用した場合には上述した不都合を有している。
【0007】
そのため、送信機から受信機に対し、基本性能を劣化させることなく、しかも、簡易な構成で、電源に伝送信号を重畳して伝送することができる信号伝送システム、信号送信機及び信号受信機が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため、第1の発明の信号送信機は、伝送信号をPPM信号に変換する信号/PPM変換回路と、変換されたPPM信号に直流電源を重畳し、上記伝送路への送出信号を形成する重畳回路とを有することを特徴とする。
【0009】
第2の発明の信号受信機は、第1の発明の信号送信機が伝送路に送出した送出信号を受信するものであって、受信した上記送出信号を、直流電源とPPM信号に分離する分離回路と、分離されたPPM信号を伝送信号に復調するPPM/信号変換回路とを有することを特徴とする。
【0010】
第3の発明の信号伝送システムは、第1の発明の信号送信機と第2の発明の信号受信機とが伝送路を介して配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の信号伝送システム、信号送信機及び信号受信機によれば、伝送信号をPPM信号に変換して直流電源に重畳して伝送するようにしたので、f特などの基本性能を劣化させることなく、簡易な構成で、電源に伝送信号を重畳して伝送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(A)実施形態
以下、本発明による信号伝送システム、信号送信機及び信号受信機の一実施形態を説明する。この実施形態における伝送信号は任意であり、オーディオ信号に限定されるものではない。なお、以下の説明においては、適宜、伝送信号がオーディオ信号である場合の具体例を挙げて説明する。
【0013】
図1は、実施形態の信号伝送システムの全体構成を示すブロック図である。図1において、実施形態の信号伝送システム1は、信号送信機20及び信号受信機30が伝送路2を介して接続されて構成されている。
【0014】
信号送信機20は、信号発生器3と接続されているものであり、内部に、PPM(pulse position modulation)エンコーダ21、DC電源回路22及び重畳回路23を備えている。一方、信号受信機30は、帰着機器4に接続されているものであり、分離回路31及びPPMデコーダ32を備えている。
【0015】
信号発生器3は、信号パルスを出力するものである。信号発生器3は、信号送信機20と同一装置内に設けられているものであっても良く、信号発生器3は、信号送信機20を外部装置として備えるものであっても良い。信号発生器3として、例えば、デジタルオーディオアンプにおけるPWMオーディオ信号を作成する部分を適用できる。信号発生器3からの信号パルスは、信号送信機20のPPMエンコーダ21に与えられる。
【0016】
PPMエンコーダ21は、入力された信号パルスの位置情報を一定幅の細いパルスで取り出したPPM信号に変換して重畳回路23に与えるものである。この実施形態の場合、PPMエンコーダ21は、信号パルスの立上り情報を正のパルス、立下り情報を負のパルスで取り出した3値PPM信号に変換する。
【0017】
図2は、PPMエンコーダ21の詳細構成例を示すブロック図であり、図3は、その各部タイミングチャートである。なお、PPMエンコーダ21の詳細構成として、他の構成を適用しても良いことは勿論である。
【0018】
図2において、PPMエンコーダ21は、遅延回路41、インバータ42〜44、48、2入力ANDゲート45、46、レベルシフタ47、PチャネルMOSトランジスタ49及びNチャネルMOSトランジスタ50を有する。
【0019】
ここで、遅延回路41は、変換後のPPM信号における細いパルスのパルス幅分だけ遅延させるものである。レベルシフタ47は、入力された0〜5Vをダイナミックレンジとするパルスを、5〜10Vをダイナミックレンジとするパルスに変換(レベルシフト)する。
【0020】
遅延回路41、インバータ42、48、2入力ANDゲート45、レベルシフタ47、PチャネルMOSトランジスタ49が、信号パルスの立上り情報を抽出する構成となっている。
【0021】
また、遅延回路41、インバータ42〜44、2入力ANDゲート46、NチャネルMOSトランジスタ50が、信号パルスの立下り情報を抽出する構成となっている。
【0022】
入力された信号パルスPAは、遅延回路41によって、所定時間DLだけ遅延された後、インバータ42によって反転され、その反転信号PBが2入力ANDゲート45の一方の入力端子に入力される。2入力ANDゲート45の他方の入力端子には、信号パルスPAが入力されている。これにより、2入力ANDゲート45からは、信号パルスの立上り情報を反映させた、図3に示すパルス信号PDが出力され、これがレベルシフタ47によってレベルシフトされ、5〜10Vをダイナミックレンジとしたパルス信号PHに変換された後、インバータ48によって反転されてPチャネルMOSトランジスタ49のゲートに印加される。
【0023】
PチャネルMOSトランジスタ49にパルスが印加されているときは、信号パルスPAの立上り時であり、NチャネルMOSトランジスタ50にパルスが印加されているときは、後述するように、信号パルスPAの立下り時である。そのため、PチャネルMOSトランジスタ49にパルスが印加されているときには、PチャネルMOSトランジスタ49及びNチャネルMOSトランジスタ50の接続点の電位であるPPM信号PIには、正のパルスが生じる。
【0024】
インバータ42からの出力パルス信号PBは、さらにインバータ43によって反転され、その反転パルス信号PEが、2入力ANDゲート46の一方の入力端子に入力される。2入力ANDゲート46の他方の入力端子には、信号パルスPAをインバータ44が反転した反転パルスPFが入力されている。これにより、2入力ANDゲート46からは、信号パルスの立下り情報を反映させた、図3に示すパルス信号PGが出力され、これがNチャネルMOSトランジスタのゲートに印加される。
【0025】
このときには、PチャネルMOSトランジスタ49及びNチャネルMOSトランジスタ50の接続点の電位であるPPM信号PIには、負のパルスが生じる。
【0026】
上述した遅延回路41としては、遅延線構成のものを適用できる。この場合、LC共振の恐れがあるが、遅延回路41に、LC共振のQを下げるダンパー抵抗を入れることにより安定動作を保証する。
【0027】
上述したレベルシフタ47の機能により、3値PPM信号PIの振幅を大きくとることができる。図4は、レベルシフタ47の詳細構成を示す回路図である。図4において、+10Vライン及び入力端子間には、抵抗R2(抵抗値は例えばR1と一致)、N形トランジスタQ1のコレクタ−エミッタ、抵抗R1が直列に接続され、トランジスタQ1のベースは+5Vラインに接続され、トランジスタQ1のコレクタが出力端子に接続されている。これにより、入力電圧+5Vが出力電圧になるようになされている。
【0028】
以上のように、図2に詳細構成を示したPPMエンコーダ21により、信号パルスPAを3値PPM信号PIに変換することができる。
【0029】
DC電源回路22は、例えば、商用電源などの交流電源電圧を直流電源電圧(DC電源)に変換して、PPMエンコーダ21に動作電源として供給すると共に、重畳回路23にも直流電源電圧を与えるものである。DC電源回路22としては、一般的なAC/DCコンバータを適用できるので、詳細構成の説明は省略する。なお、DC電源回路22として、DC/DCコンバータを適用することもできる。
【0030】
重畳回路23は、DC電源回路22からの直流電源電圧(DC電源)に、PPMエンコーダ21からの3値PPM信号を重畳して伝送路2に送出するものである。
【0031】
図5は、重畳回路23の詳細構成と、後述する分離回路31の詳細構成とを示す回路図である。図6は、重畳回路23による重畳動作と、分離回路31による分離動作の説明図である。
【0032】
伝送路2への出力点OUTに対し、PPM信号の入力端子は、ハイパスフィルタ(HPF)を構成するコンデンサC1を介して接続され、DC電源の入力端子は、ローパスフィルタ(LPF)を構成する、インダクタンスL1及び抵抗R3の並列回路を介して接続されている。これにより、出力点OUTの位置において、直流分が除去された図6(a)に示すPPM信号と、図6(b)に示すDC電源とが結線合成(重畳)され、図6(c)に示す重畳信号が伝送路2に送出される。なお、抵抗R1は、ハイパスフィルタ要素のコンデンサC1とローパスフィルタ要素のインダクタンスL1とのLC共振を避けるための(Qを下げるための)ダンパー抵抗である。インパルス信号と見なせる程度に高周波のPPM信号に対するフィルタとして、ハイパスフィルタ(HPF)に代え、バンドパスフィルタ(BPF)を適用するようにしても良い。
【0033】
伝送路2は、電気的ケーブルであり、その種類(例えば、同軸ケーブル)は問われないものである。
【0034】
信号受信機30の分離回路31には、伝送路2から、3値PPM信号とDC電源との重畳信号が入力される。分離回路31は、入力された重畳信号から、直流電源電圧(DC電源)と3値PPM信号とを分離し、分離により得られた3値PPM信号をPPMデコーダ32に与え、分離により得られた直流電源電圧(DC電源)をPPMデコーダ32及び信号受信機30外部の帰着機器4に動作電源として供給するものである。
【0035】
上述した図5は、分離回路31の詳細構成も示しており、また、上述した図6は、分離回路31の分離動作の説明図にもなっている。
【0036】
伝送路2から図6(c)に示す重畳信号が入力される、信号受信機30の入力点INには、コンデンサC2及び抵抗R4でなるハイパスフィルタ(HPF)が接続されていると共に、インダクタンスL2及びコンデンサC3でなるローパスフィルタ(LPF)が接続されている。従って、コンデンサC2及び抵抗R4でなるハイパスフィルタにより、図6(a)に示す3値PPM信号が抽出され、インダクタンスL2及びコンデンサC3でなるローパスフィルタにより、図6(b)に示す直流電源電圧(DC電源)が抽出される。インパルス信号と見なせる程度に高周波のPPM信号に対するフィルタとして、ハイパスフィルタ(HPF)に代え、バンドパスフィルタ(BPF)を適用するようにしても良い。
【0037】
PPMデコーダ32は、分離された直流電源電圧を利用して、分離された3値PPM信号を信号パルスに変換(復調)するものであり、得られた信号パルスを信号受信機30外部の帰着機器4に送出するものである。PPMデコーダ32は、3値PPM信号の上側パルス(正のパルス)で立上り、3値PPM信号の下側パルス(負のパルス)で立下る信号パルスに形成する。
【0038】
図7は、以上のような機能を担っているPPMデコーダ32の詳細構成例を示すブロック図である。なお、他の構成を適用しても良いことは勿論である。
【0039】
図7において、PPMデコーダ32は、下波整流回路61、上波整流回路62、インバータ63、64及びラッチ回路65を有する。なお、分離回路31のハイパスフィルタ(HPF)に加え、PPMデコーダ32の下波整流回路61及び上波整流回路62の入力段にも、コンデンサC4、C5などの高周波成分の抽出構成(結合コンデンサ)を設けるようにしても良い。
【0040】
分離された3値PPM信号は、下波整流回路61及び上波整流回路62に入力され、3値PPM信号の下側パルスは、下波整流回路61によって分離(抽出)され、3値PPM信号の上側パルスは、上波整流回路62によって分離(抽出)される。図8は、上波整流回路62の詳細構成例を示している。図8において、ダイオードD1に電流が流れるのは、入力電圧が{0+(ダイオードの順方向電圧)}以上のときであり、これにより、3値PPM信号の上側パルスを分離できる。下波整流回路61については、詳細構成の図示は省略するが、ダイオードの向きを図8の場合と逆向きにした上波整流回路62と対称的な構成であり、ダイオードの機能により下側パルスを分離する。
【0041】
下波整流回路61によって分離された下側パルスは、インバータ63を介して反転されてラッチ回路65に入力され、上波整流回路62によって分離された上側パルスは、インバータ64を介して反転されてラッチ回路65に入力される。ラッチ回路65は、上側パルスで立上り、下側パルスで立下る信号パルスを形成する部分であり、RSフリップフロップ回路など、種々の構成を適用可能であるが、例えば、図9に示すような詳細構成のものも適用可能である。
【0042】
図9において、ラッチ回路65は、2個のインバータINV1及びINV2を縦続接続すると共に、その縦続接続の入出力を抵抗R7を介して接続することで論理レベルを保持できるものとなっている。インバータ63の出力端は、ダイオードD3のアノード−カソードを介して縦続接続の入力端に接続され、インバータ64の出力端は、ダイオードD4のカソード−アノードを介して縦続接続の入力端に接続されている。
【0043】
インバータ63から5Vのパルス信号が、ダイオードD3を介してインバータINV1に入力されたとき、インバータINV2の出力は5V、インバータ64からの入力も5Vであり、電位は固定される。ある一定時間が経ち、インバータ63からのパルス信号が0Vになったとき、ダイオードD3の両端間には5Vの電位差が生じるが、ダイオードD3が逆方向を向いているため、電流が流れず、電位が変化しないので、ラッチされる。その後、インバータ64からのパルス信号が0Vになったとき、ダイオードD4に5Vの電位差が生じるが、今度は順方向を向いているため、電流がながれ、ラッチが解除される。次に、インバータ64からのパルス信号が5Vになるときも同様に、ダイオードD4に対して、電位差は逆方向なので、電流は流れず、電位が変化しないので、0Vにラッチされる。そして、インバータ63からの信号パルスが5Vになったとき、ダイオードD3に対して、電位差は逆方向なので、電流が流れ、ラッチが解除される。
【0044】
以上のような動作により、ラッチ回路65は、上側パルスで立上り、下側パルスで立下る信号パルスを形成する。
【0045】
帰着機器4は、信号受信機30から与えられた信号パルスを、信号受信機30から与えられた直流電源電圧(DC電源)を動作電源として、適宜処理するものである。帰着機器4は、信号受信機30と同一装置内に設けられているものであっても良く、帰着機器4は、信号受信機30を外部装置として備えるものであっても良い。帰着機器4として、例えば、PWMオーディオ信号のアナログ信号への変換機能を有するパワードスピーカを挙げることができる。
【0046】
上記実施形態によれば、伝送信号(信号パルス)を3値PPM信号に変換し、直流電源電圧(DC電源)に重畳して伝送するようにしたので、伝送時の情報の欠落を抑え、伝送距離を長くすることができるという効果を奏することができる。以下、このような効果を具体的に説明する。
【0047】
3値PPM信号において情報として意味を有するのは、立上りパルス及び立下りパルス(インパルスとみなせる程度)の超高周波成分である。そのため、伝送帯域は高周波側に制限でき、その帯域幅を狭めることができる。ノイズ成分は、帯域幅で定義されていて、狭いほど伝送路で混入されるノイズを低減することができ、また、伝送路からノイズ成分として放射される伝送信号の帯域幅も狭いものとなる。
【0048】
また、3値PPM信号は、パルス波形が全て均一であるため(例えば、パルス幅が一定で上側パルス数と下側パルス数とが同数など)、交流信号として、バイアスや波形を安定して伝送することができる。
【0049】
さらに、3値PPM信号であるため、長距離伝送で波形が鈍り、遅れても、全てのパルス波形が一様に遅れるので歪にはならない。図10は、この効果の説明図である。上側パルスや下側パルスの中心電位からの変化エッジがなまったとしても、上側パルスや下側パルスを弁別する受信側の閾値電圧THP、THNが中心電位を挟んで上下対象であるので、上側パルスや下側パルスと認識する遅れ時間は全ての上側パルスや下側パルスについて同一となり、波形の遅れが歪にはならない。
【0050】
さらにまた、3値PPM信号を適用しているため、信号パルスの1個のパルスについてエラーを起こしても、次のパルスではエラーから回復することができる。図11は、この効果の説明図である。3値PPM信号においては、上側パルスPN1、PN2、PN3と、下側パルスPP1、PP2、PP3とが交互に生じるものとなっているので、ノイズによる偽の下側パルスNZが、下側パルスPP1の前に生じた場合、復調された信号パルスにおいて、偽の下側パルスNZは1パルスについてのみ影響し、上側パルスPN2以降は正常に復調を行うことができる。
【0051】
また、上記実施形態によれば、3値PPM信号を伝送信号としているため、デジタル変調信号(例えばASK)を伝送信号にする場合と比較すると、変調系及び復調系の回路構成を簡易なものとすることができる。
【0052】
さらに、上記実施形態によれば、直流電源に伝送信号を重畳させているので、帰着装置での電源回路構成を不要又は簡易なものとすることができる。
【0053】
(B)他の実施形態
上記実施形態の説明においても変形実施形態に言及したが、さらに、以下に、例示するような変形実施形態を挙げることができる。
【0054】
上記実施形態においては、当初の伝送信号が信号パルスであるものを示したが、当初の信号がアナログ信号であっても良い。アナログ信号の場合には、例えば、PWM信号などのパルス信号に変換した後、3値PPM信号に変換すれば良い。
【0055】
また、上記実施形態においては、変調方式が固定のものを示したが、一部の属性に可変機能を導入するようにしても良い。例えば、3値PPM信号におけるパルスのパルス幅を可変し得るようにしても良く、また、3値PPM信号のダイナミックレンジを可変し得るようにしても良い。
【0056】
さらに、上記実施形態では、3値PPM信号を重畳する電源が完全に直流電源であるものを示したが、重畳回路や分離回路のローパスフィルタが許容する程度の低周波の電源であっても良い。
【0057】
さらにまた、波形の歪みなどを考慮すると、3値PPM信号が好ましいが、2値PPM信号を本発明に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】実施形態の信号伝送システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態のPPMエンコーダの詳細構成例を示すブロック図である。
【図3】図2の各部タイミングチャートである。
【図4】図2のレベルシフタの詳細構成例を示す回路図である。
【図5】実施形態の重畳回路及び分離回路の詳細構成例を示す回路図である。
【図6】実施形態の重畳動作及び分離動作の説明図である。
【図7】実施形態のPPMデコーダの詳細構成例を示すブロック図である。
【図8】図7の上波整流回路の詳細構成例を示す回路図である。
【図9】図7のラッチ回路の詳細構成例を示す回路図である。
【図10】実施形態の信号伝送システムの効果の説明図(1)である。
【図11】実施形態の信号伝送システムの効果の説明図(2)である。
【符号の説明】
【0059】
1…信号伝送システム、2…伝送路、3…信号発生器、4…帰着機器、21…PPMエンコーダ、22…DC電源回路、23…重畳回路、30…信号受信機、31…分離回路、32…PPMデコーダ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝送信号をPPM信号に変換する信号/PPM変換回路と、
変換されたPPM信号に直流電源を重畳し、上記伝送路への送出信号を形成する重畳回路と
を有することを特徴とする信号送信機。
【請求項2】
上記PPM信号は、3値PPM信号であることを特徴とする請求項1に記載の信号送信機。
【請求項3】
請求項1の信号送信機が伝送路に送出した送出信号を受信する信号受信機であって、
受信した上記送出信号を、直流電源とPPM信号に分離する分離回路と、
分離されたPPM信号を伝送信号に復調するPPM/信号変換回路と
を有することを特徴とする信号受信機。
【請求項4】
上記PPM信号は、3値PPM信号であることを特徴とする請求項3に記載の信号受信機。
【請求項5】
請求項1に記載の信号送信機と請求項3に記載の信号受信機とが伝送路を介して配置されていることを特徴とする信号伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−134803(P2007−134803A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−323740(P2005−323740)
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【出願人】(501028699)株式会社フライングモール (13)
【Fターム(参考)】