説明

信号制御回路、信号制御方法及びこれを用いた記録再生装置

【課題】AGCループの帰還ループの経路に折線を用いた関数により曲線関数を近似して、帰還ループの演算を簡略化する。
【解決手段】制御信号により利得を可変して入力信号の振幅レベルを可変し、この可変された振幅レベルを検出した後、該検出した信号を上記入力信号の振幅範囲を複数個に分割された特定の範囲に対応する折線関数により所定の曲線関数に近似した制御信号を発生し、この制御信号により入力信号のレベルを所定のレベルに整定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曲線を表す関数を簡単な折線特性で近似する回路を付加してAGCループの線形化処理を行う信号制御回路、信号制御方法及びこれを用いた記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図7に従来例のAGC回路300のブロック構成を示す。
AGC回路300において、入力信号(input)はVCA(Variable Gain Amplifier)回路301で振幅調整されて出力される。出力(output)信号の振幅は振幅検出器304にて検出され、この検出された結果とターゲット振幅(target amplitude)が減算器303で減算処理されてその誤差(振幅誤差)eが求められ、積分器302に入力される。積分器302からの出力信号uは、VCA回路301で入力信号と掛け合わされる。最終的に出力信号outputの振幅がターゲット振幅と一致すると、積分器302の出力信号uは一定となり、VCA回路301のゲインも整定する。
【0003】
上述した振幅検出器304は一般に大きく分けて、ピークホールド型と平均値型の2つの型がある。ピークホールド型は、振幅が増えてゆく方向には高速に追従するが、小さくなる方向には追従が悪いという検出特性がある。他方、平均値型は追従特性の対称性は良いが、ピークホールド型に比べて追従特性が遅くなりがちである。
【0004】
図7に示すAGC回路300の構成はループ中にVCA301として掛算器が含まれ、強度に非線形な特性を持つ。これがAGC特性に悪影響を及ぼす。以下これについて説明する。
入力信号の振幅値が一定の場合は、振幅誤差を規範としてみると線形のサーボループである。しかし、問題となるのはループゲインが入力振幅によって変ることである。そのため振幅が大きい側からの整定ではループゲインが大きいため早く収束するが、振幅が小さい側からの収束は遅くなるという、整定時間の非対称が生じる。もし振幅が小さい側からの応答を早くするためループゲインを限界まで大きく設定すると、振幅検出器(304)等に内在する時定数等のため、今度は振幅が大きい側からの整定が振動的になってしまう。
動作中に入力振幅が変動している状況では、それに応じて常にループゲインが変わる。これに伴い同じ(振幅)誤差eでもその重みが異なることになる。しかし積分器302にはその区別なく累積されて行くため、いわば単位が違う数値同士の総和を求めていることになる。
AGCに対する特性要求が緩いときは原理図のままの回路で実用化することができるが、限界性能が必要なときは、この非線形性が問題となる。
【0005】
上記の不利益を根本的に解消する技術が、引用文献1に開示されている。基本的技術思想はシンプルであり、「振幅ループを対数化して処理する」というものである。この処理方法によれは、VCA回路は掛け算ではなくdB(デシベル)の加算に見え、AGCのループ特性はdB振幅に対して線形になる。掛算と加算の変換関係は数学的に一意なもの(定係数分の違いを除く)であるから、この発明は究極の線形化を実現していることになる。
【0006】
図8に、この引用文献1に開示されたAGC回路350のブロック構成図を示す。このブロック構成において太線の矢印が対数化された信号である。実信号が流れる部分は当然対数化されてはいないが、ループの応答特性は全体が対数化されているのと同等になる。特に、積分器320で表す線形回路に、均等な重み付けのデータが入力されることが重要である。
ここでVCA(回路)311とexp(エックスポーネンシャル)関数発生器312を一体としてみると、「dBリニアなVCA」と呼ばれる機能ブロックとなる。この機能ブロックは、AGCでは比較的良く用いられる手法である。
【0007】
引用文献1に開示されたブロック構成にすると、図8から分かるようにlog(ログ)アンプ(log(ログ)関数発生器;ログアンプとも表す)322,324が二つ必要になる。アナログで実現するときlogアンプ322,324は、所定の特性を出すのが難しい回路の一つである。一方このlogアンプ322,324をディジタルで実現する場合も、演算で実現する場合とテーブルで実現する場合のどちらにおいても、ある程度の回路規模が必要になる。そこで、この部分を簡易化したいという要望が出てくる。
AGCが用いられる殆どのシステムで、target amplitudeは動作中ダイナミックに変える必要がない。これを利用すると、たとえば図8のtarget amplitude側のlogアンプ324を省略して、logアンプ324の出力値を直接設定すれば良いので、回路構成を簡略化できる。
【0008】
次に、図9に実際に良く使われているAGC回路400を示す。このAGC回路400においては、フィードバック系に残るもうひとつのlogアンプ(図8のlogアンプ322に相当)も、単に省略してしまっている。このときtarget amplitudeの設定は、目標値そのままの設定に戻る。入力信号(input)の振幅がtarget amplitudeの近辺にあるときは、logアンプも直線アンプと大差ないので、AGCループ整定後はこれで十分な特性が得られる。ただし引き込み開始時等で、入力信号の振幅に大きな誤差があると、引き込み特性の非対称性が生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように、図7に示すAGC回路300は、入力信号の振幅によりループゲインが変化してしまい、信号振幅の大小またその逆の小大の変化方向によりし収束速度が異なってしまう。また、図8に示すAGC回路350は、logアンプを2個使用しているために特にディジタル化する場合は、演算器あるいはテーブル等を用いる必要があり回路構成が複雑になる不利益がある。また、図9に示すAGC回路400は、logアンプをなくした回路構成となっているが、引き込み開始時に入力信号の振幅とtarget amplitudeとの差が大きいとき、引き込み特性の非対称性が生じる不利益がある。
【0010】
【特許文献1】USP4,263,560号公報
【0011】
本発明の目的は、上述の不利益を鑑みることにより、AGC回路に直線を組み合わせた折線関数発生の機能を有する付加回路を設けることにより回路構成を簡略化すると共にAGC特性を大幅に改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の信号制御回路は、入力信号の振幅を制御信号により可変する可変利得回路と、上記可変利得回路から出力された信号の振幅を検出する振幅検出器と、上記振幅検出器の振幅範囲を複数個に分割し、該分割された振幅範囲に応じて所定の係数の直線で表される折線関数を有し、上記振幅検出器で検出された検出信号が供給され、上記分割された振幅範囲で特定する折線関数で得られる出力信号を出力して所定の曲線関数に近似する折線関数発生器と、上記折線関数発生器からの出力信号を積分し、上記可変利得回路を制御する上記制御信号を出力する積分回路とを有する。
【0013】
本発明の信号制御回路は、入力信号の振幅レベルを可変する可変利得回路と、上記可変利得回路から出力された信号をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換器と、上記アナログ/ディジタル変換器から出力された信号の振幅を検出する振幅検出器と、上記振幅検出器の振幅範囲を複数個に分割し、該分割された振幅範囲に応じて所定の係数の直線で表される折線関数を有し、上記振幅検出器で検出された検出信号が供給され、上記分割された振幅範囲で特定する折線関数で得られる出力信号を出力して所定の曲線関数に近似する折線関数発生器と、上記折線関数発生器からの出力信号を積分する積分回路と、上記積分回路で積分された信号をディジタル信号からアナログ信号に変換し、該変換されたアナログ信号で上記可変利得回路の利得を可変するディジタル/アナログ変換器とを有する。
【0014】
本発明の信号制御方法は、制御信号により利得を可変して入力信号の振幅レベルを可変するステップと、可変された振幅レベルを検出するステップと、検出された振幅レベルの振幅範囲を複数個に分割された特定の範囲に対応する折線関数により出力信号が出力され所定の曲線関数に近似するステップと、上記折線関数により出力された出力信号を積分して上記制御信号を生成するステップと、を有する。
【0015】
本発明の記録再生装置は、ピックアップによりディスクに対して信号を記録または再生し、上記ピックアップされた信号から高周波信号を導出し、該高周波信号をAGC回路を介して信号レベルを調整した後、信号処理して映像信号を再生する記録再生装置であって、上記AGC回路は、上記ピックアップにより導出された入力信号の振幅を可変する可変利得回路と、上記可変利得回路から出力された信号の振幅を検出する振幅検出器と、上記振幅検出器の振幅範囲を複数個に分割し、該分割された振幅範囲に応じて所定の係数の直線で表される折線関数を有し、上記振幅検出器で検出された検出信号が供給され、上記分割された振幅範囲で特定する折線関数で得られる出力信号を出力して所定の曲線関数に近似する折線関数発生器と、上記折線関数発生器からの出力信号を積分し、上記可変利得回路を制御する上記制御信号を出力する積分回路とを有する。
【0016】
上記折線関数発生器は、好適には、対数型関数を所定の範囲で線形近似する。
上記信号制御回路は、上記振幅検出器からの出力信号が直接上記折線関数発生器に供給される。
上記信号制御回路は、さらに減算器を有し、上記振幅検出器からの出力振幅と目標値の差を求め、該差を上記関数発生器に供給する。
上記利得制御回路は、デシベル(dB)対応の入力信号が供給され、供給された入力信号が上記ディジタル/アナログ変換器の出力信号によりデシベル加減算されて上記入力信号の振幅が可変される。
上記折線関数発生器は、係数が2のべき乗を有する折線関数である。
上記折線関数発生器は、ビットシフタと判別回路を有し、入力されたディジタル信号の値に応じて、該ディジタル信号を上記関数の係数に対応してシフトし、判別回路の判別結果に応じて所定の折線関数の値を出力する。
【0017】
本発明は、制御信号により利得を可変して入力信号の振幅レベルを可変し、この可変された振幅レベルを検出した後、この振幅レベルの振幅範囲を複数個に分割された特定の範囲に対応する折線関数により制御信号を発生し、入力信号のレベルを所定のレベルに整定する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、AGCループの関数演算を折線関数を用いて近似演算を行うため、複雑な対数型関数による演算処理を行う必要がないので、簡単な回路構成で応答速度を線形化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.発明の動作原理(折線関数の原理)
2.第1の実施形態(折線関数発生器の構成と動作)
3.第2の実施形態(AGC回路:回路構成とその動作)
4.第2の実施形態の変形例(AGC回路:他の回路構成とその動作)
5.第3の実施形態(記録再生装置:折線関数発生器を有するAGC回路を有する例)
【0020】
<1.発明の動作原理>
[折線関数の説明]
まず、折線関数の原理について説明する。図1に、所定の入力範囲に対応する直線を組み合わせた折線関数の原理特性のグラフを示す。以下、折線関数の対象とする関数を対数型関数とするが、対数型関数に限定することなく一般の曲線を表す関数であっても良い。
target amplitude(以下目標振幅または目標値とも表す)をa、検出された出力信号(output)の振幅をa+Δaとすると、図1に示すように、振幅誤差として積分器に入力される値は、
【0021】
【数1】

である。
数1の右辺の表現から、この式の値(すなわち積分器の入力)は目標振幅aとこの目標振幅aからの差を示すΔaの値を別々に考える必要はなく、その比だけで決まることが分かる。そこでΔa/a=x(変数xと定義する)とおくことにする。ここで用いる関数log(対数型関数)は、説明を簡単にするため以下自然対数として説明する。自然対数は常用対数に対してゲイン調整するだけの違いであるから、本質的には同じである。
【0022】
式1において変数xは、AGC整定後は0付近の値をとる。ここで、AGCの引き込み範囲として信号処理で典型的な値±6dBを想定すると、変数xは、
【0023】
【数2】

の範囲となる。この範囲で上の式で表される関数log(1+x)に対し、折線近似する関数を定義する。
例えば、折線関数f(x)を
【0024】
【数3】

とする。
【0025】
図1に示すように、関数log(1+x)の示す曲線を符号hで示し、折線関数f(x)で表す折線を符合jで表す。図1に示すように、変数xが−0.5から+1.0の範囲において、折線関数f(x)は関数log(1+x)と十分近似している。
また、式3で表される折線関数f(x)は傾きが2、1と1/2と2のべき乗であるため、特にディジタル演算処理においては入力値の変数xを掛算器を用いずにビットのシフトと条件判定だけで実現することができる。すなわち、この条件に基く折線関数はlog(ログ)テーブルを用いる装置(メモリ等とその制御回路)に比べると、大幅に簡素化することができる。
なお、上述した折線関数f(x)は一つの実施例に過ぎず、種々の変形が可能であり、AGCループはサーボ系を構成しているので、折線関数において横軸(変数x)の多少違う位置で線を折り曲げても、AGC特性はそれ程変わらない。
【0026】
また、AGCの範囲が±6dBよりさらに広く、たとえば±12dBとする場合、変数xの値域として
【0027】
【数4】

が必要となる。この場合には折線関数f(x)の特性を示す(折)線を4本程度に折り曲げた方が、AGC特性としても有効である。
【0028】
上述した原理に基く実装では、logアンプを省略できたがこれに伴いΔa/aの割算器が必要になる。割算器はアナログで実現する場合でもディジタルで実現する場合でも重い(演算量が多く時間がかかる)演算となるから、log関数を簡略化した意味が少なくなってしまう。
この問題を解決するために、折線関数発生器をΔa/aに対してではなく、Δaを入力とする構成と方法がある。このような折線関数発生器の特性は目標振幅aによって変ってくるが、あまり大きく変らない限りは設定範囲の中央値に対して設計しておけば、実用上十分であり問題は生じない。
すなわち、中央値(目標振幅:a)に対する誤差(偏移)をΔaと設定してa+Δaを代入した折線関数の演算結果が、相対的に1+Δa/aに対応する折線関数の値に成ればよい。
【0029】
<2.第1の実施形態>
[折線関数発生器の構成]
図2に折線関数発生器10の回路構成例を示す。ここでは図1の特性を6ビットの符号表現で実現する。
入力端子T1にシフトレジスタ(図2ではShifterと図示)11の入力端子が接続され、シフトレジスタ11の出力端子が加算器21の第1の入力端子に接続され、加算器21の第2の入力端子T3からシフト値、例えば10(LSB)が入力され、加算器21の出力端子はAND回路32の第1の入力端子に接続される。
入力端子T1は、AND回路33の第1の入力端子とシフトレジスタ(図2ではShifterと図示)12の入力端子に接続される。シフトレジスタ12の出力端子が加算器22の第1の入力端子に接続され、加算器22の第2の入力端子T4らシフト値、例えば6(LSB)が入力され、加算器22の出力端子はAND回路34の第1の入力端子に接続される。
【0030】
また、入力端子T1は、判別回路13と判別回路14と判別回路15の各入力端子に接続される。
判別回路13の出力端子は、AND回路23の反転入力の第1の入力端子とAND回路31の第2の入力端子に接続される。このAND回路31の入力端子の第1の入力端子は入力端子T2に接続され、この入力端子T2に設定値−32(LSB)が入力される。
判別回路14の出力端子は、AND回路23の第2の入力端子に接続されると共にAND回路24の反転入力の第1の入力端子に接続される。
判別回路15の出力端子は、AND回路24の第2の入力端子に接続されると共にインバータ25の入力端子に接続される。
【0031】
AND回路31の出力端子はOR回路40の第1の入力端子に接続され、AND回路32の出力端子はOR回路40の第2の入力端子に接続される。AND回路33の出力端子はOR回路40の第3の入力端子に接続され、さらにAND回路34の出力端子はOR回路40の第4の入力端子に接続され、OR回路40の出力端子から折線関数f(x)の値が出力される。
【0032】
[折線関数発生器の動作説明]
次に、折線関数発生器10の回路動作について図3を参照しながら説明する。
なお、図2のAND回路31はバス表記を用い、実際は並列にAND回路31−1〜31−6(不図示)で構成され、またAND回路32〜34も同様にそれぞれ6個のAND回路で構成されている。すなわち、AND回路31〜34は、入力信号の6ビットに対して同時にAND演算処理が行われる。
変数xの“H”と“L”のデータが入力端子T1から入力され、シフトレジスタ11,12、加算器21,22で演算処理された結果が、判別回路13〜15により選択されたAND回路31〜34のいずれか一つの回路を介してOR回路40に出力される。
【0033】
入力されるデータ(変数x)は6ビットで構成され、−32から+31の値をとる。上述したAND回路31〜34とOR回路40は4入力セレクタを構成し、判別回路13〜15とAND回路23,24とインバータ25により4入力セレクタのどれか1つを選択する。4入力セレクタには、−32にクリップ、2倍、1倍、1/2倍の信号が入力され、これらを適切に選択することで折線特性を実現している。
【0034】
上述したシフトレジスタ11は、入力されたデータを左に1ビットシフトする動作を行うので、入力されたデータ(変数xのビット)が2倍されることになり、折線関数f(x)の変数xに対する係数の2に相当する。また、加算器21で10LSBの値がシフトレジスタ11から出力されたデータに加算されるので、折線関数f(x)の式で右辺の定数は10である。
入力端子T1からAND回路23に直接入力される信号経路は、折線関数f(x)の変数xに対する係数1に対応し、この信号経路に加算器は存在しないので折線関数f(x)の式で右辺の定数は0である。
シフトレジスタ12は、入力されたデータを右に1ビットシフトする動作を行うので、入力されたデータが1/2倍されることになり折線関数f(x)の変数xに対する係数1/2に相当し、加算器22で6加算されるので、折線関数f(x)の式で右辺の定数は6である。
【0035】
判別回路13,14,15は、変数xの値に応じて折線を発生する範囲を規定する制御信号を発生する。この制御信号を用いてAND回路23,24とインバータ25から出力される制御信号でAND回路31,32,33,34を切り換えてシフトレジスタ11、12とスルーのデータを出力する信号経路を選択してOR回路40に出力する。OR回路40から変数xの各範囲に対応する3つの折線からなる折線関数に基くデータが出力される。
【0036】
次に、折線関数発生器10の具体動作について述べる。
変数xが第1の範囲で、x<−21のときの折線関数発生器10の動作について説明する。
例えば、変数xが−22のとき、判別回路13からAND回路31の第2の入力端子とAND回路23の反転入力の第1の入力端子に“H”レベルの信号が入力される。AND回路31は動作状態となり、入力端子T2から入力されるデータに応じて“H”または“L”レベルの信号が出力される。
また、判別回路13から出力された“H”レベル信号により、AND回路23の出力信号は“L”レベルである。この“L”レベルの信号がAND回路32に入力され動作停止状態となる。その結果、AND回路32の第1の入力端子に入力される値に係わらず、出力端子からは“L”レベルの信号が出力される。
判別回路14,15の出力信号は“H”レベルであるから、AND回路24とインバータ25の各出力端子から“L”レベルの信号が出力され、AND回路33、34は動作停止状態となる。このとき、AND回路33、34からそれぞれ“L”レベルの信号がOR回路40に出力される。
その結果、AND回路31のみが動作し、入力端子T2から供給された値−32(LSB)のみがOR回路40から出力される。よって、折線関数f(x)=−32となる。
【0037】
次に、変数xが第2の範囲で、−21<=x<−10の場合の折線関数発生器10の動作について説明する。
例えばx=−12とすると、判別回路13から“L”レベルの信号が出力され、判別回路14,15からは“H”レベルの信号が出力される。AND回路23から“H”レベルの信号が、AND回路24から“L”レベルの信号が、インバータ25から“L”レベルの信号がそれぞれ出力される。
【0038】
その結果、AND回路31,33,34の入力端子に“L”レベルの信号が供給されるので動作停止状態となり、AND回路32のみが動作状態となる。
このとき、変数x=−12はシフトレジスタ11で左に1ビットシフトされるので、変数xの値は2倍となり−24となる。入力端子T3から値10が加算器21に入力され、定数10と加算されるので加算器21の出力は−14となり、AND回路32を介してOR回路40から−14の値が出力される(図3の点fに対応する)。
【0039】
変数xが第3の範囲で、−10<=x<+12の時の折線関数発生器10の動作について説明する。
変数x=−8の場合について説明する。
判別回路13,14から“L”レベルの信号が出力され、判別回路15の“H”レベルの信号が出力される。AND回路23とインバータ25から“L”レベルの信号が出力され、AND回路24から“H”レベルの信号が出力されるので、AND回路33が動作状態となる。
その結果、AND回路33に入力された変数xの値−8がOR回路40に供給される(図3の点gに対応する)。
図3に示すように、折線関数f(x)は、変数xが−10<=x<+12範囲では、原点0を通り、傾き1の直線を示す。
【0040】
次に、変数xが第4の範囲で、x>=+12の場合の折線関数発生器10の動作について説明する。
判別回路13,14,15から“L”レベルの信号が出力され、その結果、AND回路23,24から“L”レベルの信号が出力され、インバータ25から“H”レベルの信号が出力される。インバータ25から“H”レベルの信号が出力されるので、AND回路34のみが動作状態となる。
【0041】
例えばx=+14とすると、判別回路13,14,15から“L”レベルの信号が出力され、AND回路23,24は“L”レベル、インバータ25の出力は“H”レベルとなる。
【0042】
したがって、AND回路31,32,33は“L”レベルの信号が入力されるので非動作状態となり、AND回路34のみが動作状態となる。
このとき、変数x=+14はシフトレジスタ12で右に1ビットシフトされるので、変数xの値は1/2倍となり+7となる。この値+7が加算器22に入力され、定数6と加算されるので加算器22の出力は+13となり、AND回路32を介してOR回路40の出力から+13値が出力される(図3のh1に対応する)。
次の例として、変数xがx=+32の場合の折線関数発生器10の動作について説明する。
変数xの値+32がシフトレジスタ12で右に1ビットシフトされるので、変数xの値は1/2倍となり+16となる。この値+16が加算器22に入力され、定数6と加算されるので加算器22の出力は+22となり、AND回路34を介してOR回路40の出力から+22値が出力される(図3のh2に対応する)。
図3に示すように、折線関数f(x)は、変数xがx>13の範囲では、傾き1/2で切片+6の直線で表される。
【0043】
上述したことから、図2に示す折線関数発生器10は、図3に示す折線関数f(x)を、変数xを所定の範囲で精度よく近似できる。
また、図2に示した折線関数発生器10は、折線関数f(x)の傾きを示す係数を2のべき乗にしたことから、特にディジタル演算処理においては、入力データのビット操作において右または左に1ビットシフトするシフトレジスタまたはスルーとすることにより簡単なハードウェアで実現することができる。
勿論、上述した折線関数f(x)の係数2、1、1/2以外の係数と定数を用いて、変数の所定の範囲で任意の折線関数を表すこともできる。
【0044】
<3.第2の実施形態>
[AGC回路の構成]
次に、上述した折線関数f(x)を用いたAGC回路100の実施例を図4に示す。
AGC回路100は、VCA回路101、ゲイン段(増幅器:図4において増幅度をA1と図示する)102、ADC(アナログ/ディジタル変換器:図4においてADCと図示する)103、振幅検出器109、加算器108、折線関数発生器(図4において折線アンプ107と図示する)、積分器106、DAC(ディジタル−アナログ変換器:図4においてDACと図示する)105で構成される。
【0045】
VCA回路101は、振幅の調整対象である入力信号(input)と、DAC105からの制御信号が入力される。この入力信号の振幅がDAC105からのアナログ制御信号により指数関数的に可変される。DAC105入力のディジタル信号から見ると、デシベル(dB)表示でのゲインを制御していることになる。
【0046】
ADC103は、ディジタル−アナログ変換器を示し、例えば6ビット構成のフラッシュADCからなる。またこのADCの方式は、フラッシュ構成以外であってもよく、チップ面積、精度等を考慮して変換方式を選択する。
ゲイン段102から出力されたアナログ信号がこのADC103で、例えば6ビットのディジタル信号に変換される。
【0047】
振幅検出器109は、ディジタル回路で構成され、ADC103から出力されたディジタル信号の振幅を検出する。
振幅検出器109として、一般に、ピーク検出器や平均値検出器があるが、ここではいずれの回路であっても良く、とくに限定しないが高速応答なものが望まれる。
【0048】
加算器108は、ディジタル加算器で構成され、振幅検出器109で検出されたディジタル振幅値と目標振幅a(Target amplitude)のディジタル値が入力され、これらの値がディジタル処理され、目標振幅aとの差がΔaとして出力される。
【0049】
折線関数発生器(折線amp)107は、誤差Δaを変数x=Δaまたは誤差Δaを目標振幅aで正規化したx=Δa/aとした折線関数f(x)の値を出力する。
【0050】
積分器106は、係数Kiと折線関数発生器107から逐次出力される値を乗算し、このKi*f(Δa)を加算して積分値を得る。なお、係数Kiは、AGCループ特性から決める。
【0051】
DAC105は、積分器106から出力された積分値がディジタルデータであるので、VCA回路101をアナログ制御信号で制御するために、ディジタル信号をアナログ信号に変換する。
【0052】
図4に示すAGC回路100において、メインの信号系の途中でAD変換され、後ろの信号処理系につなぐためのAGCを想定している。フィードバック系はディジタルで処理され、最後にDAC105でVCA回路101を制御する。上述したように、VCA回路101はdB(デシベル)リニアの演算回路で構成され、DAC105とあわせてdB/LSB(least significant bit)のゲイン特性を持ち、デシベル単位での演算(加算、減算)処理が行われる。
【0053】
[AGC回路の動作説明]
次に、図4に示すAGC回路100の動作について説明する。
アナログの入力信号inputがVCA回路101に入力されると、DAC105から出力される制御信号によりdB(デシベル)/LSBの比率で振幅が調整される。VCA回路101で入力信号の振幅レベルが調整された後、ゲイン段102でA1倍に増幅されたアナログ信号がADC103に出力される。ADC103でアナログ信号がディジタル信号に変換され、これが振幅検出器109にも供給される。振幅検出器109で出力信号outputの振幅がディジタル的に検出されて加算器108に出力される。
加算器108には基準値となるTarget amplitude(目標振幅a)も入力され、この目標振幅aと振幅検出器109からの出力信号が減算処理され、その結果、誤差(またはaからの偏移)Δaが出力される。
誤差Δaは、折線関数発生器(折線amp)107に供給され、その誤差Δaに対応する折線関数f(Δa)でlog(ログ)アンプに近似した演算処理が行われ、その折線関数の出力値が積分器106に出力される。積分器106で係数Kiとf(Δa)の演算が繰り返し所定回行われて加算されることにより、Ki*Σ(−f(Δa))の積分処理が実行される。あるいは、Σ(−f(Δa))の演算処理が行われた後、係数Kiを乗算して積分処理してもよく、積分器106の構成とこれにかかわる動作を限定するものではない。
積分器106で積分されたディジタルデータがDAC105に供給され、ディジタル信号がアナログ信号に変換され制御信号としてVCA回路101に出力される。制御信号により、入力信号inputをデシベルリニアの演算処理し、入力信号の振幅を可変する。
【0054】
上述したように、図4において、折線関数発生器107もディジタルで実現される。効率よくこの回路を構成するために、入出力のビット幅が同じとすると、目標振幅aの近傍、すなわち、誤差Δa=0付近では入力がそのまま出力になる設計が一般的である。データ幅を6ビットとし、目標振幅a=32として折線関数発生器107を設計すると、近似したい特性は32*log(1+x/32)となる。ここで*印は乗算記号を示す。これを近似する折線関数発生器107は下式が適していて、この具体的な説明は、図2と図3で説明した。
【0055】
【数5】

なお、(入力)変数xがx<−21のときは、折線関数f(x)を−32にクリッピングする。そのようなΔaは、入力が非常に小さい場合にのみ発生し、システム的には異常事態が起きている場合と思われる。クリッピングによりAGC的には、与えられたビット幅で表現できる中で最善を尽くしていることになる。
【0056】
ターゲット振幅(目標振幅)aを√2倍以上も変える必要がある場合には、折線関数発生器107を複数用意し、aに応じて切り替えた方が良い。√2倍(6dB)というのは、折線の傾きをビットシフトで実現するときの刻みが2倍であるという制約からである。1.5のような中途半端な傾きもシフトと加算器で比較的容易に作ることができるので、性能要求が厳しい場合には検討に値するかもしれない。ただし、折線関数発生器107が複雑になるにつれ、logアンプに対する実装上の利点が失われて行くことになる。
【0057】
<4.第2の実施形態の変形例>
[他のAGC回路の構成]
図5に、他の折線関数発生器を用いたAGC回路100Aの構成例を示す。
AGC回路100Aの構成において、図4と同じ動作を有するブロックは、同一の番号を付与する。
このAGC回路100Aは、目標振幅aを固定した時のブロック構成である。また、この図5に用いた折線関数発生器107aは、図3で変数xを示す横軸をa=32だけシフトしたものと等しい。
具体的には、図4において加算器108で振幅検出器109の出力データと目標振幅aを減算処理する代わりに、折線関数発生器107の変数xを目標振幅aだけ水平軸にマイナス方向にシフトして等価的に減算処理するとよい。
【0058】
すなわち、折線関数fa(x)は、
【0059】
【数6】

である。
【0060】
図5に示すAGC回路100Aは、図4に示すAGC回路100と比較して、折線関数発生器107と加算器108以外の構成は同じであるので、ここでは詳細な説明は省略する。
したがって、AGC回路100Aは、減算回路を特別に設ける必要がないので、回路構成を簡略化することができる。
【0061】
[他のAGC回路の動作説明]
AGC回路100Aの動作について説明する。なお、上述したAGC回路100と異なる動作について主に説明する。
振幅検出器109で出力信号outputの振幅を検出し、検出値(ディジタル信号)xを出力する。このディジタル信号(変数x)が折線関数発生器107aで式6に示される折線関数でlogアンプに線形近似され、積分器106に出力される。積分器106で積分されたディジタル信号は、DAC105でディジタル信号からアナログ信号に変換され、このアナログ変換された信号が制御信号としてVCA回路101の制御端子に出力され、入力信号の振幅が上述したデシベル(dB)リニアの演算が行われることにより調整される。
【0062】
図5に示すAGC回路100Aのように、ターゲット振幅aが固定値で良い場合、折線関数発生器107の入力を誤差Δaではなくa+Δa、すなわち出力信号の振幅そのものに対するように変更することで、誤差Δaを計算する加算回路が不要になる。
しかしながら、この場合、ハードウェア量の削減効果はそれなりにあるが、ターゲット振幅aの調整機能を入れることが容易でなくなる。誤差Δaを計算することによって得られる実使用上の柔軟性は捨てがたく、図4と図5に示すAGC回路100,100Aを用途により使い分けるとよい。
【0063】
<5.第3の実施形態>
[記録再生装置の構成]
図6に本発明のAGC回路を用いた記録再生装置200のブロック構成を示す。
記録再生装置200は、不図示のスピンドルモータと、光ピックアップ素子を含み光―電気変換IC(OEIC)202と、VCA回路203と、ADC204と、振幅検出器208と、折線関数発生器207と、積分器206と、DAC205と、ADC204の後段に接続される不図示の信号処理回路等で構成される。
なお、VCA回路203と、ADC204と、振幅検出器208と、折線関数発生器207と、積分器206と、DAC205で構成される回路ブロックは、図3,4で示したAGC回路100,100Aに対応する。
【0064】
OEIC202は、フォトダイオードとアンプ(加算器)等で構成され、フォトダイオードで光信号を電気信号に変換し加算器に出力する。そして、加算器において入力された電気信号を演算処理して、高周波信号等を導出する。
また、不図示の信号処理回路では、入力された高周波信号がデ・インターリーブや誤り訂正された後信号処理されて映像信号や音声信号が再生される。一方、記録動作の場合は、上述の動作とほぼ逆の動作が行われ、フォーカス制御、トラッキング制御の動作を伴いながら映像情報、画像情報、音声情報等が変調されてレーザダイオードを介してディスクに書き込まれる。
【0065】
[記録再生装置の動作説明]
次に、記録再生装置200の動作について説明する。なお、ここでは、再生動作について説明する。
スピンドルモータで光ディスク201が回転駆動され、回転する光ディスク201の記録面にレーザ光を照射し、光ディスク201の記録情報に対応して反射量が変化する光をOEIC202で検出して光信号を電気信号に変換する。
【0066】
OEIC202からフォーカス信号、トラッキング制御信号や音声と画像信号を有する高周波信号が導出され、フォーカス信号は信号処理されて光ピックアップのフォーカス調整を行い、トラッキング信号は信号処理されて光ピックアップをディスクの回転方向に対するトラッキング制御を行う。また、OEIC202から導出された高周波の入力信号(input)がVCA回路203に供給され、DACから供給されたアナログ制御信号に応じて、振幅が調整される。調整されたアナログ信号はADC204に供給され、アナログ信号からディジタル信号に変換される。変換されたディジタル信号は、振幅検出器208でその振幅が検出され、折線関数発生器207でlog関数に近似した折線で線形近似され、その線形近似した関数で得られた値が積分器206に供給される。
積分器206において折線関数発生器207で得られた値が積分され、DAC205に出力され、DAC205でディジタル信号がアナログ信号に変換されて、この変換されたアナログ信号が制御信号としてVCA回路203の制御端子に出力される。なお、AGC回路を構成する動作は、図4,5に示した動作と同様である。その結果、VCA回路203において、入力信号inputの振幅が調整され、ADC204からディジタル信号が後段の信号処理ICに出力され、デ・インターリーブ、誤り訂正などの信号処理を行った後、映像信号が表示装置に表示される。なお、折線関数発生器207は、図4の折線関数発生器107でも図5の折線関数発生器107aまたはその変形であっても良い。
【0067】
以上説明したように、本発明によれば、わずかな付加回路でAGC特性を大幅に改善できる。
また、回路構成が簡単で汎用性があり、ディジタルを用いるAGC(リードチャネル等)には標準で採用できる。
上述したように、ディジタルAGCに対する構成と動作を説明したが、AGC回路をアナログ回路で構成してもよく、この場合、アナログでも折線の段数が少ないことから、アナログ構成の折線関数発生器を容易に実現することができる。
【0068】
本発明において、入力信号の振幅を制御信号により可変する可変利得回路は、VCA回路101に対応する。上記可変利得回路から出力された信号の振幅を検出する振幅検出器は、振幅検出器109に対応する。上記入力信号の入力範囲に対応した上記振幅検出器の振幅範囲を複数個に分割し、該分割された振幅範囲に応じて所定の係数の直線で表される折線関数を有し、上記振幅検出器で検出された検出信号が供給され、上記分割された振幅範囲で特定する折線関数で得られる出力信号を出力して所定の曲線関数に近似する折線関数発生器は、折線関数発生器107に対応する。上記折線関数発生器からの出力信号を積分し、上記可変利得回路を制御する上記制御信号を出力する積分回路は、積分器106に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は、折線関数発生器の原理特性を示す特性図である。
【図2】図2は、折線関数発生器の回路構成を示す図である。
【図3】図3は、折線関数発生器の入出力特性を示す図である。
【図4】図4は、折線関数発生器を用いたAGC回路のブロック構成を示す図である。
【図5】図5は、他の折線関数発生器を用いたAGC回路のブロック構成を示す図である。
【図6】図6は、折線関数発生器を用いたAGC回路を有する記録再生装置のブロック構成図である。
【図7】図7は、従来のAGC回路のブロック構成図である。
【図8】図8は、他の従来のAGC回路のブロック構成図である。
【図9】図9は、他の従来のAGC回路のブロック構成図である。
【符号の説明】
【0070】
10…折線関数発生器、11,12…レベルシフト回路、13,14,15…判定回路、21,22,108,303,321,421…加算器、23,24,31,32,33,34…AND回路、25…インバータ、40…OR回路、100,100A…AGC回路、101,203,301,310,410…VCA回路、102…ゲイン段、103,204…ADC、105,205…DAC、106,206,302,320,420…積分器、107,107a、207…折線関数発生器、109,208,304,323,422…振幅検出器、200…記録再生装置、201…光ディスク、202…OEIC、311,411…乗算器、312,412…exp関数発生器、322,324…log関数発生器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号の振幅を制御信号により可変する可変利得回路と、
上記可変利得回路から出力された信号の振幅を検出する振幅検出器と、
上記振幅検出器の振幅範囲を複数個に分割し、該分割された振幅範囲に応じて所定の係数の直線で表される折線関数を有し、上記振幅検出器で検出された検出信号が供給され、上記分割された振幅範囲で特定する折線関数で得られる出力信号を出力して所定の曲線関数に近似する折線関数発生器と、
上記折線関数発生器からの出力信号を積分し、上記可変利得回路を制御する上記制御信号を出力する積分回路と
を有する
信号制御回路。
【請求項2】
上記折線関数発生器は、複数の直線を用いて対数型関数を近似する
請求項1記載の信号制御回路。
【請求項3】
上記対数型関数は、上記振幅検出器からの出力信号を変数xとしたlog(1+x)の関数を複数の直線を用いて近似する
請求項2記載の信号制御回路。
【請求項4】
上記対数型関数を近似する折線関数の直線の傾きを表す係数は、2のべき乗で表される
請求項3記載の信号制御回路。
【請求項5】
上記折線関数発生器は、上記振幅検出器からの出力値と目標振幅の差分が入力される
請求項3記載の信号制御回路。
【請求項6】
上記折線関数発生器は、上記振幅検出器からの出力値が直接入力される
請求項2記載の信号制御回路。
【請求項7】
入力信号の振幅レベルを可変する可変利得回路と、
上記可変利得回路から出力された信号をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換器と、
上記アナログ/ディジタル変換器から出力された信号の振幅を検出する振幅検出器と、
上記振幅検出器の振幅範囲を複数個に分割し、該分割された振幅範囲に応じて所定の係数の直線で表される折線関数を有し、上記振幅検出器で検出された検出信号が供給され、上記分割された振幅範囲で特定する折線関数で得られる出力信号を出力して所定の曲線関数に近似する折線関数発生器と、
上記折線関数発生器からの出力信号を積分する積分回路と、
上記積分回路で積分された信号をディジタル信号からアナログ信号に変換し、該変換されたアナログ信号で上記可変利得回路の利得を可変するディジタル/アナログ変換器と
を有する信号制御回路。
【請求項8】
上記折線関数発生器は、複数の直線を用いて対数型関数を近似する
請求項7記載の信号制御回路。
【請求項9】
上記対数型関数は、上記振幅検出器からの出力信号を変数xとしたlog(1+x)の関数を複数の直線を用いて近似する
請求項8記載の信号制御回路。
【請求項10】
制御信号により利得を可変して入力信号の振幅レベルを可変するステップと、
可変された振幅レベルを検出するステップと、
検出された振幅レベルの振幅範囲を複数個に分割された特定の範囲に対応する折線関数により出力信号が出力されて所定の曲線関数に近似するステップと、
上記折線関数により出力された出力信号を積分して上記制御信号を生成するステップと、
を有する信号制御方法。
【請求項11】
上記折線関数は、複数の直線を用いて対数型関数を近似する
請求項10記載の信号制御方法。
【請求項12】
上記対数型関数は、上記検出された振幅レベルを変数xとしたlog(1+x)の関数を複数の直線を用いて近似する
請求項10記載の信号制御方法。
【請求項13】
ピックアップによりディスクに対して信号を記録または再生し、上記ピックアップされた信号から高周波信号を導出し、該高周波信号をAGC回路を介して信号レベルを調整した後、信号処理して映像信号を再生する記録再生装置であって、
上記AGC回路は、
上記ピックアップにより導出された入力信号の振幅を可変する可変利得回路と、
上記可変利得回路から出力された信号の振幅を検出する振幅検出器と、
上記振幅検出器の振幅範囲を複数個に分割し、該分割された振幅範囲に応じて所定の係数の直線で表される折線関数を有し、上記振幅検出器で検出された検出信号が供給され、上記分割された振幅範囲で特定する折線関数で得られる出力信号を出力して所定の曲線関数に近似する折線関数発生器と、
上記折線関数発生器からの出力信号を積分し、上記可変利得回路を制御する上記制御信号を出力する積分回路と
を有する
記録再生装置。
【請求項14】
上記折線関数発生器は、複数の直線を用いて対数型関数を近似する
請求項13記載の記録再生装置。
【請求項15】
上記対数型関数は、上記振幅検出器からの出力信号を変数xとしたlog(1+x)の関数を複数の直線を用いて近似する
請求項14記載の記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−61729(P2010−61729A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−225292(P2008−225292)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】