説明

修飾された免疫刺激性ジヌクレオチドを含む、オリゴヌクレオチドに基づく化合物の免疫刺激特性

【課題】免疫反応を産生するための、または免疫刺激を必要とする患者を処置するための、免疫療法用途における、免疫刺激剤としてのオリゴヌクレオチドの提供。
【解決手段】新規のプリンを含む免疫刺激性オリゴヌクレオチド。免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、3’末端、インターヌクレオチド結合、あるいは官能化核酸塩基または糖で、非ヌクレオチドのリンカーへと結合する少なくとも2つのオリゴヌクレオチドをさらに含み、かかるオリゴヌクレオチドの少なくとも1つは、免疫刺激性オリゴヌクレオチドであり、接続可能な5’末端を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は、オリゴヌクレオチドを免疫刺激剤として用いた、免疫学および免疫療法適用に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の概要
オリゴヌクレオチドは近代の分子生物学において不可欠なツールとなってきており、幅広い技術において用いられ、PCRへの診断的プローブ法から遺伝子発現および免疫療法適用のアンチセンス阻害までの範囲にわたる。オリゴヌクレオチドのこの広範囲の使用は、オリゴヌクレオチドの合成に関する迅速で、高価でなく、そして効率的な方法に対する増加する需要を導いてきている。
【0003】
アンチセンスおよび診断的適用に対するオリゴヌクレオチドの合成は、現在、定常的に成し遂げることができる。例えば、Methods in Molecular Biology, Vol. 20: Protocols for Oligonucleotides and Analogs pp. 165-189 (S. Agrawal, ed., Humana Press, 1993); Oligonucleotides and Analogues, A Practical Approach, pp. 87-108 (F. Eckstein, ed., 1991); およびUhlmann and Peyman, supra; Agrawal and Iyer, Curr. Op. in Biotech. 6:12 (1995); ならびにAntisense Research and Applications (Crooke and Lebleu, eds., CRC Press, Boca Raton, 1993)を参照のこと。初期の合成手段は、ホスホジエステルおよびホスホトリエステル化学を含んだ。例えば、Khorana et al., J. Molec. Biol. 72:209 (1972)は、オリゴヌクレオチド合成に関するホスホジエステル化学を開示する。Reese, Tetrahedron Lett. 34:3143-3179 (1978)は、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドの合成に関するホスホトリエステル化学を開示する。これらの初期の手段は、より効率的なホスホロアミダイトおよびH-ホスホネートの合成手段の大いに知られた方法を有する。例えば、Beaucage and Caruthers, Tetrahedron Lett. 22:1859-1862 (1981)は、ポリヌクレオチド合成におけるデオキシリボヌクレオシドホスホロアミダイトの使用を開示する。Agrawal and Zamecnik, U.S. Patent No. 5,149,798 (1992)は、H-ホスホネート手段によるオリゴヌクレオチドの最適化された合成を開示する。これらの近代の手段の両方は、さまざまな修飾されたヌクレオチド内結合を有するオリゴヌクレオチドを合成するのに用いられてきた。Agrawal and Goodchild, Tetrahedron Lett. 28:3539-3542 (1987)は、ホスホロアミダイト化学を用いたオリゴヌクレオチドメチルスルホネートの合成を教示する。Connolly et al., Biochem. 23:3443 (1984)は、ホスホロアミダイト化学を用いるオリゴヌクレオチドホスホロチオエートの合成を開示する。Jager et al., Biochem. 27:7237 (1988)は、ホスホロアミダイト化学を用いるオリゴヌクレオチドホスホロアミデートの合成を開示する。Agrawal et al., Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 85:7079-7083 (1988)は、H-ホスホネート化学を用いるオリゴヌクレオチドホスホロアミデートおよびホスホロチオエートの合成を開示する。
【0004】
より近年には、何人かの研究者がオリゴヌクレオチドの免疫療法適用における免疫刺激剤としてのオリゴヌクレオチドの使用の有効性を実証してきた。ホスホジエステルおよびホスホロチオエートオリゴヌクレオチドが免疫刺激を誘発できるという観察は、治療的ツールとしてこの副作用を展開するということへの関心を作り出してきた。これらの努力は、ジヌクレオチド天然CpGを含有するホスホロチオエートオリゴヌクレオチドに注目してきた。Kuramoto et al., Jpn. J. Cancer Res. 83:1128-1131 (1992)は、Cpgジヌクレオチドを含むパリンドロームを含有するホスホジエステルオリゴヌクレオチドが、インターフェロンαおよびγ合成を誘発し、ナチュラルキラー活性を強化することができると教示する。Krieg et al., Nature 371:546-549 (1995)は、ホスホロチオエート CpG含有オリゴヌクレオチドが免疫刺激性であることを開示する。Liang et al., J. Clin. Invest. 98:1119-1129 (1996)は、そのようなオリゴヌクレオチドがヒトB細胞を活性化することを開示する。Moldoveanu et al., Vaccine 16:1216-124 (1998)は、CpG含有ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドがインフルエンザウイルスに対する免疫反応を強化することを教示する。McCluskie and Davis, J. Immunol. 161:4463-4466 (1998)は、CpG含有オリゴヌクレオチドが強力なアジュバントとして作用し、B型肝炎表面抗原に対する免疫反応を強化することを教示する。Hartman et al., J. Immunol 164: 1617-1624 (2000)は、免疫刺激配列は種特異的であり、マウスと霊長類では異なることを教示する。
【0005】
CpG含有ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの他の修飾は、また、免疫反応の修飾として作用するその能力に影響を及ぼす。例えば、Zhao et al.、Biochem. Pharmacol. (1996) 51:173-182; Zhao et al., Biochem Pharmacol. (1996) 52:1537-1544; Zhao et al., Antisense Nucleic Acid Drug Dev. (1997) 7:495-502; Zhao et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. (1999) 9:3453-3458; Zhao et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. (2000) 10:1051-1054; Yu et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. (2000) 10:2585-2588; Yu et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. (2001) 11:2263-2267; およびKandimalla et al., Bioorg. Med. Chem. (2001) 9:807-813を参照のこと。
【0006】
これらのレポートは、免疫刺激性オリゴヌクレオチドにより引き起こされる免疫反応を調節することができる、および免疫刺激性配列の種特異性を克服する、必要性が残存するということを明確にさせる。
【発明の開示】
【0007】
本発明の概要
本発明は、オリゴヌクレオチド化合物により引き起こされる免疫反応を調節するための方法を提供する。本発明による方法により、免疫療法適用のための免疫刺激性オリゴヌクレオチドにより引き起こされるサイトカインプロファイルの修飾が可能となる。本発明者らは、驚くべきことに、免疫刺激性ジヌクレオチドの修飾により、作り出される免疫反応の性質における柔軟性を許容し、そしてある修飾が、今までに観察された免疫刺激性配列の種特異性を克服することを発見した。
【0008】
第1の側面において、本発明は、
【化1】

式中、R’ = 1-(2’-デオキシ-β-D-リボフラノシル)-2-オキソ-7-デアザ-8-メチル-プリン; A1/C1/G1/U1 = 2’-O-メチル-リボヌクレオチド; R = 2’-デオキシ-7-デアザグアノシン および X = グリセロールリンカー
の群からの構造を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを提供する。
【0009】
第2の側面において、本発明は薬学的組成物を提供する。これらの組成物は本発明の題1の側面において開示される組成物の任意の1つおよび薬学的に許容し得る担体を含む。
【0010】
第3の側面において、本発明は脊椎動物において免疫反応を作り出すための方法を提供し、かかる方法は脊椎動物に、
【化2】

式中、R’ = 1-(2’-デオキシ-β-D-リボフラノシル)-2-オキソ-7-デアザ-8-メチル-プリン; A1/C1/G1/U1 = 2’-O-メチル-リボヌクレオチド; R = 2’-デオキシ-7-デアザグアノシン および X = グリセロールリンカーである、
の群からの構造を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む。
【0011】
第4の側面において、本発明は、癌、自己免疫性疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、喘息または病原体により引き起こされる疾患を有する脊椎動物を治療的に処置するための方法を提供し、かかる方法はかかる患者に、
【化3】

式中、R’ = 1-(2’-デオキシ-β-D-リボフラノシル)-2-オキソ-7-デアザ-8-メチル-プリン; A1/C1/G1/U1 = 2’-O-メチル-リボヌクレオチド; R = 2’-デオキシ-7-デアザグアノシン および X = グリセロールリンカーである、
の群からの構造を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む。
【0012】
第5の側面において、本発明は、脊椎動物における、癌、自己免疫性疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、喘息または病原体により引き起こされる疾患を予防するための方法を提供し、かかる方法はかかる脊椎動物に、
【化4】

式中、R’ = 1-(2’-デオキシ-β-D-リボフラノシル)-2-オキソ-7-デアザ-8-メチル-プリン; A1/C1/G1/U1 = 2’-O-メチル-リボヌクレオチド; R = 2’-デオキシ-7-デアザグアノシン および X = グリセロールリンカーである、
の群からの構造を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドの線形合成に適する代表的な小分子リンカーの群を描く図である。
【図2】本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドの平行合成に適する代表的な小分子リンカーの群を描く図である。
【図3】本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドの線形合成に関する合成スキームである。
【図4】本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドの平行合成に関する合成スキームである
【図5】オリゴヌクレオチドの3’末端ヌクレオシドの略図である。
【図6】C57BL/6マウス脾臓細胞培養物における、本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドによるIL-12誘導を示すグラフである。
【図7】C57BL/6マウス脾臓細胞培養物における、本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドによるIL-6誘導を示すグラフである。
【図8】ヒトpDC培養物における、本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドによるIFN-α誘導を示すグラフである。
【図9】ヒトPBMC培養物における、本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドによるIFN-α誘導を示すグラフである。
【図10】本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドによる、ヒトB細胞増殖を示すグラフである。
【0014】
好ましい態様の詳細な説明
本発明は、免疫療法適用のための免疫刺激剤としてのオリゴヌクレオチドの治療的使用に関する。公開特許、特許出願、および明細書中に引用する引用文献は、それぞれが引用文献として組み入れられると、明確におよび個々に示されるがごとく、同じ範囲まで引用文献として明細書中に組み入れられる。明細書中に引用される任意の引用文献の任意の教示と本発明の不一致のある場合は、後者が本発明の目的に関して優先する。
【0015】
本発明は、成体および小児のヒトおよび獣医学的適用における、癌、自己免疫性疾患、喘息、呼吸アレルギー、食物アレルギー、ならびに細菌、寄生虫、およびウイルス感染の処置などの免疫療法適用に限定なく用いられる、免疫刺激性化合物により引き起こされる免疫反応を強化するための方法を提供する。そして、本発明は、免疫療法に対する免疫刺激性効果の最適なレベルを有する化合物、ならびにかかる化合物を作製するおよび用いるための方法を、さらに提供する。加えて、本発明の化合物は、DNAワクチン、抗体、およびアレルゲンとの組み合わせにおける、ならびに化学療法剤および/またはアンチセンスオリゴヌクレオチドとの組み合わせにおける、アジュバントとして有用である。
【0016】
本発明者らは、驚くべきことに、最適にその5’末端に存在する免疫刺激性オリゴヌクレオチドの修飾がその免疫刺激能に劇的に影響を及ぼすことを、発見した。加えて、本発明者らは、免疫反応のサイトカインプロファイルおよび種特異性を、免疫刺激性オリゴヌクレオチドの部分として、新規のプリンまたはピリミジン構造を用いることにより調節できることを発見した。
【0017】
第1の側面において、本発明は、単独のまたはその3’末端で結合する少なくとも2つのオリゴヌクレオチドを含む免疫刺激性オリゴヌクレオチド、または非ヌクレオチドリンカーへのインターヌクレオシド結合あるいは官能化核酸塩基または糖を提供し、かかるオリゴヌクレオチドの少なくとも1つは免疫刺激性オリゴヌクレオチドであり、接続可能な5’末端を有する。明細書中で用いる、「接続可能な5’末端」という用語は、オリゴヌクレオチドの5’末端が、オリゴヌクレオチドを認識し、オリゴヌクレオチドへと結合し、かかる免疫系を刺激するファクターがそこへの接続を有するように十分利用可能である、ということを意味する。接続可能な5’末端を有するオリゴヌクレオチドにおいて、末端の糖の5’OH位は、2つより多いヌクレオシド残基または5’末端を阻害する任意の他の部位へと、共有的に結合しない。随意に、5’OHは、ホスフェイト、ホスホロチオエート、またはホスホロジチオエート部位、芳香族のまたは脂肪族のリンカー、コレステロール、あるいは接続性を阻害しない他のエンティティへと結合できる。本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、好ましくは、新規のプリンまたはピリミジンを含む免疫刺激性ジヌクレオチドをさらに含む。
【0018】
ある態様において、免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、リボザイムまたはデコイオリゴヌクレオチドを含む。明細書中で用いる、「リボザイム」という用語は、触媒活性を有するオリゴヌクレオチドを指す。好ましくは、かかるリボザイムは、特異的な核酸標的へと結合し、かかる標的を切断する。明細書中で用いる「デコイオリゴヌクレオチド」という用語は、配列特異的な様式で転写因子へと結合し、転写活性を止めるオリゴヌクレオチドを指す。好ましくは、リボザイムまたはデコイオリゴヌクレオチドは二次構造を呈し、ステムループまたはヘアピン構造を限定なく含む。ある態様において、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドはポリ(I)-ポリ(C)を含む。ある態様において、Nnの少なくとも1つのセットは、3〜10のdGsおよび/またはGsあるいは2’置換リボまたはアラビノGsを含む。
【0019】
本発明の目的に関し、「オリゴヌクレオチド」の用語は、複数の結合したヌクレオシドユニットから形成されたポリヌクレオシドを指す。かかるオリゴヌクレオチドは、ゲノムまたはcDNAを含む、現存する核酸源から得ることができるが、好ましくは合成法により作製される。好ましい態様において、かかるヌクレオシド単位は、複素環基およびペントフラノシル、トレハロース、アラビノース、2’−デオキシ−2’−置換アラビノース、2’−O−置換アラビノースまたはヘキソース糖類を含む。かかるヌクレオシド残基は、多数の公知のインターヌクレオシド結合の任意により、互いに結合できる。かかるヌクレオシド結合は、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホネート、アルキルホスホノチオエート、ホスホトリエステル、ホスホロアミデート、シロキサン、カルボネート、カルボアルコキシ、アセトアミド、カルバメート、モルホリノ、ボラーノ、チオエーテル、架橋ホスホロアミデート、架橋メチレンホスホネート、架橋ホスホロチオエート、およびスルホンインターヌクレオシド結合を、限定なく含む。「オリゴヌクレオチド」の用語は、また、1つまたは2つ以上の立体特異的なインターヌクレオシド結合(例えば、(RP)-または(SP)-ホスホロチオエート、アルキルホスホネート、あるいはホスホトリエステル結合)を有するポリヌクレオシド包含する。明細書中で用いる、「オリゴヌクレオチド」および「ジヌクレオチド」は、かかるインターヌクレオシド結合の任意を、かかる結合がリン酸基を含むか否かにかかわらず有する、ポリヌクレオシドおよびジヌクレオシドを含むことを、明確に意図する。ある好ましい態様において、これらのインターヌクレオシド結合は、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、またはホスホロジチオエート結合、あるいはそれらの組み合わせであってよい。
【0020】
いくつかの態様において、かかるオリゴヌクレオチドは、それぞれ、約3〜約35のヌクレオシド残基を、好ましくは約4〜約30のヌクレオシド残基を、より好ましくは約4〜約20のヌクレオシド残基を有する。いくつかの態様において、免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、約5〜約18、または約5〜約14のヌクレオシド残基を有するオリゴヌクレオチドを含む。明細書中で用いる、「約」という用語は、正確な数が重要でないということを示唆する。そして、オリゴヌクレオチドにおけるヌクレオシド残基の数は重大ではなく、1つまたは2つ少ないオリゴヌクレオシド残基、または1〜数個追加したヌクレオシド残基を有するオリゴヌクレオチドは、上記の態様のそれぞれの同等物と考えられる。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの1つまたは2つ以上は11ヌクレオチドを有する。免疫刺激性オリゴヌクレオチドの文脈において、好ましい態様は約13〜約35のヌクレオチド、より好ましくは約13〜約26のヌクレオチドを有する。
【0021】
「オリゴヌクレオチド」の用語は、また、タンパク質群、親油基、挿入剤、ジアミン、葉酸、コレステロールおよびアダマンタンを限定なく含む、追加の置換物を有するポリヌクレオシドを包含する。「オリゴヌクレオチド」の用語は、また、ペプチド核酸(PNA)、リン酸基を持つペプチド核酸(PHONA)、固定化(locked)核酸(LNA)、モルホリノ骨格オリゴヌクレオチド、およびアルキルリンカーまたはアミノリンカーとの骨格セクションを有するオリゴヌクレオチドを限定なく含む、ポリマーを含有する任意の他の核酸塩基を包含する。
【0022】
本発明のオリゴヌクレオチドは、天然由来ヌクレオシド修飾ヌクレオシド、またはその混合物を含むことができる。明細書中で用いる、「修飾ヌクレオシド」の用語は、修飾複素環塩基、修飾糖部位、またはその組み合わせを含むヌクレオシドである。いくつかの態様において、かかる修飾されたヌクレオシドは、明細書中で記載する、非天然ピリミジンまたはプリンヌクレオシドである。いくつかの態様において、かかる修飾されたヌクレオシドは、2’−置換リボヌクレオシド、アラビノシド、または2’−デオキシ−2’−置換−アラビノシドである。
【0023】
本発明の目的に対して、「2’−置換リボヌクレオシド」または「2’−置換アラビノシド」の用語は、ペントース部位の2’位の水酸基が置換され、2’−置換または2’−O−置換リボヌクレオシドを作る、リボヌクレオシドまたはアラビノヌクレオシドを含む。好ましくは、かかる置換は、1〜6個の飽和または不飽和炭素原子を含有する低級アルキル基とともに、または6〜10個の炭素原子を有するアリール基とともになされ、式中かかるアルキル、またはアリール基は、非置換であるか、または、例えばハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、カルボキシル、カルボアルコキシ、またはアミノ基などと置換されてもよい2’−O−置換アラビノシドは、2’−O−メチルリボヌクレオシドまたは2’−O−メチルアラビノシド、ならびに2’−O−メトキシエチルリボヌクレオシドまたは2’−O−メトキシエチルアラビノシドを、限定なく含む。
【0024】
「2’−置換リボヌクレオシド」または「2’−置換アラビノシド」の用語は、また、2’−水酸基が、1〜6個の飽和または不飽和炭素原子を含有する低級アルキル基と置換された、またはアミノまたはハロ基と置換された、リボヌクレオシドまたはアラビノヌクレオシドを含む。かかる2’−置換リボヌクレオシドまたは2’−置換アラビノシドは、2’−アミノ、2’−フルオロ、2’−アリル、および2’−プロパルギルリボヌクレオシドまたはアラビノシドを、限定なく含む。
【0025】
「オリゴヌクレオチド」の用語は、ハイブリッドおよびキメラのオリゴヌクレオチドを含む。「キメラのオリゴヌクレオチド」は、1つより多いタイプのインターヌクレオシド結合を有するオリゴヌクレオチドである。かかるキメラのオリゴヌクレオチドの1つの好ましい例は、ホスホロチオエート、ホスホジエステルまたはホスホロジチオエート領域を含むキメラのオリゴヌクレオチド、およびアルキルホスホネートまたはアルキルホスホノチオエート結合などの非イオン性結合である。(例えば、Pederson et al. 米国特許番号第5,635,377号および第5,366,878号を参照のこと)。
【0026】
「ハイブリッドオリゴヌクレオチド」は、1つより多いタイプのヌクレオシドを有するオリゴヌクレオチドである。かかるハイブリッドオリゴヌクレオチドの好ましい例の1つは、リボヌクレオチドまたは2’−置換リボヌクレオチド領域、およびデオキシリボヌクレオチド領域を含む(例えば、MetelevおよびAgrawal、米国特許番号第5,652,355号、第6,346,614号および第6,143,881号を参照のこと)。
【0027】
本発明の目的に対し、「免疫刺激性オリゴヌクレオチド」の用語は、魚類、鳥類、または哺乳類などの脊椎動物へと投与されるとき、免疫反応を誘発する、上記のオリゴヌクレオチドを指す。明細書中で用いる、「哺乳類」の用語は、ラット、マウス、ネコ、イヌ、ウマ、ウシ、ウシ、ブタ、ウサギ、非ヒト霊長類、およびヒトを、限定なく含む。有用な免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、1998年11月5日に公表されたAgrawal et al.の、WO 98/49288(1998年11月5日公表);WO 01/12804(2001年2月22日公開);WO 01/55370(2001年8月2日公表);PCT/US01/13682(2001年4月30日出願);PCT/US01/30137(2001年9月26日出願)において見つけることができる。好ましくは、免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのホスホジエステル、ホスホロチオエート、またはホスホロジチオエートインターンヌクレオシド結合を含む。
【0028】
いくつかの態様において、かかる免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、式5'-Pyr-Pur-3'、で表わされる免疫刺激性ジヌクレオチド、式中Pyrは天然または合成ピリミジンヌクレオシドである、およびPurは天然または合成プリンヌクレオシドである、を含む。いくつかの好ましい態様において、免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、式5'-Pur*-Pur-3'で表わされる免疫刺激性ジヌクレオチド、式中Pur*は合成プリンヌクレオシドである、およびPurは天然または合成プリンヌクレオシドである、を含む。さまざまな場合、かかるジヌクレオチドは、RpG、C*pGまたはYZ、式中それぞれR、C*、またはYは合成プリンを表わす、で表現される。とくに好ましい合成プリンは、2−オキソ−7−デアザ−8−メチル−プリンである。この合成プリンがジヌクレオチドのPur*位にある場合、免疫刺激性効果の種特異性(配列依存性)が克服され、サイトカイン像が改善される。明細書中で用いる「ピリミジンヌクレオシド」の用語は、ヌクレオシドの塩基成分が単環の核酸塩基であるヌクレオシドを指す。同様に、「プリンヌクレオシド」の用語は、ヌクレオシドの塩基成分が二環式の核酸塩基であるヌクレオシドを指す。本発明の目的に対して、「合成」ピリミジンまたはプリンヌクレオシドは、非天然由来のピリミジンまたはプリン塩基、非天然由来の糖部分、またはその組み合わせを含む。
【0029】
本発明による好ましいピリミジンヌクレオシドは、構造(I)を有する:
【化5】

式中:
Dは、水素結合ドナーであり;
D’は、水素、水素結合ドナー、水素結合アクセプター、親水基、疎水基、電子求引基および電子供与基からなる群から選択され;
Aは、水素結合アクセプターまたは親水基であり;
A’は、水素結合アクセプター、親水基、疎水基、電子求引基および電子供与基からなる群から選択され;
Xは、炭素または窒素であり;および、
S’は、ペントースまたはヘキソース糖環、または非天然由来の糖である。
【0030】
好ましくは、かかる糖環は、もう1つのヌクレオシドまたはヌクレオシドアナログへとピリミジンヌクレオシドを結合させるに適合する、ホスフェイト部分、修飾ホスフェイト部分、または他のリンカー部分とともに誘導化される。
【0031】
好ましい水素結合ドナーは、−NH−、−NH、−SHおよび−OHを限定なく含む。好ましい水素結合アクセプターは、C=O、C=S、および芳香族複素環の環窒素原子、例えばシトシンのN3、を限定なく含む。
【0032】
いくつかの態様において、(I)の塩基部分は天然由来のピリミジン塩基である。好ましい非天然由来ピリミジン塩基の例は、5−ヒドロキシシトシン、5−ヒドロキシメチルシトシン、N4−アルキルシトシン、好ましくはN4−エチルシトシン、および4−チオウラシルを限定なく含む。しかし、いくつかの態様において、5−ブロモシトシンが特定的に除外される。
【0033】
いくつかの態様において、(I)における糖部分S’は非天然由来の糖部分である。本発明の目的に関し、「天然由来の糖部分」は、核酸の部分として天然に存在する糖部分、例えばリボースおよび2’−デオキシリボースであり、「非天然由来の糖部分」は、核酸の部分として天然に存在しないが、オリゴヌクレオチドに対する骨格において用いることができる任意の糖、例えばヘキソース、である。アラビノースおよびアラビノース誘導体は、好ましい糖部分の例である。
【0034】
本発明による好ましいプリンヌクレオシドアナログは、構造(II)を有する
【化6】

式中:
Dは、水素結合ドナーである;
D’は、水素、水素結合ドナー、および親水基からなる群から選択される;
Aは、水素結合アクセプターまたは水酸基である;
Xは、炭素または窒素である;
Lのそれぞれは、独立して、C、O、N およびSからなる群から選択される原子である;および、
S’は、ペントースまたはヘキソース糖環、あるいは非天然由来の糖である。
【0035】
好ましくは、かかる糖環は、ホスフェイト部分、修飾ホスフェイト部分、あるいはかかるピリミジンヌクレオシドをもう1つのヌクレオチドまたはヌクレオシドアナログへと結合させるに適合した他のリンカー部分とともに誘導化される。
【0036】
好ましい水素結合ドナーは、−NH−、−NH、−SHおよび−OHを限定なく含む。好ましい水素結合アクセプターは、C=O、C=S、−NOおよび芳香族複素環の環窒素原子、例えばグアニンのN1を限定なく含む。
【0037】
いくつかの態様において、(II)における塩基部分は、非天然由来のプリン塩基である。好ましい非天然由来プリン塩基は、2−アミノ−6−チオプリンおよび2−アミノ−6−オキソ−デアザプリンを限定なく含む。いくつかの態様において、(II)における糖部分S’は、構造(I)に関して上に記載した、天然由来の糖部分である。
【0038】
好ましい態様において、かかる免疫刺激性ジヌクレオチドは、CpG、C*pG、CpG*、およびC*pG*からなる群から選択され、式中塩基Cはシトシンであり、塩基C*は2’−チミン、5−ヒドロキシシトシン、N4−アルキル−シトシン、4−チオウラシルまたは他の非天然ピリミジン、または2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリンであり、式中、かかる塩基が2−オキソ−7−デアザ−8−メチル−プリンである場合、好ましくはかかる塩基の1位を介してペントースの1’位へと共有的に結合する;塩基Gはグアノシンであり、塩基G*は2−アミノ−6−オキソ−7−デアザプリン、2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリン、6−チオグアニン、6−オキソプリン、または他の非天然プリンヌクレオシドであり、そしてpはホスホジエステル、ホスホロチオエート、およびホスホロジチオエートからなる群から選択されるインターヌクレオシド結合である。ある好ましい態様において、免疫刺激性ジヌクレオチドはCpGではない。
【0039】
かかる免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、かかる免疫刺激性ジヌクレオチドの一側または両側における免疫刺激性部分を含んでもよい。そして、いくつかの態様において、免疫刺激性オリゴヌクレオシドは、構造(III)の免疫刺激性ドメインを含む:
5’-Nn-N1-Y-Z-N1-Nn-3’ (III)
式中:
塩基Yは、シトシン、チミン、5−ヒドロキシシトシン、N4ーアルキルシトシン、4−チオウラシル、または他の非天然ピリミジンヌクレオシド、または2−オキソー7−デアザ−8メチルプリンであり、そこにおいてかかる塩基が2−オキソ−7−デアザ−8−メチル−プリンである場合、好ましくは、かかる塩基の1位を介してペントースの1’位へと共有的に結合する;
塩基Zはグアニン、2−アミノ−6−オキソ−7−デアザプリン、2−オキソ−7デアザ−8−メチルプリン、2−アミノ−6−チオプリン、6−オキソプリンまたは他の非天然プリンヌクレオシドである;
N1およびNnは、それぞれの場合で独立して、脱塩基性ヌクレオシド、アラビノヌクレオシド、2’−デオキシウリジン、α−デオキシリボヌクレオシド、β−L−デオキシリボヌクレオシド、ホスホジエステルまたは修飾されたインターヌクレオシド結合により隣接するヌクレオシドへと3’側で結合するヌクレオシドへ結合するヌクレオシドからなる群から選択され、かかる修飾されたヌクレオチド内結合は、約2オングストローム〜約200オングストロームの長さを有するリンカー、C2〜C18のアルキルリンカー、ポリ(エチレングリコール)リンカー、2−アミノブチル−1,3−プロパンジオールリンカー、グリセロールリンカー、2’−5’インターヌクレオシド結合およびホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、またはメチルホスホネートインターンクレオシド結合から選択される;
ただし、少なくとも1つのN1またはNnは、随意に免疫刺激性部分である;
nは0〜30の数字である;および、
3’末端、インターヌクレオシドリンカー、あるいは誘導化核酸塩基または糖が、直接または非ヌクレオチドのリンカーを介して、免疫刺激性であってもなくてもよい、もう1つのオリゴヌクレオチドへと結合する。
【0040】
いくつかの好ましい態様において、YZはアラビノシチジンまたは2’−デオキシ−2’−置換アラビノシチジンならびにびアラビノグアノシンまたは2’デオキシ−2’−置換アラビノグアノシンである。好ましい免疫刺激性部分は、メチルホスホネート、メチルホスホノ−チオエート、ホスホトリエステル、ホスホチオトリエステル、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、トリエステルプロドラッグ、スルホン、スルホンアミド、スルファメート、ホルムアセタール、N−メチルヒドロキシルアミン、カルボネート、カルバメート、モルホリノ、ボラーノホスホネート、ホスホロアミデート、とくに第1アミノ−ホスホロアミデート、N3ホスホロ−アミデートおよびN5ホスホロアミデート、および立体特異的な結合(例えば、(RP)-または(SP)-ホスホロチオエート、アルキルホスホネート、あるいはホスホトリエステル結合)を、限定なく含む、天然ホスホジエステル骨格およびホスフェイト骨格における修飾を含む。
【0041】
本発明による好ましい免疫刺激性部分は、2’−O−メチルリボース、2’−O−メトシキエチル−リボース、2’−O−プロパルギルリボース、および2’−デオキシ−2’−フルオロリボースを限定なく含む、2’−置換ペントース糖類を限定なく含む、糖修飾を有するヌクレオシド;3’−O−メチルリボースを限定なく含む3’−置換ペントース糖類;1’2’−ジデオキシリボース;アラビノース;1’−メチルアラビノース、3’−ヒドロキシメチルアラビノース、4’−ヒドロキシメチルアラビノース、3’−ヒドロキシアラビノースおよび2’−置換アラビノース糖類を限定なく含む置換アラビノース糖類;1,5−アンヒドロヘキシトールを限定なく含むヘキソース糖類;および、α−アノマーを、さらに含む。かかる修飾糖類が3’−デオキシリボヌクレオシドまたは3’−O−置換リボヌクレオシドである態様において、かかる免疫刺激性部分は、隣接するヌクレオシドへ2’−5’インターヌクレオシド結合を介して付着する。
【0042】
本発明による好ましい免疫刺激性部分は、アルキルリンカーまたはアミノリンカーを限定なく含む、ペプチド核酸(PNA)、リン酸基を持つペプチド核酸(PHONA)、固定化核酸(LNA)、モルホリノ骨格オリゴヌクレオチド、および約2オングストーム〜約200オングストロームの長さを有する骨格リンカーセクションを有するオリゴヌクレオチドを含む、他の炭水化物骨格修飾および置換を有するオリゴヌクレオチドを、さらに含む。かかるアルキルリンカーは、分枝または非分枝、置換または非置換、ならびに対掌性がピュアである、またはラセミ混合物であってよい。最も好ましくは、そのようなアルキルリンカーは約2〜約18の炭素原子を有する。いくつかの態様において、そのようなアルキルリンカーは、約3〜約9の炭素原子を有する。いくつかのアルキルリンカーは、ヒドロキシ、アミノ、チオール、チオエーテル、エーテル、アミド、チオアミド、エステル、尿素、およびチオエーテルからなる群から選択される1つまたは2つ以上の官能基を含む。いくつかの官能化アルキルリンカーは、式−O−(CH−CH−O−)(n=1〜9)で表わされるポリ(エチレングリコール)リンカーである。いくつかの他の官能化アルキルリンカーは、ペプチドまたはアミノ酸である。
【0043】
本発明による好ましい免疫刺激性部分は、β-L-デオキシリボヌクレオシドおよびα−デオキシリボヌクレオシドを限定なく含む、DNAアイソフォームを含む。本発明による好ましい免疫刺激性部分は、3’修飾を組み入れ、2’−5’、2’−2’、3’−3’および5’−5’結合を限定なく含む、非天然のインターヌクレオシド結合を有するヌクレオシドを、さらに含む。
【0044】
本発明による好ましい免疫刺激性部分は、5−ヒドロキシシトシン、5−ヒドロキシメチルシトシン、N4−アルキルシトシン、好ましくはN4−エチルシトシン、4−チオウラシル、6−チオグアニン、7−デアザグアニン、イノシン、ニトロピロール、C5−プロピニルピリミジン、および2,6−ジアミノプリンを限定なく含むジアミノプリンを含む、修飾複素環塩基を有するヌクレオシドを、さらに含む。
【0045】
具体的な説明として、そして限定ではなく、例えば、構造(III)の免疫刺激性ドメインにおいて、N1およびNn位のメチルホスホネートインターヌクレオシド結合は免疫刺激性部分であり、リンカーは約2オングストローム〜約200オングストロームの長さを有し、X1位のC12〜C18アルキルリンカーは免疫刺激性部分であり、そしてX1位のβ−L−デオキシリボヌクレオシドは免疫刺激性部分である。免疫刺激性部分の代表的な部位および構造に関し、下の表1を参照のこと。特定の部位での免疫刺激性部分としての参照は、その部位のヌクレオシド残基がその3’−ヒドロキシルにおいて指示されたリンカーで置換されていることを意味し、それによりヌクレオシド残基および隣接するヌクレオシドの間で、3’側において修飾インターヌクレオシド結合を作ると理解される。同様に、特定の部位での免疫刺激性部分としての修飾インターヌクレオシド結合の参照は、その部位でのヌクレオシド残基が引用された結合の方法により3’側において隣接するヌクレオシドへと結合することを意味する。
【0046】
【表1】

【0047】
表2は、上流相乗作用ドメインを有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドないの免疫刺激性部分の代表的な部位および構造を示す。明細書中で用いる「スペーサー9」という用語は、式−O−(CHCH−O)−、式中nは3である、で表わされるポリ(エチレングリコール)リンカーを指す。「スペーサー18」の用語は、式−O−(CHCH−O)、式中nは6である、で表わされるポリ(エチレングリコール)リンカーを指す。明細書中で用いる「C12〜C18アルキルリンカー」の用語は、式−O−(CH−O−、式中qは2〜18の整数である、で表わされるリンカーを指す。従って、「C3−リンカー」および「C3−アルキルリンカー」の用語は、式−O−(CH−O−で表わされるリンカーを指す。スペーサー9、スペーサー18、およびC2〜C18アルキルリンカーのそれぞれに関し、かかるリンカーはホスホジエステル、ホスホロチオエート、またはホスホロジチオエート結合により、隣接するヌクレオシドへ接続する。
【0048】
【表2】

【0049】
表3は、下流相乗作用ドメインを有する免疫刺激性オリゴヌクレオチド内の免疫刺激性部分の代表的な部位および構造を示す。
【0050】
【表3】

【0051】
本発明による免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、3’末端の少なくとも2つのオリゴヌクレオチドまたはインターヌクレオシド結合、あるいは非ヌクレオチドリンカーを介した官能化核酸塩基または糖を含む。本発明の目的に対して、「非ヌクレオチドリンカー」は、共有または非共有結合の方法でオリゴヌクレオチドへと結合できる任意の部分である。好ましくは、そのようなリンカーは約2オングストローム〜約200オングストロームの長さである。好ましいリンカーのいくつかの例を、以下に定める。非共有結合は、静電相互作用、疎水性相互作用、p−スタッキング相互作用、および水素結合を限定なく含む。「非ヌクレオチドのリンカー」の用語は、2つのヌクレオシドの3’−水酸基に直接結合する、上記のインターヌクレオシド結合、例えば、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、またはホスホロジチオエート官能基を指すことを意図しない。本発明の目的に関し、そのような直接的な3’−3’結合(関連する非リンカー)は、「ヌクレオチドの結合」と考えられる。
【0052】
いくつかの態様において、非ヌクレオチドのリンカーは、金粒子を限定なく含む金属である。いくつかの他の態様において、かかる非ヌクレオチドのリンカーは、溶解性または非溶解性の、生分解性のポリマービーズである。
【0053】
さらなる態様において、かかる非ヌクレオチドのリンカーは、オリゴヌクレオチドへの結合を許容する官能基を有する有機性部分である。そのような結合は、好ましくは、任意の安定した共有結合である。非限定の例として、かかるリンカーは、図5で描くように、ヌクレオチド上の任意の適した部位へと結合してもよい。いくつかの好ましい態様において、かかるリンカーは3’−ヒドロキシルへと付着する。そのような態様において、かかるリンカーは、好ましくは、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートまたは非ホスフェイトに基づく結合により、3’−ヒドロキシルへと付着する。
【0054】
いくつかの態様において、かかる非ヌクレオチドのリンカーは、ポリペプチド、抗体、脂質、抗原、アレルゲン、およびオリゴ糖を限定なく含む、生分子である。いくつかの他の態様において、かかる非ヌクレオチドのリンカーは小分子である。本発明の目的に対して、小分子は1,000Daより少ない分子量を有する有機質部分である。いくつかの態様において、かかる小分子は750Daより少ない分子量を有する。
【0055】
いくつかの態様において、かかる小分子は脂肪族のまたは芳香族の炭化水素であり、そのいずれかは、オリゴヌクレオチド内に、またはそこに付着するかのいずれで、ヒドロキシ、アミノ、チオール、チオエーテル、エーテル、アミド、チオアミド、エステル、尿素、およびチオ尿素からなる群から選択される1つまたは2つ以上の官能基を含むことができる。かかる小分子は、環式または非環式である。小分子リンカーの例は、アミノ酸、炭水化物、シクロデキストリン、アダマンタン、コレステロール、ハプテンおよび抗生物質を、限定なく含む。しかしながら、かかる非ヌクレオチドのリンカーを記載する目的に関して、「小分子」の用語はヌクレオシドを含むことを意図しない。
【0056】
いくつかの態様において、かかる小分子リンカーは、式HO−(CH−CH(OH)−(CH−OH、式中oおよびpは独立して1〜約6、1〜約4、または1〜約3の整数である、で表わされるグリセロールまたはグリセロールホモログである。いくつかの他の態様において、かかる小分子リンカーは、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパンの誘導体である。いくつのそのような誘導体は、式HO−(CH−C(O)NH−CH−CH(OH)−CH−NHC(O)−(CH−OH、式中mは0〜約10、0〜約6、2〜約6、または2〜約4の整数である。
【0057】
本発明によるいくつかの非ヌクレオチドリンカーは、2つより多いオリゴヌクレオチドの付着を許容する。例えば、かかる小分子リンカーグリセロールは、オリゴヌクレオチドが共有的に付着する3つの水酸基を有する。それゆえ、本発明によるいくつかの免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、3’末端で非ヌクレオチドのリンカーへと結合する2つより多いオリゴヌクレオチドを含む。
【0058】
本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、図3および4で図式的に描かれ、さらに例で記載されるように、自動合成装置およびホスホロアミダイト手段を用いて、便利に合成されてもよい。いくつかの態様において、免疫刺激性オリゴヌクレオチドは線形合成手段により合成される(図3を参照のこと)。明細書中で用いる、「線形合成」という用語は、免疫刺激性オリゴヌクレオチドの1つの末端で開始し、他の末端へと直線的に進行する合成を指す。線形合成は、同一のまたは非同一の(長さ、塩基組成物および/または化学修飾併合に関して)モノマー単位の免疫刺激性オリゴヌクレオチドへの組み込みを許容する。
【0059】
合成の代替の様式は、「平行合成」であり、そこにおいて合成は中央のリンカー部分から外側へと進行する(図4を参照のこと)。米国特許第5,912,332号に記載されるように、固体支持付着リンカーを平行合成のために用いることができる。代替的に、汎用の固体支持(ホスフェイト付着制御孔ガラス(controlled pore glass)など)サポートを用いることができる。
【0060】
免疫刺激性オリゴヌクレオチドの平行合成は、線形合成に対していくつかの利点を有する:(1)平行合成は同一のモノマー単位の組み込みを許容する:(2)線形合成と違い、両方(または全ての)モノマー単位が同時に合成され、それにより合成ステップの数および合成に要する時間がモノマー単位の場合と同じである;および(3)合成ステップの減少により、最終免疫刺激性オリゴヌクレオチド産生物の純度および収率を改善する。
【0061】
線形合成または平行合成プロトコールによる合成の終わりに、修飾されたヌクレオシドを組み込んだ場合、かかる免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、飽和アンモニア溶液で、またはホスホロアミダイト供給者により推奨されるようにして、好都合に脱保護されてもよい。産生免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、好ましくは、逆相HPLCにより精製され、脱トリチル化され、脱塩され、そして透析される。
【0062】
表4は、本発明による代表的な免疫刺激性オリゴヌクレオチドを示す。
【0063】
【表4】

【0064】
第2の側面において、本発明は上記の免疫刺激性オリゴヌクレオチド、および接続可能な5’末端以外の部位で免疫刺激性オリゴヌクレオチドへと複合する抗原を含む、免疫刺激性オリゴヌクレオチド複合体を提供する。いくつかの態様において、かかる非ヌクレオチドのリンカーは、かかるオリゴヌクレオチドへと接合する、抗原を含む。いくつかの態様において、かかる抗原は、その3’末端以外の部位でオリゴヌクレオチドへと接合する。いくつかの態様において、かかる抗原はワクチン効果を産生する。
【0065】
かかる抗原は、好ましくは、病原体に関連する抗原、癌に関連する抗原、自己免疫疾患に関連する抗原、および他の疾患、例えば、獣医学的または小児学的疾患など、に関連する抗原からなる群から、限定せずに選択される。本発明の目的に対して、「関連する」という用語は、かかる病原体、癌、自己免疫性疾患、食物アレルギー、呼吸性アレルギー、喘息または他の疾患が存在するが、いずれかが存在しない、または低下した量で存在する場合、かかる病原体、癌、自己免疫性疾患、食物アレルギー、呼吸性アレルギー、または疾患が欠如する場合、かかる抗原が存在することを意味する。
【0066】
かかる免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、抗原に共有的に結合する、またはそうでなければ作用可能に会合する。明細書中で用いる「作用可能に会合する」という用語は、免疫刺激性オリゴヌクレオチドおよび抗原の両方の活性を維持する任意の結合を指す。そのような作用可能な会合の非制限の例は、同じリポソームまたは他のそのような送達ビヒクルまたは試薬の部分であることを含む。かかる免疫刺激性オリゴヌクレオチドが共有的に抗原へと結合する態様において、かかる共有結合は好ましくは免疫刺激性オリゴヌクレオチドの接続可能な5’末端以外の、免疫刺激性オリゴヌクレオチドにおける任意の部位においてである。例えば、かかる抗原はインターヌクレオシド結合に付着してもよく、または非ヌクレオチドのリンカーへと付着してもよい。代わりに、かかる抗原自体が非ヌクレオチドのリンカーであってもよい。
【0067】
第3の態様において、本発明は、本発明による免疫刺激性オリゴヌクレオチドまたは免疫刺激性オリゴヌクレオチド接合体ならびに生理学的に許容し得る担体を含む薬学的処方を提供する。明細書中で用いる「生理学的に許容し得る」という用語は、免疫刺激性オリゴヌクレオチドの有効性を阻害せず、細胞、細胞培養物、組織、または有機体などの生物系に適合する材料を指す。好ましくは、かかる生物系は生体、例えば脊椎動物である。
【0068】
明細書中で用いる、「担体」の用語は、任意の賦形剤、希釈剤、充てん剤、塩、バッファー、安定剤、可溶化剤、脂質、または業界において薬学的処方における使用に関して周知の他の材料を包含する。これらの材料を含有する薬学的に許容し得るな処方の調製は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, ed. A. Gennaro, Mack Publishing Co., Easton, PA, 1990に記載される。
【0069】
第4の側面において、本発明は、脊椎動物において免疫反応を産生するため方法を提供し、かかる方法は脊椎動物に本発明による免疫刺激性オリゴヌクレオチドまたは免疫刺激性オリゴヌクレオチド接合体を投与することを含む。いくつかの態様において、かかる脊椎動物は哺乳類である。本発明の目的に対して、「哺乳類」の用語は、ヒトを含むことを明確に意図する。好ましい態様において、かかる免疫刺激性オリゴヌクレオチドまたは免疫刺激性オリゴヌクレオチド接合体は、免疫刺激を必要とする脊椎動物に投与される。
【0070】
本発明のこの側面による方法において、免疫刺激性オリゴヌクレオチドまたは免疫刺激性オリゴヌクレオチド複合体の投与は、非経口、経口、舌下、経皮、局所、経鼻、エアロゾル、眼内、気管内、経直腸、経膣、遺伝子銃により、皮膚パッチ、あるいは点眼またはうがいの形態、を含む、任意の適合した経路によることができる。免疫刺激性オリゴヌクレオチドの治療的組成物の投与を、用量の公知の手順を用いて、および疾患の徴候または代理マーカーを低下するに有効な期間、実行することができる。全身的に投与される場合、かかる治療的組成物は、好ましくは、約0.0001μM〜約10μMの免疫刺激性オリゴヌクレオチドの血中レベルを獲得するに十分な用量で投与される。局所的投与に対し、これよりもさらに少ない濃度が有効であるかもしれなく、そしてさらに高い濃度が耐容されるかもしれない。好ましくは、免疫刺激性オリゴヌクレオチドの総容量は、患者1日あたり約0.001mg〜キログラム体重1日あたり約200mgの範囲にわたる。1つまたは2つ以上の本発明の治療的組成物の治療的有効量を、同時にまたは順番に、単一の処置エピソードとして一個人に投与することが望ましいかもしれない。
【0071】
ある好ましい態様において、本発明による免疫刺激性オリゴヌクレオチドまたは免疫刺激性オリゴヌクレオチド複合体を、ワクチン、抗体、細胞毒性薬、アレルゲン、抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、ペプチド、タンパク質、遺伝子治療ベクター、DNAワクチンおよび/またはアジュバントと組み合わせて投与し、免疫反応の特異性または規模を強化させる。これらの態様において、本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、アジュバントとしてさまざまに作用することができる、および/または免疫刺激性効果を産生することができる。
【0072】
免疫刺激性オリゴヌクレオチドまたは免疫刺激性オリゴヌクレオチド接合体、あるいはワクチンのいずれか、あるいは両方は、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、コレラ毒素Bサブユニット、または任意の他の免疫原性担体タンパク質などの、免疫原性タンパク質へと随意に結合してもよい。フロイント完全アジュバント、KLH、モノホスホリル脂質A(MPL)、ミョウバン、あるいはQS-21、イミキモド、R848、またはその組み合わせを含むサポニンを限定なく含む任意の過剰のアジュバントを用いてもよい。
【0073】
本発明のこの側面の目的に対して、「組み合わせて」という用語は、同一の患者において同一の疾患を処置する過程におけることを意味し、同時投与、ならびに数日間まで隔てた時間的間隔の空いた順序を含む、任意の順序で、免疫刺激性オリゴヌクレオチドおよび/またはワクチンおよび/またはアジュバントを投与することを含む。そのような組み合わせの処置は、また、かかる免疫刺激性オリゴヌクレオチド、および/または独立してかかるワクチン、および/または独立してかかるアジュバントの、単回より多い投与を含んでもよい。免疫刺激性オリゴヌクレオチドおよび/またはワクチンおよび/またはワクチンの投与は、同じ経路または異なる経路によってでもよい。
【0074】
本発明のこの側面による方法は、免疫系のモデル調査に対して有用である。かかる方法は、また、ヒトまたは動物の疾患の予防的または治療的処置に対して有用である。例えば、かかる方法は、小児学的および獣医学的ワクチン適用に対して有用である。
【0075】
第5の側面において、本発明は、病気または疾患を有する患者を治療的に処置するための方法を提供し、そのような方法はかかる患者に、本発明による免疫刺激性オリゴヌクレオチドまたは免疫刺激性オリゴヌクレオチド接合体を投与することを含む。さまざまな態様において、処置されるべき病気または疾患は、癌、自己免疫性疾患、気道炎症、炎症性疾患、アレルギー、喘息または病原体により引き起こされる疾患である。病原体は、細菌、寄生虫、菌類、ウイルス、ウイロイドおよびプリオンを含む。投与は、本発明の第4の側面に記載されるように実行される。
【0076】
本発明の目的に対して、「アレルギー」の用語は、食物アレルギーおよび呼吸アレルギーを、限定なく含む。「気道炎症」の用語は、喘息を限定なく含む。明細書中で用いる「自己免疫性疾患」の用語は、「自己」タンパク質が免疫系により攻撃を受ける疾患を指す。そのような用語は自己免疫性喘息を含む。
【0077】
本発明のこの側面による方法の任意において、かかる免疫刺激性オリゴヌクレオチドまたは免疫刺激性オリゴヌクレオチド複合体は、かかる免疫刺激性オリゴヌクレオチドの免疫刺激性効果を減衰させない疾患または状態を処置するために有用な、任意の他の薬剤と組み合わせて投与できる。例えば、癌の処置において、免疫刺激性オリゴヌクレオチドまたは免疫刺激性オリゴヌクレオチド複合体は、化学療法化合物と組み合わせて投与してもよい。
【0078】
以下の例は本発明のある好ましい態様をさらに説明することを意図し、本発明の範疇を限定することを意図するものではない。
【0079】

例1:免疫刺激性部分を含有するオリゴヌクレオチドの合成
図3および図4に概説される線形合成または平行合成に従って、自動DNA合成器(OligoPilot II, AKTA, (Amersham)および/またはExpedite 8909 (Applied Biosystem))を用いて、1μmol〜0.1mMスケールで合成した。
【0080】
5’-DMT dA、dG、dCおよびT ホスホロアミダイトはProligo (Boulder, CO)より購入した。5’-DMT 7-デアザ-dGおよびaraG ホスホロアミダイトは、Chemgenes (Wilmington, MA)より得た。DiDMT-グリセロールリンカー固体支持は、Chemgenesより得た。1-(2’-デオキシ-β-D-リボフラノシル)-2-オキソ-7-デアザ-8-メチル-プリンアミダイトは、Glen Research (Sterling, VA)より、2’-O-メチルリボヌクレオシドアミダイトはPromega (Obispo, CA)より得た。全てのオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート骨格修飾した。
【0081】
全てのヌクレオシドホスホロアミダイトは、31Pおよび1H NMRスペクトルで特性化した。修飾ヌクレオシドは、供給者により推奨される通常のカップリングサイクルを用いて、特定部位に組み込まれた。合成後、オリゴンクレオチドは濃水酸化アンモニウムを用いて脱保護し、逆相HPLCにより精製され、脱トリチル化され、次いで透析した。ナトリウム塩の形態で精製したオリゴンクレオチドは、使用に先立って凍結乾燥した。純度はCGEおよびMALDI-TOF MSにより試験した。内毒素レベルをLAL試験により決定したところ、1.0EU/mg未満であった。
【0082】
例2:ネズミ脾臓細胞培養物における短い免疫刺激性オリゴヌクレオチドの活性
C57/BL6脾臓細胞を、指示された濃度の化合物で培養した。24時間後、浮遊物を回収し、IL-12およびIL-6のレベルをELISAで決定した。全ての免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、2つの型のサイトカイン、IL-12およびIL-6の濃度依存性の誘発を示した(図6〜7)。
【0083】
例3:(ヒトpDCにおけるIFN-α誘導に対する必要なプロトコール)
健康なボランティアの血液から採取した新鮮な末梢血単核球(PBMC)(CBR Laboratories, Boston, MA)を、Ficoll密度勾配遠心法 (Histopaque-1077, Sigma)で分離した。pDCを、BDCA4 細胞単離キット(Miltenyi Biotec)を用いて、製造者の取扱説明書に従って、ポジティブセレクションによりPBMCから分離した。pDCを、1X106 cells/mlを用いて、96ウェルディッシュ中にプレートした。DPBS(pH 7.4; Mediatech)中に溶解したIMOを添加し、細胞培養物に対して10.0μg/mlの最終濃度とした。そして、かかる細胞を37℃24時間で培養し、ELISAアッセイのために、浮遊物を採集した。かかる実験は、トリプリケート(triplicate)ウェルで実行した。IFN-αのレベルは、サンドウィッチELISAで測定した。サイトカイン抗体およびスタンダードを含む、必要な試薬は、PharMingenより購入した。
【0084】
例4:ヒトPBMCにおけるIMOによるIFN-α誘導
ヒトPBMCを5X106細胞/mlを用いて、48ウェルプレート中にプレートした。DPBS(pH 7.4; Mediatech)中に溶解させたIMOを添加し、細胞培養物に対して10.0μg/mlの最終濃度とした。そして、細胞を37℃で24時間培養し、細胞浮遊物をELISAアッセイのために採集した。かかる実験をトリプリケートウェル中で実行した。IFN-αのレベルをサンドウィッチELISAで測定した。サイトカイン抗体およびスタンダードを含む、必要な試薬は、PharMingenより購入した。
【0085】
例5:ヒトB細胞増殖
かかるアッセイに対して用いられた培養メディウムは、1.5 mM グルタミン、1 mM ピルビン酸ナトリウム、0.1 mM 非必須アミノ酸、50 mM 2-メルカプトエタノール、100 IU/ml ペニシリン-ストレプトマイシンミックスおよび10% 熱不活化ウシ胎仔血清を添加した、RPMI 1640メディウムからなるものであった。合計mlあたり0.5 X 106 B細胞(つまり、1 X 105 /200μl/ウェル)を、96ウェル平底プレート中で、異なる濃度のトリプリケートのテストオリゴヌクレオチドとともに、72時間の総時間で刺激した。66時間後、細胞を、ウェルあたり20mlのRPMI 1640メディウム(血清なし)中で、0.75μCiの[3H]-チミジン(1Ci = 37 GBq; Perkin Elmer Life Sciences)でパルスし、8h後に採取した。そして、かかるプレートを細胞ハーベスターを用いて採集し、放射能結合を、標準的な液体シンチレーション技術を用いて決定した。かかる結果を平均cpm +/-SDまたは増殖インデックス(cpm処置群/cpmメディウム対照)で表わす。
【0086】
均等物
前述の発明は、明確化および理解の目的のために詳細に記載したが、当然のことながら、本開示を読むことにより、当業者は、形式および詳細におけるさまざまな変形を、本発明および添付の請求の範囲の真実の範囲から逸脱することなく為すことができる。
【0087】
図面の簡単な説明
図1は、本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドの線形合成に適する代表的な小分子リンカーの群を描く。
図2は、本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドの平行合成に適する代表的な小分子リンカーの群を描く。
図3は、本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドの線形合成に関する合成スキームである。DMTr = 4,4'-ジメトキシトリチル; CE = シアノエチル。
図4は、本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドの平行合成に関する合成スキームである。DMTr = 4,4'-ジメトキシトリチル; CE = シアノエチル。
図5は、オリゴヌクレオチドの3’末端ヌクレオシドの略図であり、非ヌクレオチド結合が、3’位、または2’位において、核酸塩基のヌクレオシドへと結合可能であることを示す。
図6は、C57BL/6マウス脾臓細胞培養物における、本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドによるIL-12誘導を示す。
図7は、C57BL/6マウス脾臓細胞培養物における、本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドによるIL-6誘導を示す。
図8は、ヒトpDC培養物における、本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドによるIFN-α誘導を示す。
図9は、ヒトPBMC培養物における、本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドによるIFN-α誘導を示す。
図10は、本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドによる、ヒトB細胞増殖を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
【化1】

式中、R’ = 1-(2’-デオキシ-β-D-リボフラノシル)-2-オキソ-7-デアザ-8-メチル-プリン; A1/C1/G1/U1 = 2’-O-メチル-リボヌクレオチド; R = 2’-デオキシ-7-デアザグアノシンおよび X = グリセロールリンカーである、
の群からの構造を有する、免疫刺激性オリゴヌクレオチド。
【請求項2】
構造5’-TCTGTR’GTTC1U1-X-U1C1TTGR’TGTCT-5’を有する、請求項1に記載の免疫刺激性オリゴヌクレオチド。
【請求項3】
構造5’-CTGTR’GTTCTC-X-CTCTTGR’TGTC-5’を有する、請求項1に記載の免疫刺激性オリゴヌクレオチド。
【請求項4】
構造5’-CTGTR’GTTCU1C1-X-C1U1CTTGR’TGTC-5’を有する、請求項1に記載の免疫刺激性オリゴヌクレオチド。
【請求項5】
構造5’-CTGTR’GTTC1U1C1-X-C1U1C1TTGR’TGTC-5’を有する、請求項1に記載の免疫刺激性オリゴヌクレオチド。
【請求項6】
構造5’-TCTGTR’GTTCT-X-CGTTCGAACGT-5’を有する、請求項1に記載の免疫刺激性オリゴヌクレオチオド。
【請求項7】
構造5’-TCTGTR’GACAG-X-GACAGR’TGTCT-5’を有する、請求項1に記載の免疫刺激性オリゴヌクレオチド。
【請求項8】
構造5’-TCTGTR’GACA1G1-X-G1A1CAGR’TGTCT-5’を有する、請求項1に記載の免疫刺激性オリゴヌクレオチド。
【請求項9】
構造5’-TCAGTR’GTTAG-X-GATTGR’TGACT-5’を有する、請求項1に記載の免疫刺激性オリゴヌクレオチド。
【請求項10】
構造5’-TCAGTR’GACTG-X-GTCAGR’TGACT-5’を有する、請求項1に記載の免疫刺激性オリゴヌクレオチド。
【請求項11】
構造5’-TR’GTR’GAR’GAT-X-TAGR’AGR’TGR’T-5’を有する、請求項1に記載の免疫刺激性オリゴヌクレオチド。
【請求項12】
構造5’-TR’GTR’GTAGTA-X-ATGATGR’TGR’T-5’を有する、請求項1に記載の免疫刺激性オリゴヌクレオチド。
【請求項13】
構造5’-TR’GAAR’GTTCT-X-TCTTGR’AAGR’T-5’を有する、請求項1に記載の免疫刺激性オリゴヌクレオチド。
【請求項14】
構造5’-TR’GTAR’GTACT-X-TCATGR’ATGR’T-5’を有する、請求項1に記載の免疫刺激性オリゴヌクレオチド。
【請求項15】
請求項1に記載のオリゴヌクレオチドおよび薬学的に許容し得る単体を含む、薬学的組成物。
【請求項16】
脊椎動物において免疫反応を生じさせるための方法であって、
【化2】

式中、R’ = 1-(2’-デオキシ-β-D-リボフラノシル)-2-オキソ-7-デアザ-8-メチル-プリン; A1/C1/G1/U1 = 2’-O-メチル-リボヌクレオチド; R = 2’-デオキシ-7-デアザグアノシンおよびX = グリセロール リンカーである、
の群からの構造を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを脊椎動物へと投与することを含む、前記方法。
【請求項17】
投与経路が、非経口、経口、舌下、経皮、局所、経鼻、エアロゾル、眼内、気管内、経直腸、経膣、遺伝子銃、皮膚パッチ、点眼およびうがいから選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
構造5’-TCTGTR’GTTC1U1-X-U1C1TTGR’TGTCT-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
構造5’-CTGTR’GTTCTC-X-CTCTTGR’TGTC-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
構造5’-CTGTR’GTTCU1C1-X-C1U1CTTGR’TGTC-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
構造5’-CTGTR’GTTC1U1C1-X-C1U1C1TTGR’TGTC-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
構造5’-TCTGTR’GTTCT-X-CGTTCGAACGT-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
構造5’-TCTGTR’GACAG-X-GACAGR’TGTCT-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
構造5’-TCTGTR’GACA1G1-X-G1A1CAGR’TGTCT-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項25】
構造5’-TCAGTR’GTTAG-X-GATTGR’TGACT-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項26】
構造5’-TCAGTR’GACTG-X-GTCAGR’TGACT-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項27】
構造5’-TR’GTR’GAR’GAT-X-TAGR’AGR’TGR’T-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項28】
構造5’-TR’GTR’GTAGTA-X-ATGATGR’TGR’T-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項29】
構造5’-TR’GAAR’GTTCT-X-TCTTGR’AAGR’T-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項30】
構造5’-TR’GTAR’GTACT-X-TCATGR’ATGR’T-5’ を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項31】
癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾患を有する脊椎動物を治療的に処置するための方法であって、
【化3】

式中、R’ = 1-(2’-デオキシ-β-D-リボフラノシル)-2-オキソ-7-デアザ-8-メチル-プリン; A1/C1/G1/U1 = 2’-O-メチル-リボヌクレオチド; R = 2’-デオキシ-7-デアザグアノシンおよび X = グリセロールリンカーである、
の群からの構造を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを患者へ投与することを含む、前記方法。
【請求項32】
投与経路が、非経口、経口、舌下、経皮、局所、経鼻、エアロゾル、眼内、気管内、経直腸、経膣、遺伝子銃、皮膚パッチ、点眼およびうがいから選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
構造5’-TCTGTR’GTTC1U1-X-U1C1TTGR’TGTCT-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
構造5’-CTGTR’GTTCTC-X-CTCTTGR’TGTC-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
構造5’-CTGTR’GTTCU1C1-X-C1U1CTTGR’TGTC-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
構造5’-CTGTR’GTTC1U1C1-X-C1U1C1TTGR’TGTC-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
構造5’-TCTGTR’GTTCT-X-CGTTCGAACGT-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
構造5’-TCTGTR’GACAG-X-GACAGR’TGTCT-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項39】
構造5’-TCTGTR’GACA1G1-X-G1A1CAGR’TGTCT-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項40】
構造5’-TCAGTR’GTTAG-X-GATTGR’TGACT-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項41】
構造5’-TCAGTR’GACTG-X-GTCAGR’TGACT-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項42】
構造5’-TR’GTR’GAR’GAT-X-TAGR’AGR’TGR’T-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項43】
構造5’-TR’GTR’GTAGTA-X-ATGATGR’TGR’T-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項44】
構造5’-TR’GAAR’GTTCT-X-TCTTGR’AAGR’T-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項45】
構造5’-TR’GTAR’GTACT-X-TCATGR’ATGR’T-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項46】
脊椎動物において、癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾患を予防するための方法であって、前記脊椎動物に、
【化4】

式中、R’ = 1-(2’-デオキシ-β-D-リボフラノシル)-2-オキソ-7-デアザ-8-メチル-プリン; A1/C1/G1/U1 = 2’-O-メチル-リボヌクレオチド; R = 2’-デオキシ-7-デアザグアノシン および X = グリセロール リンカーである、
の群からの構造を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項47】
投与経路が、非経口、経口、舌下、経皮、局所、経鼻、エアロゾル、眼内、気管内、経直腸、経膣、遺伝子銃、皮膚パッチ、点眼およびうがいから選択される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
構造5’-TCTGTR’GTTC1U1-X-U1C1TTGR’TGTCT-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
構造5’-CTGTR’GTTCTC-X-CTCTTGR’TGTC-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
構造5’-CTGTR’GTTCU1C1-X-C1U1CTTGR’TGTC-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項51】
構造5’-CTGTR’GTTC1U1C1-X-C1U1C1TTGR’TGTC-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項52】
構造5’-TCTGTR’GTTCT-X-CGTTCGAACGT-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項53】
構造5’-TCTGTR’GACAG-X-GACAGR’TGTCT-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項54】
構造5’-TCTGTR’GACA1G1-X-G1A1CAGR’TGTCT-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項55】
構造5’-TCAGTR’GTTAG-X-GATTGR’TGACT-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項56】
構造5’-TCAGTR’GACTG-X-GTCAGR’TGACT-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項57】
構造5’-TR’GTR’GAR’GAT-X-TAGR’AGR’TGR’T-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項58】
構造5’-TR’GTR’GTAGTA-X-ATGATGR’TGR’T-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項59】
構造5’-TR’GAAR’GTTCT-X-TCTTGR’AAGR’T-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項60】
構造5’-TR’GTAR’GTACT-X-TCATGR’ATGR’T-5’を有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項61】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントをさらに含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項62】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントをさらに含む、請求項15に記載の薬学的組成物。
【請求項63】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項64】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項65】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項46に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−51921(P2012−51921A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−227910(P2011−227910)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【分割の表示】特願2008−538854(P2008−538854)の分割
【原出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【出願人】(398032717)イデラ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (38)
【氏名又は名称原語表記】Idera Pharmaceuticals, Inc.
【Fターム(参考)】