説明

個別搬送装置

【課題】 既存の循環搬送装置に取り付けることが可能であり、循環搬送装置の循環路に照明が遮られることなく適切に当てられる個別搬送装置の提供。
【解決手段】 支柱19に固定される係止具31と、この係止具31に取り付けられるフレーム39と、このフレーム39に設けられる支持板71と、フレーム39内に設けられるベルト75と、このベルト75を回転させるモータ79とを備え、ベルト75によりトレー103が往復動する。支持板71は、循環搬送装置3のレーン11a(11c),11b(11d)上に配置される。支持板71が透明とされることで、照明23の光が支持板71を介してレーン11a(11c),11b(11d)の食器皿を確実に照らすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食物を搬送するための搬送装置であって、特に、回転寿司などで使用される循環搬送装置に取り付けられる搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のとおり、回転寿司などの飲食店において、循環搬送装置が使用されている。このような店舗では、客は、希望の飲食物が回ってこない場合には、別途インターホンなどで注文して循環搬送装置により飲食物を流して貰うか、直接店員に持ってきてもらうことになる。ところが、注文したものを循環搬送装置に載せて搬送する場合、客に届くまでに時間がかかってしまう。一方、店員が搬送する場合には、手間がかかってしまう不都合があった。
このような問題を解決するために、下記特許文献1において、注文品を別に搬送する搬送装置が提案されている。この特許文献1に記載の発明では、飲食物搬送装置(1)とは別に注文搬送装置(2)が設けられており、注文品を客にすばやく届けることができる。
【特許文献1】特開2005−185326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の注文搬送装置(2)は、既存の循環搬送装置に適用することができず、設備の変更にコストがかかってしまう。
また、特許文献1に記載の発明の場合、注文搬送装置(2)と飲食物搬送装置(1)とを照らす蛍光灯についてはなんら考慮がなされておらず、注文搬送装置(2)の下側に配置される飲食物搬送装置(1)のトレーなどに照明が届かないおそれがある。なお、上記括弧書きの数字は、特許文献1中の符号を示す。
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、簡易に既存の循環搬送装置に取り付けることが可能であり、照明が適切に当てられる個別搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、請求項1に記載の発明は、飲食店用の循環搬送装置に設けられる飲食物用の個別搬送装置であって、循環搬送装置の台に立設される部材に取り付けられ、循環搬送装置のレーンに沿って設けられるフレームと、このフレームから水平に延出して設けられ、前記レーンの上方においてレーンに沿って配置される透光性を有する支持板と、駆動装置によりフレーム内を可動する部材に設けられ、前記支持板上を前記フレームに沿って往復動するトレーとを備えることを特徴とする個別搬送装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記循環搬送装置の台に立設されて前記フレームが取り付けられる前記部材は、平行に隣接するレーン間に設けられる支柱および/または仕切板とされることを特徴とする請求項1に記載の個別搬送装置である。
【0007】
さらに、請求項3に記載の発明は、前記駆動装置は、無端状のベルトと、このベルトを回転させるモータとを備え、前記ベルトに固定されたフックに前記トレーが着脱可能に連結されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の個別搬送装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の個別搬送装置によれば、簡易に既存の循環搬送装置に取り付けることが可能であり、照明が適切に当てられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の個別搬送装置について、図面に基づき詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明の個別搬送装置の一実施例が取り付けられた循環搬送装置を示す平面図であり、図2は、図1の側面図であり、図3は、図1の一部の正面図である。
また、図4は、図1の個別搬送装置の一部の縦断面図であり、図5は、図1の循環搬送装置の一部を断面にした斜視図であり、図6は、図5の拡大断面図である。
さらに、図7は、図1の個別搬送装置のフレームの内部を示す概略側面図である。
【0011】
なお、以下の説明においては、図1の紙面における上下方向を前後方向とし、左右方向を左右方向とする。
【0012】
本実施例の個別搬送装置1は、飲食店、典型的には回転寿司で使用されている既存または既設の循環搬送装置3に着脱可能に取り付けられる。
循環搬送装置3は、たとえば、図1や図5に示すように、平面視略コ字形の台5の上面に形成された溝に、無端状のクレセントチェーン9が配置されて構成されている。
【0013】
クレセントチェーン9は、コ字形の台5の開放両端辺部5a,5bおよび中央辺部5cにおいて、それぞれ往路と復路となる平行な2列のレーンを形成するよう配置されており、台5の上面にはクレセントチェーン9により連続した循環路11が形成されている。
具体的には、台5の開放両端辺部5a,5bには、それぞれ左右に離間して前後方向に沿う2列のレーン(11a,11b)、(11c,11d)が形成されており、台5の中央辺部5cには、前後に離間して左右方向に沿う2列のレーン11e,11fが形成されて、連続した循環路11が構成されている。
なお、クレセントチェーン9には、モータに接続されたスプロケット(不図示)が噛み合わされており、モータの回転に伴ってクレセントチェーン9は循環する。
【0014】
また、循環搬送装置3は、台5の開放両端辺部5a,5bが店内に配置される一方、中央辺部5cが調理場に配置されて、台5の開放両端辺部5a,5bと中央辺部5cとは壁13などにより仕切られている。そして、飲食物が載せられた食器皿が、調理場内においてクレセントチェーン9の受け板9aに載せられて、食器皿は店内を回送する。
なお、図3に示すように、台5の開放両端辺部5a,5bの左右両側にはそれぞれ板状のカウンターテーブル15が前後方向に沿って設けられていると共に、図1に示すように、前後方向に離隔して客席17,17,…が配置されている。
【0015】
図2および図3に示すように、台5の開放両端辺部5a,5bには、その左右方向中央部に、複数本の支柱19,19,…が前後方向に離間して立設されている。つまり、台5の開放両端辺部5a,5bには、クレセントチェーン9により形成された平行な2列のレーン(11a,11b)、(11c,11d)の間に複数本の支柱19が前後方向に離隔して設けられている。
【0016】
支柱19の上端部には、下方へ開口する断面略コ字形の架台21が、前後方向に沿って設けられており、この架台21に照明灯が保持されている。
本実施例では、図3に示すように、支柱19を挟んだ左右両側に前後方向に沿って蛍光灯23,23が配置されており、台5の開放両端辺部5a,5bに設けられた各レーン11a,11b,11c,11dを照らしている。
また、本実施例では、各支柱19の中央部を通るように、矩形板状の仕切板25が前後方向に沿って設けられている。
【0017】
本実施例の個別搬送装置1は、支柱19に固定される係止具31と、この係止具31に取り付けられるフレーム39と、このフレーム39に設けられる支持板71と、フレーム39内に設けられるベルト75と、このベルト75を回転させるモータ79とを備える。
【0018】
本実施例では、個別搬送装置1は、台5の開放両端辺部5a,5bそれぞれにおいて、支柱19を挟んだ左右両側に左右対称に設けられる。以下においては、図4において、支柱19の右側に設けられる個別搬送装置1(1A)について中心に説明するが、左側に設けられる個別搬送装置1(1B)も同様の構成である。
【0019】
係止具31は、ブロック体とされ、支柱19に当接されてネジ33により固定される。
支柱19に当接される係止具31の左端面は、支柱19の外周面に沿うように形成されている。また、係止具31の右端部には、上方へ突出して突部35が形成されており、係止具31が支柱19に固定された状態において、係止具31の突部35と支柱19との間には、上方へ開口する略コ字形の溝37が前後方向に沿って形成される。
【0020】
本実施例では、一本の支柱19の径方向両側に対向するように、二つの係止具31,31が固定される。具体的には、係止具31,31は、支柱19を挟んだ左右両側にそれぞれ固定されている。
【0021】
このように各支柱19に固定された係止具31に、フレーム39が取り付けられる。
なお、支柱19の右側に設けられる個別搬送装置1Aのフレーム39は、各支柱19の右側に設けられた係止具31に取り付けられ、支柱19の左側に設けられる個別搬送装置1Bのフレーム39は、各支柱19の左側に設けられた係止具31に取り付けられる。
【0022】
フレーム39は、台5の開放両端辺部5a,5bに前後方向に沿って配置され、台5の開放両端辺部5a,5bの前後方向の寸法とほぼ同じまたは若干長い寸法とされている。
本実施例では、フレーム39は、係止具31に引っ掛けられて取り付けられる第一フレーム41と、この第一フレーム41に固定される第二フレーム43とを備える。
【0023】
第一フレーム41は、略水平に延出する底片45と、この底片45から上方へ延出する立上り片47とを有する断面略L字形の長尺材とされる。
第一フレーム41の底片45には、係止具31に引っ掛けられる段付き部49が前後方向に沿って形成されている。
具体的には、第一フレーム41の底片45には、係止具31の突部35がはめ込まれる上方へ凹んだ凹部49aと、係止具31と支柱19とにより形成されるコ字状溝37にはめ込まれる下方へ突出する突部49bとが連続して形成されて段付き部49が形成されている。
【0024】
また、第一フレーム41の底片45の右端縁には、右側へ開口するコ字状の溝53が前後方向に沿って形成されている。
さらに、第一フレーム41の上端部には、右側へ突出して左側へ開口するコ字状の溝47aが前後方向に沿って形成されている。
また、第一フレーム41の立上り片47の中途には、右側へ突出する板状の突出片57が前後方向に沿って形成されている。
【0025】
なお、支柱19を挟んで左右両側に設けられる各個別搬送装置1A,1Bの第一フレーム41,41の上端部47a,47a間には、軸線を左右方向に配置した筒状のスペーサ59が、支柱19間において仕切板25を貫通して適宜設けられている。そして、一方の第一フレーム41から他方の第一フレーム41へネジ(不図示)がスペーサ59の内穴を貫通してねじ込まれて第一フレーム41,41同士が連結されている。
【0026】
第二フレーム43は、第一フレーム41の立上り片47の上面に固定されて略水平に配置される天板61と、この天板61の右端部から下方へ延出する側板63とを有し、側板63の下端部63aは、上端部より右側へ突出して支柱19側へ開口するコ字形に形成されている。なお、側板63のコ字形の下端部63aは、第一フレーム41の立上り片47の上端部と突出片57とにより構成されるコ字状部に対向して配置されている。
【0027】
フレーム39の内部には、その上端部および下端部にローラ65,65が設けられており、各ローラ65の内部には、二つの軸受67,67が配置されている。
具体的には、本実施例のローラ65は、円筒状とされ、その内穴の左右両端部65a,65bが拡径して形成されており、この拡径部65a,65bにそれぞれ軸受67,67が配置されている。
【0028】
軸受67は、略円筒状の内輪67aと外輪67bとが転動体67cを介して回転自在に構成されたものであり、本実施例では玉軸受、特に深溝玉軸受が好適に使用される。
【0029】
各軸受67は、その外輪67bがローラ65の拡径部65a,65bにはめ込まれてローラ65に取り付けられている。また、2つの軸受67,67の内輪67aの内穴を通るように丸棒状の軸69がはめ込まれており、この軸69が、第一フレーム41の上端部や底片45に固定されて、フレーム39の上下に対応した位置にそれぞれローラ65,65が設けられている。これにより、ローラ65は、左右方向に沿う軸69まわりに回転可能にフレーム39に保持されている。なお、フレーム39の上端部および下端部には、ローラ65,65が前後方向に離間して複数個設けられている。
【0030】
第一フレーム41の底片45には、長尺な矩形板状の支持板71が固定されている。支持板71は、透明な板材とされ、本実施例では、透明なアクリル板により形成されている。支持板71は、その左端部が第一フレーム41の底片45の溝53にはめ込まれて第一フレーム41にネジ73で固定されている。
【0031】
支持板71が第一フレーム41に取り付けられた状態では、支持板71はフレーム39より右側へ水平に延出しており、支持板71のほぼ真下に循環搬送装置3のレーン11b(11d)が配置されており、図3に示すように、蛍光灯23、支持板71、およびレーン11b(11d)が上下方向に沿って配置されている。
【0032】
また、本実施例の個別搬送装置1は、無端状のベルト75と、このベルト75を回転させるモータ79と、このモータ79の回転軸79aに接続される原動プーリ81とを有した駆動装置77を備える。ベルト75は、フレーム39内に配置されており、調理場側に配置されたモータ79により回転可能とされている。なお、本実施例では、モータ79は、エンコーダ付サーボモータとされている。
【0033】
ベルト75は、上側のローラ65の上方および下側のローラ65の上方を通過するように複数のプーリに巻き掛けられて配置されている。本実施例では、図7に示すように、無端状のベルト75のうち、上側に配置されたベルト75aが調理場側端部において第一プーリ83に巻き掛けられて下方へ導出された後、モータ79に接続された原動プーリ81に巻き掛けられて上方へ導出され、さらに、第二プーリ85に巻き掛けられて下側のベルト75bへと導出されている。
【0034】
また、下側のベルト75bは、店内側端部において従動プーリ87に巻き掛けられて、上側のベルト75aへと導出されている。このように、各プーリ81,83,85,87に巻き掛けられたベルト75は、モータ79の回転に伴い、正逆両方の回転が可能とされ、上側のベルト75aおよび下側のベルト75bは、前後方向に沿って移動可能とされる。
【0035】
このように設けられたベルト75のうち、下側のベルト75bには、フック89が取り付けられている。
フック89は、矩形板状の一片89aと、この一片89aの右端部から右側へ延出した後、上方へ直角に延出する略L字形の他片89bとを有する。
【0036】
フック89は、その一片89aが、下側のローラ65と下側を移動するベルト75bとの間に配置されており、他片89bが、第一フレーム41の底片45と第二フレーム43の下端部63aとの隙間から右側へ延出してフレーム39の外側に配置されている。そして、フック89の一片89aの上側に、下側のベルト75bを介して矩形板状の留め部材91が重ね合わされて、フック89の一片89aにネジ93で固定されている。つまり、フック89の一片89aと留め部材91との間に下側のベルト75bが挟み込まれている。これにより、ベルト75が回転して移動するのに伴って、フック89と留め部材91もベルト75と共に一体的に移動する。
【0037】
留め部材91には、フック89が移動する際に上下左右方向の振れを防止するためのベアリング95,97が設けられている。
本実施例では、図6に示すように、留め部材91の左右両端部に上下方向に沿う軸99,99が固定されており、この軸99に第一ベアリング95の内輪の内穴がはめ込まれている。
また、留め部材91には、左右方向に沿って軸101が回転可能に保持されており、この軸101の左右両端部に第二ベアリング97,97の内輪の内穴がはめ込まれている。
【0038】
留め部材91がフレーム39内に配置された状態においては、図4に示すように、一方の第一ベアリング95が第一フレーム41の立上り片47に当接し、他方の第一ベアリング95が第二フレーム43の下端部63aに当接している。
また、一方の第二ベアリング97が第一フレーム41の上端部47aと突出片57との間に配置され、他方の第二ベアリング97が第二フレーム43の下端部のコ字状溝63a内に配置されている。
なお、第二ベアリング97の外径は、第一フレーム41の上端部47aと突出片57との間隔、および第二フレーム43の下端部のコ字状溝63aの上下寸法に対応した寸法とされている。
【0039】
フック89には、矩形板状のトレー103が着脱可能に設けられる。トレー103には、二つの車輪105,105が、前後方向に離間して設けられており、各車輪105は、左右方向に沿う軸107まわりに回転可能とされている。また、トレー103の上面には、食器皿が載せ置かれる二つの浅い円形の凹所103aが前後に離間して形成されている。
【0040】
トレー103は、車輪105,105が支持板71に接地された状態で支持板71に載せ置かれて、その一側端部にフック89の他片89bが引っ掛けられる。この状態においてトレー103の上面は、水平に配置されている。
なお、本実施例では、下側のベルト75bに、二つのフック89,89が前後方向に離間して取り付けられており、各フック89にトレー103がそれぞれ取り付けられている。
【0041】
このように設けられたトレー103は、ベルト75が回転することで前後方向に沿って移動が可能とされる。
つまり、モータ79の回転軸79aが正または逆回転することで、ベルト75が正または逆回転し、これに伴って、下側のベルト75bに取り付けられたフック89が前後方向に沿って移動し、トレー103は往復動する。
なお、トレー103の移動速度は、クレセントチェーン9の速度より速くすることが可能である。
【0042】
このような構成の本実施例の個別搬送装置1が取り付けられた循環搬送装置3の循環路11に希望する飲食物が流れていない場合、客は、インターホンや液晶画面から希望する飲食物を注文する。なお、直接店員に注文してもよい。
そして、店員は、調理場において調理したものを食器皿に載せ、その食器皿をトレー103に載せ置き、トレー103を移動させればよい。
【0043】
本実施例では、各座席位置へのトレー103の移動は、ロータリエンコーダとサーボモータ79を用いて容易になされる。
つまり、注文をした客の座席位置にトレー103が移動するまで、エンコーダで監視しつつ、モータ79を駆動制御すればよい。
ただし、これに替えて、注文をした客席の前で手動でモータを止めてトレー103を止めるようにしてもよいし、各客席に設けたセンサなどにより自動的に駆動装置を止めてトレー103を客の前で停止させてもよい。
【0044】
本実施例の個別搬送装置1は、既設の循環搬送装置に取り付けることができ、設備の変更を安価に行うことができる。
また、本実施例では、ベルト75やローラ65を収容したフレーム39を支柱19側に配置し、透明な支持板71をフレーム39より外側へ延出させて、レーン11a(11c),11b(11d)の上方に透明な支持板71を配置している。
これにより、支柱19の上端部に設けられた照明23の光がフレーム39などに遮られることなく、支持板71を介して下側のレーン11a(11c),11b(11d)まで照らすことができ、飲食物が載せられた食器皿を適切に照らすことができる。したがって、照明を増やす必要がない。
さらに、レーン11a(11c),11b(11d)と照明23との間には、薄い支持板71とトレー103とが配置されるだけであり、レーン11a(11c),11b(11d)と照明23との間のスペースを有効に利用することが可能である。
つまり、本実施例の個別搬送装置1を循環搬送装置3に取り付けた場合でも、循環搬送装置3のレーン11a,11b,11c,11dを流れる食器皿が取り難くなってしまうことがなく、トレー103により運ばれる食器皿も取り難くなることがない。
【0045】
なお、本発明の個別搬送装置は、上記実施例の構成に限らず、適宜変更可能である。
たとえば、上記実施例では、個別搬送装置1を既存の循環搬送装置3の支柱19に固定したが、循環搬送装置3が支柱19を備えていない場合には、搬送装置1を支柱に取り付けて、この支柱を循環搬送装置に取り付けるようにしてもよい。
また、支持板71は、透明なアクリル板により形成されたが、無色透明の他、有色透明や半透明など、透光性を有する他の材料により形成されていてもよい。
【0046】
また、フレーム39や支持板71は、前後方向に沿って複数個に分割可能とされていてもよい。また、トレー103をベルトにより往復動させたが、チェーンや紐状の部材などで行ってもよい。さらに、上記実施例では、循環搬送装置3の台5が平面視コ字形とされたが、直線状やその他の形状であっても構わない。
また、上記実施例では、個別搬送装置1をコ字形の台5の開放両端辺部5a,5bの両方に設けたが、一方にのみ設けるようにしてもよい。さらに、個別搬送装置1を台5の各端辺部5a,5bの支柱19の両側に設けたが、支柱19の左右一方にのみ設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の個別搬送装置の一実施例が取り付けられた循環搬送装置を示す平面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1の一部の正面図である。
【図4】図1の個別搬送装置の一部の縦断面図である。
【図5】図1の個別搬送装置の一部を断面にした斜視図である。
【図6】図5の拡大断面図である。
【図7】図1の個別搬送装置のフレームの内部を示す概略側面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 個別搬送装置
3 循環搬送装置
19 支柱
31 係止具
39 フレーム
75 ベルト
89 フック
103 トレー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食店用の循環搬送装置に設けられる飲食物用の個別搬送装置であって、
循環搬送装置の台に立設される部材に取り付けられ、循環搬送装置のレーンに沿って設けられるフレームと、
このフレームから水平に延出して設けられ、前記レーンの上方においてレーンに沿って配置される透光性を有する支持板と、
駆動装置によりフレーム内を可動する部材に設けられ、前記支持板上を前記フレームに沿って往復動するトレーと
を備えることを特徴とする個別搬送装置。
【請求項2】
前記循環搬送装置の台に立設されて前記フレームが取り付けられる前記部材は、平行に隣接するレーン間に設けられる支柱および/または仕切板とされる
ことを特徴とする請求項1に記載の個別搬送装置。
【請求項3】
前記駆動装置は、無端状のベルトと、このベルトを回転させるモータとを備え、
前記ベルトに固定されたフックに前記トレーが着脱可能に連結される
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の個別搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−272327(P2008−272327A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−121860(P2007−121860)
【出願日】平成19年5月2日(2007.5.2)
【特許番号】特許第4105749号(P4105749)
【特許公報発行日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(303064189)アレックスエンジニアリング株式会社 (9)
【Fターム(参考)】