説明

偏光窓及び不透明マスク層を有する電子デバイスのディスプレイ

【課題】軽量で見場のよいディスプレイを提供する。
【解決手段】ディスプレイ14の周囲部分などのディスプレイの不活性部分28Aに、光を透過させるために、開口部22を不透明マスク層に形成した上部偏光子を備える。不透明マスク層は、上部偏光子の上に形成されてもよいし、上部偏光子とカラーフィルタ層との間に挿入されてもよいし、カラーフィルタ層と薄膜トランジスタ層との間に挿入されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年10月29日に出願された米国特許出願第12/916,474号への優先権を主張し、これらはその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、電子デバイスに関し、特に、ポータブルコンピュータなどの電子デバイスのディスプレイ構造に関する。
【背景技術】
【0003】
ポータブルコンピュータや携帯電話などの電子デバイスは、通常、ディスプレイを有する。ディスプレイを損傷から保護するために、多くのディスプレイは、カバーガラス層を備える。カバーガラス層は、電子デバイスの使用中にカバーガラス層の下方にあるディスプレイ構造を引っ掻き傷及び他の損傷から保護するのに役立つ。不透明境界領域を形成するために、カバーガラス層の下側に黒色インクのパターン層が形成される場合もある。不透明境界領域は、デバイスの内部部品を視界から隠す。黒色インク層には、カバーガラスの背後に装着されるカメラに対応する開口部が形成されてもよい。
【0004】
電子デバイスメーカーはデバイスの小型化及び軽量化に努めており、大型で重いディスプレイ構造をディスプレイに組み込むような構成は容認されなくなっている。従って、ディスプレイからカバーガラス層を取り除くことが望ましい。しかしながら、見場の悪い内部部品を視野から隠しつつ、カメラなどの内部部品を適正に機能させるような配慮が必要である。
【0005】
従って、ポータブルコンピュータや携帯電話などの電子デバイスのディスプレイ構造を改善することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
ポータブルコンピュータ、携帯電話又は他の電子機器などの電子デバイスは、ディスプレイを有してもよい。ディスプレイは、デバイスのユーザに対して画像を提示する矩形の中央領域などの活性部分(active portion)を有してもよい。ディスプレイの周囲部分のようなディスプレイの不活性部分(Inactive portions)は、不透明マスク層を使用して隠されてもよい。不透明マスク層は、着色インクから形成されてもよい。
【0007】
光を透過させるために、不透明マスク層に開口部が形成されてもよい。例えば、不透明マスク層の開口部を介してロゴ又は他の情報が見えてもよい。カメラ及び他の内部電子部品は、不透明マスク層の開口部を介して光を受光してもよい。
【0008】
ディスプレイは、上部偏光子及び下部偏光子と、カラーフィルタ層と、薄膜トランジスタ層とを含んでもよい。不透明マスク層は、上部偏光子上に形成されてもよいし、上部偏光子とカラーフィルタ層との間に挿入されてもよいし、或いは、カラーフィルタ層と薄膜トランジスタ層との間に挿入されてもよい。
【0009】
上部偏光子は、無偏光窓を有してもよい。無偏光窓は、偏光子中の偏光子材料をブリーチすることによって形成されてもよい。偏光子材料は、化学的にブリーチされてもよいし、或いは、偏光子材料を紫外線光で露光することによってブリーチされてもよい。カメラ窓は、不透明マスク層の開口部と位置合わせされてもよい。カメラは、画像光を受光するために、偏光子の無偏光窓及び不透明マスク層の開口部と位置合わせされてもよい。デバイスの外からロゴが見えるように、ロゴは、偏光子層の無偏光窓及び不透明マスク層の開口部と位置合わせされてもよい。センサや状態指示部などの電子デバイスの他の内部部品も、偏光子の無偏光窓及び不透明マスク層の開口部の下方に装着されてもよい。
【0010】
本発明の更なる特徴、性質及び種々の利点は、添付の図面及び以下の好適な実施形態の詳細な説明から更に明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るディスプレイ構造を有する例示的なポータブルコンピュータを示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係るハンドヘルドデバイスを示す斜視図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態に係るディスプレイを有する電子デバイスを示す横断面側面図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態に係る例示的なディスプレイ構造を示す横断面側面図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態に係る電子デバイスディスプレイの偏光子を示す横断面側面図である。
【図6】図6は、ポータブルコンピュータの従来の液晶ディスプレイ(LCD)モジュールを示す横断面側面図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態に係る内部デバイス構造を露出させる凹部が形成された偏光子層を有する例示的なディスプレイを示す横断面側面図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態に従って透明無偏光窓を形成するための処理の前の偏光子層を示す横断面側面図である。
【図9】図9は、本発明の一実施形態に従って偏光子をブリーチして偏光子に窓を形成するために偏光子の一部を紫外線光で露光している間の図8の偏光子を示す横断面側面図である。
【図10】図10は、本発明の一実施形態に係る内部デバイス構造と位置合わせされた透明無偏光(ブリーチ)窓を有する偏光子を示す横断面側面図である。
【図11】図11は、積層偏光子中のトリアセテートセルロース(TAC)膜などの膜の透過率の変化を波長の関数として示す特性図である。
【図12】図12は、積層偏光子中のポリビニルアルコール膜などの膜の吸収率の変化を波長の関数として示す特性図である。
【図13】図13は、本発明の一実施形態に係る偏光子の面上にパターンマスク層を形成する前の偏光子を示す横断面側面図である。
【図14】図14は、本発明の一実施形態に係るパターンマスク層の形成後の図14の偏光子層を示す横断面側面図である。
【図15】図15は、本発明の一実施形態に従って偏光子層内に無偏光領域を形成するためにパターンマスク層の上面に液体偏光解消剤を塗布する処理を示す図14のマスク偏光子層の横断面側面図である。
【図16】図16は、本発明の一実施形態に従って偏光子層の化学的にブリーチされた無偏光窓の形成を完了するためにマスク層を除去した後の図15の偏光子層を示す横断面側面図である。
【図17】図17は、本発明の一実施形態に係る無偏光窓を有する偏光子層と、開口部を有する不透明マスク層とを含むディスプレイ構造の形成に関連する例示的なステップを示すフローチャートである。
【図18】図18は、本発明の一実施形態に係る無偏光窓を有する偏光子と、カラーフィルタ層の内面に形成された不透明パターンマスク層とを有する例示的なディスプレイ構造を示す横断面側面図である。
【図19A】図19Aは、本発明の一実施形態に係る物理気相成長(PVD)を使用してカラーフィルタ層の内面に印刷されたロゴ又は他の情報と位置合わせされた無偏光窓を有する偏光子を有する例示的なディスプレイ構造を示す横断面側面図である。
【図19B】図19Bは、本発明の一実施形態に係るロゴ上の不透明マスク層の形成後の図19Aのディスプレイ構造を示す横断面側面図である。
【図19C】図19Cは、本発明の一実施形態に係る薄膜トランジスタ層などの他のディスプレイ構造層にカラーフィルタ層及び偏光子層が接続された後の図19Bのディスプレイ構造を示す横断面側面図である。
【図20】図20は、本発明の一実施形態に係る無偏光窓を有する偏光子と、カラーフィルタ層の外面に形成された不透明パターンマスク層とを有する例示的なディスプレイ構造を示す横断面側面図である。
【図21】図21は、本発明の一実施形態に係る無偏光窓を有する偏光子と、カラーフィルタ層の外面の凹部領域の中に形成された不透明パターンマスク層とを有する例示的なディスプレイ構造を示す横断面側面図である。
【図22】図22は、本発明の一実施形態に係る無偏光窓を有する偏光子と、トリアセテートセルロース層などの偏光子の層の上に形成され、且つ、トリアセテートセルロース層の外面とカバー膜の内面との間に挿入された不透明パターンマスク層とを有する例示的なディスプレイ構造を示す横断面側面図である。
【図23】図23は、本発明の一実施形態に係る無偏光窓を有する偏光子と、偏光子層の内面に形成された不透明パターンマスク層とを有する例示的なディスプレイ構造を示す横断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電話及び他の計算機器などの電子デバイスは、ディスプレイを備えてもよい。
【0013】
ディスプレイを有するポータブルコンピュータ又は他の電子機器などの例示的な電子デバイスが図1に示される。図1に示すように、デバイス10のディスプレイ14は、筐体12の上部筐体部分12Aに装着されてもよい。筐体12は、筐体12の一部又は全体が一体の材料(例えば、金属、プラスチック又は繊維複合材料)片から形成される一体構成から形成されてもよいし、接着剤、留め金具及び他の装着機構を使用して一体に組み立てられた複数の構造から形成されてもよい。例えば、筐体12は、フレーム部材及び他の内部支持体から形成されてもよく、外部プレート、筐体側壁、ベゼル構造及び他の構造がそれらのフレーム部材及び内部支持体に装着される。
【0014】
筐体部分12Aはディスプレイ14を収納するために使用されてもよいため、筐体部分12Aはディスプレイ筐体と呼ばれてもよい。ディスプレイ筐体12Aは、ディスプレイ筐体12Aがヒンジ軸16に関して筐体部分12B(場合によっては本体ユニット又は筐体ベースと呼ばれる)に対して回転できるように、ヒンジ構造18を使用して筐体本体12Bに装着されてもよい。デバイス10は、取り出し可能な媒体、データポート、キーボード20などのキー、トラックパッド24などの入力装置、マイクロホン、スピーカ、センサ、状態指示ランプなどに対応するポートを含んでもよい。
【0015】
ディスプレイ14は、活性部分及び不活性部分を有してもよい。ディスプレイ14の活性部分28Aは、図1の破線28Dによって境界を規定される矩形のような形状を有してもよい。ディスプレイ14の不活性部分28Iは、矩形のリング形状又は他の適切な形状を有してもよく、且つ、ディスプレイ14の周囲に沿って境界を形成してもよい。活性部分28Aには、デバイス10のユーザに対して画像を提示するために、液晶ダイオード画素又は他の活性画素構造などの画素アレイ要素が使用されてもよい。不活性部分28Iには、一般に、画素要素がなく、この部分はユーザに提示される画像の形成には関与しない。見場の悪い内部部品を視界から隠すために、不活性部分28Iの内部部品は、インク層などの不透明マスク層を使用してユーザの視界から隠されてもよい。
【0016】
デバイス10は、不活性デバイス領域28Iに形成された部品を有してもよい。例えば、デバイス10は、カメラ22のようなカメラを有してもよい。カメラ22は、ディスプレイ筐体12Aの内部に装着されてもよく、且つ、ディスプレイ14の窓(カメラ窓と呼ばれることもある)を介して動作してもよい。
【0017】
ロゴなどの情報構造26がデバイス10に装着されてもよい。情報構造26は、デバイス10のメーカーを示す商標ロゴ、印刷されたテキスト、商標を示すテキスト、意匠、個人情報(例えば、デバイス10の所有者を示すID情報)などであってもよく、テキストとテキスト以外の情報との組み合わせから形成されてもよく、或いは、他の適切なコンテンツを含んでもよい。情報構造26は、パターン化されたインク、パターン化された塗料、パターン化されたポリマー、パターン化された金属トレース又は他の適切な材料から形成されてもよい。
【0018】
情報構造26は、上部筐体12Aに装着されてもよい。例えば、情報構造26は、上部筐体12Aの不活性ディスプレイ領域28Iのディスプレイ14の透明窓の下方に形成されてもよい。
【0019】
図2は、ハンドヘルド電子デバイスに使用されてもよい例示的な構成を示す斜視図である。図2の電子デバイス10は、例えば、携帯電話又は他のハンドヘルド電子機器であってもよい。図1のデバイス10は、筐体12を有してもよい。ディスプレイ14は、デバイス10の正面側の筐体12の内部に装着されてもよい。ディスプレイ14の活性部分28Aは、矩形の境界28Dの内側に位置してもよい。ディスプレイ14の不活性部分28Iは、ディスプレイ14の周囲に沿った境界を形成してもよい。筐体12は、デバイス10の周囲に沿って延出する(一例として)側壁を有してもよい。筐体12の側壁構造は、金属、プラスチック、ガラス、セラミック、炭素繊維材料又は他の繊維系複合材料、他の材料、又は、それらの材料の組み合わせから形成されてもよい。筐体12の後部は、金属、プラスチック、ガラス板又はセラミック板などの平坦な材料、繊維系複合材料、他の材料、又は、それらの材料の組み合わせから形成されてもよい。
【0020】
デバイス10は、筐体12の側壁に開口部34のような開口部を有してもよい。開口部34は、マイクロホン用ポート及びスピーカ用ポート、ボタン部材を収容するための開口部、データポート及びオーディオジャックに対応する開口部などを形成するために使用されてもよい。1つ以上の開口部がディスプレイ14の不活性領域28Iに形成されてもよい。例えば、ボタン32(例えば、メニューボタン)などのボタンに対応する1つ以上の開口部が不活性領域28Iに形成されてもよい。更に、開口部30のような開口部が不活性領域28Iに形成されてもよい(例えば、イヤホンに対応するスピーカポートを形成するため)。
【0021】
カメラ(一例として)などのデバイス10の内部構造の上方に窓22が形成されてもよい。デバイス10のユーザがロゴ又は他の情報を見ることができるようにするために、必要に応じて、ロゴ情報(例えば、図1の情報構造26を参照)などの情報の上に窓22のような窓が更に形成されてもよい。
【0022】
図1及び図2の例示的な電子デバイス構造は、単なる例である。適切なあらゆる電子デバイス10がディスプレイ14を備えてもよい。電子デバイス10は、例えば、タブレットコンピュータ、腕時計型デバイス、ペンダント型デバイス、他の小型及び着用型デバイス、テレビ、コンピュータディスプレイ、付属品などを含んでもよい。
【0023】
ディスプレイを有する電子デバイス(例えば、図2のデバイス10のようなデバイス、図1のデバイス10の一部など)の横断面端面図が図3に示される。図3に示すように、ディスプレイ14は、ディスプレイ14の外面が露出するように、筐体12の内部に装着されてもよい。デバイス筐体12は、プリント回路基板36などのプリント回路基板を取り囲むために使用されてもよい。プリント回路基板36は、ガラス繊維充填エポキシプリント回路基板(例えば、FR4)などの剛性プリント回路基板、導電トレースパターンを有するポリイミドのシートなどの可撓性誘電体から形成された可撓性プリント回路(「フレックス回路」)、剛性フレックス基板又は他の基板であってもよい。
【0024】
部品37などの電気部品は、基板36などの基板に装着されてもよい。電気部品37は、スイッチ、抵抗器、インダクタ、コンデンサ、集積回路、コネクタ、カメラ、センサ、スピーカ又は他のデバイス部品を含んでもよい。それらの部品は、基板36に半田付けされてもよいし、他の方法により接続されてもよい。
【0025】
ディスプレイ14は、タッチスクリーンディスプレイであってもよい。図3のディスプレイ14などのタッチスクリーンディスプレイは、容量性電極(例えば、酸化インジウムスズ電極などの透明電極)のアレイを含んでもよいし、他の接触感知技術に基づくタッチセンサアレイ(例えば、抵抗性タッチセンサ構造、音響タッチセンサ構造、圧電センサ及び他の力センサ構造など)を含んでもよい。ディスプレイ14のタッチ構造は、ガラス層などの専用タッチセンサ構造で実現されてもよいし、他のディスプレイ機能に使用されているガラス層と同一のガラス層に形成されてもよい。例えば、タッチセンサ電極は、液晶ディスプレイ(LCD)のカラーフィルタアレイ層、薄膜トランジスタ層又は他の層に形成されてもよい。
【0026】
ディスプレイ14は、一般的に、何らかの適切なディスプレイ構造から形成されてもよい。ディスプレイ14として使用可能なディスプレイ構造は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)構造、有機発光ダイオード(OLED)構造、プラズマセル及び電子インクディスプレイ構造などである。以下では、ディスプレイ14が液晶ディスプレイ(LCD)構造から形成される構成を一例として説明する。これは単なる例である。一般的に、ディスプレイ14は、何らかの適切なディスプレイ技術を使用して形成されてもよい。
【0027】
図2のディスプレイ14の横断面図が図4に示される。図4に示すように、ディスプレイ14は、バックライトユニット38などのバックライトユニット(BLU)を含んでもよい。バックライトユニット38の光44は、光源32から光導パネル51に放射されてもよい。光源32は、発光ダイオード(一例として)のアレイから形成されてもよい。反射体49(例えば、白色ポリエステル)は、ディスプレイモジュール40を介して、上方(外側)の方向46に光44を反射するために使用されてもよい。光学膜48は、拡散層及び光コリメート層(一例として)を含んでもよい。
【0028】
ディスプレイ14及びディスプレイモジュール40は、画素のアレイから画素光43を発生する活性領域28Aを有してもよい。画素光43は、活性領域28Aにおいて、デバイス10のユーザが見ることができる画像を形成する。画像は、テキスト、グラフィックス又は他の画像情報を含んでもよい。ディスプレイ14及びディスプレイモジュール40の領域28Iのような部分は、不活性であってもよい。領域28Iは、図1に示すように、ディスプレイ14及びディスプレイモジュール40の一部を取り囲む形状(一例として)を有してもよい。不活性領域28Iは、一般的には、活性画素を含まず、且つ、内部構造が見えないようにするための不透明マスク層を含んでもよい。バックライトユニット38は、活性領域28Aと位置合わせされたフットプリントを有してもよいし、(図4に示すように)不活性領域28Iの一部又は全体の下方に延出する縁部を有してもよい。
【0029】
ディスプレイモジュール40は、下部偏光子50などの下部偏光子及び偏光子62などの上部偏光子を含んでもよい。カラーフィルタ層60と薄膜トランジスタ層52との間に、液晶材料の薄い層58(例えば、3〜5μm)が挿入されてもよい。
【0030】
薄膜トランジスタ層52は、ガラス又はプラスチックの層などの透明で平坦な基板の上に形成されてもよい。薄膜トランジスタ層52の上面は、画素電極構造及び薄膜トランジスタ(破線56の上方に回路網54として示される)を含んでもよい。薄膜トランジスタ層52の回路網は、デバイス10のユーザに向けてディスプレイ14に画像を表示するように制御可能な画素のアレイとして構成されてもよい。
【0031】
カラーフィルタ層60は、カラー画像を表示する能力をディスプレイ14に与える着色フィルタ画素(例えば、赤色フィルタ要素、緑色フィルタ要素及び青色フィルタ要素)を含んでもよい。カラーフィルタ層60は、ガラス基板又はプラスチック基板などの透明で平坦な基板を使用して形成されてもよい。
【0032】
ディスプレイモジュール40及びバックライトユニット38には、必要に応じて、他の材料層が含まれてもよい。例えば、ディスプレイモジュール40及びバックライトユニット38は、タッチセンサ、複屈折補償膜などの光学膜の層、反射防止被膜、引っ掻き傷防止被膜、疎油性被膜、接着剤層などを形成するための1つ以上の材料層を含んでもよい。
【0033】
上部(外側)偏光子62及び下部(内側)偏光子50などの偏光子は、一体に積層された複数の材料層から形成されてもよい。例示的な積層偏光子が図5の横断面側面図に示される。図5に示すように、偏光子62(即ち、本実施形態では、上部偏光子)は、偏光子膜68を有してもよい。偏光子膜68は、延伸ポリビニルアルコール(PVA)などの延伸ポリマーから形成されてもよく、PVA層と呼ばれることもある。ヨウ素は、ヨウ素分子が延伸膜と整列して偏光子を形成するように、延伸PVA膜の上に配置されてもよい。必要に応じて、他の偏光子膜が使用されてもよい。偏光子膜68は、層66と層70との間に挟まれてもよい。層66及び70は、トリアセチルセルロース(TAC)などの材料から形成されてもよく、TAC膜と呼ばれることもある。TAC膜は、PVA膜を延伸状態に保持するのを補助し、且つ、PVA膜を保護してもよい。必要に応じて、他の膜が膜68に積層されてもよい。
【0034】
コーティング層72は、偏光子62に所望の表面特性を与える1つ以上の材料膜から形成されてもよい。例えば、コーティング層72は、ぎらつき防止(光拡散)特性、反射防止特性、引っ掻き傷防止特性、指紋付着防止特性及び他の所望の特性を偏光子62に与える材料から形成されてもよい。コーティング層72は、反射防止(AR)層(例えば、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層した構造から形成された膜)、ぎらつき防止(AG)層、反射/ぎらつき防止(AR/AG)層、疎油性層、引っ掻き傷防止被膜又は他のコーティング層などの1つ以上の材料層から形成されてもよい。それらの層は、互いに独立して作用する必要はない。例えば、コーティング層72のぎらつき防止膜は、偏光子62に引っ掻き傷防止特性を与えるのに有効であってもよい。
【0035】
必要に応じて、ディスプレイモジュール40の上面(即ち、図4のカラーフィルタ60)への偏光子62の装着を補助するために、接着剤64(例えば、光学的に透明な接着剤)などの接着剤の層が偏光子62に形成されてもよい。偏光子62の厚さは、約50〜200μm(一例として)であってもよい。
【0036】
電子デバイスの内部にカメラを内蔵することが望まれる場合は多い。従来、カメラは、ディスプレイの不活性部分のカバーガラスの層の下方に装着される。このタイプの配置が図6に示される。図6に示すように、従来のデバイス構造74は、カバーガラス76を含んでもよい。カバーガラス76は、活性領域と、不活性領域とを有するディスプレイと関連してもよい。例えば、図6のカバーガラス76は、不活性ディスプレイ領域98及び活性ディスプレイ領域100と関連してもよい。
【0037】
黒色インク層78は、不活性領域98のカバーガラス76の下方に形成され、カメラ86などの内部部品を視界から隠す。黒色インク層78は、カメラ86に対応する開口部80を有する。動作中、画像からの光82は、カバーガラス層76及び開口部80を通過してカメラ86のレンズ84に入射できる。ディスプレイモジュール96は、活性領域100の下方に装着される。ディスプレイモジュール96は、カラーフィルタ層92と、薄膜トランジスタ層94と、上部偏光子90と、シャーシ構造88の内部に装着された他のLCD層とを含む。黒色インク層78は、シャーシ構造88を視界から隠す。
【0038】
図4のディスプレイ14の例示的な構造は、カバーガラス層を含まない。このタイプの構成において、ディスプレイ14とは別の筐体の部分の下方に(即ち、ベゼル又は他の筐体構造のカメラ用開口部の下方に)カメラ及び他の内部構造を装着することが望ましい。必要に応じて、カメラ又は他の内部デバイス構造は、ディスプレイモジュールの一部分の下方に装着されてもよい。例えば、図7に示すように、内部構造102は、カラーフィルタ層60の縁部の下方に装着されてもよい(一例として)。内部構造102は、カメラ(例えば、層60を介して画像光を受光するカメラ)、層60を介して光を受光するセンサ、ロゴ又は図1の構造26などの他の情報の形状を有するパターン情報構造、状態指示器(例えば、層60を介して光を放射する状態指示器素子)又はデバイス10における他の適切な内部構造であってもよい。
【0039】
偏光子62は、内部構造102の動作と干渉する場合がある。例えば、内部構造102がカメラである場合、カメラのイメージセンサの上方に偏光子62が配置されていると、光の強度が低下してしまうので、カメラの性能に悪影響が及ぶ。別の例として、内部構造102がロゴ又は他の情報を形成するパターン構造を含む場合、偏光子62が存在することによってデバイス10の外側から内部構造102を見ることが難しくなる。光センサ、状態指示器及び他の電子部品の動作も偏光子層62の存在によって悪影響を受けることがある。
【0040】
偏光子層62によって起こりうる悪影響を最小限に抑える方法の1つは、カラーフィルタ層60が露出されるように、偏光子層62の一部を除去することある。偏光子層62の一部は、カラーフィルタ層60への偏光子層62の装着後に除去されてもよいし、カラーフィルタ層60への偏光子層62の装着前に除去されてもよい。除去される偏光子層62の部分は、円形の形状(例えば、カメラのレンズと位置合わせされた円形の開口部を形成するため)、矩形の形状(例えば、矩形の輪郭形状を有するロゴ又は他の情報を露出させるため)又は他の適切な形状を有してもよい。図7の例に示すように、偏光子62は、偏光子62と内部構造とが重なり合うのを避けるために、カラーフィルタ60の縁部に沿った領域104において除去されてもよい。
【0041】
図7に示すタイプの構成は、偏光子62の端部に(即ち、偏光子62と領域104との境界面に)段差を形成する場合がある。状況によっては、この段差が見えてしまうこともあり、偏光子62がカラーフィルタ60から剥離する場合もある。
【0042】
段差が形成されることを避けるために、偏光子の光学的特性は、偏光子62の一体の部分として段差のない無偏光窓を形成するように変更されてもよい。例えば、偏光子62の一部は、偏光子層62の偏光子材料をブリーチ(偏光解消)するのに適した強度及び波長の光に露光されてもよい。露光の後、露光されていない偏光子62の部分は、偏光子層として作用する。偏光子62の露光された部分は高い偏光特性を有していないため、透明窓として機能する。無偏光窓は、他の局所処理(例えば、偏光子62を化学的にブリーチする液体にさらす処理など)を使用して偏光子62に形成されてもよい。このタイプの構成を使用することによって、偏光子62及びその無偏光窓領域は、段差を生じることなく、不活性ディスプレイ領域28I(例えば、図1を参照)と滑らかに重なり合うことができる。
【0043】
偏光子62の局所領域に光を照射することによって偏光子62をブリーチする例示的な方法が図8、図9及び図10に示される。まず、偏光子層62は、ブリーチ領域を含むことなく、偏光子材料の層から形成される(図8)。図9に示すように、光源106は、偏光子62の表面の局所領域に入射する光108(例えば、紫外線光)を照射してもよい。光108は、フォーカス構成(例えば、レンズを使用する)、マスク(例えば、シャドーマスク又は偏光子62の表面に形成されたパターンマスク層を使用する)、他の適切なマスク技術又はそれらの技術の組み合わせを使用して、局所的に照射されてもよい。偏光子62の中に光108を局所的に照射することによって、偏光子62の局所部分110は、偏光特性を失って窓112などの透明窓を形成する。
【0044】
図10に示すように、偏光子層62は、内部構造102が窓112と位置合わせされるように、デバイスに装着されてもよい。窓110(例えば、偏光子62の部分110)の材料は偏光させず、窓112は偏光子層62の外面と内部構造102との間で光を自由に透過させる。
【0045】
光108の強度及び波長は、窓112の透過率及び光学的透明度に悪影響を及ぼす光学的損傷を偏光子62に与えることなく、偏光子62を有効にブリーチするように選択されてもよい。例えば、図5の層68などの配向ヨウ素分子のコーティングを有する延伸PVA層から偏光子62が形成されている場合、光108は、TAC層66及び70などの隣接する層を損傷することなく、ヨウ素の結合を破壊することができる、或いは、結合破壊以外でPVA偏光子層を無配向状態にすることができるのが好ましい。図11に示すように、TAC層66及び70は、約380nm又は400nmを超える波長で十分な透過率を示してもよい。図12は、波長が長くなるにつれてPVAの吸収率(即ち、図5の層68における吸収率)が減少することを示す。
【0046】
TAC膜66及び70の特性(図11を参照)及びPVA膜68の特性(図12を参照)を考慮して、380〜420nmの範囲内の波長又は他の波長を有する図9の光源106を動作させることによって、TAC層66及び68の吸収率が過剰になることに起因するTAC層66及び68の損傷を生じることなく、PVA層68における偏光子の十分な崩壊が実現されてもよい。図12の特性図に示すように、長波長は、偏光子62をブリーチする効率では劣るが、TAC層66及び70に吸収される確率も低く、TAC層66及び70の透過率に悪影響を与える可能性が低い。紫外線光(420nm未満の波長又は400nm未満の波長を有する光)は、一般的に、偏光子層68を光ブリーチするのに十分であるが、必要に応じて、他のタイプの光が使用されてもよい。
【0047】
光108の強度は、光の波長に基づいて調整されてもよい。例えば、光108が380〜420nmの範囲の波長を有する状況(一例として)では、窓112を形成するために、約10J/cm〜100J/cmの(又は、10J/cm未満の、或いは、100J/cmを超える)線量が層62に照射されてもよい。
【0048】
偏光子層62の無偏光窓112は、化学的処理によって形成されてもよい。一例として、図13〜図16に示すように、偏光子層62にブリーチ液を塗布する方法を考える。図13に示すように、偏光子層62は、窓領域を含まなくてもよい。図14のマスク層114などのマスク層は、偏光子層62の表面に塗布されてもよい。マスク層114は、開口部116などの開口部を1つ以上含んでもよい。マスク層114は、フォトリソグラフィ技術を使用してパターニングされてもよい(例えば、マスク層114がフォトレジストなどの感光材料から形成される場合)し、パッド印刷、吹き付け、インクジェット印刷などによってパターニングされてもよい。開口部116は、偏光子62に無偏光窓を形成するのに適する大きさ及び形状を有してもよい。図15に示すように、マスク層114が形成された後、液体118などのブリーチ剤は、偏光子層62の表面の開口部116の位置に蒸着されてもよい。液体118は、例えば、NaOH、KOHなどの塩基であってもよいし、偏光子層62の露出した部分の偏光を解消する他の物質であってもよい。図16に示すように、マスク層114及び液体118(又は他の適切なブリーチ剤)の塗布及び除去の後、偏光子62は、無偏光窓112を除く全ての領域において、偏光特性を維持してもよい。
【0049】
偏光子62をデバイス10に組み付けている間、図10の窓112に関連して説明したように、窓112は、カメラ、ロゴなどの情報構造又はデバイス10における他の内部部品と位置合わせされてもよい。デバイス10の見場の悪い内部部品を視野から確実に隠すために、デバイス10には、1つ以上の不透明マスクが設けられてもよい。例えば、1つ以上の不透明マスク層は、図4のディスプレイモジュール40の材料層のうち1つ以上の層に組み込まれてもよい。不透明マスク層は、黒色インク、他の(黒ではない)色(例えば、白色、銀色、灰色、赤色、青色)のインク、不透明ポリマー、金属層又は他の適切な不透明物質から形成されてもよい。モジュール40において不透明マスク層が形成されてもよい位置は、例えば、偏光子62の上面の位置P1、偏光子62の下面の位置P2、カラーフィルタ層60の上面の位置P3及びカラーフィルタ層60の下面の位置P4などを含む。必要に応じて、マスク層は、それ以外の位置又はそれらの位置を組み合わせた複数の位置において使用されてもよい。
【0050】
偏光子層62に窓を形成し、且つ、不透明マスク層及びディスプレイモジュール構造を電子デバイスに形成することに関連する例示的なステップが図17に示される。
【0051】
ステップ120において、偏光子62を形成するために、TAC膜66及び70並びに偏光子層68などの材料層が一体に積層されてもよい。例えば、PVA層68を延伸するために延伸ツールが使用されてもよく、且つ、層66及び70を層68と積層するために積層ローラが使用されてもよい。ヨウ素は、偏光子に(例えば、層68に)取り込まれてもよい。
【0052】
必要に応じて、ステップ122の実行中に(即ち、ステップ124において、ダイプレス又は他の切断ツールを使用してTACシート及びPVAシートをデバイスの大きさのパネルに分割する前に)、窓112が積層偏光子層に形成されてもよい。個別の偏光子のパネルを形成するための切断に続いて、偏光子は、カラーフィルタ層60に積層されてもよい(ステップ126)。
【0053】
もう1つの方法として、ステップ120の実行中に一体に積層されていた偏光子の層は、ステップ130の実行中に(即ち、ステップ132の実行中において、偏光子62に窓112を形成する前に)、個別のパネルに切り離されてもよい。このタイプの処理の場合、ステップ132の間に窓112が形成される偏光子のパネルは、ステップ126において、カラーフィルタ層60に積層されてもよい。
【0054】
必要に応じて、ステップ130の実行中にデバイスの大きさのパネルに切断された偏光子は、窓112を形成する(ステップ136)前に、カラーフィルタ層60に積層されてもよい(ステップ134)。
【0055】
窓112を形成するために偏光子62が処理されてカラーフィルタ層60に装着される順序とは関係なく、偏光子62及び他のディスプレイ構造は、ステップ128の実行中に、カメラ又は他の内部構造(例えば、図10の構造102を参照)が窓112と位置合わせされる状態で装着されるように、デバイス10に組み込まれてもよい。ステップ128の組み立て動作の前に又は組み立て動作中に、不透明マスク層は、ディスプレイ14を形成する材料の層の上に形成されてもよい。例えば、インク又は他の不透明マスク材料のパターン層は、ディスプレイモジュール40の位置P1、P2、P3及びP4(例えば、図4を参照)などの位置に形成されてもよい。パターンマスク層は、物理気相成長、パッド印刷、スクリーン印刷、吹き付け、浸漬、インクジェット印刷、シャドーマスク蒸着、フォトリソグラフィパターニング又は他の適切な蒸着技術及びパターニング技術を使用して形成されてもよい。不透明マスク層として使用できる材料は、例えば、金属、ポリマー、インク、塗料、着色接着剤、酸化物(例えば、金属酸化物)、繊維系複合材料などを含む。
【0056】
図18は、図4の位置P4などの位置でカラーフィルタ層60の下方に不透明マスク層が形成されているディスプレイ構造を示す横断面側面図である。図18に示すように、ディスプレイモジュール40は、活性領域28Aと、不活性領域28Iとを有してもよい。不透明マスク層138は、カラーフィルタ層60の内面に形成されてもよい。不透明マスク層138は、開口部140などの開口部を形成するために、パターニングされてもよい。開口部140は、開口部140の一部又は全体が偏光子層62の窓112と重なり合うような大きさ及び形状を有してもよい。これにより、窓112、カラーフィルタ60、開口部140及び薄膜トランジスタ層52を介して(一例として)、偏光子62に隣接する内部構造102とモジュール40の外側との間で光を透過させることができる。蒸着処理中、マスク層138の一部又は全ては、カラーフィルタ60の既存の構造(例えば、クロム又は他の材料から形成され、且つ、カラーフィルタ60のカラーフィルタ要素に対する遮光パターンを形成する際に使用される図18の構造142などの構造)と重なり合う場合がある。必要に応じて、構造142の一部は、マスク層138などの層を形成する際に使用されてもよい。
【0057】
図18に示すように、内部構造102は、共通垂直軸114に沿って、窓112及びマスク開口部140と位置合わせされてもよい。構造102は、カメラ(イメージセンサ)、状態指示器、ロゴ又は他の印刷情報又はパターン情報などの情報構造、センサなどを含んでもよい。
【0058】
図19A、図19B及び図19Cは、マスク層138が図4の位置P4などの位置に形成されている構成において、ロゴ又は他の情報を形成する情報構造などの内部構造102がカラーフィルタ層60の下面にどのように形成されるかを示す。図19Aに示すように、構造102は、カラーフィルタ60の下面に形成されてもよい。構造102は、例えば、偏光子層62の窓112の下方に(即ち、構造102の輪郭が窓112の輪郭の内側に収まり、且つ、窓112が構造102と完全に重なり合うように)形成されてもよい。構造102は、インク、金属、塗料、ポリマー又は他の材料から形成されてもよく、且つ、物理気相成長(PVD)又は他の適切な蒸着技術及びパターニング技術を使用して蒸着されてもよい。
【0059】
カラーフィルタ層60の内面への構造102の蒸着が終了した後、図19Bに示すように、不透明マスク層138は、構造102の上に重なるように形成されてもよい。詳細には、黒色インク又は他の不透明マスク物質の層は、スクリーン印刷、インクジェット印刷、パッド印刷又は他の適切な蒸着技術を使用して、構造102(例えば、PVDロゴ)の上に重なるように形成されてもよい。不透明マスク層138は、ディスプレイ14の不活性部分(例えば、図1の不活性部分28Iを参照)を被覆してもよい。
【0060】
図19Cに示すように、構造102(例えば、PVDロゴ又は他の情報)の形成及びパターンマスク層138の形成に続いて、下部偏光子50及び薄膜トランジスタ層52を液晶材料58、カラーフィルタ層60及び上部偏光子62の下方に装着することによって、ディスプレイモジュール40が完成されてもよい。
【0061】
図20は、図4の位置P3などの位置(即ち、カラーフィルタ層60の上面)に不透明マスク層138が形成された構成のディスプレイモジュール40を示す横断面側面図である。図20に示すように、偏光子62は、内部構造102(例えば、ロゴ又は他の情報、カメラ、センサ又は他の電気部品など)と位置合わせされた無偏光窓112を備えてもよい。不透明マスク層138は、窓112及び構造102と位置合わせされた開口部140などの開口部を有してもよい。偏光子層62は、接着剤148(例えば、約0.5〜0.6μmの厚さの接着剤の層)を使用して、ディスプレイモジュール40に装着されてもよい。不透明マスク層138の厚さは、約40〜120μm(一例として)であってもよい。必要に応じて、平坦化層146は、不透明マスク層138の厚さに対応するのを補助するために、偏光子62とカラーフィルタ層60の上面との間に挿入されてもよい。平坦化層146は、エポキシ又は他の接着剤(例えば、接着剤148の一部)、塗料ガラス、ポリマー又は他の透明材料から形成されてもよい。不透明マスク層138は、白色インク、黒色インク、黒色ではない着色インク又は他の適切な不透明材料から形成されてもよい。
【0062】
図21の横断面側面図に示すように、必要に応じて、カラーフィルタ層60は、凹部150などの凹部を備えてもよい。凹部150は、不透明マスク層138の厚さと同程度の深さ(厚さ)(例えば、一例として約40〜120μm)を有してもよい。このタイプの構成において、不透明マスク層138(及び、必要に応じて、任意な充填材料152)は、不透明マスク層138(及び任意な充填材料152)の最も外側の面がカラーフィルタ層160の最も外側の面と同一又はほぼ同一の平面に位置するように、凹部150の中で削られてもよい。充填材料152は、接着剤(例えば、接着剤148の一部)、ポリマー又は他の適切な透明材料から形成されてもよい。
【0063】
偏光子62の上に(例えば、図4の位置P1に)不透明マスク層138が形成されるディスプレイモジュール40に使用されてもよい例示的な構成の横断面側面図が図22に示される。図22に示すように、偏光子62は、PVA層68などの偏光子層、TAC層66及び70などのTAC層又は他の光学膜を含んでもよい。偏光子62は、(例えば、接着剤を使用して)カラーフィルタ層60に装着されてもよい。不透明マスク層138は、TAC層70の表面上に形成されてもよい。開口部140は、偏光子62の窓112と位置合わせされてもよい。カバー膜72は、(例えば、ディスプレイモジュール40の最も外側の面を形成するために)TAC層70の外面に装着されてもよい。カバー膜72は、反射防止層、ぎらつき防止層、引っ掻き傷防止層などの層を1つ以上含むカバー層であってもよい。カバー膜72は、1つ以上の膜ロールから供給されてもよく、接着剤154を使用してTAC層70に装着されてもよい。このタイプの構成において、不透明マスク層138は、不透明マスク層138が印刷処理中又は他の不透明マスク蒸着処理中(一例として)に偏光子パネルに直接的に位置合わせされるため、相対的に高い許容差で(例えば、0.1〜0.4mmまでの許容差で)偏光子62を形成する材料のパネルと位置合わせされてもよい。必要に応じて、不透明マスク層138は、カバー膜72が偏光子62に装着される前に、カバー膜72の下面に蒸着されてもよい。
【0064】
図23は、不透明マスク層138が窓112と位置合わせされた状態で偏光子62の下面にどのように形成されるかを示すディスプレイモジュール40の例示的な構造の横断面側面図である。接着剤64は、偏光子62が方向156に移動される場合に、偏光子62をカラーフィルタ層60に装着するために使用されてもよい。不透明マスク層138の厚さに対応するのを補助するために凹部がカラーフィルタ層60に設けられてもよいし、平坦化材料の層が偏光子62とカラーフィルタ60との間に挿入されてもよいし、偏光子62がカラーフィルタ60に確実に装着されるように他の処理動作が実行されてもよい。
【0065】
1つの実施形態によれば、活性領域と、不活性領域とを有するディスプレイと、ディスプレイに配置され、且つ、活性領域と不活性領域とが重なり合う偏光子と、偏光子の不活性領域の中に配置され、且つ、偏光子の材料を含む無偏光窓とを含む電子デバイスが提供される。
【0066】
別の実施形態によれば、偏光子は偏光材料の層を含み、且つ、無偏光窓は偏光材料の層のブリーチ部分を含む。
【0067】
別の実施形態によれば、偏光子は偏光材料の層を含み、且つ、無偏光窓は偏光材料の層の紫外線光ブリーチ部分を含む。
【0068】
別の実施形態によれば、偏光子層はヨウ素を含み、且つ、偏光材料の層はポリビニルアルコールの層を含む。
【0069】
別の実施形態によれば、偏光子層は偏光材料の層を含み、且つ、無偏光窓は偏光材料の層の化学的ブリーチ部分を含む。
【0070】
別の実施形態によれば、偏光子はヨウ素を含み、且つ、偏光材料の層はポリビニルアルコールの層を含む。
【0071】
別の実施形態によれば、電子デバイスは、無偏光窓と位置合わせして装着された電子部品を更に含む。
【0072】
別の実施形態によれば、電子デバイスは、無偏光窓を介して光を受光するカメラを更に含む。
【0073】
別の実施形態によれば、電子デバイスは、無偏光窓を介して光を受光するロゴを更に含む。
【0074】
別の実施形態によれば、ディスプレイはカラーフィルタ層を含み、且つ、ロゴはカラーフィルタ層の上の材料を含む。
【0075】
別の実施形態によれば、電子デバイスは、ロゴを被覆する不透明マスク層を更に含む。
【0076】
別の実施形態によれば、電子デバイスは、ディスプレイ中に薄膜トランジスタ層を更に含み、不透明マスク層及びロゴは、カラーフィルタ層と薄膜トランジスタ層との間に挿入される。
【0077】
1つの実施形態によれば、カラーフィルタ層と、薄膜トランジスタ層と、カラーフィルタ層と薄膜トランジスタ層との間に挿入された不透明インク層とを含む装置が提供される。
【0078】
別の実施形態によれば、装置は、第1の偏光子と、第2の偏光子とを更に含み、カラーフィルタ層及び薄膜トランジスタ層は、第1の偏光子と第2の偏光子との間に挿入され、カラーフィルタ層は、外面と、内面とを有し、インク層の少なくとも一部は、内面上に形成される。
【0079】
別の実施形態によれば、第1の偏光子は無偏光窓を含み、且つ、不透明インク層は無偏光窓と位置合わせされた開口部を有する。
【0080】
別の実施形態によれば、装置は、無偏光窓及び開口部を介して光を受光するカメラを更に含む。
【0081】
別の実施形態によれば、第1の偏光子は無偏光窓を含み、且つ、装置は無偏光窓を介して見ることができるロゴを更に含む。
【0082】
1つの実施形態によれば、カラーフィルタ層と、薄膜トランジスタ層と、第1の偏光子及び第2の偏光子であって、カラーフィルタ層及び薄膜トランジスタ層が第1の偏光子と第2の偏光子との間に挿入され、且つ、カラーフィルタ層が第1の偏光子層と薄膜トランジスタ層との間に挿入される第1の偏光子及び第2の偏光子と、第1の偏光子とカラーフィルタ層との間に挿入された不透明マスク層とを含む装置が提供される。
【0083】
別の実施形態によれば、カラーフィルタ層は凹部を規定する部分を含み、且つ、不透明マスク層は凹部におけるカラーフィルタ層の上に形成される。
【0084】
別の実施形態によれば、不透明マスク層は、インクを含む。
【0085】
別の実施形態によれば、第1の偏光子は無偏光窓を含み、且つ、不透明マスク層は無偏光窓と位置合わせされた開口部を有する。
【0086】
別の実施形態によれば、装置は、無偏光窓及び開口部を介して光を受光するカメラを更に含む。
【0087】
別の実施形態によれば、第1の偏光子は無偏光窓を含み、且つ、装置は無偏光窓を介して見ることができるロゴを更に含む。
【0088】
1つの実施形態によれば、カラーフィルタ層と、薄膜トランジスタ層と、第1の偏光子及び第2の偏光子であって、カラーフィルタ層及び薄膜トランジスタ層が第1の偏光子と第2の偏光子との間に挿入され、且つ、カラーフィルタ層が第1の偏光子と薄膜トランジスタ層との間に挿入される第1の偏光子及び第2の偏光子と、第1の偏光子の上の不透明マスク層とを含む装置が提供される。
【0089】
別の実施形態によれば、装置は、カバー膜を更に含み、不透明マスク層は、カバー膜と第1の偏光子との間に挿入される。
【0090】
別の実施形態によれば、偏光子は、第1のトリアセテートセルロース層及び第2のトリアセテートセルロース層と、第1のトリアセテートセルロース層と第2のトリアセテートセルロース層との間に挿入されたポリビニルアルコール膜とを含み、且つ、不透明マスク層は第1のトリアセテートセルロース層の上に形成される。
【0091】
別の実施形態によれば、カバー膜は、反射防止被膜を含む。
【0092】
別の実施形態によれば、カバー膜は、ぎらつき防止被膜を含む。
【0093】
別の実施形態によれば、第1の偏光子は無偏光窓を含み、且つ、不透明マスク層は無偏光窓と位置合わせされた開口部を有する。
【0094】
別の実施形態によれば、装置は、無偏光窓及び開口部を介して光を受光するカメラを更に含む。
【0095】
別の実施形態によれば、第1の偏光子は無偏光窓を含み、且つ、装置は無偏光窓を介して見ることができるロゴを更に含む。
【0096】
別の実施形態によれば、不透明マスク層は、インクを含む。
【0097】
1つの実施形態によれば、偏光子層、カラーフィルタ層及び薄膜トランジスタ層を有するディスプレイと、ディスプレイが装着される筐体とを含み、偏光子層が少なくとも1つの無偏光窓を含むコンピュータが提供される。
【0098】
別の実施形態によれば、コンピュータは、カメラ及びロゴを更に含み、少なくとも1つの偏光窓は、偏光子層に第1の無偏光窓及び第2の無偏光窓を含み、カメラは、第1の無偏光窓を介して光を受光し、且つ、ロゴは、第2の無偏光窓を介して見える。
【0099】
1つの実施形態によれば、ヒンジによって結合された上部筐体構造及び下部筐体構造と、上部筐体構造に配置され、且つ、カラーフィルタ層、薄膜トランジスタ層及び少なくとも1つの偏光子層を含み、偏光子層は、偏光子層の一部を除去することによって形成された開口部を有するディスプレイと、上部筐体構造に配置され、且つ、偏光子層の開口部を介して光を受光するカメラとを含むポータブルコンピュータが提供される。
【0100】
別の実施形態によれば、開口部は、カメラと位置合わせされた円形の開口部を含む。
【0101】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、不活性境界領域によって取り囲まれた矩形の活性領域を有し、且つ、ディスプレイは、不活性境界領域に不透明マスク層を更に含む。
【0102】
別の実施形態によれば、不透明マスク層は、偏光子層の上面に形成される。
【0103】
別の実施形態によれば、不透明マスク層は、偏光子層の下面に形成される。
【0104】
別の実施形態によれば、不透明マスク層は、カラーフィルタ層の上面に形成される。
【0105】
別の実施形態によれば、不透明マスク層は、カラーフィルタ層の下面に形成される。
【0106】
別の実施形態によれば、不透明マスク層は、偏光子層の開口部と位置合わせされた開口部を有する。
【0107】
別の実施形態によれば、不透明マスク層は、偏光子層の少なくとも一部を被覆する。
【0108】
別の実施形態によれば、不透明マスク層は、偏光子層の上面に形成される。
【0109】
別の実施形態によれば、不透明マスク層は、偏光子層の下面に形成される。
【0110】
別の実施形態によれば、不透明マスク層は、カラーフィルタ層の上面に形成される。
【0111】
別の実施形態によれば、不透明マスク層は、カラーフィルタ層の下面に形成される。
【0112】
別の実施形態によれば、不透明マスク層は、カラーフィルタ層と薄膜トランジスタ層との間に挿入される。
【0113】
1つの実施形態によれば、ヒンジによって結合された上部筐体構造及び下部筐体構造と、上部筐体構造に配置され、且つ、カラーフィルタ層、薄膜トランジスタ層及び不透明層を含むディスプレイであって、不透明層がカラーフィルタ層と薄膜トランジスタ層との間に挿入され、不透明層がディスプレイの不活性周囲部分を視界から隠し、不透明層がディスプレイの周囲に沿った境界部に形成され、且つ、不透明層が開口部を有するディスプレイと、上部筐体構造に配置され、且つ、開口部を介して光を受光するカメラとを含むポータブルコンピュータが提供される。
【0114】
別の実施形態によれば、不透明層は、黒色インク層を含む。
【0115】
別の実施形態によれば、不透明層は、カラーフィルタ層の上面に形成される。
【0116】
別の実施形態によれば、不透明層は、カラーフィルタ層の下面に形成される。
【0117】
別の実施形態によれば、カラーフィルタ層は、カラーフィルタガラス基板を含む。
【0118】
以上の説明は、本発明の原理を例示しているにすぎず、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく当業者により種々の変形を実施できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポータブルコンピュータであって、
ヒンジによって結合された上部筐体構造及び下部筐体構造と、
前記上部筐体構造に配置され、カラーフィルタ層、薄膜トランジスタ層及び少なくとも1つの偏光子層を含み、前記偏光子層は、前記偏光子層の一部分を除去することによって形成された開口部を有するディスプレイと、
前記上部筐体構造に配置され、且つ、前記偏光子層の前記開口部を介して光を受光するカメラと、
を備えることを特徴とするポータブルコンピュータ。
【請求項2】
前記開口部は、前記カメラと位置合わせされた円形の開口部を備えることを特徴とする請求項1に記載のポータブルコンピュータ。
【請求項3】
前記ディスプレイは、不活性境界領域に取り囲まれた矩形の活性領域を有し、且つ、前記ディスプレイは、前記不活性境界領域に不透明マスク層を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のポータブルコンピュータ。
【請求項4】
前記不透明マスク層は、前記偏光子層の上面に形成されることを特徴とする請求項3に記載のポータブルコンピュータ。
【請求項5】
前記不透明マスク層は、前記偏光子層の下面に形成されることを特徴とする請求項3に記載のポータブルコンピュータ。
【請求項6】
前記不透明マスク層は、前記カラーフィルタ層の上面に形成されることを特徴とする請求項3に記載のポータブルコンピュータ。
【請求項7】
前記不透明マスク層は、前記カラーフィルタ層の下面に形成されることを特徴とする請求項3に記載のポータブルコンピュータ。
【請求項8】
前記不透明マスク層は、前記偏光子層の前記開口部と位置合わせされた開口部を有することを特徴とする請求項3に記載のポータブルコンピュータ。
【請求項9】
前記不透明マスク層は、前記偏光子層の少なくとも一部を被覆することを特徴とする請求項8に記載のポータブルコンピュータ。
【請求項10】
前記不透明マスク層は、前記偏光子層の上面に形成されることを特徴とする請求項8に記載のポータブルコンピュータ。
【請求項11】
前記不透明マスク層は、前記偏光子層の下面に形成されることを特徴とする請求項8に記載のポータブルコンピュータ。
【請求項12】
前記不透明マスク層は、前記カラーフィルタ層の上面に形成されることを特徴とする請求項8に記載のポータブルコンピュータ。
【請求項13】
前記不透明マスク層は、前記カラーフィルタ層の下面に形成されることを特徴とする請求項8に記載のポータブルコンピュータ。
【請求項14】
前記不透明マスク層は、前記カラーフィルタ層と前記薄膜トランジスタ層との間に挿入されることを特徴とする請求項8に記載のポータブルコンピュータ。
【請求項15】
ポータブルコンピュータであって、
ヒンジによって結合された上部筐体構造及び下部筐体構造と、
前記上部筐体構造に配置され、カラーフィルタ層、薄膜トランジスタ層及び不透明層を含むディスプレイであって、前記不透明層は、前記カラーフィルタ層と前記薄膜トランジスタ層との間に挿入され、前記不透明層は、前記ディスプレイの不活性周辺部分を視界から隠し、前記不透明層は、前記ディスプレイの周囲に沿った境界部に形成され、且つ、前記不透明層は、開口部を有するディスプレイと、
前記上部筐体構造に配置され、且つ、前記開口部を介して光を受光するカメラと、
を備えることを特徴とするポータブルコンピュータ。
【請求項16】
前記不透明層は、黒色インク層を備えることを特徴とする請求項15に記載のポータブルコンピュータ。
【請求項17】
前記不透明層は、前記カラーフィルタ層の上面に形成されることを特徴とする請求項15に記載のポータブルコンピュータ。
【請求項18】
前記不透明層は、前記カラーフィルタ層の下面に形成されることを特徴とする請求項15に記載のポータブルコンピュータ。
【請求項19】
前記カラーフィルタ層は、カラーフィルタガラス基板を備えることを特徴とする請求項15に記載のポータブルコンピュータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−137738(P2012−137738A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−234105(P2011−234105)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(503260918)アップル インコーポレイテッド (568)
【Fターム(参考)】