説明

健康管理情報提供システム

【課題】 利用者が医学的に充分な知識を備えていなくとも、健康診断データを基にして、推奨食材あるいは推奨メニューを提示してくれる健康管理情報提供システムを提供することを目的とする。
【解決手段】 利用者側端末1と、病院、診療所あるいは集中管理センタに設置された管理装置3と、スーパー等8及びレストラン6の情報提供装置とを通信ネットワーク10により接続し、前記管理装置3に、健康状態を記憶した記憶手段と、健康状態分析手段16と健康状態分析データ記憶部17とからなる分析手段3bと、不足栄養成分抽出データ記憶部20と必要カロリー抽出データ記憶部23とからなる抽出手段3cとを設け、情報提供装置に、利用者データ読取手段と食材別あるいはメニュー別栄養データベースと推奨食材選択手段あるいは推奨メニュー選択手段とからなる記憶演算手段と表示手段とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が適切な健康管理の情報を得ることのできる健康管理情報提供システムに係わり、より詳細には、利用者の健康診断データ等に基づいて必要摂取栄養成分、カロリ過不足等を自動的に分析し、スーパーあるいはレストラン等の店舗において、適切な食材あるいはメニュー等を提示できる構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の健康管理及び情報収集システムとして、例えば図7(A)で示すように、記憶手段53と演算手段54と表示手段55等からなる端末装置52をレストランに設置した構成がある。同端末装置52は、利用者が摂取した食事データ、利用者に関する身長、体重等の個人データ及びレストラン側要求データを備えた記憶手段51に接続され、同記憶手段51に蓄えられた各種のデータを読取り、前記記憶手段53の情報ファイルに一時的に格納するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記演算手段54には、栄養データ演算手段、ヘルスデータ演算手段等が備えられ、前記栄養データ演算手段は、前記記憶手段53の情報ファイルに蓄えられた利用者の摂取食事データを基に、カロリー摂取量、栄養成分摂取量等を算出するようになっている。算出された摂取栄養データは、モニターテレビ等からなる前記表示手段55に送出され利用者に開示される一方、図7(B)で示すチェックカード56に記入され、利用者に送付あるいは手渡されるようになっている。
【0004】
しかしながら、過去に摂取した食事に含有されるカロリー摂取量データ及び摂取栄養データ等が提供されても、利用者がこれらに関し医学的に充分な知識を備えていないと有効に活用できない虞があり、又、現在何らかの疾病を診療所、病院等で治療しているような利用者にとっては、専門的な知識がなくとも、必要摂取栄養成分、必要摂取カロリー及びこれらに関わる食材あるいはメニューを事前に提示してくれるような健康管理情報提供システムが求められていた。
【0005】
【特許文献1】特開平8−123856号(4頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑み、一般の利用者あるいは何らかの疾病を診療所、病院等で治療しているような利用者が医学的に充分な知識を備えていなくとも、健康診断データあるいは治療経過記録を基にして、必要摂取栄養成分、過剰栄養成分、不足栄養成分及び必要摂取カロリー等を自動的に算出するとともに、これらの情報を利用者の求めに応じて、店舗あるいはレストランに備えられた情報提供装置に送出し、推奨食材あるいは推奨メニューを事前に提示してくれる健康管理情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するため、利用者の健康情報を記憶させた利用者データベースを設け、医療機関あるいは集中管理センタに設置された管理装置と、前記利用者データベースに基づいて、利用者の健康状態に適合した推奨食材あるいは推奨メニューを情報提示データベースから選択できる選択手段を設けた情報提供装置と、利用者の利用者側端末とを通信ネットワークにより接続した健康管理情報提供システムであって、
利用者からの要求により、前記管理装置から前記通信ネットワークを介して前記利用者データベースに記憶されたデータを前記情報提供装置に読み込み、前記利用者に対し推奨食材あるいは推奨メニューの情報を提供するようにした構成となっている。又、利用者側端末と、管理装置と、情報提供装置とを接続する通信ネットワークと、前記管理装置を構成する、健康診断記録を記憶した記憶手段と、同記憶手段に記憶された健康状態から摂取栄養を分析する分析手段と、同分析手段から抽出したデータを記憶する抽出手段と、前記情報提供装置を構成する、前記抽出手段に記憶されたデータを読取る利用者データ読取手段と、食材毎あるいはメニュー毎の栄養成分を記憶した食材別栄養データベースあるいはメニュー別栄養データベースと、これらから前記利用者データ読取手段に基づいて推奨食材あるいは推奨メニューを選択する選択手段とからなる記憶演算手段と、推奨食材あるいは推奨メニューを利用者に提示する表示手段とから構成となっている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、利用者及び利用者側端末と、病院、診療所等の医療機関あるいは集中管理センターに設置された管理装置と、スーパーあるいはレストラン等の店舗に設置された情報提供装置とを通信ネットワークにより接続し、医療機関の管理装置に、記憶手段と、健康状態分析データと必要栄養成分分析手段とカロリー過不足分析手段とからなる分析手段と、不足栄養成分抽出データと過剰栄養成分抽出データと必要カロリー抽出データとからなる抽出手段とを設け、スーパー等の店舗に設置された情報提供装置に、利用者データ読取手段と食材別栄養データベースと推奨食材選択手段とからなる記憶演算手段と、表示手段とを設けるとともに、レストラン等の店舗に設置された情報提供装置に、利用者データ読取手段とメニュー別栄養データベースと推奨メニュー選択手段とからなる記憶演算手段と、表示手段とを設けることにより、利用者の要求に応じて、利用者に関する不足栄養成分抽出データ、過剰栄養成分抽出データ及び必要カロリー抽出データが、インターネットあるいは専用通信回線等からなる通信ネットワークを介してスーパー等の店舗の情報提供装置に送出され、前記推奨食材選択手段は、送出されたデータを基にして、利用者が摂取すべき栄養成分を含有した食材を適宜選択し、これを表示手段により表示するようになっている。また、レストラン等の店舗では、利用者が摂取すべき栄養成分を含有したメニューを適宜選択して推奨メニューとして表示手段により表示するようになっている。これにより、利用者が医学的な専門知識を持ち合わせていなくとも、健康維持及び健康向上に寄与することのできる健康管理情報提供システムとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として詳細に説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は本発明による健康管理情報提供システムの概念図であり、図2は病院及び診療所等の医療機関に設置された管理装置の構成を示す構成図である。又、図3はスーパー及びレストラン等の店舗に設置された情報提供装置の構成を示す構成図であり、図4はデータベースの構成を示す構成図である。又、図5及び図6は処理手順を示すフローチャートである。
【0011】
本発明による健康管理情報提供システムは、図1で示すように、利用者側端末1と、病院、診療所等の医療機関2あるいは集中管理センタに設置された管理装置3と、病院あるいは診療所に連携する医療関係機関4及びこれに設置された管理装置5と、スーパー等の店舗8及びこれに備えられた情報提供装置9と、レストラン6及びこれに備えられた情報提供装置7とを、インターネットあるいは専用通信回線等の通信ネットワーク10により接続して構成されている。
【0012】
前記医療関係機関4の管理装置5には、図2(A)で示すように、本願による健康管理情報提供システムを契約した、健常な一般の利用者100が受診した健康診断受診記録11と、同健康診断受診記録11に基づいて健康状態を分析したデータを記憶した健康診断データ記憶部12とが設けられ、これらは、利用者100のID入力による要求に応じ、前記通信ネットワーク10を介して病院、診療所等あるいは集中管理センタの管理装置3に備えられた、後述する分析手段3bに送出されるようになっている。尚、上記した利用者100には、健常者あるいは現在何らかの疾病を治療中の利用者等があるが、全て符号は利用者100として説明する。
【0013】
病院、診療所等の医療機関2あるいは集中管理センタに設置された前記管理装置3には、図2(B)で示すように、記憶手段3aと、分析手段3bと、抽出手段3cとからなる利用者データベースが設けられるとともに、図示はされていないが、前記医療関係機関4の管理装置5からの、健常な一般の利用者100に関わる健康情報を前記通信ネットワーク10を介して受信する受信手段と、前記抽出手段3cから前記店舗8に設置された情報提供装置9及びレストラン6に設置された情報提供装置7にインターネットあるいは専用通信回線等の前記通信ネットワーク10を介してデータを送信あるいは受信する送受信手段等が設けられている。
【0014】
前記管理装置3の前記記憶手段3aには、現在入院中の患者の精密健康診断記録とともに、過去に入院した患者及び現在通院中の患者の精密健康診断受診記録13と、この際に行われた問診を記録した問診記録データ記憶部14と、例えば糖尿病、高血圧等の疾病を有する利用者100の治療経過を記録した治療経過記録記憶部15とが設けられており、これらは利用者100が健康管理情報提供システムを契約すれば、健康管理情報として活用されるようになっている。
【0015】
前記管理装置3の前記分析手段3bには、過去に入院歴のある利用者100及び現在通院中の利用者100の前記精密健康診断受診記録13及び前記医療関係機関4から送出された健常な一般の利用者100に関わる健康情報と、前記問診記録データ記憶部14と前記治療経過記録記憶部15とに記憶された夫々のデータを基にして、利用者100の現在の健康状態を分析する健康状態分析手段16と、同健康状態分析手段16により分析されたデータを記憶した健康状態分析データ記憶部17と、同健康状態分析データ記憶部17に記憶されたデータを基にして、利用者100に必要とされる栄養素、例えば炭水化物、タンパク質、脂質、ナトリウム、ビタミンA、ビタミンB等の各種ビタミン、塩分、カルシウム及び食物繊維等の各種栄養素の過剰あるいは不足状態を分析し演算する必要栄養成分分析手段18と、利用者100の摂取カロリーの過不足を分析するカロリー過不足分析手段19とが設けられている。
【0016】
前記管理装置3の前記抽出手段3cには、前記必要栄養成分分析手段18による必要栄養成分分析結果と、前記カロリー過不足分析手段19によるカロリー過不足分析結果とを基にして、後述するID登録を行った利用者100の個人夫々に対応して、上記した炭水化物、タンパク質、脂質、ナトリウム、ビタミンA、ビタミンB等の栄養素中で不足した摂取栄養素を抽出し、これを記憶した書換可能なデータテーブルとしての不足栄養成分抽出データ記憶部20と、過剰に摂取している栄養成分を抽出し、これを記憶した過剰栄養成分抽出データ記憶部21とが設けられるとともに、必要な摂取カロリーを抽出し、これを記憶した必要カロリー抽出データ記憶部23が設けられている。尚、前記不足栄養成分抽出データ記憶部20と前記過剰栄養成分抽出データ記憶部21には、例えば高血圧症の利用者100に対しては、特に塩分摂取量に関してのデータが強調して記録され、又、糖尿病の利用者100に対しては、糖質の摂取量に関してのデータが強調して記録されるというように、疾病の種類によって特に注意を喚起するようになっている。
【0017】
スーパー等の店舗8に設けられた前記情報提供装置9は、図3(A)で示すように、栄養データベースを備えた記憶演算手段9aと、表示手段9bとからなり、前記記憶演算手段9aには、前記管理装置3に設けられた利用者100の前記不足栄養成分抽出データ記憶部20と、過剰栄養成分抽出データ記憶部21と、必要カロリー抽出データ記憶部23とから夫々のデータを要求に応じて読み込み、一時的に記憶する利用者データ読取手段24と、図4(A)で示すように、上記した栄養素、例えば炭水化物、タンパク質、脂質、ナトリウム、ビタミンA、ビタミンB等の各種ビタミン、塩分、カルシウム及び食物繊維等の各種栄養素含有量及びカロリー値を各種食材毎に対応して記憶した、情報提供データベースとしての食材別栄養データベース25と、前記利用者データ読取手段24を基にして、利用者100が摂取すべき栄養素を含有した食材を前記食材別栄養データベース25から適宜選択する推奨食材選択手段26とが設けられている。
【0018】
又、前記表示手段9bには、前記食材別栄養データベース25から選択された食材を店舗内に備えられた表示装置38に表示する推奨食材表示手段27と、選択された食材の総カロリー値を演算して表示するカロリー値表示手段28と、選択された食材の各種栄養素を食材毎、あるいは合計値として表示する栄養成分表示手段29と、各種栄養素に対する説明及び適切な摂取方法等を提供するアドバイス情報表示手段30とが設けられている。
【0019】
前記レストラン6に設けられた前記情報提供装置7は、上記した店舗8の情報提供装置9と同様に、図3(B)で示すように、情報提供データベースとしてのメニュー別栄養データベース32を備えた記憶演算手段7aと、表示手段7bとからなり、前記記憶演算手段7aには、前記管理装置3に記憶された利用者100の前記不足栄養成分抽出データ記憶部20と、過剰栄養成分抽出データ記憶部21と、必要カロリー抽出データ記憶部23とに記憶されたデータを要求に応じて読み込み、一時的に記憶する利用者データ読取手段31と、図4(B)で示すように、上記した栄養素、例えば炭水化物、タンパク質、脂質、ナトリウム、ビタミンA、ビタミンB等の各種ビタミン、塩分、カルシウム及び食物繊維等の各種栄養素含有量及びカロリー値を、レストラン6が提供するメニュー毎に対応して記憶したメニュー別栄養データベース32と、前記利用者データ読取手段31によって読み込まれ、記憶されたデータを基にして、利用者100が摂取すべき栄養素を含有したメニューを前記メニュー別栄養データベース32から適宜選択し、これを推奨メニューとして提供する推奨メニュー選択手段33とが設けられている。
【0020】
又、前記表示手段7bには、前記メニュー別栄養データベース32から選択されたメニューをレストラン内に備えられた表示装置38に表示する推奨メニュー表示手段34と、選択されたメニューの総カロリー値を演算して表示するカロリー値表示手段35と、選択されたメニューに含有される各種栄養素名と、その含有量を表示する栄養成分表示手段36と、各種栄養素に対する説明を提供するアドバイス情報表示手段37とが設けられている。尚、前記食材別栄養データベース25と前記メニュー別栄養データベース32とは直接個々の店舗に設ける必要はなく、チェーン店あるいはフランチャイズ等で展開される店舗では本部に設置し、同本部と夫々の店舗を前記通信ネットワーク10で繋ぐようにしてもよい。
【0021】
又、前記店舗8での、前記推奨食材表示手段27と、前記カロリー値表示手段28と、前記栄養成分表示手段29と、前記アドバイス情報表示手段30とによる各種情報の表示及び前記レストラン6での、前記推奨メニュー表示手段34と、前記カロリー値表示手段35と、前記栄養成分表示手段36と、前記アドバイス情報表示手段37とによる各種情報の表示とは、インターネットあるいは専用通信回線等の前記通信ネットワーク10を介して利用者100が保有するパソコンあるいは携帯端末等に表示することが可能となっている。
【0022】
次に、本システムの運用について、まず利用者100がスーパー等の前記店舗8を利用する場合について図5のフローチャートを用いて改めて説明する。利用者100は予め本システムにおいて利用者用IDの登録による契約を、医療関係者等の承認に基づいて済ませておき、同利用者用IDが利用者から本システムに入力されたら、前記通信ネットワーク10を介した本システム内で各種情報が秘密保持情報として送信あるいは受信されるようになっている。
【0023】
利用者100が利用者IDを入力すると(STEP1)、健常な利用者かどうか判別され(STEP2)、健常な利用者であれば、前記医療関係機関4の前記健康診断データ記憶部12に記憶されたデータが、前記管理装置3に備えられた前記分析手段3bに送出されるようになっている。又、利用者100が、過去に入院歴のある患者及び現在通院中の患者であれば、前記精密健康診断受診記録13、前記問診記録データ記憶部14及び前記治療経過記録記憶部15からデータが前記分析手段3bに送出されるようになっている(STEP3)。
【0024】
健康状態に関するデータが前記分析手段3bに送出されると、医療関係者の確認及び承認に基づいて利用者100の健康状態が分析され、分析されたデータが前記健康状態分析データ記憶部17に格納されるとともに(STEP4)、前記必要栄養成分分析手段18と、カロリー過不足分析手段19とに送出され、前記必要栄養成分分析手段18で必要とされる栄養素が分析され、その必要摂取量が演算される(STEP5)。又、前記カロリー過不足分析手段19により、利用者100の摂取カロリーの過不足が分析されるようになっている(STEP6)。
【0025】
分析されたデータは、続いて前記抽出手段3cに送出され、前記不足栄養成分抽出データ記憶部20に不足した栄養素のデータが記憶されるとともに、前記過剰栄養成分抽出データ記憶部21に過剰に摂取している栄養成分のデータが記憶され、又、前記必要カロリー抽出データ記憶部23に、最低限必要な摂取カロリー量データが記憶されるようになっている(STEP7)。
【0026】
利用者100からデータの送付先店舗が指定されると(STEP8)、データテーブルとして記憶された前記不足栄養成分抽出データ記憶部20、前記過剰栄養成分抽出データ記憶部21及び前記必要カロリー抽出データ記憶部23に記憶された夫々のデータが、インターネットあるいは専用通信回線等からなる前記通信ネットワーク10により、前記病院、診療所あるいは集中管理センターの前記管理装置3から前記店舗8の前記情報提供装置9に送出され、これに備えられた前記利用者データ読取手段24に読取られ、又、一時的に格納されるようになっている(STEP9)。前記推奨食材選択手段26は、格納されたデータを基にして、利用者100が摂取すべき栄養成分を含有した食材を適宜選択する一方、摂取を控えたほうがよい栄養成分を含有した食材を推奨食材から除外するようになっている(STEP10)。
【0027】
摂取すべき栄養成分を含有した食材が選択されると、前記表示手段9bにより、前記表示装置38あるいは前記通信ネットワーク10を介して利用者100の端末に推奨食材が表示されるとともに、そのカロリー値、栄養成分が表示されるようになっている(STEP11)。利用者100が表示された食材に同意すると購入が決定するが、同意しない場合は再度他の推奨食材が選択され、表示されるようになっている(STEP12)。最終的に購入食材が決定されるとアドバイス情報が表示され一連の操作が終了するようになっている。
【0028】
次に、利用者100が前記レストラン6を利用する場合について図6のフローチャートを用いて説明する。図6のフローチャートにおいて(STEP7)までの病院、診療所側での処理手順は上記した例と同等なので説明を省略する。(STEP7)に続いて利用者100からデータの送付先レストラン6が指定されると(STEP8)、前記不足栄養成分抽出データ記憶部20、前記過剰栄養成分抽出データ記憶部21及び前記必要カロリー抽出データ記憶部23に記憶されたデータが、インターネットあるいは専用通信回線等からなる前記通信ネットワーク10により、前記病院、診療所2あるいは集中管理センタの前記管理装置3から前記レストラン6の前記情報提供装置7に送出され、これに備えられた前記利用者データ読取手段31に読取られ、又、一時的に格納されるようになっている(STEP9)。前記推奨メニュー選択手段33は、格納されたデータを基にして、利用者100が摂取すべき栄養成分を含有したメニューを適宜選択する一方、摂取を控えたほうがよい栄養成分を含有したメニューを除外するようになっている(STEP10)。
【0029】
摂取すべき栄養成分を含有したメニューが選択されると、前記表示手段7bにより、前記表示装置38あるいは前記通信ネットワーク10を介して利用者100の端末に推奨メニューが表示されるとともに、そのカロリー値、栄養成分が表示されるようになっている(STEP11)。利用者100が表示されたメニューにオーダーしない場合は再度他の推奨メニューが選択され、表示されるようになっている(STEP12)。最終的なオーダーが決定されると、これに関するアドバイス情報が表示されるようになっている。
【0030】
又、利用者100が摂取した栄養成分は前記管理装置3に新たなデータとして追加することも可能であり、以降の健康管理情報として活用することができる。
【0031】
以上、説明したように、利用者100の健康情報を前記通信ネットワーク10を介して前記店舗8あるいはレストラン6に送出し、これを基にして推奨食材あるいは推奨メニューを提示することにより、医学的な専門知識を利用者100が持ち合わせていなくとも、健康維持に寄与することのできる健康管理情報提供システムとすることができる。又、利用者の健康情報を利用者自身が記憶媒体に保存して所有することも可能であり、この場合は、同記憶媒体を直接店舗に持参し、店舗側端末で読み取らせることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明による健康管理及び通信ネットワークの概念図である。
【図2】(A)は医療関係機関の管理装置の構成を示す構成図である。 (B)は病院、診療所等の医療機関の管理装置の構成を示す構成図である。
【図3】(A)はスーパー等の店舗に備えられた情報提供装置の構成を示す構成図である。 (B)はレストランに備えられた情報提供装置の構成を示す構成図である。
【図4】(A)はスーパー等の情報提供装置に設けられた食材別栄養データベースである。 (B)はレストランの情報提供装置に設けられたメニュー別栄養データベースである。
【図5】利用者が店舗を利用した場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】利用者がレストランを利用した場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】従来例での一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0033】
1 利用者端末
2 医療機関
3 管理装置
3a 記憶手段
3b 分析手段
3c 抽出手段
4 医療関係機関
5 管理装置
6 レストラン
7 情報提供装置
7a 記憶演算手段
7b 表示手段
8 店舗
9 情報提供装置
9a 記憶演算手段
9b 表示手段
10 通信ネットワーク
11 健康診断受診記録
12 健康診断データ記憶部
13 精密健康診断受診記録
14 問診記録データ記憶部
15 治療経過記録データ記憶部
16 健康状態分析手段
17 健康状態分析データ記憶部
18 必要栄養成分分析手段
19 カロリー過不足分析手段
20 不足栄養成分抽出データ記憶部
21 過剰栄養成分抽出データ記憶部
23 必要カロリー抽出データ記憶部
24 利用者データ読取手段
25 食材別栄養データベース
26 推奨食材選択手段
27 推奨食材表示手段
28 カロリー値表示手段
29 栄養成分表示手段
30 アドバイス情報表示手段
31 利用者データ読取手段
32 メニュー別栄養データベース
33 推奨メニュー選択手段
34 推奨メニュー表示手段
35 カロリー値表示手段
36 栄養成分表示手段
37 アドバイス情報表示手段
38 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の健康情報を記憶させた利用者データベースを設け、医療機関あるいは集中管理センタに設置された管理装置と、前記利用者データベースに基づいて、利用者の健康状態に適合した推奨食材あるいは推奨メニューを情報提供データベースから選択できる選択手段を設けた情報提供装置と、利用者の利用者側端末とを通信ネットワークにより接続した健康管理情報提供システムであって、
利用者からの要求により、前記管理装置から前記通信ネットワークを介して前記利用者データベースに記憶されたデータを前記情報提供装置に読み込み、前記利用者に対し推奨食材あるいは推奨メニューの情報を提供するようにしたことを特徴とする健康管理情報提供システム。
【請求項2】
利用者側端末と、管理装置と、情報提供装置とを接続する通信ネットワークと、前記管理装置を構成する、健康診断記録を記憶した記憶手段と、同記憶手段に記憶された健康状態から摂取栄養を分析する分析手段と、同分析手段から抽出したデータを記憶する抽出手段と、前記情報提供装置を構成する、前記抽出手段に記憶されたデータを読取る利用者データ読取手段と、食材毎あるいはメニュー毎の栄養成分を記憶した食材別栄養データベースあるいはメニュー別栄養データベースと、これらから前記利用者データ読取手段に基づいて推奨食材あるいは推奨メニューを選択する選択手段とからなる記憶演算手段と、推奨食材あるいは推奨メニューを利用者に提示する表示手段とからなることを特徴とする健康管理情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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