説明

側溝蓋

【課題】側溝に設置されて使用される際にがたつきや騒音の発生を抑制することができ、且つ設置手間や製造、運搬コストの増大を招かない側溝蓋を提供する。
【解決手段】平面視で矩形状の板状体2と、板状体2に設けられ、側溝又は隣接して配置される板状体2に当接して板状体2を3点で支持する第1乃至第3の支持突起4とを備える。第1の支持突起4は、板状体2の第1の縁部3a側の下面に設けられて側溝に当接する。第2及び第3の支持突起5、6は、板状体2の両縁部の第2の縁部3b側に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路や駐車場等の敷地に設けられる側溝に設置されて使用される側溝蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
道路や駐車場等の敷地に設けられる側溝に設置されて使用される側溝蓋の多くは、平面視で矩形状のものであり、且つその下面には4つの突起が設けられている。これらの側溝蓋は、側溝に対して、実際には面であるが、原理的には4点で支持されるようになっている。
【0003】
このような側溝蓋は、4点支承であるため、側溝又は側溝蓋自身の製造精度や使用を通しての僅かな破損等により、がたつきが発生し易い。がたつきの発生により騒音も発生する。
【0004】
そこで、このようながたつきを抑えるために、3点支承の側溝蓋が特許文献1に提案されている。この側溝蓋は、その形状を平面視で略三角形状或いは台形状としてあり、側溝に対して、実際には面であるが、原理的には3点で支持されるようになっている。この側溝蓋は、3点支承であるため、通常の4点支承の側溝蓋よりもがたつきの発生を抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−327487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の側溝蓋は、3点支承に対応するように、その形状を平面視で略三角形状或いは台形状とすることを必須としている。このため、次のような課題がある。形状が複雑なため、製造コストや運搬コストが上昇する。三角形や台形であるため、長方形の側溝に並べて配置する際、終端部やコーナー部のためだけの形状の側溝蓋も用意する必要があり、それだけ多くの種類の側溝蓋を計画的に揃える必要がある。特に三角形にした場合、通常の矩形状の側溝蓋に比べて大きさが小さくなり、設置枚数が増えるため、設置手間や設置コストが増える。また、小さくなるとそれだけ軽くなるため、跳ね上がりし易くなり、がたつきや騒音が発生し易くなる。通常の矩形状の側溝蓋と組み合わせて使用することができないため、一部側溝蓋が設置されている側溝に対して適用することができない。
【0007】
本発明は、側溝に設置されて使用される際にがたつきや騒音の発生を抑制することができ、且つ設置手間や製造、運搬コストの増大を招かない側溝蓋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態は、側溝に複数枚並べて設置され、両縁が前記側溝に支持される側溝蓋であって、平面視で矩形状の板状体と、前記板状体に設けられ、前記板状体を3点で支持する第1乃至第3の支持突起と、を備え、前記板状体は、両側に隣接して配置される側溝蓋に対向する第1及び第2の側面と、前記側溝に対向して配置される第3及び第4の側面とを有し、前記第1の支持突起は、前記第3の側面側となる前記板状体の第1の縁部側に設けられるとともに、前記板状体の下面に設けられて前記側溝に当接し、前記第2及び第3の支持突起の1つは、前記第4の側面側となる前記板状体の第2の縁部側に設けられるとともに、前記板状体の下面に設けられて前記側溝に当接し、前記第2及び第3の支持突起の残りの1つは、前記側溝及び隣接して配置される側溝蓋のいずれかに当接する側溝蓋であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態に係る側溝蓋は、側溝に設置されて使用される際にがたつきや騒音の発生を抑制することができ、且つ設置手間や製造、運搬コストの増大を招かない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)は本発明の第1実施形態に係る側溝蓋の上面側から見た斜視図であり、(b)は同側溝蓋の下面側から見た斜視図である。
【図2】(a)は図1の側溝蓋の上面図、(b)は図1の側溝蓋の底面図、(c)は側溝の両脇方向側の図1の側溝蓋の側面図、(d)は側溝の長辺方向側の図1の側溝蓋の側面図である。
【図3】図1の側溝蓋が側溝に配置された状態の平面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿って切った断面図である。
【図5】(a)は本発明の第2実施形態に係る側溝蓋の上面側から見た斜視図であり、(b)は同側溝蓋の下面側から見た斜視図である。
【図6】(a)は図5の側溝蓋の上面図、(b)は図5の側溝蓋の底面図、(c)は側溝の両脇方向側の図5の側溝蓋の側面図、(d)は側溝の長辺方向側の図5の側溝蓋の側面図である。
【図7】図5の側溝蓋が側溝に配置された状態の平面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿って切った断面図である。
【図9】(a)は本発明の第3実施形態に係る側溝蓋の上面側から見た斜視図であり、(b)は同側溝蓋の下面側から見た斜視図である。
【図10】(a)は図9の側溝蓋の上面図、(b)は図9の側溝蓋の底面図、(c)は側溝の両脇方向側の図9の側溝蓋の側面図、(d)は側溝の長辺方向側の図9の側溝蓋の側面図である。
【図11】図9の側溝蓋が側溝に配置された状態の平面図である。
【図12】図11のXII−XII線に沿って切った断面図である。
【図13】図11のXIII−XIII線に沿って切った断面図である。
【図14】図11のXIV−XIV線に沿って切った断面図である。
【図15】(a)は本発明の第4実施形態に係る側溝蓋の上面側から見た斜視図であり、(b)は同側溝蓋の下面側から見た斜視図である。
【図16】(a)は図15の側溝蓋の上面図、(b)は図15の側溝蓋の底面図、(c)は側溝の両脇方向側の図15の側溝蓋の側面図、(d)は側溝の長辺方向側の図15の側溝蓋の側面図である。
【図17】図15の側溝蓋が側溝に配置された状態の平面図である。
【図18】図17のXVIII−XVIII線に沿って切った断面図である。
【図19】(a)は本発明の第5実施形態に係る側溝蓋の上面側から見た斜視図であり、(b)は同側溝蓋の下面側から見た斜視図である。
【図20】(a)は図19の側溝蓋の上面図、(b)は図19の側溝蓋の底面図、(c)は側溝の両脇方向側の図19の側溝蓋の側面図、(d)は側溝の長辺方向側の図19の側溝蓋の側面図である。
【図21】図19の側溝蓋が側溝に配置された状態の平面図である。
【図22】図21のXXII−XXII線に沿って切った断面図である。
【図23】本発明の第1実施形態に係る側溝蓋の第1の支持突起の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る側溝蓋1について、図1乃至図4を参照して説明する。図1(a)は側溝蓋1の上面2a側から見た斜視図であり、図1(b)は側溝蓋1の下面2b側から見た斜視図である。図2(a)は側溝蓋1の上面図、図2(b)は側溝蓋1の底面図、図2(c)は側溝100の両脇方向側の側溝蓋1の側面図、図2(d)は側溝100の長辺(排水)方向側の側溝蓋1の側面図である。図3は、側溝蓋1が側溝100に配置された状態の平面図である。図4は、図3のIV−IV線に沿って切った断面図である。
【0013】
側溝蓋1が配置される側溝100は、道路や駐車場等の敷地に設けられる細長い流路である。側溝100は、短辺(両脇)方向に一対の側溝壁101を有し、一対の側溝壁101の内側に受け縁面103が形成されている。
【0014】
側溝蓋1は、側溝100に複数枚並べて設置されて使用される蓋である。側溝蓋1は、図2(a)、(b)に示すように平面視で矩形状の板状体2と、側溝100に対して板状体2を支持するための第1乃至第3の支持突起4、5、6とを備える。板状体2の矩形状の形状は現在広く普及している従来の側溝蓋と同じである。
【0015】
板状体2は、上面2aと、側溝100の受け縁面103側に向けて配置される下面2bと、側溝100の長辺(排水)方向側に向けて配置され上面2a及び下面2bに連続する第1の側面2c及び第2の側面2dと、側溝100の短辺方向側に向けて配置され上面2a及び下面2bに連続する第3の側面2e及び第4の側面2fとを有する。側溝蓋1が側溝100に複数枚配置されたとき、第1の側面2cは隣接する側溝蓋1の第2の側面2dに当接或いは近接して配置され、第2の側面2dは隣接する側溝蓋1の第1の側面2cに当接或いは近接して配置される。側溝蓋1が側溝100に複数枚配置されたとき、第3の側面2e及び第4の側面2fは側溝100の側溝壁101の内側の面に当接或いは近接して配置される。第1の側面2cには、上面2aから下面2bにわたって延在する設置や水抜きのための切り欠き部20が形成されている。なお、切り欠き部20は設けなくてもよく、両側に設けてもよい。板状体2の上面2aは、例えば、平面視で同一の長さの平行な2つの第1の辺と、この2つの第1の辺とともに矩形を形成する同一の長さの平行な2つの第2の辺とを有し、板状体2の下面2bは、同一の長さの平行な2つの第3の辺と、この2つの第3の辺とともに矩形を形成する同一の長さの平行な2つの第4の辺とを有する。このとき、上面2aと下面2bとは面積が異なっていても良い。
【0016】
第1乃至第3の支持突起4、5、6は、板状体2の下面2bに板状体2と一体に形成されており、それぞれ椀状の形状を有している。第1乃至第3の支持突起4、5、6は、板状体2の下面2bからの突出高さがH1となっている。第1の支持突起4は、板状体2の下面2bの両縁部3のうちの第3の側面2e側の第1の縁部3aに配置され、椀状の頂部が側溝100の受け縁面端部102よりも受け縁面103側に位置するように配置されている。また、第1の支持突起4は、平面視で板状体2の第1の側面2cと第2の側面2dとの中間位置に配置されている。第2及び第3の支持突起5、6は、板状体2の下面2bの両縁部3のうちの第4の側面2f側の第2の縁部3aに配置され、椀状の頂部が側溝100の受け縁面端部102よりも受け縁面103側に位置するように配置されている。第2の支持突起5は、平面視で第1の側面2cに接して或いは近接して配置されている。第3の支持突起6は、平面視で第2の側面2dに接して或いは近接して配置されている。
【0017】
上記のような構成により、第1乃至第3の支持突起4、5、6(の頂部)は、三角形状の3支点を形成するようになっている。図4に示すように、これら第1乃至第3の支持突起4、5、6は、面積の狭まった側の3面(3つの頂部)、原理的には3点で側溝100の受け縁面103に当接して板状体2を支持する。
【0018】
本実施形態に係る第1乃至第3の支持突起4、5、6は、椀形状としているが、本発明はこれに限定されず、設置対象の側溝の受け縁面の形状に対応させる等の目的で、適宜の形状とすることができる。ただし、直方体形状の場合と比べた場合には、椀状形状の方が側溝100の受け縁面103に当接する面積が小さくなり、3点支点に近づけるためには有利である。また、第1乃至第3の支持突起4、5、6をコンクリートで作った場合には、直方体よりも椀状の方が欠け難く、耐久性の面で有利である。また、本実施形態に係る第1乃至第3の支持突起4、5、6は、板状体2の下面2bからの突出高さをH1として3つとも同じ高さとしているが、本発明はこれに限定されない。例えば、第2及び第3の支持突起5、6を同じ突出高さに設定し、第1の支持突起4の突出高さだけ異なる高さに設定してもよい。
【0019】
本実施形態に係る板状体2及び第1乃至第3の支持突起4、5、6は、コンクリートで一体的に成形することを想定しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、金属、セラミック、木、樹脂、これらの組み合わせ又はこれらの複合材で作ってもよい。また、本実施形態に係る板状体2は、貫通孔のない塊状の板としているが、貫通孔を複数有する格子状のグレーチングであってもよい。その場合には、第1乃至第3の支持突起4、5、6の材料も適宜選択する。例えば、グレーチングであれば、金属製の第1乃至第3の支持突起4、5、6とする。
【0020】
次に、上記のような構成を持つ側溝蓋1の側溝100への配置について説明する。図3に示すように、側溝蓋1は、側溝100に複数枚並べて設置される。図3では、側溝蓋1の第1の支持突起4が設けられた側を歩道側に配置し、側溝蓋1の第2及び第3の支持突起5、6が設けられた側を車道側に配置している。すなわち、1つの支点が設けられた側を歩道側に配置し、2つの支点が設けられた側を車道側に配置している。図4に示すように、側溝蓋1の第1乃至第3の支持突起4、5、6の頂部は、側溝100の受け縁面103に当接する。このとき、側溝蓋1の板状体2の上面2aは、側溝100の側溝壁101の上面と略同一の高さとなっている。
【0021】
側溝蓋1には、上記のように配置された状態で、図4の紙面上方から下方に向かう方向に、歩行者や自動車等による荷重Pが加わる。側溝蓋2に加わった荷重Pは、隣接する板状体2どうしや板状体2と側溝100との間で伝わっていくものもあるが、主には側溝蓋1の第1乃至第3の支持突起4、5、6から側溝100の受け縁面103に伝わっていく。なお、図中の荷重Pの矢印は、力の方向を示すために記したものであって、図の左右方向の力の加わる位置を特定するために記したものではない。
【0022】
本実施形態に係る側溝蓋1によれば、3つの第1乃至第3の支持突起4、5、6、つまり、3点支承で側溝100に支持されるので側溝100に設置されて使用される際に4点支承による側溝蓋よりもがたつきや騒音の発生を抑制することができ、且つ、平面視矩形状の簡単な形状であるので側溝100への設置の手間、側溝蓋1の製造や運搬コストの大幅な増大を招くことがない。側溝蓋1は平面視矩形状であるため、長方形の側溝100に並べて配置する際、その終端部やコーナー部でも使用可能であり、1種類の側溝蓋1を用意するだけで済む。また、通常の矩形状の側溝蓋と同様の形状なので、通常の矩形状の側溝蓋と比べて設置枚数は同じであり、設置手間や設置コストも同等なものとなる。また、通常の矩形状の側溝蓋と組み合わせて使用することができるため、一部側溝蓋が設置されている側溝に対しても適用することができる。三角形状或いは台形状の側溝蓋よりも形状が簡単なため、製造や運搬コストに関しても通常の矩形状の側溝蓋と同等なものとなる。図3では、一般的に歩道側よりも比較的荷重Pが大きいと考えられる車道側に側溝蓋1の2つの支点(第2及び第3の支持突起5、6)が設けられた側を配置し、一般的に車道側よりも比較的荷重Pが小さいと考えられる歩道側に側溝蓋1の1つの支点(第1の支持突起4)が設けられた側を配置しているので、効率良くがたつき及び騒音の発生を防止することができる。但し、必ずしも図3のように側溝蓋1を配置しなければならない訳ではない。
【0023】
図23は、第1実施形態に係る側溝蓋1の変形例を示す。この変形例に係る側溝蓋1Eは、第1の支持突起4Eが半球状ではなく、細長い形状となっており、この点のみ側溝蓋1と異なる。
【0024】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る側溝蓋1Aについて、図5乃至図8を参照して説明する。第1実施形態に係る側溝蓋1と同様の構成については説明を省略し、異なる構成のみ説明する。また、第1実施形態に係る側溝蓋1と同様の構成については、同様の符号を付している。図5(a)は側溝蓋1Aの上面2a側から見た斜視図であり、図5(b)は側溝蓋1Aの下面2b側から見た斜視図である。図6(a)は側溝蓋1Aの上面図、図6(b)は側溝蓋1Aの底面図、図6(c)は側溝100の両脇方向側の側溝蓋1Aの側面図、図6(d)は側溝100の長辺(排水)方向側の側溝蓋1Aの側面図である。図7は、側溝蓋1Aが側溝100に配置された状態の平面図である。図8は、図7のVIII−VIII線に沿って切った断面図である。
【0025】
第1実施形態に係る側溝蓋1は、板状体2の第1の縁部3aの両端部の上面2a、つまり、第1の支持突起4が設けられた側である第3の側面2eと第1及び第2の側面2c、2dそれぞれとの接線近くの上面2aに荷重Pが加わった場合に一番がたつきが発生し易いと考えられる。本発明の第2実施形態に係る側溝蓋1Aでは、このようながたつきが発生し易い箇所に荷重Pが加わった場合でも、がたつきを最小限に抑えて騒音を発生させない或いは騒音を最小限に抑えるために、板状体2Aの下面2bの第1の支持突起4の両側に、2つの第1及び第2の副支持突起15、16を設けている。側溝蓋1Aは、この点のみが側溝蓋1と異なる。
【0026】
第1及び第2の副支持突起15、16は、第1の支持突起4と同様に椀状の形状を有する。また、第1及び第2の副支持突起15、16は、第1の支持突起4と同様に第1の縁部3a側に設けられ、且つ、第2及び第3の支持突起5、6と同様に第1の側面2c及び第2の側面2d側に設けられている。このとき、平面視で第1の支持突起4の頂部及び第1及び第2の副支持突起15、16のそれぞれの頂部とを結ぶ線が直線状になるように配置してもよい。また、平面視で第2の支持突起5の頂部及び第1の副支持突起15の頂部を結ぶ直線と第3の支持突起6の頂部及び第2の副支持突起16の頂部を結ぶ直線とが平行になるように配置してもよい。なお、側溝蓋1Aの材料や板状体2Aの構造等は、第1実施形態で述べたのと同様に適宜変更可能である。
【0027】
図6(d)及び図8に示すように、第1及び第2の副支持突起15、16(の頂部)は、第1の支持突起4の突起高さH1よりも低い突起高さH2を有する。図8に示すように、側溝蓋1Aに荷重Pが掛かっていない、或いは掛かっていても傾いていない場合には、第1乃至第3の支持突起4、5、6の3点で側溝蓋1Aが側溝100に支持されており、第1及び第2の副支持突起15、16は側溝100に当接せずに浮いた状態となっている。また、図8から分かるように、第1の副支持突起15の上方の上面2aあたりに荷重Pが加わって側溝蓋1Aが傾いた場合、側溝蓋1Aは第1の支持突起4を支点の1つとして傾き、第1の副支持突起15が側溝100の受け縁面103に当接して側溝蓋1Aの傾きが止まる。同様に、第2の副支持突起16の上方の上面2aあたりに荷重Pが加わって側溝蓋1Aが傾く場合、側溝蓋1Aは第1の支持突起4を支点の1つとして傾き、第2の副支持突起16が側溝100の受け縁面103に当接して側溝蓋1Aの傾きが止まる。
【0028】
上記のような構成を持つ側溝蓋1Aの側溝100への配置は、第1実施形態に係る側溝蓋1と同様である。すなわち、図7では、側溝蓋1Aの第1の支持突起4、第1及び第2の副支持突起15、16が設けられた側を歩道側に配置し、側溝蓋1Aの第2及び第3の支持突起5、6が設けられた側を車道側に配置している。
【0029】
本発明の第2実施形態に係る側溝蓋1Aによれば、第1実施形態に係る側溝蓋1と同様の効果を奏することができる。さらに、第2実施形態に係る側溝蓋1Aによれば、第1の支持突起4の突起高さH1よりも低い突起高さH2を有する第1及び第2の副支持突起15、16を下面2bの第1の支持突起4の両側に設けたので、荷重Pが上面2aに加わって側溝蓋1Aが傾いたとしても、その傾き量を最小限に抑えることができ、よって騒音を発生させない或いは騒音を軽減することができる。
【0030】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る側溝蓋1Bについて、図9乃至図14を参照して説明する。第1実施形態に係る側溝蓋1と同様の構成については説明を省略し、異なる構成のみ説明する。また、第1実施形態に係る側溝蓋1と同様の構成については、同様の符号を付している。図9(a)は側溝蓋1Bの上面1a側から見た斜視図であり、図9(b)は側溝蓋1Bの下面2b側から見た斜視図である。図10(a)は側溝蓋1Bの上面図、図10(b)は側溝蓋1Bの底面図、図10(c)は側溝100の両脇方向側の側溝蓋1Bの側面図、図10(d)は側溝100の長辺(排水)方向側の側溝蓋1Bの側面図である。図11は、側溝蓋1Bが側溝100に配置された状態の平面図である。図12は、図11のXII−XII線に沿って切った断面図である。図13は、図11のXIII−XIII線に沿って切った断面図である。図14は、図11のXIV−XIV線に沿って切った断面図である。
【0031】
第1実施形態に係る側溝蓋1は、板状体2の第1の縁部3aの両端部の上面2a、つまり、第1の支持突起4が設けられた側である第3の側面2eと第1及び第2の側面2c、2dそれぞれとの接線近くの上面2aに荷重Pが加わった場合に一番がたつきが発生し易いと考えられる。本発明の第3実施形態に係る側溝蓋1Bでは、このようながたつきが発生し易い箇所に荷重Pが加わった場合でも、がたつきを最小限に抑えて騒音を発生させない或いは騒音を最小限に抑えるために、板状体2Bの第1の側面2c及び第2の側面2dに、複数の側溝蓋1が配置された場合に互いに係合する第1及び第2の側面突起8、9と第1及び第2の側面溝11、12とを設けている。また、側溝蓋1Bは、第3及び第4の側面2e、2fと下面2bとの接線部分が隅取りされた隅取り部13となっている。側溝蓋1Bは、これらの点が側溝蓋1と異なる。
【0032】
第1の側面突起8は、板状体2Bの第1の側面2cの第1縁部3a側に第1の側面2cから突出するように設けられている。第2の側面突起9は、板状体2Bの第2の側面2dの第1縁部3a側に第2の側面2dから突出するように設けられている。第1及び第2の側面突起8、9は、上面2a側が上面2aと同一平面となる平面となっている。また、第1及び第2の側面突起8、9は、第1及び第2の側面2c、2dの視点で下面2b側が下面2b側を向く円弧状の断面形状となっている。
【0033】
第1の側面溝11は、板状体2Bの第1の側面2cの第2縁部3b側に第1の側面2cから窪むように設けられている。第2の側面溝12は、板状体2Bの第2の側面2dの第2縁部3b側に第2の側面2dから窪むように設けられている。また、第1の側面溝11は、上面2a及び第1の側面2cの向く方向に開放されており、下面2b側は閉じて上面2cと同じ方向を向く第1の溝底面11aとなっている。同様に、第2の側面溝12は、上面2a及び第2の側面2dの向く方向に開放されており、下面2b側は閉じて上面2cと同じ方向を向く第2の溝底面12aとなっている。
【0034】
第1の側面溝11には、隣接して配置される側溝蓋1Bの第1の側面突起8が係合される。第2の側面溝12には、隣接して配置される側溝蓋1Bの第2の側面突起9が係合される。そのため、第1の側面溝11は、第1の側面突起8を収容可能な大きさの空間を画成するように形成され、同様に、第2の側面溝12は、第2の側面突起9を収容可能な大きさの空間を画成するように形成されている。第1の側面突起8と第1の側面溝11とは、平面視(上面2aからの視点)で両縁部3間(第1の縁部3aと第2の縁部3bとの間)の中央を通る中央線L1を挟んで対称となる位置に配置されている。同様に、第2の側面突起9と第2の側面溝12とは、平面視で中央線L1を挟んで対称となる位置に配置されている。また、第1の側面突起8の円弧状の頂部と第1の側面溝11の第1の溝底面11aとは、第1の側面2cの視点でほぼ同じ高さに位置し、同様に、第2の側面突起9の円弧状の頂部と第2の側面溝12の第2の溝底面12aとは、第2の側面2dの視点でほぼ同じ高さに位置する。このような構成により、側溝蓋1Bが複数枚並べて配置された際、第1の側面突起8が隣接する側溝蓋1Bの第1の側面溝11にその円弧状の頂部が第1の溝底面11aに当接した状態或いは近接した状態で収容され、同様に、第2の側面突起9が隣接する側溝蓋1Bの第2の側面溝12にその円弧状の頂部が第2の溝底面12aに当接した状態或いは近接した状態で収容されるようになっている。
【0035】
本実施形態では、第1及び第2の溝底面11a、12aは、それぞれ平面視で第2及び第3の支持突起5、6の頂部(側溝100の受け縁面103と接する部分)に少なくとも重畳する位置に配置されている。第1及び第2の側面突起8、9は、対応する第1及び第2の側面溝11、12に収容されたときに、それぞれ平面視で第2及び第3の支持突起5、6の頂部(側溝100の受け縁面103と接する部分)に少なくとも重畳する突出高さを有する。なお、第1及び第2の溝底面11a、12aと第2及び第3の支持突起5、6とは、平面視で重畳していなくてもよい。また、第1及び第2の側面突起8、9と第2及び第3の支持突起5、6とは、平面視で重畳していなくてもよい。また、第1及び第2の側面突起8、9は、第3の側面2eと段差なしに連続的に設けてもよく、第1及び第2の側面溝11、12も、上面2a、第1の側面2c、第4の側面2f側が開放されるように設けてもよい。また、側溝蓋1Bの材料や板状体2Bの構造等は、第1実施形態で述べたのと同様に適宜変更可能である。
【0036】
上記のような構成を持つ側溝蓋1Bの側溝100への配置は、図11に示すように、1点支点(支持突起4)側と2点支点(支持突起5、6)側とを交互に並べる。すなわち、第1乃至第3の側溝蓋1Bを配置する場合、第2の側溝蓋1Bの第1の側面2cと第1の側溝蓋1Bの第1の側面2cとが対向し、また、第2の側溝蓋1Bの第2の側面2dと第3の側溝蓋1Bの第2の側面2dとが対向するように並べる。
【0037】
配置の仕方としては、例えば、既に配置された第1の側溝蓋1Bに第2の側溝蓋1Bを横からスライドさせて両者を噛み合わせる。また、既に配置されている第1及び第3の側溝蓋1Bの間に第2の側溝蓋1Bを配置する場合、第2の側溝蓋1Bを傾けた状態で、第1の側溝蓋1Bの第1の側面突起8又は第2の側面突起9に第2の側溝蓋1Bの第1の側面溝11又は第2の側面溝12を入れ込んで、第1の側面突起8又は第2の側面突起9を軸として第2の側溝蓋1Bを寝かせるように回転させて、第2の側溝蓋1Bの第2の側面突起9又は第1の側面突起8を第1の側溝蓋1Bの第2の側面溝12又は第1の側面溝11に入れ込む。隅取り部13が設けられているので回転させ易く、破損し難くい。配置の際、切り欠き部20があればこれを利用したり、専用の設置具や取り外し具を用いてもよい。取り外しの際は、上記の逆を行う。第1実施形態でも述べたように、切り欠き部20の有無や個数、設ける側は適宜選択可能である。ただし、状況によっては配置や取り外しの際に、切り欠き部20があった方が便利かも知れない。
【0038】
側溝蓋1Bを側溝100のコーナー部や端部に設置する場合には、その片方の側面突起8又は9を切断して使用すればよい。もちろん、片方の側面突起8又は9を形成していない側溝蓋を製造して予め用意しておいてもよい。
【0039】
図12に示すように、本実施形態では、側溝蓋1Bが側溝100に配置された場合、側面視(第1の側面2cの視点)で第2の支持突起5と第1の側面突起8とが一直線上に並ぶように配置される。また、第2の支持突起5の頂部(側溝100の受け縁面103との接点)と第1の側面突起8の頂部(第1の溝底面11aとの接点)とが一直線上に並ぶように配置される。第3の支持突起6と第2の側面突起9についても同様の関係となっている。図13に示すように、図中左の第1の側溝蓋1Bの第1の側面突起8(の頂部)と図中右の第3の側溝蓋1Bの第2の側面突起9(の頂部)とが、図中真ん中の第2の側溝蓋1Bの第1及び第2の溝底面11a、12aにそれぞれ当接している。図14に示すように、図中真ん中の第2の側溝蓋1Bの第1及び第2の側面突起8、9(の頂部)が、図中右の第1の側溝蓋1Bの第1の溝底面11a及び図中左の第3の側溝蓋1Bの第2の溝底面12aにそれぞれ当接している。このように、第2の側溝蓋1Bは、側溝100に対して3点で支承され、且つ、隣合う第1及び第2の側溝蓋1Bに対して2点で支承される。
【0040】
図13から分かるように、第1の側溝蓋1Bの第1の支持突起4と第2の側溝蓋1Bの第2の支持突起5との間の第1の側溝蓋1Bの上面2aに荷重Pが加わった場合、第1の側溝蓋1Bの第1の側面突起8と第2の側溝蓋1Bの第1の溝底面11aとはほぼ密接しているので、第1の側溝蓋1Bは傾かない、或いは傾いたとしてもほんの僅かとなる。同様に、第3の側溝蓋1Bの第1の支持突起4と第2の側溝蓋1Bの第3の支持突起6との間の第3の側溝蓋1Bの上面2aに荷重Pが加わった場合、第3の側溝蓋1Bの第2の側面突起9と第2の側溝蓋1Bの第2の溝底面12aとはほぼ密接しているので、第3の側溝蓋1Bは傾かない、或いは傾いたとしてもほんの僅かとなる。
【0041】
図14から分かるように、第1の側溝蓋1Bの第2の支持突起5と第2の側溝蓋1Bの第1の支持突起4との間の第2の側溝蓋1Bの上面2aに荷重Pが加わった場合、第1の側溝蓋1Bの第1の溝底面11aと第2の側溝蓋1Bの第1の側面突起8とはほぼ密接しているので、第2の側溝蓋1Bは傾かない、或いは傾いたとしてもほんの僅かとなる。同様に、第3の側溝蓋1Bの第3の支持突起6と第2の側溝蓋1Bの第1の支持突起4との間の第2の側溝蓋1Bの上面2aに荷重Pが加わった場合、第3の側溝蓋1Bの第2の溝底面12aと第2の側溝蓋1Bの第2の側面突起9とはほぼ密接しているので、第2の側溝蓋1Bは傾かない、或いは傾いたとしてもほんの僅かとなる。
【0042】
本発明の第3実施形態に係る側溝蓋1Bによれば、第1実施形態に係る側溝蓋1と同様の効果を奏することができる。さらに、第3実施形態に係る側溝蓋1Bによれば、側溝100に対して3点で支承され、この3点支承を補うように隣合う側溝蓋1Bに対して2点で支承されるので、側溝蓋1Bの上面2aのどこに荷重Pが掛かっても側溝蓋1Bは傾かない、或いは傾いたとしてもほんの僅かとなる。したがって、側溝蓋1Bは、非常にがたつき難く、騒音も発生し難い。特に、第1実施形態に係る側溝蓋1は、板状体2の第1の縁部3aの両端部の上面2aに荷重Pが加わった場合に一番がたつきが発生し易いと考えられるが、第3実施形態に係る側溝蓋1Bであれば、このようながたつきが発生し易い箇所に荷重Pが加わったとしてもがたつかない。
【0043】
第3実施形態に係る側溝蓋1Bでは、図12乃至図14に示すように、第1及び第2の側面突起8、9が平面視で第2及び第3の支持突起5、6の頂部に重畳するようにして、荷重Pが掛かったときに力が第1及び第2の側面突起8、9から第2及び第3の支持突起5、6、そして側溝100の受け縁面103に直線的に掛かるようになっている。しかしながら、第1及び第2の側面突起8、9を平面視で第2及び第3の支持突起5、6の頂部に重畳させなくてもよい。この場合でも、平面視で両者をある程度近接して配置すれば、かなりのがたつきを抑えることができる。
【0044】
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態に係る側溝蓋1Cについて、図15乃至図18を参照して説明する。第1実施形態に係る側溝蓋1と同様の構成については説明を省略し、異なる構成のみ説明する。また、第1実施形態に係る側溝蓋1と同様の構成については、同様の符号を付している。図15(a)は側溝蓋1Cの上面1a側から見た斜視図であり、図15(b)は側溝蓋1Cの下面2b側から見た斜視図である。図16(a)は側溝蓋1Cの上面図、図16(b)は側溝蓋1Cの底面図、図16(c)は側溝100の両脇方向側の側溝蓋1Cの側面図、図16(d)は側溝100の長辺(排水)方向側の側溝蓋1Cの側面図である。図17は、側溝蓋1Cが側溝100に配置された状態の平面図である。図18は、図17のXVII−XVII線に沿って切った断面図である。
【0045】
第1実施形態に係る側溝蓋1では、板状体2の下面2bに3つの第1乃至第3の支持突起4乃至6が設けられており、3つの第1乃至第3の支持突起4乃至6全てが側溝100の受け縁面103と接して側溝蓋1を支持するようになっている。第4実施形態に係る側溝蓋1Cでは、第1乃至第3の支持突起4乃至6のうちの1つを省略し、その代わりに板状体2Cの側面に隣接する側溝蓋1Cに支持される部分を設けた。つまり、第4実施形態に係る側溝蓋1Cは、側溝100の受け縁面103に接する2つの支持点と、隣接する側溝蓋1に接する1つの支持点を有し、3点にて支持されるようになっている。具体的な構成を以下に説明する。
【0046】
側溝蓋1Cは、板状体2Cの第1の側面2cの第2縁部3b側に第1の側面2cから突出するように設けられた側面突起30を備える。側面突起30は、下面2b側が下面2bと同一平面となる平面となっている。また、側面突起30は、上面2aと下面2bとの間に位置し、上面2a側を向く上面2aと平行な平面である突起上面30aを有する。
【0047】
側溝蓋1Cは、板状体2Cの第2の側面2dの第2縁部3b側に第2の側面2dから窪むように設けられた側面溝31を備える。側面溝31は、下面2b、第2の側面2d、第4の側面2fの向く方向に開放されており、上面2a側は閉じて下面2bと同じ方向を向く平面である溝底面31aとなっている。
【0048】
第2の支持突起5は、側面突起30の下面2b側の下面に設けられている。第3の支持突起6は、設けられていない。本実施形態では、第2の支持突起5と側面突起30とは、平面視で互いに重畳する位置に配置されている。但し、これに限定されず、支持突起5と側面突起30とは、平面視で互いに重畳していなくてもよい。
【0049】
側面溝31には、隣接して配置される側溝蓋1Cの側面突起30が係合される。そのため、側面溝31は、側面突起30を収容可能な大きさの空間を画成するように形成されている。側面突起30と側面溝31とは、側溝蓋1Cが隣接して配置された場合に、互いに係合するような位置に配置されている。側面突起30の突起上面30aと側面溝31の溝底面31aとは、第4の側面2fの視点でほぼ同じ高さに位置する。このような構成により、側溝蓋1Cが複数枚並べて配置された際、側面突起30が隣接する側溝蓋1Cの側面溝31に、その突起上面30aが溝底面31aに当接した状態で収容されるようになっている。このように、側面溝31(溝底面31a)は、側溝蓋1Cを支持する支点の1つとしての役割を担い、第1及び第2の支持突起4、5とともに、3点支承を形成する。側面溝31が、省略した第3の支持突起6の役割を担っていると言える。
【0050】
上記のような構成を持つ側溝蓋1Cの側溝100への配置は、第1実施形態に係る側溝蓋1と同様である。すなわち、図17では、側溝蓋1Cの第1の支持突起4が設けられた側を歩道側に配置し、側溝蓋1Cの第2の支持突起5が設けられた側を車道側に配置している。配置の仕方としては、例えば、既に配置された第1の側溝蓋1Cに第2の側溝蓋1Cを上から設置、或いは横からスライドさせて両者を噛み合わせる。側溝蓋1Cを側溝100のコーナー部や端部に設置する場合には、その側面突起30を切断して使用すればよい。もちろん、その側面突起30を形成していない側溝蓋を製造して予め用意しておいてもよい。
【0051】
図18に示すように、図中真ん中の第1の側溝蓋1Cの側面溝31の溝底面31aが、図中右の第2の側溝蓋1Cの側面突起30の突起上面30aに当接している。このように、第1の側溝蓋1Cは、第1の側溝蓋1Cの第1及び第2の支持突起4、5により側溝100に対して2点で支承され、且つ、第1の側溝蓋1Cの側面溝31の溝底面31aにより隣合う第2の側溝蓋1Cに対して1点で支承される。したがって、第1の側溝蓋1Cは、外部に対して3点で支承されることになる。
【0052】
本発明の第4実施形態に係る側溝蓋1Cによれば、第1実施形態に係る側溝蓋1と同様の効果を奏することができる。
【0053】
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態に係る側溝蓋1Dについて、図19乃至図22を参照して説明する。第1実施形態に係る側溝蓋1と同様の構成については説明を省略し、異なる構成のみ説明する。また、第1実施形態に係る側溝蓋1と同様の構成については、同様の符号を付している。図19(a)は側溝蓋1Dの上面1a側から見た斜視図であり、図19(b)は側溝蓋1Dの下面2b側から見た斜視図である。図20(a)は側溝蓋1Dの上面図、図20(b)は側溝蓋1Dの底面図、図20(c)は側溝100の両脇方向側の側溝蓋1Dの側面図、図20(d)は側溝100の長辺(排水)方向側の側溝蓋1Dの側面図である。図21は、側溝蓋1Dが側溝100に配置された状態の平面図である。図22は、図21のXXII−XXII線に沿って切った断面図である。
【0054】
第1実施形態に係る側溝蓋1では、板状体2の下面2bに3つの第1乃至第3の支持突起4乃至6が設けられており、3つの第1乃至第3の支持突起4乃至6全てが側溝100の受け縁面103と接して側溝蓋1を支持するようになっている。第5実施形態に係る側溝蓋1Dでは、第1乃至第3の支持突起4乃至6のうちの1つを省略し、その代わりに板状体2Dの側面に隣接する側溝蓋1Dに支持される部分を設けた。つまり、第5実施形態に係る側溝蓋1Dは、側溝100の受け縁面103に接する2つの支持点と、隣接する側溝蓋1Dに接する1つの支持点を有し、3点にて支持されるようになっている。具体的な構成を以下に説明する。
【0055】
側溝蓋1Dは、板状体2Dの第1の側面2cの第2縁部3b側に第1の側面2cから突出するように設けられた側面突起32を備える。側面突起32は、第1の側面2cの視点で下面2b側が下面2b側を向く円弧状の断面形状となっており、また、第4の側面2fの視点で下面2b側に下面2b側を向く半円弧状の断面形状を含んでいる。側面突起32は、上面2a側が上面2aと同一平面となる平面となっており、第1の側面2cから離れた側の端部は円弧形状となっている。また、側面突起32は、上面2aと下面2bとの間に位置し、下面2b側を向く突起下端32aを有する。
【0056】
側溝蓋1Dは、板状体2Dの第2の側面2dの第2縁部3b側に第2の側面2dから窪むように設けられた側面溝33を備える。側面溝33は、上面2a、第2の側面2dの向く方向に開放されており、下面2b側は閉じて上面2aと同じ方向を向く平面である溝底面33aとなっている。
【0057】
第1の支持突起4は、第3の支持突起6と同様に、第2の側面2d側に寄せた位置で下面2bに設けられている。第2の支持突起5は、設けられていない。
【0058】
側面溝33には、隣接して配置される側溝蓋1Dの側面突起32が係合される。そのため、側面溝33は、側面突起32を収容可能な大きさの空間を画成するように形成されている。側面突起32と側面溝33とは、側溝蓋1Dが隣接して配置された場合に、互いに係合するような位置に配置されている。側面突起32の突起下端32aと側面溝33の溝底面33aとは、第4の側面2fの視点でほぼ同じ高さに位置する。このような構成により、側溝蓋1Dが複数枚並べて配置された際、側面突起32が隣接する側溝蓋1Dの側面溝33に、その突起下端32aが溝底面33aに当接した状態で収容されるようになっている。このように、側面突起32(突起下端32a)は、側溝蓋1Dを支持する支点の1つとしての役割を担い、第1及び第3の支持突起4、6とともに、3点支承を形成する。側面突起32が、省略した第2の支持突起5の役割を担っていると言える。
【0059】
上記のような構成を持つ側溝蓋1Dの側溝100への配置は、第1実施形態に係る側溝蓋1と同様である。すなわち、図21では、側溝蓋1Dの第1の支持突起4が設けられた側を歩道側に配置し、側溝蓋1Dの第3の支持突起6が設けられた側を車道側に配置している。配置の仕方としては、例えば、既に配置された第1の側溝蓋1Dに第2の側溝蓋1Dを上から設置、或いは横からスライドさせて両者を噛み合わせる。側溝蓋1Dを側溝100のコーナー部や端部に設置する場合には、その側面突起32を切断して使用すればよい。もちろん、その側面突起32を形成していない側溝蓋を製造して予め用意しておいてもよい。
【0060】
図22に示すように、図中真ん中の第2の側溝蓋1Dの側面突起32の突起下端32aが、図中左の第1の側溝蓋1Dの側面溝33の溝底面33aに当接している。このように、第2の側溝蓋1Dは、第2の側溝蓋1Dの第1及び第3の支持突起4、6により側溝100に対して2点で支承され、且つ、第2の側溝蓋1Dの側面突起32の突起下端32aにより隣合う第1の側溝蓋1Dに対して1点で支承される。したがって、第2の側溝蓋1Dは、外部に対して3点で支承されることになる。
【0061】
本発明の第5実施形態に係る側溝蓋1Dによれば、第1実施形態に係る側溝蓋1と同様の効果を奏することができる。
【0062】
なお、第1乃至第3の支持突起4乃至6、側面突起30、32、側面溝31、33の側溝蓋1、1A、1B、1C、1Dに対する位置及び形状、大きさは、側溝蓋1、1A、1B、1C、1Dが外部に対して実質的に3点で支承されるようになっていればよく、上記実施形態に限定されない。
【0063】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0064】
1、1A、1B、1C、1D、1E 側溝蓋
2、2A、2B、2C、2D 板状体
2a 上面
2b 下面
2c 第1の側面
2d 第2の側面
2e 第3の側面
2f 第4の側面
3 両縁部
3a 第1の縁部
3b 第2の縁部
4、4E 第1の支持突起
5 第2の支持突起
6 第3の支持突起
8 第1の側面突起
9 第2の側面突起
11 第1の側面溝
11a 第1の溝底面
12 第2の側面溝
12a 第2の溝底面
13 隅取り部
15 第1の副支持突起
16 第2の副支持突起
20 切り欠き部
30 側面突起
30a 突起上面
31 側面溝(第3の支持突起6に相当)
31a 溝底面
32 側面突起(第2の支持突起5に相当)
32a 突起下端
33 側面溝
33a 溝底面
100 側溝
101 側溝壁
102 受け縁面端部
103 受け縁面
H1、H2 突出高さ
L1 中央線
P 荷重

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側溝に複数枚並べて設置され、両縁が前記側溝に支持される側溝蓋であって、
平面視で矩形状の板状体と、
前記板状体に設けられ、前記板状体を3点で支持する第1乃至第3の支持突起と、を備え、
前記板状体は、両側に隣接して配置される側溝蓋に対向する第1及び第2の側面と、前記側溝に対向して配置される第3及び第4の側面とを有し、
前記第1の支持突起は、前記第3の側面側となる前記板状体の第1の縁部側に設けられるとともに、前記板状体の下面に設けられて前記側溝に当接し、
前記第2及び第3の支持突起の1つは、前記第4の側面側となる前記板状体の第2の縁部側に設けられるとともに、前記板状体の下面に設けられて前記側溝に当接し、
前記第2及び第3の支持突起の残りの1つは、前記側溝及び隣接して配置される側溝蓋のいずれかに当接する
側溝蓋。
【請求項2】
前記第1の支持突起は、平面視で前記第1及び第2の側面の間の中央に配置された
請求項1に記載の側溝蓋。
【請求項3】
前記第2及び第3の支持突起の残りの1つは、前記第2の縁部側に設けられるとともに、前記板状体の下面に設けられた
請求項1又は2に記載の側溝蓋。
【請求項4】
前記第2及び第3の支持突起は、それぞれ平面視で前記第1及び第2の側面に接して或いは前記第1及び第2の側面の近傍に配置された
請求項1乃至3のいずれかに記載の側溝蓋。
【請求項5】
前記第1の側面に、前記第1の側面から突出する第1の側面突起と、前記第1の側面突起を収容可能な大きさの空間を画成する前記板状体の上面に開いた第1の側面溝とが設けられ、
前記第2の側面に、前記第2の側面から突出する第2の側面突起と、前記第2の側面突起を収容可能な大きさの空間を画成する前記板状体の上面に開いた第2の側面溝とが設けられ、
前記第1の支持突起、前記第1及び第2の側面突起は、前記第1の縁部側に設けられ、
前記第2及び第3の支持突起、前記第1及び第2の側面溝は、前記第2の縁部側に設けられ、
前記第1の側面突起と前記第1の側面溝とは、平面視で前記第3及び第4の側面間の中央を通る中央線を挟んで対称となる位置に配置され、
前記第2の側面突起と前記第2の側面溝とは、前記中央線を挟んで対称となる位置に配置され、
前記第1及び第2の側面溝は、それぞれ前記板状体の上面と同じ向きの第1及び第2の溝底面を有する
請求項1乃至4のいずれかに記載の側溝蓋。
【請求項6】
前記第1及び第2の溝底面は、それぞれ平面視で前記第2及び第3の支持突起に重畳する位置に配置され、
前記第1及び第2の側面突起は、隣接して配置される側溝蓋の対応する前記第1及び第2の側面溝に収容されたときにそれぞれ平面視で前記第2及び第3の支持突起に重畳する突出高さを有する
請求項5に記載の側溝蓋。
【請求項7】
前記板状体の下面の前記両縁部の端部は、隅取りされた
請求項5または6に記載の側溝蓋。
【請求項8】
前記第1及び第2の側面突起は、前記第1及び第2の側面視で前記板状体の下面側を向く円弧状の断面形状を有する
請求項5乃至7のいずれかに記載の側溝蓋。
【請求項9】
前記板状体が前記側溝に対して傾いたときに前記側溝に当接して前記板状体を支持する第1及び第2の副支持突起をさらに備え、
前記第1及び第2の副支持突起は、
前記第1の縁部側に設けられ、
それぞれ平面視で前記第1及び第2の側面に接して或いは前記第1及び第2の側面の近傍に配置され、
最下端部が、前記第3の側面視で前記第1の支持突起の最下端部よりも前記側溝から離れている
請求項1乃至4のいずれかに記載の側溝蓋。
【請求項10】
前記第1の副支持突起、前記第2の副支持突起、前記第1の支持突起は、平面視で直線状に配置された
請求項9に記載の側溝蓋。
【請求項11】
前記第1の側面に、前記第1の側面から突出する側面突起が設けられ、
前記第2の側面に、前記側面突起を収容可能な大きさの空間を画成する前記板状体の下面に開いた側面溝が設けられ、
前記側面突起は、前記第4の側面視で前記板状体の上面及び下面の間に位置し、前記板状体の上面と同じ向きの突起上面を有し、
前記側面溝は、前記第4の側面視で前記板状体の上面及び下面の間に位置し、前記板状体の下面と同じ向きの溝底面を有し、
前記側面突起、前記側面溝、前記第2の支持突起は、前記第2の縁部側に設けられ、
前記側面突起と前記側面溝とは、平面視で前記第1及び第2の側面間の中央を通る中央線を挟んで対称となる位置に配置され、
前記側面溝の溝底面は、隣接して配置される側溝蓋の前記側面突起の前記突起上面に当接する
請求項1又は2に記載の側溝蓋。
【請求項12】
前記第2の支持突起は、前記側面突起の下面に設けられた
請求項11に記載の側溝蓋。
【請求項13】
前記第1の側面に、前記第1の側面から突出する側面突起が設けられ、
前記第2の側面に、前記側面突起を収容可能な大きさの空間を画成する前記板状体の上面に開いた側面溝が設けられ、
前記側面突起は、前記第4の側面視で前記板状体の上面及び下面の間に位置し、前記板状体の下面側を向く突起下端を有し、
前記側面溝は、前記第4の側面視で前記板状体の上面及び下面の間に位置し、前記板状体の上面と同じ向きの溝底面を有し、
前記側面突起、前記側面溝、前記第3の支持突起は、前記第2の縁部側に設けられ、
前記側面突起と前記側面溝とは、平面視で前記第1及び第2の側面間の中央を通る中央線を挟んで対称となる位置に配置され、
前記第1の支持突起は、平面視で前記第2の側面に接して或いは前記第2の側面の近傍に配置され、
前記側面突起の前記突起下端は、隣接して配置される側溝蓋の前記側面溝の溝底面に当接する
請求項1に記載の側溝蓋。
【請求項14】
前記側面突起は、前記第1の側面視で前記板状体の下面側を向く円弧状の断面形状を含む
請求項13に記載の側溝蓋。
【請求項15】
前記第1の支持突起は、平面視で細長形状を有する
請求項1乃至14のいずれかに記載の側溝蓋。
【請求項16】
前記板状体の上面は、同一の長さの平行な2つの第1の辺と、前記2つの第1の辺とともに矩形を形成する同一の長さの平行な2つの第2の辺とを有し、
前記板状体の下面は、同一の長さの平行な2つの第3の辺と、前記2つの第3の辺とともに矩形を形成する同一の長さの平行な2つの第4の辺とを有する
請求項1乃至15のいずれかに記載の側溝蓋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−53452(P2013−53452A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192280(P2011−192280)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(511074578)フリージアハウス株式会社 (5)
【Fターム(参考)】