説明

偽造防止シート

【課題】簡易な方法で真偽の判断ができる偽造防止シートを提供する。
【解決手段】本発明の偽造防止シート10には、合成繊維製の蛍光繊維13であって、長さが相違するものが2種類以上抄きこまれている。偽造防止シート10に抄きこまれている蛍光繊維13の種類および配合割合は、製造者によって偽造防止シート10の固有情報として記録され、この固有情報との照合により真偽の判別が可能とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偽造防止シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コピー機などにより複写偽造したものを、真正なものと判別可能とするために、特殊なインキを使用して印刷を施した偽造防止シートが知られている。
しかし、このようなタイプの偽造防止シートでは、使用されているインキや印刷技術が特定され易く、模倣や偽造が容易であるという問題があった。
そこで、この問題を解決するものとして、例えば、特許文献1に記載の偽造防止シートが提案されている。
【0003】
このシートは、記番号などの個別情報と、この個別情報とは相関性がなく、かつ製造過程で繊維などを混入することにより付与される偶発的情報とを備えることから、同じ情報を備えるシートが2つと存在しない。したがって、特許文献1に記載の発明によれば、模倣や偽造は困難である。
【特許文献1】特開2002−83274公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のシートは、個別情報と、この個別情報とは相関性がない偶発的情報とを備えることから、シートごとに付与されている個別情報と偶発的情報の分析・調査を行い、偶発的情報と個別情報との対応リストを作成することが真偽判別の前提となる。
【0005】
この偶発的情報は、目視によっては識別不可能であり、かつ、個別情報とは相関性なく種々の手段によって付与されるので、製造者でも情報の制御ができない。したがって、特許文献1に記載のシートにおいては、種々の偶発的情報を読み取り可能な機器などを用いて、シートごとに詳細な分析をする必要がある。
【0006】
そして、対象となるシートと対応リストとの照合の際には、対象となるシートの情報を読み取って対応リストとして記録されている膨大な数のデータと照合する必要があるため、照合にも特別な機器やシステムなどを必要とする。
以上より、特許文献1に記載の発明によれば、真偽の判断を行うのに手間やコストがかかるという問題があった。
【0007】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、手間やコストをかけずに簡易な方法で真偽の判断ができる偽造防止シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、合成繊維製の蛍光繊維が2種類以上抄きこまれている偽造防止シートであって、前記蛍光繊維は、長さが相違する2種類以上の蛍光繊維であり、前記蛍光繊維の種類および配合割合は、製造者によって前記偽造防止シートの固有情報として記録され、前記固有情報との照合により真偽の判別が可能とされることを特徴とする偽造防止シートである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の偽造防止シート(以下、「本発明のシート」ともいう)には、合成繊維製の蛍光繊維であって長さの相違するものが2種類以上抄きこまれている。すなわち、本発明のシートに抄きこまれている蛍光繊維は、可視光では視認できないうえに、2種類以上用いられているから、模倣や偽造が困難である。
【0010】
本発明のシートに抄きこまれている蛍光繊維としては、長さの相違するものを2種類以上組み合わせればよく、多種類の蛍光繊維を必要としないから、コストが低減できる。なお、本発明のシートに抄きこまれる蛍光繊維として、長さと、紫外線照射により発色する色調とが異なるものを多種類組み合わせると、より模倣や偽造を困難とすることができる。
【0011】
本発明のシートの真偽を判断するにあたっては、シートに抄きこまれている蛍光繊維の種類および配合割合を、製造者によって、シートの固有情報として記録しておく必要があるが、蛍光繊維の種類と配合割合は、例えばブラックライトなどのように容易に入手できる機器で分析することができる。
【0012】
なお、本発明のシートについては、分析の精度を高めるために、紫外線蛍光発光を読み取り可能なセンサと紫外線光源とを備えた装置などを用いた分析を行うこともできる。
【0013】
また、シートに付与されている固有情報は、同じロットのものであれば、高い確率で同じであるから、特殊な機器を用いてシート1枚ごとに固有情報を分析する必要はない。したがって、本発明によれば、シートを分析して固有情報を記録するのに手間がかからない。
【0014】
そして、真偽の判別の際には、判別対象となるシートに、例えばブラックライトなどを照射して、抄きこまれている蛍光繊維の種類および配合割合などを調べて、前記の固有情報と照合すれば真偽の判別ができる。
以上より、本発明によれば、簡易な方法で真偽の判断ができる偽造防止シートを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
<実施形態1>
以下、本発明を具体的に適用した実施形態1について説明する。
本実施形態の偽造防止シート10は、図1に示すように、パルプ繊維を含むパルプ層11と楮繊維を含む楮層12とを備え、パルプ層11には、紫外線照射により蛍光発色する合成繊維製の蛍光繊維13が2種類以上(本実施形態では3種類)抄きこまれている。
【0016】
本実施形態において、楮層12に含まれる楮繊維は、和紙の原料として市販されているものなどを使用することができる。
本実施形態において、パルプ層11に含まれるパルプ繊維としては、針葉樹パルプ、広葉樹パルプなどの木材パルプ等が挙げられる。
【0017】
ところで、本発明のシート10には、楮繊維を多く含む楮層12のみのものや、パルプ繊維を含むパルプ層11のみのもの、楮繊維とパルプ繊維を混合した混合層を有するものも含まれる。
楮繊維を多く含むシートでは高級な質感が得られるが、楮は高価な材料であるためコスト高であり、使用量のわりには厚みが出ない。そしてパルプ層のみからなるシートでは、高級な質感はなく、混合層を有するものでは楮層を混合した効果(高級な質感)が得られない。
【0018】
偽造シートの質感やコストなどを考慮すると、本発明においては、楮層12に含まれる楮繊維とパルプ層11に含まれるパルプ繊維の重量比が、10:90〜40:60であるのが好ましい。
なお、本実施形態のシート10においては、楮繊維とパルプ繊維との重量比は20:80となるように設定されていることから、楮層12の厚みよりもパルプ層11の厚みのほうが大きくなっている(図1を参照)。
【0019】
本実施形態において、パルプ層11に抄きこまれている蛍光繊維13は、長さが相違する3種類の蛍光繊維13(1mm、4mm、7mm)であって、紫外線照射により発色する色調が相違するもの(本実施形態においては、青、赤、緑に発色するもの)が用いられている。
【0020】
本発明において、蛍光繊維13としては、容易に入手でき、種々の長さ、色調のものを容易に作製でき、抄きこみやすいという観点から、ポリエステル糸またはナイロン糸を、蛍光樹脂、蛍光染料または蛍光顔料で着色したものが好ましい。
【0021】
次に、本実施形態の偽造防止シート10の製造方法について説明する。
まず楮層12の形成について説明する。
水を張ったナギナタビーター中に楮繊維を投入して叩解を開始し、染料、サイズ剤、紙力増強剤を順に添加しながら、合計30〜40分間程度叩解する。次に、叩解後の上記楮原料を、ステンレス攪拌機へ移し変えて、楮繊維と添加剤と水との合計重量に対して楮繊維の量が0.1〜10重量%となるように水を添加して楮溶液を調製し、図2に示す楮原料供給部へ供給する。
【0022】
楮繊維に添加される染料、サイズ剤、紙力増強剤としては、市販のものを使用することができる。具体的には、染料としては、カヤラス スプラブラウンGTL[日本化薬(株)製]、カヤラス スプラ イエロー[日本化薬(株)製]など、サイズ剤としては、AKD系サイズ剤ADシリーズ[星光PMC(株)製]など、紙力増強剤としては、湿潤紙力増強剤WSシリーズ[星光PMC(株)製]などを使用することができる。
【0023】
楮繊維に添加される添加剤の好適な範囲は以下の通りである。
染料の添加量は、楮繊維100重量部に対して、0.015〜1.5重量部であるのが好ましい。この範囲外の量の染料を添加すると、シート10の色目が大きく異なるものが得られることがあるからである。
【0024】
サイズ剤の添加量は、楮繊維100重量部に対して0.04〜4.0重量部添加することが、好ましい。サイズ剤が0.04重量部未満であると耐水性に欠け、4.0重量部を超えると紙力が低下する傾向にあるからである。
【0025】
紙力増強剤の添加量は、楮繊維100重量部に対して0.12〜12重量部であることが好ましい。紙力増強剤が0.12重量部未満であると充分な紙力が得られず、12重量部を超えるとシート10自体が硬くなるからである。
【0026】
次に、楮原料供給部に供給された楮溶液を抄紙網に流し込むと、第1の抄紙網21から水分が抜け落ちることで楮層12が形成され、この楮層12は第1の抄紙網21と接触するフェルト23に転写される。第1の抄紙網21の抄紙スピードは27m(64g/m)程度に設定される。楮層12が転写されたフェルト23は、パルプ層11が形成される第2の抄紙網22の方向へ移動する。
【0027】
第2の抄紙網22に形成されるパルプ層11は、具体的には以下のようにして、形成される。
水を張ったビーター中にパルプ繊維を投入して叩解を開始し、染料、サイズ剤、紙力増強剤、ポリビニルアルコール(PVA)および蛍光繊維13を順に添加して、合計30〜40分間程度叩解する。
【0028】
蛍光繊維13の種類と配合割合は、この製造方法においては、同ロットではほぼ同じである。
【0029】
次に、叩解後の上記パルプ原料を、マシンチェストへ移し変えて、パルプ繊維と添加剤と水との合計重量に対してパルプの量が0.25〜25重量%となるように水を添加してパルプ溶液を調製し、図2に示すパルプ原料供給部へ供給する。
【0030】
パルプ層11に添加される染料、サイズ剤および紙力増強剤は楮層12に添加されるものと同様のものを用いることができ、PVA、蛍光繊維13としては市販されているものを用いることができる。
【0031】
PVAとしては、(株)クラレ製のポリビニルアルコール(商品名:VPバインダー用ビニロン)など、蛍光繊維13としては、サンエス(株)製の蛍光繊維(商品名:CELLAN’93)などを用いることができる。
【0032】
パルプに添加される添加剤の好適な範囲は以下の通りである。
染料の添加量は、パルプ繊維100重量部に対して、0.015〜1.5重量部であるのが好ましい。この範囲外の量の染料を添加すると、シート10の色目が大きく異なるものが得られることがあるからである。
【0033】
サイズ剤の添加量は、パルプ繊維100重量部に対して0.04〜4.0重量部添加することが、好ましい。サイズ剤が0.04重量部未満であると耐水性に欠け、4.0重量部を超えると紙力が低下する傾向にあるからである。
【0034】
紙力増強剤の添加量は、パルプ繊維100重量部に対して0.12〜12重量部であることが好ましい。紙力増強剤が0.12重量部未満であると充分な紙力が得られず、12重量部を超えるとシート10自体が硬くなるからである。
【0035】
PVAの添加量はパルプ繊維100重量部に対して0.03〜3重量部であることが好ましい。PVAが0.03重量部未満であると充分な効果が得られず、3重量部を超えるとシート10自体が硬くなるからである。
【0036】
蛍光繊維13の添加量は、シート10全体に対して0.05〜1重量%であることが好ましい。蛍光繊維13が0.05重量%未満であると、シート10の真偽の判定が困難となり、1重量%を超えると蛍光繊維13の量が多すぎることで真偽の判定が困難となったり、印刷適性に影響が出ることがあるからである。
【0037】
次に、パルプ原料供給部に供給されたパルプ溶液を第2の抄紙網22に流し込むと、第2の抄紙網22から水分が抜け落ちることでパルプ層11が形成される。第2の抄紙網22における抄紙スピードは20m(90g/m)程度に設定される。
【0038】
そして、このパルプ層11は第1の抄紙網21から第2の抄紙網22の方向へ移動してきたフェルト23と、第2の抄紙網22とが接することでフェルト23側に転写される。
すなわち、第2の抄紙網22と接するフェルト23には、すでに楮層12が形成されているから、フェルト23と第2の抄紙網22とが接することで、楮層12にパルプ層11が積層され両者が貼り合わされる。
【0039】
この楮層12とパルプ層11とが2層に張り合わされたシート原料20はフェルト23からドライヤーのほうへ移動し、ドライヤーに転写され100〜120℃(64g/m)で乾燥した後、巻き取られてロール状のシート原料20とされる。
このロール状のシート原料20を希望する大きさに切断すれば、本実施形態の偽造防止シート10が得られる。
【0040】
次に本実施形態のシート10の作用効果について説明する。
本実施形態のシート10には、可視光で視認できない蛍光繊維13が抄きこまれており、抄きこまれている蛍光繊維13は、長さと紫外線照射により発色する色調が異なる蛍光繊維13が3種類も用いられているから、模倣や偽造が困難である。
【0041】
また、本実施形態のシート10は、楮繊維を含む楮層12とパルプ繊維を含むパルプ層11とを備えるから、楮繊維をパルプ繊維に混合して作製したシートや、パルプ繊維のみからなるシートとは相違して、和紙のような高級な質感を有している。
【0042】
さらに、本実施形態のシート10においては、楮繊維とパルプ繊維の重量比が20:80の割合に設定されているから、楮繊維のみを使用して作製したシートよりも費用がかからない上に、適度な厚みがあり扱いやすい。
【0043】
加えて、本実施形態のシート10においては、厚みの大きいパルプ層11に蛍光繊維13が抄き込まれているから、蛍光繊維13がシート10の表面に出難くなっており、印刷適性に優れる。
【0044】
次に、本実施形態のシート10の真偽の判別方法について説明する。
本実施形態のシート10の真偽の判別を行うには、以下のような方法で行う。
まず、本実施形態のシート10に抄きこまれている蛍光繊維13の種類および配合割合を、製造者によってシート10の固有情報として記録する。
【0045】
本実施形態のシート10の固有情報は、例えば、ブラックライトを用いて目視により分析可能である。なお、本発明のシート10については、分析の精度を高めるために、紫外線蛍光発光を読み取り可能なセンサと紫外線光源とを備えた装置などを用いた分析を行うこともできる。
【0046】
本実施形態のシート10の真偽の判別の際には、判別対象となるシートにブラックライトなどを照射すれば、蛍光繊維13の種類および配合量を調べることができ、これを前記固有情報と照合すれば、容易に真偽の判別ができる。
【0047】
また、本実施形態においては、パルプ繊維に添加する蛍光繊維13の種類および配合割合は同ロットでは同一であるから、抄紙後のシートに付与されている固有情報は、同じロットのものであれば、高い確率で同じである。したがって、本実施形態によれば、シート1枚ごとに固有情報を分析する必要はなく、シートを分析して固有情報を記録するのに手間がかからない。
【0048】
なお、本実施形態において、各シート10ごとの固有情報を上記の紫外線蛍光発光を読み取り可能なセンサと紫外線光源とを備えた装置などで読み取ってコンピュータなどに記録しておき、判別対象となるシートを紫外線蛍光発光を読み取り可能なセンサと紫外線光源とを備えた装置などで分析して照合すれば、さらに真偽判別の精度を高めることができる。
【0049】
以上より、本実施形態によれば、簡易な方法で真偽の判断ができる偽造防止シート10を提供することができる。
なお、本実施形態のシート10の作製の際に配合する蛍光繊維13を、表1および表2に示す一定の規則に従って配合すると、蛍光繊維13の組み合わせにより付与された固有情報が、年月を示すものとなる。
【0050】
【表1】

【0051】
【表2】

【0052】
表1および表2に記載の規則によれば、1mmの蛍光繊維の種類と配合割合によって西暦が決定され、4mmの蛍光繊維と7mmの蛍光繊維の種類と配合割合によって月が決定される。
【0053】
表1および表2中の「赤」、「青」、「緑」とは紫外線照射により発色する色調を示し、表1中の数値は、1mmの蛍光繊維全体を100とした、各色調の繊維の配合割合(%)を示し、表2中の数値は、4mmの蛍光繊維と7mmの蛍光繊維の合計を100とした、各種の繊維の配合割合(%)を示す。
【0054】
例えば、1mmの蛍光繊維のうち、青の蛍光繊維を33%、赤の蛍光繊維を33%、緑の蛍光繊維を33%含むことで2007年を示し、4mmの緑の蛍光繊維を25%、4mmの赤の蛍光繊維を25%、7mmの青の蛍光繊維を50%含むことで7月を示す。
【0055】
例えば、蛍光繊維13を製造年月に合わせた組み合わせとして配合すれば、製造年月を印刷しなくても、シートに製造年月の情報が付与されるという効果が得られる。
【0056】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態においては、楮層とパルプ層の2層構造のものを示したが、楮層のみのもの、パルプ層のみのもの、楮層とパルプ層を交互に積層して3層以上に形成されているもの、楮繊維とパルプ繊維とを混合した混合層を備えるものであってもよい。
【0057】
(2)上記実施形態においては楮繊維を含む楮層とパルプ繊維を含むパルプ層とを備える偽造シートを示したが、楮繊維に代えて、ガンピ、ミツマタなどを使用した層を形成したものであってもよい。
【0058】
(3)上記実施形態においてはパルプ層にのみ蛍光繊維を抄きこんだものを示したが、偽造シート中に蛍光繊維が2種類以上抄きこまれていればよく、楮層とパルプ層のそれぞれに蛍光繊維を抄き込んだものであってもよい。
なお、楮層とパルプ層と楮層とを順に積層した構成の偽造シートにおいて、2つの楮層の間に形成されるパルプ層に蛍光繊維を抄きこむと、シートの表面から蛍光繊維が脱落することがないから、印刷適性に優れる。その上、このような構成のシートでは、表面層に楮繊維からなる層が形成されていることから高級な質感が得られて好適である。
【0059】
(3)上記実施形態においては、長さと紫外線照射により発色する色調の双方が相違する蛍光繊維を使用したが、紫外線照射により発色する色調が同じものであって、長さが相違するものを使用したものであってもよい。
【0060】
(4)上記実施形態においては、蛍光繊維を一定の規則に従って抄きこんだもので年月を示すものを例示したが、年月だけでなく、製造場所や、ロット番号など他の情報を示すように抄きこんだものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】実施形態1の偽造防止シートの断面図
【図2】実施形態1の偽造防止シートの製造工程を示す図
【符号の説明】
【0062】
10…実施形態1の偽造防止シート
11…パルプ層
12…楮層
13…蛍光繊維

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成繊維製の蛍光繊維が2種類以上抄きこまれている偽造防止シートであって、
前記蛍光繊維は、長さが相違する2種類以上の蛍光繊維であり、
前記蛍光繊維の種類および配合割合は、製造者によって前記偽造防止シートの固有情報として記録され、
前記固有情報との照合により真偽の判別が可能とされることを特徴とする偽造防止シート。
【請求項2】
前記蛍光繊維が、紫外線照射により発色する色調が相違する2種類以上の蛍光繊維であることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止シート。
【請求項3】
前記偽造防止シートが楮繊維を含む楮層とパルプ繊維を含むパルプ層とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の偽造防止シート。
【請求項4】
前記楮繊維と前記パルプ繊維の重量比が、10:90〜40:60であることを特徴とする請求項3に記載の偽造防止シート。
【請求項5】
前記蛍光繊維が、前記パルプ層に抄きこまれていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の偽造防止シート。
【請求項6】
前記蛍光繊維は、ポリエステル糸またはナイロン糸を、蛍光樹脂、蛍光染料または蛍光顔料で着色したものであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の偽造防止シート。
【請求項7】
前記蛍光繊維は、偽造防止シートに対して0.05重量%〜1重量%含まれていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の偽造防止シート。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−829(P2009−829A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−161416(P2007−161416)
【出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【出願人】(501244200)株式会社KALBAS (48)
【Fターム(参考)】