説明

傾斜角度測定装置

【課題】 直接波が受信できる状態の微量な付着物による超音波センサの特性変化も検出して、確実に車両等の傾斜角度を測定できる傾斜角度測定装置を得る。
【解決手段】 超音波を送受信する超音波センサを用いて傾斜角度を測定する傾斜角度測定装置において、送信用超音波センサ1,2および受信用超音波センサ3,4をそれぞれ送受信別体型となし、超音波センサの表面に付着する異物による超音波センサの位相特性の変化を検出するために、超音波センサが正常な状態の直接波の位相差を閾値として記憶するメモリと、超音波センサからの直接波の位相差を検出し、この検出された直接波の位相差と予め記憶されている閾値を比較して当該超音波センサの位相特性の変化を判別する位相同期検波回路8とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、超音波を送受信する超音波センサを用いて車両の傾斜角度を測定する傾斜角度測定装置に関し、特に、超音波センサの位相特性の変化を検出する位相差検出方式の傾斜角度測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、障害物検出装置のように障害物からの反射波により障害物の有無と概略距離を検出する装置では、直接波の有無により、超音波センサが正常状態であるかを検出している(例えば、特許文献1参照)。
また、超音波センサのホーン内に付着した異物からの反射波を検出することにより、ホーン内の異物を検出し、異物の付着による超音波センサの誤動作を使用者に報知するものがある(例えば、特許文献2参照)。
さらに、超音波センサの残響時間を常に監視し、残響時間が一定期間以上となった場合に超音波センサへ異物が付着したことを検出するものもある。(例えば、特許文献3参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−131428号公報
【特許文献2】特開昭63−27779号公報
【特許文献3】特開昭63−33684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、位相差検出方式の傾斜角度検出装置においては、超音波センサ表面に付着する異物により、超音波センサ自身の特性変化が傾斜角度へ影響するため、上記特許文献1に記載されているような直接波の有無検出だけでは、直接波が受信できる状態の微量な付着物による超音波センサの特性変化を検出することはできないという問題点があった。
また、上記特許文献2に記載されているような反射波の有無検出だけでは、異物の付着物による超音波センサの特性変化を検出することはできないという問題点があった。
【0005】
さらに、上記特許文献3に記載されているような、超音波センサの残響時間を常に監視し、残響時間が一定期間以上となった場合に超音波センサへ異物が付着したことを検出するものでは、送受一体型の超音波センサの場合、超音波センサの励振期間と残響期間を判断することは容易であるが、送受別体型の超音波センサにおいては、受信波から残響期間のみを検出することは容易ではなく、また、残響期間を確認することにより、超音波センサ自身の特性変化を検出するのも困難であるという問題点があった。
【0006】
この発明は、前記のような課題を解決するためになされたもので、直接波が受信できる状態の微量な付着物による超音波センサの特性変化も検出して、確実に車両等の傾斜角度を測定できる傾斜角度測定装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る傾斜角度測定装置は、超音波センサの表面に付着する異物による超音波センサの位相特性の変化を検出する検出手段を設け、超音波を送受信する送信用および受信用超音波センサを送受信別体型となし、検出手段が、超音波センサが正常な状態の直接波の位相差を閾値として記憶する記憶手段と、超音波センサからの直接波の位相差を検出し、この検出された直接波の位相差と記憶されている閾値を比較して当該超音波センサの位相特性の変化を判別する位相変化判別手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明は、直接波が受信できる状態の微量な付着物による超音波センサの特性変化を検出できる。よって、超音波センサ表面に付着した異物を容易に且つ確実に検出でき、傾斜角度の測定精度を向上できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明の実施の一形態を、図1〜図8を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による位相差検出方式の傾斜角度測定装置の構成を示すブロック図である。
図1において、この発明の実施の形態1による位相差検出方式の傾斜角度測定装置は、例えば車両後方部(バンパ10)等に所定の間隔を持って取り付けられ、電気的エネルギーを機械的振動エネルギーへ変換し、路面11に対して超音波を送信する送信用超音波センサ1,2と、これら送信用超音波センサ1,2とそれぞれ所定の間隔を持って相互に同一の距離となるように同じく車両後方部(バンパ10)等に取り付けられ、送信用超音波センサ1,2より送信され路面11にて反射してくる超音波(反射波)を受信すると共に、送信用超音波センサ1,2より直接送信される直接波を受信し、機械的振動エネルギーから電気的エネルギーへと変換する受信用超音波センサ3,4と、送信用超音波センサ1,2に対して超音波センサ駆動用信号を送出する送信手段としての送信回路5と、受信用超音波センサ3,4からの電気的エネルギーをそれぞれ受信し、増幅する受信手段としての受信回路6,7と、これら受信回路6,7からの受信信号に含まれる直接波の位相差を算出し、この算出した直接波の位相差と予め記憶手段としてのメモリ(図示せず)に閾値として記憶されている超音波センサ1〜4が正常な状態の直接波の位相差を比較して当該超音波センサの位相特性の変化を判別し、この判別結果から超音波センサ1〜4の表面に異物(泥・氷等)が付着していることを判断する位相変化判別手段としての位相同期検波回路8と、この位相同期検波回路8からの直接波の位相差と超音波の伝送速度と超音波センサ1,2および3,4間の距離に基づいて路面11に対する車両の傾斜角度を算出する演算制御手段としての演算制御回路9とを備える。なお、位相同期検波回路8とメモリは、実質的に超音波センサの表面に付着する異物による超音波センサの位相特性の変化を検出する検出手段を構成する。
【0010】
先ず、この発明の基本原理を説明する。
図2は、超音波センサ単品の正常時の電気的特性を示し、図3は、超音波センサの表面に異物(泥・氷など)付着した時の電気的特性を示す。
この図2および図3では、超音波センサ1〜4の励振交流波形に対するインピーダンス特性aとその位相特性bを表わしており、超音波センサ1〜4は、インピーダンス特性が低い点(共振点)にて送信音圧を発しやすく、インピーダンス特性が高い点(反共振点)にて超音波を受信しやすく(受信感度が高い)、共振点と反共振点の間に位相の変化点を持つことが分かる。
【0011】
位相差検出方式の傾斜角度測定装置は、この送受信時の位相を検出し傾斜角度を算出するもので、図2、図3から正常時と異物付着時では、超音波センサ1〜4を仮に20kHzにて使用した場合、正常時約30度、異物付着時約−40度とその位相は大きく変化し、この差を見極めることにより、超音波センサ1〜4の異物付着を検出することができる。
然しながら、反射波の位相差は送受信用超音波センサ1〜4と路面11との距離により変動することから一定値が選られず、そこで、この発明では、送受信用超音波センサ1〜4間の直接波の位相差を比較することにより、超音波センサ1〜4の特性変化を検出するものである。
【0012】
図4および図5は、この送受信用超音波センサ1〜4間の直接波の位相差を用いる場合を概略的に示しており、図4において、受信用の超音波センサ3に対しては、送信用の超音波センサ1から超音波(送信波t1)が送信されて路面11にて反射してくる超音波(反射波r1)の他に超音波センサ1から直接送信されてくる直接波d1があり、同様に、受信用の超音波センサ4に対しては、送信用の超音波センサ2から超音波(送信波t2)が送信されて路面11にて反射してくる超音波(反射波r2)の他に超音波センサ2から直接送信されてくる直接波d2がある。
つまり、送信用の超音波センサ1,2からは、図5(a)に示すような超音波(送信波t)がそれぞれ路面11に向かって送信され、そして、この路面より図5(b)に示すような超音波(反射波r)がそれぞれ受信用の超音波センサ3,4で受信されるが、同時に同図に示すような直接波dが送信用の超音波センサ1,2と受信用の超音波センサ3,4の間でそれぞれ送受信される。
【0013】
そこで、先ず、超音波センサ1〜4が正常な状態の直接波dの位相差を初期値(閾値)としてメモリ(図示せず)に予め記憶する。即ち、送信用の超音波センサ1,2から受信用の超音波センサ3,4への図5(c)に示すように直接波dのクロックを基準クロックとし、この基準クロックに対して図5(d)に示すような超音波センサ1〜4が正常な状態の直接波dの超音波センサ3,4による受信波形のクロックとの位相差を正常時の位相差Pd1(閾値)としてメモリに予め記憶する。なお、超音波センサ1〜4が正常な状態の直接波dの位相差を初期値(閾値)として記憶するのは、製品製造工程内で実施するか或いは、実際に使用する前の傾斜角度測定装置設置時に実施してもよい。
【0014】
そして、図5(e)に示すような直接波dの受信波形のクロックが受信用の超音波センサ3,4で受信された場合、受信した直接波の位相差と基準となる位相差Pd1(閾値)と比較し、この場合、図5(e)に示す直接波の位相差は、閾値である位相差Pd1より大きな値の位相差Pd2であるので、このときの直接波dの受信波形は異常な位相差と判断し、超音波センサ1〜4のいずれかが例えば泥や氷等の異物の付着により位相が遅延したものと見なす。この直接波dの位相差の算出を、本実施所形態では、位相同期検波回路8で行うものである。
【0015】
次に、動作について、図6のフローチャートを参照して説明する。
いま、送信回路5より送信用超音波センサ1,2に対して超音波センサ駆動用信号が送出されると(ステップST1)、送信用超音波センサ1,2は、入力された駆動用信号に応答して電気的エネルギー(電気信号)を機械的振動エネルギーへ変換し、路面11に対して超音波を送信波として送信する。また、このとき送信用超音波センサ1,2からは直接波が受信用超音波センサ3,4に対してそれぞれ送信される(ステップST2)。この送信用超音波センサ1,2からの送信波は路面11で反射して受信用超音波センサ3,4にそれぞれ反射波として受信され、機械的振動エネルギーから電気的エネルギーへと変換される。このとき、送信用超音波センサ1,2からの直接波も受信用超音波センサ3,4に直接受信され、機械的振動エネルギーから電気的エネルギーへと変換される(ステップST3)。この受信用超音波センサ3,4からの電気的エネルギーは受信回路6,7にそれぞれ供給され、ここで増幅されて位相同期検波回路8に供給される。
【0016】
位相同期検波回路8では、超音波センサ1〜4の表面に対する異物付着の検出の際には、受信回路6,7からの受信信号に含まれる直接波の位相差を算出し(ステップST4)、その算出した直接波の位相差を上述の如く予めメモリに設定されている正常時の直接波の位相差を表す閾値と比較して超音波センサ1〜4の特性変化を検出し(ステップST5)、直接波の位相差が閾値内で超音波センサ1〜4の特性に変化がなければ、超音波センサ1〜4の表面に異物が付着されてなく正常であると判断し、その結果を演算制御回路9に出力する。
【0017】
一方、直接波の位相差が閾値外で超音波センサ1〜4の特性に変化があれば、超音波センサ1〜4の表面に異物が付着されていて異常と判断し、このことを外部に表示または警報する(ステップST6)と共に、ステップST4に戻って、上述の動作を繰り返す。そして、超音波センサ1〜4の表面に異物が付着されてなく正常であると判断された後は、演算制御回路9は、位相同期検波回路8で算出した正常時の直接波の位相差と超音波の伝送速度と超音波センサ間の距離に基づいて路面に対する車両の傾斜角度を測定し(ステップST7)、一連の処理動作を終了する。
【0018】
このようにして、本実施の形態では、超音波センサ表面に異物が付着することによる超音波センサの特性変化を、予め初期値(閾値)として記憶しておいた超音波センサが正常な状態の直接波の位相差と算出した直接波の位相差とを比較することで判別するようにしたので、直接波が受信できる状態の微量な付着物による超音波センサの特性変化も検出でき、確実に車両等の傾斜角度を測定でき、測定精度を向上できる。
【0019】
実施の形態2.
なお、位相同期検波回路8で直接波の位相差の検出時、送信側超音波センサ1,2からの送信波のパルス数を増やして連続的に発信するようにしてもよい。すなわち、超音波センサ1〜4の異物付着を直接波の位相差により検出する際、通常送信回路5により断続的に駆動される送信側超音波センサ1,2を連続的に駆動させてもよく、これにより、直接波の位相差を確実に検出し、超音波センサの特性変化を効率よく検出できる。
【0020】
実施の形態3.
また、傾斜角度検出用の制御期間以外に超音波センサ1〜4の位相特性の変化を検出する制御期間を設けてもよく、これは、システム立ち上げ時通常制御に定期的に混在させるなどその頻度は問わない。これにより、超音波センサの特性変化の検出精度を向上できる。
【0021】
実施の形態4.
また、超音波センサ1〜4の特性変化検出時には、演算制御回路9で測定される傾斜角度の出力を停止するようにしてもよい。つまり、直接波の位相差を検出して超音波センサの位相特性の変化を検出することにより、超音波センサ1〜4の表面に異物が付着していると判断されたときには、演算制御回路9で測定された傾斜角度は正常値でないので、超音波センサ1〜4の特性が正常に復帰するまでは、演算制御回路9は、測定された傾斜角度の出力を停止するようにする。これにより、傾斜角度を正確に測定でき、測定精度を向上できる。
【0022】
実施の形態5.
また、位相同期検波回路8で検出される直接波の位相差を用いて、演算制御回路9で測定される傾斜角度の補正をするようにしてもよい。即ち、位相同期検波回路8で直接波の位相差を検出し、超音波センサの位相特性の変化を判別することにより、超音波センサ1〜4に異物付着があると判明した場合には、検出された位相差と正常時の超音波センサ1〜4の位相差の差異を用いて、演算制御回路9で測定された傾斜角度の補正を行なうようにする。これにより、超音波センサ1〜4の異物付着時においても、演算制御回路9における傾斜角度の測定が可能となり、それだけ測定時間が短縮されると共に、精度のよい傾斜角度の測定が可能になる。
【0023】
実施の形態6.
なお、上記実施の形態1〜5では、送信用超音波センサ1,2と受信用超音波センサ3,4がそれぞれ一定の距離をおいて別々に配置された送受信別体型の超音波センサを用いた場合について説明したが、送信用超音波センサ1,2と受信用超音波センサ3,4をそれぞれ一体とした送受信一体型の超音波センサを用いてもよい。送受信一体型の超音波センサに異物が付着すると、その超音波センサに特性変化が発生するが、この特性変化のドリフト量は、送信特性・受信特性ともに同一となることから、送受信一体型の超音波センサを用いることにより、送信時の位相のドリフト量と受信時の位相のドリフト量によりお互いに相殺され、この場合実質的に超音波センサの表面に付着する異物による超音波センサの位相特性の変化は実質的に無しと判断され、正常時と同等の特性を得ることができ、また、構造的にも小型化、低廉化が図れる。
【0024】
実施の形態7.
また、超音波センサ表面に異物が付着することによる超音波センサ1〜4の特性変化が、バンドパスフィルタ構成の受信回路6,7に含まれるアンプ回路の特性に影響を与えない手段として、受信用超音波センサとアンプ回路との間にバッファ回路を設けるようにしてもよい。
図7はその一例として超音波センサ3側の場合を示すもので、通常、超音波センサ表面に異物が付着すると、超音波センサ3のコンデンサ3a、等価回路抵抗3bとコイル3c、コンデンサ3d等の値が変わり、超音波センサ3の特性変化として現れてくる。そこで、本実施の形態では、受信用の超音波センサ3と受信回路6のアンプ回路6aとの間に高インピーダンスのバッファ回路12を設ける。
【0025】
かくして、受信用の超音波センサ3が異物付着により特性変化を起こすと、受信回路6のアンプ回路6aの入力インピーダンスが低い場合においては、受信回路6の特性へ影響を与えるが、図7のように、受信用超音波センサ3と受信回路6との間に高インピーダンスのバッファ回路12を設けることで、相互の特性が干渉しないようになる。
【0026】
図8は、このときのアンプ回路6aの周波数特性の推移を示したもので、受信用超音波センサ3と受信回路6との間にバッファ回路12が存在しないときは、超音波センサ3の表面に異物が付着すると、その周波数特性はその異物付着量に応じて図8に破線で示す特性fまたはgの間で特性変化を生じるが、受信用超音波センサ3と受信回路6との間に高インピーダンスのバッファ回路12を設けることで、相互の特性が干渉しなくなり、その周波数特性は図8に実線で示す特性eに固定されたものとなり、より精度の高い傾斜角度測定が可能になる。
【0027】
なお、上記では、受信用の超音波センサ3と受信回路6の間に高インピーダンスのバッファ回路12を設けた場合であるが、勿論受信用の超音波センサ4と受信回路7との間に高インピーダンスのバッファ回路を設けてもよく、同様の効果を生じる。
また、この実施の形態7の手法は、上記実施の形態1〜5の送受信別体型の超音波センサを用いる位相差検出方式の傾斜角度測定装置の場合は勿論、上記実施の形態6の送受信一体型の超音波センサを用いる位相差検出方式の傾斜角度測定装置の場合にも同様に適用でき、同様の効果を生じる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明の実施の形態1による傾斜角度測定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1による傾斜角度測定装置における正常時の超音波センサの電気特性を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1による傾斜角度測定装置における異物付着時の超音波センサの電気特性を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1による傾斜角度測定装置において送受信用超音波センサ間の直接波の位相差を用いる場合を説明するための模式図である。
【図5】この発明の実施の形態1による傾斜角度測定装置において送受信用超音波センサ間の直接波の位相差を用いる場合を説明するための波形図である。
【図6】この発明の実施の形態1による傾斜角度測定装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態7による傾斜角度測定装置の要部を示す回路構成図である。
【図8】この発明の実施の形態7による傾斜角度測定装置における動作説明に供するための特性図である。
【符号の説明】
【0029】
1,2 送信用超音波センサ、3,4 受信用超音波センサ、5 送信回路、6,7 受信回路(アンプ回路)、8 位相同期検波回路、9 演算制御回路、10 バンパ、11 路面、12 バッファ回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を送受信する超音波センサを用いて傾斜角度を測定する傾斜角度測定装置において、
上記超音波センサの表面に付着する異物による該超音波センサの位相特性の変化を検出する検出手段を備えたことを特徴とする傾斜角度測定装置。
【請求項2】
送信用および受信用超音波センサを送受信別体型となし、検出手段は、上記超音波センサが正常な状態の直接波の位相差を閾値として記憶する記憶手段と、上記超音波センサからの直接波の位相差を検出し、該検出された直接波の位相差と上記記憶手段に記憶されている閾値を比較して当該超音波センサの位相特性の変化を判別する位相変化判別手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の傾斜角度測定装置。
【請求項3】
直接波の位相差の検出時、送信手段により送信用超音波センサを連続的に駆動して、該超音波センサから送信波を連続的に発信するようにしたことを特徴とする請求項2記載の傾斜角度測定装置。
【請求項4】
傾斜角度検出用の制御期間以外に超音波センサの位相特性の変化を検出する制御期間を設けたことを特徴とする請求項2または請求項3記載の傾斜角度測定装置。
【請求項5】
位相変化判別手段の出力に基づいて車両の傾斜角度を測定する演算制御手段を備え、該演算制御手段は、超音波センサの特性変化検出時に、測定した傾斜角度の出力を停止することを特徴とする請求項2から請求項4のうちのいずれか1項記載の傾斜角度測定装置。
【請求項6】
演算制御手段は、検出された直接波の位相差に基づいて、測定した傾斜角度の補正を行なうことを特徴とする請求項5記載の傾斜角度測定装置。
【請求項7】
受信用超音波センサと送信用超音波センサを送受信一体型となし、検出手段は超音波センサの位相特性の変化が送信特性、受信特性で共に同一である場合を正常時と同等の位相特性と判別することを特徴とする請求項1記載の傾斜角度測定装置。
【請求項8】
受信用超音波センサと、該受信用超音波センサからの超音波を受信する受信手段との間に高インピーダンスのバッファ回路を設けたことを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の傾斜角度測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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