説明

像ブレ補正装置、レンズ鏡筒、光学機器

【課題】小型化した像ブレ補正装置、レンズ鏡筒及び光学機器を提供する。
【解決手段】像ブレ補正装置90を、基部91と、基部91に対し撮影光学系の光軸O2に垂直な平面内において移動可能な2群保持枠92と、光軸O2に直交する第1の軸線上に配置された第1のVCM94、及び、光軸O2に直交しかつ第1の軸線に交差する第2の軸線上に配置された第2のVCM95を含み、像ブレ補正時に2群保持枠92を基部91に対して駆動する駆動部と、光軸O2を挟んで駆動部の反対側に配置され、像ブレ補正時に2群保持枠92の基部91に対する変位を検出するホール素子96b、97bと、第1の軸線及び第2の軸線に挟まれた領域のうち駆動部側の領域に設けられ、フォーカスモータ80を配置可能な切欠部98とを備える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像ブレ補正装置、レンズ鏡筒及び光学機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カメラ等に備えられた像ブレ補正装置は、像ブレ補正動作を行う前後における像ブレ補正レンズ群等の位置を検出する磁気センサを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−229090号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、磁気センサは、電磁モータが接近して配置されると、電磁モータの周囲における磁界の変化に起因して検出精度が低下する可能性がある。このため、像ブレ補正装置は、磁気センサと電磁モータとを離間させて配置したり、磁気センサの周囲に磁気シールドを配置する必要があり、これらは、像ブレ補正装置の小型化を妨げる要因になっていた。
本発明の課題は、小型化した像ブレ補正装置、レンズ鏡筒及び光学機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、固定部(91)と、前記固定部に対し撮影光学系の光軸(O2)に垂直な平面内において移動可能な移動部(92)と、前記光軸に直交する第1の軸線上に配置された第1のアクチュエータ(94)、及び、前記光軸に直交しかつ前記第1の軸線に交差する第2の軸線上に配置された第2のアクチュエータ(95)を含み、像ブレ補正時に前記移動部を前記固定部に対して駆動する駆動部(94、95)と、前記光軸を挟んで前記駆動部の反対側に配置され、前記像ブレ補正時に前記移動部の前記固定部に対する変位を検出する磁気センサ(96b、97b)と、前記第1の軸線及び前記第2の軸線に挟まれた領域のうち前記駆動部側の領域に設けられ、電磁モータ(80)を配置可能な電磁モータ配置可能領域(98)とを備える像ブレ補正装置(90)である。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1に記載の像ブレ補正装置において、前記電磁モータ配置可能領域(98)は、前記固定部(91)及び前記移動部(92)の少なくとも一方に設けられた空間部であり、前記空間部は、前記電磁モータ(80)の少なくとも一部を収容可能であることを特徴とする像ブレ補正装置(90)である。
【0006】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の像ブレ補正装置(90)と、前記電磁モータ(80)とを含み、前記電磁モータは、前記像ブレ補正装置に対して光軸方向に相対移動可能に設けられ、前記像ブレ補正装置に対する接近時において前記電磁モータ配置可能領域に配置されることを特徴とするレンズ鏡筒(1)である。
請求項4の発明は、請求項3に記載のレンズ鏡筒において、前記電磁モータは、フォーカスレンズ群(L1)を駆動するモータ(80)、ズームレンズ群を駆動するモータ、シャッタユニットを駆動するモータの少なくともひとつを含むことを特徴とするレンズ鏡筒(1)である。
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4に記載のレンズ鏡筒において、前記像ブレ補正装置(90)を収容する筒体(50)を備え、前記撮影光学系の光軸(O2)は、前記筒体の一方の領域側に偏って配置され、前記電磁モータ配置可能領域(98)は、前記筒体の他方の領域側に設けられることを特徴とするレンズ鏡筒(1)である。
【0007】
請求項6の発明は、請求項1又は請求項2に記載の像ブレ補正装置(90)を含むことを特徴とする光学機器(2)である。
請求項7の発明は、請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒(1)を含むことを特徴とする光学機器(2)である。
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、小型化した像ブレ補正装置、レンズ鏡筒及び光学機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態をあげて、さらに詳しく説明する。なお、以下の実施形態は、像ブレ補正装置を含む光学機器としてレンズ鏡筒を例にとって説明する。
図1は、実施形態のレンズ鏡筒の光軸を含む断面図であり、レンズ鏡筒の収容状態を示す図である。
図2は、図1のレンズ鏡筒が光軸方向対物側に繰り出された状態を示す図である。
図3は、図1のレンズ鏡筒に備えられた像ブレ補正装置を光軸方向対物側からみた正面図である。ここで、図1は、図3のA−A矢視断面図であり、図2は、図3のB−B矢視断面図である。
【0010】
レンズ鏡筒1は、レンズ非交換式のデジタルカメラ2(以下、カメラ2と称する)に備えられている。このレンズ鏡筒1は、カメラボディ3に収容された状態(図1参照)と、光軸方向の全長が延びてその一部がカメラボディ3から突き出した状態(図2参照)との間を移行可能とされた、いわゆる、沈胴式のレンズ鏡筒である。
レンズ鏡筒1は、第1レンズ群L1、第2レンズ群L2、CCD10、シャッタユニット20、CCD台30、カム筒40、1群筒50、1群保持枠60、直進案内キー70、フォーカスモータ80、及び、像ブレ補正装置90を備えている(フォーカスモータ80は、図2参照)。
【0011】
第1レンズ群L1及び第2レンズ群L2は、協働して2群構成のズームレンズを形成するものであり、光軸方向の対物側から像側に向かってこの順番に配置されている。また、第1レンズ群L1は、フォーカスレンズとして、第2レンズ群L2は、像ブレ補正レンズとしてそれぞれ機能するようになっている。
【0012】
これらの第1レンズ群L1及び第2レンズ群L2の光軸O2は、カメラ2の通常位置において、後述するカム筒40の中心軸線O1に対して下方に配置されている(図3参照)。ここで、本明細書において、カメラ2の通常位置とは、光軸O2を水平にして横長の画像を撮影する際のカメラ2の位置を指すものとする。以下、カメラ2に備えられた各要素の配置に関する説明は、この通常位置を基準とする。
【0013】
CCD10は、第2レンズ群L2の光軸方向像側に配置された光−電気変換素子であり、第1レンズ群L1及び第2レンズ群L2を通過した像光を電気信号に変換するものである。
シャッタユニット20は、CCD10に対する像光の露光時間を調節するものであり、第2レンズ群L2とCCD10との間に配置されている。このシャッタユニット20は、像光の光量を調節する絞りユニットを併せて備えている。
【0014】
CCD台30は、CCD10をカメラボディ3に対して固定するものであり、レンズ鏡筒1の光軸方向像側の端部に備えられている。前述のシャッタユニット20も、このCCD台30に固定されている。
カム筒40は、円筒形に形成され、その中心軸線O1回りに回転可能に設けられている。カム筒40は、その内周面に後述する1群筒50及び像ブレ補正装置90に備えられたカムフォロワピン51、99とそれぞれ係合可能なカム溝41、42が形成されている。
【0015】
1群筒50は、カム筒40の内径側に配置された筒体であり、カム筒40と略同軸上に設けられている。
1群筒50は、その外周面から外径側に突き出して設けられたカムフォロワピン51を備えている。カムフォロワピン51は、1群筒50の周方向に略均等な間隔で、例えば、3箇所設けられている。カムフォロワピン51は、その先端部がカム筒40に形成されたカム溝41に挿入されており、1群筒50は、カム筒40の回転に応じて光軸方向に進退動作をするようになっている。
【0016】
1群筒50は、前面部52を備えている。前面部52は、1群筒50の光軸方向対物側の端部からその内径側につば状に突き出して形成された面部であり、第1レンズ群L1及び第2レンズ群L2に入射する像光の光路を遮らないように光軸O2を中心とする略円形の開口部が形成されている。
1群保持枠60は、第1レンズ群L1を保持する枠体であり、その一部が1群筒50の前面部52に形成された開口部の内径側に配置されている。
【0017】
直進案内キー70は、カム筒40と1群筒50との間に配置されており、光軸O2に略平行に延在して形成されたキー溝71を備えている。1群筒50及び像ブレ補正装置90に備えられたカムフォロワピン51、99は、それぞれこの直進案内キー70のキー溝71に係合した状態でカム溝41、42に挿入されている。これによって、1群筒50及び像ブレ補正装置90は、カム筒40が回転しても中心軸線O1回りに回転せず、光軸方向に直進するようになっている。
【0018】
フォーカスモータ80は、例えば、オートフォーカス等の合焦動作時に図示しない制御部から出力されるパルス信号に応じて、第1レンズ群L1を光軸方向に駆動するステッピングモータである。
このフォーカスモータ80は、ともに図示しない永久磁石と回転子とを含む電磁モータである。ここで、本明細書において、電磁モータとは、磁界の変化によって駆動力を得る電動アクチュエータを意味するものとする。
【0019】
フォーカスモータ80は、1群筒50の内径側であって、第1レンズ群L1の上方に配置されている(図3参照)。フォーカスモータ80は、前面部52における光軸方向像側を向いた面部に固定され、その出力軸(図示省略)は、光軸O2を含む鉛直面(B−B断面)に対して直交している。
フォーカスモータ80の出力軸及び前述の1群保持枠60は、それぞれ図示しないギアを備えている。1群保持枠60は、これらのギアの間に備えられた不図示のギア列を介してフォーカスモータ80の出力が伝達され、光軸方向に駆動されるようになっている。
【0020】
像ブレ補正装置90は、例えば、撮影者の手ブレ等に起因して発生するカメラの姿勢の変化を打ち消す方向に第2レンズ群L2を駆動することによって、CCD10に結像される被写体像の像ブレを補正するものである。
像ブレ補正装置90は、基部91、2群保持枠92、ボール93、第1のボイスコイルモータ(VCM)94、第2のVCM95、第1の位置検出部96、第2の位置検出部97、及び、切欠部98を備えている。
【0021】
基部91は、1群筒50と略同心に配置された円盤状の部材であり、カム筒40に形成されたカム溝42に挿入されるカムフォロワピン99を備えている。基部91は、1群筒50と同様に、カム筒40の回転に応じて光軸方向に進退動作をするようになっている。
ここで、ズームレンズは、焦点距離が最大とされた状態(以下、テレ状態と称する(図2参照))と、焦点距離が最小とされた状態(以下、ワイド状態と称する)との間で焦点距離が変更されるようになっている。
像ブレ補正装置90と1群保持枠60とは、ズームレンズがワイド状態からテレ状態に移行するときは、接近する方向に相対移動し、ズームレンズがテレ状態からワイド状態に移行するときは、離間する方向に相対移動するようになっている。
【0022】
2群保持枠92は、基部91に対して光軸方向被写体側に配置された円盤状の部材でありる。2群保持枠92は、光軸O2を中心とする略円形の開口部を備えており、第2レンズ群L2は、この開口部に装着されている。
ボール93は、2群保持枠92を基部91に対して支持するものであり、基部91と2群保持枠92との間に配置されている。ボール93は、例えば、鋼材やセラミックス等によって形成され、基部91の周方向に略均等な間隔で、例えば、3つ設けられている。これによって、2群保持枠92は、基部91に対して光軸O2に垂直な平面内で移動自在になっている。
【0023】
第1のVCM94及び第2のVCM95は、単独で又は協働して2群保持枠92を基部91に対して駆動する電磁アクチュエータであり、駆動部として機能するものである。
第1のVCM94及び第2のVCM95は、図3に示すように、レンズ鏡筒1を光軸方向対物側からみた場合に、それぞれ光軸O2を含む水平面よりも上方に配置されている。また、第1のVCM94は、レンズ鏡筒1を光軸方向対物側からみた場合に、光軸O2を含む鉛直面よりも左方に配置され、第2のVCM95は、光軸O2を含む鉛直面よりもレンズ鏡筒1を光軸方向対物側からみた場合に右方に配置されている。
第1のVCM94及び第2のVCM95は、その推力が互いに直交する方向に発生するように配置されている。第1のVCM94及び第2のVCM95は、その推力がそれぞれ第2レンズ群L2の中心に作用するように配置されており、推力の方向は、水平方向に対して、例えば、45°の角度をなすようになっている。
【0024】
第1のVCM94は、図1に示すように、磁石94a、コイル94b、磁石用ヨーク94c、コイル用ヨーク94dを備えている。
磁石94aは、基部91に対向した状態で2群保持枠92に固定された永久磁石である。
コイル94bは、磁石94aに対向した状態で基部91に固定されている。
磁石用ヨーク94c及びコイル用ヨーク94dは、例えば、鉄系の金属材料等によって板状に形成された磁性体である。磁石用ヨーク94cは、磁石94aのコイル94bに対向する面とは反対側の面に対向して設けられている。コイル用ヨーク94dは、コイル94bの磁石94aに対向する面とは反対側の面に対向して設けられている。
第2のVCM95も、上述した第1のVCM94と同様に磁石95a、コイル95b、磁石用ヨーク95c、コイル用ヨーク95dを備え(磁石用ヨーク95c、コイル用ヨーク95dは、図示を省略する)、その機能は、推力方向が異なる以外第1のVCM94と同様である。
【0025】
第1の位置検出部96及び第2の位置検出部97は、それぞれ光軸O2と直交する平面内における2群保持枠92の基部91に対する変位を検出する位置センサである。
第1の位置検出部96は、第2レンズ群L2を挟んで第1のVCM94の反対側の領域に設けられ、第1のVCM94の推力方向における2群保持枠92の移動を検出するものである。
第2の位置検出部97は、第2レンズ群L2を挟んで第2のVCM95の反対側の領域に設けられ、第2のVCM95の推力方向における2群保持枠92の移動を検出するものである。
【0026】
第1の位置検出部96は、図1に示すように、磁石96a、ホール素子96b、ヨーク96cを備えている。
磁石96aは、基部91に対向した状態で2群保持枠92に固定された永久磁石である。
ホール素子96bは、フレキシブルプリント基板96dに実装され、磁石96aに対向した状態で基部91に固定された磁気センサである。ホール素子96bは、2群保持枠92が基部91に対して移動した際に、磁石96aからの磁界の変化を検出して出力するようになっており、像ブレ補正装置90は、ホール素子96bの出力に基づいて第2レンズ群L2の基部91に対する移動量を算出するようになっている。
ヨーク96cは、例えば、鉄系の金属材料等によって板状に形成された磁性体であり、磁石96aのホール素子96bに対向する面とは反対側の面に対向して設けられている。
第2の位置検出部97も、上述した第1の位置検出部96と同様に磁石97a、ホール素子97b、ヨーク97cを備え(ヨーク97cは、図示を省略する)、その機能は、第1の位置検出部96と同様である。
【0027】
切欠部98は、像ブレ補正装置90とフォーカスモータ80とが接近した状態において、フォーカスモータ80と像ブレ補正装置90との干渉を回避するためのものである。この切欠部98は、光軸O2に直交し、第1のVCM94の推力方向に延在する第1の軸線(図3の線A1)と、光軸O2に直交し、第2のVCM95の推力方向に延在する第2の軸線(図3の線A2)とに挟まれた領域のうち、第1のVCM94及び第2のVCM95(駆動部)側に設けられている。
ここで、本明細書において、第1の軸線及び第2の軸線に挟まれた領域のうち、駆動部側の領域とは、第1の軸線及び第2の軸線に挟まれた領域のうち、駆動部(第1のVCM94及び第2のVCM95)の近傍の領域、すなわち、第1の位置検出部96及び第2の位置検出部97から最も離間した領域という意味であり、具体的には、第1のVCM94及び第2のVCM95に挟まれた領域や、この領域の近傍等を意味するものとする。
【0028】
切欠部98は、2群保持枠92の一部であって、第2レンズ群L2よりも上方の部分が図3に示す正面視で略U字状に切り欠かれたように形成されており、2群保持枠92の周縁部に開口している。切欠部98は、レンズ鏡筒1を光軸方向からみたときにフォーカスモータ80と重なる位置に設けられ(図3参照)、フォーカスモータ80の外形寸法よりも大きな寸法で形成された空間部である。
【0029】
次にレンズ鏡筒1の動作を説明する。
レンズ鏡筒1は、非撮影時等において図1に示す収容状態とされる。レンズ鏡筒1は、この収容状態から図示しない電源ボタン等が操作されると、カム筒40が回転して1群筒50が光軸方向対物側に推進され、撮影可能状態となる。このとき、ズームレンズは、ワイド状態とされ、像ブレ補正装置90は、1群保持枠60から離間している(図示省略)。
レンズ鏡筒1は、ワイド状態において撮影者によってズームアップ操作がされると、図2に示す第1レンズ群L1と第2レンズ群L2とが接近したテレ状態に移行する。
そして、図2に示すテレ状態において、フォーカスモータ80は、その一部が2群保持枠92に形成された切欠部98に収容され、切欠部98は、電磁モータ配置可能領域として機能する。
【0030】
以上説明した本実施形態のレンズ鏡筒1によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)電磁モータであるフォーカスモータ80を光軸O2を挟んでホール素子96b、97bの反対側に配置し、フォーカスモータ80とホール素子96b、97bとを離間させたので、ホール素子96b、97bは、フォーカスモータ80の周囲における磁界の変動の影響を受けにくい。したがって、第1の位置検出部96、第2の位置検出部97は、それぞれ2群保持枠92の基部91に対する移動量を正確に検出でき、像ブレ補正装置90の像ブレ補正精度が向上する。
さらに、フォーカスモータ80とホール素子96b、97bとを離間させたので、磁界の影響を低減する磁気シールド材をホール素子96b、97bの周囲に設ける必要がなく、コストダウンが可能であり、また、像ブレ補正装置90を小型化できる。
【0031】
(2)ズームレンズがテレ状態にあるときに、フォーカスモータ80を切欠部98に収容するので、フォーカスモータ80と2群保持枠92との干渉を防止でき、像ブレ補正装置90の可動範囲内にフォーカスモータ80を配置することができる。したがって、レンズ鏡筒1の光軸方向の全長を短くすることができ、レンズ鏡筒1及びカメラ2を小型化できる。
(3)像ブレ補正レンズである第2レンズ群L2の光軸O2をカム筒40の中心軸線O1に対して下方にずらしたので、電磁モータ配置可能領域として機能する切欠部98の光軸方向からみたときの面積を大きく設定することができる。これにより、サイズの大きなフォーカスモータ80でも、切欠部98に確実に収容できる。
【0032】
[変形形態]
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)本発明を適用した像ブレ補正装置、レンズ鏡筒、光学機器の構成は、実施形態に記載したものに限らず、適宜変更が可能である。例えば、実施形態において、電磁モータは、フォーカスモータであったが、電磁モータは、これに限らず、例えば、シャッタモータやズームモータであってもよい。
(2)実施形態は、像ブレ補正装置が光軸方向に移動されることによってフォーカスモータが像ブレ補正装置の切欠部に収容されたが、これに限らず、例えば、像ブレ補正装置に固定されたモータを切欠部に配置して、像ブレ補正装置の移動状態に関わらず、切欠部に電磁モータが配置される構成にしてもよい。
(3)実施形態は、移動部である2群保持枠に切欠部を設けて電磁モータを配置したが、これに限らず、固定部である基部にも切欠部を設けてもよい。この場合、電磁モータと像ブレ補正装置との光軸方向のラップ長を大きくできるので、さらにレンズ鏡筒の小型化が可能になる。
(4)実施形態の磁気センサは、ホール素子であったが、磁気センサは、これに限らず、例えば、MIセンサ、MRセンサ、磁気共鳴型磁界検出素子等であってもよい。
(5)実施形態の像ブレ補正装置は、像ブレ補正レンズ移動させて像ブレを補正するものであったが、これに限らず、CCD等の撮像素子を移動させて撮像素子に結像される像の像ブレを補正してもよい。
(6)実施形態の光学機器は、カメラに備えられたレンズ鏡筒であったが、光学機器は、これに限らず、例えば、交換レンズ鏡筒等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施形態のレンズ鏡筒の光軸を含む断面図であり、レンズ鏡筒の収容状態を示す図である。
【図2】図1のレンズ鏡筒が光軸方向対物側に繰り出された状態を示す図である。
【図3】図1のレンズ鏡筒に備えられた像ブレ補正装置を光軸方向対物側からみた正面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 レンズ鏡筒 : 2 カメラ : 80 フォーカスモータ : 90 像ブレ補正装置 : 91 固定部 : 92 移動部 : 94 第1のVCM :95 第2のVCM : 96b ホール素子 : 97b ホール素子 : 98 切欠部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部と、
前記固定部に対し撮影光学系の光軸に垂直な平面内において移動可能な移動部と、
前記光軸に直交する第1の軸線上に配置された第1のアクチュエータ、及び、前記光軸に直交しかつ前記第1の軸線に交差する第2の軸線上に配置された第2のアクチュエータを含み、像ブレ補正時に前記移動部を前記固定部に対して駆動する駆動部と、
前記光軸を挟んで前記駆動部の反対側に配置され、前記像ブレ補正時に前記移動部の前記固定部に対する変位を検出する磁気センサと、
前記第1の軸線及び前記第2の軸線に挟まれた領域のうち前記駆動部側の領域に設けられ、電磁モータを配置可能な電磁モータ配置可能領域と
を備える像ブレ補正装置。
【請求項2】
請求項1に記載の像ブレ補正装置において、
前記電磁モータ配置可能領域は、前記固定部及び前記移動部の少なくとも一方に設けられた空間部であり、
前記空間部は、前記電磁モータの少なくとも一部を収容可能であること
を特徴とする像ブレ補正装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の像ブレ補正装置と、
前記電磁モータと
を含み、
前記電磁モータは、前記像ブレ補正装置に対して光軸方向に相対移動可能に設けられ、前記像ブレ補正装置に対する接近時において前記電磁モータ配置可能領域に配置されること
を特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項4】
請求項3に記載のレンズ鏡筒において、
前記電磁モータは、フォーカスレンズ群を駆動するモータ、ズームレンズ群を駆動するモータ、シャッタユニットを駆動するモータの少なくともひとつを含むこと
を特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載のレンズ鏡筒において、
前記像ブレ補正装置を収容する筒体を備え、
前記撮影光学系の光軸は、前記筒体の一方の領域側に偏って配置され、
前記電磁モータ配置可能領域は、前記筒体の他方の領域側に設けられること
を特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の像ブレ補正装置を含むこと
を特徴とする光学機器。
【請求項7】
請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒を含むこと
を特徴とする光学機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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