説明

像担持体清掃部材及び画像形成装置

【課題】耐久性の高い感光体を用いた場合でも、帯電方式や使用する紙種に依存することなく、常に画像流れの発生がない良好な画像品を提供すること。
【解決手段】像担持体表面との動摩擦係数の変化を、弾性清掃部材自身が感受することで弾性変形を起こす際に、像担持体表面と弾性清掃部材との距離が接近する部分に研磨部材を設けており、動摩擦係数の変化が一定の値を超えたときのみ、該研磨部材が該基体表面に接触する構成の弾性清掃部材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置において、現像剤による像が形成される像担持体の表面に残留する現像剤を除去する像担持体清掃部材に関する。また、その像担持体清掃部材を用いた画像形成装置に関する。
【0002】
ここで、画像形成装置としては、像担持体として電子写真感光体を用いた電子写真画像形成装置、像担持体として静電記録誘電体を用いた静電記録画像形成装置、像担持体として磁気記録磁性体を用いた磁気記録画像形成装置などが挙げられる。また、像担持体には中間転写体も含まれる。
【背景技術】
【0003】
電子写真画像形成装置を例にして説明する。この装置においては、像担持体としての回転される電子写真感光体の表面に対して電子写真画像形成プロセスにより画像情報に対応した画像が現像剤像(トナー像)として形成される。その現像剤像が記録材に対して転写される。記録材に対する現像剤像転写後の感光体の表面は残留する現像剤が清掃部材により除去されることで清掃されて繰り返して画像形成に供される。
【0004】
また、中間転写方式の場合には、第1の像担持体としての回転される感光体に形成された現像剤像が第2の像担持体としての回転される中間転写体に一次転写され、その中間転写体の一次転写現像剤像が記録材に対して二次転写される。記録材に対する現像剤像転写後の中間転写体の表面は残留する現像剤が清掃部材により除去されることで清掃されて繰り返して画像形成に供される。
【0005】
清掃部材としては、一般に、弾性を有する板状の非回転の清掃部材(弾性クリーニングブレード)を用いる。この清掃部材を感光体や中間転写体の表面に対して当接して配設し、回転される感光体や中間転写体の表面と清掃部材との摺擦により感光体や中間転写体の表面に残留する現像剤を除去する方法が用いられている。
【0006】
また、電子写真感光体の表面層の結着樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂などの樹脂が用いられてきた。近年は、感光体の長寿命化の要望に応えるために、ポリアリレート樹脂、更には硬化性アクリル樹脂やシロキサン樹脂などの架橋性樹脂が用いられている。これらの樹脂を用いた感光体は、確かに耐久性は向上したものの、高温・高湿環境では画像流れという問題が発生することがある。
【0007】
画像流れという現象は、単純に感光体表面層の材料のみで決まる現象ではなく、感光体の帯電方式や使用する紙(記録材)の種類の影響を強く受けることが知られている。その原因としては、窒素酸化物や紙粉が付着した感光体の表面に、更に高温・高湿条件で耐久中の水分が吸着することで感光体表面の電気的な抵抗が低下し、静電潜像を保持できなることで発生するものと考えられている。
【0008】
かかる画像流れにという問題に対しては、例えば、特許文献1には感光体表面層に酸化防止剤を含有させる方法が提案されている。特許文献2,3には感光体表面に研磨部材を当接させて常に感光体表面の付着物を研磨除去する方法が提案されている。特許文献4には現像中に研磨成分を含有させ、感光体表面の残留現像剤を清掃する際に研磨作用を発現させる方法、流れ現象の発生を検知し流れが発生した時に感光体表面を研磨させる方法が提案されている。特許文献5には感光体周辺にヒーターを設置し、常に感光体表面の温湿度を制御する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−13705号公報
【特許文献2】特開平3−181981号公報
【特許文献3】特開2005−37852号公報
【特許文献4】特開平10−73947号公報
【特許文献5】特開平8−272283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1の酸化防止剤の効果は、含有量に依存するため、十分な流れ防止作用を発現させる程度に酸化防止剤を含有させると、感光体の感度低下等の弊害を引き起こす。また、特許文献2,3の常に感光体に研磨部材を当接させる方法では、感光体の摩耗量増加や深傷の発生、更に研磨部材へ現像剤などが付着し研磨能力が低下するといった問題がある。更に、特許文献4の検知した画像流れの情報をフィードバックして対策させるシステムでは、装置の構造が複雑化、大型化するほか、一旦、画像流れが発生する状況にまでならないと対策が打てないという問題もある。
【0011】
また、特許文献5のドラム周辺のヒーターは効果的ではあるが、電子写真装置の未使用途時にも常にヒーターを通電させておく必要があり、近年の省エネルギーの意識の高まりにはそぐわない手法である。
【0012】
上述の通り、これまでのところ、特に耐久性の高い電子写真感光体を用いた装置においては、高温・高湿下で画像流れの発生を根本的に発生させない簡単なシステムには至っていない。
【0013】
従って、本発明ではシンプルな装置構成で高温・高湿環境下で発生する画像流れを解決することが課題であり、像担持体の画像流れ抑制機能を有する像担持体清掃部材およびその像担持体清掃部材を用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するための本発明に係る像担持体清掃部材の代表的な構成は、現像剤による像が形成される像担持体の表面に対して当接されて前記像担持体との相対移動によって前記表面を摺擦して前記表面に残留する現像剤を除去する弾性を有するブレード状の像担持体清掃部材であって、前記相対移動における前記表面との動摩擦係数の変化を感受することで前記像担持体清掃部材が弾性変形を起こす際に前記表面との距離が接近する像担持体清掃部材部分に像担持体に対する研磨部材が設けられており、前記動摩擦係数の変化が一定の値を超えたときに前記研磨部材が前記表面に接触する関係構成であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の像担持体清掃部材を用いることで、耐久性の高い像担持体を用いた場合でも、また高温・高湿下においても、帯電方式や使用する紙種に依存することなく画像流れの発生を抑制して常に良好な画像形成物を提供することが可能となる。特に、清掃部材が当接している像担持体の表面樹脂にエステル結合を含有する画像形成装置において、効果的に画像流れの発生を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】感光体との動摩擦係数が変化した時の弾性清掃部材の形状変化を示す図である。
【図2】実施例の弾性清掃部材の概略図である。
【図3】実施例の弾性清掃部材の斜視図である。
【図4】感光体と弾性清掃部材の摩擦係数測定要領の概略図である。
【図5】画像形成装置の一例としての画像形成装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[画像形成装置]
図5は画像形成装置の一例としての画像形成装置100の概略構成図である。この装置100は転写方式電子写真プロセス利用のモノクロレーザープリンターであり、パソコン等の外部ホスト装置200から制御回路部101に入力する電気的な画像情報に対応した画像を記録材Pに形成して画像形成物として出力する。
【0018】
1は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光体と記す)であり、駆動機構(不図示)により矢印の時計方向に所定の周速度にて回転駆動される。感光体1の周囲には感光体回転方向に沿って電子写真画像形成プロセス手段としての、帯電ローラ2、露光装置3、現像装置4、転写ローラ5、クリーニング装置6が配設されている。
【0019】
回転する感光体1の表面は帯電ローラ2によって所定の極性・電位に一様に帯電処理される。その帯電面に対して露光装置3により画像情報に応じた露光がなされる。装置3は本例においてはレーザースキャナである。スキャナ3は装置200から制御回路部101に入力した画像情報の時系列電気デジタル画像信号に応じてON/OFF制御(変調制御)されたレーザビームLを出力し、回転する感光体1の帯電処理面を主走査露光する。これにより感光体1の露光部電位が減衰して感光体面に画像情報に応じた静電潜像が形成される。
【0020】
その感光体1の表面に対して現像装置4によって現像剤(トナー)が供給される。これにより感光体面の静電潜像が現像剤の像(トナー画像)として現像される。感光体面の現像剤像は、感光体1と転写ローラ5との当接部である転写ニップ部Tにおいて、このニップ部Tに給紙機構部7から所定の制御タイミングにて給紙された記録材Pの面に対して転写される。即ち、感光体1上の現像剤像と記録材の先端の書き出し位置が合致するように、トップセンサ8にて検知した記録材Pの先端位置情報に応じて画像形成が制御される。
【0021】
記録材Pはニップ部Tにおいて感光体1とローラ5とにより一定の加圧力で挟持搬送され、またローラ5には所定の転写バイアスが印加されることにより、感光体面の現像剤像が記録材Pに電気力と圧力で順次に転写される。ニップ部Tを通過した記録材Pは感光体1の表面から分離され、加熱定着装置9へと搬送される。この装置9により未定着の現像剤像が記録材面に固着画像として加熱定着される。そして、画像定着を受けた記録材Pは画像形成物として排出部10に搬送されて排出される。
【0022】
一方、記録材分離後の感光体1の表面に残留する現像剤(転写残り現像剤)は、クリーニング装置6により感光体1の表面より除去され、感光体1は繰り返して画像形成に供される。クリーニング装置6はクリーニング素子として後述する本発明に係る弾性を有するブレード状の像担持体清掃部材(以下、ブレードと記す)bを用いたブレードクリーニング装置である。
【0023】
装置6は感光体1の母線方向に長く、クリーニング容器61と、この容器61に対して支持部材62を介して固定して配設されたブレードbと、を有する。ブレードbは、感光体1の画像形成可能領域幅の全幅に対応する長さ寸法を有する。ブレードbは支持部材62側とは反対側の先端エッジ部を感光体回転方向に対してカウンターに当接させて配設されている。回転する感光体1の表面はそれに当接しているブレードbの先端エッジ部で摺擦される。これにより、感光体1の表面に残留する転写残り現像剤がブレードbにより掻き取られて感光体表面から除去される。除去された現像剤は容器61に収容される。
【0024】
本例の装置100は、感光体1、帯電ローラ2、現像装置4、クリーニング装置6を共通の枠体11に所定配置関係をもって組み付けて、これらを一括して画像形成装置本体に対して取り外し可能に装着されるカートリッジ12としてある。
【0025】
[画像流れについて]
発明者らは画像流れが発生する現象について詳細な検討を試みた。高温・高湿下で装置100を使用し続けると画像流れを発生することがある。この場合、感光体1の表面を、エタノールを染み込ませた紙で軽く擦ることにより一旦、画像流れは良化する。
【0026】
しかし、再度、使用を続けると、今度は、以前よりも早い段階で再び画像流れが発生してしまう現象が度々認められた。この現象は、画像流れの原因が感光体1の表面に付着した物質によるが、そもそも感光体表面に対する付着物質の着きやすさが変わっていることを示唆する結果である。
【0027】
更に、使用された感光体の表面の接触角は、感光体表面をエタノールを染み込ませた紙で拭いても、未使用の感光体表面の接触角ほどには回復しない。XPS(X線光電子分光)や、TOF−SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析法)にて分析してみると、表面を拭いた後では、未使用の感光体表面に比べ、カルボキシル基や水酸基が増加していることが分かった。即ち、感光体表面を構成している樹脂自体が酸化劣化したことで、感光体表面への物質の付着性が上がり、画像流れが発生し易い状況になったと考えられる。
【0028】
樹脂表面の酸化劣化により極性基が増加するメカニズムとしては、次の1)、2)、3)などが考えられ
1)感光体の放電プロセスにおいて、電子が感光体表面へ直接衝突し、感光体表面の樹脂の化学結合を開裂させ開裂部位に酸素が結合するメカニズム
2)放電プロセスで生成したオゾンなどの酸化性気体により樹脂表面が酸化されるメカニズム
3)樹脂の加水分解によりモノマー成分のカルボキシル基や水酸基に戻るメカニズム
加水分解を起こす樹脂は、主に、エステル結合、アミド結合、シロキサン結合、ウレタン結合を含む樹脂である。その中でも、樹脂強度の強いものは摩耗レートが遅く、1)〜3)の劣化反応のスピードに対し、表面極性基の蓄積が多くなる。そのため、画像流れがより顕著になる傾向にある。具体的にはポリアリレート樹脂や硬化性のアクリル樹脂、硬化性のシロキサン樹脂などが該当する。
【0029】
従って、これらの樹脂を表面層に用いた感光体の画像流れ発生メカニズムは、先ず1)〜3)の表面劣化反応による極性基の増加である。次いで窒素酸化物やオゾン或いは紙粉等の付着、更に表面付着物質に対する大気中の水分吸着による感光体表面の抵抗低下という機序であると考えられる。
【0030】
従って、画像流れの対策として、紙粉などの感光体表面に付着物したものを拭きとる部材の当接やヒーター設置による温湿度の制御によって感光体表面の付着物に対する水分吸着を抑制させる手段では、対策の時期としては遅い、又は不十分である。根本的な解決手段としては、感光体表面の極性基を増加させないことが必要であるという結論に至った。
【0031】
極性基の増加を抑制する手段としては、感光体表面の研磨や酸化防止剤の添加、感光体表面の帯電プロセスにおける放電電流量の抑制等が挙げられる。
【0032】
しかし、常に感光体表面を研磨すると、感光体の摩耗量の増加による寿命の低下や深傷の発生が問題となる。酸化防止剤添加ではオゾンの影響の低減にはある程度の効果はあるものの放電電子の衝突や加水分解反応の影響を抑制する効果は少ないだけではなく、感光体の感度や残留電位への影響が大きいという弊害も発生する。また、放電電流量の制御による効果も認められるが、帯電部材の抵抗が変動した時などの帯電安定性に影響を及ぼしため、充分な対策にはなっていない。
【0033】
一方で、極性基が増加し始めた初期段階のみに、その極性基の増加を抑える方法が有効であると考えられる。しかし、極性基の量を検出する化学的に分析するXPSやTOF−SIMSのような手段を装置100内に設けることは実施的に不可能である。
【0034】
一方、電子写真プロセスにおいて、感光体や中間転写体などの像担持体の表面を構成する樹脂の表面に極性基が増加し始める初期の段階における物性の変化として、動摩擦係数が増加することが分かった。上記の樹脂は、具体的には、ポリエステル、ポリイミド、シロキサン樹脂、ポリウレタン、架橋アクリル樹脂などである。
【0035】
即ち、摩擦係数の増加を検知し、極性基の生成を抑制する機構を作動させる方法が、画像流れの防止に有効であると考えられる。
【0036】
特許文献6(特開平7−230239号公報)には、画像形成装置の現像剤清掃装置に関する次のような記載がある。この装置は、感光体とこれに当接させたブレード状の弾性清掃部材との摩擦係数が大きくなって、その摩擦で弾性清掃部材がわん曲変形する状態が生じたときに、それを検出して弾性清掃部材を元の状態に復帰させることが可能である。この装置では、感光体表面の摩擦が上昇した際に、感光体の非画像領域に現像手段で現像剤を付着させて、その現像剤を弾性清掃部材に供給することを特徴としている。
【0037】
この方式であれば、確かに摩擦係数御上昇は一旦抑制可能であるものの、装置構成が複雑になるばかりではなく、感光体劣化の根本原因である極性体の除去自体は行われているわけではない。従って再び現像剤の使用量の少ない画像の出力が続けば、摩擦係数の上昇は起こりうるし、そもそも、画像流れの元凶である極性基は除去できていないので、帯電条件や使用する紙種によっては画像流れが発生する可能性が残っている。
【0038】
極性基の増加を抑制する方法としては、像担持体表面の帯電条件を弱める方法が考えられる。しかし、この場合は、帯電性の不安定化、不均一化け引き起こす可能性があるだけではなく、摩擦係数を読み取った上で特別な対策を作動するという特別な機構や回路を新たに設ける必要があり、装置の大型化、複雑化を招く。
【0039】
[像担持体清掃部材]
一般的には、電子写真プロセスにおいて感光体や中間転写体の像担持体表面の摩擦係数変化を直接的かつ、高い感度で感受可能なのは、これらの像担持体の表面に接して像担持体の表面に残留した現像剤を清掃する部材(クリーニング素子)であると考えられる。この清掃部材としてはブラシ、ウエッブ、ブレードなどの種々の方式が知られている。これらのうち、弾性体で構成されているブレード状の清掃部材(以下、弾性清掃部材)は最も像担持体の表面に密着した構造を有するため、最も如実に像担持体表面の摩擦係数の変化、即ち、極性基の増加を検知可能な像担持体清掃部材であると言える。
【0040】
一方、像担持体表面の摩擦係数が増加することで、弾性清掃部材は、弾性体であるが故に、低摩擦係数時の像担持体への当接状態とは異なる形状をとる。摩擦係数の変化による弾性清掃部材の変化の仕方は、弾性清掃部材の材質や形状、更には当接の仕方に依存するが、例えば図1の(1−1)〜(1−4)の様な形状変化が予想される。ここで、摩擦係数の変化とは、相互接触している像担持体と弾性清掃部材との相対移動における動摩擦係数の変化である。
【0041】
c01、c11、c21、c31は、それぞれ、初期状態時(低摩擦係数時)の感光体表面(像担持体の表面)、c02、c12、c22、c32は、それぞれ、耐久による摩擦上昇状態時の感光体表面である。b1、b2、b3、b4は、それぞれ、感光体表面に当接させた各種の形状・当接形態の弾性清掃部材である。破線矢印は感光体表面の移動方向である。弾性清掃部材b1、b2、b3、b4は固定して配設されており、非回転の部材である。弾性清掃部材b1、b2、b3、b4は感光体の表面移動方向に対してカウンターに配設されている。
【0042】
当接角θは、清掃部材b1、b2、b3、b4と感光体との接触部において、清掃部材b1、b2、b3、b4の感光体表面の移動方向下流側の面と、感光体表面とのなす角である。
【0043】
図1の(1−1)〜(1−3)の弾性清掃部材b1、b2、b3の変形においては、変形前のa01、a11、a31の各点は摩擦係数が低い状態よりも摩擦係数が高くなった状態では、a02、a12、a32の状態となり、感光体表面に接近する点である。
【0044】
図1の(4−1)の弾性清掃部材b4の変形においては、変形前のa41の各点は摩擦係数が低い状態よりも摩擦係数が高くなった状態ではa42の状態となり、感光体表面から逆に遠のく。
【0045】
本発明者らが鋭意検討を行った結果、摩擦係数が上昇した状態で感光体表面との距離が接近する弾性清掃部材部分(像担持体清掃部材部分)に感光体表面の極性基の増加を抑制するための機能を持たせることで、画像流れを抑制できることを確認した。
【0046】
具体的には、感光体表面の摩擦係数が高くなった状態における弾性清掃部材b1、b2、b3の上記の接近部分:a02、a12、a32の各点付近に感光体表面の研磨作用を有する部材(研磨部材)を設ける。これによって、摩擦係数上昇時のみに、研磨作用を有する部材と感光体表面c02、c12、c32とが接触する。そして、その接触によって極性基が結合している感光体の最表面部分を研磨することで、常に窒素酸化物や紙粉などの付着を抑制し、画像流れの発生を未然に防ぐことが可能となる。
【0047】
図2の(2−1)は、図1の(1−2)の弾性清掃部材b2について、上記の接近部分:a12の点付近に研磨部材d1を設けたものである。図3の(3−1)はその弾性清掃部材b2の研磨部材d1を設けた側を見た斜視図である。図2の(2−2)は、図1の(1−3)の弾性清掃部材b3について、上記の接近部分:a32の点付近に研磨部材d2を設けたものである。図3の(3−2)はその弾性清掃部材b3の研磨部材d2を設けた側を見た斜視図である。
【0048】
1)感光体1が低摩擦係数時の表面c11、c21である場合においては、回転する感光体1の表面に接する弾性清掃部材b2、b3の先端部の変形量は少ない。そのため弾性清掃部材b2、b3に対して上記のように設けられている研磨部材d1、d2は感光体表面c11、c21に接触しない。この状態において、弾性清掃部材b2、b3による感光体表面c11、c21の摺擦、清掃が行われる。
【0049】
2)感光体表面の摩擦係数が全面的に又は部分的に高くなってくると、摩擦係数が高くなる方向への変化に応じて、摩擦係数が高くなった表面c12、c22に接する弾性清掃部材b2、b3の先端部の変形量が弾性に抗して大きくなっていく。この状態において、弾性清掃部材b2、b3による感光体表面c11、c21の摺擦、清掃が行われる。
【0050】
3)そして、相互接触している感光体と弾性清掃部材との相対移動における動摩擦係数の変化が一定の値を超えたときには、弾性清掃部材b2、b3の先端部の更なる変形により研磨部材d1、d2が感光体表面c11、c21に接触する。即ち、動摩擦係数の変化が一定の値を超えると、それに対応した弾性清掃部材b2、b3の先端部のより大きな変形によりその変形部分に対応する研磨部材d1、d2の部分が摩擦係数が高い感光体表面c12、c22に対して接触する関係構成となっている。
【0051】
そして、その接触によって極性基が結合して摩擦係数が高くなっている感光体表面部分が研磨されてその表面部分の摩擦係数が低下していく。この摩擦係数の低下に伴って、その表面部分に接する弾性清掃部材b2、b3の先端部の変形量が弾性復元により少なくなることで、研磨部材d1、d2の部分が感光体表面から離れていくことで、弾性清掃部材b2、b3は1)の状態に戻る。
【0052】
4)上記の1)、2)、3)のような弾性清掃部材b2、b3の先端部の変形動作が、相互接触している像担持体と弾性清掃部材との相対移動における動摩擦係数の変化に対応して自然に繰り返えされる。これによって、摩擦係数上昇時のみに、研磨作用を有する部材d1、d2と感光体表面c11、c21とが接触する。その接触によって極性基が結合している感光体の最表面部分を研磨することで、常に窒素酸化物や紙粉などの付着を抑制し、画像流れの発生を未然に防ぐことが可能となる。
【0053】
研磨部材d(d1、d2)を有する弾性清掃部材bは、大変、単純な構成であるため、装置サイズを大型化する必要もなく、また、摩擦係数の変化を電気的にフィードバックする特殊な回路や機構を必要としない特徴がある。
【0054】
更に、研磨作用がある部分dは、常に感光体表面に接触しているわけではないために、感光体表面の過度な摩耗促進や深傷の発生を生じさせることもない。また、常時、研磨作用を有する部分dを感光体表面に接触させると、研磨作用により生成した削れ粉や感光体上の現像剤が研磨作用を有する部分に付着することで研磨能力が低下することも起こりうる。しかし、本発明の構成であれば必要最小限の接触頻度に設定可能なため、研磨能力の低減も少ないという利点もある。
【0055】
弾性清掃部材bは、接触する電子写真感光体や中間転写体などの像担持体との摩擦係数の変化により、弾性変更を起こす部材である必要がある。変形しない材質である場合には、研磨作用を有する部分dが像担持体表面に接触することは無い。逆に、塑性変形を起こす部材であれば、像担持体の摩擦係数の上昇により一旦、研磨作用を有する部分dが像担持体表面上に接触した場合は、極性基を研磨して像担持体表面との摩擦係数が低減しても像担持体表面に接触し続ける。そのために、削れ量の増加並びに深傷の発生を招くからである。
【0056】
弾性清掃部材bの材質としては従来公知のウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム、ブチルゴム、クロロプレーンゴム、エチレンプロピレンゴムを用いることができる。また、スチレンブタジエンゴム、イソプレーンゴム、アクリルニトリルブタジエンゴム等を用いることができる。これらの中でも特に、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムを好適に用いることができる。
【0057】
また、弾性清掃部材bのゴム硬度としては、50度〜90度、好ましくは60度〜80度であるものがよい。硬度が高過ぎると、像担持体表面の摩擦係数が上昇しても弾性変形を起こす量が少なく、像担持体表面に接近する部分が少ない。そのため、像担持体表面の極性基を確実に研磨除去することができない。
【0058】
逆に、硬度が低すぎる場合には、わずかな摩擦係数の変化でも弾性清掃部材bが変形する。そのため、殆ど像担持体表面に極性基が生成していない状況でも、例え像担持体表面上の現像剤の量の変動なので摩擦係数が変化したときにでも、研磨作用を有する部分dが像担持体表面に接触する可能性があり、不必要に像担持体の表面を研磨させることになる。
【0059】
弾性清掃部材bの厚みは、0.5〜5mm、好ましくは1〜4mm、更に好ましくは2〜3mmがよい。弾性清掃部材bの厚みが厚過ぎると、像担持体表面の摩擦係数が上昇しても弾性変形を起こす量が少なく、像担持体表面に接近する部分が少ないため、像担持体表面の極性基を確実に研磨除去することができない。
【0060】
逆に、弾性清掃部材bの厚みが薄すぎる場合には、わずかな摩擦係数の変化でも弾性清掃部材bが変形する。そのため、殆ど像担持体表面に極性基が生成していない状況でも、例え像担持体表面上の現像剤の量の変動なので摩擦係数が変化したときにでも、研磨作用を有する部分bが像担持体表面に接触する可能性がある。そのため、不必要に像担持体の表面を研磨させることになる。
【0061】
弾性清掃部材bと像担持体1との当接角θは、10〜40度、好ましくは20〜30度である。当接角が大きすぎると、像担持体表面の摩擦係数が上昇しても、像担持体表面に接近する部分が少ない。そのため、像担持体表面の極性基を確実に研磨除去することができない、或いは、更に像担持体表面の摩擦が上昇した時に図1の(1−4)のような変形を起こす可能性がある。
【0062】
逆に、当接角θが小さすぎると、わずかな摩擦係数の変化でも弾性清掃部材bが像担持体表面に接触する。そのため、殆ど像担持体表面に極性基が生成していない状況でも、例え像担持体表面上の現像剤の量の変動なので摩擦係数が変化したときにでも、研磨作用を有する部分dが像担持体表面に接触する可能性がある。そのため、不必要に像担持体の表面を研磨させることになる。
【0063】
弾性清掃部材bの研磨作用を有する部材dを設ける場所は、像担持体表面の摩擦係数の上昇時に像担持体表面との距離が近づいたときに確実に接触する部分であればよい。図1の(1−1)〜(1−3)に示したように板状の弾性清掃部材b1、b2、b3のa02、a12、a32に相当する部分に設けるのが良い。更に、これらの中では、図2の(2−1)及び(2−2)に示した状態が好ましく、更に(2−2)の状態が最も好ましい。
【0064】
図2の(2−1)の状態では、像担持体表面の摩擦係数の上昇時に弾性清掃部材bの材質や溶接状態によっては図1の(1−4)に示したような変形を起こす可能性がある。この場合は、極性基の増加により摩擦係数が上昇しても、研磨作用を有する部分が像担持体表面に接触しない可能性あるからである。
【0065】
研磨部材dとしては、高硬度材質の微粒子や繊維を用いることができる。具体的な材料としては、公知の研磨材料を持いることが可能である。ダイアモンド、炭化ケイ素、アルミナ、立方晶窒化ホウ素、チタン酸ストロンチウム、二酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、スチールウール、炭化ホウ素、炭化タングステン等を用いることが可能である。これらの中で、特に、モース硬度が7〜10の化合物を用いることで、効果的な極性基の除去が可能となる。
【0066】
また、これらの研磨材料を有する部分dの表面粗さ:Rzとしては0.5〜5μmであるのが好ましい。表面粗さ小さすぎると、研磨部分dが像担持体表面に接触しても十分な研磨作用を発現できない、或いは、削れ粉などの目詰まりによる研磨能力の低下を招く。逆に、表面粗さが大きすぎる場合は、像担持体表面への接触により深傷を発生させることになる。
【0067】
また、初期状態において、弾性清掃部材bと像担持体1の接触を滑らかにするために、弾性清掃部材bの像担持体1との接触部e(図3)にケイ素やフッ素系の潤滑成分剤(潤滑剤)を塗布しておいてもよい。
【0068】
弾性清掃部材bにおいて研磨作用を有する部分dを取り付ける位置は次のような位置に設けることが好ましい。即ち、弾性清掃部材bと像担持体表面との動摩擦係数が、極性基生成により初期状態に比べ、1.6〜2倍になった時に研磨作用を有する部分dが像担持体表面に当接するような位置に設けることが好ましい。
【0069】
摩擦係数の上昇が大きくない状態でも、研磨作用を有する部分dが像担持体表面に接触する設定にした場合は、わずかな摩擦係数の変化でも弾性清掃部材bの研磨作用を有する部分dが像担持体表面に接触する。そのために、殆ど基体表面に極性基が生成していないにもかかわらず、例え基体表面上の現像剤の量の変動なので摩擦係数が変化したときにでも、研磨作用を有する部分dが像担持体表面に接触する可能性があり、不必要に像担持体1の表面を研磨させることになる。
【0070】
逆に、摩擦係数が初期状態の2倍を超えても、研磨作用を有する部分dが像担持体表面に接触しない設定の場合は、像担持体表面に極性基が増加しても、すぐには除去できないために、画像流れを抑制することが困難となる。
【0071】
摩擦係数の測定は、例えば図4に示した構成で弾性清掃部材bと像担持体1を接触させ、清掃部材bに垂直荷重を加えて摺擦させたときの力を測定することで得ることができる。gは像担持体固定治具である。
【0072】
弾性清掃部材bが当接する像担持体1の表面層の構成材料としては、従来公知の材料を用いることが可能である。本発明に係る弾性清掃部材bの画像流れ防止効果が顕著に認められるのは、機械的強度、特に弾性変形率が40〜60%であり、加水分解を起こす可能性がある樹脂材料である。
【0073】
具体的には、アミド結合、エステル結合、ウレタン結合、シロキサン結合を有する樹脂成分である。より具体的には、熱可塑性樹脂では、ポリエチレンテレフタレート、ポリナフチレンテレフタレート、ポリアリレートなどのポリエステル樹脂やシリコーン樹脂である。硬化性樹脂であれば、ポリイミド樹脂、紫外線又は電子線硬化性のアクリル樹脂、ゾルゲル法により得られるシロキサン樹脂などを挙げることがでる。
【0074】
また、本発明に係る弾性清掃部材bが接触するのが電子写真感光体の場合、表面層には一般的に電荷輸送層若しくは電荷発生層を用いるが、本発明の効果が顕著に現れるのは、酸化電位の低い電荷輸送剤を含有する電荷輸送層を最表面に設けた感光体である。特に、含有する電荷輸送材料の酸化電位が0.7V以下である場合に、より高い効果が得られる。
【0075】
[実施例1]
以下、製造例及び実施例により具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。
【0076】
1)感光体1
長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記の電荷輸送層を最表面に有する電子写真感光体1を作成した。電荷輸送層は、下記構造式(1)の繰り返し単位を有する重量平均分子量が165,000のポリエステル及び酸化電位が0.7Vの電荷輸送剤から構成させる電荷輸送層を最表面に有する電子写真感光体を作成した。
【0077】
【化1】

【0078】
2)弾性清掃部材b
ゴム硬度が70℃で厚みが2mmの弾性ブレードbに対し、研磨成分がして酸化アルミニウムであり、表面粗さが3μmの研磨部材d1、d2を,図2の(2−1)、図3の(3−1)ように設けて、本発明に従う弾性清掃部材bを構成した。更に、初期動作が安定するために、弾性清掃部材bの感光体1に対する当接部(先端部)eには、固体潤滑剤であるトスパールを塗布した。
【0079】
上記1)の感光体1を、モノクロレーザープリンター:LaserJet 4300n((ヒューレッドパーカード製)のカートリッジ12(図5)に像担持体として装着した。また、上記2)の研磨部材d1またはd2を有する弾性清掃部材bをクリーニング素子としてカートリッジ12のクリーニング装置6のクリーニング容器61に対して支持部材62を介して固定して装着した。弾性清掃部材bは先端部eを感光体回転方向に対してカウンターに当接させてある。感光体1と弾性清掃部材bとの当接角θは25°とした。
【0080】
また、研磨機能を有する部分d(d1、d2)は、感光体1と弾性清掃部材bとの摩擦係数が、固体潤滑剤が塗布してある初期の動摩擦係数:0.44から0.705に変化した時点で感光体表面に接触する関係構成に設定した。
【0081】
尚、感光体1と弾性清掃部材bとの摩擦係数は、図4のような当接状態で、感光体1を固定治具gによって固定し、弾性清掃部材bを100mm/分の速度で移動させて測定した。摩擦測定としては、表面性測定機:TRIBOGER TYPE:14(新東科学製)を用い、30gの重りを用いて測定した。
【0082】
上記のカートリッジをレーザープリンター本体に装備し、湿度85度、温度:33℃の条件で、画像はE文字(各色4%印字)2000枚連続印字した。記録材Pは填料にタルクを含有したものを、予め上記環境下で24時間包装紙を開封して放置し、水分を吸湿させた紙を使用した。画像流れの判断としては連続通紙のE文字を評価し、1000枚連続印字直後及び、15時間放置後での画像流れの度合い並びに、感光体上の傷の状態を評価した。
【0083】
[比較例1]
実施例1において、研磨部材d(d1、d2)を常に感光体1に当接する状態にした以外は、同様にカートリッジを作製した。
【0084】
[比較例2]
実施例1において研磨部材dを設けていない弾性清掃部材bを用いた以外は、同様にしてカートリッジを作製した。
【0085】
[実施例2〜6]
実施例1において、弾性清掃部材bのゴム硬度、厚み及び研磨部材d(d1、d2)の材質と表面粗さを表1に記載した通りにした。更には感光体1と研磨部材dが接触開始するまでの摩擦係数の比が表1になるように弾性清掃部材bに対する研磨部材dの位置を調整した。
【0086】
[参考例1]
比較例2において、感光体1の表面層の樹脂をポリエステルからポリスチレンに変えた以外は同様にしてカートリッジを作成した。
【0087】
【表1】

【0088】
表1に示した通り、実施例1〜6及び比較例2の評価結果から、本発明の弾性清掃部材bによる画像流れの抑制効果が確認できる。更に。実施例1〜6と比較例1の比較より、研磨部材dが常時、感光体1に当接する構造の場合、画像流れ自体は抑制可能であるものの、感光体1に対する機械的なダメージが強すぎて感光体1の耐久性に対する影響が重大であることが分かる。
【0089】
尚、参考例1のように感光体1の強度が弱い樹脂で表層を形成した場合は、本発明に係る研磨部材dを有する弾性清掃部材bを用いずとも、画像なれの発生が認められなかった。従って、本発明に係る研磨部材dを有する弾性清掃部材bは、耐久性の高い材質で構成される像担持体において、特に効果的であることが分かる。
【0090】
[その他の事項]
1)本発明において、現像剤による像が形成される像担持体は、実施例の電子写真感光体に限られない。静電記録画像形成装置における静電記録誘電体、磁気記録画像形成装置における磁気記録磁性体などであってもよい。また、像担持体には中間転写体も含まれる。
【0091】
2)像担持体と弾性を有するブレード状の像担持体清掃部材との移動はどちらか一方もしくは両方が移動する構成とすることができる。即ち、像担持体と像担持体清掃部材との相対移動によって像担持体の表面が像担持体清掃部材で摺擦されて残留する現像剤が除去される構成とすることができる。
【0092】
3)像担持体に対する弾性を有するブレード状の像担持体清掃部材の当接はカウンター当接に限られず順当とする構成とすることができる。
【符号の説明】
【0093】
1・・像担持体、b・・弾性を有するブレード状の像担持体清掃部材、d・・研磨部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤による像が形成される像担持体の表面に対して当接されて前記像担持体との相対移動によって前記表面を摺擦して前記表面に残留する現像剤を除去する弾性を有するブレード状の像担持体清掃部材であって、
前記相対移動における前記表面との動摩擦係数の変化により前記像担持体清掃部材が弾性変形を起こす際に前記表面との距離が接近する像担持体清掃部材部分に像担持体に対する研磨部材が設けられており、前記動摩擦係数の変化が一定の値を超えたときに前記研磨部材が前記表面に接触する関係構成であることを特徴とする像担持体清掃部材。
【請求項2】
前記研磨部材の表面粗さ:Rzが0.5〜5μmであり、かつ含有されている微粒子のモース硬度が7〜10であることを特徴とする請求項1に記載の像担持体清掃部材。
【請求項3】
像担持体の表面に形成された現像剤による像を記録材に転写する画像形成装置であって、
前記像担持体と、
前記像担持体の表面に対して当接されて前記像担持体との相対移動によって前記表面を摺擦して前記表面に残留する現像剤を除去する弾性を有するブレード状の像担持体清掃部材であって、前記相対移動における前記表面との動摩擦係数の変化により前記像担持体清掃部材が弾性変形を起こす際に前記表面との距離が接近する像担持体清掃部材部分に像担持体に対する研磨部材が設けられており、前記動摩擦係数の変化が一定の値を超えたときに前記研磨部材が前記表面に接触する関係構成である像担持体清掃部材と、を有し、
前記像担持体の表面の弾性変形率が40〜60%であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記像担持体の表面がエステル結合を有する樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記研磨部材の表面粗さ:Rzが0.5〜5μmであり、かつ含有されている微粒子のモース硬度が7〜10であることを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記像担持体と前記像担持体清掃部材との接触部において、前記像担持体清掃部材の前記像担持体の移動方向下流側の面と、前記像担持体の表面とのなす角をθとして、θが10〜40度であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−226043(P2012−226043A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91958(P2011−91958)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】