説明

充填式塗装排気洗浄装置

【課題】 通過気体中の塗料ミストを捕捉する充填材層を面積的に大きなものにしながら、その充填材層に対して洗浄液を均一に散液できるようにする。
【解決手段】 吹付塗装域2の底部を形成する洗浄液板3に排気口4を設けるとともに、その排気口4を通じて前記吹付塗装域2から下向きに排出される塗料ミスト含有気体Aを通過させる塗料ミスト捕捉用の充填材層5を前記排気口4の下方に設け、前記洗浄液板3の板上に洗浄液Wを供給して、その洗浄液Wを前記洗浄液板3から前記排気口4を通じ前記充填材層5の層上へ流出させる洗浄液供給手段10を設けた充填式塗装排気洗浄装置において、前記洗浄液板3に、前記排気口4の口縁を形成する板縁部に向かって下降傾斜する傾斜案内部3Bを設けるとともに、その傾斜案内部3Bを流下する洗浄液Wの一部又は全部を衝突させて前記排気口4の側へ飛散させる堰状の飛散ガイド13を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吹き付け塗装作業を行う吹付塗装域からの排気中に含まれる塗料ミストを捕捉して排気を浄化する充填式の塗装排気洗浄装置に関し、詳しくは、吹付塗装域の底部を形成する洗浄液板に排気口を設けるとともに、その排気口を通じて吹付塗装域から下向きに排出される塗料ミスト含有気体を通過させる塗料ミスト捕捉用の充填材層を排気口の下方に設け、そして、洗浄液板の板上に洗浄液を供給して、その洗浄液を洗浄液板から排気口を通じ充填材層の層上へ流出させる洗浄液供給手段を設けた充填式の塗装排気洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の充填式塗装排気洗浄装置は、洗浄液板から充填材層の層上へ洗浄液を流出させて充填材を濡れ状態に保つことにより、充填材への直接の塗料ミスト付着を洗浄液により防止しながら、充填材層中において塗料ミストを分散状態の洗浄液に効率的に捕捉させ、この捕捉塗料ミストを流下洗浄液とともに回収するものであるが、従来、洗浄液板から排気口を通じ充填材層の層上に洗浄液を流出させるのに、図4に示す如く、洗浄液板3を水平姿勢に配置した状態で、排気口4の口縁を形成する洗浄液板3の板縁を充填材層5の上方まで張り出させ、この板縁に堰Sを設けて、この堰Sからの溢れ出しにより洗浄液Wを充填材層5の層上へ散液状態で流出させる構造にしていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、この種の充填式塗装排気洗浄装置では、充填材層5における充填材5aへの直接の塗料ミスト付着があると、その付着塗料の堆積が早期に進んで頻繁なメンテナンスが必要になることから、洗浄液Wを充填材層5の全面に極力均一に散液することが要求されるが、上記の如き堰Sからの単なる溢れ出しによる洗浄液流出では、流出方向での洗浄液Wの拡がり範囲(すなわち、充填材層5に対する散液範囲)が極限られ、このため、洗浄液Wを充填材層5の全面に散液して充填材5aへの直接の塗料ミスト付着を充填材層5の全体で確実に防止しようとすると、充填材層5を面積的に小さなものにしなければならず、そのことで充填材層5の通気抵抗(圧力損失)が大きくなって送風機動力が嵩む問題があった。
【0004】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、洗浄液板に対する合理的な改良により上記問題を効果的に解消する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1特徴構成は、吹付塗装域の底部を形成する洗浄液板に排気口を設けるとともに、その排気口を通じて前記吹付塗装域から下向きに排出される塗料ミスト含有気体を通過させる塗料ミスト捕捉用の充填材層を前記排気口の下方に設け、前記洗浄液板の板上に洗浄液を供給して、その洗浄液を前記洗浄液板から前記排気口を通じ前記充填材層の層上へ流出させる洗浄液供給手段を設けた充填式塗装排気洗浄装置において、
前記洗浄液板に、前記排気口の口縁を形成する板縁部に向かって下降傾斜する傾斜案内部を設けるとともに、その傾斜案内部を流下する洗浄液の一部又は全部を衝突させて前記排気口の側へ飛散させる堰状の飛散ガイドを設けてある点にある。
【0006】
つまり、この構成によれば、傾斜案内部での流下により勢いを付けた洗浄液を堰状の飛散ガイドに衝突させて排気口の側に飛散させることにより洗浄液を排気口下方の充填材層へ散液するから、先述の従来装置の如く堰からの単なる溢れ出しにより洗浄液を充填材層に散液するのに比べ、勢いのある分、散液範囲の遠限をより遠くにし得るとともに、飛散ガイドへの衝突により洗浄液をより効果的に分散させた状態で散液することができ、これにより、充填材層を面積的に大きなものにして必要送風機動力を低減しながらも、充填材層の全面に洗浄液を均一に散液することができて、メンテナンス負担となる充填材への直接の塗料ミスト付着をより確実に防止することができ、また、均一な散液により塗料ミストの捕捉性能も高めることができる。
【0007】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、前記洗浄液板の板縁部が前記充填材層の横側縁の真上又はそれよりも横外側に位置する状態に前記洗浄液板を配置してある点にある。
【0008】
つまり、先述の従来装置では洗浄液の散液範囲が極限られる条件下において洗浄液を極力、充填材層における横側縁から内方奥側へ離れた部分にも散液するために洗浄液板の板縁を充填材層の上方まで延出させていたが、本発明では上記第1特徴構成により散液範囲の遠限をより遠くにした状態で散液範囲を大きく確保できることから、洗浄液板の板縁部が充填材層の横側縁の真上又はそれよりも横外側に位置する状態に洗浄液板を配置しても、充填材層における横側縁から内方奥側へ離れた部分(すなわち、板縁部から遠い部分)へも洗浄液を良好に散液することができる。
【0009】
そして、このように洗浄液板の板縁部を充填材層の横側縁の真上又はそれよりも横外側に位置させることにより、従来装置では洗浄液板の下方に位置して洗浄液板の影になることで散液され難かった充填材層の横側縁近傍部にも良好に洗浄液を散液することができ、これらのことにより、充填材層の面方向一部分において充填材への直接の塗料ミスト付着が生じてしまうことを一層確実に防止することができる。
【0010】
本発明の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、前記飛散ガイドを前記傾斜案内部の先端部に配置してある点にある。
【0011】
つまり、この特徴構成によれば、傾斜案内部をその全長にわたり流下して最も勢いが付いた状態の洗浄液を傾斜案内板先端部の堰状飛散ガイドに衝突させて排気口の側へ飛散させるから、散液範囲の遠限をより遠くにするとともに洗浄液をより効果的に分散させるという先述の機能を一層効果的に発現させることができる。
【0012】
本発明の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれかの実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、前記飛散ガイドを洗浄液流下方向で複数段に配置してある点にある。
【0013】
つまり、この構成によれば、洗浄液流下方向における上流側の飛散ガイドへ衝突させて飛散させる洗浄液と下流側の飛散ガイドへ衝突させて飛散させる洗浄液とで、それらの衝突時の勢いの差及び飛び出し位置の差により、各洗浄液の散液範囲(散液領域)を洗浄液流出方向で前後にズラせることができ、これにより、充填材層に対する洗浄液全体としての散液範囲をさらに効果的に拡大することができる。
【0014】
本発明の第5特徴構成は、第4特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、前記飛散ガイドを平面視で千鳥状に配置してある点にある。
【0015】
この構成によれば、飛散ガイドの千鳥状配置により、それら飛散ガイドから飛散させた各洗浄液の散液範囲(散液領域)もそれらの範囲中心が千鳥状配置になるようにし、これにより、充填材層に対する洗浄液全体としての散液範囲を一層効果的に拡大するとともに、平面的にも充填材層に対する散液の均一性を高く確保することができる。
【0016】
本発明の第6特徴構成は、第5特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、前記飛散ガイドの千鳥状配置における洗浄液流下方向の上流側飛散ガイドの列と下流側飛散ガイドの列との間で下流側飛散ガイドどうしの間隙に対応する箇所に、流下洗浄液を下流側飛散ガイドの側に変向させる変向ガイドを設けてある点にある。
【0017】
つまり、この構成によれば、飛散ガイドの平面視千鳥状配置において上流側飛散ガイドどうしの間の間隙を通過して幅方向に拡がりながら流下する洗浄液を上記変向ガイドによる変向により下流側飛散ガイドの側に再集中させて下流側飛散ガイドに確実に衝突させることができ、これにより、飛散ガイド千鳥状配置群の全体として散液機能を一層高めることができる。
【0018】
本発明の第7特徴構成は、第1〜第6特徴構成のいずれかの実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、洗浄液を前記充填材層の層上に散液する散液ノズルを前記洗浄液板の下面側に設けてある点にある。
【0019】
つまり、この構成によれば、前記飛散ガイドによる散液に加えた散液ノズルからの洗浄液の散液により、充填材層に対する洗浄液散液の均一性を一層高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1において、1は被塗物であり、この被塗物1を設置して吹き付け塗装する吹付塗装域2の底部には洗浄液板3を設け、この底部形成板である洗浄液板3には、吹付塗装域2で発生する塗料ミストを域内空気Aとともに排出する排気口4を形成してある。
【0021】
排気口4の下方には、その排気口4を通じて吹付塗装域2から下向きに排出される塗料ミスト含有空気Aを通過させる塗料ミスト捕捉用の充填材層5を設け、この充填材層5を通過した空気Aは排気室6に受け入れた後、上昇排気路7を通じて排気ファン8により所定箇所へ排出する。
【0022】
洗浄液板3は充填材層5とともに塗装排気洗浄装置の主要部を成すものであり、この洗浄液板3は、水張り状態で吹付塗装域2の底部両横側に位置して吹付塗装域2からの降下塗料等を受け止めるほぼ水平姿勢の左右の水張パン部3Aと、それら水張パン部3Aから延出して排気口4の側に向かって下降傾斜する左右の傾斜案内部3Bとを備える。
【0023】
また、この洗浄液板3は、排気口4の口縁を形成する板縁部(すなわち、傾斜案内部3Bの先端部)が充填材層4の横側縁の直上方ないしそれより若干横外側に位置するように配置してある。
【0024】
水張パン部3Aには、洗浄水供給手段として水張パン部3Aの上面側に洗浄水Wを供給する給水部10を設けるとともに、傾斜案内部3Bの側の端縁部に洗浄液板幅方向(図において奥行き方向)に連続する堰11を設けてあり、これにより、給水部10からの洗浄水供給で水張パン部3Aを水張り状態に保つとともに堰11から洗浄水Wを溢水させて傾斜案内部3Bに流下させ、この流下洗浄水Wを排気口4を通じ充填材層5の層上に散水することで、充填層5を形成する多数の細かい固形充填材5aを濡れ状態に保つ。
【0025】
つまり、このように充填材5aを濡れ状態に保つことで、通過空気A中の塗料ミストが充填材5aに直接に付着することを防止しながら、充填材層5中において塗料ミストを分散状態の洗浄水Wに捕捉させ、これにより、充填材層5の通過過程で吹付塗装域2からの排出空気Aを浄化して、その浄化空気Aを排気室6及び上昇排気路7を通じ排出する。
【0026】
なお、本例では傾斜案内部3Bの形成材である平板の基端側を水張パン部3Aよりも上方へ所定寸法だけ突出させることで前記堰11を形成してある。また、上昇排気路7には通過空気Aに随伴する水滴を通過空気Aから分離する水切具7aを設けてある。
【0027】
一方、塗料ミストを捕捉した状態で充填材層5から落下する洗浄水Wは排気室6の傾斜底6aで受け止めて分離槽12に案内し、この分離槽12での貯留過程で洗浄水W中の塗料ミストを凝集塗料スラッジとして浮上分離させ、塗料スラッジを分離除去した洗浄水Wは給水部10へ送って再使用するか、あるいは所定箇所に排出する。
【0028】
洗浄液板3の傾斜案内部3Bを流下する洗浄水Wを充填材層5に散水するのに、傾斜案内部3Bには、図2及び図3に示す如く、流下洗浄水Wを衝突させて排気口4の側に飛散させる堰状(本例では衝立状)の飛散ガイド13を設けてあり、具体的には、傾斜案内部3Bにおける洗浄水流下方向の中間部で傾斜案内部3Bの幅方向(洗浄水流下方向に対して直交する幅方向)に所定間隔で一列に並べた上流側飛散ガイド13A、及び、排気口4の口縁を形成する傾斜案内部3Bの先端部で傾斜案内部3Bの幅方向に所定間隔で一列に並べた下流側飛散ガイド13Bを設けてある。
【0029】
また、これら飛散ガイド13A,13Bは、平面視において傾斜案内部3Bの幅方向で上流側飛散ガイド13Aと下流側飛散ガイド13Bとが交互に位置する千鳥状に配置してある。
【0030】
つまり、洗浄水Wを飛散ガイド13(13A,13B)への衝突により飛散させることで、その洗浄水Wを洗浄液流出方向とそれに直交する傾斜案内部幅方向との双方への拡がりを伴いながら充填材層5に散水するが、上記の如く飛散ガイド13(13A,13B)を千鳥状に配置することで、傾斜案内部3Bの途中まで流下して上流側飛散ガイド13Aに衝突する流下洗浄水Wと、傾斜案内部3Bの端縁部まで流下して下流側飛散ガイド13Bに衝突する流下洗浄水Wとの衝突の勢いの差並びに飛び出し位置の差により、図1において破線で示す如く、上流側飛散ガイド13Aからの飛散洗浄水Wは充填材層5に対する散水範囲が充填材層5の横側縁寄りとなり、また、下流側飛散ガイド13Bからの飛散洗浄水Wは充填材層5に対する散水範囲が充填材層5の中央寄り(内方寄り)となるようにし、これにより、洗浄水Wを充填材層5の全体に均一に散水して、充填材層5を形成する全ての充填材5aが適切な濡れ状態に保たれるようにしてある。
【0031】
なお、上記の如き飛散ガイド13の千鳥状配置において、上流側飛散ガイド13Aの列と下流側飛散ガイド13Bの列との間で下流側飛散ガイド13Bの列に近い箇所には、流下洗浄液Wを衝突させて、その一部を排気口4の側に飛散させるとともに残部の流れ向きを下流側飛散ガイド3Bの側へ変向させる同じく衝立状の変向ガイド13Cを設けてあり、これにより、上流側飛散ガイド13Aどうしの間の間隙を通過して幅方向に拡がりながら流下する洗浄水Wも確実に排気口4の側へ飛散させる。
【0032】
また、傾斜案内部3Bの下面側には、充填材層5の層上へ洗浄水Wを散水する散水ノズル14を設けてあり、この散水ノズル14からの散水により充填材層5に対する洗浄水散水の均一性をさらに高め、散水ノズル14自身への塗料ミストの付着は散水ノズル14を傾斜案内部3Bの下面側に配置することで防止するようにしてある。
【0033】
本例における各ガイドの寸法諸元の一例は次の通りである。
傾斜案内部3Bの長さ(洗浄水流下方向):250mm
上流側飛散ガイド13Aの長さ(傾斜案内部幅方向):30mm
上流側飛散ガイド13Aどうしの間の間隙:70mm
下流側飛散ガイド13Bの長さ(傾斜案内部幅方向):70mm
下流側飛散ガイド13Bどうしの間の間隙:30mm
変向ガイド13Cの長さ(傾斜案内部幅方向):35mm
各飛散ガイド13A,13B及び変向ガイド13Cの高さ:15mm
【0034】
〔別の実施形態〕
前述の実施形態では、飛散ガイド13を洗浄水流下方向で2段に設ける例を示したが、これに代え、1段のみ設けたり3段以上設けたりしてもよい。
【0035】
また、各段の飛散ガイド13を傾斜案内部3Bの幅方向に所定間隔で分散させるに代え、傾斜案内部3Bの幅方向に連続するものにしてもよい。
【0036】
飛散ガイド13や変向ガイド13Cの具体的形状・構造は種々の変更が可能であり、例えば、前述の実施気体では飛散ガイド13や変向ガイド13Cを傾斜案内部3Bに対して垂直姿勢の衝立状のものにしたが排気口4の側に傾斜するものにしてもよく、また、各部の飛散ガイド13や変向ガイド13Cを高さや長さあるいは傾斜角度が互いに異なるものにしてもよい。
【0037】
前述の実施形態では洗浄液Wとして水を用いる例を示したが、洗浄液Wは水に限らず薬剤を混合した水溶液やその他、種々の液体であってもよい。また、浄化対象の塗料ミスト含有気体Aも空気以外のものであってもよい。
【0038】
本発明による充填式塗装排気洗浄装置は種々の物品の塗装に適用することができ、塗装部を含めた塗装設備全体としての構造は前述の実施形態で示した構造に限らず種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】装置の全体構成を示す横断面図
【図2】洗浄液板の断面図
【図3】洗浄液板における傾斜案内部の板面視図
【図4】従来例を示す横断面図
【符号の説明】
【0040】
2 吹付塗装域
3 洗浄液板
4 排気口
A 気体
5 充填材層
W 洗浄液
10 洗浄液供給手段
3B 傾斜案内部
13 飛散ガイド
13A 上流側飛散ガイド
13B 下流側飛散ガイド
13C 変向ガイド
14 散液ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吹付塗装域の底部を形成する洗浄液板に排気口を設けるとともに、その排気口を通じて前記吹付塗装域から下向きに排出される塗料ミスト含有気体を通過させる塗料ミスト捕捉用の充填材層を前記排気口の下方に設け、前記洗浄液板の板上に洗浄液を供給して、その洗浄液を前記洗浄液板から前記排気口を通じ前記充填材層の層上へ流出させる洗浄液供給手段を設けた充填式塗装排気洗浄装置であって、
前記洗浄液板に、前記排気口の口縁を形成する板縁部に向かって下降傾斜する傾斜案内部を設けるとともに、その傾斜案内部を流下する洗浄液の一部又は全部を衝突させて前記排気口の側へ飛散させる堰状の飛散ガイドを設けてある充填式塗装排気洗浄装置。
【請求項2】
前記洗浄液板の板縁部が前記充填材層の横側縁の真上又はそれよりも横外側に位置する状態に前記洗浄液板を配置してある請求項1記載の充填式塗装排気洗浄装置。
【請求項3】
前記飛散ガイドを前記傾斜案内部の先端部に配置してある請求項1又は2記載の充填式塗装排気洗浄装置。
【請求項4】
前記飛散ガイドを洗浄液流下方向で複数段に配置してある請求項1〜3のいずれか1項に記載の充填式塗装排気洗浄装置。
【請求項5】
前記飛散ガイドを平面視で千鳥状に配置してある請求項4記載の充填式塗装排気洗浄装置。
【請求項6】
前記飛散ガイドの千鳥状配置における洗浄液流下方向の上流側飛散ガイドの列と下流側飛散ガイドの列との間で下流側飛散ガイドどうしの間隙に対応する箇所に、流下洗浄液を下流側飛散ガイドの側に変向させる変向ガイドを設けてある請求項5記載の充填式塗装排気洗浄装置。
【請求項7】
洗浄液を前記充填材層の層上に散液する散液ノズルを前記洗浄液板の下面側に設けてある請求項1〜6のいずれか1項に記載の充填式塗装排気洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−214071(P2009−214071A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−62603(P2008−62603)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(000149790)株式会社大気社 (136)
【Fターム(参考)】