説明

充電制御装置

【課題】太陽電池の発電量をより効率よく充電する。
【解決手段】起動判定回路4が、太陽電池1からの不安定な出力電圧を監視するのではなく、太陽電池1からGND電位への最大出力電流を流し、その出力電流が充電制御回路3の消費電流以上であることを検出して充電制御回路3を起動するため、太陽電池の発電量だけで充電制御回路3を動作する条件で、出力電圧を監視する場合に比べてより精度よく充電制御回路3を起動させることができる。これによって、太陽電池の発電量をより効率よく電力機器2に充電して用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池から発電される電力を2次電池またはスーパーキャパシタなどの電力保持デバイスに充電制御を行う充電制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の充電制御装置は、太陽電池から変動する電力を効率よく充電するための充電制御を行うものである。
【0003】
図13は、従来の充電制御装置の要部構成例を示すブロック図である。図14は、光照射強度をパラメータとした太陽電池の出力電圧−出力電流特性を示す図である。
【0004】
図13において、従来の充電制御装置100として、太陽電池101が光を受けて発電した電力を2次電池やスーパーキャパシタなどの電力機器103に充電する際に、電力機器103の充電効率を向上したり、電力機器103の種類に応じて要求される保護機能に適応した充電制御回路102が使用されている。
【0005】
また、太陽電池101に代表される自然エネルギ充電器は、発電電力が自然エネルギによって大きく変動する。その変動する発電電力を最大限に取り出すために必要となる最大電力追従のMPPT制御機能(MPPT:Maximum Power Point Tracking)もこの充電制御回路の仕様として求められる。なお、太陽光の照射強度に応じて太陽電池101の発電量は上昇する。この照射強度と電力カーブとの関係は図14に示す通りである。
【0006】
この充電制御回路102は、太陽電池101の電力を電力機器103(2次電池やスーパーキャパシタなど)に伝えるために準備されているデバイスであることから、その駆動電力は、太陽電池101から発電された電力のみで賄われるべきである。これが不可能な場合、充電制御中に電力機器103から充電制御回路102へ電力の逆流が発生し、逆に、電力が損なわれることになる。このことから、太陽電池101の発電電力が充電制御回路102の駆動電力以上であるかを判定する必要がある。この代表的な起動判定回路として、太陽電池出力電圧をモニタし、規定電圧まで上昇しているかどうかの判定を行うUVLO(Under Voltage Lock Out)回路104が採用されている。これらの充電制御回路102およびUVLO回路104により従来の充電制御装置100が構成されている。
【0007】
このUVLO回路104は、一般的な電源ICに多く採用されている起動判定回路である。一次電力源電圧(この場合は太陽電池出力電圧)が規定された電圧条件以上で起動する。なお、充電制御回路102が起動時に発生し得るコンデンサへの突入電流や、回路起動時のラッシュ電流でUVLO観測電圧が変動することによって、起動→停止→起動などの連続する誤動作を防止するために、この判定電圧にヒステリシス機能を有しているものが多い。このUVLO回路104については一般的に用いられており、特許文献1にも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−306648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記従来の太陽電池101の充電制御装置100では、太陽電池101からの出力電圧をUVLO回路104で監視して所定電圧以上になった時点で充電制御回路102を起動させるようになっているが、効率的にもコスト的にも普及率の高い結晶系の太陽電池101の出力電圧はバイポーラトランジスタやダイオードと同様に1セル当たり約−2mV/℃の負温度特性を有している。このため、起動可能な所定電圧に達しても、太陽電池101特有の光電変換による温度上昇のために出力電圧が低下してしまう。このように、温度によって太陽電池101の発電量に大きな差が生じ、しかも、天気による光量差によっても太陽電池101の発電量に1対10程度の差が生じ、さらにこれにマージンを加えると、充電制御回路102が実際に動作できる動作電圧範囲がさらに限定されてしまう。これでは、太陽電池101の発電量をより効率よく用いることができないという問題を有していた。
【0010】
より広範囲の温度条件で動作させるためには、太陽電池101の温度特性に比例するUVLO回路104が必要となる。しかしながら、太陽電池101とこの充電制御回路102側の温度バラつきは同一素子ではないため、完全にキャンセルすることはできない。
【0011】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、太陽電池の発電量をより効率よく充電することができる充電制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の充電制御装置は、光を受けて発電を行う太陽電池からの電力を充電制御回路により電力保持手段に充電制御する充電制御装置において、該太陽電池から基準電位への出力電流を監視し、その出力電流が基準電流値に達したことを判定して該充電制御回路を起動する起動判定手段を有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0013】
また、好ましくは、本発明の充電制御装置における基準電流値は、前記充電制御回路が駆動可能とする消費電流以上の電流である。
【0014】
さらに、好ましくは、本発明の充電制御装置における起動判定手段は、前記太陽電池からの出力電流をモニタする電流モニタ部と、この電流モニタ部を基準電位側にオン/オフする第1スイッチ手段と、該太陽電池からの出力流を該電流モニタ部から該第1スイッチ手段を通して該基準電位側に流し、その出力電流をモニタ電流として監視し、該モニタ電流が基準電流値に達したことを判定して、該第1スイッチ手段をオフすると共に、該太陽電池から前記充電制御回路への出力電流をオン/オフする第2スイッチ手段をオフからオンにするスイッチ制御信号を出力しかつ、該充電制御回路を起動制御する第1判定手段とを有する。
【0015】
さらに、好ましくは、本発明の充電制御装置における起動判定手段は、前記太陽電池からの出力電流をモニタする電流モニタ部と、この電流モニタ部を基準電位側にオン/オフする第1スイッチ手段と、該太陽電池からの出力流を該電流モニタ部から該第1スイッチ手段を通して該基準電位側に流し、その出力電流をモニタ電流値として監視し、該モニタ電流値が基準電流値に達したことを判定して、該第1スイッチ手段をオフすると共に、該太陽電池から前記充電制御回路への出力電流をオン/オフする第2スイッチ手段をオフからオンにするスイッチ制御信号を出力する第2判定手段と、該モニタ電流が所定電流に達した時点から所定時間遅延した遅延信号を起動制御信号として該充電制御回路に出力して該充電制御回路を起動制御するディレイ回路を有する。
【0016】
さらに、好ましくは、本発明の充電制御装置におけるモニタ電流が基準電流値に達した時点からの所定遅延時間は、前記モニタ電流が前記所定電流値に比べて、発電量の初期判定の状態で想定される温度上昇による発電量の低下が生じたとしても、十分に前記充電制御回路の駆動電力を賄える場合に、0に設定される。
【0017】
さらに、好ましくは、本発明の充電制御装置におけるモニタ電流が基準電流値に達した時点からの所定遅延時間は、発電量の初期判定の状態で想定される温度上昇による発電量の低下が生じて、前記充電制御回路の駆動電力を賄えない場合に、前記太陽電池自体の製品構造から決定される固定値である。
【0018】
さらに、好ましくは、本発明の充電制御装置におけるモニタ電流が基準電流値に達した時点からの所定遅延時間は、発電量の初期判定の状態で想定される温度上昇による発電量の低下が生じて、前記充電制御回路の駆動電力を賄えない場合に、周囲温度に応じて設定される可変値である。
【0019】
さらに、好ましくは、本発明の充電制御装置におけるモニタ電流が基準電流値に達した時点からの所定遅延時間は、前記太陽電池の表面温度上昇による電力変動の安定移行時間とする。
【0020】
さらに、好ましくは、本発明の充電制御装置における太陽電池の表面温度上昇による電力変動の安定移行時間は、前記モニタ電流の変動時間である。
【0021】
本発明の充電制御装置は、光を受けて発電を行う太陽電池からの電力を充電制御回路により電力保持手段に充電制御する充電制御装置において、該太陽電池が光を受けて発電する際に発生する該太陽電池自体の温度上昇値を検出する太陽電池温度情報検出手段を更に有し、該太陽電池から基準電位への出力電流を監視し、該出力電流と該温度上昇値とから算出される太陽電池発電電力量が基準発電電力量に達したことを判定して該充電制御回路を起動するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0022】
本発明の充電制御装置は、光を受けて発電を行う太陽電池からの電力を充電制御回路により電力保持手段に充電制御する充電制御装置において、該太陽電池が光を受けて発電する際に発生する該太陽電池自体の温度値または温度上昇値を検出する太陽電池温度情報検出手段と、その検出した温度値、温度上昇値またはこれから算出される太陽電池発電電力量が、基準温度値、基準温度上昇値または基準発電電力量に達したことを判定して該充電制御回路を起動する起動判定手段とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0023】
さらに、好ましくは、本発明の充電制御装置において、前記基準温度値、前記基準温度上昇値または前記基準発電電力量は、前記充電制御回路が駆動可能とする消費電力量以上に前記太陽電池から出力電力値が得られる該太陽電池の温度値、温度上昇値または発電電力量である。
【0024】
さらに、好ましくは、本発明の充電制御装置における起動判定手段は、前記太陽電池温度情報検出手段により検出した温度値、温度上昇値またはこれから算出される太陽電池発電電力量が基準温度値、基準温度上昇値または基準発電電力量に達したことを判定して前記充電制御回路を起動する第3判定手段とを有する。
【0025】
さらに、好ましくは、本発明の充電制御装置における起動判定手段は、周囲温度情報を検出する周囲温度情報検出手段を更に有し、前記第3判定手段は、該周囲温度情報検出手段の周囲温度情報から判定基準値を調整し、その検出した温度値または温度上昇値、またはこれから算出される太陽電池発電電力量が、調整した判定基準値に達したことを判定して前記充電制御回路の充電制御を開始する。
【0026】
本発明の充電制御装置は、光を受けて発電を行う太陽電池からの電力を充電制御回路により電力保持手段に充電制御する充電制御装置において、
光を受けて発電を行う太陽電池と放熱素子の間に設けられた温度差発電素子と、該温度差発電素子からの熱電力を電源供給可能とする電源制御回路と、該電源制御回路または該温度差発電素子から供給された電力値が基準電力値に達したことを判定して前記充電制御回路を起動する起動判定手段とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0027】
さらに、好ましくは、本発明の充電制御装置における起動判定手段は、前記太陽電池が光を受けて発電する際に発生する該太陽電池自体の発熱を変換した熱電力または、該熱電力が前記電源制御回路を介した電力が基準電力値に達して安定化するまで待機し、該熱電力または該電源制御回路からの電力が基準電力値に達したことを判定して、該太陽電池および該電源制御回路から前記充電制御回路への出力電力をオン/オフする第2スイッチ手段および第3スイッチ手段をそれぞれオフからオンするスイッチ制御信号を出力すると共に、該充電制御回路を起動する第4判定手段を有する。
【0028】
本発明の充電制御装置は、本発明の上記充電制御装置において、前記太陽電池が複数枚設けられ、該複数枚の太陽電池のそれぞれと前記充電制御回路との間に各スイッチ手段がそれぞれ設けられており、前記起動判定手段は、該複数枚の太陽電池のそれぞれの発電駆動の有無を検出し、発電駆動していないと判定された太陽電池と該充電制御回路との間のスイッチ手段を遮断制御するであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0029】
本発明の充電制御装置は、光を受けて発電を行う太陽電池からの電力を充電制御回路により電力保持手段に充電制御する充電制御装置において、該太陽電池が複数枚設けられ、該複数の太陽電池からの各出力電流を該太陽電池毎に基準電流値に達したかどうかの判定を行い、該基準電流値に達したことを判定して、当該基準電流値に達した太陽電池の出力端のみを前記充電制御回路に接続して該充電制御回路を起動するように制御する起動判定手段を有するであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0030】
さらに、好ましくは、本発明の充電制御装置における充電制御回路は、前記起動判定手段による充電制御が開始されると起動状態が保持される。
【0031】
さらに、好ましくは、本発明の充電制御装置における複数枚の太陽電池のそれぞれと前記充電制御回路との間に各スイッチ手段がそれぞれ設けられており、前記起動判定手段は、該複数枚の太陽電池のそれぞれの発電駆動の有無を検出し、前記基準電流値に達せずに発電駆動していないと判定された太陽電池と該充電制御回路との間のスイッチ手段を遮断制御する。
【0032】
さらに、好ましくは、本発明の充電制御装置における発電駆動していない太陽電池に対する充電制御停止条件を、前記太陽電池からの出力電流を監視して当該出力電流が所定期間の間に基準電流値に達しない時点とする。
【0033】
さらに、好ましくは、本発明の充電制御装置における充電制御回路の充電制御が開始された後の充電制御停止条件を、該充電制御回路から太陽電池側への逆流電流が検出された時点とする。
【0034】
さらに、好ましくは、本発明の充電制御装置における複数の太陽電池に対する複数の起動判定のうちの少なくとも一つの起動判定が検出されたときに前記充電制御回路を起動する。
【0035】
さらに、好ましくは、本発明の充電制御装置における複数の太陽電池からの出力電流の総和が充電制御可能電流と設定されている起動判定規定値としての基準電流値に達したことを判定して前記充電制御回路を起動する。
【0036】
さらに、好ましくは、本発明の充電制御装置における複数の太陽電池の各出力電流間の各差分を比較し、該各差分が所定値に達した場合に、発電量の多い太陽電池から発電量の低い太陽電池に電流が逆流する可能性があるため、該発電量の低い太陽電池は前記充電制御回路との接続を遮断し、かつ前記基準電流値と比較する出力電流の総和から、当該発電量の低い太陽電池の発電量を除くように制御する。
【0037】
本発明の充電制御装置は、光を受けて発電を行う太陽電池からの電力を充電制御回路により電力保持手段に充電制御する充電制御装置において、該太陽電池の出力端と基準電位間に設けられた出力電流のモニタ回路と、該モニタ回路で検出された出力電流が基準電流値に達したことを判定して、該太陽電池の出力端と該充電制御回路を連結しかつ該モニタ回路のインピーダンスを増加させると共に、該充電制御回路を起動させる第5判定手段とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0038】
さらに、好ましくは、本発明の充電制御装置における第5判定手段は、前記充電制御回路の負荷が軽くなることによって前記太陽電池の出力電圧が該充電制御回路の入力レンジ以上の電圧まで上昇する場合は前記モニタ回路のインピーダンスを低下させて該太陽電池の出力電圧を抑制する。
【0039】
本発明の充電制御装置は、光を受けて発電を行う太陽電池からの電力を充電制御回路により電力保持手段に充電制御する充電制御装置において、
該太陽電池の出力端子と低電位端子間に接続される第1のスイッチSW1と、該太陽電池の出力端子と該太陽電池からの電力を取り出す該充電制御回路との間に接続された第2のスイッチSW2と、該第2のスイッチSW2に流れる電流量が設定されている起動判定設定値に等しいかまたはそれ以上になったときに該充電制御回路の起動制御を行う起動判定手段と、該充電制御回路の出力端と第1の電力保持デバイスの間に接続されている第3のスイッチSW3と、該充電制御回路の入力端子と該第1の電力保持デバイスの間に接続されている第4のスイッチSW4と、該充電制御回路の出力端子と第2の電力保持デバイスの間に接続されている第2電力保持デバイス用の充電器と、該第2電力保持デバイス用の充電器の出力端子と該充電制御回路の入力端子間に接続されている第5のスイッチSW5とを有する充電制御装置であって、該起動判定手段は、該太陽電池からの第1の電力保持デバイスに電力充電を行う場合には、該第2のスイッチSW2および該第3のスイッチSW3を短絡し、残りのスイッチSW4〜SW6の開放を行い、また、該第2の電力保持デバイスに充電を行う場合は、該充電器を起動し、該第1の電力保持デバイスとの並列充電するかまたは、該第2の電力保持デバイスのみへの充電の場合は、該第3のスイッチSW3を開放して充電を行い、さらに、該太陽電池の電力が不十分と判断された場合には、該第2のスイッチSW2を短絡、該充電制御回路を停止し、残りのスイッチを開放後、該第1の電力保持デバイスから第2の電力保持デバイスへの充電を行うように制御するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0040】
さらに、好ましくは、本発明の充電制御装置における起動判定手段は、前記第2の電力保持デバイスにメモリ効果が発生し、電力保持能力が低下した場合は、前記充電器を停止させ、第5のスイッチSW5、第4のスイッチSW4を短絡、残りのスイッチを開放し、該第2の電力保持デバイスに蓄えられている電力を、前記第1の電力保持デバイスに回生して深放電を行わせてメモリ効果解消と電力回生を行うように制御する。
【0041】
上記構成により、以下、本発明の作用を説明する。
【0042】
本発明においては、光を受けて発電を行う太陽電池からの電力を充電制御回路により電力保持手段に充電制御する充電制御装置において、太陽電池から基準電位への出力電流を監視し、その出力電流が所定電流に達したことを判定して充電制御回路を起動する起動判定手段を有する。
【0043】
これによって、起動判定手段が、従来のように太陽電池からの大きく変化する不安定な出力電圧を監視するのではなく、太陽電池から出力電流を流し、その大きく変化しない出力電流が充電制御回路の消費電流以上であることを検出したことを判定して充電制御回路を起動するので、従来のように出力電圧を監視する場合に比べてより精度よく充電制御回路を起動することが可能となる。これによって、太陽電池の発電量をより効率よく充電することが可能となる。
【発明の効果】
【0044】
以上により、本発明によれば、起動判定手段が、従来のように太陽電池からの大きく変化する不安定な出力電圧を監視するのではなく、太陽電池から出力電流を流し、その大きく変化しない出力電流が充電制御回路の消費電流以上であることを検出して充電制御回路を起動するため、太陽電池の発電量だけで充電制御回路を動作する条件で、出力電圧を監視する場合に比べてより精度よく充電制御回路を起動することができる。これによって、太陽電池の発電量をより効率よく電力機器に充電して用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態1における充電制御装置の要部構成例を示すブロック図である。
【図2】光照射強度をパラメータとした太陽電池の出力電圧−出力電流特性を示す図である。
【図3】本発明の実施形態2における充電制御装置の要部構成例を示すブロック図である。
【図4】図3の判定回路およびディレイ回路の詳細構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態3における充電制御装置の要部構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態4における充電制御装置の要部構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施形態5における充電制御装置の要部構成例を示すブロック図である。
【図8】図7の判定回路の第1構成例を示すブロック図である。
【図9】図7の判定回路の第2構成例を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施形態6における充電制御装置の要部構成例を示すブロック図である。
【図11】図10の充電制御装置における太陽電池出力電圧Vinを示す図である。
【図12】本発明の実施形態7における充電制御装置の要部構成例を示すブロック図である。
【図13】従来の充電制御装置の要部構成例を示すブロック図である。
【図14】光照射強度をパラメータとした太陽電池の出力電圧−出力電流特性を示す図である。
【図15】本発明の実施形態8における充電制御装置の要部構成例(その1)を示すブロック図である。
【図16】本発明の実施形態8における充電制御装置の要部構成例(その2)を示すブロック図である。
【図17】本発明の実施形態8における充電制御装置の要部構成例(その3)を示すブロック図である。
【図18】本発明の実施形態8における充電制御装置の要部構成例(その4)を示すブロック図である。
【図19】本発明の実施形態8における充電制御装置の要部構成例(その5)を示すブロック図である。
【図20】本発明の実施形態8における充電制御装置の要部構成例(その6)を示すブロック図である。
【図21】本発明の実施形態8における充電制御装置の要部構成例(その7)を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下に、本発明の充電制御装置の実施形態1〜6について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0047】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1における充電制御装置の要部構成例を示すブロック図である。
【0048】
図1において、本実施形態1の充電制御装置11は、光を受けて発電を行う太陽電池1からの発電電力を、2次電池やスーパーキャパシタなどの電力保持手段としての電力機器2に対して充電制御を行う充電制御回路3と、太陽電池1から基準電位としてのGND電位への出力電流を監視し、その出力電流が所定電流に達したことを判定して充電制御回路3を起動する起動判定手段としての起動判定回路4とを有している。
【0049】
このように、本実施形態1の充電制御装置11では、周囲温度による影響を低減するために、起動判定回路4が、大きく変化する太陽電池1の出力電圧を監視するのではなく、太陽電池1からGND電位への最大出力電流を流し、その出力電圧に比べて大きく変化しない出力電流を監視し、その出力電流が所定値以上を検出した時点で充電制御回路3を起動する。太陽電池1は、光が当たったときの電流量が最大でその後は発熱してどんどん落ちてゆくものの、電流量はそれほど大きな変化はなく安定しているが、出力電圧は0から大きく変化して安定化しないため、出力電圧を監視するのではなく出力電流を監視する。この場合に、充電制御回路3が駆動可能とする消費電流以上に出力電流がなった時点で起動判定回路4が充電制御回路3を起動させるように制御すればよい。太陽電池1の出力電圧は上下に発振状態になって安定化しない虞もある。
【0050】
起動判定回路4は、太陽電池1からGND側に流れる出力電流をモニタするための抵抗成分やカレントミラー手段などの電流モニタ部41と、この電流モニタ部41を基準電位としてのGND側にオン/オフするための第1スイッチ手段としてのスイッチSW1と、太陽電池1からの出力電流を電流モニタ部41からスイッチSW1を通してGND端子側に流し、その出力電流をモニタ電流として監視し、そのモニタ電流が所定電流に達した時点で、スイッチSW1をオフすると共に、太陽電池1から充電制御回路3への出力電流をオン/オフする第2スイッチ手段としてのスイッチSW2をオンするスイッチ制御信号を出力しかつ、充電制御回路3を起動制御する第1判定手段としての判定回路42とを有している。
【0051】
以上のように、太陽電池1の出力端子に充電制御回路3と起動判定回路4とを並列に接続し、充電制御回路3の出力側には、リチウムイオン2次電池やスーパーキャパシタに代表される電力保持手段としての電力機器2が接続されている。起動判定回路4は、太陽電池1の出力端子と低電位端子(基準電位端子)、例えばGND端子との間に設置されており、充電制御回路3の動作が停止している状態、即ち、太陽電池1の発電電圧が十分に上がっていない状態では、太陽電池1からの出力電流をスイッチSW1を介してGND端子側に短絡して流している。太陽電池1の出力電力カーブとしては、図2に示す起動判定領域がこれに相当する。
【0052】
図2に示すように、太陽電池1からの出力電流は、太陽電池1に照射される光量(照射強度)に比例して増加する。充電制御回路3の消費電流は、ある程度想定される値であり、この必要な電流量が太陽電池1の出力電流によって供給が可能であるかどうかの起動判定電流が、以下の計算式によって算出できる。
【0053】
起動判定電流 =(制御回路消費電流×昇圧比)÷変換効率÷MPPT比率
ここで、MPPT比率=MPPT時の太陽電池出力電流÷モニタ時の太陽電池出力電流
以上により、本実施形態1によれば、起動判定回路4が、太陽電池1からの不安定な出力電圧を監視するのではなく、太陽電池1からGND電位への最大出力電流を流し、その出力電流が充電制御回路3の消費電流以上であることを検出して充電制御回路3を起動するため、太陽電池の発電量だけで充電制御回路3を動作する条件で、出力電圧を監視する場合に比べてより精度よく充電制御回路3を起動させることができる。これによって、太陽電池の発電量をより効率よく電力機器2に充電して用いることができる。
【0054】
なお、本実施形態1では、特に説明しなかったが、太陽電池1が発電する際には、ゆっくりと時間をかけて照射強度に応じて太陽電池1自体が摂氏10〜40度ほど発熱する。このため、充電制御回路3および起動判定回路4自体に周囲温度に対する補正を行うためには太陽電池1の近傍に該当回路の配置が必須となり、アプリケーションの設計自由度を大きく損なってしまう。また、太陽電池1の出力電流は出力電圧に比べて、照射強度つまり発電電力に顕著に反応するため、起動判定には適しているが、やはりこの太陽電池1と充電制御回路3の温度差の影響を大きく受けることになる。
【0055】
なお、本実施形態1では、特に説明しなかったが、太陽電池1が発電中、太陽電池1自体がゆっくりと温度上昇する。太陽電池1の発電量と温度は反比例の関係にあるため、太陽電池1の発電電力が充電制御回路3の駆動可能電力と判定された後に、太陽電池1の温度上昇後、太陽電池1の発電量が減ることにより、充電制御回路3の駆動が維持できなくなる可能性がある。この現象は、充電制御回路3の起動、停止を繰り返す異常動作を発生する可能性があるため、防止しなくてはならない。このため、判定回路42の出力判定信号に対して、この太陽電池1の温度上昇期間、充電制御回路3の起動を行わないように、遅延時間を設けるディレイ回路を搭載した場合について、次の実施形態2で詳細に説明する。
【0056】
(実施形態2)
上記実施形態1では、太陽電池1からGND電位への出力電流(発電量)をモニタ電流として監視し、そのモニタ電流が充電制御回路3の消費電流以上であることを検出した時点で充電制御回路3を起動する場合について説明したが、本実施形態2では、上記実施形態1の場合に加えて、検出したモニタ電流が所定電流値に達した時点から所定時間遅延した後に充電制御回路3を起動する場合について説明する。
【0057】
図3は、本発明の実施形態2における充電制御装置の要部構成例を示すブロック図である。
【0058】
図3において、本実施形態2の充電制御装置12は、光を受けて発電を行う太陽電池1からの発電電力を、2次電池やスーパーキャパシタなどの電力保持手段としての電力機器2に対して充電制御を行う充電制御回路3と、太陽電池1からGND側に流れる出力電流を監視し、その出力電流が所定電流値に達した時点から所定時間遅らせて充電制御回路3を起動する起動判定回路4Aとを有している。この場合の所定電流値とは、充電制御回路3が駆動可能とする消費電流以上に電流値である。
【0059】
起動判定回路4Aは、太陽電池1からの出力電流をモニタするための抵抗成分やカレントミラー手段などの電流モニタ部41と、この電流モニタ部41を基準電位(または低電位)としてのGND側にオン/オフするための第1スイッチ手段としてのスイッチSW1と、太陽電池1からの出力電流を出力電流端子41からスイッチSW1を通してGND端子側に流し、その出力電流をモニタ電流として監視し、そのモニタ電流が所定電流値に達した時点で、スイッチSW1をオフすると共に、太陽電池1から充電制御回路3への出力電流をオン/オフする第2スイッチ手段としてのスイッチSW2をオフからオンするスイッチ制御信号を出力する第2判定手段としての判定回路42Aと、そのモニタ電流が所定電流に達した時点から所定時間遅延した遅延信号を充電制御回路3に出力して充電制御回路3を起動するディレイ手段としてのディレイ回路43とを有している。
【0060】
太陽電池1の温度上昇安定時間は、太陽電池モジュールの構造・形状によって決定することが多く、このため、この条件から決定するディレイ時間(モニタ電流が所定電流に達した時点からの所定遅延時間)は、太陽電池1自体の製品構造から決定される。
【0061】
図4は、図3の判定回路42Aおよびディレイ回路43の詳細構成を示すブロック図である。
【0062】
図4において、判定回路42Aは、周囲温度や出力負荷などの環境条件値を設定して出力する環境条件出力部421と、環境条件出力部421からの環境条件値に応じて判定基準レベルを調整して出力する判定基準出力部422と、電流モニタ部41からのモニタ信号の信号レベルと判定基準出力部422からの判定基準レベルとを比較し、モニタ信号の信号レベルが判定基準レベルを超えた場合に、モニタ信号の信号レベルと判定基準レベルとの差に応じた判定信号を出力する比較器423と、発電量を示すモニタ信号および環境条件値に応じてディレイ時間を調整するディレイ調整部424とを有している。
【0063】
環境条件出力部421では、寒い日(例えば摂氏−10度)と暑い日(例えば摂氏30度)では同じような照射強度で太陽電池1自体の熱容量も同じであっても、発電に対する温度の上がり率が異なることから、温度計などでチップ周囲温度を検出し、その検出した周囲温度に応じて判定基準レベルを調整するように環境条件値を設定する。
【0064】
判定基準出力部422は、太陽電池1の発電量によって充電制御回路3が駆動可能かどうかを判定する判定基準レベルを出力可能に有しているが、周囲温度や出力負荷などの環境条件によって充電制御回路3の消費電流が変動する場合は、判定基準出力部422にも環境条件出力部421から環境条件情報を与えて出力判定基準レベルを変動させている。また、太陽電池1からの出力電力によっては、充電制御回路3の損失も変動する場合はこの環境条件情報も出力判定基準レベルの変動に利用する。
【0065】
ディレイ調整部424は、太陽電池1の発電量によって上昇する温度量が変動するため、太陽電池1の発電量を示すモニタ信号に応じてこのディレイ時間を調節すると共に、環境条件出力部421からの環境条件値に応じてディレイ時間を調整するように遅延信号を出力する。ディレイ調整部424から出力される遅延時間は、太陽電池1本体の熱容量によって決まるというものの、例えば摂氏−10度から摂氏20度だけ温度が上がるのと、摂氏20度から摂氏20度だけ温度が上がるのとで遅延時間を異ならせることにより、充電制御回路3の起動時間を寄り正確に早めることができて充電効率を向上させることができる。
【0066】
比較器423は、モニタ信号の信号レベルが判定基準レベルを超えた時点で、モニタ信号の信号レベルと判定基準レベルとの差に応じた判定信号を出力するが、ディレイ回路43では、これを受けて、モニタ信号の信号レベルと判定基準レベルとの差が十分に大きい第1所定値(第1所定値を含む)よりも大の場合に、判定信号出力時点、即ち、遅延時間が「0」で起動制御信号を充電制御回路3に出力して充電制御回路3を起動させる。つまり、比較器423においてモニタ電流が所定電流に達した時点からの所定遅延時間は、モニタ電流値が所定電流値に比べて、発電量の初期判定の状態で想定される温度上昇による発電量の低下が生じたとしても、十分に充電制御回路3の駆動電力を賄える場合には、0に設定する。
【0067】
また、ディレイ回路43は、モニタ信号の信号レベルと判定基準レベルとの差が第2所定値(第2所定値を含む)〜第1所定値(第1所定値は含まず)の範囲で、判定回路42Aからの判定信号が出力された時点から固定値の所定時間遅延した後に起動制御信号を充電制御回路3に出力する固定ディレイ部431を選択駆動させる。比較器423においてモニタ電流が所定電流に達した時点からの所定遅延時間は、太陽電池自体の熱容量を反映した製品構造から決定される。
【0068】
さらに、ディレイ回路43は、モニタ信号の信号レベルと判定基準レベルとの差が0〜第2所定値(第2所定値は含まず)の範囲で、判定回路42Aからの判定信号が出力された時点から、ディレイ調整部424からの遅延信号に応じて起動制御信号を出力する可変ディレイ部432を選択駆動させる。
【0069】
上記構成により、まず、比較器423により、太陽電池1からの出力電流に対応した電流モニタ部41からのモニタ信号の信号レベルを、判定基準出力部422からの基準レベルと比較する。
【0070】
次に、比較器423においてこの判定条件を満たすと、比較器423からの判定信号がディレイ回路43に出力され、ディレイ回路43を介して充電制御回路3に起動制御信号を出力する。これによって、充電制御回路3が起動して、太陽電池1からの電力が電力機器2に充電されて利用される。
【0071】
このとき、モニタ信号の信号レベルと判定基準レベルとの差が十分に大きい場合に、判定信号出力時点、即ち、遅延時間が「0」で起動制御信号を充電制御回路3に出力して充電制御回路3を起動させる。即ち、発電量の初期判定の状態で想定される温度上昇による発電量の低下が生じたとしても、十分、充電制御回路3の駆動電力をまかなえる場合には、この起動制御信号の遅延時間をキャンセルし、少しでも長く充電を行う。これによって、効果的な発電電力からの充電量を増加することができる。
【0072】
また、太陽電池1の温度上昇期間、充電制御回路3の起動を行わないように、固定ディレイ部431や可変ディレイ部432により、判定回路42Aからの判定信号が出力された時点から遅延時間を設けたため、充電制御回路3の起動、停止を繰り返す発電初期の異常動作を防止することができる。
【0073】
したがって、本実施形態2によれば、光を受けて発電する太陽電池1からの出力電流とこの発電電力を取り扱う上で発生し得る駆動損失および温度条件などの使用環境によって変動し得る自己消費電流を考慮した充電制御駆動消費電流を基準とした起動判定規定値とを比較し、太陽電池1から発電電力のみで充電制御が可能と判断された時を起点として一定時間の遅延後に充電制御を開始する。これにより、充電制御回路起動後に太陽電池1の発熱を原因とする充電制御回路3の起動、停止を繰り返す誤動作を良好に防止することができる。
【0074】
なお、本実施形態1、2では、特に説明しなかったが、充電制御回路3の起動後、スイッチSW1が開放されるため、モニタ信号ラインは太陽電池1の状態をモニタできない。このため、充電制御回路3の起動後は、判定回路42の出力は、モニタ信号の状態に関わらず、充電制御回路3の動作制御状態を保持し、充電停止については、太陽電池1→充電制御回路3→電力機器2へ供給される電流量によって停止判定を行う。具体的な方式としては、太陽電池1と充電制御回路3間に流れる電流量から充電制御回路3の駆動可能電流に十分な電流であるかどうか判定する方法や、電力機器2から充電制御回路3へ充電電流が逆流していないかどうかを判定する方法などがある。また、充電制御回路3から電力機器2へ流れる電流がなくなった場合は、電力機器2自体の容量分充電が完了していることになるため、これを停止判定基準とした場合は、太陽電池1の発電量以外にも停止要因が追加される。
【0075】
なお、本実施形態2では、特に説明しなかったが、電流モニタ部41からのモニタ電流が所定電流に達した時点からの所定遅延時間は、太陽電池1の表面温度上昇による電力変動の安定移行時間とし、この安定移行時間は、そのモニタ電流値の変動時間である。
【0076】
(実施形態3)
上記実施形態1,2では、太陽電池1からの出力電流量をモニタ電流として監視し、そのモニタ電流に基づいて充電制御回路3を起動する場合について説明したが、本実施形態3では、太陽電池1の温度上昇分を検出し、検出した太陽電池1の温度上昇分に基づいて充電制御回路3を起動する場合について説明する。
【0077】
図5は、本発明の実施形態3における充電制御装置の要部構成例を示すブロック図である。
【0078】
図5において、本実施形態3の充電制御装置13は、光を受けて発電を行う太陽電池1からの発電電力を、2次電池やスーパーキャパシタなどの電力保持手段としての電力機器2に対して充電制御を行う充電制御回路3と、太陽電池1が光を受けて発電する際に発生する太陽電池1自体の温度上昇値を検出し、その検出した温度上昇値が基準温度上昇値に達した時点で該充電制御回路3の充電制御を開始する起動判定手段としての起動判定回路4Bとを有している。この場合の基準温度上昇値とは、充電制御回路3が駆動可能とする消費電流以上に太陽電池1から出力電流値が得られる温度上昇値である。
【0079】
起動判定回路4Bは、周囲温度情報を検出する周囲温度情報検出手段としての温度センサ44と、太陽電池1が光を受けて発電する際に発生する太陽電池1自体の温度を電気信号に変換する太陽電池温度情報検出手段としての温度センサ51からの太陽電池温度情報として所定時間当たりの太陽電池1自体の温度上昇値を検出し、温度センサ44の周囲温度情報から判定基準レベルとしての基準温度上昇値を調整し、その検出した温度上昇値が、調整した基準温度上昇値に達した時点で、太陽電池1から充電制御回路3への出力電流をオン/オフする第2スイッチ手段としてのスイッチSW2をオフからオンするスイッチ制御信号を出力すると共に、充電制御回路3の充電制御を開始する第3判定手段としての判定回路42Bとを有している。
【0080】
温度センサ51は、太陽電池1の温度上昇を最も検出し易い位置、例えば太陽電池1の裏側中央部に配置されており、太陽電池1の発電初期段階の単位時間当たりの温度上昇分を検出することができる。
【0081】
温度センサ44は、太陽電池1自体の発熱の影響が及ばない位置に設けられ、ピエゾ素子などで構成されて、太陽電池1自体から離れた起動判定回路4BのICチップ内に設けられている。寒い日(例えば摂氏−10度)と暑い日(例えば摂氏30度)では同じような照射強度で太陽電池1自体の熱容量も同じであっても、発電に対する温度の上がり率が異なることから、温度センサ44でICチップ温度を検出し、その検出した周囲温度に応じて判定基準レベルとしての基準温度上昇値を調整する。
【0082】
したがって、本実施形態3によれば、太陽電池1本体の温度上昇分のみを抽出することが可能となり、太陽電池1本体の温度上昇分を考慮したより精度のよい充電制御回路3の起動判定を行うことができる。この温度上昇値に基づく充電制御回路3の起動判定は、太陽電池1本体が大きいものでは、温度上昇に数分かかるので、時間的に余裕があるものにこの方式を用いるのがよい。
【0083】
なお、本実施形態3では、起動判定回路4Bは、検出した温度上昇値を基準温度上昇値と直に比較して、検出した温度上昇値が基準温度上昇値に達した時点で充電制御回路3の充電制御を開始するように構成したが、これに限らず、起動判定回路4Bの変形例の起動判定回路4B1は、検出した温度上昇値から算出される太陽電池発電電力量が基準発電電力量に達した時点で充電制御回路3の充電制御を開始するように構成してもよい。この場合の基準発電電力量は、充電制御回路3が駆動可能とする消費電力量以上に太陽電池1から出力電力値が得られる発電電力量である。
【0084】
起動判定回路4B1は、周囲温度情報を検出する周囲温度情報検出手段としての温度センサ44と、太陽電池1が光を受けて発電する際に発生する太陽電池1自体の温度を電気信号に変換する太陽電池温度情報検出手段としての温度センサ51からの太陽電池温度情報から太陽電池1自体の温度上昇値を検出し、温度センサ44の周囲温度情報から判定基準レベルとしての基準発電電力量を調整し、その検出した温度上昇値から算出される太陽電池発電電力量が、その調整した基準発電電力量に達した時点で、太陽電池1から充電制御回路3への出力電流をオン/オフする第2スイッチ手段としてのスイッチSW2をオフからオンするスイッチ制御信号を出力すると共に、充電制御回路3の充電制御を開始する第3A判定手段としての判定回路42B1とを有している。
【0085】
上記構成により、太陽電池1に接続した温度センサ51から得られる太陽電池温度情報を元に太陽電池発電量を計算により推察し、判定回路42B1によって起動判定を行う。この場合、太陽電池1自体の発熱の影響が及ばない位置に置いた温度センサ44からの周辺温度情報も合わせて判定回路42B1に入力することによって、基準となる正確な太陽電池1本体の温度上昇分のみを抽出することが可能となり、より精度のよい起動判定を行うことができる。この周辺温度情報の検出には、ピエゾ素子などの温度センサ44の他に、制御回路内に配置されたT比例回路や、電力機器2付近に搭載されるフェールセーフ目的の温度センサなどを使用することができる。
【0086】
要するに、起動判定回路4B1は、太陽電池1が光を受けて発電する際に発生する太陽電池1自体の温度と周囲温度との温度比から太陽電池1の発電によるより正確な発熱分の温度上昇のみを抽出し、そこから算出される太陽電池発電電力量が充電制御回路3の駆動電力量以上となったときに充電制御回路3の起動を行う。
【0087】
更なる起動判定回路4B1の変形例としては、太陽電池1が光を受けて発電する際に発生する太陽電池1自体の温度を電気信号に変換する温度センサ51を用いて太陽電池1自体の温度情報を抽出し、その電気信号から算出される太陽電池発電電力量が充電制御回路3の駆動電力量以上となったときに充電回路の起動を行うように構成してもよい。この場合の基準発電電力量は、充電制御回路3が駆動可能とする消費電力量以上に太陽電池から出力電力値が得られる発電電力量である。
【0088】
起動判定回路4B1の更なる変形例は、太陽電池1が光を受けて発電する際に発生する太陽電池1自体の温度を電気信号に変換する太陽電池温度情報検出手段としての温度センサからの太陽電池温度情報から太陽電池1自体の温度値を検出し、その検出した温度値から算出される太陽電池発電電力量が基準発電電力量に達した時点で、太陽電池1から充電制御回路3への出力電流をオン/オフする第2スイッチ手段としてのスイッチSW2をオフからオンするスイッチ制御信号を出力すると共に、充電制御回路3の充電制御を開始する第3B判定手段としての判定回路とを有している。
【0089】
なお、本実施形態3では、特に説明しなかったが、太陽電池1が光を受けて発電する際に発生する太陽電池1自体の温度上昇値を検出する太陽電池温度情報検出手段を更に有し、太陽電池1から基準電位への出力電流を監視し、この出力電流とその温度上昇値とから算出される太陽電池発電電力量が基準発電電力量に達した時点で充電制御回路3を起動するようにしてもよい。この基準発電電力量は、充電制御回路3が駆動可能とする消費電力量以上に太陽電池1から出力電力値が得られる太陽電池1の発電電力量である。
【0090】
(実施形態4)
本実施形態4では、太陽電池からの発熱を用いて熱発電した電力を充電制御回路3および後述する起動判定回路4Cの電源に用いる場合について説明する。
【0091】
図6は、本発明の実施形態4における充電制御装置の要部構成例を示すブロック図である。
【0092】
図6において、本実施形態4の充電制御装置14は、光を受けて発電を行う太陽電池1Aからの発電電力を、2次電池やスーパーキャパシタなどの電力保持手段としての電力機器2に対して充電制御を行う充電制御回路3と、太陽電池1Aと放熱素子53の間に設けられた温度差発電素子52と、温度差発電素子52からの熱電力を安定化して電源供給可能とする電源制御回路6と、電源制御回路6から供給された電力値が所定基準電力値に達した時点で充電制御回路3を起動する起動判定回路4Cとを有している。この場合の所定基準電力値とは、充電制御回路3が駆動可能とする消費電流以上に太陽電池1および温度差発電素子52からの出力電力値に対応した値である。
【0093】
起動判定回路4Cは、太陽電池1Aが光を受けて発電する際に発生する太陽電池1A自体の発熱を変換した熱電力が所定基準電力値に達して安定化するまで待機し、熱電力が所定基準電力値に達した時点で、太陽電池1および電源制御回路6から充電制御回路3への出力電力をオン/オフする第2スイッチ手段および第3スイッチ手段としてのスイッチSW2およびスイッチSW3をそれぞれオフからオンするスイッチ制御信号を出力すると共に、充電制御回路3の充電制御を開始する第4判定手段としての判定回路42Cとを有している。
【0094】
このように、太陽電池1Aが光を受けて発電する際に発生する太陽電池1A自体の発熱を、温度差発電素子52により電圧、電流または電力に変換し、その変換された電圧、電流または電力を、充電制御回路3の起動条件に用いると共に判定回路42Cおよび充電制御回路3の駆動電力補助として利用している。温度差発電素子52により、太陽電池1A自体も冷やされて発電効率も良好になる。
【0095】
上記構成により、太陽電池1と放熱素子53との間に接続された温度差発電素子52から、太陽電池1が発電する際に生じる発熱を利用して熱電力を取り出すことができる。この取り出された熱電力は、電源制御回路6によって出力電流の安定化を行い、起動判定回路4Cの判定回路42Cに出力電流を入力する。
【0096】
次に、起動判定回路4Cの判定回路42Cが、太陽電池1Aおよび温度差発電素子52のいずれかまたはその合計の電力が充電制御回路3の駆動可能な電力になっていると判断した後に、即ち、温度差発電素子52からの熱電力を電源制御回路6を介して得た電力が所定基準電力値に達して安定化したと判断した時点で、スイッチSW2およびスイッチSW3をそれぞれオンすると共に、充電制御回路3に起動制御信号を出力する。
【0097】
したがって、本実施形態3によれば、太陽電池1と放熱素子53との間に接続された温度差発電素子52から、太陽電池1が発電する際に生じる発熱を利用して熱電力を取り出すことができ、この熱電力を、充電制御回路3の起動条件に用いたり、判定回路42Cおよび充電制御回路3の駆動電力補助として用いることができる。これによって、充電制御回路3の駆動をより早く立ち上げることができて、太陽電池1Aの発電量をより効率よく充電することができる。
【0098】
なお、本実施形態4では、温度差発電素子52からの熱電力を電源制御回路6を介して得た電力が所定基準電力値に達して安定化した時点で、充電制御回路3を起動するように構成したが、これに限らず、温度差発電素子52からの熱電力が起動判定回路4Cの入力レンジの適応範囲に入るような信号出力が可能であれば、温度差発電素子52からの熱電力を、起動判定回路4Cの判定信号として直に用いてもよい。
【0099】
(実施形態5)
本実施形態5では、複数枚の太陽電池が設けられ、複数枚の太陽電池の少なくともいずれかが何らかの影響で発電駆動していないときに、充電制御回路3からの電力の逆流を防止して効率のよい充電制御を行うために、発電駆動していない太陽電池を検出して充電制御回路3から遮断制御を行う場合について説明する。
【0100】
図7は、本発明の実施形態5における充電制御装置の要部構成例を示すブロック図である。
【0101】
図7において、本実施形態5の充電制御装置15は、複数枚、ここでは2枚の太陽電池1D1,1D2が設けられ、太陽電池1D1,1D2のそれぞれと充電制御回路3との間に各スイッチ手段としてのスイッチSW21、SW22がそれぞれ設けられている。このように、太陽電池1D1と太陽電池1D2が並列に接続されている状態で、太陽電池1D1に光が当たり、太陽電池1D2に影や雲さらには鳥などで光が当たっていないときは、発電していない太陽電池1D2側へ電流が流れ込んで、発電効率が低下してしまう。このため、それぞれの太陽電池1D1,1D2に対して電流を観測し、個別に太陽電池1D1と充電制御回路3の間のスイッチSW21の開閉制御を行うと共に、太陽電池1D2と充電制御回路3の間のスイッチSW22の開閉制御を行う必要がある。
【0102】
起動判定回路4Dの判定回路42Dは、太陽電池1D1,1D2からの各出力電流が太陽電池1D1,1D2毎に基準電流値に達したかどうかの判定を行い、基準電流値に達した時点で、その基準電流値に達した太陽電池の出力端のみを充電制御回路3に接続して充電制御回路3を起動するように制御する。判定回路42Dは、複数の太陽電池1D1,1D2に対する起動判定が少なくとも一つ検出されたときに充電制御回路3を起動する。この場合に、充電制御回路3は、起動初期に、起動判定回路4Dによる充電制御が開始されると起動状態が保持されるようになっている。
【0103】
また、判定回路42Dは、複数の太陽電池1D1,1D2からの出力電流の総和が、充電制御が可能な電流と設定されている起動判定規定値としての基準電流値に達した時点で充電制御回路3を起動する。この場合に、複数の太陽電池1D1,1D2の各出力電流間の各差分を比較し、各差分が所定値に達した場合に、発電量の多い太陽電池から発電量の低い太陽電池に電流が逆流する可能性があるため、発電量の低い太陽電池は充電制御回路3との接続をスイッチSW21,SW22により遮断し、かつその基準電流値と比較する出力電流の総和から、当該発電量の低い太陽電池の発電量を除くように制御する。
【0104】
また、判定回路42Dは、2枚の太陽電池1D1,1D2のそれぞれが発電駆動の有無を検出し、基準電流値に達しておらず、発電駆動していないと判定された太陽電池と充電制御回路3との間のスイッチを遮断制御する。
【0105】
例えば発電駆動していない太陽電池1D1,1D2のいずれかに対する充電制御停止条件を、太陽電池1D1,1D2からの出力電流を監視して当該出力電流が基準電流値(または充電制御停止用の低レベルの基準電流値)に達せず、所定時間経過した時点とする。また、充電制御回路3の充電制御が開始された後の充電制御停止条件を、充電制御回路3から太陽電池側への逆流電流を検出した時点とする。
【0106】
複数、ここでは二つの太陽電池1D1,1D2を個別に観測し、それぞれのスイッチSW21、SW22の開閉制御を行う2種類の判定回路42D1,42D2の回路図を、図8と図9に示している。
【0107】
図8は、図7の判定回路42Dの第1構成例を示すブロック図である。
【0108】
図8に示すように、太陽電池1D1からの出力電流をモニタするモニタ回路421’と、太陽電池1D2からの出力電流をモニタするモニタ回路422’とが設けられ、モニタ回路421’、422’により、充電制御回路3を駆動できる電力が太陽電池1D1、1D2で発電されているかどうかの比較検証をそれぞれ行ってハイレベルまたはローレベルのデジタル信号を出力する。このハイレベルまたはローレベルのデジタル信号は、スイッチSW21、Sw22の制御に使用されると共に、論理回路423’(ここではORゲート)に入力して、その後、その状態を保持するラッチ回路424’に入力する。このため、接続されているモニタ回路421’,422’のいずれかが条件を満たせば、判定回路42D1からの出力により充電制御回路3を起動することができる。
【0109】
図9は、図7の判定回路42Dの第2構成例を示すブロック図である。
【0110】
図9に示すように、太陽電池1D1,1D2の各出力電流は演算回路425’に入力される。この演算回路425’は双方の太陽電池1D1,1D2の各発電電力の総和が充電制御回路3を駆動できるかどうかを判定する。これにより、より幅の広い発電範囲で充電作業が実現可能となる。ただし、発電電力の総和が充電制御回路3を駆動可能な電力となったとしても、それぞれの太陽電池1D1,1D2に大幅な発電電力差がある場合には、高い発電側の太陽電池1D1,1D2の一方から低い発電側の太陽電池1D1,1D2の他方に電流が流れ込んで、結果的に、総発電量が低下する可能性があるため、以下の対策が必要となる。
【0111】
太陽電池1D1の発電量>>太陽電池1D2の発電量→スイッチSW21を短絡、スイッチSW22を開放する。
【0112】
太陽電池1D1の発電量<<太陽電池1D2の発電量→スイッチSW21を開放、スイッチSW22を短絡。
【0113】
上記制御の判定基準は、太陽電池1D1,1D2の特性に影響するため、使用する太陽電池1D1,1D2を観測して最適な設定が必要である。なお、充電制御回路3の起動後も、太陽電池1D1,1D2はそれぞれ独立した発電量変化を発生するため、それぞれのスイッチSW21、SW22に逆流判定機能を設け、これを検知した際は、対象となるスイッチSW21、SW22を開放するように演算回路425による制御が為される。充電制御回路3の停止条件は前記の実施形態1〜4の場合と同じく、充電制御回路3側から入力されるが、スイッチSW21、SW22の逆流判定が全てにおいて発生した場合にも、発電が行われないと判定できるため、演算回路425’→停止判定回路426’→ラッチ回路427’の停止条件も実施してもよい。
【0114】
したがって、本実施形態5によれば、複数の太陽電池1D1,1D2からの発電電力を効率よく充電制御することができる。この場合に、判定回路42Dは、複数枚の太陽電池1D1,1D2のそれぞれが発電駆動の有無を検出し、基準電流値に達しておらず、発電駆動していないと判定された太陽電池と充電制御回路3との間のスイッチを遮断制御するため、発電していない太陽電池1D2側へ電流が流れ込んで発電効率が低下するのを防止することができる。
【0115】
(実施形態6)
本実施形態6では、充電制御回路3の負荷が軽くなった場合に、太陽電池1の出力電圧が上昇するが、太陽電池1の出力電圧が充電制御回路3の入力レンジ内に入るように可変抵抗群45のインピーダンスを低下させる場合について説明する。
【0116】
図10は、本発明の実施形態6における充電制御装置の要部構成例を示すブロック図である。
【0117】
図10において、本実施形態6の充電制御装置16は、太陽電池1の出力端と基準電位出力端(ここではGND電位出力端)間に設けられた出力電流のモニタ回路としての可変抵抗群45(複数値)と、太陽電池1の出力端の電圧値と出力基準電圧値を比較して可変抵抗群45のインピーダンスを制御可能とする比較器46(差動増幅器)と、この可変抵抗群45で検出された出力電流が基準電流値に達した時点で、太陽電池1の出力端と充電制御回路3とをスイッチSW2を介して連結しかつ、出力基準電圧値を制御して可変抵抗群45のインピーダンスを増加させると共に、充電制御回路3を起動させる判定手段としての判定回路42Eとを有している。
【0118】
判定回路42Eは、充電制御回路3の負荷が軽くなることによって太陽電池1の出力電圧が充電制御回路3の入力レンジ以上の電圧まで上昇する場合は、比較器46で太陽電池1の出力端の電圧値と基準電圧値を比較してその出力端の電圧値が基準電圧値に達した時点から、充電制御回路3の入力レンジの範囲内に入るように可変抵抗群45のインピーダンスを低下させることにより太陽電池1の出力電圧を抑制するようにしている。
【0119】
図11は、図10の充電制御装置における太陽電池出力電圧Vinを示す図である。
【0120】
図11に示すように、太陽電池1に光が照射されると、モニタ回路である可変抵抗群45のインピーダンスによって太陽電池出力電圧Vinが上昇していく。判定回路42Eが起動条件を満たすと、可変抵抗群45のインピーダンスが上昇すると共にスイッチSW2が短絡され、充電制御回路3が起動し、電力機器2への充電が開始される。
【0121】
次に、充電制御回路3によってMPPT制御が行われる間は、太陽電池1の出力電圧は一定電圧に固定される。しかしながら、電力機器2への充電が完了すると、電流が流れなくなるため、充電制御回路3の負荷が軽くなって、太陽電池1の電圧は上昇して、太陽電池1の開放電圧まで上昇する。この電圧上昇は、接続される充電制御回路3には広範囲の入力レンジが要求される。例えば10直列の単結晶の太陽電池1では常温で無負荷条件では7V以上となり、負温度特性のため摂氏−20度では8V近くまで電圧が上昇する。このため、5V耐圧の電源ICでは耐圧以上の電圧となり、10V系の耐圧を持つ電源ICが必要となる。耐圧の高い電源ICは能力的に低耐圧の電源ICにチップ面積・特性が劣り、かつ高温で負荷電流が多く太陽電池1の出力電圧が低下する状態ではさらに特性劣化が顕著となる。
【0122】
この課題に対して、本実施形態6では、図11に示すように、モニタ回路部に可変抵抗群45を用いて、これに対する対策を行っている。この可変抵抗群45は、待機状態から充電状態に移行すると、太陽電池1にとって高負荷となるため、高いインピーダンス状態が望ましいが、各回路構成の特性面・コスト面から低耐圧プロセスで充電制御回路3および起動判定回路4Eを実現するために、電流が流れなくなる低負荷状態では、太陽電池1からの出力電圧が上昇するが、太陽電池1からの出力電圧耐圧以上の電圧にならないように可変抵抗群45のインピーダンスを低下して、電圧上昇を抑制することができる。このため、充電制御回路3の低耐圧化が可能となる。
【0123】
したがって、本実施形態6によれば、電力機器2への充電が完了して電流が流れなくなる充電制御回路3の低負荷時には、太陽電池1の出力電圧が上昇するが、太陽電池1の出力電圧が充電制御回路3の入力レンジ内に入るように可変抵抗群45のインピーダンスを低下させることにより、太陽電池1の出力電圧の電圧上昇を抑制することができる。これによって、充電制御回路3の低耐圧化を実現することができる。
【0124】
(実施形態7)
本実施形態7では、電力保持手段としての電池のメモリ効果を改善するために回生させる場合について説明する。
【0125】
図12は、本発明の実施形態7における充電制御装置の要部構成例を示すブロック図である。
【0126】
図12において、本実施形態7の充電制御装置17は、太陽電池1の出力端子と低電位端子(ここではGND端子)間に接続される第1のスイッチSW1と、太陽電池1の出力端子と太陽電池1からの電力を取り出す充電制御回路3との間に接続された第2のスイッチSW2と、この第2のスイッチSW2に流れる電流量が設定されている起動判定設定値(基準電流値)に等しいかまたはそれ以上になったときに充電制御回路3の起動制御を行う起動判定回路4Fと、充電制御回路3の出力端と第1の電力保持デバイス(Li+2次電池23)の間に接続されている第3のスイッチSW3と、充電制御回路3の入力端子と第1の電力保持デバイス(Li+2次電池23)の間に接続されている第4のスイッチSW4と、充電制御回路3の出力端子と第2の電力保持デバイス(ニッケル水素電池22)の間に接続されている第2電力保持デバイス用の充電器21と、第2電力保持デバイス用の充電器21の出力端子と充電制御回路3の入力端子間に接続されている第5のスイッチSW5と、充電制御回路3の出力端子とUSB24との間に接続された第6のスイッチSW6とを有している。
【0127】
この充電制御装置17の起動判定回路4Fは、太陽電池1からの第1の電力保持デバイス(Li+2次電池23)へ電力充電を行う際には、第2のスイッチSW2および第3のスイッチSW3を短絡し、残りのスイッチSW4〜SW6の開放を行い、また、第2の電力保持デバイス(ニッケル水素電池22)へ充電を行う場合は、第2の電力保持デバイス用の充電器21を起動し、第1の電力保持デバイス(Li+2次電池23)との並列充電するかまたは、第2の電力保持デバイス(ニッケル水素電池22)のみへの充電の場合は、第3のスイッチSW3を開放して充電を行い、さらに、太陽電池1の電力が不十分と判断された場合には、第2のスイッチSW2を短絡、充電制御回路3を停止し、残りのスイッチを開放後、第1の電力保持デバイス(Li+2次電池23)から第2の電力保持デバイス(ニッケル水素電池22)への充電を行う。
【0128】
この充電制御装置17の起動判定回路4Fは、第2の電力保持デバイス(ニッケル水素電池22)にメモリ効果が発生し、電力保持能力が低下した場合は、第2電力保持デバイス用の充電器21を停止させ、第5のスイッチSW5、第4のスイッチSW4を短絡、残りのスイッチを開放し、第2の電力保持デバイス(ニッケル水素電池22)に蓄えられている電力を、第1の電力保持デバイス(Li+2次電池23)へ回生して深放電を行い、メモリ効果解消と電力回生を行うようにしている。
【0129】
上記構成により、本実施形態7の充電制御装置17では、太陽電池1の発電電力を一旦、Li+2次電池23に蓄え、USB24を介して携帯電話装置などのアプリケーションや汎用性の高いニッケル水素電池22などの二次電池へ電力を供給することを想定している。USB24への出力は、Li+2次電池23から行う場合は、昇圧制御回路を介して行う。これは、Li+2次電池23の電圧が3.2V〜4.2Vであるのに対して、USB24の出力では、5Vと電位差があるためである。このUSB24への経路放電の場合は、太陽電池1からの発電が実施されている場合では、スイッチSW1、スイッチSW6が短絡し、スイッチSW3〜5が開放状態となる。回路的には、充電制御回路3、昇圧制御回路が駆動しており、充電器21は停止する。
【0130】
また、太陽電池1が発電していない場合は、充電制御回路3を停止し、太陽電池1とLi+2次電池23は電気的に接続されず、Li+2次電池23に保持されている電力がそのまま直に、スイッチSW3とスイッチSW6から昇圧制御回路を介してUSB24に放出される。
【0131】
太陽電池1が発電とニッケル水素電池22への充電制御を同時に行っている場合は、スイッチSW1、スイッチSW5が短絡し、スイッチSW2が開放状態とし、ニッケル水素電池22への充電制御は充電器21が制御を行う。このとき、USB経路である昇圧制御回路は停止していることが望ましい。太陽電池1とLi+2次電池23は電気的に接続されず、Li+2次電池23に保持されている電力がニッケル水素電池22へ放出される。なお、ニッケル水素電池22はメモリ効果という課題がある。これは、充電を繰り返すことによって見かけ上の電池容量が低下するという現象であり、これを放置するとニッケル水素電池22へ蓄えられる電力量が低下してしまう。通常の現象が発生した場合は、ニッケル水素電池22自体が接続される負荷デバイスによる深放電(電池の残電荷量がなくなるまで放電を行う)を実施するかまたは、充電器21によく搭載されているリフレッシュ機能(この機能も深放電である)を用いる。この両手段とも、ニッケル水素電池22へ蓄えられた電力は破棄され、損失となる。このため、本実施形態7では、その損失を低下すべくニッケル水素電池22のメモリ効果を複雑な回路を追加せずに回生を行っている。
【0132】
この回生機構を有するリフレッシュ制御は、充電制御回路3によって行う。充電制御回路3には、太陽電池から効率よく電力を取り出すMPPT機能を有しているが、このMPPT機能は、太陽電池1から電流を取り出し、その際に変動する電圧を観測する方法が一般的である。これは、基本的には、電源制御としては「動的に変化する」カレントリミット機能として動作する。このため、充電制御回路3にとって電圧レベルが近ければ、ニッケル水素電池22からの電力の取り出しとしても使用できる。ニッケル水素電池22の1本当たりの電圧は、約1.2Vであり、最終放電電圧は約1Vである。これは太陽電池の2直列相当の充電制御システムとほぼ入力電圧レベルが等しい。一般的なニッケル水素電池22の深放電が完了した場合、内部の保護スイッチによって出力が切り離されることが多い。このため、MPPT機能、つまり「動的に変化する」カレントリミット機能による保護機能によって制御を行い、メモリ効果を解消するために、深放電まで放電を行う。この際に、充電制御回路3はリチウムイオン2次電池(Li+2次電池23)に太陽電池1からの充電と同じく充電を行う。この電力の回生によって電池特性向上に必要となる電力損失を大幅に低減することができる。この回生機構を有するリフレッシュ制御時は、太陽電池1からの電力供給、ニッケル水素電池22への充電制御を切り離す。このため、スイッチSW1、スイッチSW4の開放、スイッチSW3、スイッチSW5の短絡となる。充電制御回路3、充電器21は動作状態とする。
【0133】
したがって、本実施形態7によれば、第2の電力保持デバイス(ニッケル水素電池22)にメモリ効果が発生し、電力保持能力が低下した場合、第5のスイッチSW6および第3のスイッチSW4を短絡し、残りのスイッチを開放して、第2の電力保持デバイス(ニッケル水素電池22)に蓄えられている電力を、第1の電力保持デバイス(Li+2次電池23)に回生して深放電を行い、メモリ効果解消と電力回生を行うことができる。この電力の回生によって電池特性向上に必要となる電力損失を大幅に低減することができる。
【0134】
なお、本実施形態7では、上記実施形態1を適用して、電力保持手段としての電池のメモリ効果を改善するために回生させる場合について説明したが、これに限らず、上記実施形態2〜6のいずれかに適用して、電力保持手段としての電池のメモリ効果を改善するために回生させてもよい。上記実施形態1〜7の少なくとも二つを適宜組み合わせることもできる。
【0135】
(実施形態8)
上記実施形態1、2および7では、図1、図3および図12に示すように、太陽電池1からの出力電流が基準電流値に達したことを判定回路42が判定して充電制御回路3を起動する起動判定回路4,4Aおよび4Fについて説明した。上記実施形態3では、図5に示すように、太陽電池1で検出した温度値、温度上昇値またはこれから算出される太陽電池発電電力量が、基準温度値、基準温度上昇値または基準発電電力量に達したことを判定回路42Bまたは42B1が判定して充電制御回路3を起動する起動判定回路4Bまたは4B1について説明した。上記実施形態4では、図6に示すように、電源制御回路6または温度差発電素子52から供給された電力値が基準電力値に達したことを判定回路42Cが判定して充電制御回路3を起動する起動判定回路4Cについて説明した。上記実施形態5では、図7に示すように、複数の太陽電池1D1,1D2からの各出力電流を太陽電池毎に基準電流値に達したかどうかの判定を行い、基準電流値に達したことを判定回路42Cが判定して、当該基準電流値に達した太陽電池の出力端のみを充電制御回路3に接続して充電制御回路3を起動するように制御する起動判定回路4Dについて説明した。上記実施形態6では、図10に示すように、太陽電池1からの、モニタ回路で検出された出力電流が基準電流値に達したことを判定回路42Eが判定して、太陽電池1の出力端と充電制御回路3を連結しかつモニタ回路のインピーダンスを増加させると共に、充電制御回路3を起動させる起動判定回路4Eについて説明した。
【0136】
上記実施形態1〜7に限らず、図15、図16および図21に示すように、太陽電池1からの出力電流が基準電流値に達したことを検知回路42または42Aが検知して充電制御回路3を起動する起動判定回路4,4Aおよび4Fであってもよい。上記実施形態1,2,7の場合と、判定回路であるか検知回路であるかだけが異なっている。
【0137】
図17に示すように、太陽電池1で検出した温度値、温度上昇値またはこれから算出される太陽電池発電電力量が、基準温度値、基準温度上昇値または基準発電電力量に達したことを検知回路42Bまたは42B1で検知して充電制御回路3を起動する起動検知回路4Bまたは4B1であってもよい。上記実施形態3の場合と、判定回路であるか検知回路であるかだけが異なっている。
【0138】
図18に示すように、電源制御回路6または温度差発電素子52から供給された電力値が基準電力値に達したことを検知回路42Bまたは42B1で検知して充電制御回路3を起動する起動検知回路4Cであってもよい。上記実施形態4の場合と、判定回路であるか検知回路であるかだけが異なっている。
【0139】
図19に示すように、複数の太陽電池1D1,1D2からの各出力電流を太陽電池毎に基準電流値に達したかどうかの判定を行い、基準電流値に達したことを検知回路42Dが検知して、当該基準電流値に達した太陽電池の出力端のみを充電制御回路3に接続して充電制御回路3を起動するように制御する起動検知回路4Dであってもよい。上記実施形態5の場合と、判定回路であるか検知回路であるかだけが異なっている。
【0140】
図20に示すように、太陽電池1からの、モニタ回路で検出された出力電流が基準電流値に達したことを検知回路42Eが検知して、太陽電池1の出力端と充電制御回路3を連結しかつモニタ回路のインピーダンスを増加させると共に、充電制御回路3を起動させる起動検知回路4Eであってもよい。上記実施形態6の場合と、判定回路であるか検知回路であるかだけが異なっている。
【0141】
なお、上記検知回路による検知処理以外は、上記実施形態1〜7の場合の各部材の作用効果と同様である。
【0142】
要するに、上記実施形態2において、太陽電池1からの出力電流が基準電流値に達したことを判定する判定回路42Aは、電流モニタ部41からのモニタ信号の信号レベルと判定基準出力部422からの判定基準レベルとを比較し、モニタ信号の信号レベルが判定基準レベルを超えた場合に、モニタ信号の信号レベルと判定基準レベルとの差に応じた判定信号を出力する比較器423を有している。同様に、上記実施形態1〜7の判定回路でも、判定基準レベルと被測定信号レベルとを比較器で比較して被測定信号レベルが判定基準レベルを超えたときに判定信号を比較器から出力するように構成されている。これに限らず、比較器を用いずに、例えばトランジスタの閾値を利用してオン/オフさせて判定信号を出力させるように構成してもよい。即ち、上記実施形態1〜7の判定回路において、比較器を用いずに、太陽電池1からの出力電流を複数の分割抵抗で分圧し、分圧した電圧がトランジスタの閾値を越えた時点でトランジスタがオンして起動判定信号を判定回路から充電制御回路3に出力させるように構成することもできる。また、別の事例として、アンド回路の一方入力としてアンド回路の閾値以上の所定電圧を継続して入力しておき、アンド回路の他方入力として被測定信号レベルを入力し、その被測定信号レベルがアンド回路の閾値を越えると、判定回路のアンド回路から起動判定信号を充電制御回路3に出力するように構成することもできる。
【0143】
上記実施形態1〜7の判定回路による判定処理は、上記比較器、上記トランジスタおよび上記アンド回路のいずれによって行ってもよい。一方、本実施形態8の検知回路による検知処理(図15〜図21)は、上記比較器ではなく、上記トランジスタまたは上記アンド回路で行われる。要するに、本実施形態8の検知回路は上記実施形態1〜7の判定回路の概念に含まれる。
【0144】
以上のように、本発明の好ましい実施形態1〜8を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態1〜8に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態1〜8の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明は、太陽電池から発電される電力を2次電池またはスーパーキャパシタなどの電力保持デバイスに充電制御を行う充電制御装置の分野において、起動判定手段が、従来のように太陽電池からの大きく変化する不安定な出力電圧を監視するのではなく、太陽電池から出力電流を流し、その大きく変化しない出力電流が充電制御回路の消費電流以上であることを検出して充電制御回路を起動するため、太陽電池の発電量だけで充電制御回路を動作する条件で、出力電圧を監視する場合に比べてより精度よく充電制御回路を起動することができる。
【符号の説明】
【0146】
1、1A、1D1、1D2 太陽電池
2 電力機器(電力保持手段)
21 充電器
22 ニッケル水素電池
23 Li+2次電池
24 USB
3 充電制御回路
4、4A〜4F、4B1 起動判定回路(起動判定手段)
41 電流モニタ部
42、42A〜42D、42D1、42D2 判定回路
42A 判定回路(第2判定手段)
421 環境条件出力部
422 判定基準出力部
423、46 比較器
424 ディレイ調整部
421’、422’ モニタ回路
423’ 論理回路(ORゲート)
424’、427’ ラッチ回路(フリップフロップ回路)
425’ 演算回路
426’ 停止判定回路
43 ディレイ回路(ディレイ手段)
431 固定ディレイ部
432 可変ディレイ部
44、51 温度センサ
45 可変抵抗群
52 温度差発電素子
53 放熱素子
6 電源制御回路
11〜17 充電制御装置
SW1〜SW6、SW21,SW22 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を受けて発電を行う太陽電池からの電力を充電制御回路により電力保持手段に充電制御する充電制御装置において、
該太陽電池から基準電位への出力電流を監視し、その出力電流が基準電流値に達したことを判定して該充電制御回路を起動する起動判定手段を有する充電制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の充電制御装置において、
前記基準電流値は、前記充電制御回路が駆動可能とする消費電流以上の電流である充電制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の充電制御装置において、
前記起動判定手段は、前記太陽電池からの出力電流をモニタする電流モニタ部と、この電流モニタ部を基準電位側にオン/オフする第1スイッチ手段と、該太陽電池からの出力流を該電流モニタ部から該第1スイッチ手段を通して該基準電位側に流し、その出力電流をモニタ電流として監視し、該モニタ電流が基準電流値に達したことを判定して、該第1スイッチ手段をオフすると共に、該太陽電池から前記充電制御回路への出力電流をオン/オフする第2スイッチ手段をオフからオンにするスイッチ制御信号を出力しかつ、該充電制御回路を起動制御する第1判定手段とを有する充電制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の充電制御装置において、
前記起動判定手段は、前記太陽電池からの出力電流をモニタする電流モニタ部と、この電流モニタ部を基準電位側にオン/オフする第1スイッチ手段と、該太陽電池からの出力流を該電流モニタ部から該第1スイッチ手段を通して該基準電位側に流し、その出力電流をモニタ電流値として監視し、該モニタ電流値が基準電流値に達したことを判定して、該第1スイッチ手段をオフすると共に、該太陽電池から前記充電制御回路への出力電流をオン/オフする第2スイッチ手段をオフからオンにするスイッチ制御信号を出力する第2判定手段と、該モニタ電流が所定電流に達した時点から所定時間遅延した遅延信号を起動制御信号として該充電制御回路に出力して該充電制御回路を起動制御するディレイ回路を有する充電制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の充電制御装置において、
前記モニタ電流が基準電流値に達した時点からの所定遅延時間は、前記モニタ電流が前記所定電流値に比べて、発電量の初期判定の状態で想定される温度上昇による発電量の低下が生じたとしても、前記充電制御回路の駆動電力を賄える場合に、0に設定される充電制御装置。
【請求項6】
請求項4に記載の充電制御装置において、
前記モニタ電流が基準電流値に達した時点からの所定遅延時間は、発電量の初期判定の状態で想定される温度上昇による発電量の低下が生じて、前記充電制御回路の駆動電力を賄えない場合に、前記太陽電池自体の製品構造から決定される固定値である充電制御装置。
【請求項7】
請求項4に記載の充電制御装置において、
前記モニタ電流が基準電流値に達した時点からの所定遅延時間は、前記太陽電池の表面温度上昇による電力変動の安定移行時間とする充電制御装置。
【請求項8】
請求項7に記載の充電制御装置において、
前記太陽電池の表面温度上昇による電力変動の安定移行時間は、前記モニタ電流の変動時間である充電制御装置。
【請求項9】
光を受けて発電を行う太陽電池からの電力を充電制御回路により電力保持手段に充電制御する充電制御装置において、
該太陽電池が光を受けて発電する際に発生する該太陽電池自体の温度値または温度上昇値を検出する太陽電池温度情報検出手段と、
その検出した温度値、温度上昇値またはこれから算出される太陽電池発電電力量が、基準温度値、基準温度上昇値または基準発電電力量に達したことを判定して該充電制御回路を起動する起動判定手段とを有する充電制御装置。
【請求項10】
請求項9に記載の充電制御装置において、
前記基準温度値、前記基準温度上昇値または前記基準発電電力量は、前記充電制御回路が駆動可能とする消費電力量以上に前記太陽電池から出力電力値が得られる該太陽電池の温度値、温度上昇値または発電電力量である充電制御装置。
【請求項11】
請求項9に記載の充電制御装置において、
前記起動判定手段は、前記太陽電池温度情報検出手段により検出した温度値、温度上昇値またはこれから算出される太陽電池発電電力量が基準温度値、基準温度上昇値または基準発電電力量に達したことを判定して前記充電制御回路を起動する第3判定手段とを有する充電制御装置。
【請求項12】
請求項11に記載の充電制御装置において、
前記起動判定手段は、周囲温度情報を検出する周囲温度情報検出手段を更に有し、前記第3判定手段は、該周囲温度情報検出手段の周囲温度情報から判定基準値を調整し、その検出した温度値または温度上昇値、またはこれから算出される太陽電池発電電力量が、調整した判定基準値に達したことを判定して前記充電制御回路の充電制御を開始する充電制御装置。
【請求項13】
光を受けて発電を行う太陽電池からの電力を充電制御回路により電力保持手段に充電制御する充電制御装置において、
光を受けて発電を行う太陽電池と放熱素子の間に設けられた温度差発電素子と、該温度差発電素子からの熱電力を電源供給可能とする電源制御回路と、該電源制御回路または該温度差発電素子から供給された電力値が基準電力値に達したことを判定して前記充電制御回路を起動する起動判定手段とを有する充電制御装置。
【請求項14】
請求項13に記載の充電制御装置において、
前記起動判定手段は、前記太陽電池が光を受けて発電する際に発生する該太陽電池自体の発熱を変換した熱電力または、該熱電力が前記電源制御回路を介した電力が基準電力値に達して安定化するまで待機し、該熱電力または該電源制御回路からの電力が基準電力値に達したことを判定して、該太陽電池および該電源制御回路から前記充電制御回路への出力電力をオン/オフする第2スイッチ手段および第3スイッチ手段をそれぞれオフからオンするスイッチ制御信号を出力すると共に、該充電制御回路を起動する第4判定手段を有する充電制御装置。
【請求項15】
請求項1、9および13のいずれかに記載の充電制御装置において、
前記太陽電池が複数枚設けられ、該複数枚の太陽電池のそれぞれと前記充電制御回路との間に各スイッチ手段がそれぞれ設けられており、
前記起動判定手段は、該複数枚の太陽電池のそれぞれの発電駆動の有無を検出し、発電駆動していないと判定された太陽電池と該充電制御回路との間のスイッチ手段を遮断制御する充電制御装置。
【請求項16】
光を受けて発電を行う太陽電池からの電力を充電制御回路により電力保持手段に充電制御する充電制御装置において、
該太陽電池が複数枚設けられ、該複数の太陽電池からの各出力電流を該太陽電池毎に基準電流値に達したかどうかの判定を行い、該基準電流値に達したことを判定して、当該基準電流値に達した太陽電池の出力端のみを前記充電制御回路に接続して該充電制御回路を起動するように制御する起動判定手段を有する充電制御装置。
【請求項17】
請求項15または16に記載の充電制御装置において、
前記充電制御回路は、前記起動判定手段による充電制御が開始されると起動状態が保持される充電制御装置。
【請求項18】
請求項16に記載の充電制御装置において、
前記複数枚の太陽電池のそれぞれと前記充電制御回路との間に各スイッチ手段がそれぞれ設けられており、前記起動判定手段は、該複数枚の太陽電池のそれぞれの発電駆動の有無を検出し、前記基準電流値に達せずに発電駆動していないと判定された太陽電池と該充電制御回路との間のスイッチ手段を遮断制御する充電制御装置。
【請求項19】
請求項15または18に記載の充電制御装置において、
前記発電駆動していない太陽電池に対する充電制御停止条件を、前記太陽電池からの出力電流を監視して当該出力電流が所定期間の間に基準電流値に達しない時点とする充電制御装置。
【請求項20】
請求項15または18に記載の充電制御装置において、
前記充電制御回路の充電制御が開始された後の充電制御停止条件を、該充電制御回路から太陽電池側への逆流電流が検出された時点とする充電制御装置。
【請求項21】
請求項16に記載の充電制御装置において、
前記複数の太陽電池に対する複数の起動判定のうちの少なくとも一つの起動判定が検出されたときに前記充電制御回路を起動する充電制御装置。
【請求項22】
請求項16に記載の充電制御装置において、
前記複数の太陽電池からの出力電流の総和が充電制御可能電流と設定されている起動判定規定値としての基準電流値に達したことを判定して前記充電制御回路を起動する充電制御装置。
【請求項23】
請求項22に記載の充電制御装置において、
前記複数の太陽電池の各出力電流間の各差分を比較し、該各差分が所定値に達した場合に、該発電量の低い太陽電池は前記充電制御回路との接続を遮断し、かつ前記基準電流値と比較する出力電流の総和から、当該発電量の低い太陽電池の発電量を除くように制御する充電制御装置。
【請求項24】
光を受けて発電を行う太陽電池からの電力を充電制御回路により電力保持手段に充電制御する充電制御装置において、
該太陽電池の出力端と基準電位間に設けられた出力電流のモニタ回路と、該モニタ回路で検出された出力電流が基準電流値に達したことを判定して、該太陽電池の出力端と該充電制御回路を連結しかつ該モニタ回路のインピーダンスを増加させると共に、該充電制御回路を起動させる第5判定手段とを有する充電制御装置。
【請求項25】
請求項24に記載の充電制御装置において、
前記第5判定手段は、前記充電制御回路の負荷が軽くなることによって前記太陽電池の出力電圧が該充電制御回路の入力レンジ以上の電圧まで上昇する場合は前記モニタ回路のインピーダンスを低下させて該太陽電池の出力電圧を抑制する充電制御装置。
【請求項26】
光を受けて発電を行う太陽電池からの電力を充電制御回路により電力保持手段に充電制御する充電制御装置において、
該太陽電池の出力端子と低電位端子間に接続される第1のスイッチSW1と、該太陽電池の出力端子と該太陽電池からの電力を取り出す該充電制御回路との間に接続された第2のスイッチSW2と、該第2のスイッチSW2に流れる電流量が設定されている起動判定設定値に等しいかまたはそれ以上になったときに該充電制御回路の起動制御を行う起動判定手段と、該充電制御回路の出力端と第1の電力保持デバイスの間に接続されている第3のスイッチSW3と、該充電制御回路の入力端子と該第1の電力保持デバイスの間に接続されている第4のスイッチSW4と、該充電制御回路の出力端子と第2の電力保持デバイスの間に接続されている第2電力保持デバイス用の充電器と、該第2電力保持デバイス用の充電器の出力端子と該充電制御回路の入力端子間に接続されている第5のスイッチSW5とを有する充電制御装置であって、
該起動判定手段は、該太陽電池からの第1の電力保持デバイスに電力充電を行う場合には、該第2のスイッチSW2および該第3のスイッチSW3を短絡し、残りのスイッチSW4〜SW6の開放を行い、また、該第2の電力保持デバイスに充電を行う場合は、該充電器を起動し、該第1の電力保持デバイスとの並列充電するかまたは、該第2の電力保持デバイスのみへの充電の場合は、該第3のスイッチSW3を開放して充電を行い、さらに、該太陽電池の電力が不十分と判断された場合には、該第2のスイッチSW2を短絡、該充電制御回路を停止し、残りのスイッチを開放後、該第1の電力保持デバイスから第2の電力保持デバイスへの充電を行うように制御する充電制御装置。
【請求項27】
請求項26に記載の充電制御装置において、
前記起動判定手段は、前記第2の電力保持デバイスにメモリ効果が発生し、電力保持能力が低下した場合は、前記充電器を停止させ、第5のスイッチSW5、第4のスイッチSW4を短絡、残りのスイッチを開放し、該第2の電力保持デバイスに蓄えられている電力を、前記第1の電力保持デバイスに回生して深放電を行わせてメモリ効果解消と電力回生を行うように制御する充電制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−254004(P2012−254004A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−101775(P2012−101775)
【出願日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】