充電装置及び充電方法
【課題】充電時間を短縮化する充電装置及び充電方法を提供する。
【解決手段】複数の充電対象に対して、充電の優先度をそれぞれ設定する優先度設定手段と、前記優先度が高い充電対象のバッテリの充電電力を、前記優先度が低い充電対象のバッテリの充電電力より高い電力に設定する充電電力設定手段と、前記充電電力設定手段により設定された充電電力を、電源から前記複数のバッテリに同時に供給する充電器制御手段と、を備える。
【解決手段】複数の充電対象に対して、充電の優先度をそれぞれ設定する優先度設定手段と、前記優先度が高い充電対象のバッテリの充電電力を、前記優先度が低い充電対象のバッテリの充電電力より高い電力に設定する充電電力設定手段と、前記充電電力設定手段により設定された充電電力を、電源から前記複数のバッテリに同時に供給する充電器制御手段と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電装置及び充電方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
交流電源からの交流電力を直流電力に変換する1台の整流器と、前記整流器を直流電源とし二次電池を充電する直流電力を得る複数の充電器と、前記複数の充電器のうち運転指定された充電器を時分割的に充電制御する制御装置とを備えた集中充電装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−336673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数の充電器に接続された複数のバッテリに対して、充電時間を順次均等に割り当てるため、充電時間が長くなるという問題があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、充電時間を短縮化する充電装置及び充電方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、優先度が高い充電対象のバッテリの充電電力を、前記優先度が低い充電対象のバッテリの充電電力より高い電力に設定し、設定された充電電力を複数のバッテリに同時に供給することによって上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、優先度が高いバッテリは、高い充電電力で充電されつつ、優先度の低いバッテリも充電されるため、充電時間の短縮化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る充電装置を含む充電システムのブロック図である。
【図2】図1の充電電力設定部により設定される充電電流の時間特性を示すグラフである。
【図3】図1の充電電力設定部により設定される充電電流の時間特性を示すグラフである。
【図4】図1の充電装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の他の実施形態に係る充電装置に格納される、優先度と分配割合との対応関係を示すテーブルの図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る充電装置において、バッテリの充電電力の時間特性を示すグラフである。
【図7】本発明の他の実施形態に係る充電装置において、バッテリの充電電力の時間特性を示すグラフである。
【図8】本発明の他の実施形態に係る充電装置における、制御手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の変形例に係る充電装置において、バッテリの充電電力の時間特性を示すグラフである。
【図10】本発明の他の実施形態に係る充電装置における、制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
《第1実施形態》
図1は、本例の充電装置を含む充電システムのブロック図である。本例の充電装置は、例えばショッピングモールの駐車場や、電気自動車のカーシェアリングサービスを提供している施設の駐車場や、電気自動車を社用車として利用している会社の駐車場などに設けられ、充電対象である電気自動車またはハイブリッド車両に設けられるバッテリを充電する制御装置である。
【0011】
充電装置100は、交流電源200に接続され、交流電源200から供給される電力を、各充電コネクタ2a〜2cに接続される車両300a〜300cに分配して、車両300a〜300cに含まれるバッテリ301a〜301cにそれぞれ供給して、バッテリ301a〜301cを充電する。バッテリ301は、リチウムイオン電池などの二次電池により構成される。また、車両300a〜300cには、バッテリ301a〜301cを管理するバッテリコントローラ(図示しない)がそれぞれ設けられており、当該バッテリコントローラは、バッテリの電圧、充放電電流、またはバッテリの充電状態(State of Charge)を検出し、バッテリの状態を管理する。
【0012】
充電装置100は、交流電源200に接続され、交流電源200から供給される電力を、各充電コネクタ2a〜2cに接続される車両300a〜300cのバッテリ301a〜301cに分配する。充電装置100は、充電器1と、充電コネクタ2a〜2cと、制御部3と、ID制御部4と、操作パネル5とを備えている。充電器1は、AC/DCコンバータ11、給電配線12及びDC/DCコンバータ13a〜13cを有している。AC/DCコンバータ11は、交流電源200から供給される交流電力を直流電力に変換して、給電配線12に出力する。給電配線12は、AC/DCコンバータ11から分岐して、各DC/DCコンバータ13a〜13cを介して充電コネクタ2a〜2cに接続されている。DC/DCコンバータ13a〜13cは、トランジスタ等のスイッチング素子が含まれており、制御部からの制御信号に基づいて、当該スイッチング素子のオン及びオフを切り替えることで、入力される直流電力を昇圧して、各バッテリ301a〜301を充電するために適した充電電力を出力する。
【0013】
例えば、制御部3の制御信号により、DC/DCコンバータ13a及びDC/DCコンバータ13bに含まれるスイッチング素子のオン及びオフがそれぞれ切り替えられ、DC/DCコンバータ13cに含まれるスイッチング素子がオフ状態で維持される場合には、AC/DCコンバータ11から出力される電力は、分配して、DC/DCコンバータ13a及びDC/DCコンバータ13bにそれぞれ入力し、DC/DCコンバータ13cには入力されない。そして、DC/DCコンバータ13a〜13cから出力される充電電力は、DC/DCコンバータ13a〜13cに含まれるスイッチング素子のオン及びオフのデューティー比を制御することで、設定される。これにより、制御部3により、DC/DCコンバータ13a〜13cのスイッチング素子を制御することで、1つの電源である交流電源200からの出力電力を分配して、各バッテリ301a〜301bに供給される充電電力が設定される。なお、AC/DCコンバータ11及びDC/DCコンバータ13a〜13cは充電器1に含まれる充電回路の一部であり、充電器1は他の回路素子を含んでもよい。
【0014】
充電コネクタ2a〜2cは、車両の充電口と接続される端子部であり、給電配線12の端部に設けられている。DC/DCコンバータ13a〜13cは、各充電コネクタ2a〜2cと対応して、分岐されたそれぞれの給電配線12に接続されている。また、各DC/DCコンバータ13a〜13cには、通信回路が設けられている。車両300が充電コネクタ2a〜2cに接続されると、当該通信回路は、車両300のバッテリコントローラ(図示しない)と情報の送受信を行うことができる。また当該通信回路は制御部3とも接続されており、制御部3と車両300との間で情報が送受信される。なお、車両300と制御部3との間の通信は、給電配線12を利用した電力線通信により行ってもよく、給電配線12内に通信用の配線を組み込んでもよく、あるいは、無線通信により行ってもよい。
【0015】
制御部3は、充電器制御部31と、充電量検出部32と、充電電力設定部33と、優先度設定部34とを有している。
【0016】
充電器制御部31は、交流電源200からの出力電力を分配して、充電電力設定部33により設定された充電電力になるように、AC/DCコンバータ11を及びDC/DCコンバータ13a〜13cを制御する制御信号を生成し、AC/DCコンバータ11を及びDC/DCコンバータ13a〜13cに送信することで、充電器1を制御する。充電量検出部32は、車両300a〜300cのバッテリコントローラから送信される、バッテリ301a〜301cの電圧、電流、あるいはSOCに基づいて、バッテリ301a〜301cの充電量を検出する。
【0017】
充電電力設定部33は、充電量検出部32により検出されたバッテリ301の充電量及び優先度設定部34に設定される優先度に基づいて、バッテリ301に供給される充電電力を設定する。すなわち、充電電力設定部33は、交流電力200の出力電力から各バッテリ301a〜301cへ分配される充電電力を設定する。また充電電力設定部33はバッテリ301a〜301cの充電量に応じて充電電力を制御してバッテリ301を充電する。
【0018】
優先度設定部34は、車両300に応じて充電の優先度を設定する。上記の通り、本例の充電装置100は1つの電力源から供給される電力を分配して各バッテリ301a〜301cを充電するため、電力に限りがある。そのため、本例では、電力を優先的に分配するように、車両300に応じて優先度を設定する。そして、優先度が高い車両の場合には、優先度の低い車両と比較して、高い充電電力が、優先度の高い車両のバッテリ301に分配される。
【0019】
ID認証部4は、車両300のユーザを認証するシステムが搭載されている。例えば、本例の充電装置100が、予め登録したユーザに対してのみ、利用可能な装置である場合に、登録したユーザ所有するICカード等をID認証部4に近づけることで、ID認証部4は、ICカードに登録された情報を磁気的作用で読み取ることで、ユーザを特定する。操作パネル5は、ユーザ操作を受け付ける入力部であって、例えばタッチパネルなどで構成されている。車両300は、当該操作パネル5を操作することで、本例の充電装置100を操作することができる。
【0020】
次に、本例の充電装置100の制御内容を、図1を用いて説明する。まず、充電器制御部31、充電量検出部32、及び、充電電力設定部33による充電制御について、図2を用いて説明する。図2は、充電電力設定部33により設定される充電電流の時間特性を示すグラフである。充電器制御部31及び充電電力設定部33は、定電圧で充電電流を制御する定電圧充電制御により、バッテリ301a〜301bを充電する。例えば、充電コネクタ2aに車両300aが接続され、充電コネクタ2b、2cには車両300b、300cが接続されておらず、バッテリ301aに充電されている充電量が低い場合には、充電電力設定部33は、図2に示すように、充電電流を最大電流にして、充電器1の最大電力を、バッテリ301bの充電電力に設定する。充電量検出部32は、バッテリ301aの充電中、車両300aのバッテリコントローラから送信されるSOCに基づいて、バッテリ301aの充電量を検出する。
【0021】
充電量検出部32により、バッテリ301aが満充電に近づいたことを検出すると、充電電力設定部33は、充電電流を段階的に下げることで充電電力を徐々に絞り、充電器制御部31は充電電力設定部33により設定された充電電力になるよう、DC/DCコンバータ13aを制御する。そして、充電量検出部32により、バッテリ301aの充電量が満充電に達したことが検出されると、充電電力設定部33は、充電電流をゼロにして充電を終了させる。
【0022】
次に、充電コネクタ2a〜2cに、車両300が接続された状態における充電制御について説明する。車両300a〜300cが充電コネクタ2a〜2cに同時に接続した場合について説明する。
【0023】
まず制御部3は、バッテリ301を充電する前に、充電量検出部32によりバッテリ301の充電量をそれぞれ検出する、そして、優先度設定部34は、バッテリ301の中で充電量が低いほど、優先度が高くなるように、各車両300の優先度を設定する。例えば、バッテリ301のうち、バッテリ301aの充電量が最も低く、バッテリ301bの充電量が二番目に低く、バッテリ301cの充電量が最も高い場合には、車両300aの優先度が最も高く、車両300bの優先度が二番目に高く、車両300cの優先度が最も低くなる。
【0024】
そして、充電電力設定部33は、最も優先度の高い車両300aのバッテリ301aに対して、充電器1の最大電力を充電電力として設定する。ここで、充電器1の最大電力とは、AC/DCコンバータ11の出力電力を分岐するとなくDC/DCコンバータ13aに入力し、DC/DCコンバータ13aで充電制御の下、最も高く昇圧された電力に相当し、交流電源200の出力電力を分配することなく、電力変換された電力に相当する。本例では、充電電力の電源は、交流電源200だけであるため、充電器1の最大電力をバッテリ301aの充電電力に分配した場合には、他のバッテリ301b、301cには充電電力が分配されない。そして、充電制御部31は、DC/DCコンバータ13aのスイッチング素子をスイッチング制御して充電器1の最大電力をバッテリ301aに供給し、一方、DC/DCコンバータ13b、cのスイッチング素子はオフ状態にする。これにより、本例は、充電量が低いバッテリ301が優先的に充電される。
【0025】
充電量検出部32により、バッテリ301aの充電量が満充電に近づくことを検出すると、充電電力設定部33は、定電圧充電制御の下、バッテリ301aの充電電力を下げる。バッテリ31aの充電電力が、充電器1の最大電力より低くなると、充電器1の電力に余力がでてくる。そのため、充電電力設定部33は、余力分の電力を、二番目に優先度が高いバッテリ301bの充電電力として設定する。すなわち、本例は、最も優先度が高いバッテリ301aの充電が終了する前に、二番目に優先度が高い車両300bのバッテリ301bの充電を開始することで、充電電力設定部33により設定された充電電力を、バッテリ301a及びバッテリ301bに同時に供給することができる。なお、バッテリ301bに分配される、余力分に相当する充電電力は、充電器1の最大電力からバッテリ301aに設定された充電電力を差し引いた電力に相当する。言い換えると、充電電力設定部33は、複数のバッテリ301に充電電力を分配し設定する場合には、充電器1の最大電力を分配するよう充電電力を設定し、各バッテリ301に分配された充電電力の合計電力が充電器1の最大電力に相当するように、充電電力を設定する。
【0026】
さらに、バッテリ301aの充電量が満充電に近づくと、充電電力設定部33はバッテリ301aの充電電力をさらに下げて、電力を下げた分、バッテリ301bの充電電力を上げる。バッテリ301aの充電量が満充電に達すると、充電電力設定部33はバッテリ301aの充電電力をゼロにし、バッテリ301bの充電電力を充電器1の最大電力に設定する。
【0027】
そして、バッテリ301b及びバッテリ301cの充電についても同様に、充電量検出部32により、バッテリ301bの充電量が満充電に近づくことを検出すると、充電電力設定部33は、定電圧充電制御の下、バッテリ301bの充電電力を充電器1の最大電力から下げて、電力を下げた分、バッテリ301cの充電電力を上げる。バッテリ301bの充電量が満充電に達すると、充電電力設定部33はバッテリ301bの充電電力をゼロにし、バッテリ301cの充電電力を充電器1の最大電力に設定する。充電量検出部32により、バッテリ301cの充電量が満充電に達したことを検出すると、充電器制御部31は、バッテリ301の充電制御を終了する。
【0028】
ここで、図2に示す定電圧充電制御の下、本例と異なり、各バッテリ301a〜301cに対して一定の時間毎に充電器1の最大電力を供給する時分割充電した場合(比較例)のバッテリ301a〜301cの充電時間と、本例の充電制御による、バッテリ301a〜301cの充電時間について、図3を用いて説明する。図3は充電電流の時間特性を示しており、グラフaは本例のバッテリ301aに流れる充電電流の特性を、グラフbは本例のバッテリ301aに流れる充電電流の特性を、グラフcは本例のバッテリ301aに流れる充電電流の特性を示し、グラフdは比較例における、バッテリ301a〜301cに流れる充電電流の特性を示す。なお、充電開始時のバッテリ301a〜301cの充電量は、満充電より低く、同じ充電量とする。
【0029】
図3に示すように、比較例では、充電を開始し、時間t2までは、バッテリ301aから開始して301b、301cの順に、充電器1の最大電力を一定の時間ずつ、1つのバッテリのみに電力を供給する、時分割の電力供給を繰り返して、時間t2の時点で、バッテリ301a〜301cの全ての充電量が充電電力を段階的に下げる充電量に達すると、バッテリ301a〜301cのそれぞれの充電電力が、最大電力より低くなる。そして、バッテリ301a〜301cのそれぞれの充電電力を段階的に下げて、時間t5の時点で、バッテリ301a〜301cが満充電に達して、充電を終了する。
【0030】
一方、本例では、充電を開始し、時間t1の時点で、バッテリ301aの充電量が充電電力を段階的に下げる充電量に達するため、バッテリ301aの充電電力を最大電力から下げて、電力を下げた分の電力をバッテリ301bの充電電力に分配する。時間t1以降、バッテリ301aの充電電力を段階的に下げながら、バッテリ301bの充電電力を段階的に上げる。そして、バッテリ301aが満充電に達すると、バッテリ301bの充電電力を最大電力にする。時間t2の時点で、バッテリ301bの充電量が充電電力を段階的に下げる充電量に達するため、バッテリ301bの充電電力を最大電力から下げて、電力を下げた分の電力をバッテリ301cの充電電力に分配する。時間t2以降、バッテリ301bの充電電力を段階的に下げながら、バッテリ301cの充電電力を段階的に上げる。そして、バッテリ301bが満充電に達すると、バッテリ301cの充電電力を最大電力にする。時間t3の時点で、バッテリ301cの充電量が充電電力を段階的に下げる充電量に達するため、バッテリ301cの充電電力を最大電力から下げる。その後、バッテリ301cの充電電力を段階的に下げて、時刻t4の時点で、バッテリ301cが満充電に達すると、本例の充電を終了する。
【0031】
本例のグラフa〜cと比較例のグラフdとを比較すると、本例では、時間t3の時点までは、充電器1の最大電力を用いて、バッテリ301a〜301cが充電される。一方、比較例では、時間t3より早い時間である時間t2の時点で、充電器1の最大電力によるバッテリ301a〜301cの充電を終了し、時間t2以降は、充電器1の最大電力より低い電力で、バッテリ301a〜301cが充電される。そのため、比較例では、充電器1の最大電力を利用している充電時間が短いため、全てのバッテリ301a〜301cの充電を終了するまでの時間(図3の時間t5に相当する)が、本例の充電終了時間(図3の時間t4に相当する)より長くなる。すなわち、本例は充電器1の最大電力を適切に分配しつつ、複数のバッテリ301a〜301cに対して同時に電力を供給しているため、比較例と比べて、バッテリ301a〜301cを早く充電を完了することができる。
【0032】
次に、車両300のうち、一の車両が接続され、バッテリ301の充電中に、他の車両が接続された場合における、本例の充電制御を説明する。以下、車両300aが充電コネクタ2aに接続され、バッテリ301aが充電されている途中に、車両300b、301cが充電コネクタ2b、2cに接続された、と仮定して説明する。
【0033】
車両300aのバッテリ301aの充電中に、車両300bが充電コネクタ2bに接続されると、充電器制御部31はバッテリ301aの充電を停止し、充電量検出部32は、停止時のバッテリ301aの充電量と、バッテリ301bの充電量とを検出する。優先度設定部34は、バッテリ301aの充電量とバッテリ301bの充電量とを比較して、充電量の低いバッテリの車両に対して、優先度を高く設定する。例えば、車両300bの接続時点で、バッテリ301bの充電量がバッテリ301aの充電量より高い場合には、優先度設定部34は、車両300bの優先度を車両300aの優先度より高く設定する。
【0034】
そして、充電電力設定部33は、優先度が高い方の車両のバッテリ301に対して、充電器1の最大電力を充電電力として設定する。また、充電電力設定部33は、優先度が高い方の車両のバッテリ301が既に満充電に近く、充電器1の最大電力より低い電力で充電する場合には、バッテリ301の充電量に応じた充電電力を設定する。この際、充電器1は電力面で余力があるため、充電電力設定部33は、優先度が低い方の車両のバッテリに対して、余力分の電力を充電電力として設定する。
【0035】
さらに、車両300a、300bが充電コネクタ2a、2bに接続され、バッテリ301a及び301bの少なくとも一方のバッテリ301の充電中に、車両300cが充電コネクタ2cに接続されると、充電器制御部31はバッテリ301aの充電を停止し、充電量検出部32は、停止時のバッテリ301a及びバッテリ301bの充電量と、バッテリ301cの充電量とを検出する。優先度設定部34は、バッテリ301a〜301cの充電量をそれぞれ比較して、充電量の低いバッテリの車両ほど、優先度が高くなるように設定する。
【0036】
そして、充電電力設定部33は、優先度が最も高い車両のバッテリ301に対して、充電器1の最大電力を充電電力として設定する。また、充電電力設定部33は、優先度が最も高い車両のバッテリ301が既に満充電に近く、かつ、二番目に優先度が高い車両のバッテリも既に満充電に近く、これらのバッテリ301について、充電器1の最大電力より低い電力で充電する場合には、バッテリ301の充電量に応じた充電電力を設定する。この際、充電器1は電力面で余力があるため、充電電力設定部33は、優先度が三番目に低い車両のバッテリ301に対して、余力分の電力を充電電力として設定する。これにより、充電コネクタ2a〜2cのうち、一のコネクタに車両300が接続され、充電中の時に、他のコネクタに車両300が接続された場合でも、本例は、バッテリ301の充電量に応じて、優先度を設定し、充電器1の最大電力を適切に分配しつつ、複数のバッテリ301a〜301cに対して同時に電力を供給する。
【0037】
次に、図4を用いて、本例の充電装置100の制御手順を説明する。図4は、本例の充電装置100の制御手順を示すフローチャートである。ステップS1にて、制御部3は、充電コネクタ2a〜2cの接続状態、あるいは、ユーザによる操作パネル5の操作情報等に基づき、新たに車両300が充電コネクタ2a〜2cに接続され、充電を開始させる車両があるか否かを検出する。そして、充電開始車両がある場合には、ステップS2に遷る。なお、ステップS1の制御は、他の車両が充電中で、新たに車両がコネクタに接続された場合に、実質的に機能する制御処理である。
【0038】
ステップS2にて、充電量検出部32は、新たに接続された車両のバッテリの充電量を検出する。ステップS3にて、制御部3は充電中の車両があるか否かを判別する。充電中の車両がない場合には、新たに接続された車両のみが充電コネクタ2a〜2cのいずれかのコネクタに接続された状態となり、ステップS31にて、充電電力設定部33は、新たに接続された車両300のバッテリ301の充電電力を、充電器1の最大電力に設定し、充電器制御部31は、設定された充電電力でバッテリ301を充電し、ステップS10に遷る。なお、ステップS31にて、新たに接続された車両300のバッテリ301の充電量が、充電電力を最大電力から段階的に下げる充電量に達している場合には、ステップS31にて、充電電力設定部33は、充電量に応じた充電電力を設定する。
【0039】
ステップS3に戻り、充電中の車両がある場合には、充電器制御部31は、バッテリ301の充電制御を一旦、停止し、充電量検出部32は充電停止中のバッテリ301の充電量を検出する(ステップS4)。ステップS5にて、優先度設定部34は、充電コネクタ2a〜2cに接続されている車両300のバッテリ301の充電量が低いほど、優先度が高くなるように、各車両300の優先度を設定する。ステップS6にて、充電電力設定部33は、優先度設定部34に設定された優先度の中で、最も優先度の高い車両300のバッテリ301に対して、充電器1の最大電力を充電電力として設定する。
【0040】
ステップS7にて、充電電力設定部33は、バッテリ301の充電量に基づいて、充電電力を設定する。すなわち、車両300のバッテリ301の充電量が、充電電力を最大電力から段階的に下げる充電量に達していない場合には、ステップS6で充電電力設定部33により設定された最大電力に変更はない。一方、車両300のバッテリ301の充電量が、充電電力を最大電力から段階的に下げる充電量に達している場合には、充電電力設定部33は充電量に応じた、最大電力より低い充電電力を再設定する。ステップS8にて、制御部3は、充電器31の最大電力と、充電電力設定部33で設定された充電電力とを比較して、充電器1の出力電力に余裕があるか否かを判断する。
【0041】
充電電力設定部33で設定された充電電力が充電器1の最大電力より低い場合には、充電器1の出力電力に余力があると判断され、ステップS9にて、充電電力設定部33は、余力電力に相当する充電電力を、次に優先度の高い車両300のバッテリ301に分配する。なお、当該次に優先度の高い車両300は、ステップS6で最大電力が設定された車両300の次に優先度が高い車両300である。一方、充電電力設定部33で設定された充電電力が充電器1の最大電力である場合には、充電器1の出力電力に余力がないと判断され、ステップS10に遷る。そして、ステップS10にて、充電器制御部31は、充電電力設定部33により設定、分配された充電電力で、バッテリ301を充電する。
【0042】
ステップS11にて、充電量検出部32は、充電中のバッテリ301の充電量を所定の周期で検出し、充電中のバッテリ301が満充電に達したか否かを検出し、また、制御部3はユーザの操作等により、強制的に充電を終了か否かを検出することで、制御部3は充電を終了した車両があるか否かを判断する。充電を終了した車両がある場合には、ステップS12にて、制御部3は、他に充電中の車両300、または、充電コネクタ2a〜2cに接続されているが充電を行っていない、充電待機中の車両300があるか否かを判断する。そして、充電中の車両300または充電待機中の車両300がある場合には、制御部3は、一旦、充電を停止する(ステップS13)。なお、ステップS13の時点で、ステップS10で満充電に達したバッテリの充電は終了しており、ステップS14以降の制御処理は、充電中の車両300または充電待機中の車両300に関する制御処理となる。
【0043】
ステップS14にて、充電量検出部32は、充電を停止した車両300のバッテリ301の充電量を検出し、ステップS5に遷る。なお、充電待機中の車両300は、ステップS2の制御処理で、既に充電量を検出済みのため、ステップS13の制御処理では、充電量検出部32は、充電待機中の車両300のバッテリ301の充電量を検出しなくてもよい。そして、ステップS14の制御処理の後の制御であるステップS5では、充電待機中の車両300及び充電を停止した車両300の優先度が再度、設定され、ステップS6以降の制御処理が、上記と同様に行われる。
【0044】
ステップS12に戻り、充電中の車両、または、充電待機中の車両がない場合には、ステップS15にて、制御部3は充電器1による充電を終了させて、本例の制御を終了する。
【0045】
ステップS11に戻り、充電を終了した車両がない場合には、ステップS1に戻り、ステップS1の以降の制御処理が、上記と同様に行われる。ステップS1に戻り、充電開始車両がない場合には、ステップS7に遷ることで、バッテリ301の充電が継続して行われる。
【0046】
上記のように、本例は、交流電源200からの電力を複数のバッテリ301にそれぞれ分配して、複数のバッテリ301を充電する充電器1と、車両300に対して充電の優先度を設定する優先度設定部34と、優先度が高い車両300のバッテリ301の充電電力を、優先度が低い車両300のバッテリ301の充電電力より高い電力に設定する充電電力設定部33と、充電器1を制御して、設定された充電電力を複数のバッテリ301に同時に供給する充電器制御部31とを備えている。これにより、本例は、優先度の高い車両300に対して、高い充電電力が分配されるため、充電時間を短縮化させることができる。また、本例は、優先度に応じて、複数のバッテリ301に同時に電力を供給して、バッテリ301を充電するため、充電器1の出力可能な電力を無駄にすることがなく、充電時間を短縮化させることができる。
【0047】
また従来のように、電力を時分割で制御するシステムでは、充電の途中で、充電の中断及び再開を短時間で繰り返し行うため、電圧変動が多く、バッテリ301が劣化する可能性があった。一方、本例では、従来と比較して、充電の中断及び再開を繰り返す回数が少ないため、電圧変動を抑え、バッテリ301の劣化を抑制することができる。
【0048】
また本例において、充電電力設定部33は、複数の車両300のうち、最も優先度の高い車両300のバッテリ301に対して、充電器1の最大電力を充電電力として設定する。これにより、例えば、既にバッテリ301が充電している時に、後から車両300が充電コネクタ2a〜2cに接続されたとしても、既に充電している車両の優先度が高い場合には、既に充電していたバッテリ301の充電が後回しにならないため、優先度が高い車両の充電時間が遅延することを防ぐことができる。
【0049】
また本例において、充電電力設定部33は、複数の車両300のうち、一の車両300のバッテリ301に対して、充電器1の最大電力より低い充電電力を設定する場合には、他の車両300のバッテリ301に対して充電電力を設定する。これにより、本例は、優先度が高いバッテリ301の充電量が高くなり、当該バッテリ301の充電電力が絞られた場合に、充電器1の余剰電力を他のバッテリ301の充電電力として割り当てるため、充電器1の出力可能な電力の利用効率を高め、また当該他のバッテリ301の充電を進めることができ、その結果として、充電時間の短縮化を図ることができる。
【0050】
また本例において、優先度設定部34は、充電量検出部32により検出されたバッテリ301の充電量のうち、最も低い充電量のバッテリ301を含む車両300に対して、優先度を最も高く設定する。これにより、充電量の低い車両300のバッテリ301に対して、優先的に充電電力が分配されるため、特定の車両だけ充電時間が長くなることを防ぐことができる。
【0051】
なお本例において、優先度設定部34は、バッテリ301の充電時間に応じて、車両300の優先度を設定してもよい。また本例の充電装置100は、車両以外であって、バッテリを含む装置等を充電対象としてもよい。
【0052】
上記の優先度設定部34は本発明の「優先度設定手段」に相当し、充電電力設定部33は本発明の「充電電力設定手段」に、充電器制御部31は本発明の「充電器制御手段」に、充電量検出部32は本発明の「充電量検出手段」に相当する。
【0053】
《第2実施形態》
図5は、発明の他の実施形態に係る充電装置の制御部に含まれる、車両の優先度と電力の分配割合との関係を示す、テーブルの図である。本例では上述した第1実施形態に対して、優先度の設定制御及び電力の分配制御が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであるため、その記載を適宜、援用する。
【0054】
本例の充電装置100では、車両300に応じて、予め優先度が決まっている。予め決まっている優先度に関する情報は、例えば、本例の充電システムを利用するためのID認証カードに記憶されており、ユーザが当該ID認証カードをID認証部4にかざすことで、ID認証部4は、ユーザのID情報と共に、優先度情報を取得する。あるいは、本例の充電システムを利用する際の暗証番号が、ユーザ毎に割り振られており、当該暗証番号に対応させて優先度も割り振られている。そして、ユーザが操作パネル5で暗証番号を入力することで、制御部3は、本例の充電装置100の利用許可を判断しつつ、当該ユーザの車両300の優先度情報を取得する。
【0055】
優先度が車両300に応じて予め決まっている場合について、説明する。例えば、本例の充電装置100を、公共施設の一例として市役所に設けた場合において、優先度がI、II、IIIの順に低くなるように、3段階に分けられており、一番高い優先度Iの車両に、救急車や消防車等の緊急車両が割当てられ、二番目に高い優先度IIの車両に、市役所が所有する車両が割り当てられ、一番低い優先度IIIの車両に、に、一般車両が割当てられる。そして、緊急車両が充電コネクタ2aに接続された場合には、優先度設定部34は、ID認証部4により取得された優先度情報、または、緊急車両のユーザの操作パネル5の操作により取得された優先度情報に基づいて、充電コネクタ2aに接続された車両の優先度を、一番高い優先度Iに設定する。
【0056】
次に、優先度がユーザに応じて予め決まっている場合について説明する。例えば、本例の充電装置100が、高速道路のサービスエリアなどの施設に設けられ、本例の充電システムとして課金システムを採用している。そして、本例の充電システムを利用するためには、ユーザは設定された年会費等のシステム使用料を支払う必要があり、支払う年会費に応じてユーザが4段階に分けられ、段階に応じて優先度I、II、III、IVの順に低くなるように設定されている。例えば、最も高い年会費を支払ったユーザは優先度Iに相当し、二番目に高い年会費を支払ったユーザは優先度IIに相当し、三番目に高い年会費を支払ったユーザは優先度IIIに相当し、一番安い年会費を支払ったユーザは優先度IVに相当する。そして、例えば、ユーザは支払った年会費に応じて分類されたID認証カードを所有している。ユーザは、優先度IIに相当するID認証カードを所有している場合には、ユーザは車両300を充電コネクタ2bに接続し、当該ID認証カードをID認証部4にかざすと、優先度設定部34は、充電コネクタ2aに接続された車両300の優先度を、二番高い優先度IIに設定する。このように、優先度は、ユーザ又は車両300に応じて、予め決まっている。
【0057】
また、本例では、充電コネクタ2a〜2cの接続状態及び接続された車両300の優先度に応じて、バッテリ301に分配する電力の割合が予め設定されており、制御部3には、図5に示すテーブルが格納されている。図5に示す車両の優先度「1〜3」について、一番高い優先度をレベル「1」とし、二番目に高い優先度をレベル「2」、三番目に高い優先度をレベル「3」としている。また図5のA車、B車、C車について、充電コネクタ2a〜2cに接続される車両300a〜300cを優先度の順に並べ、優先度の高い順に、A車、B車、C車として表している。例えば、優先度IIの車両300a、優先度Iの車両300b、優先度IIIの車両300cが、充電コネクタ2a〜2cに、それぞれ接続された場合には、優先度Iがレベル「
1」となり、優先度IIIがレベル「2」となり、優先度Iの車両300bがA車に、優先度IIの車両300aがB車に、優先度IIの車両300cがC車となるため、図5のカテゴリーcと対応することになる。
【0058】
図5に示すように、分配される電力の割合は、優先度が高いほど高くなるように設定されている。また、複数の充電コネクタ2a〜2cに、優先度が同じ車両300が接続さている場合には、電力の分配割合は均等に割り振られる。また、充電コネクタ2a〜2cに接続された車両のうち、複数の車両300の優先度が、同じで、かつ、他の車両300の優先度より高い場合には、当該複数の車両300のバッテリ301への分配割合は、同じで、かつ、他の車両300のバッテリ301への分配割合より高くなる。さらに、充電コネクタ2a〜2cに接続された車両のうち、複数の車両300の優先度が、同じで、かつ、他の車両300の優先度より低い場合には、当該複数の車両300のバッテリ301への分配割合は、同じで、かつ、他の車両300のバッテリ301への分配割合より低くなる。
【0059】
優先度設定部34が、車両300に応じて優先度を設定すると、充電電力設定部33は、格納された図5に示すテーブルを参照して、接続された車両300の優先度に対応する分配割合を抽出する。そして、充電電力設定部33は、抽出した分配割合に応じて、充電器1の最大電力を分配するよう、車両300a〜300cのバッテリ301a〜301cのそれぞれの充電電力を設定する。
【0060】
次に、図1、図5〜図7を用いて、2つの具体例を挙げた上で、本例の充電装置100の制御内容を説明する。図6及び図7は、各バッテリ301a〜301cの充電電力の時間特性を示すグラフである。図6及び図7のグラフについて、aはバッテリ301aの充電電力の特性を、bはバッテリ301bの充電電力の特性を、cはバッテリ301cの充電電力の特性を、dは充電器1の出力電力の特性を示している。また、パーセントは、図5の分配割合に相当し、100%は充電器1の最大電力に相当する。
【0061】
第1の例として、車両300a〜300cは同じ優先度Iであり、車両300a〜300cが充電コネクタ2a〜2cに接続された時点で、バッテリ301aの充電量が一番高く、バッテリ301bの充電量が2番目に高く、バッテリ301cの充電量が一番低いとする。また、バッテリ301a〜301cの充電を同時に開始したとする。
【0062】
第1の例では、車両300a〜300cが充電コネクタ2a〜2cにそれぞれ接続された時、それぞれの車両300a〜300cの優先度は、図5のカテゴリーaと対応している。そのため、図6に示すように、制御部3は、充電電力設定部33により、バッテリ301a〜301cにそれぞれ33%に相当する充電電力を設定して、バッテリ301a〜301cを充電する。そして、時刻t1になると、バッテリ301aが満充電に近づくため、バッテリ301aの充電電力を下げて、バッテリ301b、301cの充電電力を上げる。そして、時刻t2の時点で、バッテリ301aへの充電電力をゼロにしてバッテリ301aの充電を終了する。時刻t2の時点で、充電される車両300b及び300cの優先度は、図5のカテゴリーeと対応している。制御部3は、充電電力設定部33により、バッテリ301b、301cにそれぞれ50%に相当する充電電力を設定して、バッテリ301b、301cを充電する。時刻t3になると、バッテリ301aが満充電に近づくため、バッテリ301bの充電電力を下げて、バッテリ301cの充電電力を上げる。時刻t4になると、バッテリ301bが満充電に達し、バッテリ301bへの充電電力をゼロにし、バッテリ301bの充電を終了する。時刻t4の時点で、充電される車両300cの優先度は、図5のカテゴリーdと対応している。制御部3は、充電電力設定部33により、バッテリ301cに100%に相当する充電電力を設定して、バッテリ301cを充電器1の最大電力で充電する。そして、時刻t5になると、バッテリ301bが満充電に達し、バッテリ301bへの充電電力をゼロにし、バッテリ301bの充電を終了する。
【0063】
第2の例として、車両300aは優先度Iであり、車両300b及び車両300cは同じ優先度IIであり、車両300a〜300cが充電コネクタ2a〜2cに接続された時点で、バッテリ301aの充電量が一番高く、バッテリ301bの充電量が2番目に高く、バッテリ301cの充電量が一番低いとする。また、バッテリ301a〜301cの充電を同時に開始したとする。
【0064】
第2の例では、車両300a〜300cが充電コネクタ2a〜2cにそれぞれ接続された時、それぞれの車両300a〜300cの優先度は、図5のカテゴリーcと対応している。そのため、図7に示すように、制御部3は、充電電力設定部33により、バッテリ301aに70%に相当する充電電力を、バッテリ301b及びバッテリ301cにそれぞれ15%に相当する充電電力を設定して、バッテリ301a〜301cを充電する。そして、時刻t1になると、バッテリ301aが満充電に近づくため、バッテリ301aの充電電力を下げて、バッテリ301b、301cの充電電力を上げる。そして、時刻t2の時点で、バッテリ301aへの充電電力をゼロにしてバッテリ301aの充電を終了する。時刻t2の時点で、充電される車両300b及び300cの優先度は、図5のカテゴリーeと対応している。制御部3は、充電電力設定部33により、バッテリ301b、301cにそれぞれ50%に相当する充電電力を設定して、バッテリ301b、301cを充電する。時刻t3になると、バッテリ301aが満充電に近づくため、バッテリ301bの充電電力を下げて、バッテリ301cの充電電力を上げる。時刻t4になると、バッテリ301bが満充電に達し、バッテリ301bへの充電電力をゼロにし、バッテリ301bの充電を終了する。時刻t4の時点で、充電される車両300cの優先度は、図5のカテゴリーdと対応している。制御部3は、充電電力設定部33により、バッテリ301cに100%に相当する充電電力を設定して、バッテリ301cを充電器1の最大電力で充電する。そして、時刻t5になると、バッテリ301bが満充電に達し、バッテリ301bへの充電電力をゼロにし、バッテリ301bの充電を終了する。
【0065】
次に、図8を用いて、本例の充電装置100の制御手順を説明する。図8は、本例の充電装置100の制御手順を示すフローチャートである。ステップS101にて、制御部3は、充電コネクタ2a〜2cの接続状態等に基づき、新たに車両300が充電コネクタ2a〜2cに接続され、充電を開始させる車両300があるか否かを検出する。そして、充電開始車両がある場合には、ステップS102に遷る。ステップS102にて、制御部3は、充電量検出部32により、新たに接続された車両300のバッテリ301の充電量を検出し、ID認証部4により認証された情報、または、ユーザの操作パネル5の操作に基づく情報から、優先度情報を取得する。
【0066】
ステップS103にて、制御部3は充電中の車両があるか否かを判別する。充電中の車両がない場合には、ステップS1031にて、充電電力設定部33は、新たに接続された車両300のバッテリ301の充電電力を、充電器1の最大電力に設定しステップS107に遷る。
【0067】
一方、ステップS103で、充電中の車両がある場合には、充電器制御部31は、バッテリ301の充電制御を一旦、停止し、充電量検出部32は充電停止中のバッテリ301の充電量を検出する(ステップS104)。ステップS105にて、優先度設定部34は、取得した優先度情報から車両300の優先度を設定する。ステップS106にて、充電電力設定部33は、設定された優先度と、図5に示すテーブルを参照し、電力の分配割合を抽出して、車両300の各バッテリ301a〜301cに対して、分配割合に相当する充電電力をそれぞれ設定する。
【0068】
ステップS107にて、充電器制御部31は、バッテリ301の充電量に基づいて、バッテリ301を充電する。車両300のバッテリ301の充電量から、S107で設定された充電電力で充電可能な場合には、ステップS107で充電電力設定部33により設定された充電電力で、バッテリ301を充電する。一方、車両300のバッテリ301の充電量から、S107で設定された充電電力で充電することができず、当該充電電力より低い電力で充電する場合には、ステップS107で充電電力設定部33により設定された充電電力より低い電力で、バッテリ301を充電する。この際、充電量に基づいて、下げた電力分は、他のバッテリ301に分配すればよい。
【0069】
ステップS108にて、充電量検出部32は、充電中のバッテリ301の充電量を所定の周期で検出し、充電中のバッテリ301が満充電に達したか否かを検出し、また、制御部3はユーザの操作等により、強制的に充電を終了か否かを検出することで、制御部3は充電を終了した車両があるか否かを判断する。充電終了車両がある場合には、ステップS109にて、制御部3は、他に充電中の車両300、または、充電待機中の車両300があるか否かを判断する。そして、充電中の車両300または充電待機中の車両300がある場合には、制御部3は、一旦、充電を停止する(ステップS110)。ステップS111にて、充電量検出部32は、充電を停止した車両300のバッテリ301の充電量を検出し、ステップS105に遷る。
【0070】
ステップS109に戻り、充電中の車両、または、充電待機中の車両がない場合には、ステップS112にて、制御部3は充電器1による充電を終了させて、本例の制御を終了する。
【0071】
ステップS108に戻り、充電を終了した車両がない場合には、ステップS101に戻り、ステップS101の以降の制御処理が、上記と同様に行われる。ステップS101に戻り、充電開始車両がない場合には、ステップS107に遷ることで、バッテリ301の充電が継続して行われる。
【0072】
上記のように、本例において、優先度設定部34はユーザの操作パネル5の操作に基づいて、優先度を設定する。これにより、ユーザまたは車両300に予め設定されているランクに応じて、優先度を設定し、電力を分配させることができる。
【0073】
また、本例において、優先度設定部34は、ID認証部4により認証された情報に基づいて、優先度を設定する。これにより、ユーザまたは車両300に予め設定されているランクに応じて、優先度を設定し、電力を分配させることができる。
【0074】
なお、本例において、充電器1の最大電力の利用効率を高めるために、複数の車両300のうち、いずれか一の車両300のバッテリ301の充電電力を分配割合に基づく充電電力より低くした場合には、他の車両300のバッテリ301の充電電力を高くしたが、当該他の車両300のバッテリ301の充電電力を高くしなくてもよい。例えば、充電装置100において、充電器1の最大電力に対して、低い電力でバッテリ301の充電を続ける長時間充電モードが設定されており、ユーザが操作パネル5を操作し、長時間充電モードが設定された場合には、車両300の優先度に関係なく、バッテリ301は一定の充電電力で充電される。
【0075】
図9を用いて、長時間充電モードについて説明する。図9は、長時間充電モードを搭載した充電装置100における、充電電力の時間特性を示すグラフである。仮定として、車両300a〜300cは同じ優先度Iであり、車両300a〜300cが充電コネクタ2a〜2cに接続された時点で、バッテリ301aの充電量及びバッテリ301bの充電量は同じ充電量であり、バッテリ301cの充電量より高いとする。また、長時間充電モードが設定された場合には、充電電力設定部33は、長時間モードの対象となるバッテリ301を充電する際、当該バッテリ301の充電電力の分配割合を10%に固定する。また車両300cのユーザが長時間充電モードを選択したとする。
【0076】
かかる場合に、車両300a〜300cが充電コネクタ2a〜2cにそれぞれ接続された時、それぞれの車両300a〜300cの優先度は、図5のカテゴリーaと対応している。しかし、車両300cには、長時間充電モードが設定されているため、充電電力設定部33は、バッテリ301cに10%の充電電力を設定する。バッテリ301a、301bには、残りの90%の充電電力を分配する。そして、充電を開始し、時刻t1になると、バッテリ301a、301bが満充電に近づくため、バッテリ301a、301bの充電電力を下げる。一方、バッテリ301cへの充電電力は維持する。時刻t2の時点で、バッテリ301a、301bへの充電電力をゼロにしてバッテリ301a、301bの充電を終了する。そして、バッテリ301cには10%に相当する充電電力を供給し続けて、時刻t3の時点で、バッテリ301cが満充電に達して、本例の充電制御を終了する。
【0077】
なお、図5に示す、優先度に対する電力の分配割合は、一例にすぎず、a〜jのカテゴリーに限らず、カテゴリーを増やしてもよく、また分配割合のパターンを増やしてもよい。さらに、充電コネクタ2a〜2cを4個以上にする場合には、図5に示す、優先度に対する電力の分配割合のパターンを増やしてもよい。
【0078】
なお充電装置100の電源は、必ずしも交流の電源にする必要はなく、直流電源であってもよい。
【0079】
上記ID認証部4が本発明の「ユーザ認証手段」に相当する。
【0080】
《第3実施形態》
図10は、発明の他の実施形態に係る充電装置の制御手順を示すフローチャートである。本例では上述した第1実施形態に対して、優先度の設定制御が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであるため、第1実施形態又は第2実施形態の記載を適宜、援用する。
【0081】
優先度設定部34は、充電コネクタ2a〜2cに接続した車両300の中で最も早く充電コネクタ2a〜2cに接続された車両300に対して、最も高い優先度を設定し、充電コネクタ2a〜2cに接続した順番で優先度を設定する。
【0082】
次に、図10を用いて、本例の充電装置100の制御手順を説明する。図10のステップS1、S3、S4、S6〜15、及び、S31の制御内容は、図4に示すステップS1、S3、S4、S6〜15、及び、S31の制御内容と同内容であるため、説明を省略する。
【0083】
ステップS1で充電開始車両がある場合には、ステップ202にて、制御部3は、新たに充電コネクタ2a〜2cに接続された車両の接続の順番を記録する。例えば、既に充電コネクタ2aに車両300aが接続されている状態で、車両300bが充電コネクタ2cに接続された場合には、制御部3は、車両300bの接続の順番を2番目として記録する。なお、制御部3は、接続の順番を、接続した時刻を記録することで、接続順を記録してもよい。
【0084】
ステップS4の後、ステップS205にて、優先度設定部34は、ステップS202で記録された接続の順番に基づいて、車両300の優先度を設定し、ステップS6に遷る。
【0085】
上記のように、本例において、優先度設定部34は、充電コネクタ2a〜2cを介して、最も早く充電器1に接続されたバッテリ301を含む車両300に対して、優先度を最も高く設定する。これにより、既に充電コネクタ2a〜2cに車両300aが接続され、充電が開始している状態で、後から車両300を充電コネクタ2a〜2cに接続し充電を行った場合でも、既に充電しているバッテリ301の充電時間が不当に長くならないため、ユーザにとって利便性の高い装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0086】
100…充電装置
1…充電器
11…AC/DCコンバータ
12…給電配線
13、13a〜13c…DC/DCコンバータ
2a〜2c…充電コネクタ
3…制御部
31…充電器制御部
32…充電量検出部
33…充電電力設定部
34…優先度設定部
4…ID認証部
5…操作パネル
200…交流電源
300、300a〜300c…車両
301、301a〜301c…バッテリ
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電装置及び充電方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
交流電源からの交流電力を直流電力に変換する1台の整流器と、前記整流器を直流電源とし二次電池を充電する直流電力を得る複数の充電器と、前記複数の充電器のうち運転指定された充電器を時分割的に充電制御する制御装置とを備えた集中充電装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−336673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数の充電器に接続された複数のバッテリに対して、充電時間を順次均等に割り当てるため、充電時間が長くなるという問題があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、充電時間を短縮化する充電装置及び充電方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、優先度が高い充電対象のバッテリの充電電力を、前記優先度が低い充電対象のバッテリの充電電力より高い電力に設定し、設定された充電電力を複数のバッテリに同時に供給することによって上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、優先度が高いバッテリは、高い充電電力で充電されつつ、優先度の低いバッテリも充電されるため、充電時間の短縮化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る充電装置を含む充電システムのブロック図である。
【図2】図1の充電電力設定部により設定される充電電流の時間特性を示すグラフである。
【図3】図1の充電電力設定部により設定される充電電流の時間特性を示すグラフである。
【図4】図1の充電装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の他の実施形態に係る充電装置に格納される、優先度と分配割合との対応関係を示すテーブルの図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る充電装置において、バッテリの充電電力の時間特性を示すグラフである。
【図7】本発明の他の実施形態に係る充電装置において、バッテリの充電電力の時間特性を示すグラフである。
【図8】本発明の他の実施形態に係る充電装置における、制御手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の変形例に係る充電装置において、バッテリの充電電力の時間特性を示すグラフである。
【図10】本発明の他の実施形態に係る充電装置における、制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
《第1実施形態》
図1は、本例の充電装置を含む充電システムのブロック図である。本例の充電装置は、例えばショッピングモールの駐車場や、電気自動車のカーシェアリングサービスを提供している施設の駐車場や、電気自動車を社用車として利用している会社の駐車場などに設けられ、充電対象である電気自動車またはハイブリッド車両に設けられるバッテリを充電する制御装置である。
【0011】
充電装置100は、交流電源200に接続され、交流電源200から供給される電力を、各充電コネクタ2a〜2cに接続される車両300a〜300cに分配して、車両300a〜300cに含まれるバッテリ301a〜301cにそれぞれ供給して、バッテリ301a〜301cを充電する。バッテリ301は、リチウムイオン電池などの二次電池により構成される。また、車両300a〜300cには、バッテリ301a〜301cを管理するバッテリコントローラ(図示しない)がそれぞれ設けられており、当該バッテリコントローラは、バッテリの電圧、充放電電流、またはバッテリの充電状態(State of Charge)を検出し、バッテリの状態を管理する。
【0012】
充電装置100は、交流電源200に接続され、交流電源200から供給される電力を、各充電コネクタ2a〜2cに接続される車両300a〜300cのバッテリ301a〜301cに分配する。充電装置100は、充電器1と、充電コネクタ2a〜2cと、制御部3と、ID制御部4と、操作パネル5とを備えている。充電器1は、AC/DCコンバータ11、給電配線12及びDC/DCコンバータ13a〜13cを有している。AC/DCコンバータ11は、交流電源200から供給される交流電力を直流電力に変換して、給電配線12に出力する。給電配線12は、AC/DCコンバータ11から分岐して、各DC/DCコンバータ13a〜13cを介して充電コネクタ2a〜2cに接続されている。DC/DCコンバータ13a〜13cは、トランジスタ等のスイッチング素子が含まれており、制御部からの制御信号に基づいて、当該スイッチング素子のオン及びオフを切り替えることで、入力される直流電力を昇圧して、各バッテリ301a〜301を充電するために適した充電電力を出力する。
【0013】
例えば、制御部3の制御信号により、DC/DCコンバータ13a及びDC/DCコンバータ13bに含まれるスイッチング素子のオン及びオフがそれぞれ切り替えられ、DC/DCコンバータ13cに含まれるスイッチング素子がオフ状態で維持される場合には、AC/DCコンバータ11から出力される電力は、分配して、DC/DCコンバータ13a及びDC/DCコンバータ13bにそれぞれ入力し、DC/DCコンバータ13cには入力されない。そして、DC/DCコンバータ13a〜13cから出力される充電電力は、DC/DCコンバータ13a〜13cに含まれるスイッチング素子のオン及びオフのデューティー比を制御することで、設定される。これにより、制御部3により、DC/DCコンバータ13a〜13cのスイッチング素子を制御することで、1つの電源である交流電源200からの出力電力を分配して、各バッテリ301a〜301bに供給される充電電力が設定される。なお、AC/DCコンバータ11及びDC/DCコンバータ13a〜13cは充電器1に含まれる充電回路の一部であり、充電器1は他の回路素子を含んでもよい。
【0014】
充電コネクタ2a〜2cは、車両の充電口と接続される端子部であり、給電配線12の端部に設けられている。DC/DCコンバータ13a〜13cは、各充電コネクタ2a〜2cと対応して、分岐されたそれぞれの給電配線12に接続されている。また、各DC/DCコンバータ13a〜13cには、通信回路が設けられている。車両300が充電コネクタ2a〜2cに接続されると、当該通信回路は、車両300のバッテリコントローラ(図示しない)と情報の送受信を行うことができる。また当該通信回路は制御部3とも接続されており、制御部3と車両300との間で情報が送受信される。なお、車両300と制御部3との間の通信は、給電配線12を利用した電力線通信により行ってもよく、給電配線12内に通信用の配線を組み込んでもよく、あるいは、無線通信により行ってもよい。
【0015】
制御部3は、充電器制御部31と、充電量検出部32と、充電電力設定部33と、優先度設定部34とを有している。
【0016】
充電器制御部31は、交流電源200からの出力電力を分配して、充電電力設定部33により設定された充電電力になるように、AC/DCコンバータ11を及びDC/DCコンバータ13a〜13cを制御する制御信号を生成し、AC/DCコンバータ11を及びDC/DCコンバータ13a〜13cに送信することで、充電器1を制御する。充電量検出部32は、車両300a〜300cのバッテリコントローラから送信される、バッテリ301a〜301cの電圧、電流、あるいはSOCに基づいて、バッテリ301a〜301cの充電量を検出する。
【0017】
充電電力設定部33は、充電量検出部32により検出されたバッテリ301の充電量及び優先度設定部34に設定される優先度に基づいて、バッテリ301に供給される充電電力を設定する。すなわち、充電電力設定部33は、交流電力200の出力電力から各バッテリ301a〜301cへ分配される充電電力を設定する。また充電電力設定部33はバッテリ301a〜301cの充電量に応じて充電電力を制御してバッテリ301を充電する。
【0018】
優先度設定部34は、車両300に応じて充電の優先度を設定する。上記の通り、本例の充電装置100は1つの電力源から供給される電力を分配して各バッテリ301a〜301cを充電するため、電力に限りがある。そのため、本例では、電力を優先的に分配するように、車両300に応じて優先度を設定する。そして、優先度が高い車両の場合には、優先度の低い車両と比較して、高い充電電力が、優先度の高い車両のバッテリ301に分配される。
【0019】
ID認証部4は、車両300のユーザを認証するシステムが搭載されている。例えば、本例の充電装置100が、予め登録したユーザに対してのみ、利用可能な装置である場合に、登録したユーザ所有するICカード等をID認証部4に近づけることで、ID認証部4は、ICカードに登録された情報を磁気的作用で読み取ることで、ユーザを特定する。操作パネル5は、ユーザ操作を受け付ける入力部であって、例えばタッチパネルなどで構成されている。車両300は、当該操作パネル5を操作することで、本例の充電装置100を操作することができる。
【0020】
次に、本例の充電装置100の制御内容を、図1を用いて説明する。まず、充電器制御部31、充電量検出部32、及び、充電電力設定部33による充電制御について、図2を用いて説明する。図2は、充電電力設定部33により設定される充電電流の時間特性を示すグラフである。充電器制御部31及び充電電力設定部33は、定電圧で充電電流を制御する定電圧充電制御により、バッテリ301a〜301bを充電する。例えば、充電コネクタ2aに車両300aが接続され、充電コネクタ2b、2cには車両300b、300cが接続されておらず、バッテリ301aに充電されている充電量が低い場合には、充電電力設定部33は、図2に示すように、充電電流を最大電流にして、充電器1の最大電力を、バッテリ301bの充電電力に設定する。充電量検出部32は、バッテリ301aの充電中、車両300aのバッテリコントローラから送信されるSOCに基づいて、バッテリ301aの充電量を検出する。
【0021】
充電量検出部32により、バッテリ301aが満充電に近づいたことを検出すると、充電電力設定部33は、充電電流を段階的に下げることで充電電力を徐々に絞り、充電器制御部31は充電電力設定部33により設定された充電電力になるよう、DC/DCコンバータ13aを制御する。そして、充電量検出部32により、バッテリ301aの充電量が満充電に達したことが検出されると、充電電力設定部33は、充電電流をゼロにして充電を終了させる。
【0022】
次に、充電コネクタ2a〜2cに、車両300が接続された状態における充電制御について説明する。車両300a〜300cが充電コネクタ2a〜2cに同時に接続した場合について説明する。
【0023】
まず制御部3は、バッテリ301を充電する前に、充電量検出部32によりバッテリ301の充電量をそれぞれ検出する、そして、優先度設定部34は、バッテリ301の中で充電量が低いほど、優先度が高くなるように、各車両300の優先度を設定する。例えば、バッテリ301のうち、バッテリ301aの充電量が最も低く、バッテリ301bの充電量が二番目に低く、バッテリ301cの充電量が最も高い場合には、車両300aの優先度が最も高く、車両300bの優先度が二番目に高く、車両300cの優先度が最も低くなる。
【0024】
そして、充電電力設定部33は、最も優先度の高い車両300aのバッテリ301aに対して、充電器1の最大電力を充電電力として設定する。ここで、充電器1の最大電力とは、AC/DCコンバータ11の出力電力を分岐するとなくDC/DCコンバータ13aに入力し、DC/DCコンバータ13aで充電制御の下、最も高く昇圧された電力に相当し、交流電源200の出力電力を分配することなく、電力変換された電力に相当する。本例では、充電電力の電源は、交流電源200だけであるため、充電器1の最大電力をバッテリ301aの充電電力に分配した場合には、他のバッテリ301b、301cには充電電力が分配されない。そして、充電制御部31は、DC/DCコンバータ13aのスイッチング素子をスイッチング制御して充電器1の最大電力をバッテリ301aに供給し、一方、DC/DCコンバータ13b、cのスイッチング素子はオフ状態にする。これにより、本例は、充電量が低いバッテリ301が優先的に充電される。
【0025】
充電量検出部32により、バッテリ301aの充電量が満充電に近づくことを検出すると、充電電力設定部33は、定電圧充電制御の下、バッテリ301aの充電電力を下げる。バッテリ31aの充電電力が、充電器1の最大電力より低くなると、充電器1の電力に余力がでてくる。そのため、充電電力設定部33は、余力分の電力を、二番目に優先度が高いバッテリ301bの充電電力として設定する。すなわち、本例は、最も優先度が高いバッテリ301aの充電が終了する前に、二番目に優先度が高い車両300bのバッテリ301bの充電を開始することで、充電電力設定部33により設定された充電電力を、バッテリ301a及びバッテリ301bに同時に供給することができる。なお、バッテリ301bに分配される、余力分に相当する充電電力は、充電器1の最大電力からバッテリ301aに設定された充電電力を差し引いた電力に相当する。言い換えると、充電電力設定部33は、複数のバッテリ301に充電電力を分配し設定する場合には、充電器1の最大電力を分配するよう充電電力を設定し、各バッテリ301に分配された充電電力の合計電力が充電器1の最大電力に相当するように、充電電力を設定する。
【0026】
さらに、バッテリ301aの充電量が満充電に近づくと、充電電力設定部33はバッテリ301aの充電電力をさらに下げて、電力を下げた分、バッテリ301bの充電電力を上げる。バッテリ301aの充電量が満充電に達すると、充電電力設定部33はバッテリ301aの充電電力をゼロにし、バッテリ301bの充電電力を充電器1の最大電力に設定する。
【0027】
そして、バッテリ301b及びバッテリ301cの充電についても同様に、充電量検出部32により、バッテリ301bの充電量が満充電に近づくことを検出すると、充電電力設定部33は、定電圧充電制御の下、バッテリ301bの充電電力を充電器1の最大電力から下げて、電力を下げた分、バッテリ301cの充電電力を上げる。バッテリ301bの充電量が満充電に達すると、充電電力設定部33はバッテリ301bの充電電力をゼロにし、バッテリ301cの充電電力を充電器1の最大電力に設定する。充電量検出部32により、バッテリ301cの充電量が満充電に達したことを検出すると、充電器制御部31は、バッテリ301の充電制御を終了する。
【0028】
ここで、図2に示す定電圧充電制御の下、本例と異なり、各バッテリ301a〜301cに対して一定の時間毎に充電器1の最大電力を供給する時分割充電した場合(比較例)のバッテリ301a〜301cの充電時間と、本例の充電制御による、バッテリ301a〜301cの充電時間について、図3を用いて説明する。図3は充電電流の時間特性を示しており、グラフaは本例のバッテリ301aに流れる充電電流の特性を、グラフbは本例のバッテリ301aに流れる充電電流の特性を、グラフcは本例のバッテリ301aに流れる充電電流の特性を示し、グラフdは比較例における、バッテリ301a〜301cに流れる充電電流の特性を示す。なお、充電開始時のバッテリ301a〜301cの充電量は、満充電より低く、同じ充電量とする。
【0029】
図3に示すように、比較例では、充電を開始し、時間t2までは、バッテリ301aから開始して301b、301cの順に、充電器1の最大電力を一定の時間ずつ、1つのバッテリのみに電力を供給する、時分割の電力供給を繰り返して、時間t2の時点で、バッテリ301a〜301cの全ての充電量が充電電力を段階的に下げる充電量に達すると、バッテリ301a〜301cのそれぞれの充電電力が、最大電力より低くなる。そして、バッテリ301a〜301cのそれぞれの充電電力を段階的に下げて、時間t5の時点で、バッテリ301a〜301cが満充電に達して、充電を終了する。
【0030】
一方、本例では、充電を開始し、時間t1の時点で、バッテリ301aの充電量が充電電力を段階的に下げる充電量に達するため、バッテリ301aの充電電力を最大電力から下げて、電力を下げた分の電力をバッテリ301bの充電電力に分配する。時間t1以降、バッテリ301aの充電電力を段階的に下げながら、バッテリ301bの充電電力を段階的に上げる。そして、バッテリ301aが満充電に達すると、バッテリ301bの充電電力を最大電力にする。時間t2の時点で、バッテリ301bの充電量が充電電力を段階的に下げる充電量に達するため、バッテリ301bの充電電力を最大電力から下げて、電力を下げた分の電力をバッテリ301cの充電電力に分配する。時間t2以降、バッテリ301bの充電電力を段階的に下げながら、バッテリ301cの充電電力を段階的に上げる。そして、バッテリ301bが満充電に達すると、バッテリ301cの充電電力を最大電力にする。時間t3の時点で、バッテリ301cの充電量が充電電力を段階的に下げる充電量に達するため、バッテリ301cの充電電力を最大電力から下げる。その後、バッテリ301cの充電電力を段階的に下げて、時刻t4の時点で、バッテリ301cが満充電に達すると、本例の充電を終了する。
【0031】
本例のグラフa〜cと比較例のグラフdとを比較すると、本例では、時間t3の時点までは、充電器1の最大電力を用いて、バッテリ301a〜301cが充電される。一方、比較例では、時間t3より早い時間である時間t2の時点で、充電器1の最大電力によるバッテリ301a〜301cの充電を終了し、時間t2以降は、充電器1の最大電力より低い電力で、バッテリ301a〜301cが充電される。そのため、比較例では、充電器1の最大電力を利用している充電時間が短いため、全てのバッテリ301a〜301cの充電を終了するまでの時間(図3の時間t5に相当する)が、本例の充電終了時間(図3の時間t4に相当する)より長くなる。すなわち、本例は充電器1の最大電力を適切に分配しつつ、複数のバッテリ301a〜301cに対して同時に電力を供給しているため、比較例と比べて、バッテリ301a〜301cを早く充電を完了することができる。
【0032】
次に、車両300のうち、一の車両が接続され、バッテリ301の充電中に、他の車両が接続された場合における、本例の充電制御を説明する。以下、車両300aが充電コネクタ2aに接続され、バッテリ301aが充電されている途中に、車両300b、301cが充電コネクタ2b、2cに接続された、と仮定して説明する。
【0033】
車両300aのバッテリ301aの充電中に、車両300bが充電コネクタ2bに接続されると、充電器制御部31はバッテリ301aの充電を停止し、充電量検出部32は、停止時のバッテリ301aの充電量と、バッテリ301bの充電量とを検出する。優先度設定部34は、バッテリ301aの充電量とバッテリ301bの充電量とを比較して、充電量の低いバッテリの車両に対して、優先度を高く設定する。例えば、車両300bの接続時点で、バッテリ301bの充電量がバッテリ301aの充電量より高い場合には、優先度設定部34は、車両300bの優先度を車両300aの優先度より高く設定する。
【0034】
そして、充電電力設定部33は、優先度が高い方の車両のバッテリ301に対して、充電器1の最大電力を充電電力として設定する。また、充電電力設定部33は、優先度が高い方の車両のバッテリ301が既に満充電に近く、充電器1の最大電力より低い電力で充電する場合には、バッテリ301の充電量に応じた充電電力を設定する。この際、充電器1は電力面で余力があるため、充電電力設定部33は、優先度が低い方の車両のバッテリに対して、余力分の電力を充電電力として設定する。
【0035】
さらに、車両300a、300bが充電コネクタ2a、2bに接続され、バッテリ301a及び301bの少なくとも一方のバッテリ301の充電中に、車両300cが充電コネクタ2cに接続されると、充電器制御部31はバッテリ301aの充電を停止し、充電量検出部32は、停止時のバッテリ301a及びバッテリ301bの充電量と、バッテリ301cの充電量とを検出する。優先度設定部34は、バッテリ301a〜301cの充電量をそれぞれ比較して、充電量の低いバッテリの車両ほど、優先度が高くなるように設定する。
【0036】
そして、充電電力設定部33は、優先度が最も高い車両のバッテリ301に対して、充電器1の最大電力を充電電力として設定する。また、充電電力設定部33は、優先度が最も高い車両のバッテリ301が既に満充電に近く、かつ、二番目に優先度が高い車両のバッテリも既に満充電に近く、これらのバッテリ301について、充電器1の最大電力より低い電力で充電する場合には、バッテリ301の充電量に応じた充電電力を設定する。この際、充電器1は電力面で余力があるため、充電電力設定部33は、優先度が三番目に低い車両のバッテリ301に対して、余力分の電力を充電電力として設定する。これにより、充電コネクタ2a〜2cのうち、一のコネクタに車両300が接続され、充電中の時に、他のコネクタに車両300が接続された場合でも、本例は、バッテリ301の充電量に応じて、優先度を設定し、充電器1の最大電力を適切に分配しつつ、複数のバッテリ301a〜301cに対して同時に電力を供給する。
【0037】
次に、図4を用いて、本例の充電装置100の制御手順を説明する。図4は、本例の充電装置100の制御手順を示すフローチャートである。ステップS1にて、制御部3は、充電コネクタ2a〜2cの接続状態、あるいは、ユーザによる操作パネル5の操作情報等に基づき、新たに車両300が充電コネクタ2a〜2cに接続され、充電を開始させる車両があるか否かを検出する。そして、充電開始車両がある場合には、ステップS2に遷る。なお、ステップS1の制御は、他の車両が充電中で、新たに車両がコネクタに接続された場合に、実質的に機能する制御処理である。
【0038】
ステップS2にて、充電量検出部32は、新たに接続された車両のバッテリの充電量を検出する。ステップS3にて、制御部3は充電中の車両があるか否かを判別する。充電中の車両がない場合には、新たに接続された車両のみが充電コネクタ2a〜2cのいずれかのコネクタに接続された状態となり、ステップS31にて、充電電力設定部33は、新たに接続された車両300のバッテリ301の充電電力を、充電器1の最大電力に設定し、充電器制御部31は、設定された充電電力でバッテリ301を充電し、ステップS10に遷る。なお、ステップS31にて、新たに接続された車両300のバッテリ301の充電量が、充電電力を最大電力から段階的に下げる充電量に達している場合には、ステップS31にて、充電電力設定部33は、充電量に応じた充電電力を設定する。
【0039】
ステップS3に戻り、充電中の車両がある場合には、充電器制御部31は、バッテリ301の充電制御を一旦、停止し、充電量検出部32は充電停止中のバッテリ301の充電量を検出する(ステップS4)。ステップS5にて、優先度設定部34は、充電コネクタ2a〜2cに接続されている車両300のバッテリ301の充電量が低いほど、優先度が高くなるように、各車両300の優先度を設定する。ステップS6にて、充電電力設定部33は、優先度設定部34に設定された優先度の中で、最も優先度の高い車両300のバッテリ301に対して、充電器1の最大電力を充電電力として設定する。
【0040】
ステップS7にて、充電電力設定部33は、バッテリ301の充電量に基づいて、充電電力を設定する。すなわち、車両300のバッテリ301の充電量が、充電電力を最大電力から段階的に下げる充電量に達していない場合には、ステップS6で充電電力設定部33により設定された最大電力に変更はない。一方、車両300のバッテリ301の充電量が、充電電力を最大電力から段階的に下げる充電量に達している場合には、充電電力設定部33は充電量に応じた、最大電力より低い充電電力を再設定する。ステップS8にて、制御部3は、充電器31の最大電力と、充電電力設定部33で設定された充電電力とを比較して、充電器1の出力電力に余裕があるか否かを判断する。
【0041】
充電電力設定部33で設定された充電電力が充電器1の最大電力より低い場合には、充電器1の出力電力に余力があると判断され、ステップS9にて、充電電力設定部33は、余力電力に相当する充電電力を、次に優先度の高い車両300のバッテリ301に分配する。なお、当該次に優先度の高い車両300は、ステップS6で最大電力が設定された車両300の次に優先度が高い車両300である。一方、充電電力設定部33で設定された充電電力が充電器1の最大電力である場合には、充電器1の出力電力に余力がないと判断され、ステップS10に遷る。そして、ステップS10にて、充電器制御部31は、充電電力設定部33により設定、分配された充電電力で、バッテリ301を充電する。
【0042】
ステップS11にて、充電量検出部32は、充電中のバッテリ301の充電量を所定の周期で検出し、充電中のバッテリ301が満充電に達したか否かを検出し、また、制御部3はユーザの操作等により、強制的に充電を終了か否かを検出することで、制御部3は充電を終了した車両があるか否かを判断する。充電を終了した車両がある場合には、ステップS12にて、制御部3は、他に充電中の車両300、または、充電コネクタ2a〜2cに接続されているが充電を行っていない、充電待機中の車両300があるか否かを判断する。そして、充電中の車両300または充電待機中の車両300がある場合には、制御部3は、一旦、充電を停止する(ステップS13)。なお、ステップS13の時点で、ステップS10で満充電に達したバッテリの充電は終了しており、ステップS14以降の制御処理は、充電中の車両300または充電待機中の車両300に関する制御処理となる。
【0043】
ステップS14にて、充電量検出部32は、充電を停止した車両300のバッテリ301の充電量を検出し、ステップS5に遷る。なお、充電待機中の車両300は、ステップS2の制御処理で、既に充電量を検出済みのため、ステップS13の制御処理では、充電量検出部32は、充電待機中の車両300のバッテリ301の充電量を検出しなくてもよい。そして、ステップS14の制御処理の後の制御であるステップS5では、充電待機中の車両300及び充電を停止した車両300の優先度が再度、設定され、ステップS6以降の制御処理が、上記と同様に行われる。
【0044】
ステップS12に戻り、充電中の車両、または、充電待機中の車両がない場合には、ステップS15にて、制御部3は充電器1による充電を終了させて、本例の制御を終了する。
【0045】
ステップS11に戻り、充電を終了した車両がない場合には、ステップS1に戻り、ステップS1の以降の制御処理が、上記と同様に行われる。ステップS1に戻り、充電開始車両がない場合には、ステップS7に遷ることで、バッテリ301の充電が継続して行われる。
【0046】
上記のように、本例は、交流電源200からの電力を複数のバッテリ301にそれぞれ分配して、複数のバッテリ301を充電する充電器1と、車両300に対して充電の優先度を設定する優先度設定部34と、優先度が高い車両300のバッテリ301の充電電力を、優先度が低い車両300のバッテリ301の充電電力より高い電力に設定する充電電力設定部33と、充電器1を制御して、設定された充電電力を複数のバッテリ301に同時に供給する充電器制御部31とを備えている。これにより、本例は、優先度の高い車両300に対して、高い充電電力が分配されるため、充電時間を短縮化させることができる。また、本例は、優先度に応じて、複数のバッテリ301に同時に電力を供給して、バッテリ301を充電するため、充電器1の出力可能な電力を無駄にすることがなく、充電時間を短縮化させることができる。
【0047】
また従来のように、電力を時分割で制御するシステムでは、充電の途中で、充電の中断及び再開を短時間で繰り返し行うため、電圧変動が多く、バッテリ301が劣化する可能性があった。一方、本例では、従来と比較して、充電の中断及び再開を繰り返す回数が少ないため、電圧変動を抑え、バッテリ301の劣化を抑制することができる。
【0048】
また本例において、充電電力設定部33は、複数の車両300のうち、最も優先度の高い車両300のバッテリ301に対して、充電器1の最大電力を充電電力として設定する。これにより、例えば、既にバッテリ301が充電している時に、後から車両300が充電コネクタ2a〜2cに接続されたとしても、既に充電している車両の優先度が高い場合には、既に充電していたバッテリ301の充電が後回しにならないため、優先度が高い車両の充電時間が遅延することを防ぐことができる。
【0049】
また本例において、充電電力設定部33は、複数の車両300のうち、一の車両300のバッテリ301に対して、充電器1の最大電力より低い充電電力を設定する場合には、他の車両300のバッテリ301に対して充電電力を設定する。これにより、本例は、優先度が高いバッテリ301の充電量が高くなり、当該バッテリ301の充電電力が絞られた場合に、充電器1の余剰電力を他のバッテリ301の充電電力として割り当てるため、充電器1の出力可能な電力の利用効率を高め、また当該他のバッテリ301の充電を進めることができ、その結果として、充電時間の短縮化を図ることができる。
【0050】
また本例において、優先度設定部34は、充電量検出部32により検出されたバッテリ301の充電量のうち、最も低い充電量のバッテリ301を含む車両300に対して、優先度を最も高く設定する。これにより、充電量の低い車両300のバッテリ301に対して、優先的に充電電力が分配されるため、特定の車両だけ充電時間が長くなることを防ぐことができる。
【0051】
なお本例において、優先度設定部34は、バッテリ301の充電時間に応じて、車両300の優先度を設定してもよい。また本例の充電装置100は、車両以外であって、バッテリを含む装置等を充電対象としてもよい。
【0052】
上記の優先度設定部34は本発明の「優先度設定手段」に相当し、充電電力設定部33は本発明の「充電電力設定手段」に、充電器制御部31は本発明の「充電器制御手段」に、充電量検出部32は本発明の「充電量検出手段」に相当する。
【0053】
《第2実施形態》
図5は、発明の他の実施形態に係る充電装置の制御部に含まれる、車両の優先度と電力の分配割合との関係を示す、テーブルの図である。本例では上述した第1実施形態に対して、優先度の設定制御及び電力の分配制御が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであるため、その記載を適宜、援用する。
【0054】
本例の充電装置100では、車両300に応じて、予め優先度が決まっている。予め決まっている優先度に関する情報は、例えば、本例の充電システムを利用するためのID認証カードに記憶されており、ユーザが当該ID認証カードをID認証部4にかざすことで、ID認証部4は、ユーザのID情報と共に、優先度情報を取得する。あるいは、本例の充電システムを利用する際の暗証番号が、ユーザ毎に割り振られており、当該暗証番号に対応させて優先度も割り振られている。そして、ユーザが操作パネル5で暗証番号を入力することで、制御部3は、本例の充電装置100の利用許可を判断しつつ、当該ユーザの車両300の優先度情報を取得する。
【0055】
優先度が車両300に応じて予め決まっている場合について、説明する。例えば、本例の充電装置100を、公共施設の一例として市役所に設けた場合において、優先度がI、II、IIIの順に低くなるように、3段階に分けられており、一番高い優先度Iの車両に、救急車や消防車等の緊急車両が割当てられ、二番目に高い優先度IIの車両に、市役所が所有する車両が割り当てられ、一番低い優先度IIIの車両に、に、一般車両が割当てられる。そして、緊急車両が充電コネクタ2aに接続された場合には、優先度設定部34は、ID認証部4により取得された優先度情報、または、緊急車両のユーザの操作パネル5の操作により取得された優先度情報に基づいて、充電コネクタ2aに接続された車両の優先度を、一番高い優先度Iに設定する。
【0056】
次に、優先度がユーザに応じて予め決まっている場合について説明する。例えば、本例の充電装置100が、高速道路のサービスエリアなどの施設に設けられ、本例の充電システムとして課金システムを採用している。そして、本例の充電システムを利用するためには、ユーザは設定された年会費等のシステム使用料を支払う必要があり、支払う年会費に応じてユーザが4段階に分けられ、段階に応じて優先度I、II、III、IVの順に低くなるように設定されている。例えば、最も高い年会費を支払ったユーザは優先度Iに相当し、二番目に高い年会費を支払ったユーザは優先度IIに相当し、三番目に高い年会費を支払ったユーザは優先度IIIに相当し、一番安い年会費を支払ったユーザは優先度IVに相当する。そして、例えば、ユーザは支払った年会費に応じて分類されたID認証カードを所有している。ユーザは、優先度IIに相当するID認証カードを所有している場合には、ユーザは車両300を充電コネクタ2bに接続し、当該ID認証カードをID認証部4にかざすと、優先度設定部34は、充電コネクタ2aに接続された車両300の優先度を、二番高い優先度IIに設定する。このように、優先度は、ユーザ又は車両300に応じて、予め決まっている。
【0057】
また、本例では、充電コネクタ2a〜2cの接続状態及び接続された車両300の優先度に応じて、バッテリ301に分配する電力の割合が予め設定されており、制御部3には、図5に示すテーブルが格納されている。図5に示す車両の優先度「1〜3」について、一番高い優先度をレベル「1」とし、二番目に高い優先度をレベル「2」、三番目に高い優先度をレベル「3」としている。また図5のA車、B車、C車について、充電コネクタ2a〜2cに接続される車両300a〜300cを優先度の順に並べ、優先度の高い順に、A車、B車、C車として表している。例えば、優先度IIの車両300a、優先度Iの車両300b、優先度IIIの車両300cが、充電コネクタ2a〜2cに、それぞれ接続された場合には、優先度Iがレベル「
1」となり、優先度IIIがレベル「2」となり、優先度Iの車両300bがA車に、優先度IIの車両300aがB車に、優先度IIの車両300cがC車となるため、図5のカテゴリーcと対応することになる。
【0058】
図5に示すように、分配される電力の割合は、優先度が高いほど高くなるように設定されている。また、複数の充電コネクタ2a〜2cに、優先度が同じ車両300が接続さている場合には、電力の分配割合は均等に割り振られる。また、充電コネクタ2a〜2cに接続された車両のうち、複数の車両300の優先度が、同じで、かつ、他の車両300の優先度より高い場合には、当該複数の車両300のバッテリ301への分配割合は、同じで、かつ、他の車両300のバッテリ301への分配割合より高くなる。さらに、充電コネクタ2a〜2cに接続された車両のうち、複数の車両300の優先度が、同じで、かつ、他の車両300の優先度より低い場合には、当該複数の車両300のバッテリ301への分配割合は、同じで、かつ、他の車両300のバッテリ301への分配割合より低くなる。
【0059】
優先度設定部34が、車両300に応じて優先度を設定すると、充電電力設定部33は、格納された図5に示すテーブルを参照して、接続された車両300の優先度に対応する分配割合を抽出する。そして、充電電力設定部33は、抽出した分配割合に応じて、充電器1の最大電力を分配するよう、車両300a〜300cのバッテリ301a〜301cのそれぞれの充電電力を設定する。
【0060】
次に、図1、図5〜図7を用いて、2つの具体例を挙げた上で、本例の充電装置100の制御内容を説明する。図6及び図7は、各バッテリ301a〜301cの充電電力の時間特性を示すグラフである。図6及び図7のグラフについて、aはバッテリ301aの充電電力の特性を、bはバッテリ301bの充電電力の特性を、cはバッテリ301cの充電電力の特性を、dは充電器1の出力電力の特性を示している。また、パーセントは、図5の分配割合に相当し、100%は充電器1の最大電力に相当する。
【0061】
第1の例として、車両300a〜300cは同じ優先度Iであり、車両300a〜300cが充電コネクタ2a〜2cに接続された時点で、バッテリ301aの充電量が一番高く、バッテリ301bの充電量が2番目に高く、バッテリ301cの充電量が一番低いとする。また、バッテリ301a〜301cの充電を同時に開始したとする。
【0062】
第1の例では、車両300a〜300cが充電コネクタ2a〜2cにそれぞれ接続された時、それぞれの車両300a〜300cの優先度は、図5のカテゴリーaと対応している。そのため、図6に示すように、制御部3は、充電電力設定部33により、バッテリ301a〜301cにそれぞれ33%に相当する充電電力を設定して、バッテリ301a〜301cを充電する。そして、時刻t1になると、バッテリ301aが満充電に近づくため、バッテリ301aの充電電力を下げて、バッテリ301b、301cの充電電力を上げる。そして、時刻t2の時点で、バッテリ301aへの充電電力をゼロにしてバッテリ301aの充電を終了する。時刻t2の時点で、充電される車両300b及び300cの優先度は、図5のカテゴリーeと対応している。制御部3は、充電電力設定部33により、バッテリ301b、301cにそれぞれ50%に相当する充電電力を設定して、バッテリ301b、301cを充電する。時刻t3になると、バッテリ301aが満充電に近づくため、バッテリ301bの充電電力を下げて、バッテリ301cの充電電力を上げる。時刻t4になると、バッテリ301bが満充電に達し、バッテリ301bへの充電電力をゼロにし、バッテリ301bの充電を終了する。時刻t4の時点で、充電される車両300cの優先度は、図5のカテゴリーdと対応している。制御部3は、充電電力設定部33により、バッテリ301cに100%に相当する充電電力を設定して、バッテリ301cを充電器1の最大電力で充電する。そして、時刻t5になると、バッテリ301bが満充電に達し、バッテリ301bへの充電電力をゼロにし、バッテリ301bの充電を終了する。
【0063】
第2の例として、車両300aは優先度Iであり、車両300b及び車両300cは同じ優先度IIであり、車両300a〜300cが充電コネクタ2a〜2cに接続された時点で、バッテリ301aの充電量が一番高く、バッテリ301bの充電量が2番目に高く、バッテリ301cの充電量が一番低いとする。また、バッテリ301a〜301cの充電を同時に開始したとする。
【0064】
第2の例では、車両300a〜300cが充電コネクタ2a〜2cにそれぞれ接続された時、それぞれの車両300a〜300cの優先度は、図5のカテゴリーcと対応している。そのため、図7に示すように、制御部3は、充電電力設定部33により、バッテリ301aに70%に相当する充電電力を、バッテリ301b及びバッテリ301cにそれぞれ15%に相当する充電電力を設定して、バッテリ301a〜301cを充電する。そして、時刻t1になると、バッテリ301aが満充電に近づくため、バッテリ301aの充電電力を下げて、バッテリ301b、301cの充電電力を上げる。そして、時刻t2の時点で、バッテリ301aへの充電電力をゼロにしてバッテリ301aの充電を終了する。時刻t2の時点で、充電される車両300b及び300cの優先度は、図5のカテゴリーeと対応している。制御部3は、充電電力設定部33により、バッテリ301b、301cにそれぞれ50%に相当する充電電力を設定して、バッテリ301b、301cを充電する。時刻t3になると、バッテリ301aが満充電に近づくため、バッテリ301bの充電電力を下げて、バッテリ301cの充電電力を上げる。時刻t4になると、バッテリ301bが満充電に達し、バッテリ301bへの充電電力をゼロにし、バッテリ301bの充電を終了する。時刻t4の時点で、充電される車両300cの優先度は、図5のカテゴリーdと対応している。制御部3は、充電電力設定部33により、バッテリ301cに100%に相当する充電電力を設定して、バッテリ301cを充電器1の最大電力で充電する。そして、時刻t5になると、バッテリ301bが満充電に達し、バッテリ301bへの充電電力をゼロにし、バッテリ301bの充電を終了する。
【0065】
次に、図8を用いて、本例の充電装置100の制御手順を説明する。図8は、本例の充電装置100の制御手順を示すフローチャートである。ステップS101にて、制御部3は、充電コネクタ2a〜2cの接続状態等に基づき、新たに車両300が充電コネクタ2a〜2cに接続され、充電を開始させる車両300があるか否かを検出する。そして、充電開始車両がある場合には、ステップS102に遷る。ステップS102にて、制御部3は、充電量検出部32により、新たに接続された車両300のバッテリ301の充電量を検出し、ID認証部4により認証された情報、または、ユーザの操作パネル5の操作に基づく情報から、優先度情報を取得する。
【0066】
ステップS103にて、制御部3は充電中の車両があるか否かを判別する。充電中の車両がない場合には、ステップS1031にて、充電電力設定部33は、新たに接続された車両300のバッテリ301の充電電力を、充電器1の最大電力に設定しステップS107に遷る。
【0067】
一方、ステップS103で、充電中の車両がある場合には、充電器制御部31は、バッテリ301の充電制御を一旦、停止し、充電量検出部32は充電停止中のバッテリ301の充電量を検出する(ステップS104)。ステップS105にて、優先度設定部34は、取得した優先度情報から車両300の優先度を設定する。ステップS106にて、充電電力設定部33は、設定された優先度と、図5に示すテーブルを参照し、電力の分配割合を抽出して、車両300の各バッテリ301a〜301cに対して、分配割合に相当する充電電力をそれぞれ設定する。
【0068】
ステップS107にて、充電器制御部31は、バッテリ301の充電量に基づいて、バッテリ301を充電する。車両300のバッテリ301の充電量から、S107で設定された充電電力で充電可能な場合には、ステップS107で充電電力設定部33により設定された充電電力で、バッテリ301を充電する。一方、車両300のバッテリ301の充電量から、S107で設定された充電電力で充電することができず、当該充電電力より低い電力で充電する場合には、ステップS107で充電電力設定部33により設定された充電電力より低い電力で、バッテリ301を充電する。この際、充電量に基づいて、下げた電力分は、他のバッテリ301に分配すればよい。
【0069】
ステップS108にて、充電量検出部32は、充電中のバッテリ301の充電量を所定の周期で検出し、充電中のバッテリ301が満充電に達したか否かを検出し、また、制御部3はユーザの操作等により、強制的に充電を終了か否かを検出することで、制御部3は充電を終了した車両があるか否かを判断する。充電終了車両がある場合には、ステップS109にて、制御部3は、他に充電中の車両300、または、充電待機中の車両300があるか否かを判断する。そして、充電中の車両300または充電待機中の車両300がある場合には、制御部3は、一旦、充電を停止する(ステップS110)。ステップS111にて、充電量検出部32は、充電を停止した車両300のバッテリ301の充電量を検出し、ステップS105に遷る。
【0070】
ステップS109に戻り、充電中の車両、または、充電待機中の車両がない場合には、ステップS112にて、制御部3は充電器1による充電を終了させて、本例の制御を終了する。
【0071】
ステップS108に戻り、充電を終了した車両がない場合には、ステップS101に戻り、ステップS101の以降の制御処理が、上記と同様に行われる。ステップS101に戻り、充電開始車両がない場合には、ステップS107に遷ることで、バッテリ301の充電が継続して行われる。
【0072】
上記のように、本例において、優先度設定部34はユーザの操作パネル5の操作に基づいて、優先度を設定する。これにより、ユーザまたは車両300に予め設定されているランクに応じて、優先度を設定し、電力を分配させることができる。
【0073】
また、本例において、優先度設定部34は、ID認証部4により認証された情報に基づいて、優先度を設定する。これにより、ユーザまたは車両300に予め設定されているランクに応じて、優先度を設定し、電力を分配させることができる。
【0074】
なお、本例において、充電器1の最大電力の利用効率を高めるために、複数の車両300のうち、いずれか一の車両300のバッテリ301の充電電力を分配割合に基づく充電電力より低くした場合には、他の車両300のバッテリ301の充電電力を高くしたが、当該他の車両300のバッテリ301の充電電力を高くしなくてもよい。例えば、充電装置100において、充電器1の最大電力に対して、低い電力でバッテリ301の充電を続ける長時間充電モードが設定されており、ユーザが操作パネル5を操作し、長時間充電モードが設定された場合には、車両300の優先度に関係なく、バッテリ301は一定の充電電力で充電される。
【0075】
図9を用いて、長時間充電モードについて説明する。図9は、長時間充電モードを搭載した充電装置100における、充電電力の時間特性を示すグラフである。仮定として、車両300a〜300cは同じ優先度Iであり、車両300a〜300cが充電コネクタ2a〜2cに接続された時点で、バッテリ301aの充電量及びバッテリ301bの充電量は同じ充電量であり、バッテリ301cの充電量より高いとする。また、長時間充電モードが設定された場合には、充電電力設定部33は、長時間モードの対象となるバッテリ301を充電する際、当該バッテリ301の充電電力の分配割合を10%に固定する。また車両300cのユーザが長時間充電モードを選択したとする。
【0076】
かかる場合に、車両300a〜300cが充電コネクタ2a〜2cにそれぞれ接続された時、それぞれの車両300a〜300cの優先度は、図5のカテゴリーaと対応している。しかし、車両300cには、長時間充電モードが設定されているため、充電電力設定部33は、バッテリ301cに10%の充電電力を設定する。バッテリ301a、301bには、残りの90%の充電電力を分配する。そして、充電を開始し、時刻t1になると、バッテリ301a、301bが満充電に近づくため、バッテリ301a、301bの充電電力を下げる。一方、バッテリ301cへの充電電力は維持する。時刻t2の時点で、バッテリ301a、301bへの充電電力をゼロにしてバッテリ301a、301bの充電を終了する。そして、バッテリ301cには10%に相当する充電電力を供給し続けて、時刻t3の時点で、バッテリ301cが満充電に達して、本例の充電制御を終了する。
【0077】
なお、図5に示す、優先度に対する電力の分配割合は、一例にすぎず、a〜jのカテゴリーに限らず、カテゴリーを増やしてもよく、また分配割合のパターンを増やしてもよい。さらに、充電コネクタ2a〜2cを4個以上にする場合には、図5に示す、優先度に対する電力の分配割合のパターンを増やしてもよい。
【0078】
なお充電装置100の電源は、必ずしも交流の電源にする必要はなく、直流電源であってもよい。
【0079】
上記ID認証部4が本発明の「ユーザ認証手段」に相当する。
【0080】
《第3実施形態》
図10は、発明の他の実施形態に係る充電装置の制御手順を示すフローチャートである。本例では上述した第1実施形態に対して、優先度の設定制御が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであるため、第1実施形態又は第2実施形態の記載を適宜、援用する。
【0081】
優先度設定部34は、充電コネクタ2a〜2cに接続した車両300の中で最も早く充電コネクタ2a〜2cに接続された車両300に対して、最も高い優先度を設定し、充電コネクタ2a〜2cに接続した順番で優先度を設定する。
【0082】
次に、図10を用いて、本例の充電装置100の制御手順を説明する。図10のステップS1、S3、S4、S6〜15、及び、S31の制御内容は、図4に示すステップS1、S3、S4、S6〜15、及び、S31の制御内容と同内容であるため、説明を省略する。
【0083】
ステップS1で充電開始車両がある場合には、ステップ202にて、制御部3は、新たに充電コネクタ2a〜2cに接続された車両の接続の順番を記録する。例えば、既に充電コネクタ2aに車両300aが接続されている状態で、車両300bが充電コネクタ2cに接続された場合には、制御部3は、車両300bの接続の順番を2番目として記録する。なお、制御部3は、接続の順番を、接続した時刻を記録することで、接続順を記録してもよい。
【0084】
ステップS4の後、ステップS205にて、優先度設定部34は、ステップS202で記録された接続の順番に基づいて、車両300の優先度を設定し、ステップS6に遷る。
【0085】
上記のように、本例において、優先度設定部34は、充電コネクタ2a〜2cを介して、最も早く充電器1に接続されたバッテリ301を含む車両300に対して、優先度を最も高く設定する。これにより、既に充電コネクタ2a〜2cに車両300aが接続され、充電が開始している状態で、後から車両300を充電コネクタ2a〜2cに接続し充電を行った場合でも、既に充電しているバッテリ301の充電時間が不当に長くならないため、ユーザにとって利便性の高い装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0086】
100…充電装置
1…充電器
11…AC/DCコンバータ
12…給電配線
13、13a〜13c…DC/DCコンバータ
2a〜2c…充電コネクタ
3…制御部
31…充電器制御部
32…充電量検出部
33…充電電力設定部
34…優先度設定部
4…ID認証部
5…操作パネル
200…交流電源
300、300a〜300c…車両
301、301a〜301c…バッテリ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の充電対象に対して、充電の優先度をそれぞれ設定する優先度設定手段と、
前記優先度が高い充電対象に含まれるバッテリの充電電力を、前記優先度が低い充電対象に含まれるバッテリの充電電力より高い電力に設定する充電電力設定手段と、
前記充電電力設定手段により設定された充電電力を、電源から前記複数のバッテリに同時に供給する充電器制御手段と、を備える
ことを特徴とする充電装置。
【請求項2】
前記充電電力設定手段は、
前記複数の充電対象のうち、最も優先度の高い充電対象のバッテリに対して、前記充電装置の最大電力を充電電力として設定する
ことを特徴とする請求項1記載の充電装置。
【請求項3】
前記充電電力設定手段は、
前記複数の充電対象のうち、一の充電対象のバッテリに対して、前記充電装置の最大電力より低い電力を充電電力として設定する場合には、前記複数の充電対象のうち、他の充電対象のバッテリに対して充電電力を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の充電装置。
【請求項4】
前記複数のバッテリの充電量をそれぞれ検出する充電量検出手段をさらに備え、
前記優先度設定手段は、
前記充電量検出手段により検出された前記複数のバッテリの充電量のうち、最も低い充電量のバッテリを含む前記充電対象に対して、前記優先度を最も高く設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の充電装置。
【請求項5】
前記優先度設定手段は、
前記複数の充電対象のうち、最も早く前記充電装置に接続されたバッテリを含む充電対象に対して、前記優先度を最も高く設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の充電装置。
【請求項6】
前記優先度設定手段は、
前記複数の充電対象のユーザの操作に基づいて、前記優先度を設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の充電装置。
【請求項7】
前記複数の充電対象のユーザをそれぞれ認証するユーザ認証手段をさらに備え、
前記優先度設定手段は、
前記ユーザ認証手段により認証された情報に基づいて、前記優先度を設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の充電装置。
【請求項8】
複数の充電対象に対して、充電の優先度をそれぞれ設定するステップと、
前記優先度が高い充電対象に含まれるバッテリの充電電力を、前記優先度が低い充電対象に含まれるバッテリの充電電力より高い電力に設定する電力設定ステップと、
前記電力設定ステップにより設定された充電電力を、電源から前記複数のバッテリに同時に供給するステップとを含む
ことを特徴とする充電方法。
【請求項1】
複数の充電対象に対して、充電の優先度をそれぞれ設定する優先度設定手段と、
前記優先度が高い充電対象に含まれるバッテリの充電電力を、前記優先度が低い充電対象に含まれるバッテリの充電電力より高い電力に設定する充電電力設定手段と、
前記充電電力設定手段により設定された充電電力を、電源から前記複数のバッテリに同時に供給する充電器制御手段と、を備える
ことを特徴とする充電装置。
【請求項2】
前記充電電力設定手段は、
前記複数の充電対象のうち、最も優先度の高い充電対象のバッテリに対して、前記充電装置の最大電力を充電電力として設定する
ことを特徴とする請求項1記載の充電装置。
【請求項3】
前記充電電力設定手段は、
前記複数の充電対象のうち、一の充電対象のバッテリに対して、前記充電装置の最大電力より低い電力を充電電力として設定する場合には、前記複数の充電対象のうち、他の充電対象のバッテリに対して充電電力を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の充電装置。
【請求項4】
前記複数のバッテリの充電量をそれぞれ検出する充電量検出手段をさらに備え、
前記優先度設定手段は、
前記充電量検出手段により検出された前記複数のバッテリの充電量のうち、最も低い充電量のバッテリを含む前記充電対象に対して、前記優先度を最も高く設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の充電装置。
【請求項5】
前記優先度設定手段は、
前記複数の充電対象のうち、最も早く前記充電装置に接続されたバッテリを含む充電対象に対して、前記優先度を最も高く設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の充電装置。
【請求項6】
前記優先度設定手段は、
前記複数の充電対象のユーザの操作に基づいて、前記優先度を設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の充電装置。
【請求項7】
前記複数の充電対象のユーザをそれぞれ認証するユーザ認証手段をさらに備え、
前記優先度設定手段は、
前記ユーザ認証手段により認証された情報に基づいて、前記優先度を設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の充電装置。
【請求項8】
複数の充電対象に対して、充電の優先度をそれぞれ設定するステップと、
前記優先度が高い充電対象に含まれるバッテリの充電電力を、前記優先度が低い充電対象に含まれるバッテリの充電電力より高い電力に設定する電力設定ステップと、
前記電力設定ステップにより設定された充電電力を、電源から前記複数のバッテリに同時に供給するステップとを含む
ことを特徴とする充電方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−70500(P2013−70500A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206851(P2011−206851)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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