説明

光スキャナ

【課題】ミラー部が揺動される際に、構造体の振動を抑制することが可能な光スキャナを提供すること。
【解決手段】平板状の構造体と、構造体の一部が固定される台座と、駆動部とを備える光スキャナである。構造体は、ミラー部と、ミラー部を両持ち支持する捩れ梁部と、捩れ梁部の端部に連結され、ミラー部から離間する方向に延出する本体部とを有する。本体部には、捩れ梁部の端部よりもミラー部から離間した位置に貫通孔が形成される。貫通孔よりもミラー部から離間した位置には、台座に対して固定される被固定部が設けられる。橋渡し部分は、捩れ梁部の長手方向に沿う方向に伸長し、貫通孔を橋渡しすることで本体部と被固定部分とを接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ等の光を走査する光スキャナに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、揺動するミラーによりレーザ光などの光を走査する光スキャナが知られている。光スキャナの例として、捩れ梁部で揺動可能に支持されたミラー部が、圧電素子などの駆動部によって揺動されるものが挙げられる。例えば、特許文献1には、導電性材料であるステンレスにより形成される構造体を有する光スキャナの例が開示される。特許文献1の光スキャナでは、圧電素子からなる一対の駆動部が、構造体上の位置であってミラー部を挟んだ両側に各々設けられる。そして、構造体は、ベース台上に設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−27881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光スキャナにおいては、ミラー部を揺動するために、ミラー部を含む構造体に対して振動が印加される。構造体に対して印加された振動によって、捩れ梁部は捩れ振動する。しかし、この振動は、捩れ梁部の捩れ振動以外にも、構造体自体の振動も生じさせる。構造体自体の振動は、構造体とベース台及び駆動部との接触により、光スキャナの駆動時に異音が発生するという問題を生じる。仮に光スキャナの駆動周波数が、人間の可聴域の音の周波数の範囲内であった場合、この異音が聞こえるため、使用者が不快に感じる可能性がある。また、本来ミラー部を揺動するための駆動力が異音の発生に使われるため、駆動効率の低下、具体例としては、所望のミラー部の揺動角度を得るために必要な駆動電圧の上昇が発生する。そのため、ミラー部が揺動される際に、構造体の振動は抑制されるのが望ましい。
【0005】
本発明は、ミラー部が揺動される際に、構造体の振動を抑制することが可能な光スキャナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一側面は、入射した光を反射する反射面を有し、第1軸線を中心として揺動可能に構成されるミラー部と、前記ミラー部の一端から、前記第1軸線に平行に延出する第1捩れ梁部と、前記ミラー部の他端から、前記第1軸線に平行且つ前記第1捩れ梁部分と反対方向に延出する第2捩れ梁部と、前記第1捩れ梁部及び前記第2捩れ梁部の端部に連結され、前記ミラー部から離間し且つ前記第1軸線に交差する方向に延出する本体部とを、有する平板状の構造体と、前記構造体の一部が固定される台座と、前記本体部に設けられ、駆動電圧が印加されることで前記構造体を加振し、前記ミラー部分を前記第1軸線回りに揺動させることが可能な駆動部とを備え、前記本体部は、前記第1軸線に平行な方向において前記第1捩れ梁部の端部よりも前記ミラー部から離間した位置に設けられ、前記第1軸線に交わる方向に伸長する第1貫通孔と、前記第1軸線に平行な方向において前記第2捩れ梁部の端部よりも前記ミラー部から離間した位置に設けられ、前記第1軸線に交わる方向に伸長する第2貫通孔と、前記第1軸線に平行な方向において前記第1貫通孔よりも前記ミラー部から離間した位置に設けられ、前記台座に対して固定される第1被固定部分と、前記第1軸線に平行な方向において前記第2貫通孔よりも前記ミラー部から離間した位置に設けられ、前記台座に対して固定される第2被固定部分と、前記第1軸線に沿う方向に伸長し、前記第1貫通孔を橋渡しすることで前記本体部と前記第1被固定部分とを接続する第1橋渡し部分と、前記第1軸線に沿う方向に伸長し、前記第2貫通孔を橋渡しすることで前記本体部と前記第2被固定部分とを接続する第2橋渡し部分と、を含む、ことを特徴とする光スキャナである。
【0007】
第1貫通孔を橋渡しする第1橋渡し部分によって、本体部と第1被固定部分とが接続される。第2貫通孔を橋渡しする第2橋渡し部分によって、本体部と第2被固定部分とが接続される。本体部と第1被固定部分及び第2被固定部分とが、第1橋渡し部分及び第2橋渡し部分によって接続されるため、ミラー部が揺動される際に、構造体の本体部における変位が制限される。その結果、ミラー部が揺動される際に構造体の本体部における振動量を抑制することが可能となる。
【0008】
また、前記第1橋渡し部分は、前記第1軸線を含み、前記第1貫通孔を橋渡しすることで前記本体部と前記第1被固定部分とを接続する第1中心橋渡し部材を有し、前記第2橋渡し部分は、前記第1軸線を含み、前記第2貫通孔を橋渡しすることで前記本体部と前記第2被固定部分とを接続する第2中心橋渡し部材を有してもよい。
【0009】
第1中心橋渡し部材及び第2中心橋渡し部材は、第1軸線を含む。即ち、第1中心橋渡し部材及び第2中心橋渡し部材は、第1捩れ梁部及び第2捩れ梁部の長手方向の延長線上に存在する。これにより、ミラー部が揺動される際の、ミラー部の揺動を妨げる事無く、ミラー部以外の変位が抑えられる。従って、本体部における振動量の抑制及び異音の低減に加え、安定した光学特性を得ることも可能になる。
【0010】
また、前記第1橋渡し部分は、前記第1軸線に交差する方向において前記第1軸線から離間し、前記第1貫通孔を橋渡しすることで前記本体部と前記第1被固定部分とを接続する第1離間橋渡し部材と、前記第2橋渡し部分は、前記第1軸線に交差する方向において前記第1軸線から離間し、前記第2貫通孔を橋渡しすることで前記本体部と前記第2被固定部分とを接続する第2離間橋渡し部材と、を含んでもよい。
【0011】
第1離間橋渡し部材及び第2離間橋渡し部材は、第1軸線に交差する方向に対して、第1軸線から離間する位置に設けられる。第1離間橋渡し部材及び第2離間橋渡し部材が設けられることで、本体部における振動量をさらに抑制できる。さらに、第1軸線からの離間間隔を調整することで、光スキャナの特性、具体的には、本体部における振動量の抑制度合いを調整することも可能となる。
【0012】
また、前記本体部は、前記第1軸線に対して線対称に形成され、前記第1離間橋渡し部材及び前記第2離間橋渡し部材は、前記第1軸線に対して線対称となるようにそれぞれ一対設けられてもよい。
【0013】
本体部が第1軸線に対して線対称なため、本体部における振動の大きさは、第1軸線に対してほぼ線対称となる。従って、第1橋渡し部材及び第2橋渡し部材を第1軸線に対して線対称になるように一対設けることで、本体部における振動をより抑制することが可能になる。
【0014】
また、前記第1離間橋渡し部材は、前記第1軸線に交差する方向において、前記第1軸線からの離間間隔が、前記第1軸線と第1貫通孔の端部との間の距離の15〜65%となる位置に設けられ、前記第2離間橋渡し部分は、前記第1軸線に交差する方向において、前記第1軸線からの離間間隔が、前記第1軸線と第2貫通孔の端部との間の距離の15〜65%となる位置に設けられてもよい。
【0015】
第1離間橋渡し部材及び第2離間橋渡し部材は、第1軸線に交差する方向において、第1軸線からの離間間隔が、第1軸線と第1貫通孔及び第2貫通孔の端部との間の距離に対して、15〜65%となる位置に設けられる。後記する実施形態に示されるように、この位置に第1離間橋渡し部材及び第2離間橋渡し部材が設けられることで、本体部の振動を十分に低減することが可能になる。
【0016】
また、前記第1被固定部分及び前記第2被固定部分は、前記台座に対して複数の固定部分において固定され、前記複数の固定部分は、前記第1軸線に交差する方向において、前記第1橋渡し部分及び前記第2橋渡し部分に対して離間する位置に設けられてもよい。
【0017】
第1被固定部分及び第2被固定部分が台座に対して固定される複数の固定部分は、第1軸線に交差する方向において、第1橋渡し部分及び第2橋渡し部分に対して離間する位置に設けられる。後記する実施形態に示されるように、この構成によって、第1捩れ梁及び第2捩れ梁における反りを抑制することが可能になる。その結果、ミラー部の上下方向の位置ずれや、走査異常を抑制し、光スキャナの光学特性を保つことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ミラー部が揺動される際に、構造体の本体部における振動を抑制することが可能な光スキャナが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(A)第1実施形態に係る光スキャナ100の平面図、(B)光スキャナ100のA−A断面図、(C)光スキャナ100のB−B断面図。
【図2】中心橋渡し116の有無による、本体部114の最大振動量の変化を説明する図。
【図3】固定部分FPの位置による、第1捩れ梁部112a及び第2捩れ梁部112bの反り量を説明する図。
【図4】(A)第2実施形態に係る光スキャナ200の平面図、(B)光スキャナ200のA−A断面図、(C)光スキャナ200のB−B断面図。
【図5】第1離間橋渡し218a及び第2離間橋渡し218bの位置による、本体部214の最大振動量の変化を説明する図。
【図6】(A)第3実施形態に係る光スキャナ300の平面図、(B)光スキャナ300のA−A断面図、(C)光スキャナ300のB−B断面図。
【図7】第1離間橋渡し318a及び第2離間橋渡し318bの位置による、本体部314の最大振動量の変化を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1実施形態>
以下、本発明の一側面を反映した第1実施形態について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている構成は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。例えば、以下に説明する各構成において、所定の構成を省略し、または他の構成などに置換してもよい。また、他の構成を含むようにしてもよい。
【0021】
[光スキャナ100の構成]
図1に示されるように、光スキャナ100は、構造体110と、台座120とを有する。ミラー部130は、圧電素子117によって、第1軸線sを中心軸として揺動する。この揺動によって、ミラー部130に入射した光は走査される。
【0022】
構造体110は、前後方向に平行な一対の短辺と、左右方向に平行な一対の長辺とから構成される、平面視矩形の板状構造である。なお、前後方向は第1軸線sに平行である。構造体110は、揺動部111、第1捩れ梁部112a、第2捩れ梁部112b、及び本体部114を有する。本体部114の一方の面(例えば、上面)には、圧電素子117が設けられる。本実施形態では、圧電素子117は、第1軸線sに対して線対称となるように、一対設けられる。構造体110は、ステンレスやチタンなどの金属材料によって構成される。但し、構造体110は、シリコンなどの半導体材料によって形成されてもよい。なお、構造体110は、図1において、前後左右面に平行である。また、構造体110の前後方向、左右方向、上下方向のサイズは、例えば、それぞれ20mm、30mm、0.1mm程度である。
【0023】
第1捩れ梁部112aの一端は、揺動部111の前側の端部に連結される。第1捩れ梁部112aは、揺動部111との連結位置から、前方向に延出する。第2捩れ梁部112bの一端は、揺動部111の後側の端部に連結される。第2捩れ梁部112bは、揺動部111との連結位置から、後方向に延出する。なお、第1捩れ梁部112aと第2捩れ梁部112bとを区別しない場合は、単に捩れ梁部112と呼称する。本体部114の中心には、長軸が前後方向に沿う矩形の第3貫通孔Cが形成される。第3貫通孔Cによって、揺動部111及び捩れ梁部112が本体部114に対して規定される。ここで、第1軸線sは、捩れ梁部112の中心を通る。即ち、揺動部111は、捩れ梁部112によって、第1軸線s回りに揺動可能に弾性的に支持される。つまり、捩れ梁部112は、揺動部分111を第1軸線s回りに揺動可能に支持するトーションバーとしての役割を持っている。
【0024】
本体部114は、第1捩れ梁部112aの前側端部と、第2捩れ梁部112bの後側端部とに連結される。本体部114は、捩れ梁部112との連結位置から、揺動部111から離間し且つ第1軸線sに交差する方向に延出する。本実施形態では、本体部114は、捩れ梁部112との連結部分から、左右方向の両側へと延出する。
【0025】
本体部114には、第1貫通孔A及び第2貫通孔Bが形成される。第1貫通孔Aは、第1捩れ梁部112aの前側、換言すれば、前後方向において第1捩れ梁部112aの端部よりもミラー部130から離間した位置に設けられる。第1貫通孔Aは矩形に構成され、その長手方向は左右方向に平行である。第2貫通孔Bは、第2捩れ梁部112bの後側、換言すれば、前後方向において第2捩れ梁部112bの端部よりもミラー部130から離間した位置に設けられる。第2貫通孔Bは矩形に形成され、その長手方向は左右方向に平行である。ただし、第1貫通孔A及び第2貫通孔Bは、本体部114と被固定部分115とを離間可能であれば、どのような形状であっても差し支えない。
【0026】
前後方向において貫通孔Aよりもミラー部130から離間した位置、即ち貫通穴Aの前側には、台座120に固定される被固定部分115aが設けられる。前後方向において貫通孔Bよりもミラー部130から離間した位置、即ち貫通穴Bの後側には、台座120に固定される被固定部分115bが設けられる。なお、被固定部分115aと被固定部分115bとを区別しない場合は、単に被固定部分115と呼称する。被固定部分115は、左右方向に延びる帯状の領域である。被固定部分115は、左右方向の両端と、後記する第1橋渡し部分及び第2橋渡し部分とにおいて、本体部114に接続される。
【0027】
第1中心橋渡し部材116aは、第1軸線sを含み、第1貫通孔Aを橋渡しすることで、本体部114と第1被固定部分115aとを接続する。換言すれば、第1中心橋渡し部材116aは、第1捩れ梁部112aと同一直線上に形成され、前後方向に伸長する。即ち、貫通孔Aは、左右方向の中心において、第1中心橋渡し部材116aによって左右に二分されている。なお、第1中心橋渡し部材116aは、第1軸線sに沿う方向に伸長する第1橋渡し部分の一例である。第2中心橋渡し部材116bは、第1軸線sを含み、第2貫通孔Bを橋渡しすることで、本体部114と第2被固定部分115bとを接続する。換言すれば、第2中心橋渡し部材116bは、第2捩れ梁部112bと同一直線上に形成され、前後方向に伸長する。即ち、貫通孔Bは、左右方向の中心において、第2中心橋渡し部材116bによって左右に二分されている。なお、第2中心橋渡し部材116bは、第1軸線sに沿う方向に伸長する第2橋渡し部分の一例である。また、第1中心橋渡し部材116aと第2中心橋渡し部材116bとを区別しない場合は、単に中心橋渡し部材116と呼称する。
【0028】
本体部114の上面には、駆動部の一例としての圧電素子117が設けられる。圧電素子117は、本体部117の前後方向おける中間位置であって、左右方向における両端部に、第1軸線sに対して線対称となるように、一対設けられる。但し、これ以外の位置に圧電素子117が設けられても差し支えない。例えば、本体部114の上下両面に圧電素子117が設けられてもよい。圧電素子117は、例えば、厚さ30μm〜100μmの平板状に成形されたチタン酸ジルコン酸鉛などの圧電材料の両面に対して、電極層として金や白金等を0.2μm〜0.6μm積層することで形成される。圧電素子117と本体部114とは、導電性接着剤で接着される。そして、圧電素子117の上面に、ワイヤボンディングなどで金などの金属細線(非図示)が接続される。
【0029】
揺動部111の上面には、レーザ等の光を反射するミラー部130が固定される。平面視矩形のミラー部130は、例えば、サファイヤやダイヤモンドなどの可視光に対して透過性を有する誘電体によって、揺動部111と別体に構成される。ミラー部130の上面又は下面には、レーザ等の光を反射するために、スパッタリングや蒸着などの方法でアルミニウムや銀などの金属薄膜が成膜される。揺動部111とミラー部130との固定は、例えばエポキシ系、フェノール系、シリコン系などの熱硬化性接着剤によって行われる。揺動部111及びミラー部130は、第1軸線sに対して線対称に設けられる。なお、別体のミラー部130を用いずに、研磨や反射膜の成膜などの鏡面加工を揺動部111の上面に対して施すことで反射面を設け、揺動部111自身をミラー部としても差し支えない。
【0030】
台座120は、矩形に形成された板状部材である。台座120の長辺は、左右方向に平行である。台座120の短辺は、前後方向に平行である。台座120の中央には、長手方向が左右方向に沿う矩形の貫通孔が設けられる。構造体110は、被固定部分115において、台座120の上面に固定される。本体部114の左右両端は、左右方向において、台座120から離間している。台座120の上下方向の厚みは、構造体110の上下方向の厚みに比べて十分に大きく、例えば1mm程度である。そのため、光スキャナ100が駆動されても、台座120は、殆ど変形しない。換言すれば、光スキャナ100が駆動される場合、被固定部分115は台座120と一体として殆ど変形せず、本体部114が主として変形する。台座120は、例えば、ステンレス等の金属材料によって構成される。
【0031】
被固定部分115と台座120とは、複数の固定部分FP(図1における影付丸部分)において固定される。固定部分FPは、例えば数ミリ程度の直径を有する領域である。固定部分FPにおける固定は、レーザ溶接や導電性の熱硬化接着剤などによって達成される。固定部分FPは、被固定部分115において、左右方向に一列に整列している。固定部分FPは、被固定部分115における本体部114との接続部分の近傍に設けられる。但し、固定部分FPは、左右方向において、中心橋渡し部材116から離間した位置に設けられる。換言すれば、固定部分FPは、中心橋渡し部材116の前後方向への延長線上には設けられない。その理由は、図3を用いて後記する。
【0032】
[光スキャナ100の駆動]
構造体110は金属で形成されるので、構造体110と圧電素子117の上面に接続された金属細線との間に電圧を印加することで、圧電素子117を変形させることが可能となる。圧電素子117の変形によって、本体部114は加振される。右側に設けられる圧電素子117と左側に設けられる圧電素子117とには、逆位相となるように駆動信号が周期的にそれぞれ印加される。この駆動信号の周波数が、光スキャナ100の共振駆動に必要な周波数に相当する場合、圧電素子117の変形に伴い、本体部114に板波が励起される。この板波が、本体部114及び捩れ梁部112を介して揺動部111に伝達されることで、揺動部111は、所定の共振周波数において第1軸線s回りに揺動する。ここで、構造体110は、被固定部分115において台座120に固定され、本体部114は、台座120によって宙に浮いた状態となっている。そのため、光スキャナ100の駆動時に、本体部114は上下方向に変位する。捩れ梁部112は、本体部114の振動の節となる位置に設けられるので、本体部114が上下方向に変位しても、捩れ梁部112は、上下方向への変位が抑制される。なお、駆動信号の周波数は、光スキャナ100の共振周波数に厳密に一致しなくても差し支えない。光スキャナ100のQ値や周波数特性の線形性に応じて、駆動信号の周波数は、光スキャナ100の共振周波数から適宜オフセットされても差し支えない。
【0033】
[光スキャナ100の作成]
光スキャナ100の作成工程を説明する。ここでは、構造体110が金属で構成される場合を例に取り、説明を行う。先ず、構造体110を構成する金属板(例えば、ステンレスやチタンなど)が、構造体110の外形と等しい大きさに分割される。そして、分割された金属板に対して所定の除去加工を行うことで、第1貫通孔A、第2貫通孔B及び第3貫通孔Cが形成される。第1貫通孔A、第2貫通孔B及び第3貫通孔Cの形成により、揺動部111、捩れ梁部112、本体部114、被固定部分115及び中心橋渡し部材116が形作られる。所定の除去加工には、例えば、エッチング、プレス加工、放電加工、レーザ加工などが含まれる。一例として、ウェットエッチングが行われる場合、分割された金属板の、第1貫通孔A、第2貫通孔B及び第3貫通孔Cを除いた位置に、マスキングのためのレジスト膜が形成される。その後、ウェットエッチングによって構造体110の外形が形成された後に、レジスト膜が除去される。なお、構造体110の外形に比して十分大きな金属板に複数の構造体110の外形が形成された後に、個々の構造体に分割される多数個取りが実行されても差し支えない。
【0034】
次に、予め圧電材料の両面に電極層を備えたバルクの圧電素子117が、構造体110に実装される。この実装は、例えば、エポキシ系、アクリル系、シリコン系等の合成樹脂材料に金属フィラーなどの導電材を含有する導電性接着剤を用いて行われる。具体的には、構造体110の本体部114に塗布された導電性接着剤の上に、圧電素子117が設置される。圧電素子117の設置後、100〜200℃の雰囲気に保たれた加熱炉内に構造体110が30〜60分間装入されることによって、導電性接着剤が硬化する。以上で、圧電素子117の実装が完了する。
【0035】
次に、台座120が作成される。台座120の外形は、構造体110の場合と同様に、台座120の構成材料に対して、エッチングやプレスなどの除去加工を施すことで得られる。
【0036】
次に、台座120と構造体110とが複数の固定位置FPにおいて固定される。この固定は、前記したように、レーザ溶接や導電性の熱硬化接着剤を用いて行われる。従って、構造体110と台座120とは、電気的に接続された状態となる。
【0037】
最後に、圧電素子117と台座120とに対して、ワイヤボンディングによって信号線が接続される。この信号線は、非図示の交流電源に接続される。光スキャナ100の駆動時には、この信号線を介して圧電素子117と台座120との間に駆動信号が供給される。以上で、光スキャナ100の作成工程が終了する。
【0038】
[橋渡し部分による効果]
図2を用いて、中心橋渡し部材116が設けられたことによる、構造体110の本体部114における振動の抑制度合いを説明する。最大振動量とは、駆動時において本体部114の上下方向における変位量が最大となる位置における振動量である。変位量が最大となる位置は、例えば、本体部114の圧電素子117が設けられる位置である。また、最大振動量は、駆動時のミラー部130の上下方向における最大変位量で除算することで、百分率にて示される。図1に示される光スキャナ100の場合、駆動時の本体部114における最大振動量は、「20.9%」である。一方、中心橋渡し部材116が存在しない光スキャナの場合、最大振動量は、「27.0%」となっている。従って、中心橋渡し部材116が設けられることで、本体部114における最大振動量は約2割抑制される。なお、図2に示される値は、光スキャナ100及び中心橋渡し部材116が存在しない光スキャナの形状や材質などのパラメータに基づいて行われたシミュレーションによって得られた値である。
【0039】
[固定部分FPの位置による効果]
レーザ溶接や熱硬化接着剤などを利用した固定の場合、固定時における構造体110と台座120との温度は、光スキャナ100が駆動されるときの常温に比べて高い。構造体110と台座120との熱膨張係数に差がある場合、固定時の温度上昇から常温に戻った際の縮小量が、構造体110と台座120とで異なる。この縮小量の差によって、構造体120に反りが発生する。この反りは、応力や上下方向における歪みなどの発生に繋がる。捩れ梁部112に反りが発生した場合、ミラー部130の上下方向の位置ずれや、ウォブル等の走査異常の原因になる。反りを抑えるためには、一例として、溶接に用いるレーザの強度を小さくする、接着する面積を小さくするなどの方法が考えられる。これらの方法を適応すれば、確かに反り自体は小さくなる。しかし、構造体110と台座120との接合強度の低下が生じる為、現実的には適用出来ない。
【0040】
本実施形態では、固定部分FPは、左右方向において、中心橋渡し部材116から離間した位置に設けられる。仮に、中心橋渡し部材116の前後方向の延長線上に固定部分FPが設けられた場合、固定時の温度から常温に戻った際に発生する縮小量の差が、中心橋渡し部材116を介して、捩れ梁部112に直接伝えられる。その結果、捩れ梁部112に大きな反りが生じる。一方で、本実施形態のように、中心橋渡し部材116から離間した位置に固定部分FPを設けた場合、縮小量の差は、被固定部分115の前後方向における変形によってある程度吸収される。その結果、縮小量の差は捩れ梁部112に直接伝わらず、結果として捩れ梁部112の反りが抑制される。
【0041】
図3の横軸は、捩れ梁部112の前後方向における位置を示す。但し、図3の横軸は、第1中心橋渡し部材116aの前側端部を始点として、第2中心橋渡し部材116bの後側端部を終点としている。また、ミラー部130の上側表面が捩れ梁部112に対して上方向に位置しているため、ミラー部130が設けられる位置の測定値は得られていない。図3の縦軸は、横軸の始点位置を「0」とした場合の、上下方向における捩れ梁部112(及び中心橋渡し部材116)の反り量を示す。実線と黒丸でしめされるプロットと、破線と黒三角で示されるプロットは、光スキャナ100における実測値である。両者の違いは、作成されたサンプルの違いである。また、点線と十字で示されるプロットと、一点鎖線と白抜四角とで示されるプロットとは、被固定部分115において、中心橋渡し部材116の前後方向における延長線上に固定部分FPが設けられた場合の実測データである。両者の違いは、作成されたサンプルの違いである。
【0042】
図3から明らかに、中心橋渡し部材116の前後方向における延長線上に固定部分FPが設けられた場合と比較して、中心橋渡し部材116から離間した位置に固定部分FPが設けられた場合、捩れ梁部112の反り量は1/3から1/4程度抑制される。その結果、ミラー部130の上下方向の位置ずれや、ウォブルなどの走査異常を抑制し、光スキャナ100の光学特性を保つことができる。
【0043】
<第2実施形態>
[光スキャナ200の構成]
本発明の他の側面を反映した第2実施形態を示す。第2実施形態に係る光スキャナ200は、第1実施形態に係る光スキャナ100と比較して、構造体210の形状において相違する。そのため、光スキャナ200において、光スキャナ100と同一の構成に対しては、同一の番号を付与することで説明が省略される。
【0044】
図4に示されるように、光スキャナ200は、構造体210と、台座120とを有する。構造体210は、第1橋渡し部分と第2橋渡し部分の構成において、第1実施形態における構造体110と相違する。第2実施形態では、第1橋渡し部分は、第1中心橋渡し部材116aに加えて、第1離間橋渡し部材218aを含む。第1離間橋渡し部材218aは、左右方向において第1軸線sから離間する。第1離間橋渡し部材218aは、第1貫通孔Aを前後方向に橋渡しすることで、本体部214と第1被固定部分115aとを接続する。第1離間橋渡し部材218aは、第1軸線sに対して線対称となるように、第1中心橋渡し部材116aの左右両側に一対設けられる。また、第2橋渡し部分も同様に、第2中心橋渡し部材116bに加えて、第2離間橋渡し部材218bを含む。第2離間橋渡し部材218bは、左右方向において第1軸線sから離間する。第2離間橋渡し部材218bは、第2貫通孔Bを前後方向に橋渡しすることで、本体部214と第2被固定部分115bとを接続する。第2離間橋渡し部材218bは、第1軸線sに対して線対称となるように、第2中心橋渡し部材116bの左右両側に一対設けられる。なお、第1離間橋渡し部材218aと第2離間橋渡し部材218bとを区別しない場合は、単に離間橋渡し部材218と呼称する。なお、固定部分FPは、離間橋渡し部材218の前後方向における延長線を避けて、左右方向において離間橋渡し部材218から離間した位置に設けられる。
【0045】
[離間橋渡し部材218の形態検討]
離間橋渡し部材218の、第1軸線sからの離間間隔を調整することで、光スキャナ200の特性、具体的には、本体部214における最大振動量の抑制度合いを調整することが可能となる。ここでは、離間橋渡し部材218の、第1軸線sからの離間間隔を変数にとって、望ましい離間橋渡し部材218の形態を考察する。
【0046】
光スキャナ200と同様の構造体210の条件(外形及び材質)において、離間橋渡し部材218位置をシミュレーションによって変化させた結果を図5に示す。図5の横軸は、離間橋渡し部材218の、第1軸線sからの離間間隔を示す。具体的には、図4においてLaをLbで除算した値が、図5の横軸として採用される。Laは、第1軸線sと離間橋渡し部材218の前後方向における中心線との間隔である。Lbは、第1軸線sから第2貫通孔Bの左側端部までの距離である。なお、第2貫通孔Bは、第1軸線sに対して線対称であるため、第1軸線sから第2貫通孔Bの右側端部までの距離もLbとなる。また、第1貫通孔Aと第2貫通孔Bとは、ミラー部130に対して対称である。そのため、第1貫通孔Aにおいて、第1軸線sから左右端部までの距離も同様にLbとなる。図5の縦軸は、駆動時において本体部214の上下方向における変位量が最大となる位置における最大振動量である。また、最大振動量は、駆動時のミラー部130の上下方向における最大変位量で除算することで、百分率にて示される。
【0047】
図5から明らかに、離間橋渡し部材218がどの位置に設けられても、最大振動量の値は約20%以下に留まっている。即ち、中心橋渡し部材116に加えて、離間橋渡し部材218が設けられることで、本体部214における振動量をさらに抑制できる(図2参照)。より具体的には、離間橋渡し部材位置が0%から増加するに従い、最大振動量は減少する。そして、離間橋渡し部材位置が15%の辺りで、最大振動量は10%程度に減少する。その後も、離間橋渡し部材位置の増加に伴い最大振動量は減少する。離間橋渡し部材位置が35%の辺りで、最大振動量は最小となる。その後、離間橋渡し部材位置の増加に従い、最大振動量は増加に転ずる。そして、離間橋渡し部材位置が55%の辺りで、最大振動量は10%程度に増加する。その後も、離間橋渡し部材位置の増加に伴い最大振動量は増加する。
【0048】
経験的に、異音の低減という観点からは、本体部214の最大振動量が10%以下であれば、実効性がある。また、本体部214の最大振動量が10%以下の場合、経験的に、光スキャナ200のQ値が、本体部214の最大振動量が10%以上の場合と比較して高くなる。高Q値の光スキャナは、空気抵抗などの減衰が小さくなり高効率で駆動できるため、駆動電圧の低電圧化に寄与する。従って、光スキャナ200において、離間橋渡し部材218の第1軸線sからの離間間隔は、最大振動量が10%以下となる15%〜55%が望ましい。また、離間橋渡し部材218の第1軸線sからの離間間隔は、最大振動量は最小となる35%の場合がより望ましい。
【0049】
<第3実施形態>
[光スキャナ300の構成]
本発明のさらに他の側面を反映した第3実施形態を示す。第3実施形態に係る光スキャナ300は、第2実施形態に係る光スキャナ200と比較して、構造体310の形状において相違する。そのため、光スキャナ300において、光スキャナ200と同一の構成に対しては、同一の番号を付与することで説明が省略される。
【0050】
図6に示されるように、光スキャナ300は、構造体310と、台座120とを有する。構造体310は、第1橋渡し部分と第2橋渡し部分の構成において、第2実施形態における構造体210と相違する。具体的には、第3実施形態では、第1中心橋渡し部材116a及び第2中心橋渡し部材116bが存在しない。即ち、第1橋渡し部分は、第1離間橋渡し部材218aのみを有する。また、第2橋渡し部分は、第2離間橋渡し部材218bのみを有する。
【0051】
[離間橋渡し部材218の形態検討]
前記した第2実施形態と同様に、離間橋渡し部材218の、第1軸線sからの離間間隔を変数にとって、望ましい離間橋渡し部材218の形態を考察する。
【0052】
光スキャナ300と同様の構造体310の条件(外形及び材質)において、離間橋渡し部材218位置をシミュレーションによって変化させた結果を図7に示す。図7の横軸及び横軸は、図5の縦軸及び横軸と同様である。
【0053】
図7から明らかに、離間橋渡し部材218がどの位置に設けられても、最大振動量の値は約15%以下に留まっている。即ち、離間橋渡し部材218のみが設けられることで、中心橋渡し部材116とともに設けられる場合(図5参照)と比較して、本体部314における振動量をさらに抑制できる。より具体的には、離間橋渡し部材位置が0%から増加するに従い、最大振動量は減少する。そして、離間橋渡し部材位置が15%の辺りで、最大振動量は10%程度に減少する。その後も、離間橋渡し部材位置の増加に伴い最大振動量は減少する。離間橋渡し部材位置が35%の辺りで、最大振動量は最小となる。その後、離間橋渡し部材位置の増加に従い、最大振動量は増加に転ずる。そして、離間橋渡し部材位置が65%の辺りで、最大振動量は10%程度に増加する。その後も、離間橋渡し部材位置の増加に伴い最大振動量は増加する。
【0054】
図5に示される光スキャナ200と同様に、離間橋渡し部材218の第1軸線sからの離間間隔は、最大振動量が10%以下となる領域が望ましい。具体的には、図5に示される光スキャナ200と比較して上限値が若干拡張された、15%〜65%の領域が、離間橋渡し部材218の第1軸線sからの離間間隔としては望ましい。また、離間橋渡し部材218の第1軸線sからの離間間隔は、最大振動量が最小となる35%の場合がより望ましい。
【0055】
本発明は、今までに述べた実施形態に限定されることは無く、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形・変更が可能である。以下にその一例を述べる。
【0056】
前記した実施形態では、駆動部として圧電素子117が利用される。しかし、磁石とコイルパターンとの組み合わせによる電磁駆動方式や、極板間に働く静電気力による静電駆動方式など、他の駆動方式を採用した光スキャナであっても、本発明の範囲に含まれる。
【0057】
前記した実施形態では、本体部は、捩れ梁部との連結部分から、左右方向の両側へと延出する。換言すれば、捩れ梁部は、本体部によって左右方向において両持支持されている。しかし、たとえば、本体部は、捩れ梁部との連結部分から、左右方向の何れか一方へのみ延出してもよい。換言すれば、捩れ梁部は、本体部によって左右方向において片持支持されてもよい。捩れ梁部が片持支持される場合、本体部に設けられる駆動部も、左右方向の何れか一方へのみ延出した本体部に対応し、第1軸線sに対して一方側にのみ設けられる。
【0058】
前記した実施形態において、台座120は、矩形に形成された板状部材であった。しかし、台座はこの形状に限定されない。構造体の被固定部分を固定可能な形状であれば、台座はどのような形状であってもよい。例えば、前後方向の幅が被固定部分と同一であって、長手方向が左右方向に平行な一対の棒状部材が、台座として用いられても差し支えない。
【0059】
前記した実施形態において、光スキャナは、共振周波数にて駆動される。しかし、本発明は、共振駆動されない光スキャナに対しても適用可能である。なぜならば、共振駆動されない光スキャナであっても、駆動のために構造体に対して振動が印加されるので、構造体の振動という問題は同様に発生するためである。
【符号の説明】
【0060】
100,200,300 光スキャナ
110,210,310 構造体
111 揺動部
112a 第1捩れ梁部
112b 第2捩れ梁部
114 本体部
115a 第1被固定部分
115b 第2被固定部分
116a 第1中心橋渡し部材
116b 第2中心橋渡し部材
117 圧電素子
120 台座
130 ミラー部
218a 第1離間橋渡し部材
218b 第2離間橋渡し部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射した光を反射する反射面を有し、第1軸線を中心として揺動可能に構成されるミラー部と、
前記ミラー部の一端から、前記第1軸線に平行に延出する第1捩れ梁部と、
前記ミラー部の他端から、前記第1軸線に平行且つ前記第1捩れ梁部分と反対方向に延出する第2捩れ梁部と、
前記第1捩れ梁部及び前記第2捩れ梁部の端部に連結され、前記ミラー部から離間し且つ前記第1軸線に交差する方向に延出する本体部と、
を有する平板状の構造体と、
前記構造体の一部が固定される台座と、
前記本体部に設けられ、駆動電圧が印加されることで前記構造体を加振し、前記ミラー部分を前記第1軸線回りに揺動させることが可能な駆動部とを備え、
前記本体部は、
前記第1軸線に平行な方向において前記第1捩れ梁部の端部よりも前記ミラー部から離間した位置に設けられ、前記第1軸線に交わる方向に伸長する第1貫通孔と、
前記第1軸線に平行な方向において前記第2捩れ梁部の端部よりも前記ミラー部から離間した位置に設けられ、前記第1軸線に交わる方向に伸長する第2貫通孔と、
前記第1軸線に平行な方向において前記第1貫通孔よりも前記ミラー部から離間した位置に設けられ、前記台座に対して固定される第1被固定部分と、
前記第1軸線に平行な方向において前記第2貫通孔よりも前記ミラー部から離間した位置に設けられ、前記台座に対して固定される第2被固定部分と、
前記第1軸線に沿う方向に伸長し、前記第1貫通孔を橋渡しすることで前記本体部と前記第1被固定部分とを接続する第1橋渡し部分と、
前記第1軸線に沿う方向に伸長し、前記第2貫通孔を橋渡しすることで前記本体部と前記第2被固定部分とを接続する第2橋渡し部分と、
を含む、
ことを特徴とする光スキャナ。
【請求項2】
前記第1橋渡し部分は、前記第1軸線を含み、前記第1貫通孔を橋渡しすることで前記本体部と前記第1被固定部分とを接続する第1中心橋渡し部材を有し、
前記第2橋渡し部分は、前記第1軸線を含み、前記第2貫通孔を橋渡しすることで前記本体部と前記第2被固定部分とを接続する第2中心橋渡し部材を有する、
請求項1に記載の光スキャナ。
【請求項3】
前記第1橋渡し部分は、前記第1軸線に交差する方向において前記第1軸線から離間し、前記第1貫通孔を橋渡しすることで前記本体部と前記第1被固定部分とを接続する第1離間橋渡し部材と、
前記第2橋渡し部分は、前記第1軸線に交差する方向において前記第1軸線から離間し、前記第2貫通孔を橋渡しすることで前記本体部と前記第2被固定部分とを接続する第2離間橋渡し部材と、
を含む、
請求項1又は2に記載の光スキャナ。
【請求項4】
前記本体部は、前記第1軸線に対して線対称に形成され、
前記第1離間橋渡し部材及び前記第2離間橋渡し部材は、前記第1軸線に対して線対称となるようにそれぞれ一対設けられる、
請求項3に記載の光スキャナ。
【請求項5】
前記第1離間橋渡し部材は、前記第1軸線に交差する方向において、前記第1軸線からの離間間隔が、前記第1軸線と第1貫通孔の端部との間の距離の15〜65%となる位置に設けられ、
前記第2離間橋渡し部分は、前記第1軸線に交差する方向において、前記第1軸線からの離間間隔が、前記第1軸線と第2貫通孔の端部との間の距離の15〜65%となる位置に設けられる、
請求項3又は4に記載の光スキャナ。
【請求項6】
前記第1被固定部分及び前記第2被固定部分は、前記台座に対して複数の固定部分において固定され、
前記複数の固定部分は、前記第1軸線に交差する方向において、前記第1橋渡し部分及び前記第2橋渡し部分に対して離間する位置に設けられる、
請求項1〜5の何れか1項に記載の光スキャナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−76824(P2013−76824A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216310(P2011−216310)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】