説明

光センサ

【課題】各受光素子の出力信号のゲインを調整しつつ、コストが嵩むことが抑制された光センサを提供する。
【解決手段】受光量に応じた電荷を蓄積する複数の受光素子と、全ての受光素子それぞれの受光面に入射する光の入射角度が異なるように、光の入射角度を規定する規定部と、全ての受光素子それぞれと電気的に接続され、受光素子から出力される電荷を蓄積しつつ、蓄積した電荷を電圧に変換する蓄積部と、対応する受光素子と蓄積部との間に設けられた転送スイッチと、蓄積部に蓄積された電荷をリセットするリセット部と、転送スイッチの開閉、及び、リセット部の駆動を制御する制御部と、を有し、制御部が、転送スイッチの開閉間隔を調整することで、各受光素子から蓄積部に出力される電荷の量を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の受光素子を備える光センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示されるように、光量に応じた信号を出力する受光素子と、受光素子の上方に支持され、光の入射角度に応じて受光素子への光量を変更する光量変更部材と、を備える光センサが提案されている。各受光素子には、オペアンプとレーザトリミング抵抗による電流・電圧変換回路が接続されており、レーザトリミング抵抗の抵抗値を調整することで、各受光素子の出力信号のゲインを調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3882378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したように、特許文献1に示される光センサでは、各受光素子に電流・電圧変換回路が接続され、受光素子の数だけあるレーザトリミング抵抗の抵抗値をレーザトリミングによって調整する。そのため、コストが嵩む、という問題が生じる虞がある。
【0005】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、各受光素子の出力信号のゲインを調整しつつ、コストが嵩むことが抑制された光センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、受光量に応じた電荷を蓄積する複数の受光素子と、全ての受光素子それぞれの受光面に入射する光の入射角度が異なるように、光の入射角度を規定する規定部と、全ての受光素子それぞれと電気的に接続され、受光素子から出力される電荷を蓄積しつつ、蓄積した電荷を電圧に変換する蓄積部と、対応する受光素子と蓄積部との間に設けられた転送スイッチと、蓄積部に蓄積された電荷をリセットするリセット部と、転送スイッチの開閉、及び、リセット部の駆動を制御する制御部と、を有し、制御部が、転送スイッチの開閉間隔を調整することで、各受光素子から蓄積部に出力される電荷の量を調整することを特徴とする。
【0007】
このように本発明によれば、転送スイッチの開閉間隔を調整することで、受光素子から蓄積部に出力される電荷の量、すなわち、受光素子の出力信号のゲインが調整される。これによれば、各受光素子にオペアンプとレーザトリミング抵抗による電流・電圧変換回路が接続され、レーザトリミング抵抗の抵抗値を調整する構成と比べて、コストが嵩むことを抑制しつつ、各受光素子の出力信号のゲインを調整することができる。
【0008】
請求項2に記載のように、リセット部は、蓄積部と電源との間に配置されたリセットスイッチであり、制御部は、リセットスイッチに、リセットスイッチを開閉制御するリセット信号を出力し、転送スイッチに、リセット信号と共に、転送スイッチを開閉制御する転送信号を出力する構成が好適である。
【0009】
各受光素子から出力される電荷の量は、転送スイッチの開閉間隔に依存するが、各受光素子から出力される電荷が、蓄積部に蓄積される量は、転送スイッチの開閉間隔だけではなく、リセットスイッチの開閉タイミングにも依存する。
【0010】
請求項2に記載のように、転送スイッチには、リセット信号と共に、転送信号が入力される。制御部からリセット信号が出力されると、受光素子と蓄積部とが転送スイッチを介して電気的に接続され、蓄積部と電源とがリセットスイッチを介して電気的に接続される。受光素子に蓄積された電荷は蓄積部に出力(転送)されるが、蓄積部の電圧は強制的に電源電圧と等しくなるので、受光素子から出力された電荷は、蓄積部に蓄積されない。このように、制御部からリセット信号が出力されているタイミングでは、受光素子と蓄積部それぞれに電荷が蓄積されていない状態となる。
【0011】
リセット信号の出力が終了すると、転送スイッチが開状態となり、受光素子に、再び電荷が蓄積され始める。その蓄積時間は、リセット信号が出力されてから、再び転送スイッチが開状態となるまでである。次のリセット信号が出力される前に、制御部から転送信号が出力されると、蓄積時間分、受光素子に蓄積された電荷が、蓄積部に転送される。このタイミングでは、蓄積部は電源と電気的に接続されていないので、受光素子から出力された電荷が、蓄積部に蓄積される。このように、蓄積部に蓄積される電荷の量は、蓄積時間に依存している。したがって、各受光素子の蓄積時間を調整することで、各受光素子の出力信号のゲインを調整することができる。
【0012】
請求項3に記載のように、蓄積部の出力端子には、選択スイッチが設けられており、制御部は、選択スイッチに、選択スイッチを開閉制御する選択信号を出力する構成が好ましい。これによれば、蓄積部に蓄積された電荷が出力されるタイミングを、選択スイッチの開閉によって調整することができる。
【0013】
請求項1〜3に記載の蓄積部としては、例えば、請求項4に記載のように、フローティングディフュージョンポンプを採用することができる。
【0014】
請求項5に記載のように、受光素子は、半導体基板の一面側に形成され、規定部は、一面上に、透光膜を介して形成された遮光膜と、該遮光膜に形成された投光用の開口部とから成る構成を採用することができる。このように、規定部が、半導体基板に形成された薄膜から成るので、半導体基板の上方に、開口窓が形成された遮蔽板などが設けられた構成と比べて、光センサの体格の増大が抑制される。
【0015】
請求項6に記載のように、複数の開口部それぞれの開口面積が異なる構成が好ましい。これによれば、各受光素子の出力信号のゲイン比を、各開口部の開口面積比によって調整することができる。
【0016】
請求項7に記載のように、遮光膜は、透光膜に層状に複数形成されており、複数の遮光膜それぞれに形成された開口部によって、受光面に入射する光の角度が規定された構成が好ましい。これによれば、ある開口部から入射した光が、その開口部と対応する受光素子以外の受光素子に入射することが抑制される。これにより、各受光素子の出力信号に、意図しない開口部からの光出力(外乱出力)が含まれることが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】光センサ装置の概略構成を示す回路図である。
【図2】規定部と受光素子とを説明するための断面図である。
【図3】光センサの信号を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】光センサの信号を説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、光センサ装置の概略構成を示す回路図である。図2は、規定部と受光素子とを説明するための断面図である。図3は、光センサの信号を説明するためのタイミングチャートである。なお、図2では、受光素子10の中心と、受光素子10に対応する開口部22の中心とを結ぶ仮想直線を破線で示している。
【0019】
光センサ100は、図1及び図2に示すように、要部として、受光素子10と、規定部20と、蓄積部30と、転送スイッチ40と、リセットスイッチ50と、選択スイッチ60と、制御部70と、を有する。受光素子10に光が入射すると、その光量に応じた電荷が受光素子10に蓄積され、転送スイッチ40が閉状態となると、受光素子10に蓄積された電荷が、転送スイッチ40を介して蓄積部30に入力される。蓄積部30は、受光素子10から転送された電荷を蓄積し、蓄積した電荷に応じた電圧に変換する。選択スイッチ60が閉状態となると、蓄積部30で変換された電圧が、選択スイッチ60を介して外部に出力される。
【0020】
受光素子10は、受光量に応じた電荷を蓄積するものであり、PN接合を有するフォトダイオードである。図2に示すように、受光素子10は、半導体基板11の一面11a側に形成されており、本実施形態では、代表例として、3つの受光素子10a〜10cを図示している。一面11a上に透光膜12が形成されており、透光膜12に規定部20が形成されている。透光膜12は絶縁性と透光性を有する材料から成り、このような性質を有する材料としては、例えば酸化シリコンSiOがある。図示しないが、半導体基板11には、光センサ100の構成要素30〜70が形成されており、これら構成要素は、半導体基板11に形成された配線パターンを介して電気的に接続されている。
【0021】
規定部20は、受光素子10a〜10cそれぞれの受光面に入射する光の入射角度が異なるように、光の入射角度を規定するものである。規定部20は、透光膜12に形成された遮光膜21と、遮光膜21に形成された投光用の開口部22と、を有する。遮光膜21は、遮光性と導電性を有する材料から成り、このような性質を有する材料としては、例えばアルミニウムがある。図2に破線で示すように、各受光素子10a〜10cそれぞれの受光面の中心と、対応する開口部22の中心とを結ぶ線の傾きが異なっており、各受光素子10a〜10cの入射角度が異なっている。本実施形態では、開口部22によって、第1受光素子10aの仰角が90°、第2受光素子10bの仰角が45°、第3受光素子10cの仰角が30°に規定されている。
【0022】
蓄積部30は、各受光素子10a〜10cと電気的に接続され、受光素子10a〜10cから出力される電荷を蓄積しつつ、蓄積した電荷を電圧に変換するものである。蓄積部30は、具体的に言えば、フローティングディフュージョンポンプである。
【0023】
転送スイッチ40は、受光素子10と蓄積部30との接続を開閉制御するためのものである。転送スイッチ40は、転送スイッチ40a〜40cを有しており、第1転送スイッチ40aが、第1受光素子10aと蓄積部30との間に設けられ、第2転送スイッチ40bが、第2受光素子10bと蓄積部30との間に設けられ、第3転送スイッチ40cが、第3受光素子10cと蓄積部30との間に設けられている。本実施形態に係る転送スイッチ40は、Nチャネル型MOSFETである。
【0024】
リセットスイッチ50は、蓄積部30と電源との接続を開閉制御するためのものであり、蓄積部30と電源との間に設けられている。本実施形態に係るリセットスイッチ50は、Nチャネル型MOSFETであり、特許請求の範囲に記載のリセット部に相当する。
【0025】
選択スイッチ60は、蓄積部30の出力端子と外部端子(図示略)との接続を開閉制御するためのものであり、蓄積部30と外部端子との間に設けられている。本実施形態に係る選択スイッチ60は、Nチャネル型MOSFETである。
【0026】
制御部70は、スイッチ40〜60の開閉を制御するものであり、アドレスデコーダである。制御部70からはパルス状の制御信号が各スイッチ40〜60に出力される。制御信号は、転送スイッチ40を開閉制御する転送信号と、リセットスイッチ50を開閉制御するリセット信号と、選択スイッチ60を開閉制御する選択信号と、である。上記した3つの制御信号それぞれのパルス周期とデューティ比は同一であるが、パルスの立上がりタイミングが異なる。
【0027】
次に、光センサ100の動作を図3及び図4に基づいて説明する。図3は、転送スイッチ40に転送信号のみが入力される場合のタイミングチャートであり、図4は、転送スイッチ40に転送信号とリセット信号とが入力される場合のタイミングチャートである。
【0028】
先ず、転送スイッチ40に転送信号のみが入力される場合を説明する。この場合、受光素子10a〜10cから出力される電荷の量は、転送スイッチ40a〜40cの開閉間隔に依存し、蓄積部30に蓄積される電荷の量も、転送スイッチ40a〜40cの開閉間隔に依存する。各受光素子10a〜10cに電荷が蓄積される時間は、転送信号のパルス周期に依存し、各受光素子10a〜10cの出力信号のゲイン比は同一である。各受光素子10a〜10cの出力信号の強度は、半導体基板11の一面11aに入射する光の仰角に依存し、例えば、一面11aに対して垂直となるように光が一面11aに入射する場合、第1受光素子10aの出力信号が最大となり、第3受光素子10cの出力信号が最小となり、第2受光素子10bの出力信号が中間となる。
【0029】
図3に示すように、リセットスイッチ50に、電圧レベルが高い信号(以下、Hi信号と示す)が入力されると、蓄積部30は、リセットスイッチ50を介して、電源と電気的に接続され、蓄積部30の電圧は電源電圧と等しくなる。次にリセットスイッチ50にHi信号が入力されるまでに、転送スイッチ40a〜40cそれぞれに転送信号のHi信号が入力されると、受光素子10a〜10cは、転送スイッチ40a〜40cを介して、蓄積部30と電気的に接続され、受光素子10a〜10cに蓄積された電荷が蓄積部30に出力(転送)される。すると、蓄積部30の電圧は、転送された電荷の量に応じて電源電圧から低下する。選択スイッチ60に選択信号のHi信号が入力されると、蓄積部30は、選択スイッチ60を介して、外部端子(図示略)と電気的に接続され、電荷の量に応じた電圧が、外部に出力される。この状態で、再びリセットスイッチ50にリセット信号のHi信号が入力されると、蓄積部30の電圧が強制的に電源電圧と等しくなり、蓄積部30に蓄積された電荷がゼロとなる。以下、上記した動作を繰り返すことで、ゲイン比が同一である、受光素子10a〜10cそれぞれの出力信号が加算された信号(加算信号)が、外部に出力される。
【0030】
次に、転送スイッチ40に転送信号だけではなくリセット信号が入力される場合を説明する。この場合、受光素子10a〜10cから出力される電荷の量は、転送スイッチ40a〜40cの開閉間隔に依存するが、蓄積部30に蓄積される電荷の量は、転送スイッチ40a〜40cの開閉間隔だけではなく、リセットスイッチ50の開閉タイミングにも依存する。各受光素子10a〜10cに電荷が蓄積される時間は、図4に示すように、リセット信号の立下りエッジから転送信号の立上がりエッジまでの第1蓄積時間、及び、転送信号の立下がりエッジからリセット信号の立上がりエッジまでの第2蓄積時間である。2つの蓄積時間の内、第2蓄積時間の間に受光素子10a〜10cに蓄積された電荷は、各転送スイッチ40a〜40cへのリセット信号の入力とともに、蓄積部30に転送されるが、このタイミングにおいて、蓄積部30は電源と接続されているために、蓄積部30の電圧が強制的に電源電圧と等しくなり、蓄積部30に電荷は蓄積されない。このように、第2蓄積時間の間に、受光素子10a〜10cに蓄積された電荷は蓄積部30には蓄積されない。これに対して、第1蓄積時間の間に、受光素子10a〜10cに蓄積された電荷は蓄積部30に蓄積されるが、そのことについては、下記に記す。
【0031】
図4に示すように、スイッチ40〜50にリセット信号のHi信号が入力されると、受光素子10a〜10cは転送スイッチ40a〜40cを介して蓄積部30と電気的に接続され、蓄積部30はリセットスイッチ50を介して電源と電気的に接続される。蓄積部30の電圧は電源電圧と等しくなるので、受光素子10a〜10cから蓄積部30に転送された電荷は蓄積部30には蓄積されない。次にリセットスイッチ50にHi信号が入力されるまでに、転送スイッチ40a〜40cそれぞれに転送信号のHi信号が入力されると、受光素子10a〜10cは、転送スイッチ40a〜40cを介して、蓄積部30と電気的に接続される。すると、第1蓄積時間分、受光素子10a〜10cに蓄積された電荷が蓄積部30に転送され、転送された電荷の量に応じた分、蓄積部30の電圧が電源電圧から低下する。選択スイッチ60に選択信号のHi信号が入力されると、蓄積部30から、電荷の量に応じた電圧が外部に出力される。この状態で、再びスイッチ40〜50にリセット信号のHi信号が入力されると、蓄積部30の電圧が強制的に電源電圧と等しくなり、蓄積部30に蓄積された電荷がゼロとなるとともに、受光素子10a〜10cそれぞれに蓄積された電荷もゼロとなる。以下、上記した動作を繰り返すことで、ゲイン比が第1蓄積時間に依存する、受光素子10a〜10cそれぞれの出力信号が加算された加算信号が、外部に出力される。なお、図4では、受光素子10a〜10cそれぞれの第1蓄積時間を異ならせており、受光素子10a〜10cそれぞれの出力信号のゲイン比を異ならせている。
【0032】
次に、光センサ100の作用効果を説明する。上記したように、転送スイッチ40の開閉間隔(第1蓄積時間)を調整することで、受光素子10から蓄積部30に出力される電荷の量、すなわち、受光素子10の出力信号のゲインが調整される。これによれば、各受光素子にオペアンプとレーザトリミング抵抗による電流・電圧変換回路が接続され、レーザトリミング抵抗の抵抗値を調整する構成と比べて、コストが嵩むことを抑制しつつ、各受光素子10a〜10cの出力信号のゲインを調整することができる。
【0033】
選択スイッチ60が、蓄積部30と外部端子との間に設けられており、選択スイッチ60は、制御部70によって開閉制御される。これによれば、蓄積部30に蓄積された電荷が出力されるタイミングを、選択スイッチ60の開閉によって調整することができる。
【0034】
受光素子10は、半導体基板11の一面11a側に形成され、規定部20は、一面11a上に、透光膜12を介して形成された遮光膜21と、該遮光膜21に形成された開口部22とから成る。このように、規定部20が、半導体基板11に形成された薄膜から成るので、半導体基板の上方に、開口窓が形成された遮蔽板などが設けられた構成と比べて、光センサ100の体格の増大が抑制される。
【0035】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
【0036】
本実施形態では、代表例として、3つの受光素子10a〜10cを示した。しかしながら、更に多くの受光素子10が半導体基板11に形成されていても良い。
【0037】
本実施形態では、図2に示すように、透光膜12が1層であり、遮光膜21が1層である例を示した。しかしながら、透光膜12及び遮光膜21それぞれの層数は上記例に限定されず、例えば、透光膜12が2層であり、遮光膜21が2層である構成を採用することもできる。このように、透光膜12に遮光膜21が多層に形成されると、一層の遮光膜21に開口部22が形成された構成と比べて、半導体基板11に入射する光の範囲を狭めることができる。これにより、ある開口部22から入射した光が、その開口部22と対応する受光素子10以外の受光素子10に入射することが抑制され、受光素子10の出力信号に、意図しない開口部22からの光出力(外乱出力)が含まれることが抑制される。
【0038】
本実施形態では、各受光素子10a〜10cの受光面積と、対応する開口部22の開口面積との関係を特に言及しなかった。しかしながら、例えば、各受光素子10a〜10cの受光面積と対応する開口部22の開口面積とが互いに等しくとも良いし、異なっていても良い。また、各受光素子10a〜10cに対応する開口部22の開口面積を等しくしても良いし、異ならせても良い。特に、各受光素子10a〜10cに対応する開口部22間で開口面積が異なるようにした場合、各受光素子10a〜10cの出力信号のゲイン比を、各開口部22の開口面積比によって調整することができるので、好ましい。
【0039】
本実施形態では、転送信号、リセット信号、選択信号それぞれのデューティ比が同一である例を示したが、異なっていても良い。また、選択信号は、転送信号及びリセット信号とは、パルス周期が異なっていても良い。
【符号の説明】
【0040】
10a〜10c・・・受光素子
20・・・規定部
30・・・蓄積部
40・・・転送スイッチ
50・・・リセットスイッチ
60・・・選択スイッチ
70・・・制御部
100・・・光センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光量に応じた電荷を蓄積する複数の受光素子と、
全ての前記受光素子それぞれの受光面に入射する光の入射角度が異なるように、光の入射角度を規定する規定部と、
全ての前記受光素子それぞれと電気的に接続され、前記受光素子から出力される電荷を蓄積しつつ、蓄積した電荷を電圧に変換する蓄積部と、
対応する前記受光素子と前記蓄積部との間に設けられた転送スイッチと、
前記蓄積部に蓄積された電荷をリセットするリセット部と、
前記転送スイッチの開閉、及び、前記リセット部の駆動を制御する制御部と、を有し、
前記制御部が、前記転送スイッチの開閉間隔を調整することで、各受光素子から前記蓄積部に出力される電荷の量を調整することを特徴とする光センサ。
【請求項2】
前記リセット部は、前記蓄積部と電源との間に配置されたリセットスイッチであり、
前記制御部は、前記リセットスイッチに、前記リセットスイッチを開閉制御するリセット信号を出力し、前記転送スイッチに、前記リセット信号と共に、前記転送スイッチを開閉制御する転送信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の光センサ。
【請求項3】
前記蓄積部の出力端子には、選択スイッチが設けられており、
前記制御部は、前記選択スイッチに、前記選択スイッチを開閉制御する選択信号を出力することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光センサ。
【請求項4】
前記蓄積部は、フローティングディフュージョンポンプであることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の光センサ。
【請求項5】
前記受光素子は、半導体基板の一面側に形成され、
前記規定部は、前記一面上に、透光膜を介して形成された遮光膜と、該遮光膜に形成された投光用の開口部とから成ることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の光センサ。
【請求項6】
複数の前記開口部それぞれの開口面積が異なることを特徴とする請求項5に記載の光センサ。
【請求項7】
前記遮光膜は、前記透光膜に層状に複数形成されており、複数の前記遮光膜それぞれに形成された開口部によって、前記受光面に入射する光の角度が規定されていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の光センサ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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