説明

光ディスクドライブ装置

【課題】光ディスクの種類や製造メーカによって異なる最大記録速度(最大倍速)または記録品質の確認された所定の記録速度に応じてより最適な電力の供給を行うことで、データの転送速度の向上または消費電力の低減を実現できる光ディスクドライブ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】複数種の電力供給源から電力の供給を受ける電力接続手段25a、25b、25c、25dと、電力接続手段25a、25b、25c、25dを介して電力を供給している電力供給源を検知する検知手段28と、電力の供給を受けていない他の電力供給源からの電力の供給をオペレータに促す制御手段22と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクの種類や製造メーカによって異なる記録可能な最大の線速度(以下、最大記録速度と称する)に応じてより最適な電力の供給を行うことで、データの転送速度の向上または消費電力の低減を可能とした光ディスクドライブ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、オーディオ用のディスクやデジタルカメラなどで代表されるように、多種多様な電子機器においてデジタル化が急速な伸展に伴い、CDの規格を準拠した記録可能なCDとしてCD−Rと呼ばれる光ディスクや一旦記録されたデータの書き換えにも対応したCD−RWなども普及し、電子データの記録用メディアとして広く用いられるようになってきている。
【0003】
また、静止画、音楽、動画などの電子データなどを大容量で記録できる追記型用メディアとしてDVD±R、一旦記録されたデータの書き換えにも対応したDVD±RW、さらには書き換え回数の向上を図りパソコンのデータ保存用としても使用可能なDVD−RAMも普及しつつある。
【0004】
そして、記録密度を向上するために記録層の片面二層化(DVD±R DL、DVD±RW DL)やデジタルハイビジョン映像の長時間録画にも対応が容易な次世代のDVDとして注目されてきたBD(ブルーレイ ディスク)も実用化されつつある。
【0005】
以上のような背景もあり、そのような光ディスクの大容量化に対応して光ディスクドライブ装置側においてもデータを安定して高速記録、高速再生できるようにスピンドルモータなどの高速回転化やデータ通信の高速化などの技術開発が行われている。
【0006】
一方、ノート型パソコン本体やその周辺機器としての光ディスクドライブ装置、マウス、キーボードなどは、より軽量小型化が図られ、例えば屋外、自動車内、あるいは電源用コンセントから離れたオフィス内などにおいても十分使用可能なように携帯容易なモバイル対応が進められている。
【0007】
つまり、そのようなモバイル対応のノート型パソコンでは、通常の使用状態においてACアダプターを用いて交流電源から電力を供給して動作させ、周囲に電源がない場合には例えばリチウムイオン電池などの充電のできる二次電池によって電力を供給するバッテリー駆動により通常の動作が可能なように構成されているのが一般的である。
【0008】
そして、通常そのような二次電池は、パソコンの非動作中において交流電源と接続するためのACアダプターをパソコン本体の専用入力端子に接続したり、あるいはドッキングステーション(ドッキングベイとも称する)に装着したりして、外部より電力が供給されることで充電が行われる。
【0009】
また、光ディスクドライブ装置、マウス、キーボードなどのような周辺機器は、よりモバイル性を高めるために、パソコン本体に実装されたUSB(Universal Serial Bus)インターフェースやIEEE1394(the Institute of Elrctrical and Electronics Engineers 1394)インターフェースなどのような電力供給とデータ通信の両方が可能な、いわゆるバスパワーの得られるインターフェースに接続して使用されるようになってきている。
【0010】
そのようなバスパワーの得られるインターフェースに対応した周辺機器は、ACアダプターが付属され交流電源から充分な電力の供給されるセルフパワーに依存する周辺機器と比較すると、各々のインターフェースの規格で定められた比較的低い電力に制限されている(例えば、USB端子からはDC5V500mA、IEEE1394端子からはDC12V、1.5A)ため、例えばUSBハブなどのように複数のUSB端子を備えた中継機器を用いて複数の周辺機器を接続した場合には、必要な電力が不足してしまうので、それぞれの中継機器に交流電源用のACアダプターを付属させ供給される電力を補ったり、それぞれの周辺機器自体がセルフパワーにも対応できるように制御できるようにしたりして動作状態への影響を軽減している。
【0011】
また、データの転送速度を向上させるため光ディスクドライブ装置のスピンドルモータの回転速度を高速化してパフォーマンスをより大きくしようとする場合にもモータコイルの通電電流を大きくするために必要な電力が不足してしまうので、必要に応じて電力を供給する経路を切替える方法などが提案されている。
【0012】
そのような従来の技術を、図9で示した従来の技術におけるコンピュータに接続されたフロッピー(登録商標)ディスク装置(周辺機器)のブロック図を参照して説明する。
【0013】
ここで、フロッピー(登録商標)ディスク装置81は、USBインターフェース対応のものであり、コンピュータ本体82とUSBケーブル83で接続されている。USBケーブル83は、1対の電源線(Vcc,GND)L1と、1対の信号線(D+,D−)L2の4本の線で構成されている。信号線L2に対しては、正電位と負電位とが互いに反転した信号が与えられ、シリアルに送受信が行われる。
【0014】
また、フロッピー(登録商標)ディスク装置81には、回転駆動部84が設けられ、その回転駆動部84は、スピンドルモータ85とターンテーブル86とモータドライバ87とからなり、ターンテーブル86にディスクDの中心部がクランプされ、スピンドルモータ85の回転駆動によってターンテーブル86が回転させられる。ディスクDは、例えば低容量タイプの表面に磁性体が塗布されたフレキシブルなものである。
【0015】
また、ディスクDはそのフロッピー(登録商標)ディスク装置81の外部から挿入されて回転駆動部84に装着される。またスピンドルモータ85はモータドライバ87により駆動制御されている。
【0016】
また、フロッピー(登録商標)ディスク装置81には、ディスクDのサイド0側に磁気ヘッドH0が、ディスクDを挟んで磁気ヘッドH0に対向するサイド1側に磁気ヘッドH1が、それぞれ支持アーム88によってヘッドベース89に支持されている。ヘッドベース89は、ステッピングモータ90によってディスクDの半径方向へ駆動させられ、そのステッピングモータ90はモータドライバ91により駆動制御されている。
【0017】
また、前記磁気ヘッドH0および磁気ヘッドH1はR/W(リード・ライト)アンプ92などに接続されている。
【0018】
また、フロッピー(登録商標)ディスク装置81には、制御部となるCPU93と、切替え手段94が設けられている。CPU93は、モータドライバ87,91にスピンドルモータ85、ステッピングモータ90を制御する制御信号を与え、またディスクDにデータを記録するときの書き込みタイミングやデータを再生するときの読み込みタイミング、シーク動作などを制御している。
【0019】
切替え手段94には、コンピュータ本体82のUSBインターフェース上のバスを介してバスパワーを受け入れる第1の入力部E1と、バスパワーよりも高い電力を受け入れ可能な第2の入力部E2が設けられ、第1の入力部E1と第2の入力部E2との切り換えが可能とされている。
【0020】
そして、コンピュータ本体82には、所定のオペレーティングシステムが導入され、そのオペレーティングシステムに対応したフロッピー(登録商標)ディスク装置81用のドライバソフトウエアが組み込まれている。これにより、コンピュータ本体82とフロッピー(登録商標)ディスク装置81との間において、記録データと再生データとの受け渡しが可能となっている。
【0021】
また、コンピュータ本体82の内部には内部電源回路95が設けられ、この内部電源回路95とフロッピー(登録商標)ディスク装置81とが所定の電源ケーブルを用いて接続されている。
【0022】
ここで、内部電源回路95は、第2の入力部E2に対してUSBインターフェース上を流れるバスパワーよりも高い電力が供給可能とされている。また、図の点線で示すように、フロッピー(登録商標)ディスク装置81にはコンピュータ本体82の外部にある外部電源回路96と接続されるものであってもよい。
【0023】
この場合も前述したのと同様に第2の入力部E2に対してバスパワーよりも高い電力が供給される。
【0024】
さらに、フロッピー(登録商標)ディスク装置81には、内部電源回路95または外部電源回路96から第2の入力部E2に至るライン上に検知手段97が設けられている。この検知手段97は、検出ラインL3を介してCPU93と接続されている。
【0025】
なお、切替え手段94は、フロッピー(登録商標)ディスク装置81に内部電源回路95または外部電源回路96から電力が供給される時点においては、第2の入力部E2側に接続された状態であってもよく、第1の入力部E1側に接続された状態であってもよい。
【0026】
次に、フロッピー(登録商標)ディスク装置81がコンピュータ本体82に接続されたときの処理について説明する。なお、以下ではコンピュータ本体82の電源は投入されているものとする。
【0027】
フロッピー(登録商標)ディスク装置81に内部電源回路95または外部電源回路96が接続されると、内部電源回路95または外部電源回路96から電力が第2の入力部E2に供給される。このとき内部電源回路95または外部電源回路96が接続されたことを示す検知信号が検出ラインL3を介してCPU93に通知される。
【0028】
CPU93はその検知信号を検知することで内部電源回路95または外部電源回路96から電力が供給されていることを判断して、切替え手段94を第2の入力部E2側に切り換える制御が行われる。ここでの電力は、スピンドルモータ85、ステッピングモータ90、CPU93、その他電力を必要とする部分に供給される。
【0029】
この場合、例えばDC5Vの電力が第2の入力部E2に供給されるが、最大500mAの制限が課されることはないため、USBインターフェースを介して供給されるバス電力よりも大きな電力がフロッピー(登録商標)ディスク装置81に供給可能となる。
【0030】
そして、フロッピー(登録商標)ディスク装置81がコンピュータ本体82とUSBケーブル83を介して接続されると、コンピュータ本体82はフロッピー(登録商標)ディスク装置81が接続されたことを認識し、フロッピー(登録商標)ディスク装置81に対してポーリングを開始する。
【0031】
そのポーリングにより、フロッピー(登録商標)ディスク装置81はコンピュータ本体82に対して内部電源回路95または外部電源回路96を使用するコマンドを通知する。
【0032】
このときコンピュータ本体82では、それらのコマンドに対してUSBインターフェースによるバスパワーの供給を停止する制御が行われるものであってもよく、あるいはそのままバスパワーの供給が続行される制御が行われるものであってもよい。
【0033】
これは、コンピュータ本体82のOS側で自由に選択することができる。また、CPU93の判断により、通常時に第1の入力部E1と接続され、必要時のみ第2の入力部E2と接続されるように制御されるものであってもよい。
【0034】
前述したようにフロッピー(登録商標)ディスク装置81では、CPU93が内部電源回路95または外部電源回路96からの電力供給であるか、USBインターフェースからのバスパワー供給であるかを判断することができる。
【0035】
したがって、フロッピー(登録商標)ディスク装置81に内部電源回路95または外部電源回路96が接続された場合には、CPU93が内部電源回路95または外部電源回路96からの電力を選択して、例えばスピンドルモータ85の回転速度を倍速化させてデータの転送速度を向上させる処理が可能となる。
【0036】
コンピュータ本体82から記録信号が与えられると、CPU93によりフォーマット化され、R/Wアンプ92を介して磁気ヘッドH0および磁気ヘッドH1にその信号が与えられる。また磁気ヘッドH1および磁気ヘッドH0によってディスクDから読み取られた信号は、R/Wアンプ92を介してCPU93に与えられ、デコードされてコンピュータ本体82に与えられる。
【0037】
またCPU93には、コンピュータ本体82との間で転送するデータを格納するバッファメモリなどが設けられている。
【0038】
また、フロッピー(登録商標)ディスク装置81がコンピュータ本体82とUSBケーブル83のみで接続され、内部電源回路95または外部電源回路96と接続されていない場合には、CPU93が、第2の入力部E2の電位が0Vまたはオープンな状態であることを検知手段97により検出し、内部電源回路95または外部電源回路96からは電力が供給されていないことを判断して、切替え手段94を第2の入力部E2から第1の入力部E1に切り換える制御が行われる。
【0039】
また、このときCPU93はコンピュータ本体82に対してバスパワーを使用する旨のコマンドを通知する。これにより、フロッピー(登録商標)ディスク装置81は最大500mAのバスパワーで実行可能なパフォーマンスにより処理が続けられる。
【0040】
再度、内部電源回路95または外部電源回路96が接続された場合には、フロッピー(登録商標)ディスク装置81のパフォーマンスを向上させた処理が可能となる。
【0041】
上記のように構成したフロッピー(登録商標)ディスク装置81は、二次電池などのバッテリー駆動によるコンピュータ本体82に外部接続または内蔵されるものであってもよい。この場合、外部接続されるものであれば外部電源回路から電力が供給され、内蔵されるものであればバスパワーとは異なる経路を介して電力が供給されることで、CPU93が電力の供給が開始されたことを判断して、倍速化処理を実行させることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0042】
また、他の従来の技術では、図示しないが、スピンドルモータのモータ駆動手段に電力を供給する電圧の異なる少なくとも2つ(例えば、DC5VとDC12V)の電力供給手段と、これらの電力供給手段のいずれかを選択してモータ駆動手段に電力を供給する電力選択手段と、を備え、回転数、回転に要するトルクの大きさ、または回転数の変化に応じて、電圧の異なる少なくとも2つの電力供給手段のいずれかを選択してモータ駆動手段に電力を供給しモータ駆動手段での消費電力を低減したディスクの回転制御装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0043】
また、他の従来の技術では、図示しないが、ノートパソコン本体では電力供給ACアダプターが接続され交流電源より電力が供給されているか否かに応じて交流電源とバッテリーのいずれかの電力の供給経路に切替えるのと同時にその電力の供給経路に対応した制限値切替信号が光ディスクドライブ装置に与え、光ディスクドライブ装置ではその内部に実装されたシステムコントロールマイコンがその制限値切替信号に基づいてデータの転送速度やスピンドルモータ駆動アンプを制御してその回転速度の最大値を制限するようにして、交流電源による電力の供給であれば消費電力を抑えることなく最大のパフォーマンスで動作させ、バッテリーによる電力の供給であればパフォーマンスを制限して動作させ消費電力を低減した電源及び信号接続用のコネクタを備えた内蔵型の光ディスクドライブ装置も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0044】
また、他の従来の技術では、図示しないが、インターフェースから電力の供給されるバスパワーとその電力よりも大きい例えば交流電源などの外部電源から直接電力が供給されるセルフパワーの2種類の方式に対応が可能な場合において、それぞれの電力の供給に応じてスピンドルモータの回転速度を切り替え最大のパフォーマンスを発揮する光ディスクドライブ装置も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0045】
また、他の従来の技術では、図示しないが、セルフパワーの得られるインターフェースと接続できる端子を複数備え、供給できる電力を大きくし、よりパフォーマンスの向上を図った電子機器(例えば、特許文献5参照)、あるいはコントロールビットによってCDであるかCD−ROMであるかを識別して、それぞれに応じてスピンドルモータの回転速度を制御したCD再生装置も提案されている(例えば、特許文献6参照)。
【特許文献1】特開2002−99362号公報(第5頁、図1)
【特許文献2】特開平8−45175号公報(第6頁、図1、図3)
【特許文献3】特開2001−332005号公報(第4頁、図1)
【特許文献4】特開2004−152342号公報(第11頁、図11)
【特許文献5】特開2002−297269号公報(第6頁、図1)
【特許文献6】特開平4−291056号公報(第3頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0046】
しかしながら、前述したような従来の技術では、光ディスクドライブ装置へ電力の供給される経路として、例えばACアダプターを用いた交流電源によるもの、パソコン本体との専用のコネクタ接続によるもの、あるいはセルフパワーの得られる各種インターフェースによるものなど、それら複数の電力の供給経路のうちの実際に接続された電力の大きさに応じて光ディスクドライブ装置のスピンドルモータの回転速度のパフォーマンスを切替えてデータ転送速度を速めることを目的としたものや、あるいは光ディスクドライブ装置のスピンドルモータの回転数、回転に要するトルクの大きさ、回転数の変化などの動作状態に応じてそれら複数の電力の供給経路のうち最適なものを選択することを目的としたもの、さらには単に光ディスクの種類に応じてスピンドルモータの回転速度のパフォーマンスを切替えてデータ転送速度を速めることを目的としたものである。
【0047】
したがって、その光ディスクドライブ装置に装着される光ディスクの最大記録速度とは関係なくスピンドルモータの回転速度のパフォーマンスが制御されるため、その光ディスクドライブ装置を扱うオペレータが、装着された光ディスクの許容できる最大記録速度の範囲内でデータの転送速度を向上させて記録時間を短縮したい場合に、より大きな電力を供給すればそれが可能であるのかどうかを感知できないので、実際には光ディスクドライブ装置のスピンドルモータの回転速度のパフォーマンスが充分であってもそのパフォーマンスを活用することが困難となっている。
【0048】
また、その反対により小さな電力を供給しても装着された光ディスクの許容できる最大記録速度での記録が可能であるのかどうかを感知できないので、光ディスクドライブ装置のスピンドルモータの回転速度のパフォーマンスを下げて低電力での記録を行いバッテリー駆動の場合における動作時間を長くすることも困難となっている。
【0049】
つまり、CD−R、CD−RW、DVD±R、DVD±RW、DVD−RAM、DVD±R DL、DVD±RW DL、DVD−RAM DLなどの光ディスクはその種類や製造メーカによって最大記録速度が大きく異なるが、従来の技術では実際に装着された光ディスクのそれぞれの最大記録速度に応じて、より最適な電力の供給を行うことによりデータの転送速度の向上または消費電力の低減を図るのが困難となっている。
【0050】
より具体的に説明すると、例えばモバイル対応のノート型パソコンのUSBインターフェースに接続されバスパワーの供給によって動作している光ディスクドライブ装置に装着して記録を開始する場合などにおいて、装着された光ディスクがより大きな電力の供給が可能なIEEE1394インターフェースに接続して電力を供給するか、あるいはACアダプターを用いた交流電源を供給するかなどしてその光ディスクドライブ装置のパフォーマンスを向上させてデータの転送速度を速めることにより記録時間を短縮できるのかどうかを感知できれば、一時的にそのノート型パソコンの電力の供給経路を変更することにより電力消費よりも記録時間の短縮の方を優先させることが容易となるのだが、従来の技術ではそのような対処が困難となっている。
【0051】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、光ディスクの種類や製造メーカによって異なる最大記録速度(最大倍速)または記録品質の確認された所定の記録速度に応じてより最適な電力の供給を行うことで、データの転送速度の向上または消費電力の低減を実現できる光ディスクドライブ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0052】
前記従来の課題を解決するために、本発明の光ディスクドライブ装置は、検知手段により検知された電力供給源に基づいて供給可能な最大電力を判断し、光ディスクに記録された所定の識別情報から光ディスクの設定記録速度を判断し、最大電力と所定の識別情報とに対応した電力別記録速度が設定記録速度よりも小さいと判断した場合、電力の供給を受けていない他の電力供給源からの電力の供給をオペレータに促す制御手段と、を具備している。
【0053】
本構成により、光ディスクドライブ装置を扱うオペレータが、装着された光ディスクの許容できる設定記録速度の範囲内でデータの転送速度を向上させて記録時間を短縮したい場合に、より大きな電力を供給すればそれが可能であることを感知できるので、光ディスクドライブ装置のスピンドルモータの回転速度のパフォーマンスを充分に活用してデータの転送速度の向上を実現できる。
【0054】
また、本発明の光ディスクドライブ装置は、検知手段により検知された電力供給源に基づいて供給可能な最大電力を判断し、光ディスクに記録された所定の識別情報から光ディスクの設定記録速度を判断し、最大電力と所定の識別情報とに対応した電力別記録速度が設定記録速度よりも大きいと判断した場合、電力の供給を受けていない他の電力供給源からの電力の供給をオペレータに促す制御手段と、を具備している。
【0055】
本構成により、光ディスクドライブ装置を扱うオペレータが、より小さな電力を供給しても装着された光ディスクの許容できる設定記録速度での記録が可能であるのかどうかを感知できるので、光ディスクドライブ装置のスピンドルモータの回転速度のパフォーマンスを下げて低電力での記録を行って、消費電力の低減を実現できる。
【発明の効果】
【0056】
本発明の光ディスクドライブ装置によれば、データの転送速度の向上または消費電力の低減を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
本発明の請求項1記載の発明によれば、複数種の電力供給源から電力の供給を受ける電力接続手段と、電力接続手段を介して電力を供給している電力供給源を検知する検知手段と、検知手段により検知された電力供給源に基づいて供給可能な最大電力を判断し、光ディスクに記録された所定の識別情報から光ディスクの設定記録速度を判断し、最大電力と所定の識別情報とに対応した電力別記録速度が設定記録速度よりも小さいと判断した場合、電力の供給を受けていない他の電力供給源からの電力の供給をオペレータに促す制御手段と、を具備したことにより、光ディスクドライブ装置を扱うオペレータが、装着された光ディスクの許容できる設定記録速度の範囲内でデータの転送速度を向上させて記録時間を短縮したい場合に、より大きな電力を供給すればそれが可能であることを感知できるので、光ディスクドライブ装置のスピンドルモータの回転速度のパフォーマンスを充分に活用してデータの転送速度の向上を実現できる。つまり、容易に記録時間を短縮できる。
【0058】
本発明の請求項2記載の発明によれば、複数種の電力供給源から電力の供給を受ける電力接続手段と、電力接続手段を介して電力を供給している電力供給源を検知する検知手段と、検知手段により検知された電力供給源に基づいて供給可能な最大電力を判断し、光ディスクに記録された所定の識別情報から光ディスクの設定記録速度を判断し、最大電力と所定の識別情報とに対応した電力別記録速度が設定記録速度よりも大きいと判断した場合、電力の供給を受けていない他の電力供給源からの電力の供給をオペレータに促す制御手段と、を具備したことにより、光ディスクドライブ装置を扱うオペレータが、より小さな電力を供給しても装着された光ディスクの許容できる設定記録速度での記録が可能であるのかどうかを感知できるので、光ディスクドライブ装置のスピンドルモータの回転速度のパフォーマンスを下げて低電力での記録を行って、消費電力の低減を実現できる。つまり、バッテリー駆動の場合における動作時間を長くすることができる。
【0059】
本発明の請求項3記載の発明によれば、設定記録速度は、所定の識別情報に基づいてあらかじめ制御手段に記憶された記録速度であることにより、製造メーカの保証した最大記録速度(最大倍速)または記録品質の確認された所定の記録速度で記録することができるので、より安定した記録品質を確保できる。
【0060】
本発明の請求項4記載の発明によれば、複数種の電力供給源は、交流電源を含むことにより、ACアダプターなどを介して大きな電力を供給できるので、光ディスクドライブ装置のスピンドルモータの回転速度のパフォーマンスを容易に向上できる。
【0061】
本発明の請求項5記載の発明によれば、複数種の電力供給源は、光ディスクドライブ装置が接続されるホストコンピュータから供給される電源を含むことにより、DC5VやDC12Vなどの小さな電力を供給できるので、光ディスクドライブ装置のスピンドルモータの回転速度のパフォーマンスを下げて低電力での記録を行って、消費電力の低減を実現できる。
【0062】
本発明の請求項6記載の発明によれば、複数種の電力供給源は、ホストコンピュータに実装されたインターフェースであって、少なくとも電力供給とデータ通信との両方が可能なインターフェースから供給される電源を含むことにより、モバイル性の向上と併せて光ディスクドライブ装置とホストコンピュータとの間の信号の送受信を容易に行えるので、必要に応じてホストコンピュータの機能を活用できる。
【0063】
本発明の請求項7記載の発明によれば、電力接続手段のいずれかは、同一種の電力供給源に対して複数個の接続端子を有することにより、同一種の電力供給源から供給される電流を大きくまたは小さくすることが容易にできるので、データの転送速度の向上または消費電力の低減を行うための処置を迅速に行うことができる。
【0064】
本発明の請求項8記載の発明によれば、所定の識別情報は、光ディスクの内周側に記録されたその光ディスクの製造メーカ、メディア種別、及び最大記録速度(最大倍速)を示す情報であることにより、それらの情報に基づいて容易に光ディスクの電力別記録速度と設定記録速度を判断できるので、容易により安定した高品位の制御を実現できる。
【0065】
本発明の請求項9記載の発明によれば、制御手段は、電力の供給を受けていない他の電力供給源からの電力の供給をオペレータに促す旨のメッセージを光ディスクドライブ装置が接続されるホストコンピュータに表示させることにより、オペレータはそのホストコンピュータを通じて供給されている電力レベルをより確実に感知できるので、データの転送速度の向上または消費電力の低減を行うための処置を迅速に行うことができる。
【0066】
本発明の請求項10記載の発明によれば、制御手段は、ホストコンピュータに実装されたインターフェースであって少なくともデータ通信の可能なインターフェースに対してデータ通信によりホストコンピュータの表示機能を制御することにより、ホストコンピュータとのデータ通信を既存のインターフェースで行うことができるので、別にデータ通信用のケーブルを設ける必要がなく接続の簡素化と併せてモバイル性も向上できる。
【0067】
本発明の請求項11記載の発明によれば、供給されている電力のレベルをオペレータに感知させる電力レベル表示手段を有し、制御手段は、電力の供給を受けていない他の電力供給源からの電力の供給をオペレータに促す旨の表示を電力レベル表示手段で表示させることにより、オペレータはその電力レベル表示手段を通じて供給されている電力レベルを視覚的に確実に感知できるので、データの転送速度の向上または消費電力の低減を行うための処置を迅速に行うことができる。
【0068】
本発明の請求項12記載の発明によれば、供給されている電力のレベルをオペレータに感知させる電力レベル警報手段を有し、制御手段は、電力の供給を受けていない他の電力供給源からの電力の供給をオペレータに促す旨の警報を電力レベル警報手段で警報させることにより、オペレータはその電力レベル警報手段を通じて供給されている電力レベルを聴覚的に確実に感知できるので、データの転送速度の向上または消費電力の低減を行うための処置を迅速に行うことができる。
【0069】
本発明の請求項13記載の発明によれば、複数種の電力供給源から供給されている電力のいずれかに択一的に切替える電力切替手段を有し、制御手段は、検知手段により検知された複数の電力供給源の中から最も大きな電力を供給している電力供給源を選択して、その選択された電力供給源からのみ電力を供給するように電力切替手段を制御することにより、電力接続手段に複数の電力供給源が同時に接続されている場合でも、それら複数の電力供給源の相互間に生じる電流の逆流を未然に防止できるので、電力供給源を有効に保護することができる。また、起動時における電力供給源の接続を一旦解除する必要がないので、接続作業の利便性を向上できる。
【0070】
本発明の請求項14記載の発明によれば、複数種の電力供給源から供給されている電力のいずれかに択一的に切替える電力切替手段を有し、制御手段は、検知手段により検知された複数の電力供給源の中から最も小さな電力を供給している電力供給源を選択して、その選択された電力供給源からのみ電力を供給するように電力切替手段を制御することにより、電力接続手段に複数の電力供給源が同時に接続されている場合でも、それら複数の電力供給源の相互間に生じる電流の逆流を未然に防止できるので、電力供給源を有効に保護することができる。
【0071】
本発明の請求項15記載の発明によれば、制御手段は、起動時における検知手段により検知された電力供給源と記録開始時における検知手段により検知された電力供給源とを比較して、供給可能な最大電力が変化したと判断した場合には、変化後の最大電力と所定の識別情報とに対応した電力別記録速度で記録を開始するように制御することにより、供給されている電力レベルをオペレータが感知し、データの転送速度の向上または消費電力の低減を行うための処置として電力供給源の種別を変更しても、その変更された電力供給源の最大電力と所定の識別情報とに対応した電力別記録速度で記録を開始できる。
【0072】
本発明の請求項16記載の発明によれば、光ディスクを回転させるスピンドルモータと、スピンドルモータに電力を供給するモータ駆動部と、モータ駆動部へ供給する電力を制御してスピンドルモータの回転制御を行うサーボ処理部と、を有し、制御手段は、サーボ処理部を制御しスピンドルモータの回転速度の設定を加速または減速させて、モータ駆動部から出力される回転数信号を検出しながら、設定記録速度または所定の記録速度で記録を開始するように制御することにより、供給されている電力レベルをオペレータが感知し、データの転送速度の向上または消費電力の低減を行うための処置として電力供給源の種別を変更した際、その変更された電力供給源の最大電力と所定の識別情報とに対応した設定記録速度に到達しなくても、そのスピンドルモータの回転速度のパフォーマンス範囲の中でよりその設定記録速度に近い速度で記録を開始できる。
【0073】
本発明の請求項17記載の発明によれば、制御手段は、記録開始時における検知手段により検知された電力供給源と記録動作途中における検知手段により検知された電力供給源とを比較して、供給可能な最大電力が変化したと判断した場合には、一旦記録動作を停止させて変化後の最大電力と所定の識別情報とに対応した電力別記録速度で記録を再開するように制御することにより、記録動作途中において、供給されている電力レベルをオペレータが感知し、データの転送速度の向上または消費電力の低減を行うための処置として電力供給源の種別を変更しても、その変更された電力供給源の最大電力と所定の識別情報とに対応した電力別記録速度で記録を再開できる。
【0074】
本発明の請求項18記載の発明によれば、光ディスクを回転させるスピンドルモータと、スピンドルモータに電力を供給するモータ駆動部と、モータ駆動部へ供給する電力を制御してスピンドルモータの回転制御を行うサーボ処理部と、を有し、制御手段は、サーボ処理部を制御しスピンドルモータの回転速度の設定を加速または減速させて、モータ駆動部から出力される回転数信号を検出しながら、設定記録速度または所定の記録速度で記録を再開するように制御することにより、記録動作途中において、供給されている電力レベルをオペレータが感知し、データの転送速度の向上または消費電力の低減を行うための処置として電力供給源の種別を変更した際、その変更された電力供給源の最大電力と所定の識別情報とに対応した設定記録速度に到達しなくても、そのスピンドルモータの回転速度のパフォーマンス範囲の中でよりその設定記録速度に近い速度で記録を開始できる。
【0075】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0076】
(実施の形態1)
図1〜図3において、図1は、本発明の実施の形態1に係わる光ディスクドライブ装置のブロック図で、図2は、本発明の実施の形態1に係わる光ディスクドライブ装置の起動から記録開始までの制御手順を示したフローチャートで、図3は、本発明の実施の形態1に係わる光ディスクドライブ装置が予め記憶している記録速度比較テーブルを示す図である。
【0077】
まず、図1で示したように、本発明に係る内蔵型に対応した光ディスクドライブ装置10は、ホストコンピュータ11に専用のコネクタ(図示せず)とバスケーブル(図示せず)を介して接続されていて、データ記録層を有し、記録または再生可能な光ディスク12の下方には光ピックアップモジュール13が配置され、その光ピックアップモジュール13には、光ディスク12を可変的に回転させたり、あるいは一定の速度で回転させたりする回転駆動力を与えるスピンドルモータ14が搭載されている。
【0078】
また、光ピックアップモジュール13を構成し対物レンズ(図示せず)を有する光ピックアップ15は、その光ディスク12にレーザ光を照射することで光ディスク12の所定の領域に情報を書込み(記録)したり、あるいは照射したレーザ光の反射光を元に情報を読込み(再生)したりするためにキャリッジ16に搭載され、そのキャリッジ16はフィード部17によって駆動され、光ディスク12の半径方向に往復移動している。
【0079】
そして、フィード部17には、キャリッジ16を駆動するためのフィードモータ18や、ギア(図示せず)、スクリューシャフト(図示せず)等が配置されていて、フィードモータ18を回転させることによってキャリッジ16が光ディスク12の半径方向である内周側から外周側に渡って往復移動ができるような構成となっている。
【0080】
つまり、以上のような主要な構成要素によって、小型/薄型の光ディスクドライブ装置10の光ピックアップモジュール13が構成されている。
【0081】
また、アナログ信号処理部19は、光ピックアップモジュール13の内部のキャリッジ16に搭載された光ピックアップ15の内部のフォトセンサ(図示せず)からの出力信号を基に、フォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号を生成して、光ピックアップ15の3軸アクチュエータを制御するサーボ処理部20に出力する。
【0082】
また、サーボ処理部20は、アナログ信号処理部19から送られてきたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器、そのA/D変換器で変換されたデジタル信号を一時的に記憶するメモリ、メモリに記憶されたデジタル信号あるいはA/D変換器から送られてきたデジタル信号を所定の方法で演算する演算回路、その演算回路にて演算されたデジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換器等によって構成されており、光ディスク12のデータ記録層に形成されるレーザ光のビームスポットが光ディスク12の情報トラックに精度よく追従するようにフィルタ信号処理や各種演算処理をデジタル演算によって行っている。
【0083】
そして、サーボ処理部20は、モータ駆動部21を介して光ピックアップ15に搭載されている対物レンズをフォーカス方向やトラッキング方向に移動させたりする制御やチルト方向に傾けたりする制御を行うのに加えて、フィード部17の移送制御やスピンドルモータ14の回転制御等を行う。
【0084】
さらに、サーボ処理部20は、制御手段22からの制御に関する指令(コマンド)などによっていろいろなパラメータ設定やシーケンス制御がプレキシブルに行われている。
【0085】
そして、再生動作時には、光ディスク12に光ピックアップ15からレーザ光を照射し、その光ディスク12からの反射光をフォトセンサで受光し、その受光した反射光に応じて再生信号としてアナログ信号処理部19を介して、データスライサ、データPLL回路、ジッタ測定回路、エラー訂正部、変/復調部/バッファメモリ/レーザ制御部等から構成され、制御手段22により制御されたデジタル信号処理部23に送り込まれ、さらにそのデジタル信号処理部23から出力された信号は、ホストコンピュータ11側へ有効な再生用のデジタルデータとして転送される。
【0086】
一方、記録動作時には、制御手段22により制御されたデジタル信号処理部23によってホストコンピュータ11から送られてきたデジタルデータを変調し、レーザ駆動部24を介して光ピックアップ15内に搭載されたレーザ(図示せず)等の光源に所定の駆動電流を供給し、その光源を例えばパルス状に発光させて、光ディスク12の情報トラックに記録を行う。
【0087】
つまり、制御手段22は、以上のように構成された光ディスクドライブ装置10全体の制御を行うものである。
【0088】
次に、この光ディスクドライブ装置10に電力を供給する電力供給源と供給された電力の経路について説明する。
【0089】
ここで、前述したように光ディスクドライブ装置10は内蔵型であるため、起動時には動作に必要な電力は、前述したようにホストコンピュータ11とデータ通信と電源供給との両方が可能な専用のコネクタ(図示せず)とバスケーブル(図示せず)を介して供給されている。
【0090】
したがって、ホストコンピュータ11から所定の電力(例えば、DC+5V、3Aで15W)を供給できるDC OUT端子からその専用のコネクタに相当する電力接続手段25aの方向へ電力が供給され、さらにその電力接続手段25aからサーボ処理部20の方向へ、実線の矢印で示したように電力が供給される。
【0091】
なお、ここで破線の矢印は、起動時には電力を供給していない他の電力供給源から電力を供給した場合の、電力の供給方向を示している。
【0092】
また、この図からも明らかなように光ディスクドライブ装置10は、そのDC OUTとは異なる種類の電力供給源であるUSBインターフェース、IEEE1394インターフェースなどのインターフェース26、またはACアダプター27を用いた交流電源などの複数種の電力供給源から電力の供給を受けることのできるように、それぞれの電力供給源に接続されるケーブルの接続端子の仕様に応じた電力接続手段25b、25c、25dを備えている。
【0093】
そして、それぞれの電力接続手段25a、25b、25c、25dには、所定の電力が供給されたかどうかを検知するための検知手段28が設けられ、その検知結果が制御手段22に伝達されるようになっている。
【0094】
また、電力レベル表示手段29は、例えば緑色LED、緑色ランプ、液晶表示装置などであって、オペレータに供給されている電力レベルを視覚的に確実に感知させて電力の供給を受けていない他の電力供給源からの電力の供給を促すことができる。
【0095】
また、その他の電力供給源であるUSBインターフェース、IEEE1394インターフェースなどのインターフェース26、またはACアダプター27を用いた交流電源などは、それぞれ異なる大きさの電力の供給が可能であって、USBインターフェースであれば2.5W(DC+5V、0.5A)、IEEE1394インターフェースであれば18W(DC+12V、1.5A)と規定されており、ACアダプター27を用いた交流電源であれば例えば48W(DC+16V、3A)やそれ以上の大きさの電力の供給も可能である。
【0096】
また、前述したようにホストコンピュータ11に実装されたUSBインターフェースやIEEE1394インターフェースなどのインターフェース26は、少なくとも電力供給とデータ通信との両方が可能なバスパワーの得られるインターフェースであって、最近ではモバイル性を高めるため外付け型の光ディスクドライブ装置、マウス、キーボードなどのような各種の周辺機器へ応用され始めている。
【0097】
次に、図2を参照して起動から記録開始までの制御手順について説明する。
【0098】
まず、光ディスクドライブ装置10に光ディスク12が装着され、その光ディスクドライブ装置10の電源がONされると直ちに起動する(S1)。
【0099】
次に、光ディスク12はスピンドルモータ14によって所定の回転速度で回転駆動されると、制御手段22は、その光ディスク12の内周側のデータイン領域に記録されたその光ディスク12の製造メーカ、メディア種別、及び最大記録速度(最大倍速)を示す所定の識別情報をデジタル信号処理部23経由で取得し、その識別情報に基づいて、予め制御手段22に記憶されている例えば図3で示したような記録速度比較テーブルにおける設定記録速度(SV)を判断する(S2)。
【0100】
ここで、制御手段22は、それら所定の識別情報に基づいて容易にその光ディスク12の設定記録速度と電力別記録速度を判断できるので、容易に安定した高品位の制御を実現できる。
【0101】
また、制御手段22は、それぞれの電力接続手段25a、25b、25c、25dに設けられた検知手段28によって検知された電力供給源に基づいて供給可能な最大電力を判断し(S3)、その最大電力と取得した所定の識別情報から記録速度比較テーブルにおける電力別記録速度(DV)を判断する(S4)。
【0102】
そして、制御手段22が、電力別記録速度(DV)と設定記録速度(SV)を比較し(S5)、電力別記録速度(DV)は設定記録速度(SV)よりも小さい、つまりDV<SVと判断した場合には、例えば緑色LED、緑色ランプ、液晶表示装置などの電力レベル表示手段29にLOWレベルを表示させて(S6)、オペレータに供給されている電力レベルを視覚的に確実に感知させて電力の供給を受けていない他の電力供給源からの電力の供給を促す。
【0103】
そうすると、オペレータはその電力レベル表示手段29を通じて供給されている電力がLOWレベルにあることを視覚的に確実に感知し、起動時の電力供給源からの給電を中止する(S7)。
【0104】
但し、本実施の形態1の場合であれば内蔵型であるため、光ディスクドライブ装置10に専用コネクタから供給されている電源の接続解除用のスイッチを設け、そのスイッチをOFFできるようにすると電力切替え作業が容易となるのでより好ましい。
【0105】
次に、オペレータはより電力の大きい他の電力供給源から電力を供給できるように、例えばIEEE1394インターフェースに接続されたケーブルまたはACアダプター27を用いた交流電源のケーブルを他の電力接続手段25cまたは25dに接続して電力を供給し、再起動する(S8)。
【0106】
そして、再度S2〜S3の手順と同様に、制御手段22は、それぞれの電力接続手段25a、25b、25c、25dに設けられた検知手段28によって検知された電力供給源に基づいて供給可能な最大電力を判断し、その最大電力と取得した所定の識別情報から記録速度比較テーブルにおける電力別記録速度(DV)と設定記録速度(SV)とを判断して、記録速度を再設定する(S9)。
【0107】
最後に、光ディスクドライブ装置10のレーザ駆動部24では、LD(レーザーダイオード)パワーやライトストラテジーのモードが再設定されて(S10)、記録が開始される(S11)。
【0108】
一方、制御手段22が、電力別記録速度(DV)と設定記録速度(SV)を比較し(S5)、電力別記録速度(DV)は設定記録速度(SV)よりも大きい、つまりDV>SVと判断した場合には、例えば赤色LED、赤色ランプ、液晶表示装置などの電力レベル表示手段29にHIGHレベルを表示させて(S12)、オペレータに供給されている電力レベルを視覚的に確実に感知させて電力の供給を受けていない他の電力供給源からの電力の供給を促す。
【0109】
そうすると、オペレータはその電力レベル表示手段29を通じて供給されている電力がHIGHレベルにあることを視覚的に確実に感知し、起動時の電力供給源からの給電を中止する(S13)。
【0110】
次に、オペレータはより電力の小さい他の電力供給源から電力を供給できるように、例えばUSBインターフェースなどに接続されたケーブルを他の電力接続手段25bに接続して電力を供給し、再起動する(S14)。
【0111】
そして、再度S2〜S3の手順と同様に、制御手段22は、それぞれの電力接続手段25a、25b、25c、25dに設けられた検知手段28によって検知された電力供給源に基づいて供給可能な最大電力を判断し、その最大電力と取得した所定の識別情報から記録速度比較テーブルにおける電力別記録速度(DV)と設定記録速度(SV)とを判断して、記録速度を再設定する(S9)。
【0112】
最後に、光ディスクドライブ装置10のレーザ駆動部24では、LDパワーやライトストラテジーのモードが再設定されて(S10)、記録が開始される(S11)。
【0113】
一方、制御手段22が、電力別記録速度(DV)と設定記録速度(SV)を比較し(S5)、電力別記録速度(DV)は設定記録速度(SV)と等しい、つまりDV=SVと判断した場合には、特に電力レベル表示手段29に電力のレベル表示させることなく、そのまま記録が開始される(S11)。
【0114】
次に、図3で示した記録速度比較テーブルを参照しながら具体例で説明する。
【0115】
ここで、例えば前述したS2の処理により、装着された光ディスク12から取得された所定の識別情報において、製造メーカがA、メディア種別がDVD±R、設定記録速度(SV)が×16であり、S3の処理により、供給可能な最大電力が15W(DC+5V、3A)であると判断し、S4の処理により、その最大電力と取得した所定の識別情報から記録速度比較テーブルにおける電力別記録速度(DV)が×8であると判断した場合、DV<SVの関係が成立するので、S6の処理が行われる。
【0116】
そして、オペレータが、S7の処理により、起動時の電力供給源からの給電を中止し、S8の処理により、IEEE1394インターフェースに接続されたケーブルを他の電力接続手段25cに接続すると、S9の処理により、その最大電力と取得した所定の識別情報から記録速度比較テーブルにおける×12の電力別記録速度(DV)に記録速度が再設定されて、S10の処理により、最適なLDパワーやライトストラテジーのモードが再設定されて、S11の処理により、記録が開始される。
【0117】
つまり、起動時に設定された記録速度が×8であったものが、より電力の大きい他の電力供給源からの電力を供給することで、その記録速度が×12と大きくなり光ディスクドライブ装置10のスピンドルモータ14の回転速度のパフォーマンスを充分に活用してデータの転送速度の向上を実現でき、記録時間を短縮できる。
【0118】
また、オペレータが、S7の処理により、起動時の電力供給源からの給電を中止し、S8の処理により、ACアダプター27を用いた交流電源のケーブルを他の電力接続手段25dに接続すると、S9の処理により、その最大電力と取得した所定の識別情報から記録速度比較テーブルにおける×18の電力別記録速度(DV)に記録速度が再設定されて、S10の処理により、最適なLDパワーやライトストラテジーのモードが再設定されて、最後にS11の処理により、記録が開始される。
【0119】
つまり、起動時に設定された記録速度が×8であったものが、より電力の大きい他の電力供給源からの電力を供給することで、その記録速度が×18と大きくなり光ディスクドライブ装置10のスピンドルモータ14の回転速度のパフォーマンスを充分に活用してデータの転送速度の向上を実現でき、記録時間をさらに短縮できる。
【0120】
また、例えば前述したS2の処理により、装着された光ディスク12から取得された所定の識別情報において、製造メーカがA、メディア種別がDVD−RAM、設定記録速度(SV)が×6であり、S3の処理により、供給可能な最大電力が15W(DC+5V、3A)であると判断し、S4の処理により、その最大電力と取得した所定の識別情報から記録速度比較テーブルにおける電力別記録速度(DV)が×8であると判断した場合、DV>SVの関係が成立するので、S12の処理が行われる。
【0121】
そして、オペレータが、S13の処理により、起動時の電力供給源からの給電を中止し、S14の処理により、USBインターフェースに接続されたケーブルを他の電力接続手段25bに接続すると、S9の処理により、その最大電力と取得した所定の識別情報から記録速度比較テーブルにおける×6の電力別記録速度(DV)に記録速度が再設定されて、S10の処理により、最適なLDパワーやライトストラテジーのモードが再設定されて、最後にS11の処理により、記録が開始される。
【0122】
つまり、起動時に設定された記録速度が×8であったものが、より電力の小さい他の電力供給源からの電力を供給することで、その記録速度が×6と小さくなり光ディスクドライブ装置10のスピンドルモータ14の回転速度のパフォーマンスを下げて低電力での記録を行い、消費電力の低減を実現でき、バッテリー駆動の場合における動作時間を長くすることができる。
【0123】
なお、電力接続手段25a、25b、25c、25dのいずれかは、同一種の電力供給源に対して複数個の接続端子を有してもよく、同一種の電力供給源から供給される電流を大きくまたは小さくすることが容易にできるので、データの転送速度の向上または消費電力の低減を行うための処置を迅速に行うことができる。
【0124】
また、電力レベル表示手段29に替えて、供給されている電力のレベルをオペレータに感知させる、例えば、ブザー、記録音声などの電力レベル警報手段(図示せず)を用いてもよく、制御手段22は、電力の供給を受けていない他の電力供給源からの電力の供給をオペレータに促す旨の警報をその電力レベル警報手段で警報させることにより、オペレータはその電力レベル警報手段を通じて供給されている電力レベルを聴覚的に確実に感知できるので、データの転送速度の向上または消費電力の低減を行うための処置を迅速に行うことができる。
【0125】
また、制御手段22は、記録開始時における電力別記録速度が設定記録速度よりも大きい場合には、設定記録速度またはその設定記録速度よりも小さい所定の記録速度で記録を開始するように制御することが好ましく、製造メーカの保証した最大記録速度(最大倍速)または記録品質の確認された所定の記録速度で記録することができるので、より安定した記録品質を確保できる。
【0126】
(実施の形態2)
図4〜図6において、図4は、本発明の実施の形態2に係わる光ディスクドライブ装置のブロック図で、図5は、本発明の実施の形態2に係わる光ディスクドライブ装置の起動から記録開始までの制御手順を示したフローチャートで、図6は、本発明の実施の形態2に係わる光ディスクドライブ装置が予め記憶している記録速度比較テーブルを示す図である。
【0127】
まず、図4で示したように、本発明に係る外付け型に対応した光ディスクドライブ装置50は、画像装置51を備えたホストコンピュータ52に実装されたIEEE1394インターフェースとバスケーブル53を介して接続されていて、データ記録層を有し、記録または再生可能な光ディスク54の下方には光ピックアップモジュール55が配置され、その光ピックアップモジュール55には、光ディスク54を可変的に回転させたり、あるいは一定の速度で回転させたりする回転駆動力を与えるスピンドルモータ56が搭載されている。
【0128】
また、光ピックアップモジュール55を構成し対物レンズ(図示せず)を有する光ピックアップ57は、その光ディスク54にレーザ光を照射することで光ディスク54の所定の領域に情報を書込み(記録)したり、あるいは照射したレーザ光の反射光を元に情報を読込み(再生)したりするためにキャリッジ58に搭載され、そのキャリッジ58はフィード部59によって駆動され、光ディスク54の半径方向に往復移動している。
【0129】
そして、フィード部59には、キャリッジ58を駆動するためのフィードモータ60や、ギア(図示せず)、スクリューシャフト(図示せず)等が配置されていて、フィードモータ60を回転させることによってキャリッジ58が光ディスク54の半径方向である内周側から外周側に渡って往復移動ができるような構成となっている。
【0130】
つまり、以上のような主要な構成要素によって、小型/薄型の光ディスクドライブ装置50の光ピックアップモジュール55が構成されている。
【0131】
また、アナログ信号処理部61は、光ピックアップモジュール55の内部のキャリッジ58に搭載された光ピックアップ57の内部のフォトセンサ(図示せず)からの出力信号を基に、フォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号を生成して、光ピックアップ57の3軸アクチュエータを制御するサーボ処理部62に出力する。
【0132】
また、サーボ処理部62は、アナログ信号処理部61から送られてきたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器、そのA/D変換器で変換されたデジタル信号を一時的に記憶するメモリ、メモリに記憶されたデジタル信号あるいはA/D変換器から送られてきたデジタル信号を所定の方法で演算する演算回路、その演算回路にて演算されたデジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換器等によって構成されており、光ディスク54のデータ記録層に形成されるレーザ光のビームスポットが光ディスク54の情報トラックに精度よく追従するようにフィルタ信号処理や各種演算処理をデジタル演算によって行っている。
【0133】
そして、サーボ処理部62は、モータ駆動部63を介して光ピックアップ57に搭載されている対物レンズをフォーカス方向やトラッキング方向に移動させたりする制御やチルト方向に傾けたりする制御を行うのに加えて、フィード部59の移送制御やスピンドルモータ56の回転制御等を行う。
【0134】
さらに、サーボ処理部62は、制御手段64からの制御に関する指令(コマンド)などによっていろいろなパラメータ設定やシーケンス制御がプレキシブルに行われている。
【0135】
そして、再生動作時には、光ディスク54に光ピックアップ57からレーザ光を照射し、その光ディスク54からの反射光をフォトセンサで受光し、その受光した反射光に応じて再生信号としてアナログ信号処理部61を介して、データスライサ、データPLL回路、ジッタ測定回路、エラー訂正部、変/復調部/バッファメモリ/レーザ制御部等から構成され、制御手段64により制御されたデジタル信号処理部65に送り込まれ、さらにそのデジタル信号処理部65から出力された信号は、ホストコンピュータ52側へ有効な再生用のデジタルデータとして転送される。
【0136】
一方、記録動作時には、制御手段64により制御されたデジタル信号処理部65によってホストコンピュータ52から送られてきたデジタルデータを変調し、レーザ駆動部66を介して光ピックアップ57内に搭載されたレーザ(図示せず)等の光源に所定の駆動電流を供給し、その光源を例えばパルス状に発光させて、光ディスク54の情報トラックに記録を行う。
【0137】
つまり、制御手段64は、以上のように構成された光ディスクドライブ装置50全体の制御を行うものである。
【0138】
次に、この光ディスクドライブ装置50に電力を供給する電力供給源と供給された電力の経路について説明する。
【0139】
ここで、前述したように光ディスクドライブ装置50の起動時において動作に必要な電力は、バスケーブル53を介してホストコンピュータ52とのデータ通信と電源供給との両方が可能なインターフェース67としてIEEE1394インターフェースから供給されている。
【0140】
したがって、ホストコンピュータ52から所定の18W(DC+12V、1.5A)の電力がそのIEEE1394インターフェースから電力接続手段68bの方向に電力が供給され、さらにその電力接続手段68bから電力切替手段69の方向に、実線の矢印で示したように電力が供給される。
【0141】
このように、IEEE1394インターフェースと外付け型の光ディスクドライブ装置50とを接続することにより、モバイル性の向上と併せて光ディスクドライブ装置50とホストコンピュータ52との間の信号の送受信を容易に行えるので、必要に応じてホストコンピュータ52の機能を活用できる。
【0142】
なお、ここで破線の矢印は、起動時には電力を供給していない他の電力供給源から電力を供給した場合の、電力の供給方向を示している。
【0143】
また、電力切替手段69は、複数種の電力供給源から供給されている電力のいずれかに択一的に切替えるためのスイッチ機能を有し、選択された電力のみが実線の矢印で示したようにサーボ処理部62に供給されるようになっている。
【0144】
制御手段64は、検知手段71により検知された複数の電力供給源の中から所定の電力供給源を選択して、その選択された電力供給源からのみ電力を供給するように制御することにより、電力接続手段68a、68b、68cに複数の電力供給源が同時に接続されている場合でも、それら複数の電力供給源の相互間に生じる電流の逆流を未然に防止できるので、電力供給源を有効に保護することができる。
【0145】
また、この図からも明らかなように光ディスクドライブ装置50は、インターフェース67の一つであるIEEE1394インターフェースとは異なる電力供給源として、同じくインターフェース67の一つであるUSBインターフェースまたはACアダプター70を用いた交流電源などの複数種の電力供給源から電力の供給を受けることのできるように、それぞれの電力供給源に接続されるケーブルの接続端子の仕様に応じた電力接続手段68a、68cを備えている。
【0146】
そして、それぞれの電力接続手段68a、68b、68cには、所定の電力が供給されたかどうかを検知するための検知手段71が設けられ、その検知結果が制御手段64に伝達されるようになっている。
【0147】
また、画像装置51を備えたホストコンピュータ52は、バスケーブル53を介した制御手段64とのデータ通信により表示機能が制御されており、例えば電力の供給を受けていない他の電力供給源からの電力の供給をオペレータに促す旨のメッセージを表示することによりオペレータはそのホストコンピュータを通じて供給されている電力レベルをより確実に感知できるので、データの転送速度の向上または消費電力の低減を行うための処置を迅速に行うことができる。
【0148】
また、その他の電力供給源であるUSBインターフェースまたはACアダプター70を用いた交流電源などは、それぞれ異なる大きさの電力の供給が可能であって、USBインターフェースであれば2.5W(DC+5V、0.5A)と規定されており、ACアダプター70を用いた交流電源であれば例えば48W(DC+16V、3A)やそれ以上の大きさの電力の供給も可能である。
【0149】
次に、図5を参照して起動から記録開始までの制御手順について説明する。
【0150】
まず、光ディスクドライブ装置50に光ディスク54が装着され、その光ディスクドライブ装置50の電源がONされると直ちに起動する(S21)。
【0151】
次に、光ディスク54はスピンドルモータ56によって所定の回転速度で回転駆動されると、制御手段64は、その光ディスク54の内周側のデータイン領域に記録されたその光ディスク54の製造メーカ、メディア種別、及び最大記録速度(最大倍速)を示す所定の識別情報をデジタル信号処理部65経由で取得し、その識別情報に基づいて、予め制御手段64に記憶されている例えば図6で示したような記録速度比較テーブルにおける設定記録速度(SV)を判断する(S22)。
【0152】
ここで、制御手段64は、それら所定の識別情報に基づいて容易にその光ディスク54の設定記録速度と電力別記録速度を判断できるので、容易に安定した高品位の制御を実現できる。
【0153】
一方、制御手段64は、それぞれの電力接続手段68a、68b、68cに設けられた検知手段71によって検知された電力供給源に基づいて供給可能な最大電力を判断し(S23)、その最大電力と取得した所定の識別情報から記録速度比較テーブルにおける電力別記録速度(DV)を判断する(S24)。
【0154】
そして、制御手段64が、電力別記録速度(DV)と設定記録速度(SV)を比較し(S25)、電力別記録速度(DV)は設定記録速度(SV)よりも小さい、つまりDV<SVと判断した場合には、例えばホストコンピュータ52の画像装置51にLOWレベルであることのメッセージを表示させて(S26)、オペレータに供給されている電力レベルを視覚的に確実に感知させて電力の供給を受けていない他の電力供給源からの電力の供給を促す。
【0155】
そうすると、オペレータはそのホストコンピュータ52を通じて供給されている電力がLOWレベルにあることを視覚的に確実に感知し、より電力の大きい他の電力供給源から電力を供給できるように、例えばACアダプター70を用いた交流電源のケーブルを他の電力接続手段68cに接続して電力を供給する(S27)。
【0156】
そうすると、制御手段64は、検知手段71により検知された複数の電力供給源の中から最も大きな電力供給源を選択して、その選択された電力供給源からのみ電力を供給するように電力切替手段69を制御して切替える(S28)。
【0157】
そして、起動時における検知手段71により検知された電力供給源と記録開始時における検知手段71により検知された電力供給源とを比較して、供給可能な最大電力が変化したと判断した場合には、変化後の最大電力と所定の識別情報とに対応した電力別記録速度に再設定する(S29)。
【0158】
最後に、光ディスクドライブ装置50のレーザ駆動部66では、LDパワーやライトストラテジーのモードが再設定されて(S30)、記録が開始される(S31)。
【0159】
また、制御手段64が、電力別記録速度(DV)と設定記録速度(SV)を比較し(S25)、電力別記録速度(DV)は設定記録速度(SV)よりも大きい、つまりDV>SVと判断した場合には、例えばホストコンピュータ52の画像装置51にHIGHレベルであることのメッセージを表示させて(S32)、オペレータに供給されている電力レベルを視覚的に確実に感知させて電力の供給を受けていない他の電力供給源からの電力の供給を促す。
【0160】
そうすると、オペレータはそのホストコンピュータ52を通じて供給されている電力がHIGHレベルにあることを視覚的に確実に感知し、より電力の小さい他の電力供給源から電力を供給できるように、例えばUSBインターフェースに接続されたケーブルを他の電力接続手段68aに接続して電力を供給する(S33)。
【0161】
そうすると、制御手段64は、検知手段71により検知された複数の電力供給源の中から最も小さな電力供給源を選択して、その選択された電力供給源からのみ電力を供給するように電力切替手段69を制御して切替える(S34)。
【0162】
そして、起動時における検知手段71により検知された電力供給源と記録開始時における検知手段71により検知された電力供給源とを比較して、供給可能な最大電力が変化したと判断した場合には、変化後の最大電力と所定の識別情報とに対応した電力別記録速度に再設定する(S29)。
【0163】
最後に、光ディスクドライブ装置50のレーザ駆動部66では、LDパワーやライトストラテジーのモードが再設定されて(S30)、記録が開始される(S31)。
【0164】
一方、制御手段64が、電力別記録速度(DV)と設定記録速度(SV)を比較し(S25)、電力別記録速度(DV)は設定記録速度(SV)と等しい、つまりDV=SVと判断した場合には、特にホストコンピュータ52の画像装置51にメッセージを表示させることなく、そのまま記録が開始される(S30)。
【0165】
次に、図6で示した記録速度比較テーブルを参照しながら具体例で説明する。
【0166】
ここで、例えば前述したS22の処理により、装着された光ディスク54から取得された所定の識別情報において、製造メーカがB、メディア種別がCD−R、設定記録速度(SV)が×52であり、S23の処理により、供給可能な最大電力が18W(DC+12V、1.5A)であると判断し、S24の処理により、その最大電力と取得した所定の識別情報から記録速度比較テーブルにおける電力別記録速度(DV)が×36であると判断した場合、DV<SVの関係が成立するので、S26の処理が行われる。
【0167】
そして、オペレータが、S27の処理により、より電力の大きい他の電力供給源から電力を供給できるように、例えばACアダプター70を用いた交流電源のケーブルを他の電力接続手段68cに接続して電力を供給すると、S28の処理により、電力切替手段69によってその電力接続手段68cに接続された電力供給源からのみ電力が供給され、S29の処理により、その最大電力と取得した所定の識別情報から記録速度比較テーブルにおける×52の電力別記録速度(DV)に記録速度が再設定されて、S30の処理により、最適なLDパワーやライトストラテジーのモードが再設定されて、最後にS31の処理により、記録が開始される。
【0168】
つまり、起動時に設定された記録速度が×36であったものが、より電力の大きい他の電力供給源からの電力を供給することで、その記録速度が×52と大きくなり光ディスクドライブ装置50のスピンドルモータ56の回転速度のパフォーマンスを充分に活用してデータの転送速度の向上を実現でき、記録時間をより短縮できる。
【0169】
また、例えば前述したS22の処理により、装着された光ディスク54から取得された所定の識別情報において、製造メーカがB、メディア種別がDVD−RAM、設定記録速度(SV)が×6であり、S23の処理により、供給可能な最大電力が18W(DC+12V、1.5A)であると判断し、S24の処理により、その最大電力と取得した所定の識別情報から記録速度比較テーブルにおける電力別記録速度(DV)が×12であると判断した場合、DV>SVの関係が成立するので、S32の処理が行われる。
【0170】
そして、オペレータが、S33の処理により、より電力の小さい他の電力供給源から電力を供給できるように、例えばUSBインターフェースに接続されたケーブルを他の電力接続手段68aに接続して電力を供給すると、S34の処理により、電力切替手段69によってその電力接続手段68aに接続された電力供給源からのみ電力が供給され、S29の処理により、その最大電力と取得した所定の識別情報から記録速度比較テーブルにおける×6の電力別記録速度(DV)に記録速度が再設定されて、S30の処理により、最適なLDパワーやライトストラテジーのモードが再設定されて、最後にS31の処理により、記録が開始される。
【0171】
つまり、起動時に設定された記録速度が×12であったものが、より電力の小さい他の電力供給源からの電力を供給することで、その記録速度が×6と小さくなり光ディスクドライブ装置50のスピンドルモータ56の回転速度のパフォーマンスを下げて低電力での記録を行い、消費電力の低減を実現でき、バッテリー駆動の場合における動作時間を長くすることができる。
【0172】
なお、電力接続手段68a、68b、68cのいずれかは、同一種の電力供給源に対して複数個の接続端子を有してもよく、同一種の電力供給源から供給される電流を大きくまたは小さくすることが容易にできるので、データの転送速度の向上または消費電力の低減を行うための処置を迅速に行うことができる。
【0173】
また、制御手段64は、記録開始時における電力別記録速度が設定記録速度よりも大きい場合には、設定記録速度またはその設定記録速度よりも小さい所定の記録速度で記録を開始するように制御することが好ましく、製造メーカの保証した最大記録速度(最大倍速)または記録品質の確認された所定の記録速度で記録することができるので、より安定した記録品質を確保できる。
【0174】
次に、図7の本発明の実施の形態2に係わる光ディスクドライブ装置の記録速度の再設定から起動までの制御手順を示したフローチャートを用いて、本実施の形態2の変形例について説明する。
【0175】
なお、このフローチャートのS29における最大電力の変化を判断し、記録速度を再設定するまでの手順は、前述した内容と同じであるため図示と説明を省略する。
【0176】
まず、記録速度の再設定がなされた(S29)後に、再設定された記録速度ともとの記録速度を比較して(S29a)、再設定した記録速度がもとの記録速度よりも大きい場合には、まずもとの記録速度に設定してスピンドルモータ56を回転駆動させて、そのときの回転数を例えばモータ駆動部63からサーボ処理部62へ回転数信号として出力させて、制御手段64は、その回転数信号をサーボ処理部62から検出する(S29b)。
【0177】
そして、制御手段64は、そのサーボ処理部62に対して設定した回転数を所定量だけ増加させて(S29c)、再度回転数信号を検出する。
【0178】
そして、回転数が上昇したかどうかを判断し(S29d)、上昇したというYES判断であれば、さらに回転速度は所定範囲にあるかどうかを判断し(S29e)、所定範囲にあるというYES判断であれば、光ディスクドライブ装置50のレーザ駆動部66では、LDパワーやライトストラテジーのモードが再設定されて(S30)、記録が開始される(S31)。
【0179】
また、S29eの回転速度は所定範囲にあるかどうかの判断において、所定範囲にないというNO判断であれば、再度制御手段64は、そのサーボ処理部62に対して設定した回転数を所定量だけ増加させる(S29c)という処置に戻る。
【0180】
また、S29dの回転数が上昇したかどうかの判断において、上昇しないというNO判断であれば、その回転数に設定されたままS30の処置へ進む。
【0181】
一方、記録速度の再設定がなされた(S29)後に、再設定された記録速度ともとの記録速度を比較して(S29a)、再設定した記録速度がもとの記録速度よりも小さい場合には、まずもとの記録速度に設定してスピンドルモータ56を回転駆動させて、そのときの回転数を例えばモータ駆動部63からサーボ処理部62へ回転数信号として出力させて、制御手段64は、その回転数信号をサーボ処理部62から検出する(S29f)。
【0182】
そして、制御手段64は、そのサーボ処理部62に対して設定した回転数を所定量だけ減少させて(S29g)、再度回転数の情報を検出する。
【0183】
そして、回転数が下降したかどうかを判断し(S29h)、下降したというYES判断であれば、さらに回転速度は所定範囲にあるかどうかを判断し(S29i)、所定範囲にあるというYES判断であれば、光ディスクドライブ装置50のレーザ駆動部66では、LDパワーやライトストラテジーのモードが再設定されて(S30)、記録が開始される(S31)。
【0184】
また、S29iの回転速度は所定範囲にあるかどうかの判断において、所定範囲にないというNO判断であれば、再度制御手段64は、そのサーボ処理部62に対して設定した回転数を所定量だけ減少させる(S29g)という処置に戻る。
【0185】
また、S29hの回転数が下降したかどうかの判断において、下降しないというNO判断であれば、その回転数に設定されたままS30の処置へ進む。
【0186】
以上の説明のように、実施の形態2における光ディスクドライブ装置50は、光ディスク54を回転させるスピンドルモータ56と、スピンドルモータ56に電力を供給するモータ駆動部63と、モータ駆動部63へ供給する電力を制御してスピンドルモータ56の回転制御を行うサーボ処理部62と、を有し、制御手段64は、サーボ処理部62を制御しスピンドルモータ56の回転速度の設定を加速または減速させて、モータ駆動部63から出力される回転数信号を検出しながら、設定記録速度または所定の記録速度で記録を開始するように制御することによって、供給されている電力レベルをオペレータが感知し、データの転送速度の向上または消費電力の低減を行うための処置として電力供給源の種別を変更した際、その変更された電力供給源の最大電力と所定の識別情報とに対応した設定記録速度に到達しなくても、そのスピンドルモータ56の回転速度のパフォーマンス範囲の中でよりその設定記録速度に近い速度で記録を開始できる。
【0187】
また、実際の記録に要する消費電力は、スピンドルモータ56の回転駆動用電力に加えてLDパワー、LSI(大規模集積回路)などの他の消費電力も必要とするため、記録前において単にスピンドルモータ56の回転数を加速または減速だけさせて検出した回転数信号から判断できる回転数よりも記録動作中の回転数は小さくなるため、その分を加味して検出した回転数信号よりも低めの所定の記録速度での記録を行えるようにするのがより好ましい。
【0188】
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3に係わる光ディスクドライブ装置の記録開始から記録の再開までの制御手順を示したフローチャートで、記録開始までの手順は、前述した実施の形態2と同様であるので省略する。
【0189】
また、本発明の実施の形態3に係わる光ディスクドライブ装置のブロック図は、図4と同様であるため、同じ構成要素については、それと同一の符号を用いて説明する。
【0190】
まず、制御手段64は、記録開始時における検知手段71により検知された電力供給源と記録動作途中における検知手段71により検知された電力供給源とを比較して、供給可能な最大電力が変化したと判断した場合には、一旦記録動作を停止させて(S51)、変化後の最大電力と所定の識別情報に対応した電力別記録速度に記録速度を再設定する(S52)。
【0191】
そして、再設定された記録速度ともとの記録速度を比較して(S53)、再設定した記録速度がもとの記録速度よりも大きい場合には、まずもとの記録速度に設定してスピンドルモータ56を回転駆動させて、そのときの回転数を例えばモータ駆動部63からサーボ処理部62へ回転数信号として出力させて、制御手段64は、その回転数信号をサーボ処理部62から検出する(S54)。
【0192】
そして、制御手段64は、そのサーボ処理部62に対して設定した回転数を所定量だけ増加させて(S55)、再度回転数信号を検出する。
【0193】
そして、回転数が上昇したかどうかを判断し(S56)、上昇したというYES判断であれば、さらに回転速度は所定範囲にあるかどうかを判断し(S57)、所定範囲にあるというYES判断であれば、光ディスクドライブ装置50のレーザ駆動部66では、LDパワーやライトストラテジーのモードが再設定されて(S58)、記録が再開される(S59)。
【0194】
また、S57の回転速度は所定範囲にあるかどうかの判断において、所定範囲にないというNO判断であれば、再度制御手段64は、そのサーボ処理部62に対して設定した回転数を所定量だけ増加させる(S55)という処置に戻る。
【0195】
また、S56の回転数が上昇したかどうかの判断において、上昇しないというNO判断であれば、その回転数に設定されたままS58の処置へ進む。
【0196】
一方、記録速度の再設定がなされた(S52)後に、再設定された記録速度ともとの記録速度を比較して(S53)、再設定した記録速度がもとの記録速度よりも小さい場合には、まずもとの記録速度に設定してスピンドルモータ56を回転駆動させて、そのときの回転数を例えばモータ駆動部63からサーボ処理部62へ回転数信号として出力させて、制御手段64は、その回転数信号をサーボ処理部62から検出する(S60)。
【0197】
そして、制御手段64は、そのサーボ処理部62に対して設定した回転数を所定量だけ減少させて(S61)、再度回転数信号を検出する。
【0198】
そして、回転数が下降したかどうかを判断し(S62)、下降したというYES判断であれば、さらに回転速度は所定範囲にあるかどうかの判断し(S63)、所定範囲にあるというYES判断であれば、光ディスクドライブ装置50のレーザ駆動部66では、LDパワーやライトストラテジーのモードが再設定されて(S58)、記録が再開される(S59)。
【0199】
また、S63の回転速度は所定範囲にあるかどうかの判断において、所定範囲にないというNO判断であれば、再度制御手段64は、そのサーボ処理部62に対して設定した回転数を所定量だけ減少させる(S61)という処置に戻る。
【0200】
また、S62の回転数が下降したかどうかの判断において、下降しないというNO判断であれば、その回転数に設定されたままS58の処置へ進む。
【0201】
以上の説明のように、実施の形態3における光ディスクドライブ装置における制御手段64は、記録開始時における検知手段71により検知された電力供給源と記録動作途中における検知手段71により検知された電力供給源とを比較して、供給可能な最大電力が変化したと判断した場合には、一旦記録動作を停止させて変化後の最大電力と所定の識別情報とに対応した電力別記録速度で記録を再開するように制御することにより、記録動作途中において、供給されている電力レベルをオペレータが感知し、データの転送速度の向上または消費電力の低減を行うための処置として電力供給源の種別を変更しても、その変更された電力供給源の最大電力と所定の識別情報とに対応した電力別記録速度で記録を再開できる。
【0202】
また、制御手段64は、光ディスク54を回転させるスピンドルモータ56と、スピンドルモータ56に電力を供給するモータ駆動部63と、モータ駆動部63へ供給する電力を制御してスピンドルモータ56の回転制御を行うサーボ処理部62と、を有し、制御手段64は、サーボ処理部62を制御しスピンドルモータ56の回転速度の設定を加速または減速させて、モータ駆動部63から出力される回転数信号を検出しながら、設定記録速度または所定の記録速度で記録を開始するように制御することによって、供給されている電力レベルをオペレータが感知して、データの転送速度の向上または消費電力の低減を行うための処置として電力供給源の種別を変更した際、その変更された電力供給源の最大電力と所定の識別情報とに対応した設定記録速度に到達しなくても、そのスピンドルモータ56の回転速度のパフォーマンス範囲の中でよりその設定記録速度に近い速度で記録を開始できる。
【0203】
また、以上の実施の形態の説明において、光ディスクへの情報の書込み(記録)する場合について説明したが、光ディスクから情報を読込み(再生)する場合についても、同様の手順で処理できるのは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0204】
本発明による光ディスクドライブ装置は、従来のCDやDVDなどの光ディスクだけでなく、記録層の片面二層化(DVD±R DL、DVD±RW DL)やデジタルハイビジョン映像の長時間録画にも対応が容易な次世代のDVDとして注目されてきたBD(ブルーレイ ディスク)などの光ディスクにも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0205】
【図1】本発明の実施の形態1に係わる光ディスクドライブ装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係わる光ディスクドライブ装置の起動から記録開始までの制御手順を示したフローチャート
【図3】本発明の実施の形態1に係わる光ディスクドライブ装置が予め記憶している記録速度比較テーブルを示す図
【図4】本発明の実施の形態2に係わる光ディスクドライブ装置のブロック図
【図5】本発明の実施の形態2に係わる光ディスクドライブ装置の起動から記録開始までの制御手順を示したフローチャート
【図6】本発明の実施の形態2に係わる光ディスクドライブ装置が予め記憶している記録速度比較テーブルを示す図
【図7】本発明の実施の形態2に係わる光ディスクドライブ装置の記録速度の再設定から起動までの制御手順を示したフローチャート
【図8】本発明の実施の形態3に係わる光ディスクドライブ装置の記録開始から記録の再開までの制御手順を示したフローチャート
【図9】従来の技術におけるコンピュータに接続されたフロッピー(登録商標)ディスク装置(周辺機器)のブロック図
【符号の説明】
【0206】
10 光ディスクドライブ装置
11 ホストコンピュータ
12 光ディスク
13 光ピックアップモジュール
14 スピンドルモータ
15 光ピックアップ
16 キャリッジ
17 フィード部
18 フィードモータ
19 アナログ信号処理部
20 サーボ処理部
21 モータ駆動部
22 制御手段
23 デジタル信号処理部
24 レーザ駆動部
25a 電力接続手段
25b 電力接続手段
25c 電力接続手段
25d 電力接続手段
26 インターフェース
27 ACアダプター
28 検知手段
29 電力レベル表示手段
50 光ディスクドライブ装置
51 画像装置
52 ホストコンピュータ
53 バスケーブル
54 光ディスク
55 光ピックアップモジュール
56 スピンドルモータ
57 光ピックアップ
58 キャリッジ
59 フィード部
60 フィードモータ
61 アナログ信号処理部
62 サーボ処理部
63 モータ駆動部
64 制御手段
65 デジタル信号処理部
66 レーザ駆動部
67 インターフェース
68a 電力接続手段
68b 電力接続手段
68c 電力接続手段
69 電力切替手段
70 ACアダプター
71 検知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種の電力供給源から電力の供給を受ける電力接続手段と、
前記電力接続手段を介して電力を供給している電力供給源を検知する検知手段と、
前記検知手段により検知された電力供給源に基づいて供給可能な最大電力を判断し、光ディスクに記録された所定の識別情報から前記光ディスクの設定記録速度を判断し、前記最大電力と前記所定の識別情報とに対応した電力別記録速度が前記設定記録速度よりも小さいと判断した場合、電力の供給を受けていない他の電力供給源からの電力の供給をオペレータに促す制御手段と、を具備したことを特徴とする光ディスクドライブ装置。
【請求項2】
複数種の電力供給源から電力の供給を受ける電力接続手段と、
前記電力接続手段を介して電力を供給している電力供給源を検知する検知手段と、
前記検知手段により検知された電力供給源に基づいて供給可能な最大電力を判断し、光ディスクに記録された所定の識別情報から前記光ディスクの設定記録速度を判断し、前記最大電力と前記所定の識別情報とに対応した電力別記録速度が前記設定記録速度よりも大きいと判断した場合、電力の供給を受けていない他の電力供給源からの電力の供給をオペレータに促す制御手段と、を具備したことを特徴とする光ディスクドライブ装置。
【請求項3】
前記設定記録速度は、前記所定の識別情報に基づいてあらかじめ前記制御手段に記憶された記録速度であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項4】
前記複数種の電力供給源は、交流電源を含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項5】
前記複数種の電力供給源は、光ディスクドライブ装置が接続されるホストコンピュータから供給される電源を含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項6】
前記複数種の電力供給源は、前記ホストコンピュータに実装されたインターフェースであって、少なくとも電力供給とデータ通信との両方が可能なインターフェースから供給される電源を含むことを特徴とする請求項5記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項7】
前記電力接続手段のいずれかは、同一種の電力供給源に対して複数個の接続端子を有することを特徴とする請求項1または2記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項8】
前記所定の識別情報は、前記光ディスクの内周側に記録されたその光ディスクの製造メーカ、メディア種別、及び最大記録速度(最大倍速)を示す情報であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項9】
前記制御手段は、電力の供給を受けていない他の電力供給源からの電力の供給をオペレータに促す旨のメッセージを光ディスクドライブ装置が接続されるホストコンピュータに表示させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記ホストコンピュータに実装されたインターフェースであって少なくともデータ通信の可能なインターフェースに対してデータ通信により前記ホストコンピュータの表示機能を制御することを特徴とする請求項9記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項11】
供給されている電力のレベルをオペレータに感知させる電力レベル表示手段を有し、
前記制御手段は、電力の供給を受けていない他の電力供給源からの電力の供給をオペレータに促す旨の表示を前記電力レベル表示手段で表示させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項12】
供給されている電力のレベルをオペレータに感知させる電力レベル警報手段を有し、
前記制御手段は、電力の供給を受けていない他の電力供給源からの電力の供給をオペレータに促す旨の警報を前記電力レベル警報手段で警報させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項13】
複数種の電力供給源から供給されている電力のいずれかに択一的に切替える電力切替手段を有し、
前記制御手段は、前記検知手段により検知された複数の電力供給源の中から最も大きな電力を供給している電力供給源を選択して、その選択された電力供給源からのみ電力を供給するように前記電力切替手段を制御することを特徴とする請求項1記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項14】
複数種の電力供給源から供給されている電力のいずれかに択一的に切替える電力切替手段を有し、
前記制御手段は、前記検知手段により検知された複数の電力供給源の中から最も小さな電力を供給している電力供給源を選択して、その選択された電力供給源からのみ電力を供給するように前記電力切替手段を制御することを特徴とする請求項2記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項15】
前記制御手段は、起動時における前記検知手段により検知された電力供給源と記録開始時における前記検知手段により検知された電力供給源とを比較して、供給可能な最大電力が変化したと判断した場合には、変化後の最大電力と前記所定の識別情報に対応した電力別記録速度で記録を開始するように制御することを特徴とする請求項13または請求項14記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項16】
前記光ディスクを回転させるスピンドルモータと、前記スピンドルモータに電力を供給するモータ駆動部と、前記モータ駆動部へ供給する電力を制御して前記スピンドルモータの回転制御を行うサーボ処理部と、を有し、
前記制御手段は、前記サーボ処理部を制御し前記スピンドルモータの回転速度の設定を加速または減速させて、前記モータ駆動部から出力される回転数信号を検出しながら、前記設定記録速度または所定の記録速度で記録を開始するように制御することを特徴とする請求項15記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項17】
前記制御手段は、記録開始時における前記検知手段により検知された電力供給源と記録動作途中における前記検知手段により検知された電力供給源とを比較して、供給可能な最大電力が変化したと判断した場合には、一旦記録動作を停止させて変化後の最大電力と前記所定の識別情報に対応した電力別記録速度で記録を再開するように制御することを特徴とする請求項1または請求項2記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項18】
前記光ディスクを回転させるスピンドルモータと、前記スピンドルモータに電力を供給するモータ駆動部と、前記モータ駆動部へ供給する電力を制御して前記スピンドルモータの回転制御を行うサーボ処理部と、を有し、
前記制御手段は、前記サーボ処理部を制御し前記スピンドルモータの回転速度の設定を加速または減速させて、前記モータ駆動部から出力される回転数信号を検出しながら、前記設定記録速度または所定の記録速度で記録を再開するように制御することを特徴とする請求項17記載の光ディスクドライブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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