説明

光ディスクドライブ装置

【課題】コネクタの耐久性を向上することができる光ディスクドライブ装置を提供する。
【解決手段】光ディスクドライブ装置11は、ケース12、ディスクトレイ13、第1のコネクタ24、第2のコネクタ38、位置決め機構14を具備する。第1のコネクタ24は、ケース12に設けられる。第2のコネクタ38は、ディスクトレイ13に設けられ、ディスクトレイ13が第1の位置P1にあるときに第1のコネクタ24と導通されるとともに、ディスクトレイ13が第2の位置P2にあるときに第1のコネクタ24から分離される。位置決め機構14は、ケース12とディスクトレイ13との間に設けられるとともに、ディスクトレイ13が第2の位置P2から第1の位置P1に移動する際に、第1のコネクタ24に対して第2のコネクタ38を位置決めする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケースとディスクトレイとをコネクタで接続した光ディスクドライブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ケースの回路基板とトレイの回路基板とを結線するためのフレキシブルプリントケーブルを省略した光ディスク装置が知られている。この光ディスク装置は、ケースと、ケースから突出したり、ケース内に収容されたりするトレイと、ケースに設けられた第1の回路基板と、トレイに設けられた第2の回路基板と、第1の回路基板と第2の回路基板との間に設けられたコネクタと、を備えている。コネクタは、第1の回路基板に接続した一方の端子と、第2の回路基板に接続した他方の端子と、を有している。
【0003】
この光ディスク装置では、トレイがケース内に収容された状態で一方の端子と他方の端子とが接続して、第1の回路基板と第2の回路基板との間で電気的な導通が図られる。また、トレイがケースに対して突出している場合には、第1の回路基板と第2の回路基板との間で電気的な導通が断たれる。このように、この光ディスク装置では、第1の回路基板と第2の回路基板との間にコネクタを設けることで、フレキシブルプリントケーブルを設ける必要がないようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−44492号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の光ディスク装置では、コネクタを接合する際に、トレイとケースの位置決めが問題となる。しかしながら、上記従来の光ディスク装置では、トレイとケースとの間の位置決めについて何らの配慮がなされていないため、何らかの理由でトレイの設置位置がずれてしまうと、トレイを出し入れする際にコネクタに負荷がかかり、コネクタの劣化が早く進んでしまうおそれがあった。
【0005】
本発明の目的は、コネクタの耐久性を向上することができる光ディスクドライブ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る光ディスクドライブ装置は、ケースと、ケースの内部に収容された第1の位置と、ケースから外部に突出した第2の位置との間で進退することが可能なディスクトレイと、ケースに設けられた第1のプリント回路板と、ディスクトレイに設けられた第2のプリント回路板と、ケースに設けられるとともに、第1のプリント回路板に接続された第1のコネクタと、ディスクトレイに設けられるとともに、第2のプリント回路板に接続され、ディスクトレイが第1の位置にあるときに第1のコネクタと導通されるとともに、ディスクトレイが第2の位置にあるときに第1のコネクタから分離される第2のコネクタと、ケースとディスクトレイとの間に設けられるとともに、ディスクトレイが第2の位置から第1の位置に移動する際に、第1のコネクタに対して第2のコネクタを位置決めする位置決め機構と、を具備する。
【0007】
前記目的を達成するため、本発明の他の形態に係る光ディスクドライブ装置は、ケースと、ケースの内部に収容された第1の位置と、ケースから外部に突出した第2の位置との間で進退することが可能なディスクトレイと、ケースの外部に設けられた第1のプリント回路板と、ディスクトレイに設けられた第2のプリント回路板と、ケースの内部に配置にされるとともに、第1のプリント回路板に接続された第1のコネクタと、ディスクトレイに設けられるとともに、第2のプリント回路板に接続され、ディスクトレイが第1の位置にあるときに第1のコネクタと導通されるとともに、ディスクトレイが第2の位置にあるときに第1のコネクタから分離される第2のコネクタと、ケースとディスクトレイとの間に設けられるとともに、ディスクトレイが第2の位置から第1の位置に移動する際に、第1のコネクタに対して第2のコネクタを位置決めする位置決め機構と、を具備する。
【0008】
前記目的を達成するため、本発明の他の形態に係る光ディスクドライブ装置は、ケースと、ケースの内部に収容された第1の位置と、ケースから外部に突出した第2の位置との間で進退することが可能なディスクトレイと、ケースに設けられた第1のプリント回路板と、ディスクトレイに設けられた第2のプリント回路板と、ケースに設けられるとともに、第1のプリント回路板に接続された第1のコネクタと、ディスクトレイに設けられるとともに、第2のプリント回路板に接続され、ディスクトレイが第1の位置にあるときに第1のコネクタと導通されるとともに、ディスクトレイが第2の位置にあるときに第1のコネクタから分離される第2のコネクタと、第1のプリント回路板と、第2のプリント回路板とを接続するとともに、第1のプリント回路板から第2のプリント回路板に電力を供給する電力線と、ケースとディスクトレイとの間に設けられるとともに、ディスクトレイが第2の位置から第1の位置に移動する際に、第1のコネクタに対して第2のコネクタを位置決めする位置決め機構と、を具備する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コネクタの耐久性を向上することができる光ディスクドライブ装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、図1から図3を参照して、光ディスクドライブ装置の第1の実施形態について、例えば、DVD(Digital Versatile disk)ドライブ装置に適用した場合を例に説明する。
【0011】
図1から図3に示すように、DVDドライブ装置11は、ケース12と、ケース12に対して前後方向に移動できるディスクトレイ13と、ケース12に対してディスクトレイ13を位置決めするための位置決め機構14と、を備えている。ディスクトレイ13は、図2に示すようにケース12の内部に収容された第1の位置P1と、図1と図3に示すようにケース12から外部に突出した第2の位置P2と、の間で移動することができる。もっとも、ディスクトレイ13は、図1と図3に示す状態からさらに前方に移動することができ、これに対して図示しない光ディスクを搭載したり、これから光ディスクを取り外したりできる。
【0012】
ケース12は、ベース部21と、ベース部21の周囲を覆うカバー22と、ベース部21に取り付けられた第1のプリント回路板23と、第1のプリント回路板23上に固定された第1のコネクタ24およびメインコネクタ25と、ディスクトレイ13の後述するレール27を案内するための案内溝部26と、を有している。第1のコネクタ24およびメインコネクタ25は、第1のプリント回路板23に電気的に接続されている。メインコネクタ25は、DVDドライブ装置11がパーソナルコンピュータに搭載された際に、パーソナルコンピュータ内のプリント回路板とDVDドライブ装置11との間で電気的な接続を確保するためのものである。第1のプリント回路板23は、配線32を含んでおり、配線32は、第1のコネクタ24とメインコネクタ25とを接続する。
【0013】
ディスクトレイ13は、樹脂製のトレイ本体33と、トレイ本体33上に設けられるとともに、光ディスクが載置される搭載部34と、搭載部34の中央部に設けられたディスクモータ35と、搭載部34に設けられたピックアップモジュール36と、トレイ本体33に取り付けられた第2のプリント回路板37と、第2のプリント回路板37上に固定された第2のコネクタ38と、トレイ本体33の側部に設けられた一対のレール27と、を有している。第2のコネクタ38は、第2のプリント回路板37と電気的に接続されている。
【0014】
図2に示すように、第2のコネクタ38は、ディスクトレイ13が第1の位置P1にあるときに第1のコネクタ24と接続されて、第1のコネクタ24と電気的に導通される。また、図1と図3に示すように、第2のコネクタ38は、ディスクトレイ13が第2の位置P2にあるときに第1のコネクタ24から分離される。
【0015】
位置決め機構14は、ケース12とディスクトレイ13との間に設けられている。すなわち、位置決め機構14は、ベース部21に取り付けられた凹部41と、ディスクトレイ13のトレイ本体33の基部に設けられた凸部42と、を有している。
【0016】
図1に示すように、凸部42は、上方から見て台形状に形成されている。凸部42は、左右一対の第1のスライド部42Aを有し、第1のスライド部42Aは、ディスクトレイ13の前進・後退する方向に対して斜めになっている。図3に示すように、凸部42は、側方から見て、台形状に形成されている。凸部42は、上下一対の第2のスライド部42Bを有し、第2のスライド部42Bは、ディスクトレイ13の前進・後退する方向に対して斜めになっている。すなわち、凸部42の全体形状は、第2の位置P2から第1の位置P1に向かう方向にいくにつれて細くなっている。この凸部42の内部に、第2のコネクタ38の基部が埋め込まれている。
【0017】
図1に示すように、凹部41は、上方から見てディスクトレイ13の方向に拡開した断面形状を有している。凹部41は、左右一対の第1のガイド部41Aを有しており、第1のガイド部41Aは、ディスクトレイ13の前進・後退する方向に対して斜めになっている。図3に示すように、凹部41は、側方から見てディスクトレイ13の方向に拡開した断面形状を有している。凹部41は、上下一対の第2のガイド部41Bを有しており、第2のガイド部41Bは、ディスクトレイ13の前進・後退する方向に対して斜めになっている。つまり、凹部41は、第1の位置P1から第2の位置P2に向かう方向にいくにつれて拡開しており、凸部42と相補的形状をなしている。図2に示すように、ディスクトレイ13が第1の位置P1にあるときには、凹部41に凸部42が差し込まれる。凹部41の底部に対応する箇所に、第1のコネクタ24が配置されている。
【0018】
続いて、ディスクトレイ13が第2の位置P2から第1の位置P1に後退する際の位置決め機構14の作用について、例えばディスクトレイ13の位置が右側下方に偏っている場合を例に説明する。ディスクトレイ13が第2の位置P2から第1の位置P1に移動すると、凸部42の右側の第1のスライド部42Aは、凹部41の右側の第1のガイド部41Aに接触する。同様に、凸部42の下方にある第2のスライド部42Bは、凹部41の下方にある第2のガイド部41Bに接触する。そして、ディスクトレイ13がさらに後退すると、ディスクトレイ13は第1のガイド部41Aおよび第2のガイド部41Bによって望ましい位置に案内される。こうして、図2に示すように、第1のコネクタ24に対して第2のコネクタ38が精度よく位置決めされ、第1のコネクタ24と第2のコネクタ38とが正しく接続される。これによって、第1のコネクタ24と第2のコネクタ38とが導通された状態になる。なお、ディスクトレイ13の位置が他の方向に偏っている場合も、第1のガイド部41Aと第2のガイド部41Bとの作用で、ディスクトレイ13が正しい位置に案内されることは同様である。
【0019】
以上が、光ディスクドライブ装置の第1の実施形態である。第1の実施形態によれば、DVDドライブ装置11は、ケース12と、ケース12の内部に収容された第1の位置P1と、ケース12から外部に突出した第2の位置P2との間で進退することが可能なディスクトレイ13と、ケース12に設けられた第1のプリント回路板23と、ディスクトレイ13に設けられた第2のプリント回路板37と、ケース12に設けられるとともに、第1のプリント回路板23に接続された第1のコネクタ24と、ディスクトレイ13に設けられるとともに、第2のプリント回路板37に接続され、ディスクトレイ13が第1の位置P1にあるときに第1のコネクタ24と導通されるとともに、ディスクトレイ13が第2の位置P2にあるときに第1のコネクタ24から分離される第2のコネクタ38と、ケース12とディスクトレイ13との間に設けられるとともに、ディスクトレイ13が第2の位置P2から第1の位置P1に移動する際に、第1のコネクタ24に対して第2のコネクタ38を位置決めする位置決め機構14と、を具備する。
【0020】
この構成によれば、ディスクトレイ13とケース12との間にフレキシブルプリントケーブルを設ける必要がないので、配線の長さを短くすることができる。これにより、例えばシリアルATA、シリアルATAIIのような高速でデータの転送を行う場合であっても、フレキシブルプリントケーブルから不要輻射となる電磁波が発生することを防止することができる。また、フレキシブルプリントケーブルが不要であることから、外部からのノイズの影響を受けることを極力少なくすることができる。さらに、近年では、光ディスクドライブ装置に用いられる伝送規格が高速伝送路であるシリアルATAとなっており、伝送配線にも厳しいスペックが要求されるようになっている。本実施形態のように、ケース12とディスクトレイ13とをコネクタで接合するようにすれば、シリアルATAの規格を満たす伝送特性を容易に得ることができる。
【0021】
また、フレキシブルプリントケーブルが不要であるので、ディスクトレイ13をケース12に対して着脱可能(リムーバブル)に構成することができる。これにより、ディスクトレイ13を交換するだけで、故障時の交換や、上位機種へのアップグレード等を容易に行うことができる。アップグレードとしては、例えば、DVD−ROMから大容量のHD−DVD(High Definition Digital Versatile disk)に変更することが可能である。
【0022】
また、第1のコネクタ24に第2のコネクタ38を精度よく位置決めすることができるため、第2のコネクタ38がずれた状態で第1のコネクタ24に挿入されることがなく、第1のコネクタ24および第2のコネクタ38の耐久性を向上することができる。
【0023】
この場合、位置決め機構14は、ディスクトレイ13の基部に設けられるとともに、第2の位置P2から第1の位置P1に向かう方向にいくにつれて細くなる凸部42と、ケース12に形成され、凸部42と相補的形状をなすとともに、ディスクトレイ13が第2の位置P2から第1の位置P1に移動する際に凸部42が差し込まれる凹部41と、を備える。この構成によれば、高精度な位置決め機構14を簡単な構成で実現することができる。
【0024】
続いて、図4から図6を参照して、光ディスクドライブ装置の第2の実施形態について、DVD(Digital Versatile disk)ドライブ装置に適用した場合を例に説明する。第2の実施形態のDVDドライブ装置51は、第1のプリント回路板52の配置および第1のコネクタ53の形状が第1の実施形態と異なっているが、他の部分は共通している。このため、主として第1の実施形態と異なる部分について説明し、第1の実施形態と共通する箇所については共通の符号を付して説明を省略する。
【0025】
第2の実施形態にかかるDVDドライブ装置51は、パーソナルコンピュータの筐体の内部に搭載されている。図4に示すように、DVDドライブ装置51は、ケース12と、ケース12に対して前後方向に移動できるディスクトレイ13と、ケース12に対してディスクトレイ13を位置決めするための位置決め機構14と、を備えている。ディスクトレイ13は、図5に示すようにケース12の内部に収容された第1の位置P1と、図4と図6に示すようにケース12から外部に突出した第2の位置P2と、の間で移動することができる。
【0026】
一方、パーソナルコンピュータは、その筐体の内部で、DVDドライブ装置51のケース12の外部に、第1のプリント回路板52を有している。第1のプリント回路板52は、CPU等を実装しており、パーソナルコンピュータのいわゆるメイン基板をなしている。第1のプリント回路板52上には、ディスクトレイ13に接続するための第1のコネクタ53が実装されている。なお、本発明にいうDVDドライブ装置51は、第1のプリント回路板52と、第1のコネクタ53とを含んだ概念である。
【0027】
ケース12は、ベース部21と、ベース部21の周囲を覆うカバー22と、ディスクトレイ13の後述するレール27を案内するための案内溝部26と、を有している。ベース部21は、前記第1のコネクタ53を通すための開口部54を有している。第1のコネクタ53は、開口部54を貫通しており、第2のコネクタ38と接続するための接続部がケース12の内部に配置されている。
【0028】
ディスクトレイ13は、第1の実施形態と同形態に形成されている。ディスクトレイ13は、トレイ本体33に取り付けられた第2のプリント回路板37と、第2のプリント回路板37上に固定された第2のコネクタ38と、を有している。第2のコネクタ38は、第2のプリント回路板37と電気的に接続されている。
【0029】
図5に示すように、第2のコネクタ38は、ディスクトレイ13が第1の位置P1にあるときに第1のコネクタ53と接続されて、第1のコネクタ53と電気的に導通される。また、図4と図6に示すように、第2のコネクタ38は、ディスクトレイ13が第2の位置P2にあるときに第1のコネクタ53から分離される。
【0030】
位置決め機構14は、ケース12とディスクトレイ13との間に設けられている。すなわち、位置決め機構14は、ベース部21に取り付けられた凹部41と、ディスクトレイ13のトレイ本体33の基部に設けられた凸部42と、を有している。
【0031】
図4と図6に示すように、凸部42および凹部41は、第1の実施形態のものと同形態に形成されている。
【0032】
ディスクトレイ13が第2の位置P2から第1の位置P1に移動すると、凸部42の左右に位置する第1のスライド部42Aは、凹部41の左右に位置する第1のガイド部41Aに接触する。同様に、凸部42の上下にある第2のスライド部42Bは、凹部41の上下にある第2のガイド部41Bに接触する。そして、ディスクトレイ13がさらに後退すると、ディスクトレイ13は第1のガイド部41Aおよび第2のガイド部41Bによって望ましい位置に案内される。こうして、第1のコネクタ53に対して第2のコネクタ38が精度よく位置決めされ、第1のコネクタ53と第2のコネクタ38とが正しく接続される。
【0033】
第2の実施形態によれば、DVDドライブ装置51は、ケース12と、ケース12の内部に収容された第1の位置P1と、ケース12から外部に突出した第2の位置P2との間で進退することが可能なディスクトレイ13と、ケース12の外部に設けられた第1のプリント回路板52と、ディスクトレイ13に設けられた第2のプリント回路板37と、ケース12の内部に配置にされるとともに、第1のプリント回路板52に接続された第1のコネクタ53と、ディスクトレイ13に設けられるとともに、第2のプリント回路板37に接続され、ディスクトレイ13が第1の位置P1にあるときに第1のコネクタ53と導通されるとともに、ディスクトレイ13が第2の位置P2にあるときに第1のコネクタ53から分離される第2のコネクタ38と、ケース12とディスクトレイ13との間に設けられるとともに、ディスクトレイ13が第2の位置P2から第1の位置P1に移動する際に、第1のコネクタ53に対して第2のコネクタ38を位置決めする位置決め機構14と、を具備する。
【0034】
この構成によれば、パーソナルコンピュータのメイン基板である第1のプリント回路板52と、ディスクトレイ13の第2のプリント回路板37と、を第1のコネクタ53および第2のコネクタ38を介して直接接続することができる。これにより、第1の実施形態のように、ケース12にメインコネクタ25を設ける必要がなく、構造を簡略化するとともに、信号の伝送効率を向上することができる。
【0035】
この場合、位置決め機構14は、ディスクトレイ13の基部に設けられるとともに、第2の位置P2から第1の位置P1に向かう方向にいくにつれて細くなる凸部42と、ケース12に形成され、凸部42と相補的形状をなすとともに、ディスクトレイ13が第2の位置P2から第1の位置P1に移動する際に凸部42が差し込まれる凹部41と、を備える。この構成によれば、高精度な位置決め機構を簡単な構成で実現できる。
【0036】
続いて、図7から図9を参照して、光ディスクドライブ装置の第3の実施形態について、DVD(Digital Versatile disk)ドライブ装置に適用した場合を例に説明する。第3の実施形態のDVDドライブ装置61は、フレキシブルプリントケーブル62を用いている点で第1の実施形態と異なっているが、他の部分は共通している。このため、主として第1の実施形態と異なる部分について説明し、第1の実施形態と共通する箇所については共通の符号を付して説明を省略する。
【0037】
図7に示すように、DVDドライブ装置61は、ケース12と、ケース12に対して前後に移動できるディスクトレイ13と、ケース12に対してディスクトレイ13を位置決めするための位置決め機構14と、を備えている。ディスクトレイ13は、図8に示すようにケース12の内部に収容された第1の位置P1と、図7と図9に示すようにケース12から外部に突出した第2の位置P2と、の間で移動することができる。
【0038】
ケース12は、ベース部21と、ベース部21の周囲を覆うカバー22と、ベース部21に取り付けられた第1のプリント回路板23と、第1のプリント回路板23上に固定された第1のコネクタ24およびメインコネクタ25と、ディスクトレイ13の後述するレール27を案内するための案内溝部26と、を有している。第1のコネクタ24は、第1のプリント回路板23に電気的に接続されている。第1のコネクタ24は、高速の信号をやり取りするための複数のピンを有している。
【0039】
ディスクトレイ13は、樹脂製のトレイ本体33と、トレイ本体33上に設けられるとともに、光ディスクが載置される搭載部34と、搭載部34の中央部に設けられたディスクモータ35と、搭載部34に設けられたピックアップモジュール36と、トレイ本体33に取り付けられた第2のプリント回路板37と、第2のプリント回路板37上に固定された第2のコネクタ38と、トレイ本体33の側部に設けられた一対のレール27と、を有している。第2のコネクタ38は、第2のプリント回路板37と電気的に接続されている。第2のコネクタ38は、高速の信号をやり取りするための複数のピンを有している。
【0040】
図8に示すように、第2のコネクタ38は、ディスクトレイ13が第1の位置P1にあるときに第1のコネクタ24と接続されて、第1のコネクタ24と電気的に導通される。また、図7と図9に示すように、第2のコネクタ38は、ディスクトレイ13が第2の位置P2にあるときに第1のコネクタ24から分離される。
【0041】
DVDドライブ装置61は、ケース12の第1のプリント回路板23とディスクトレイ13の第2のプリント回路板37とを接続する電力線であるフレキシブルプリントケーブル62をさらに備えている。フレキシブルプリントケーブル62は、第1のプリント回路板23から第2のプリント回路板37に電力を供給することができる。第2のプリント回路板37に供給された電力は、さらに、ディスクモータ35とピックアップモジュール36とに供給される。本実施形態のDVDドライブ装置61では、高速の信号は第1のコネクタ24および第2のコネクタ38を介して伝送され、電力は、フレキシブルプリントケーブル62を介して伝達される。
【0042】
位置決め機構14は、ケース12とディスクトレイ13との間に設けられている。位置決め機構14は、ベース部21に取り付けられた凹部41と、ディスクトレイ13のトレイ本体33の基部に設けられた凸部42と、を有している。図7と図9に示すように、凸部42および凹部41は、第1の実施形態のものと同形態に形成されている。
【0043】
ディスクトレイ13が第2の位置P2から第1の位置P1に移動すると、凸部42の左右に位置する第1のスライド部42Aは、凹部41の左右に位置する第1のガイド部41Aに接触する。同様に、凸部42の上下にある第2のスライド部42Bは、凹部41の上下にある第2のガイド部41Bに接触する。そして、ディスクトレイ13がさらに後退すると、ディスクトレイ13は第1のガイド部41Aおよび第2のガイド部41Bによって望ましい位置に案内される。こうして、第1のコネクタ24に対して第2のコネクタ38が精度よく位置決めされ、第1のコネクタ24と第2のコネクタ38とが正しく接続される。
【0044】
第3の実施形態によれば、DVDドライブ装置61は、ケース12と、ケース12の内部に収容された第1の位置P1と、ケース12から外部に突出した第2の位置P2との間で進退することが可能なディスクトレイ13と、ケース12に設けられた第1のプリント回路板23と、ディスクトレイ13に設けられた第2のプリント回路板37と、ケース12に設けられるとともに、第1のプリント回路板23に接続された第1のコネクタ24と、ディスクトレイ13に設けられるとともに、第2のプリント回路板37に接続され、ディスクトレイ13が第1の位置P1にあるときに第1のコネクタ24と導通されるとともに、ディスクトレイ13が第2の位置P2にあるときに第1のコネクタ24から分離される第2のコネクタ38と、第1のプリント回路板23と、第2のプリント回路板37とを接続するとともに、第1のプリント回路板23から第2のプリント回路板37に電力を供給する電力線であるフレキシブルプリントケーブル62と、ケース12とディスクトレイ13との間に設けられるとともに、ディスクトレイ13が第2の位置P2から第1の位置P1に移動する際に、第2のコネクタ38に対して第1のコネクタ24を位置決めする位置決め機構14と、を具備する。
【0045】
この構成によれば、高速の信号をやり取りする信号線のみを第1のコネクタ24と第2のコネクタ38に配置することができる。これにより、フレキシブルプリントケーブル62から照射される不要輻射の電磁波を低減するとともに、外部からのノイズの影響を低減することができる。一方、電力線に関しては、もともと太い配線で形成することが一般的であるので、フレキシブルプリントケーブル62から照射される不要輻射の量は少ないものになっている。
【0046】
また、通常、電力線をコネクタに形成する際には、加熱による破損を防止する観点から、複数のピンを電力線として使用される。上記構成によれば、第1のコネクタ24および第2のコネクタ38に用いられるピン数を低減することができ、第1のコネクタ24と第2のコネクタ38とを抜き差しする際に、ディスクトレイ13にかかる負荷を低減することができる。また、コネクタのピン数を低減できれば、コネクタの製造コスト低減することができる。
【0047】
なお、本実施形態では、電力線をフレキシブルプリントケーブル62で構成するようにしているが、これに限定されるものではない。すなわち、第1のプリント回路板23から第2のプリント回路板37への給電は、一対のレール27および案内溝部26を介して行うようにしてもよい。このようにすれば、フレキシブルプリントケーブル62を用いる必要がなく、ディスクトレイ13をケース12に対して着脱可能(リムーバブル)に構成することができる。
【0048】
この場合、位置決め機構14は、ディスクトレイ13の基部に設けられるとともに、第2の位置P2から第1の位置P1に向かう方向にいくにつれて細くなる凸部42と、ケース12に形成され、凸部42と相補的形状をなすとともに、ディスクトレイ13が第2の位置P2から第1の位置P1に移動する際に凸部42が差し込まれる凹部41と、を備える。この構成によれば、高精度な位置決め機構14を簡単な構成で実現することができる。
【0049】
本発明の光ディスクドライブ装置は、DVDドライブ装置11、51、61用に限らず、例えばCD(Compact Disk)ドライブ装置のようなその他の電子機器に対しても実施可能である。その他、光ディスクドライブ装置は、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】第1の実施形態に係るDVDドライブ装置の横方向に沿った断面図。
【図2】図1に示すDVDドライブ装置のディスクトレイが第1の位置にある状態を示す断面図。
【図3】図1に示すDVDドライブ装置の縦方向に沿った断面図。
【図4】第2の実施形態に係るDVDドライブ装置の横方向に沿った断面図。
【図5】図4に示すDVDドライブ装置のディスクトレイが第1の位置にある状態を示す断面図。
【図6】図4に示すDVDドライブ装置の縦方向に沿った断面図。
【図7】第3の実施形態に係るDVDドライブ装置の横方向に沿った断面図。
【図8】図7に示すDVDドライブ装置のディスクトレイが第1の位置にある状態を示す断面図。
【図9】図7に示すDVDドライブ装置の縦方向に沿った断面図。
【符号の説明】
【0051】
11…DVDドライブ装置、12…ケース、13…ディスクトレイ、14…位置決め機構、23…第1のプリント回路板、24…第1のコネクタ、37…第2のプリント回路板、38…第2のコネクタ、41…凹部、41A…第1のガイド部、41B…第2のガイド部、42…凸部、51…DVDドライブ装置、52…第1のプリント回路板、53…第1のコネクタ、61…DVDドライブ装置、62…フレキシブルプリントケーブル、P1…第1の位置、P2…第2の位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
前記ケースの内部に収容された第1の位置と、前記ケースから外部に突出した第2の位置との間で進退することが可能なディスクトレイと、
前記ケースに設けられた第1のプリント回路板と、
前記ディスクトレイに設けられた第2のプリント回路板と、
前記ケースに設けられるとともに、前記第1のプリント回路板に接続された第1のコネクタと、
前記ディスクトレイに設けられるとともに、前記第2のプリント回路板に接続され、前記ディスクトレイが前記第1の位置にあるときに前記第1のコネクタと導通されるとともに、前記ディスクトレイが前記第2の位置にあるときに前記第1のコネクタから分離される第2のコネクタと、
前記ケースと前記ディスクトレイとの間に設けられるとともに、前記ディスクトレイが前記第2の位置から前記第1の位置に移動する際に、前記第1のコネクタに対して前記第2のコネクタを位置決めする位置決め機構と、
を具備することを特徴とする光ディスクドライブ装置。
【請求項2】
前記位置決め機構は、
前記ディスクトレイの基部に設けられるとともに、前記第2の位置から前記第1の位置に向かう方向にいくにつれて細くなる凸部と、
前記ケースに形成され、前記凸部と相補的形状をなすとともに、前記ディスクトレイが前記第1の位置にあるときに前記凸部が差し込まれる凹部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項3】
ケースと、
前記ケースの内部に収容された第1の位置と、前記ケースから外部に突出した第2の位置との間で進退することが可能なディスクトレイと、
前記ケースの外部に設けられた第1のプリント回路板と、
前記ディスクトレイに設けられた第2のプリント回路板と、
前記ケースの内部に配置にされるとともに、前記第1のプリント回路板に接続された第1のコネクタと、
前記ディスクトレイに設けられるとともに、前記第2のプリント回路板に接続され、前記ディスクトレイが前記第1の位置にあるときに前記第1のコネクタと導通されるとともに、前記ディスクトレイが前記第2の位置にあるときに前記第1のコネクタから分離される第2のコネクタと、
前記ケースと前記ディスクトレイとの間に設けられるとともに、前記ディスクトレイが前記第2の位置から前記第1の位置に移動する際に、前記第1のコネクタに対して前記第2のコネクタを位置決めする位置決め機構と、
を具備することを特徴とする光ディスクドライブ装置。
【請求項4】
前記位置決め機構は、
前記ディスクトレイの基部に形成されるとともに、前記第2の位置から前記第1の位置に向かう方向にいくにつれて細くなる凸部と、
前記ケースに形成され、前記凸部と相補的形状をなすとともに、前記ディスクトレイが前記第1の位置にあるときに前記凸部が差し込まれる凹部と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項5】
ケースと、
前記ケースの内部に収容された第1の位置と、前記ケースから外部に突出した第2の位置との間で進退することが可能なディスクトレイと、
前記ケースに設けられた第1のプリント回路板と、
前記ディスクトレイに設けられた第2のプリント回路板と、
前記ケースに設けられるとともに、前記第1のプリント回路板に接続された第1のコネクタと、
前記ディスクトレイに設けられるとともに、前記第2のプリント回路板に接続され、前記ディスクトレイが前記第1の位置にあるときに前記第1のコネクタと導通されるとともに、前記ディスクトレイが前記第2の位置にあるときに前記第1のコネクタから分離される第2のコネクタと、
前記第1のプリント回路板と、前記第2のプリント回路板とを接続するとともに、前記第1のプリント回路板から前記第2のプリント回路板に電力を供給する電力線と、
前記ケースと前記ディスクトレイとの間に設けられるとともに、前記ディスクトレイが前記第2の位置から前記第1の位置に移動する際に、前記第1のコネクタに対して前記第2のコネクタを位置決めする位置決め機構と、
を具備することを特徴とする光ディスクドライブ装置。
【請求項6】
前記位置決め機構は、
前記ディスクトレイの基部に形成されるとともに、前記第2の位置から前記第1の位置に向かう方向にいくにつれて細くなる凸部と、
前記ケースに形成され、前記凸部と相補的形状をなすとともに、前記ディスクトレイが前記第1の位置にあるときに前記凸部が差し込まれる凹部と、
を備えることを特徴とする請求項5に記載の光ディスクドライブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−48698(P2009−48698A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−213881(P2007−213881)
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】