説明

光ディスク再生装置及びエラー箇所表示方法並びにエラー箇所表示プログラム

【課題】光ディスクのエラー箇所を具体的に提示できるようにする。
【解決手段】制御部11は、文字列開始位置CSと対応付けられたトラック開始位置TSにおいてエンコーダ15Eから得られるカウント値CTをリセットしておき、エラー箇所EPについて、アドレス情報ADを半径位置情報PDに換算し、カウント値CTを基に開始線LSを基準とした角度情報PAを生成すると共に、当該半径位置情報PD及び当該角度情報PAをエラーレベル情報ELと共に一組のエラー箇所情報IEPとし、ディスク画像DD上に文字列Cを表す指標画像DC及びエラー箇所EPの位置を示すエラー箇所画像DEを重畳してエラーマップ画像DEMを生成し表示させることにより、ユーザにより視認可能な文字列開始位置CSを指標として、エラーが生じた箇所を具体的に提示することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ディスク再生装置及びエラー箇所表示方法並びにエラー箇所表示プログラム
に関し、例えば光ディスクに記録された映像を再生する光ディスク再生装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光ディスク再生装置においては、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)、或いはBD(Blu-ray Disc、登録商標)等の光ディスクに記録された映像データや音楽データ、或いはコンピュータ等で利用される種々のデータを再生し得るようになされたものが広く普及している。
【0003】
かかる光ディスク再生装置では、一般に、ユーザにより所望の光ディスクに交換された上で、各種データ等の記録又は再生を行うことを前提としている。このため光ディスクは、実際にユーザに取り扱われる際に、その表面に埃等の異物が付着する可能性がある。
【0004】
このように光ディスクの表面に異物が付着すると、光ディスク再生装置は、当該異物が付着した箇所からデータを正しく読み出せない場合があり、このときエラーを検出することになる(以下、エラーを検出した箇所をエラー箇所と呼ぶ)。
【0005】
この場合光ディスク再生装置は、ユーザのクリーニング作業等によりエラー箇所から異物が除去されれば、当該エラー箇所からデータを正しく読み出し得る可能性がある。
【0006】
一方、光ディスクでは、一般に螺旋状にトラックが形成されており、当該トラックに一連のアドレスが付与されている。このため光ディスク再生装置では、エラー箇所をアドレスにより特定することができる。
【0007】
そこで光ディスク再生装置のなかには、エラー箇所のアドレスを基に、当該アドレスを当該光ディスクの中心からの半径位置に換算し、画像により当該エラー箇所の半径を提示してクリーニング等を促すようになされたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−80349公報(第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながらかかる構成の光ディスク再生装置は、光ディスクにおけるエラー箇所の半径位置をユーザに提示することはできるものの、その具体的な位置、すなわち円周方向に関する角度についてまでは提示できないため、ユーザにクリーニング作業等を行うべき具体的な位置を認識させることができない。
【0009】
このためユーザは、提示された半径上を目視してエラー箇所を特定する必要がある。しかしながら、例えば異物が極めて小さく視認しづらいような場合、当該ユーザは、目視だけでは当該エラー箇所を特定できない可能性があり、クリーニング作業等を行ったとしても当該光ディスクから異物を除去し得ない可能性がある。
【0010】
すなわち光ディスク再生装置は、エラー箇所の半径位置を提示しただけでは異物が適切に除去されない可能性があり、結果的にエラー箇所のデータを正しく読み出し得ない、という問題があった。
【0011】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、光ディスクのエラー箇所を具体的に提示し得る光ディスク装置及びエラー箇所表示方法並びにエラー箇所表示プログラムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる課題を解決するため本発明においては、所定の読出部により、螺旋状又は同心円状にトラックが形成された光ディスクの照射面から光ビームを照射し情報を読み出し、読出部による情報の読出結果を基に、光ディスクから情報を正常に読み出し得ないエラー箇所を特定し、エラー箇所について、照射面に目視可能に設けられた指標を基準とした光ディスクの回転方向に関する回転角度と光ディスクの中心からの半径距離とを、当該エラー箇所の位置情報として算出し、光ディスクの照射面を示す光ディスク画像上に、指標の位置を示す指標画像と位置情報に基づいた指標に対するエラー箇所の相対的な位置を示すエラー箇所画像とを重畳したエラー箇所提示画像を生成し、エラー箇所提示画像を所定の表示部に表示するようにした。
【0013】
これにより本発明では、エラー箇所について、指標を基準とした回転方向に関する角度と中心からの半径距離とを算出した上で、指標画像及びエラー箇所画像を重畳したエラー箇所提示画像として提示することにより、指標に対するエラー箇所の相対的な位置を示すことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、エラー箇所について、指標を基準とした回転方向に関する角度と中心からの半径距離とを算出した上で、指標画像及びエラー箇所画像を重畳したエラー箇所提示画像として提示することにより、指標に対するエラー箇所の相対的な位置を示すことができ、かくして光ディスクのエラー箇所を具体的に提示し得る光ディスク装置及びエラー箇所表示方法並びにエラー箇所表示プログラムを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0016】
(1)第1の実施の形態
(1−1)光ディスク再生システム及び光ディスク再生装置の構成
図1に示すように、光ディスク再生システム1は、光ディスク100を再生する光ディスク再生装置2と、映像を表示する表示装置4とが接続ケーブル3を介して接続された構成を有している。
【0017】
光ディスク100は、例えばDVDメディアでなり、映像や音声等が符号化されデータとして記録されている。光ディスク再生装置2は、ユーザの操作等に応じて光ディスク100からデータを読み出し、復号化処理等を行うことにより映像信号SVを再生し、接続ケーブル3を介して当該映像信号SVを表示装置4へ送出する。表示装置4は、映像信号SVに基づいた映像を表示画面4Dに表示する。
【0018】
かくして光ディスク再生システム1は、光ディスク100に記録されている映像等を再生してユーザに視聴させるようになされている。
【0019】
光ディスク再生装置2は、図2に示すように、光ディスク100に対して光ビームを照射し、トラッキング制御及びフォーカス制御を行った上で、映像等の再生を行うようになされている。
【0020】
光ディスク再生装置2は、制御部11により全体を統括制御するようになされている。制御部11は、内部にCPU(Central Processing Unit)21を有すると共に、バス22を介して当該CPU21、ROM(Read Only Memory)23、RAM(Random Access Memory)24及びインタフェース(I/F)25が互いに接続されている。
【0021】
制御部11のCPU21は、ROM23から基本プログラムやエラーマップ表示プログラム等の各種プログラムを読み出し、これらをRAM24に展開することにより、再生処理等の各種処理を実行し、またインタフェース25を介して外部機器(図示せず)等との間で各種データ等の通信処理を行い得るようになされている。
【0022】
例えば制御部11は、光ディスク100が装填された状態で、操作部(図示せず)を介したユーザの操作等により再生指示を受け付けると、駆動命令及び再生アドレス情報を駆動部12へ供給する。
【0023】
図3に示すように、光ディスク100の記録層には、螺旋状のトラックTが形成されると共に、当該トラックTRの位置を特定するためのアドレスが適宜割り付けられている。再生アドレス情報は、データを再生すべきトラックT(以下、これを目標トラックと呼ぶ)のアドレスを示す情報である。
【0024】
駆動部12(図2)は、制御部11から供給される駆動命令に従ってスピンドルモータ15を駆動制御することにより、ターンテーブル15Aに装着された光ディスク100を所定の回転速度で回転させる。
【0025】
またスピンドルモータ15には、エンコーダ15Eが取り付けられており、ターンテーブル15Aの回転角度に応じてパルス状に変化する回転信号SRを生成し、これを制御部11へ供給する。
【0026】
エンコーダ15Eは、回転信号SRとして、例えばターンテーブル15Aが1回転する間にパルスを360個発生させるように、すなわち約1度回転するごとに1パルスを発生させるようになされている。
【0027】
駆動部12は、スレッドモータ16を駆動制御することにより、光ピックアップ17を移動軸に沿って光ディスク100の径方向(すなわち内周方向又は外周方向)における再生アドレス情報に対応した位置へ移動させる。
【0028】
光ピックアップ17は、内部のレーザダイオード(図示せず)から波長約660[nm]の赤色レーザ光でなる光ビームを所定の強度で出射させ、対物レンズ18により当該光ビームを集光し、光ディスク100に照射する。
【0029】
このとき光ピックアップ17は、駆動部12の制御に基づいて対物レンズ18のフォーカス制御及びトラッキング制御を行うことにより、光ディスク100の記録層に形成されているトラックTのうち目標とするトラックTに光ビームの照射位置を追従させる。
【0030】
また光ピックアップ17は、光ディスク100の記録層により光ビームが反射されてなる反射光ビームを検出し、その光量に応じた検出信号を信号処理部13へ供給するようになされている。
【0031】
信号処理部13は、供給された検出信号に対して所定の復調処理を施すことにより、符号「0」又は「1」でなる符号列に変換する。さらに信号処理部13は、当該符号列に対し所定の復号化処理を施すと共に必要に応じてエラー訂正処理を行うことにより、映像等を表すデータDTを生成し、これを制御部11へ供給する。
【0032】
制御部11は、このデータDTを表示処理部19へ送出する。表示処理部19は、データDTを基に映像信号SVを生成し、これを表示装置4へ送出するようになされている。
【0033】
ところで光ディスク100に記録されている符号列は、予め所定単位数ごとに冗長な符号(いわゆるパリティ符号)が付加されている。このパリティ符号は、所定単位数内で所定数以下の符号が誤っている(エラーが生じている)場合に、当該エラーが生じた符号を訂正し得るよう予め選定されたものである。
【0034】
そこで信号処理部13は、この冗長な符号を用いて所定のパリティ演算処理等を行うことにより、符号レベルでエラーが含まれているか否か、またエラーが含まれている場合には訂正可能であるか否かを判断する。さらに信号処理部13は、訂正可能であればエラー訂正処理を行うことにより当該エラーを訂正するようになされている。
【0035】
その後信号処理部13は、データDTに加えて、そのときデータDTを読み出したアドレスを表すアドレス情報ADと、読み出した符号にエラーが含まれているか否か、及びエラー訂正したか否かを示すエラー情報ERとを、制御部11へ供給するようになされている。
【0036】
このように光ディスク再生装置2は、光ディスク100の記録層から得られる反射光ビームを検出し、必要に応じてエラー訂正処理を行った上でデータDTを生成し、これを基に映像信号SVを生成するようになされている。
【0037】
(1−2)光ディスクの構成
ところで光ディスク100は、図3に示したように、光ビームが照射される照射面100A側から見て、トラックTが形成されデータDTが記録される記録領域AR2の内周側に、データDTが記録されない非記録領域AR1が設けられている。
【0038】
この非記録領域AR1は、光ディスクの製造時に管理等の目的で文字列や記号等(以下、これを文字列CHと呼ぶ)が記録されるようになされている。文字列CHは、その表す意味合い等については必ずしもユーザが理解できないものの、当該文字列CHの存在及びその文字種類或いは形状等については当該ユーザが視認できるものである。
【0039】
一方、記録領域AR2は、その最内周側からトラックTが螺旋状に形成されている。さらに光ディスク100は、トラックTの開始位置(以下、これをトラック開始位置TSと呼ぶ)が文字列Cの開始位置(以下、これを文字列開始位置CSと呼ぶ)と対応付けされている。この対応付けは、一般的なDVDメディアの規格に準拠した範囲内ではあるものの、当該規格には定義されていない。
【0040】
すなわち光ディスク100では、トラック開始位置TSが、回転中心Q及び文字列開始位置CSの近傍を通る仮想的な開始線LSに合わせて設けられている。
【0041】
因みに光ディスク100は、その製造過程において、予め文字列C及びトラックTの位置が揃えられた「スタンパ」等が用いられることにより、文字列C及びトラックTが位置を揃えた状態で一度に成形されるようになされている。
【0042】
また記録領域AR2には、トラック開始位置TSから所定トラック数でなるリードイン領域が設けられ、データの再生等に必要なアドレス管理情報等が格納されている。さらに記録領域AR2には、リードイン領域に続いて映像データ等が格納されるユーザデータ領域が設けられている。
【0043】
このように光ディスク100は、ユーザにより目視可能な文字列Cの文字列開始位置CSと対応付けて、トラック開始位置TSからトラックTが形成されている。以下では、このように文字列C及びトラック開始位置TSが位置を揃えて形成された光ディスク100を「マップディスク」とも呼ぶ。
【0044】
(1−3)エラーマップの表示
ところで光ディスク再生装置2は、光ディスク100から映像等を再生する際にエラーが生じた場合であっても、上述したように、当該エラーが生じた箇所(以下これをエラー箇所EPと呼ぶ)のクリーニング等が適切に行われることにより、当該エラー箇所EPから正常にデータDTを読み出し得る可能性がある。
【0045】
そこで光ディスク再生装置2は、光ディスク100を照射面100A側から見たときの図としてエラー箇所EPの位置を示す「エラーマップ」を生成し、これを表示装置4の表示画面4Dに表示させるようになされている。
【0046】
すなわち制御部11は、表示制御部19を制御することにより、図4に示すメニュー画面DMNを生成し、これを表示装置4の表示画面4Dに表示させることにより、エラーマップの表示を行うか否かをユーザに指示させる。
【0047】
因みにメニュー画面DMNは、いわゆるGUI(Graphical User Interface)画面でなり、画面内にボタンB1及びB2が配置されている。ボタンB1は、エラーマップの作成指示を受け付けるためのボタンであり、ボタンB2はエラーマップを作成しない指示を受け付けるためのボタンである。
【0048】
制御部11は、ユーザの操作によりボタンB1の選択操作を受け付けると、ROM23からエラーマップ表示プログラムを読み出して実行することにより、エラーマップ表示処理を開始する。
【0049】
このとき制御部11は、図5に示すように、その内部において複数の機能ブロックを構成するようになされている。
【0050】
まず制御部11は、駆動部12を介して光ディスク100を回転駆動させると共に、光ピックアップ17を最内周側へ移動させ、トラック開始位置TS(図3)からデータDTに相当する符号を順次読み出していく。
【0051】
また制御部11は、スピンドルモータ15のエンコーダ15Eから回転信号SRを位置算出部32へ供給する。
【0052】
位置算出部32は、回転角度算出部32Bにおいて、トラック開始位置TSのデータDTを読み出したときのカウント値を「0」として、入力されるパルスの数を計数してカウント値CTとするようになされている。
【0053】
また回転角度算出部32Bは、ターンテーブル15Aの1回転ぶんに相当する360パルスごとにカウント値CTをリセットするようになされている。これによりカウント値CTは、光ディスク100にそのとき光ビームを照射している箇所の開始線LSからの回転角度を表すことになる。
【0054】
その後制御部11は、エラー箇所特定部31へエラー情報ER及びアドレス情報ADを供給することにより、光ディスク100から読み出した符号にエラーが含まれていたか否かをアドレスごとに判定させる。
【0055】
ここで読み出した符号にエラーが含まれていた場合、エラー箇所特定部31は、光ディスク100においてそのとき光ビームを照射していた箇所をエラー箇所EPとして特定すると共に、そのアドレスをエラーアドレス情報EAとし、また訂正できたか否かをエラーレベル情報ELとして、両者を位置算出部32へ供給する。
【0056】
位置算出部32は、エラーアドレス情報EA及びエラーレベル情報ELを取得した場合、当該エラーアドレス情報EAを半径位置算出部32Aへ供給する。半径位置算出部32Aは、エラーアドレス情報EAを基に、このとき読み出している箇所の中心点Qからの距離を算出し、これを半径位置情報PDとする。
【0057】
因みに半径位置算出部32Aは、例えば所定の関数を用いてアドレスから半径に換算しても良く、或いは所定のテーブル等を用いてアドレスから半径に換算しても良い。
【0058】
また回転角度算出部32Bは、このときのカウント値CTを基に、エラー箇所EPの角度を表す角度情報PAを生成する。この角度情報PAは、文字列開始位置CS及び開始線LSに対する相対的な回転角度を表す値となる。
【0059】
さらに位置算出部32は、エラーレベル情報ELと、半径位置情報PDと、角度情報PAとを一組のエラー箇所情報IEPとして記憶部33に記憶させる。
【0060】
すなわち位置算出部32は、図6(A)に示すように、エラー箇所EPについてエラーアドレス情報EA及びエラーレベル情報EL並びにカウント値CTを逐次取得する。さらに位置算出部32は、エラーアドレス情報EAを半径位置情報PDに換算し、カウント値CTを角度情報PAに換算した上で、図6(B)に示すように一組のエラー箇所情報IEP(すなわちエラー箇所情報IEP1、IEP2及びIEP3等)として記憶部33に蓄積していく。
【0061】
ここで各エラー箇所情報IEP(IEP1〜IEP3)は、図6(C)に示すように、光ディスク100の照射面100A上におけるエラー箇所EP(EP1〜EP3)を、開始線LSを基準とした、すなわち文字列開始位置CSを指標とした具体的な位置として示す情報となる。
【0062】
制御部11は、エラー箇所特定部31により全てのアドレスについてエラーが含まれていたか否かの判別を終了すると、続いて画像生成部34によりエラーマップを生成させる。
【0063】
上述した「マップディスク」では、予め文字列Cの内容が定められており、当該文字列Cは予めROM23(図2)等に記憶されている。指標画像生成部34Aは、当該ROM23から文字列Cを読み出し、これをディスク画像DDに合わせて円弧状に配列することにより指標画像DCを生成する。
【0064】
画像生成部34は、光ディスク100を表すディスク画像DDを生成し、指標画像生成部34Aにより生成された指標画像DCを重畳画像生成部34Cにより当該ディスク画像DD上に重畳する。
【0065】
さらに画像生成部34は、エラー箇所画像生成部34Bによって記憶部33からエラー箇所情報IEPを順次読み出し、当該エラー箇所情報IEPが示す箇所を周囲の表示色と相違させることによりエラー箇所画像DEを生成し、これを重畳画像生成部34Cによりディスク画像DD上に順次重畳していく。
【0066】
このときエラー箇所画像DEは、エラー箇所情報IEPの半径位置情報PD及び角度情報PAを基に、指標画像DCに対する相対的な位置を算出した上で重畳される。またエラー箇所画像DEは、エラーレベル情報ELに応じて、エラー訂正できた箇所及びエラー訂正できなかった箇所がそれぞれ「軽度のエラー」及び「深刻なエラー」とされ、それぞれの表示色が相違されている。
【0067】
画像生成部34は、このようにしてエラーマップ画像DEMを生成し、表示処理部19(図2)を介して表示装置4へ送出させる。この結果、表示装置4の表示画面4Dには、図7に示すようなエラー箇所提示画像としてのエラーマップ画像DEMが表示される。また光ディスク再生装置2は、光ディスク100を排出する。
【0068】
これに応じてユーザは、光ディスク100の照射面100Aと表示装置4に表示されたエラーマップ画面DEMとを見比べながら、文字列Cを回転方向に関する指標として、エラー箇所EP、すなわち異物等が付着していると推測される箇所を視認し、所定のクリーニング処理等を行う。
【0069】
このように光ディスク再生装置2は、文字列Cを指標としたエラーマップ画像DEMを表示することにより、エラー箇所EPをユーザに視認させることができる。
【0070】
(1−4)エラーマップ表示処理手順
次に、光ディスク再生装置2の制御部11がエラーマップを表示する際のエラーマップ表示処理手順について説明する。
【0071】
制御部11は、メニュー画面DMNにおいてボタンB1の選択操作を受け付けると、ROM23からエラーマップ表示プログラムを読み出して実行することにより図8に示すフローチャートを開始し、ステップSP1へ移る。
【0072】
ステップSP1において制御部11は、光ディスク100が装填されていなければ、図示しないディスクトレイを引き込む等して当該光ディスク100をターンテーブル15Aにマウントし(ローディング処理)、次のステップSP2へ移る。
【0073】
ステップSP2において制御部11は、駆動部12を介してスピンドルモータ15を回転駆動させ、次のステップSP3へ移る。
【0074】
ステップSP3において制御部11は、駆動部12を介してスレッドモータ16を制御することにより光ビームの焦点を最内周側、すなわちトラック開始位置TS付近へ移動させ、次のステップSP4へ移る。
【0075】
ステップSP4において制御部11は、光ビームの焦点を所望のトラックに合焦させるトラッキング制御を開始し、トラック開始位置TS(すなわちアドレス「0」)から順次データを読み出すべく、次のステップSP5へ移る。
【0076】
ステップSP5において制御部11は、信号処理部13から得られるアドレス情報ADを基に、トラック開始位置TSを検出したか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、制御部11は当該トラック開始位置TSを検出するまで当該ステップSP5を繰り返す。
【0077】
一方ステップSP5において肯定結果が得られると、このことは光ビームの焦点が開始線LSの近傍にあることを表しており、このとき制御部11は次のステップSP6へ移る。
【0078】
ステップSP6において制御部11は、回転角度算出部32B(図5)によって回転信号SRを基に生成するカウント値CTを値「0」にリセットすることにより、当該カウント値CTを開始線LSに同期させ、次のステップSP7へ移る。
【0079】
ステップSP7において制御部11は、エラー箇所特定部31(図5)により、エラー情報ERを基にアドレスごとにエラーが含まれていたか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことはこのとき光ビームが照射されている箇所がエラー箇所EPであり、異物等が付着している可能性があることを表しており、このとき制御部11は次のステップSP8へ移る。
【0080】
ステップSP8において制御部11は、半径位置算出部32Aによりアドレス情報EAを半径位置情報PDに換算し、次のステップSP9へ移る。
【0081】
ステップSP9において制御部11は、このときのカウント値CTを基に角度情報PAを生成し、次のステップSP10へ移る。
【0082】
ステップSP10において制御部11は、半径位置情報PD、角度情報PA及びエラーレベル情報ELを一組のエラー箇所情報IEPとして記憶部33に記憶させ、次のステップSP11へ移る。
【0083】
また、ステップSP7において否定結果が得られると、このことは当該アドレスについてエラーが検出されておらずエラー箇所とする必要がないことを表しており、このとき制御部11は次のステップSP11へ移る。
【0084】
ステップSP11において制御部11は、エラー箇所特定部31により最終アドレスまでエラーの有無について判定し終えたか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことはさらにエラー箇所EPを検出する可能性があることを表しており、このとき制御部11は再度ステップSP7へ戻る。
【0085】
一方、ステップSP11において肯定結果が得られると、このことは全てのエラー箇所EPを検出し終えたことを表しており、このとき制御部11は次のステップSP12へ移る。
【0086】
ステップSP12において制御部11は、画像生成部34によって記憶部33からエラー箇所情報IEPを順次読み出すことによりエラーマップ画像DEMを生成し、これを表示処理部19を介して表示装置4へ送出し、次のステップSP13へ移って一連の処理を終了する。
【0087】
(1−5)動作及び効果
以上の構成において、第1の実施の形態による光ディスク再生装置2の制御部11は、光ディスク100が「マップディスク」であった場合、ユーザの指示に基づき、エラー情報ER及びアドレス情報ADを基にエラー訂正処理が行われたか否かを判別する。
【0088】
このとき制御部11は、読み出した符号にエラーが含まれておりエラー箇所EPであった場合、そのアドレスを半径位置情報PDに換算すると共に、エンコーダ15Eから供給される回転信号SRを基に、開始線LSからの回転角度を表す角度情報PAを生成する。さらに制御部11は、半径位置情報PD及び角度情報PAを、訂正できたか否かを表すエラーレベル情報ELと共に一組のエラー箇所情報IEPとして記憶部33に逐次記憶させる。
【0089】
その後制御部11は、光ディスク100を表すディスク画像DD上に、文字列Cを表す指標画像DCを重畳させ、さらにエラー箇所情報IEPが示す箇所を周囲の表示色と相違させたエラー箇所画像DEを重畳することによりエラーマップ画像DEMを生成して、これを表示装置4に表示させる。
【0090】
従って光ディスク再生装置2は、ユーザにより視認可能な文字列Cの開始位置である文字列開始位置CSを光ディスク100の回転方向に関する指標として、エラー箇所EPの位置をユーザに提示することができるので、クリーニング処理等を行うべき箇所を具体的に視認させることができる。
【0091】
このとき光ディスク再生装置2は、文字列開始位置CSに合わせてカウント値CTをリセットした上で、当該カウント値CTを基に得られる角度情報PAをエラー箇所情報IEPに含めているため、指標である文字列開始位置CSに対するエラー箇所EPの相対的な回転角度を高い精度で提示することができる。
【0092】
また光ディスク100は、「マップディスク」である光ディスク100において文字列開始位置CSがトラック開始位置TSと対応付けられている(図3)。このため光ディスク再生装置2は、エンコーダ15Eからの回転信号SRを基に生成するカウント値CTを当該トラック開始位置TSに合わせてリセットしておくことにより、当該カウント値CTを基に、文字列開始位置CSを基準とした回転方向の相対的な位置を確実に検出することができる。
【0093】
さらに光ディスク再生装置2は、エラーマップ画像DEMにおいて、エラーレベル情報ELに応じて「軽度のエラー」及び「深刻なエラー」として表示色を相違させていることにより、ユーザに対しエラーの程度を視覚的に提示することができると共に、重点的にクリーニングすべき箇所を認識させることができる。
【0094】
この結果、光ディスク再生装置2は、エラー箇所EPの半径位置のみ提示していた従来の光ディスク装置と比較して、当該エラー箇所EPの位置、すなわちクリーニングすべき箇所を詳細に示すことができる。
【0095】
以上の構成によれば、光ディスク再生装置2の制御部11は、文字列開始位置CSと対応付けられたトラック開始位置TSにおいてエンコーダ15Eから得られるカウント値CTをリセットしておく。また制御部11は、エラー箇所EPについて、アドレス情報ADを半径位置情報PDに換算し、カウント値CTを基に開始線LSを基準とした角度情報PAを生成すると共に、当該半径位置情報PD及び当該角度情報PAをエラーレベル情報ELと共に一組のエラー箇所情報IEPとして記憶する。その後制御部11は、光ディスク100を表すディスク画像DD上に文字列Cを表す指標画像DC及びエラー箇所EPの位置を示すエラー箇所画像DEを重畳することによりエラーマップ画像DEMを生成し、表示装置4に表示させる。これにより光ディスク再生装置2は、ユーザにより視認可能な文字列開始位置CSを指標として、エラーが生じた箇所を具体的に提示することができる。
【0096】
(2)第2の実施の形態
(2−1)コンピュータ装置の構成
第2の実施の形態では、図9に示す情報処理装置としてのコンピュータ装置40により、上述したエラーマップ画像DEMを生成すると共に表示するようになされている。
【0097】
コンピュータ装置40は、一般的なノートブック型コンピュータ装置と同様に構成されており、筐体部41内に後述するCPUやハードディスクドライブ等が内蔵されると共に、例えば液晶パネル等でなる表示パネル43や、キーボード及びタッチパッド等でなる操作部44が設けられている。
【0098】
またコンピュータ装置40は、上述した光ディスク再生装置2と一部類似した構成でなる光ディスクドライブ42が搭載されており、光ディスク100に対し映像データ、音声データ或いは各種ファイル等の情報を記録し、また当該光ディスク100から当該情報を再生し得るようになされている。
【0099】
コンピュータ装置40は、図10に示すように、CPU51を中心に構成されている。CPU51は、バス52を介してROM53及びRAM54と接続されており、当該ROM53及びRAM54と共に統括制御部50を形成している。
【0100】
またバス52には、光ディスクドライブ42、ハードディスクドライブ55及び操作部44に加えて、表示処理部56及び外部と通信するための通信インタフェース(I/F)57が接続されている。
【0101】
操作部44は、上述したキーボードやタッチパッド等を介してユーザから入力される操作指示を受け付け、当該操作指示に応じた操作信号生成し、これをバス52経由でCPU51へ送出する。
【0102】
表示処理部56は、CPU51からの表示命令等に従い所定の映像信号を生成し、これを当該表示パネル43へ供給することにより、当該映像信号に応じた表示画面、すなわちCPU51からの表示命令等に従った表示画面を当該表示パネル43に表示させる。
【0103】
通信インタフェース57は、例えばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.3/u/ab等の有線LAN(Local Area Network)、IEEE802.11a/b/g/n等の無線LAN、USB(Universal Serial Bus)やIEEE1394等の有線通信といった種々の通信方式及び通信規格に準拠したものが考えられる。また通信相手としては、他のコンピュータ装置、半導体メモリやハードディスクドライブ等の各種記憶媒体、或いはインターネット等の各種ネットワークが考えられる。
【0104】
CPU51は、ROM53やハードディスクドライブ55等から基本プログラム、OS(Operating System)やエラーマップ表示プログラム等の各種プログラムを読み出し、これらをRAM54に展開する等して、当該OSの起動やエラーマップ表示処理等の各種処理を実行するようになされている。
【0105】
(2−2)光ディスクドライブの構成
光ディスクドライブ42は、図11に示すように、第1の実施の形態における光ディスク装置2と一部類似した構成を有しており、制御部11に代えて制御部61が設けられ、表示処理部19が省略されている点が異なっているものの、他は同様に構成されている。
【0106】
制御部61は、制御部11と同様にCPU、ROM、RAM及びインタフェース(いずれも図示せず)を有しているものの、当該制御部11とは一部異なった動作を行うようになされている。
【0107】
すなわち制御部61は、CPU51(図10)の制御に従い、制御部11と同様に、指定されたアドレスのデータDTを光ピックアップ17等を介して読み出させる。さらに制御部61は、読み出したデータDT、エラーレベル情報EL、半径位置情報PD及び角度情報PAをバス52経由でCPU51へ送出する。
【0108】
このように光ディスクドライブ42は、第1の実施の形態における光ディスク再生装置2と比較して、光ディスク100から情報(すなわちデータDT)を読み出す点については同様に動作するものの、これに加えて、読み出したデータDT、エラーレベル情報EL、半径位置情報PD及び角度情報PAをCPU51へ送出する点が異なっている。
【0109】
(2−3)エラーマップの表示
実際上CPU51は、ユーザの操作指示に従い、光ディスク100から情報を再生する再生指示を受け付けると、所定の光ディスク再生プログラムを実行することにより当該光ディスク100から再生指示に応じたデータを読み出すようになされている。
【0110】
ここでCPU51は、光ディスク100から情報を再生する際にエラーが生じた場合、メニュー画面DMN(図4)を表示パネル43に表示させ、エラーマップの作成及び表示を行うか否かをユーザに指示させる。
【0111】
CPU51は、ボタンB1が操作されたことを受け付けると、第1の実施の形態における制御部11と同様に、内部に各機能ブロック(図5)を構成すると共に、エラーマップ表示処理手順RT1(図8)に従った一連の処理を行う。
【0112】
すなわちCPU51は、回転角度算出部32B(図5)により、文字列開始位置CSと対応付けられたトラック開始位置TSを検出したときに、カウント値CTを値「0」にリセットしておく。
【0113】
CPU51は、エラー箇所特定部31によりエラー箇所EPであることを特定した場合、半径位置算出部32Aによりそのアドレスを半径位置情報PDに換算する。またCPU51は、回転角度算出部32Bにより、エンコーダ15Eから供給される回転信号SRを基にカウント値CTを生成した上で、開始線LSからの回転角度を表す角度情報PAを生成する。
【0114】
さらにCPU51は、半径位置情報PD及び角度情報PAを、エラーレベル情報ELと共に一組のエラー箇所情報IEPとして記憶部33に逐次記憶させる。
【0115】
その後CPU51は、画像生成部34によって記憶部33からエラー箇所情報IEPを順次読み出すことによりエラーマップ画像DEM(図7)を生成し、これをバス52経由で表示処理部56へ送出する。
【0116】
表示処理部56は、エラーマップ画像DEMを所定の映像信号に変換して表示パネル43へ供給することにより、当該表示パネル43に当該エラーマップ画像DEMを表示させる。
【0117】
これによりコンピュータ装置40は、第1の実施の形態における光ディスク再生装置2と同様に、ユーザにエラーマップ画像DEMを参照させることができ、クリーニング処理等を行うべき箇所を具体的に提示することができる。
【0118】
(2−4)動作及び効果
以上の構成において、第2の実施の形態によるコンピュータ装置40は、CPU51によって第1の実施の形態における制御部11と同様のエラーマップ生成処理を行うことによりエラーマップ画像DEMを生成し、これを表示パネル43に表示させる。
【0119】
従ってコンピュータ装置40は、光ディスク再生装置2と同様、ユーザにより視認可能な文字列開始位置CSを光ディスク100の回転方向に関する指標として、エラー箇所EPの位置をユーザに提示することができるので、クリーニング処理等を行うべき箇所を具体的に視認させることができる。
【0120】
その他、コンピュータ装置40は、第1の実施の形態における光ディスク装置2と同様の作用効果を奏し得る。
【0121】
以上の構成によれば、コンピュータ装置40のCPU51は、第1の実施の形態と同様、エラー箇所EPについて、アドレスを換算した半径位置情報PDと、文字列開始位置CSに対する相対的な回転角度を表す角度情報PAとを、エラーレベル情報ELと共に一組のエラー箇所情報IEPとして記憶する。その後CPU51は、光ディスク100を表すディスク画像DD上に指標画像DC及びエラー箇所情報IEPが示す箇所を示すエラー箇所画像DEを重畳することによりエラーマップ画像DEMを生成し、表示パネル43に表示させる。これによりコンピュータ装置40は、第1の実施の形態と同様、ユーザにより視認可能な文字列開始位置CSを指標として、エラー箇所EPをユーザに具体的に提示することができる。
【0122】
(3)他の実施の形態
なお上述した実施の形態においては、光ディスク100の回転方向に関する指標として、光ディスク100に予め設けられた文字列Cの文字列開始位置CSを用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば図12に示すように、所定のバーコードBCを指標とし、当該バーコードBCの開始位置や終了位置に合わせて開始線LSを規定し、当該開始線LSに合わせてトラックTが開始されていれば良い。
【0123】
また指標としては、上述した文字列CやバーコードBCに限らず、記号や模様であっても良く、要はユーザが光ディスク100の照射面100A側から見て回転方向に関する位置(すなわち回転角度)の基準として視認し得るものであれば良い。
【0124】
さらに指標は、トラックTと同時に形成されるものに限らず、当該トラックTの形成とは別の工程、例えば印刷工程等により、当該トラックTのトラック開始位置TSと対応付けて光ディスク100に設けられても良い。また指標の形成箇所としては、記録領域AR2(図3)の内周側に限らず、当該記録領域AR2の外周側であっても良く、要はデータの記録及び再生を阻害せず、且つユーザにより照射面100A側から視認され得る箇所であれば良い。
【0125】
また指標は、トラックTのトラック開始位置TSと対応付ける以外にも、例えば記録領域AR2における最初のアドレス等、所定のアドレスと対応付けられていても良い。
【0126】
さらに上述した実施の形態においては、光ディスク100として、トラック開始位置TS(図3)及び文字列開始位置CSの位置が揃えられた「マップディスク」を用いてエラーマップ画像DEMの生成及び表示を行うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他の光ディスクを用いるようにしても良い。
【0127】
例えば光ピックアップ17は、光ディスクの非記録領域AR1に対して光ビームを照射し、その反射光を検出する。制御部11は、このときの検出結果を基に、当該非記録領域AR1に形成されている文字、記号あるいはバーコード等の画像イメージを生成すると共に、当該画像イメージの回転角度をカウント値CTと対応付けておく。また制御部11は、上述した実施の形態と同様にエラー箇所情報IEPを順次記憶する。
【0128】
その後制御部11は、エラーマップ画像DEMを生成する際、カウント値CTにより表される回転角度を基準として、画像イメージをそのまま用いた指標画像DC及びエラー箇所画像DEをディスク画像DDに重畳する。これにより制御部11は、画像イメージを指標として、上述した実施の形態と同様に、当該画像イメージに対するエラー箇所EPの相対的な回転角度をユーザに視認させることができる。
【0129】
すなわちこの場合、指標となり得る画像イメージを光ピックアップ17を用いて読み取ると共にカウント値CTと対応付けておくことにより、非記録領域AR1に未知の文字、記号あるいはバーコード等が形成されていたとしても、当該イメージ画像を指標画像DCとしてエラーマップ画像DEM上に表示することができる。
【0130】
このように本発明では、エンコーダ等によって光ディスクの回転角度を検出すると共に、ユーザが視認し得る指標の回転角度と、エラー箇所EPの回転角度との相対的な角度を算出することができれば、エラーマップ画像DEMを生成することができる。
【0131】
さらに上述した実施の形態においては、光ディスク100のトラックに連続的に付されたアドレスを基にエラー箇所EPの半径位置情報PDを算出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。
【0132】
例えばセクタ番号やクラスタ番号等、光ディスク100に所定のデータ単位ごとに種々の管理用番号が付されている場合に、当該管理用番号を基に半径位置情報PDを算出するようにしても良い。さらには、スレッドモータ16(図2)により光ピックアップ17が移動された際の位置を検出できる場合に、当該検出した位置を元に半径位置情報PDを算出するようにしても良い。また光ディスク100のトラックは螺旋状に限らず、同心円状であっても良い。
【0133】
さらに上述した実施の形態においては、エンコーダ15Eから1回転で360パルスを発生するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、1回転で180パルスや60パルスなど、回転方向に関してある程度の精度で相対的な角度を算出し得るような数のパルスを生成しても良い。
【0134】
さらに上述した実施の形態においては、スピンドルモータ15に設けられたエンコーダ15Eから回転信号SRを生成し、当該回転信号SRが表すパルスからカウント値CTを生成することによって光ディスク100の回転角度を検出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。
【0135】
例えばターンテーブル15Aに周期的に模様や突起等を設けておき、当該模様や突起等に所定の検出光を照射した際に得られる反射光を基に回転角度を検出する等、種々の手段を用いて光ディスク100の回転角度を検出するようにしても良い。
【0136】
さらに上述した実施の形態においては、エラー箇所EPについて、エラーレベル情報ELに応じてエラー訂正できた箇所及びエラー訂正できなかった箇所をそれぞれ「軽度のエラー」及び「深刻なエラー」とし、それぞれの表示色を相違させたエラー箇所画像DEを生成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。
【0137】
例えば、エラーレベル情報ELに関わらずエラー箇所EPを一様な表示色としても良く、また所定範囲内に所定数以上のエラー箇所EPが集中している場合に当該箇所の表示色を他と相違させる等、種々の手法によりエラー表示画像DEを生成するようにしても良い。
【0138】
さらに上述した実施の形態においては、指標画像DCを生成する際、文字列CをROM23から読み出し、これを円弧状に配列するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、ROM23に指標画像DCを予め記憶させておいても良く、あるいは光ディスク100の記録領域AR2(図3)におけるリードイン領域等に当該指標画像DCをデータとして記録しておき、当該指標画像DEを光ディスク100から読み出してディスク画像DD上に重畳する等しても良い。
【0139】
さらに上述した実施の形態においては、エラーマップ表示処理手順RT1(図8)において、ステップSP8において半径位置情報PDを算出した後にステップSP9において角度情報PAを算出する用にした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、角度情報PAを算出した後に半径位置情報PDを算出するようにしても良い。
【0140】
さらに上述した第1の実施の形態においては、光ディスク再生装置2がエラーマップ画像DEMを外部の表示装置4へ送出し表示させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。
【0141】
例えばポータブルDVDプレーヤのように、液晶パネル等でなる表示部が光ディスク再生装置と一体に設けられている場合、当該表示部にエラーマップ画像DEMを表示させるようにしても良い。
【0142】
さらに上述した実施の形態においては、メニュー画面DMN(図4)においてボタンB1が選択操作されてからエラーマップ表示処理を開始するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。
【0143】
例えば制御部11は、光ディスク100から映像等を再生する際に、エラー箇所情報IEPを記憶部33に随時記憶しておき、再生を中断させてしまう程度のエラーが発生した場合等に、既に記憶しているエラー箇所情報IEPを基にエラーマップ画像DEMを生成し表示する等しても良い。
【0144】
さらに上述した実施の形態においては、光ディスク100の最終アドレスまでエラーの有無を検出した後にエラーマップ画像DEMを表示するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。
【0145】
例えば、データが記録されている範囲のアドレスが判明している場合に、当該範囲のアドレスについてエラーの有無を検出し終えた時点でエラーマップ画像DEMを生成し表示するようにしても良い。
【0146】
さらに上述した実施の形態においては、全てのアドレスについてエラーの有無を検出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、奇数アドレスのみや4アドレスごと等、所定アドレスごとに間欠的にエラーの有無を検出するようにしても良い。
【0147】
さらに上述した第1の実施の形態においては、光ディスク100の再生のみを行う光ディスク再生装置2においてエラーマップ表示処理を行うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば光ディスク100に情報を記録し得る光ディスク記録装置において、当該エラーマップ表示処理を行うようにしても良い。
【0148】
この場合、例えば光ディスク100にデータを記録する直前に、当該光ディスク100の未記録箇所におけるエラーマップを表示してユーザにクリーニング処理を行わせることにより、異物の付着等によりデータの記録を失敗する危険性を低減することができる。
【0149】
さらに上述した実施の形態においては、光ディスク100がDVD方式に準拠したものである場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該光ディスク100がCD方式やBD方式等の他の方式に準拠したものであっても良い。またこの場合、読み出し専用型(いわゆるROM型)、追記型(いわゆるR(Recordable)型)、或いは書き換え型(いわゆるRW(ReWritable)型又はRE型)のいずれであっても良い。またデータを記録する記録層は1層に限らず、2層以上であっても良い。
【0150】
さらには、光ディスク100に代えて、光磁気ディスクや磁気ディスク等、光学的、磁気的又はその両方、或いは他の手法により情報が記録され、また再生される1枚のディスク状の記録媒体を用いるようにしても良い。この場合、光ディスク再生装置2の光ピックアップ17に代えて、当該ディスク状の記録媒体に対応した情報書込・読出機能を有する部品が設けられていれば良い。
【0151】
さらに上述した第2の実施の形態においては、エラーマップ表示プログラム等の各種プログラムをハードディスクドライブ55に格納しておくようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、各種プログラムを所定のDVD−ROMメディアから読み出し不揮発性のフラッシュメモリ(図示せず)等にインストールして実行し、或いは図示しないメモリースティック(ソニー株式会社の登録商標)等のような着脱自在の記憶媒体から読み出して直接実行する等しても良い。さらには、通信インタフェース57を介し他の機器から各種プログラムを取得して実行するようにしても良い。第1の実施の形態についても同様である。
【0152】
さらに上述した実施の形態においては、読出部としての光ピックアップ17と、エラー箇所特定部としてのエラー箇所特定部31と、位置算出部としての位置算出部32と、画像生成部としての画像生成部34と、画像表示部としての表示処理部19とによって光ディスク装置としての光ディスク再生装置2を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の回路構成でなる読出部と、エラー箇所特定部と、位置算出部と、画像生成部と、画像表示部とによって光ディスク装置を構成するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0153】
本発明は、種々の光ディスクを再生する光ディスク装置でも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】光ディスク再生システムの全体構成を示す略線図である。
【図2】光ディスク再生装置の構成を示す略線的ブロック図である。
【図3】光ディスクの構成を示す略線図である。
【図4】メニュー画面の構成を示す略線図である。
【図5】エラーマップ作成時における制御部の機能ブロックを示す略線的ブロック図である。
【図6】半径位置及び回転角度の算出の説明に供する略線図である。
【図7】エラーマップの表示の説明に供する略線図である。
【図8】エラーマップ表示処理手順を示すフローチャートである。
【図9】コンピュータ装置の外観構成を示す略線図である。
【図10】コンピュータ装置の内部構成を示す略線的ブロック図である。
【図11】光ディスクドライブの構成を示す略線図である。
【図12】他の実施の形態による光ディスクの構成を示す略線図である。
【符号の説明】
【0155】
1……光ディスク再生システム、2……光ディスク再生装置、4……表示装置、4D……表示画面、11……制御部、12……駆動部、13……信号処理部、15……スピンドルモータ、15A……ターンテーブル15A、15E……エンコーダ、17……光ピックアップ、19……表示処理部、21……CPU、23……ROM、24……RAM、
31……エラー箇所特定部、32……位置算出部、32A……半径位置算出部、32B……回転角度算出部、33……記憶部、34……画像生成部、34A……指標画像生成部、34B……エラー箇所画像生成部、34C……重畳画像生成部、40……コンピュータ装置、42……光ディスクドライブ、43……表示パネル、50……統括制御部、51……CPU、53……ROM、54……RAM、55……ハードディスクドライブ、56……表示処理部、100……光ディスク、100A……照射面、AR1……非記録領域、AR2……記録領域、C……文字列、CS……文字列開始位置、T……トラック、TS……トラック開始位置、LS……開始線、EP……エラー箇所、AD……アドレス情報、ER……エラー情報、SR……回転信号、CT……カウンタ値、EA……エラーアドレス情報、EL……エラーレベル情報、PD……半径位置情報、PA……角度情報、IEP……エラー箇所情報、DMN……メニュー画面、DEM……エラーマップ画面、DD……ディスク画像、DC……指標画像、DE……エラー箇所画像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
螺旋状又は同心円状にトラックが形成された光ディスクの照射面から光ビームを照射し情報を読み出す読出部と、
上記読出部による上記情報の読出結果を基に、上記光ディスクから上記情報を正常に読み出し得ないエラー箇所を特定するエラー箇所特定部と、
上記エラー箇所について、上記照射面に目視可能に設けられた指標を基準とした上記光ディスクの回転方向に関する回転角度と上記光ディスクの中心からの半径距離とを、当該エラー箇所の位置情報として算出する位置算出部と、
上記光ディスクの上記照射面を示す光ディスク画像上に、上記指標の位置を示す指標画像と上記位置情報に基づいた上記指標に対する上記エラー箇所の相対的な位置を示すエラー箇所画像とを重畳したエラー箇所提示画像を生成する画像生成部と、
上記エラー箇所提示画像を所定の表示部に表示する画像表示部と
を有する光ディスク装置。
【請求項2】
上記光ディスクを回転駆動すると共に、その回転角度を検出する角度検出子が設けられた回転駆動部
をさらに有し、
上記位置算出部は、
上記角度検出子による検出結果を基に上記指標及び上記エラー箇所の回転角度をそれぞれ検出し、上記指標の回転角度に対する上記エラー箇所の相対的な回転角度を上記エラー箇所の回転角度として算出する
請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
上記光ディスクの上記トラックは、
所定記録単位ごとに一意のアドレスが付され、
上記位置算出部は、
上記エラー箇所のアドレスを基に上記半径距離を算出する
請求項2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
上記光ディスクの上記トラックは、
上記アドレスが上記指標と対応付けられた位置から開始され、
上記位置算出部は、
上記読出部により上記アドレスの開始位置から情報を読み込んだときの上記角度検出子による検出結果を基に上記指標の回転角度を算出する
請求項3に記載の光ディスク装置。
【請求項5】
上記読出部は、
上記指標に対し上記光ビームを照射し、
上記位置算出部は、
上記読出部による上記指標の読出結果及び上記角度検出子による検出結果を基に上記指標の回転角度を算出し、当該指標の回転角度に対する上記エラー箇所の相対的な回転角度を上記エラー箇所の回転角度とする
請求項2に記載の光ディスク装置。
【請求項6】
上記エラー箇所特定部は、
上記光ディスクから上記情報を読み出した際に誤り訂正が行われた場合、当該情報が記録されている箇所を上記エラー箇所とする
請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項7】
上記エラー箇所特定部は、
上記誤り訂正のレベルを基に、上記エラー箇所における問題の程度を判別し、
上記画像生成部は、
上記エラー箇所ごとに上記問題の程度に応じて上記エラー箇所画像を相違させる
請求項6に記載の光ディスク装置。
【請求項8】
上記光ディスクは、
上記指標画像が所定領域に予め記録され、
上記画像生成部は、
上記光ディスクから上記指標画像を読み出し上記光ディスク画像上に重畳する
請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項9】
上記光ディスクは、上記指標が所定の文字、文字列又は記号でなり、当該文字、文字列又は記号が符号又は符号列として所定領域に予め記録され、
上記画像生成部は、
上記光ディスクから符号又は符号列を読み出して上記文字、文字列又は記号を表す画像に変換し上記指標画像として上記光ディスク画像上に重畳する
請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項10】
所定の読出部により、螺旋状又は同心円状にトラックが形成された光ディスクの照射面から光ビームを照射し情報を読み出す読出ステップと、
上記読出部による上記情報の読出結果を基に、上記光ディスクから上記情報を正常に読み出し得ないエラー箇所を特定するエラー箇所特定ステップと、
上記エラー箇所について、上記照射面に目視可能に設けられた指標を基準とした上記光ディスクの回転方向に関する回転角度と上記光ディスクの中心からの半径距離とを、当該エラー箇所の位置情報として算出する位置算出ステップと、
上記光ディスクの上記照射面を示す光ディスク画像上に、上記指標の位置を示す指標画像と上記位置情報に基づいた上記指標に対する上記エラー箇所の相対的な位置を示すエラー箇所画像とを重畳したエラー箇所提示画像を生成する画像生成ステップと、
上記エラー箇所提示画像を所定の表示部に表示する画像表示ステップと
を有するエラー箇所表示方法。
【請求項11】
情報処理装置に対して、
所定の読出部により、螺旋状又は同心円状にトラックが形成された光ディスクの照射面から光ビームを照射し情報を読み出す読出ステップと、
上記読出部による上記情報の読出結果を基に、上記光ディスクから上記情報を正常に読み出し得ないエラー箇所を特定するエラー箇所特定ステップと、
上記エラー箇所について、上記照射面に目視可能に設けられた指標を基準とした上記光ディスクの回転方向に関する回転角度と上記光ディスクの中心からの半径距離とを、当該エラー箇所の位置情報として算出する位置算出ステップと、
上記光ディスクの上記照射面を示す光ディスク画像上に、上記指標の位置を示す指標画像と上記位置情報に基づいた上記指標に対する上記エラー箇所の相対的な位置を示すエラー箇所画像とを重畳したエラー箇所提示画像を生成する画像生成ステップと、
上記エラー箇所提示画像を所定の表示部に表示する画像表示ステップと
を実行させるエラー箇所表示プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−301641(P2009−301641A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−154494(P2008−154494)
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】