説明

光ディスク再生装置

【課題】レンズチルトの調整を適切に行え、かつ複雑な装置構成を必要としない光ピックアップ装置を備えた光ディスク再生装置を提供する。
【解決手段】光ピックアップ装置等の受光手段により変換された電気信号に含まれるフォーカスエラー信号を入力したフォーカスサーボは、フォーカスエラー信号の低域成分を、ローパスフィルタ等を用いて抽出する。次に補正値算出手段が、低域成分が所定の上限値を上回る或いは所定の下限値を下回る区間におけるジッタを、光ディスクのラジアルチルトを変化させながら所定回数検出する。そして検出結果中、最もジッタが小さくなった時のラジアルチルトに基づいて、チルト補正用の角度を取得する。以降、傾斜角度制御手段は、情報出力手段が光ディスクから情報を読み取る時に、前述の補正用角度を参照しつつ対物レンズのラジアルチルト制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに記録された情報を読み出すための光ディスク再生装置に関するものであり、特に光ディスクの上下振れ(以下、「面振れ」という)によって発生するチルトエラーの補正を可能とした光ディスク再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンパクトディスク(以下、「CD」という)やデジタル多用途ディスク(以下、「DVD」という)といった光ディスクが普及し、一般的に用いられるようになっている。そして光ディスクに記録された情報、例えば音声情報や映像情報を読み出して再生するための装置として、光ディスク再生装置が存在する。広く知られている光ディスク再生装置としては、例えばCDプレイヤー、DVDプレイヤー、或いはパソコンに接続されるCD−ROMドライブ等があげられる。
【0003】
光ディスク再生装置には、光ディスクに対して光ビームを照射して情報の読み取りを行うための光ピックアップ装置が備えられている。光ピックアップ装置はターンテーブル上に固定されて回転している光ディスクの情報記録面に対して光ビームを照射する。そして光ディスクからの反射光を光ピックアップ装置内に設けられた受光素子、例えばフォトダイオードによって受光する。そして受光素子により光を電気信号に変換し、得られた電気信号に基づいて光ディスクに記録されている情報を出力する。
【0004】
光ディスクから正確に情報を読み取るためには、光ディスク上の情報読み取り位置において光ディスクの情報記録面と光ビームの合焦点とが一致するように、光ディスクの情報記録面とピックアップ内に設けられた対物レンズとの距離を所定の位置関係に保つ必要がある。これをなすために、光ピックアップ装置内には、対物レンズを情報記録面に対して略垂直な方向に駆動するためのアクチュエータが設けられている。更に対物レンズと情報記録面との距離を一定に保つべくアクチュエータを駆動するためのフォーカスサーボが備えられている。
【0005】
情報が記録されている光ディスクは、様々な要因により情報記録面に反りが生じることがある。またターンテーブル上に固定された際に、自重により外周付近が下方に垂れ下がり、ディスクの情報記録面を一平面内で回転させることができなくなる場合がある。これらの反り或いは垂れ下がりが僅かな場合は、光ビームの光軸と情報記録面とがほぼ垂直な関係を維持できる。このため、前述の光ピックアップ装置内に設けられたアクチュエータにより、対物レンズを情報記録面と垂直な方向に駆動させ情報の読み取りを行うことができる。
【0006】
しかしながら情報記録面の反り或いは垂れ下がりが大きい、或いはディスクの回転軸が傾斜している場合には、光ビームの光軸と情報記録面とが互いに垂直な関係から大きくずれることがある。これにより本来読み取るべきディスク上の情報トラックを読み取れない不具合が発生する。このような不具合を解消するために、従来の光ディスク再生装置には、光ディスクの傾きを検出して光ビームの光軸と情報記録面とが互いに垂直な関係を維持するためのチルトサーボ装置が設けられている。
【0007】
上記に関連して特許文献1においては、光ディスクの面振れに左右されず、正確で安定したチルト補正が可能なチルトサーボ装置が開示されている。特許文献1のチルトサーボ装置は、光記録媒体上の光ビーム照射位置における法線と前記光ビームの光軸とのなすチルト角により生じるチルトエラーを補正するチルトエラー補正手段を備えている。また、光ディスクを回転させるモータの回転に同期して回転信号を生成する回転信号生成手段を備えている。そして回転信号に基づいて所定回転角毎に検出信号の包絡線信号強度のサンプリングを実行し、サンプリングした包絡線信号強度の平均値を算出し、算出した平均値に基づいてチルト補正量を確定するようにしている。
【特許文献1】特開2000−298862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されているような従来の光ディスク再生装置は、チルトセンサー(=光ディスクの情報記録面の傾きを検出するためのセンサー)を用いた構成であり、装置構成が複雑であるという問題があった。また、チルトセンサー自体の調整も必要となる。結果として、光ピックアップ装置の製造コストが高くなるといった問題も発生した。
【0009】
以上の点を鑑みて、本発明の目的は、チルトセンサーを用いることなくレンズチルトの調整を適切に行え、かつ複雑な装置構成を必要としない光ピックアップ装置を備えた光ディスク再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために請求項1に記載の光ディスク再生装置は、光源により発生された光ビームを光ディスクの記録面に照射させ前記光ディスクからの反射光を受光する対物レンズと、前記対物レンズの径方向傾斜角度を変化させるアクチュエータと、前記光ディスクで反射された反射光を電気信号に変換する光ピックアップ装置と、前記光ピックアップ装置から出力される電気信号に含まれるフォーカスエラー信号を入力し、前記フォーカスエラー信号から低域成分を抽出し、前記低域成分に基づいて前記対物レンズのフォーカス制御を行うフォーカスサーボと、前記光ピックアップ装置から出力される電気信号をもとに、前記光ディスクから読み取ったデータを示す信号であるデータ信号及び同期クロックを生成し、前記データ信号と前記同期クロックとのジッタを検出するジッタ検出手段と、前記光ピックアップ装置から出力される電気信号をもとに、前記光ディスクに記録されている情報を出力する情報出力手段とを備えた光ディスク再生装置であって、前記低域成分が所定の上限値を上回る、或いは所定の下限値を下回る区間において発生する面振れ検出信号を生成する面振れ検出信号生成手段と、前記面振れ検出信号及び前記ジッタ検出手段を用いて、前記面振れ検出信号が発生している区間における前記ジッタを区間ジッタとして検出する区間ジッタ検出手段と、前記アクチュエータにより前記対物レンズの径方向傾斜角度を変化させつつ、前記区間ジッタ検出手段により前記区間ジッタの検出を行い、前記径方向傾斜角度の変化に伴い前記区間ジッタが最も小さくなった時の径方向傾斜角度を補正用角度として記憶する補正用角度記憶手段と、前記補正用角度記憶手段により記憶された補正用角度に基づいて、前記光ディスクの径方向傾斜角度の制御を行う傾斜角度制御手段と、前記低域成分の振幅があらかじめ定められた所定値を超えるかを判定する振幅判定手段と、前記振幅判定手段により前記振幅が前記所定値を超えないと判定された場合に、前記面振れ検出信号生成手段、前記区間ジッタ検出手段、及び前記補正用角度記憶手段の処理を禁止する禁止手段とを備えたことを特徴としている。
【0011】
これによると、本発明の光ディスク再生装置は、光ピックアップ装置より出力された電気信号に含まれるフォーカスエラー信号をフォーカスサーボが入力する。フォーカスサーボは、フォーカスエラー信号の低域成分を、ローパスフィルタ等を用いて抽出する。次に補正値算出手段が、低域成分が所定の上限値を上回る或いは所定の下限値を下回る区間におけるジッタ(=区間ジッタ)を、面振れ検出信号をもとに測定する。面振れ検出信号とは、面振れ検出信号生成手段により作成される信号であり、低域成分が所定値を超過している時に発生し、所定値を超過していない時は発生しない信号である。区間ジッタ検出手段は、この面振れ検出信号をもとに区間ジッタを測定する。そして光ディスクのラジアルチルト(=径方向傾斜角度)を変化させながら、区間ジッタを所定回数検出する。そして補正用角度記憶手段が、区間ジッタ測定中に最も区間ジッタが小さくなった時のラジアルチルトに基づいて、チルト補正用の角度(=補正用角度)を取得して記憶する。以降、傾斜角度制御手段は、スピンドルモータ等により光ディスクの回転駆動を行う時に、前述の補正用角度を参照しつつ対物レンズのラジアルチルトの制御を行う。また振幅判定手段が、低域成分の振幅があらかじめ定められた所定値を超えるかどうかを判定する。そして所定値を越えないと判定された場合は面振れ検出信号生成手段、区間ジッタ検出手段、及び補正用角度記憶手段は処理を行わない。
【0012】
上記目的を達成するために請求項2に記載の光ディスク再生装置は、光源により発生された光ビームを光ディスクの記録面に照射させ前記光ディスクからの反射光を受光する対物レンズと、前記対物レンズの径方向傾斜角度を変化させる傾動手段と、前記光ディスクで反射された反射光を電気信号に変換する受光手段と、前記受光手段から出力される電気信号に含まれるフォーカスエラー信号を入力し、前記フォーカスエラー信号から低域成分を抽出し、前記低域成分に基づいて前記対物レンズのフォーカス制御を行うフォーカス制御手段と、前記受光手段から出力される電気信号をもとに、前記光ディスクから読み取ったデータを示す信号であるデータ信号及び同期クロックを生成し、前記データ信号と前記同期クロックとのジッタを検出するジッタ検出手段と、前記受光手段から出力される電気信号をもとに、前記光ディスクに記録されている情報を出力する情報出力手段とを備えた光ディスク再生装置であって、前記ジッタ測定手段を用いて、前記低域成分が所定の上限値を上回る、或いは所定の下限値を下回る区間における前記ジッタを区間ジッタとして検出する区間ジッタ検出手段と、前記傾動手段により前記対物レンズの径方向傾斜角度を変化させつつ、前記区間ジッタ検出手段により前記区間ジッタの検出を行い、前記径方向傾斜角度の変化に伴い前記区間ジッタが最も小さくなった時の径方向傾斜角度を補正用角度として記憶する補正用角度記憶手段と、前記補正用角度記憶手段により記憶された補正用角度に基づいて、前記光ディスクの径方向傾斜角度の制御を行う傾斜角度制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0013】
これによると、本発明の光ディスク再生装置は、受光手段より出力された電気信号に含まれるフォーカスエラー信号をフォーカス制御手段が入力する。フォーカス制御手段は、フォーカスエラー信号の低域成分を、ローパスフィルタ等を用いて抽出する。次に補正値算出手段が、低域成分が所定の上限値を上回る或いは所定の下限値を下回る区間におけるジッタを、光ディスクのラジアルチルトを変化させながら所定回数検出する。そして補正用角度記憶手段が、区間ジッタ測定中に最も区間ジッタが小さくなった時のラジアルチルトに基づいて、補正用角度を取得して記憶する。以降、傾斜角度制御手段は、スピンドルモータ等により光ディスクの回転駆動を行う時に、前述の補正用角度を参照しつつ対物レンズのラジアルチルトの制御を行う。
【0014】
請求項3に記載の光ディスク再生装置は、請求項2に記載の光ディスク再生装置であって、前記低域成分が所定の上限値を上回る、或いは所定の下限値を下回る区間において発生する面振れ検出信号を生成する面振れ検出信号生成手段を備え、前記区間ジッタ検出手段が、前記面振れ検出信号が発生している区間における前記ジッタを区間ジッタとして検出することを特徴としている。
【0015】
これによると、面振れ検出信号生成手段は、低域成分があらかじめ定められた上限値を上回る、或いは下限値を下回る区間をもとに、面振れ検出信号を生成する。面振れ検出信号とは、低域成分が所定値を超過している時に発生し、所定値を超過しない時には発生しない信号である。区間ジッタ検出手段は、この面振れ検出信号を参照することにより、ジッタ測定手段を用いてジッタを検出する区間を判断し、区間ジッタを検出する。
【0016】
請求項4に記載の光ディスク再生装置は、請求項2または請求項3に記載の光ディスク再生装置であって、前記低域成分の振幅があらかじめ定められた所定値を超えるかを判定する振幅判定手段と、前記振幅判定手段により前記振幅が前記所定値を超えないと判定された場合に、前記面振れ検出信号生成手段、前記区間ジッタ検出手段、及び前記補正用角度記憶手段の処理を禁止する禁止手段とを備えたことを特徴としている。
【0017】
これによると、振幅判定手段が、低域成分の振幅があらかじめ定められた所定値を超えるかどうかを判定する。所定値を越えないと判定された場合は面振れ検出信号生成手段、区間ジッタ検出手段、及び補正用角度記憶手段は処理を行わない。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の光ディスク再生装置によれば、フォーカスエラー信号の低域成分が所定の上限値を上回る或いは所定の下限値を下回る区間を、面振れが激しい区間と判断する。そしてこの区間におけるジッタを、光ディスクのラジアルチルトを変化させながら所定回数測定する。そして測定結果の中から、最もジッタが小さくなった時のラジアルチルトを補正用角度として記憶する。これにより、チルトセンサー等の装置を用いることなく、ラジアルチルトの調整を容易かつ確実に行うことができる。また、低域成分が所定の上限値を上回る或いは所定の下限値を下回る区間のジッタのみを参照してチルト補正を行っているため、タンジェンシャルチルトに起因するジッタの影響を受けることなく、ラジアルチルトに起因するジッタをだけを参照してラジアルチルトの補正を行うことができる。また区間ジッタ検出手段が、面振れ検出信号をもとにジッタを検出する区間を判断する。これにより、区間ジッタ検出手段はジッタを検出する区間を容易かつ確実に判断できる。また、低域成分の振幅があらかじめ定められた所定値を超える場合にのみ、本発明のチルト補正処理を行う。これは低域成分の振幅が小さい場合は面振れが小さく、チルト補正処理を行う必要がないと判断するためである。このように不要な処理を省くことにより、全体としての処理を簡略化することができる。
【0019】
請求項2に記載の光ディスク再生装置によれば、フォーカスエラー信号の低域成分が所定の上限値を上回る或いは所定の下限値を下回る区間を、面振れが激しい区間と判断する。そしてこの区間におけるジッタを、光ディスクのラジアルチルトを変化させながら所定回数測定する。そして測定結果の中から、最もジッタが小さくなった時のラジアルチルトを補正用角度として記憶する。これにより、チルトセンサー等の装置を用いることなく、ラジアルチルトの調整を容易かつ確実に行うことができる。また、低域成分が所定の上限値を上回る或いは所定の下限値を下回る区間のジッタのみを参照してチルト補正を行っているが、これはタンジェンシャルチルトに起因するジッタの影響を避けるためである。ラジアルチルトに起因するジッタと、タンジェンシャルチルトに起因するジッタの大きさは相反する関係にある。このため、ジッタを参照する区間を上記のように限定することにより、タンジェンシャルチルトに起因するジッタを最小限に減らすことができる。これにより、ラジアルチルトに起因するジッタをだけを参照し、ラジアルチルトの補正を行うことができる。
【0020】
請求項3に記載の光ディスク再生装置よれば、面振れ検出信号生成手段が、低域成分があらかじめ定められた上限値を上回る、或いは下限値を下回る区間をもとに、面振れ検出信号を生成する。区間ジッタ検出手段は、この面振れ検出信号をもとにジッタを検出する区間を判断する。これにより、区間ジッタ検出手段はジッタを検出する区間を容易かつ確実に判断できる。このため、区間ジッタ検出処理をより高い精度で行うことができる。
【0021】
請求項4に記載の光ディスク再生装置よれば、低域成分の振幅があらかじめ定められた所定値を超える場合にのみ、本発明のチルト補正処理を行う。これは低域成分の振幅が小さい場合は面振れが小さく、チルト補正処理を行う必要がないと判断するためである。このように不要な処理を省くことにより、全体としての処理を簡略化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係るディスクプレイヤ100を示す構成図である。ディスクプレイヤ100は、光ピックアップ装置1、出力装置3、指示装置4、駆動装置5、表示部6、操作部7、及びチルト調整部8を備えている。
【0024】
光ピックアップ装置1(=受光手段)は、光ディスク2に光ビームを照射して、光ディスク2(CD、DVD、又は、BD)に記録された音声情報、映像情報等の各種情報の読み取りを行う。この光ピックアップ装置1には、CD用レーザ、DVD用レーザ、BD用レーザが設けられている。
【0025】
出力装置3(=情報出力手段)は、光ピックアップ装置1からの音声情報、映像情報等の情報を、音声及び映像に変換して、それぞれ、不図示のスピーカ及びモニタに出力するものであって、RFアンプ31、DSP(Digital Signal Processor)32、再生処理回路33、及び出力回路34を備えている。
【0026】
RFアンプ31は、光ピックアップ装置1からの音声信号や映像信号等を増幅する。DSP32及び再生処理回路33は、RFアンプ31からの信号に対して、再生のための各種情報処理(例えば映像処理等)を施す。出力回路34は、再生処理回路33からの信号情報を、不図示のスピーカ及びモニタに出力するためにDA変換処理等を行う。
【0027】
指示装置4は、操作部7を介して受け付けた指示操作に基づいて、光ピックアップ装置1及び駆動装置5の動作を制御するものであって、システムコントローラ41、ドライバ42、及びフォーカスサーボ43(=フォーカス制御手段)を備えている。システムコントローラ41は、操作部7からの情報を受け付けてDSP32に伝送すると共に、DSP32からの情報を表示部6に伝送する。ドライバ42は、DSP32からの指示に基づいて、光ピックアップ装置1及び駆動装置5の動作を制御する。フォーカスサーボ43は、光ピックアップ装置1より出力された電気信号に含まれるフォーカスエラー信号から、フォーカスエラー信号の低域成分を、ローバスフィルタを用いて抽出し、低域成分に基づいてフォーカスサーボ制御を行う。
【0028】
駆動装置5は、送りモータ51及びスピンドルモータ52を備えている。送りモータ51は、DSP32の指示に基づいて動作するドライバ42によって駆動される。それによって光ピックアップ装置1は光ディスク2の径方向に移動する。スピンドルモータ52は、ドライバ42によって光ディスク2を回転方向に駆動する。なお、ドライバ42はDPS32の指示に基づいてピックアップ装置1の対物レンズ17のフォーカス制御を行う。
【0029】
チルト調整部8は光ディスク2のラジアルチルトを調整するためのものであって、面振れ検出信号生成回路81、ジッタ検出回路82、区間ジッタ検出回路83、補正用角度記憶回路84、傾斜角度制御回路85、振幅判定回路86、及び禁止回路87を備えている。
【0030】
面振れ検出信号生成回路81(=面振れ検出信号生成手段)は、フォーカスサーボ43よりフォーカスエラー信号の低域成分を入力し、低域成分が所定の上限値を上回る、或いは所定の下限値を下回る区間を検出し、この区間において発生する面振れ検出信号を生成する。
【0031】
ジッタ検出回路82(=ジッタ検出手段)は、RF信号より得られたデータをスライスし2値化信号に変換する。2値化信号は、デコードとエラー訂正がなされ、再生情報として出力される。この際、位相比較器(図示せず)の位相誤差がデータ信号と同期クロックのジッタに相当するので、位相データを電圧に変換して、ジッタ信号としてDSP32及び区間ジッタ検出回路83へ出力する。
【0032】
区間ジッタ検出回路83(=区間ジッタ検出手段)は、ジッタ検出回路82より入力したジッタの中から、面振れ検出信号生成回路81より入力した面振れ検出信号が発生している区間におけるジッタのみを検出する。
【0033】
補正用角度記憶回路84(=補正用角度記憶手段)は、区間ジッタ検出回路83より入力した区間ジッタ(面振れ検出信号が発生している区間におけるジッタ)を参照しつつ、ドライバ42に対して、光ピックアップ装置1が備える不図示のアクチュエータ(=傾動手段)のラジアルチルトを変化させるように指示する。そしてラジアルチルトの変化にともなうジッタの変化を測定し、ジッタが最も小さくなった時のラジアルチルトを補正用角度として取得する。取得した補正用角度は、メモリ(不図示)等の記憶媒体に一時的に記憶される。
【0034】
傾斜角度制御回路85(=傾斜角度制御手段)は、補正用角度記憶回路84により記憶された補正用角度を入力し、これに基づいて対物レンズ17のチルト制御を行う。例えば、補正用角度を対物レンズの17の径方向傾きの基準値とすることにより、以降のチルト制御処理を効率良く行うことができるようにする。
【0035】
振幅判定回路86(=振幅判定手段)は、フォーカスサーボ43よりフォーカスエラー信号の低域成分を入力し、低域成分の振幅があらかじめ定められた所定値を超えるかどうかを判定する。判定結果は、禁止回路87に対して出力される。
【0036】
禁止回路87(=禁止手段)は、振幅判定回路86の判定結果を入力し、判定結果が所定値を越えないことを示している場合に、面振れ検出信号生成回路81、区間ジッタ検出回路83、及び補正用角度記憶回路84の処理を禁止する指示を出力する、
【0037】
図2は、本発明の光ピックアップ装置1の一実施形態であり、光ピックアップ装置1の光学系を示す概略図である。光ピックアップ装置1は、CD等の光ディスク2に対して、光ビームを照射して反射光を受光することにより光ディスク2の記録面21に記録されている情報を読み取ることを可能とする。なお、光ピックアップ装置1で情報の読み取り等が可能な光ディスク2の種類及び数は、本実施形態に示す種類及び数に限らず、本発明の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0038】
この光ピックアップ装置1は、第1光源11aと、第2光源11bと、ダイクロプリズム12と、コリメートレンズ13と、ビームスプリッタ14と、立ち上げミラー15と、液晶素子16と、対物レンズ17と、検出レンズ18と、光検出器19と、を備えている。以下に、光ピックアップ装置1を構成する各光学部材の詳細を説明する。
【0039】
第1光源11aは、DVDに対応する650nm帯の光ビームを出射できる半導体レーザで、第2光源11bは、BDに対応する405nm帯の光ビームを出射できる半導体レーザである。なお、本実施形態では、光源2、3として、単一の波長の光ビームのみを出射する半導体レーザを用いているがこれに限られる趣旨ではなく、例えば、2種類の波長の光ビームを出射できるように2つの発光点を有する2波長一体型の半導体レーザを用いても構わない。
【0040】
ダイクロプリズム12は、DVD用の光ビームを出射する第1光源11aから出射される光ビームを透過し、BD用の光ビームを出射する第2光源11bから出射される光ビームを反射する。そして、第1光源11a及び第2光源11bから出射される光ビームの光軸を一致させる。ダイクロプリズム12において、透過又は反射された光ビームは、コリメートレンズ13に送られる。
【0041】
コリメートレンズ13は、ダイクロプリズム12を通過した光ビームを平行光に変換する。ここで、平行光とは、第1光源11a及び第2光源11bから出射された光ビームの全ての光路が光軸とほぼ平行である光をいう。コリメートレンズ13で平行光とされた光ビームは、ビームスプリッタ14に送られる。
【0042】
ビームスプリッタ14は、入射する光ビームを分離する光分離素子として機能し、コリメートレンズ13から送られてきた光ビームを透過して、光ディスク2側へと導くとともに、光ディスク2で反射された反射光を反射して光検出器19側へと導く。ビームスプリッタ14を透過した光ビームは、立ち上げミラー15に送られる。
【0043】
立ち上げミラー15は、ビームスプリッタ14を透過してきた光ビームを反射して光ディスク2へと導く。立ち上げミラー15は、ビームスプリッタ14からの光ビームの光軸に対して45°傾いた状態となっており、立ち上げミラー15で反射された光ビームの光軸は、光ディスク2の記録面21と略直交する。立ち上げミラー15で反射された光ビームは、液晶素子16に送られる。
【0044】
液晶素子16は、透明電極に挟まれた液晶(いずれも図示せず)に電圧を印加することで、液晶分子がその配向方向を変える性質を利用して、屈折率の変化を制御し、液晶素子6を透過する光ビームの位相の制御を可能とする素子である。この液晶素子16を配置することによって、光ディスク2の記録面21を保護する保護層の厚みの違い等によって生じる球面収差の補正が可能となる。液晶素子16を通過した光ビームは対物レンズ17へと送られる。
【0045】
対物レンズ17は、液晶素子16を透過した光ビームを光ディスク2の記録面21上に集光させる。また、対物レンズ17は図示しないアクチュエータによって、例えば、図2の上下方向及び左右方向の移動、或いは径方向の傾動が可能とされており、フォーカスサーボ信号及びトラッキングサーボ信号に基づいてその位置が制御される。
【0046】
なお、本実施形態においては、液晶素子16も対物レンズ17と共に移動できるように、アクチュエータに搭載されている。ただし、液晶素子16は、必ずしもアクチュエータに搭載する必要はなく、光学系の構成に応じて、その構成は変更可能である。
【0047】
光ディスク2で反射された反射光は、対物レンズ17、液晶素子16の順に通過し、立ち上げミラー15で反射された後、更にビームスプリッタ14で反射されて、検出レンズ18によって光検出器19上に設けられる受光素子へと集光される。
【0048】
光検出器19は、フォトダイオード等の受光素子を備えたものであり、受光した光を電気信号に変換して、RFアンプ31等に出力する。そして、この電気信号は、記録面21に記録されているデータの再生信号として、更にはフォーカス制御やトラッキング制御を行うためのサーボ信号(例えばフォーカスエラー信号)として用いられる。
【0049】
次に、本実施形態のフォーカスサーボ43によって抽出される低域成分91について図3を用いて説明する。フォーカスサーボ43は、再生処理回路33より入力した光ディスク2の再生信号に含まれるフォーカスエラー信号から、ローパスフィルタを用いてフォーカスエラー信号の低域成分を抽出する。
【0050】
図3は低域成分の変化を示した位相図である。図中の低域成分91は、光ディスク2の回転に伴う低域成分の変化を示した位相である。また図中のラジアルチルト92は、光ディスク2がスピンドルモータ等により回転される時の光ディスク2のラジアルチルトの変化を示した位相である。図3に示す通り、低域成分91の位相とラジアルチルト92の位相とは、それぞれの増減する区間が一致している。また図中の振幅93は、低域成分の位相の振幅の大きさを表したものであり、振幅判定回路86に対して出力される。
【0051】
次に、本実施形態の面振れ検出信号生成回路81によって生成される面振れ検出信号95について図4を用いて説明する。図中の低域成分91は、フォーカスエラー信号の低域成分の位相を示したものであり、図3の低域成分91と同じものである。閾線94a及び閾線94bは、低域成分91があらかじめ定められた所定値を越えるかどうかを判定するための境界線である。この閾線94aを上回る、或いは閾線94bを下回る区間が、光ディスク2のラジアルチルトが大きい(=面振れが激しい)区間と判断される。これは図3に示す通り、低域成分91の増減とラジアルチルト92の増減が対応する関係にあることを利用している。
【0052】
面振れ検出信号生成回路81は、低域成分91、閾線94a、及び閾線94bより、図中の面振れ検出信号95を生成する。図4に示すように面振れ検出信号95は、低域成分91が閾線94aを上回る、或いは閾線94bを下回る区間のみ発生し、それ以外の区間では発生しない信号である。生成された面振れ検出信号95は、区間ジッタ検出回路83に出力される。
【0053】
次に、本発明のディスクプレイヤ100におけるチルト制御処理を、図1及び図2のブロック図と、図3及び図4の位相図と、図5のフロー図とを用いながら説明する。
【0054】
図5は、本発明のチルト制御処理の処理フローを示したフローチャートである。図5に示すように本処理は、ディスクプレイヤ100に対する光ディスク2の挿入が検知された場合に開始される。
【0055】
光ディスク2の挿入を検知した指示装置4は、ステップS110において、フォーカスエラー信号の低域成分91の抽出を指示する。この指示を受けたフォーカスサーボ43は、光ピックアップ装置1より出力された電気信号に含まれるフォーカスエラー信号から、ローパスフィルタ等を用いて低域成分91を抽出する。抽出された低域成分91は、面振れ検出信号生成回路81及び振幅判定回路86に出力される。
【0056】
次にステップS120において、振幅判定回路86が、ステップS110で抽出された低域成分の振幅があらかじめ定められた所定の値を超過するかどうかの判定を行う。超過すると判定された場合、次のステップS130に移行する。超過しないと判定された場合、ステップS125において従来のチルト制御を実施した後、ステップS180において、光ディスク2のデータ領域における各種処理(例えば音声情報の読み取り等)を行い、本処理を終了する。なおステップS125の処理は、禁止回路87が動作し、面振れ検出信号生成回路81、区間ジッタ検出回路83、及び補正用角度記憶回路84の処理が禁止されている状態で行われる。
【0057】
次にステップS130において、面振れ検出信号生成回路81が、図3及び図4に示す低域成分91及び閾線94a及び閾線94bより、面振れ検出信号95を生成する。生成された面振れ検出信号95は、区間ジッタ検出回路83に出力される。
【0058】
次にステップS140において、区間ジッタ検出回路83が、対物レンズ17の径方向傾きを変化させながら特定の区間のジッタの測定を行う。具体的には、区間ジッタ検出回路83は、駆動装置5に対し、対物レンズ17の径方向傾きを一定の範囲内で段階的に変化させるように指示する。変化させる範囲及び段階は特に限定されないが、処理時間が極端に長くならない限りにおいて、広範囲及び多くの段階で変化させることが望ましい。そして径方向傾きを変化させながら、面振れ検出信号95が発生している区間におけるジッタ(=区間ジッタ)の変化を、径方向傾きの変化と対応付けて測定する。
【0059】
次にステップS150において、区間ジッタ検出回路83が、ステップS140で測定された結果から、ジッタ測定中にジッタが最小になった時の対物レンズ17の径方向傾きを特定する。特定された径方向傾きは、補正用角度記憶手段に出力される。
【0060】
次にステップS160において、補正用角度記憶回路84が、ステップS150で特定されたジッタ最小時の径方向傾きを、補正用角度としてメモリ等の記憶媒体に一時的に記憶する。補正用角度とは、ドライバ42がアクチュエータを用いて対物レンズ17の傾動を行う時に用いられるものである。例えば、対物レンズ17の径方向傾きの初期値として使用してもよい。或いは、対物レンズ17の径方向傾きの初期値と補正用角度との差分を算出し、対物レンズ17の径方向傾きを調整する時に、前記の差分を合算しながらチルト制御を行うようにしてもよい。なお、補正用角度記憶回路84によって記憶された補正用角度は、ディスクレコーダ100に挿入されている光ディスク2が交換されることによって消去される。
【0061】
次にステップS170において、傾斜角度制御回路85が、ステップS160で記憶された補正用角度を参照しながら、対物レンズ17のチルト制御を行う。具体的には、ドライバ42に対して補正用角度に基づいたチルト制御指示を出力する。この指示を受けたドライバ42は、アクチュエータを駆動させて対物レンズ17の径方向傾を変化させ、光ディクス2の記録面21に記憶された情報を読み取ることができるようにする。
【0062】
次にステップS180において、光ピックアップ装置1、出力装置3、指示装置4、及び駆動装置5により、光ディスク2の記録面21の情報記録領域において、情報の読み取り処理等の各種処理を行い、本処理を終了する。なお、情報記録領域における処理は従来と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0063】
[その他の実施の形態]
以上、好ましい実施の形態及び実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0064】
従って本発明は、以下の形態にも適用可能である。
(A)本実施形態では、チルト制御処理を行う光ディスク2を、低域成分の振幅の大きいものに限定して行っているが、全ての光ディスクに対して行う形態でもよい。また、低域成分の振幅以外の条件を用いて、チルト制御を行うかどうかの判定を行ってもよい。
【0065】
(B)本実施形態では、ピックアップ1を備えたディスクプレイヤ100を例として説明したが、光ディスクへ情報を書き込む光ディスク記録装置であっても、本発明は実施可能である。ただしこの場合、光ディスク記録装置に光ディスク再生機能が備わっている必要がある。
【0066】
(C)本実施形態では、情報再生のための各種情報処理を行う装置としてDSP32を用いて説明したが、DSP32が保持する少なくとも1つの機能が回路によって実現されている形態でもよい。
【0067】
(D)本実施形態では、チルト調整を行なうためのチルト調整部8が複数の回路より構成されているが、これら複数の回路と同等の機能を持つプログラムがマイクロプロセッサ等の処理装置上で実行されることによってチルト調整部8が実現される形態でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】は、本発明の一実施形態に係る光ディスク再生装置を示す構成図である。
【図2】は、本発明の一実施形態に係る光ピックアップ装置の光学系を示す構成図である。
【図3】は、本発明の一実施形態に係るフォーカスサーボが抽出したフォーカスエラー信号の低域成分の位相を示す位相図である。
【図4】は、本発明の一実施形態に係る面振れ検出信号生成手段が生成する面振れ検出信号の位相を示した位相図である。
【図5】は、本発明の一実施形態に係るチルト制御処理の処理フローを示したフロー図である。
【符号の説明】
【0069】
100 ディスクプレイヤ(光ディスク再生装置)
1 光ピックアップ装置(受光手段)
43 フォーカスサーボ(フォーカス制御手段)
81 面振れ検出信号生成回路(面振れ検出信号生成手段)
82 ジッタ検出回路(ジッタ検出手段)
83 区間ジッタ検出回路(区間ジッタ検出手段)
84 補正用角度記憶回路(補正用角度記憶手段)
85 傾斜角度制御回路(傾斜角度制御手段)
86 振幅判定回路(振幅判定手段)
88 禁止回路(禁止手段)
91 低域成分
92 ラジアルチルト(径方向傾斜角度)
93 振幅
94 閾線
95 面振れ検出信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源により発生された光ビームを光ディスクの記録面に照射させ前記光ディスクからの反射光を受光する対物レンズと、
前記対物レンズの径方向傾斜角度を変化させるアクチュエータと、
前記光ディスクで反射された反射光を電気信号に変換する光ピックアップ装置と、
前記光ピックアップ装置から出力される電気信号に含まれるフォーカスエラー信号を入力し、前記フォーカスエラー信号から低域成分を抽出し、前記低域成分に基づいて前記対物レンズのフォーカス制御を行うフォーカスサーボと、
前記光ピックアップ装置から出力される電気信号をもとに、前記光ディスクから読み取ったデータを示す信号であるデータ信号及び同期クロックを生成し、前記データ信号と前記同期クロックとのジッタを検出するジッタ検出手段と、
前記光ピックアップ装置から出力される電気信号をもとに、前記光ディスクに記録されている情報を出力する情報出力手段と、
を備えた光ディスク再生装置であって、
前記低域成分が所定の上限値を上回る、或いは所定の下限値を下回る区間において発生する面振れ検出信号を生成する面振れ検出信号生成手段と、
前記面振れ検出信号及び前記ジッタ検出手段を用いて、前記面振れ検出信号が発生している区間における前記ジッタを区間ジッタとして検出する区間ジッタ検出手段と、
前記アクチュエータにより前記対物レンズの径方向傾斜角度を変化させつつ、前記区間ジッタ検出手段により前記区間ジッタの検出を行い、前記径方向傾斜角度の変化に伴い前記区間ジッタが最も小さくなった時の径方向傾斜角度を補正用角度として記憶する補正用角度記憶手段と、
前記補正用角度記憶手段により記憶された補正用角度に基づいて、前記光ディスクの径方向傾斜角度の制御を行う傾斜角度制御手段と、
前記低域成分の振幅があらかじめ定められた所定値を超えるかを判定する振幅判定手段と、
前記振幅判定手段により前記振幅が前記所定値を超えないと判定された場合に、前記面振れ検出信号生成手段、前記区間ジッタ検出手段、及び前記補正用角度記憶手段の処理を禁止する禁止手段と、
を備えたことを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項2】
光源により発生された光ビームを光ディスクの記録面に照射させ前記光ディスクからの反射光を受光する対物レンズと、
前記対物レンズの径方向傾斜角度を変化させる傾動手段と、
前記光ディスクで反射された反射光を電気信号に変換する受光手段と、
前記受光手段から出力される電気信号に含まれるフォーカスエラー信号を入力し、前記フォーカスエラー信号から低域成分を抽出し、前記低域成分に基づいて前記対物レンズのフォーカス制御を行うフォーカス制御手段と、
前記受光手段から出力される電気信号をもとに、前記光ディスクから読み取ったデータを示す信号であるデータ信号及び同期クロックを生成し、前記データ信号と前記同期クロックとのジッタを検出するジッタ検出手段と、
前記受光手段から出力される電気信号をもとに、前記光ディスクに記録されている情報を出力する情報出力手段と、
を備えた光ディスク再生装置であって、
前記ジッタ測定手段を用いて、前記低域成分が所定の上限値を上回る、或いは所定の下限値を下回る区間における前記ジッタを区間ジッタとして検出する区間ジッタ検出手段と、
前記傾動手段により前記対物レンズの径方向傾斜角度を変化させつつ、前記区間ジッタ検出手段により前記区間ジッタの検出を行い、前記径方向傾斜角度の変化に伴い前記区間ジッタが最も小さくなった時の径方向傾斜角度を補正用角度として記憶する補正用角度記憶手段と、
前記補正用角度記憶手段により記憶された補正用角度に基づいて、前記光ディスクの径方向傾斜角度の制御を行う傾斜角度制御手段と、
を備えたことを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項3】
前記低域成分が所定の上限値を上回る、或いは所定の下限値を下回る区間において発生する面振れ検出信号を生成する面振れ検出信号生成手段を備え、
前記区間ジッタ検出手段が、前記面振れ検出信号が発生している区間における前記ジッタを区間ジッタとして検出すること
を特徴とする請求項2に記載の光ディスク再生装置。
【請求項4】
前記低域成分の振幅があらかじめ定められた所定値を超えるかを判定する振幅判定手段と、
前記振幅判定手段により前記振幅が前記所定値を超えないと判定された場合に、前記面振れ検出信号生成手段、前記区間ジッタ検出手段、及び前記補正用角度記憶手段の処理を禁止する禁止手段と、
を備えたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の光ディスク再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−52802(P2008−52802A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−226946(P2006−226946)
【出願日】平成18年8月23日(2006.8.23)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】