説明

光ディスク再生装置

【課題】CCCDを含んだマルチセッションCDの安定した再生動作を実現すると共に、第1セッション以降の各セッションにオーディオデータ以外のデータが記録された光ディスクも再生する。
【解決手段】マイコン6は、起動時にピックアップ3により光ディスク1の第1セッションのリードイン位置に記録されているTOC情報を読み取らせ、そのTOC情報から第1セッションの第1トラックがオーディオトラックであるか否か判定する。第1セッションの第1トラックがオーディオトラックであった場合、マルチセッションCDであっても第2セッション以降のTOC読み込みを行わずシングルセッションCDとして扱うことで、CCCDの第2セッション以降のTOC読み込み時に引き起こされる恐れのある異常動作を防止する。オーディオトラックでない場合は、各セッションのTOC情報を取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ディスク再生装置に係り、特にマルチセッション方式で記録されている光ディスクや、コピーコントロールCD(以下、これをCCCDと呼ぶ)などの光ディスクの記録情報を再生するマルチセッション対応型の光ディスク再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスクであるコンパクトディスク(CD;Compact Disc)には、一つのセッションから成るシングルセッションCDと、複数のセッションから成るマルチセッションCDとがある。ここで「セッション」とは、コンテンツそのものである実データと、その実データの記録位置を示すTOC(Table Of Content)を含んだリードインと、実データの終端を示すリードアウトとからなる一連のデータ(リードイン、実データ、リードアウト)のことを示している。
【0003】
従って、マルチセッションCDでは、最初に書き込まれた一連のデータ部分が第1セッションとなり、その後追記書き込みされる度に、第2セッション、第3セッション、・・・、と記憶容量の範囲内で順次セッションが増えていく構造となっている。なお、通常、市販されている一般のオーディオCDは、シングルセッションCDのものが多い。従って、マルチセッションCDを、例えば一般のCDプレーヤで再生しようとした場合、当該一般のCDプレーヤでは通常のシングルセッションCDにしか対応していないため、第1セッションを再生することはできるが、第2セッション以降を再生することはできない。
【0004】
ところで、通常のオーディオCD内のディジタルオーディオデータを、パーソナルコンピュータに接続されたCDドライブを介してディジタルデータのままハードディスクにリッピング(保存)し、当該ハードディスクから他の例えばCD−R(Compact DISC-Write Once)やCD−RW(Compact Disc-Re-Writable)等の光ディスクにディジタルデータのままコピーを作成することで著作権を侵害したり、ネットワークを介しての譲渡等の不正な使用をすることが簡単に行われる可能性がある。
【0005】
そこで、このような著作権侵害した使用を防止すべくパーソナルコンピュータでの読み込みを実行させないように特殊加工の施された構造のCCCD(Copy Control CD)が開発されている。このCCCDは、いわゆるマルチセッション方式を利用したものが多い。このマルチセッション方式のCCCDでは、第1セッションに例えば音楽コンテンツ等の複数曲分のオーディオデータが記録され、第2セッションに例えば圧縮されたプログラムデータが記録されている等の複数セッションによって構成されている。
【0006】
このようなマルチセッション方式のCCCDでは第1セッションのTOCデータは正常だが、第2セッション以降のTOCデータに規格違反の異常なデータが書かれていることが多い。その目的は、第1セッションしか読み込まない通常のCDプレーヤでは問題は発生しないが、マルチセッションに対応したCDドライブでは正常に読み込めないようにすることでハードディスクへのリッピングを防ごうとするものである。このため、このようなマルチセッション方式のCCCDをマルチセッション対応型CDプレーヤで再生しようとすると、TOC読み込みに異常に時間が掛かり、規格違反のTOCデータによって異常なシーク動作を繰り返し、最悪の場合はドライブ破損を引き起こす場合もある。
【0007】
そこで、再生対象の光ディスクの最初のセッションにおけるTOCの情報を読み出し、その情報に基づいて、当該光ディスクがマルチセッション方式の光ディスクであるか否かを判別し、マルチセッション方式の光ディスクであると判別した場合は、第2セッションの記録データがオーディオデータであるか否かによりマルチセッション方式のオーディオCDかCCCDかを判別し、その判別結果に応じた再生を行う構成の光ディスク再生装置が従来知られている(例えば、特許文献1参照)。この光ディスク再生装置では、マルチセッション方式のオーディオCDの場合はセッション毎に順次再生でき、CCCDの場合は少なくともオーディオデータが格納された第1セッションだけは再生することができる。
【0008】
【特許文献1】特開2004−246997号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、ユーザーがパーソナルコンピュータを使用することで、CD−Rドライブを介してユーザー所望のコンテンツ(MP3(MPEG-1 Audio Layer 3)データ、JPEG(Joint Photographic Experts Group)データ等)を自在に追記書き込みしたマルチセッションCD(CD−R/RW、CDーROM)を作成することが可能である。なお、マルチセッションCDには、オーディオデータが第1セッションのみに記録されており、第2セッションに動画データ等が記録されているCDエクストラなどのマルチセッションCDもある。
【0010】
しかしながら、特許文献1記載の光ディスク再生装置は、第1セッションのオーディオデータだけを再生するようにしているため、CDエクストラのオーディオデータの再生は可能であるが、ユーザーがMP3データやJPEGデータを記録したマルチセッションCD(CD−R/RW、CDーROM)の再生をすることができない。
【0011】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、CCCDを含んだマルチセッションCDの安定した再生動作を実現すると共に、第1セッション以降の各セッションにオーディオデータ以外のデータが記録された光ディスクも再生し得る光ディスク再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、第1の発明の光ディスク再生装置は、光ディスクの記録情報を光学的に読み取るピックアップ手段と、光ディスクの第1セッションのリードイン位置にピックアップ手段を移動制御して、ピックアップ手段が読み取った記録情報から第1セッションの実データの記録位置を示すTOC情報を取得する第1のTOC情報取得手段と、第1セッションのTOC情報から光ディスクが、複数のセッションが記録されたマルチセッション方式の光ディスクであるか否かを判定する第1の判定手段と、第1の判定手段により光ディスクがマルチセッション方式の光ディスクであると判定されたときは、第1セッションのTOC情報に書かれているトラック毎のデータ属性から、第1セッションの第1トラックがオーディオトラックであるか否かを判定する第2の判定手段と、第2の判定手段により第1セッションの第1トラックがオーディオトラックでないと判定されたときは、次のセッションのリードイン位置にピックアップ手段を移動制御して、ピックアップ手段から次のセッションのTOC情報を取得することを、光ディスクに記録されている第2セッション以降のすべてのセッションについて繰り返す第2のTOC情報取得手段と、第1の判定手段により光ディスクがマルチセッション方式の光ディスクでないと判定されたとき、又は第2の判定手段により第1セッションの第1トラックがオーディオトラックであると判定されたときは、ピックアップ手段による第1セッションの再生動作を開始させ、第2のTOC情報取得手段により第2セッション以降のすべてのセッションのTOC情報を取得したときは、ピックアップ手段による第1セッション以降の各セッションの再生動作を開始させる再生開始手段とを有することを特徴とする。
【0013】
また、上記の目的を達成するため、第2の発明の光ディスク再生装置は、光ディスクの記録情報を光学的に読み取るピックアップ手段と、光ディスクの第1セッションのリードイン位置にピックアップ手段を移動制御して、ピックアップ手段が読み取った記録情報から第1セッションの実データの記録位置を示すTOC情報を取得する第1のTOC情報取得手段と、第1セッションのTOC情報から光ディスクが、複数のセッションが記録されたマルチセッション方式の光ディスクであるか否かを判定する第1の判定手段と、第1の判定手段により光ディスクがマルチセッション方式の光ディスクであると判定されたときは、第1セッションからピックアップ手段により読み取った記録情報中のデータ属性を示す情報に基づいて、第1セッションの第1トラックがオーディオトラックであるか否かを判定する第2の判定手段と、第2の判定手段により第1セッションの第1トラックがオーディオトラックでないと判定されたときは、次のセッションのリードイン位置にピックアップ手段を移動制御して、ピックアップ手段から次のセッションのTOC情報を取得することを、光ディスクに記録されている第2セッション以降のすべてのセッションについて繰り返す第2のTOC情報取得手段と、第1の判定手段により光ディスクがマルチセッション方式の光ディスクでないと判定されたとき、又は第2の判定手段により第1セッションの第1トラックがオーディオトラックであると判定されたときは、ピックアップ手段による第1セッションの再生動作を開始させ、第2のTOC情報取得手段により第2セッション以降のすべてのセッションのTOC情報を取得したときは、ピックアップ手段による第1セッション以降の各セッションの再生動作を開始させる再生開始手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、CCCDを含んだマルチセッションCDの安定した再生動作を実現すると共に、第1セッション以降の各セッションにオーディオデータ以外のデータが記録された光ディスクも再生することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明になる光ディスク再生装置の一実施の形態の構成図を示す。図1において、本実施の形態の光ディスク再生装置100は、光ディスク1をスピンドル2aに装着(チャツキング)して回転するスピンドルモータ2と、光ディスク1に記録された音声信号や映像信号等の各種の情報を光学的に読み出す光ピックアップ3と、信号処理回路4と、サーボコントローラ5と、この装置全体を統括的に制御するマイクロコンピュータ(以下、マイコンと略す)6と、スピンドルモータ2を駆動し、光ピックアップ3の各部を駆動するサーボドライバ7とから構成されている。
【0017】
光ディスク1は、CD−R(Compact DISC-Write Once)、CD−RW(Compact Disc-Re-Writable)、CD−ROM(Compact DISC-Read Only Memory)等のCD規格の光ディスクや、DVD規格の光ディスクのいずれかである。光ピックアップ3は、CD規格の光ディスク1を再生するときに用いる光源であるCDレーザ31と、DVD規格の光ディスク1を再生するときに用いる光源であるDVDレーザ32と、光電変換を行うフォトディテクタ33、34と、ヘッドアンプ35とを有する。
【0018】
次に、本実施の形態の光ディスク再生装置100の動作の概要について説明する。光ディスク1がCD規格の光ディスクである場合は、CDレーザ31が発する波長780nmのレーザ光が光ディスク1に照射されて反射され、その反射光がフォトディテクタ33で受光されて光電変換される。また、光ディスク1がDVD規格の光ディスクである場合は、DVDレーザ32が発する波長650nmのレーザ光が光ディスク1に照射されて反射され、その反射光がフォトディテクタ34で受光されて光電変換される。
【0019】
フォトディテクタ33又は34で光電変換されて得られた検知信号は、ヘッドアンプ35に入力される。ヘッドアンプ35は、フォトディテクタ33又は34からの検知信号を増幅して出力する。ヘッドアンプ35によって増幅されて出力された検知信号は、光ディスク1上の情報を電気的に読み出した信号であり、RF信号と称される。光ピックアップ3内のヘッドアンプ35より出力されたRF信号は、信号処理回路4を通ってサーボコントローラ5に入力される。
【0020】
サーボコントローラ5は、信号処理回路4により所定の信号処理が施されたRF信号から得た再生データの中のサブコードデータをマイクロコンピュータ(マイコン)6へ出力すると共に、サーボドライバ7を制御する。マイコン6は、入力されたサブコードデータからTOC情報等のデータを得る。また、マイコン6は、サーボコントローラ5を制御することにより、所定の方法により判別された光ディスク1の種類に応じた制御を行わせる。マイコン6には光ディスク1を載置する図示していないトレイのイジェクト(排出)やローディング(挿入)を検知した信号や、図示していないインターフェース部からの再生や停止等の各種の操作信号も入力される。マイコン6はこれらの入力信号に応じて回路各部を制御する。
【0021】
サーボドライバ7はスピンドルモータ2を駆動し、光ピックアップ3の各部を駆動する。サーボドライバ7によってスピンドルモータ2を回転させると、スピンドル2aが回転し、スピンドル2aに装着された光ディスク1もスピンドル2aと一体的に回転する。また、サーボドライバ7は、光ディスク1に照射するレーザ光を射出するCDレーザ31及びDVDレーザ32のいずれか一方を選択し、光ディスク1に対して光ピックアップ3をフォーカス方向(図1の上下方向:光ディスク1に近付く・離れる方向)に移動させて、フォーカスサーチを行わせる。また、サーボドライバ7は、光ディスク1を再生する際、光ピックアップ3を光ディスク1の径方向に移動させたり、ヘッドアンプ35における増幅率を制御したりする。
【0022】
次に、図2のフローチャートを併せ参照して、本実施の形態の要部の動作について詳細に説明する。マイコン6は、光ディスク1が装着されたことを認識すると、サーボコントローラ5及びサーボドライバ7を介してスピンドルモータ2を回転させると共に、光ピックアップ3をディスク最内周の第1セッションのリードイン位置に移動させる(ステップS1)。これにより、光ディスク1の第1セッションのリードイン位置の記録情報が光ピックアップ3により読み取られ、そのリードイン位置から検知されたRF信号が信号処理回路4及びサーボコントローラ5に入力される。マイコン6は、サーボコントローラ5から供給される再生データの中のサブコードデータのTOC情報を取得する(ステップS2)。
【0023】
続いて、マイコン6は、取得したTOC情報によって、スピンドル2aに装着された光ディスク1がCD規格の光ディスクで、かつ、マルチセッションCDであるか否かを判定する(ステップS3)。マイコン6は、ステップS3での判定の結果、マルチセッションCDでない、すなわちシングルセッションCDと判定した場合(ステップS3、No)には、TOC情報の読み込みを完了して再生準備に移る(ステップS9)。
【0024】
一方、マイコン6は、ステップS3での判定の結果、マルチセッションCDであると判定した場合(ステップS3、Yes)は、第1セッションの第1トラックの属性がオーディオトラックであるかどうかを判定する(ステップS4)。このステップS4の判定方法は、既に取得した第1セッションのTOC情報に書かれているトラック毎のデータ属性から判定する方法と、実際に第1セッションの第1トラック内に光ピックアップ3を移動してサーボコントローラ5からサブコードを取得し、そのサブコード内のデータ属性を示す情報から判定する方法の2種類が考えられる。
【0025】
続いて、マイコン6は、ステップS4の判定結果が、第1セッションの第1トラックがオーディオトラックであることを示しているかを確認する(ステップS5)。マイコン6は、第1セッションの第1トラックがオーディオトラックであることを確認すると(ステップS5、Yes)、光ディスク1が少なくとも第1セッションにオーディオデータが記録されているマルチセッションCD(CCCD含む)と判断し、マルチセッションCDでも第2セッション以降のTOC情報取得を行わずにTOC情報の読み込みを完了して再生準備に移る(ステップS9)。
【0026】
一方、マイコン6は、第1セッションの第1トラックがオーディオトラックでないと確認すると(ステップS5、No)、光ディスク1の第1セッション以降の各トラックの属性がオーディオデータ以外のデータの記録トラックであるMP3データやJPEGデータを記録したマルチセッションCDであると判断し、サーボコントローラ5及びサーボドライバ7を介して、第1セッションの次の第2セッションのリードイン位置に光ピックアップ3を移動させる(ステップS6)。
【0027】
これにより、光ディスク1の第2セッションのリードイン位置の記録情報が光ピックアップ3により読み取られ、そのリードイン位置から検知されたRF信号が信号処理回路4及びサーボコントローラ5に入力される。マイコン6は、サーボコントローラ5から供給される第2セッションの再生データの中のサブコードデータのTOC情報を取得する(ステップS7)。
【0028】
続いて、マイコン6は、ステップS7で取得した現在のセッションのTOC情報が、光ディスク1に記録されている最終セッションのTOC情報であるか否かを判定し(ステップS8)、最終セッションのTOC情報でなければ、次のセッションのリードイン位置に光ピックアップ3を移動させる(ステップS6)。
【0029】
このようにして、マイコン6は、光ディスク1の最終セッションのTOC情報が取得されるまでステップS6〜S8の処理を繰り返して各セッションのTOC情報を取得し、最終セッションのTOC情報を取得した時点で(ステップS8、Yes)、TOC情報の読み込みを完了して再生準備に移る(ステップS9)。
【0030】
市販CDの大部分を占めるオーディオCDはシングルセッションCDのため、第1セッションのみしか存在しない。また、市販CDの一部である、第2セッションに動画データ等が記録されているCDエクストラや、コピープロテクトを目的としたCCCDはマルチセッションCDであるが、既存の一般的なCDプレーヤでの再生互換を保つために、第1セッションはすべてオーディオトラックとなっている。このため、本実施の形態によれば、第1セッションのTOC情報さえ取得できれば、オーディオCD、CDエクストラ、CCCDの第1セッションのオーディオトラックの再生は問題なく可能である。
【0031】
また、本実施の形態では、マルチセッションCDであっても、第1セッションの第1トラックの属性がオーディオトラックであれば、第2セッション以降のTOC情報の取得動作を行わないので、例えばCCCDの場合にTOC読み込みに異常に時間が掛かったり、規格違反のTOCデータによってプレーヤが異常な動作に陥る可能性もなくなる。
【0032】
更に、本実施の形態では、ユーザーがパーソナルコンピュータのCD−R/RWドライブにてMP3データやJPEGデータ等を追記して作成したマルチセッションCDのような、第1セッション以降の各トラックの属性がオーディオデータ以外のデータの記録トラックである光ディスク(例えば、CD−ROM)の再生時には、第1セッションの第1トラックの属性がデータトラックであることを検出してから、第2セッション以降の各セッションのTOC情報も起動時にまとめて取得してから再生準備に入る。
【0033】
このため、本実施の形態によれば、再生準備に入ってからは、起動時にまとめて取得した各セッションのTOC情報に基づいて、上記のMP3データやJPEGデータ等を追記して作成したマルチセッションCDのすべてのセッションのデータの自動的な再生が可能となり、マルチセッション再生対応を実現できる。
【0034】
このように、本実施の形態によれば、市販のオーディオCDは殆どがシングルセッションCDのみであり、例外である前述のCCCDや、第2セッションに動画データ等が記録されているCDエクストラなどのマルチセッションCDでも、オーディオデータは第1セッションのみに記録されていることに着目し、第1セッションのTOC情報取得時にその第1セッションの第1トラックのデータ属性を判定してオーディオトラックであった場合は、マルチセッションCDであっても第2セッション以降のTOC読み込みを行わずにシングルセッションCDとして扱うことで、CCCDの第2セッション以降のTOC読み込み時に引き起こされる恐れのある異常動作を防止し、CCCDを含んだマルチセッションCDの安定した再生動作を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の光ディスク再生装置の一実施の形態の構成図である。
【図2】本発明の光ディスク再生装置のTOC読み込み方法の動作説明用フローチャートである。
【符号の説明】
【0036】
1 光ディスク
2 スピンドルモータ
2a スピンドル
3 光ピックアップ
31 CDレーザ
32 DVDレーザ
33、34 フォトディテクタ
35 ヘッドアンプ
4 信号処理回路
5 サーボコントローラ
6 マイクロコンピュータ(マイコン)
7 サーボドライバ
100 光ディスク再生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクの記録情報を光学的に読み取るピックアップ手段と、
前記光ディスクの第1セッションのリードイン位置に前記ピックアップ手段を移動制御して、前記ピックアップ手段が読み取った記録情報から前記第1セッションの実データの記録位置を示すTOC情報を取得する第1のTOC情報取得手段と、
前記第1セッションのTOC情報から前記光ディスクが、複数のセッションが記録されたマルチセッション方式の光ディスクであるか否かを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段により前記光ディスクが前記マルチセッション方式の光ディスクであると判定されたときは、前記第1セッションのTOC情報に書かれているトラック毎のデータ属性から、前記第1セッションの第1トラックがオーディオトラックであるか否かを判定する第2の判定手段と、
前記第2の判定手段により前記第1セッションの第1トラックがオーディオトラックでないと判定されたときは、次のセッションのリードイン位置に前記ピックアップ手段を移動制御して、前記ピックアップ手段から前記次のセッションのTOC情報を取得することを、前記光ディスクに記録されている第2セッション以降のすべてのセッションについて繰り返す第2のTOC情報取得手段と、
前記第1の判定手段により前記光ディスクがマルチセッション方式の光ディスクでないと判定されたとき、又は前記第2の判定手段により前記第1セッションの第1トラックが前記オーディオトラックであると判定されたときは、前記ピックアップ手段による前記第1セッションの再生動作を開始させ、前記第2のTOC情報取得手段により第2セッション以降のすべてのセッションの前記TOC情報を取得したときは、前記ピックアップ手段による前記第1セッション以降の各セッションの再生動作を開始させる再生開始手段と
を有することを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項2】
光ディスクの記録情報を光学的に読み取るピックアップ手段と、
前記光ディスクの第1セッションのリードイン位置に前記ピックアップ手段を移動制御して、前記ピックアップ手段が読み取った記録情報から前記第1セッションの実データの記録位置を示すTOC情報を取得する第1のTOC情報取得手段と、
前記第1セッションのTOC情報から前記光ディスクが、複数のセッションが記録されたマルチセッション方式の光ディスクであるか否かを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段により前記光ディスクが前記マルチセッション方式の光ディスクであると判定されたときは、前記第1セッションから前記ピックアップ手段により読み取った記録情報中のデータ属性を示す情報に基づいて、前記第1セッションの第1トラックがオーディオトラックであるか否かを判定する第2の判定手段と、
前記第2の判定手段により前記第1セッションの第1トラックがオーディオトラックでないと判定されたときは、次のセッションのリードイン位置に前記ピックアップ手段を移動制御して、前記ピックアップ手段から前記次のセッションのTOC情報を取得することを、前記光ディスクに記録されている第2セッション以降のすべてのセッションについて繰り返す第2のTOC情報取得手段と、
前記第1の判定手段により前記光ディスクがマルチセッション方式の光ディスクでないと判定されたとき、又は前記第2の判定手段により前記第1セッションの第1トラックが前記オーディオトラックであると判定されたときは、前記ピックアップ手段による前記第1セッションの再生動作を開始させ、前記第2のTOC情報取得手段により第2セッション以降のすべてのセッションの前記TOC情報を取得したときは、前記ピックアップ手段による前記第1セッション以降の各セッションの再生動作を開始させる再生開始手段と
を有することを特徴とする光ディスク再生装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−113749(P2010−113749A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−283821(P2008−283821)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】