説明

光ディスク装置、その制御方法、プログラム及び情報記憶媒体

【課題】CLV方式において、シーク動作時に光ディスク媒体の回転速度を目標回転速度まで変化させる時間を短縮できる光ディスク装置を提供する。
【解決手段】光学ピックアップ13を光ディスク媒体の径方向に沿って相対移動させる駆動部と、指定されたサーボゲインに応じて光ディスク媒体の回転速度を変化させ、指定された目標回転速度で光ディスク媒体を回転させるサーボ制御を実行するサーボ実行部と、を備え、駆動部に光学ピックアップ13を所与の目標位置まで移動させる移動指示を出力し、当該移動指示に応じて、目標位置に対応する目標回転速度をサーボ実行部に対して指定し、当該目標回転速度を維持するための維持ゲインより大きな変更時ゲインをサーボゲインとして指定する光ディスク装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CDや、DVD、Blu−ray Disc(登録商標)などの光ディスク媒体に記録された情報を読み取る光ディスク装置、その制御方法、プログラム及び情報記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種の光ディスク媒体が情報記録媒体として利用されている。一般に、光ディスク媒体内には、螺旋状にトラックが設けられており、このトラック上に線記録密度一定になるように情報が記録される。このような光ディスク媒体に記録された情報の読み取りを行う光ディスク装置は、光ディスク媒体に対して光を照射し、その光ディスク媒体での反射光を検出する光学ピックアップを備えている。そして、スピンドルモータ等により光ディスク媒体を回転させるとともに、光学ピックアップを光ディスク媒体の径方向に沿って移動させることにより、光学ピックアップによる光の照射位置を光ディスク媒体のトラックに追従させて、光ディスク媒体から情報の読み取りを行う。
【0003】
このとき、光ディスク媒体の回転速度は、いわゆるCLV(Constant Linear Velocity)方式により制御される(例えば特許文献1参照)。すなわち、トラック上に線記録密度一定に記録された情報を一定速度で読み取るために、光学ピックアップによる情報の読み取り位置が光ディスク媒体の中心に近いほど回転速度を上げ、逆に光ディスク媒体の中心から離れた位置では回転速度を下げるような制御が実行される。図6は、このCLV方式における、光学ピックアップの媒体回転軸からの径方向に沿った位置と、当該位置に応じて設定されるべき光ディスク媒体の回転速度と、の対応関係の一例を示すグラフである。この図では、横軸が光学ピックアップによる光の照射位置の媒体中心からの距離に関するパラメタ(以下、光学ピックアップ位置という)を示している。なお、この光学ピックアップ位置の値は、光ディスク媒体の記録領域のうちの最内周の位置(すなわち、媒体中心に最も近い位置)で0、最外周の位置(すなわち、媒体中心から最も遠い位置)でDhになることとしている。また、縦軸は、光ディスク媒体の回転速度を表すパラメタである単位時間あたりのディスク回転数を示している。なお、以下では光学ピックアップ位置がDのときに設定されるべき回転速度(ディスク回転数)をRot(D)と表すこととする。同図の例では、回転速度は光学ピックアップ位置に比例しており、光学ピックアップ位置の値が増加する(すなわち、光学ピックアップが媒体中心から遠ざかる)ほど回転速度は減少するようになっている。
【特許文献1】特許第3530609号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような回転速度の制御を実現するために、光ディスク装置は、光ディスク媒体の回転速度が光学ピックアップ位置に応じて決まる目標回転速度になるよう調整するサーボ制御(CLVサーボ制御)を実行する。このCLVサーボ制御は、目標回転速度と、例えばスピンドルモータの動作をモニタすることによって得られる実際の光ディスク媒体の回転速度(媒体回転速度)と、を比較しながら、外乱の影響やデータ読み出しの進行に伴う光学ピックアップの移動などによって目標回転速度と媒体回転速度との間で差が生じた場合に、所与のサーボゲインに応じて媒体回転速度を増減させることにより、媒体回転速度を目標回転速度に近づける制御である。
【0005】
このサーボ制御に関するパラメタの一つであるサーボゲインは、媒体回転速度の単位時間あたりの変化量に応じた値であり、例えば、媒体回転速度を増減させるためにスピンドルモータ等の回転駆動系に対して出力する電圧信号の変化量に対応する値である。このサーボゲインが大きいほど媒体回転速度の単位時間あたりの最大変化量が大きくなり、媒体回転速度と目標回転速度との間に差が生じた場合に、媒体回転速度は目標回転速度に向けて素早く復帰するよう制御される。
【0006】
ここで、目標回転速度に対してサーボゲインの値が大きすぎると、媒体回転速度の値が目標回転速度を中心に微少な上下動を繰り返すサーボ発振が生じてしまい、安定的に目標回転速度を維持することが難しくなってしまう。一方で、目標回転速度に対してサーボゲインの値が小さすぎると、媒体回転速度と目標回転速度との間に差が生じた場合に、媒体回転速度が目標回転速度に復帰するまで時間がかかってしまう。そこで、サーボゲインは、目標回転速度に対応して、当該目標回転速度を維持するために望ましい値に設定される。以下では、目標回転速度を維持する際に設定されるサーボゲインを維持ゲインといい、光学ピックアップ位置がDのときの目標回転速度Rot(D)を維持するための維持ゲインをGain(D)と表記する。通常、維持ゲインGain(D)は、目標回転速度Rot(D)が大きくなるほど大きな値になる。
【0007】
この光ディスク装置が、ある光学ピックアップ位置(初期位置D1)で光ディスク媒体から情報の読み取りを終えた後、光ディスク媒体の別の箇所に記録された情報の読み取りを行う際には、当該箇所に応じた光学ピックアップ位置(目標位置D2)まで光学ピックアップを移動させるシーク動作を実行する。このシーク動作が行われる場合、移動後の目標位置D2においてCLV方式でデータの読み出しを行うためには、光ディスク媒体の回転速度も、移動後の目標位置D2に対応する回転速度になるように変化させる必要がある。
【0008】
そこで、シーク動作時には、媒体回転速度を光学ピックアップの位置とは関係ない所定の目標回転速度に調整するCAV(Constant Angular Velocity)サーボ制御が行われる。具体例として、まず光ディスク装置は、シーク動作開始時に、目標位置D2に対応する目標回転速度Rot(D2)と、当該目標回転速度Rot(D2)を維持するための維持ゲインGain(D2)と、をサーボ制御のパラメタとして設定し、一定の媒体回転速度を維持するようなCAVサーボ制御を開始する。これに応じて、設定された維持ゲインGain(D2)に応じた変化量で、新たに設定された目標回転速度Rot(D2)に媒体回転速度を近づけるサーボ制御が実行されることにより、最終的に媒体回転速度が目標回転速度Rot(D2)に変更される。
【0009】
図7は、このようなシーク動作に伴う媒体回転速度の時間変化の一例を示すグラフである。この図において、縦軸は光ディスク媒体の回転速度、横軸は時間を示している。この図の例では、時刻t1の時点での媒体回転速度は初期位置D1に対応する値Rot(D1)になっており、この時点から目標位置D2に向けて光学ピックアップを移動させるシーク動作が開始されている。このシーク動作開始に伴って、媒体回転速度の制御はデータ読み取り時のCLVサーボ制御から一定の目標回転速度をターゲットとするCAVサーボ制御に切り替えられる。これにより、媒体回転速度は徐々に変化して、時刻t2の時点で、目標位置D2に対応する回転速度Rot(D2)に到達する。その後は、媒体回転速度の制御は光学ピックアップ位置に追従して目標回転速度が変化するCLVサーボ制御に切り替えられる。
【0010】
しかしながら、このような方法においては、シーク動作の目標となる目標位置D2に対応する回転速度Rot(D2)が比較的小さな値の場合、これに応じて小さな値の維持ゲインGain(D2)がサーボ制御のパラメタとして設定されるため、媒体回転速度をRot(D2)まで変化させるのに時間がかかってしまうことがある。例えば、同じ移動量だけ光学ピックアップを移動させる場合であっても、光ディスク媒体の中心側から外周側に向かって移動する際には、外周側から媒体中心に向かって移動する場合よりも、目標回転速度Rot(D2)が小さくなる。そのため、設定されるサーボゲインも小さな値になり、媒体回転速度が目標回転速度Rot(D2)に変化するまでにかかる時間が外周側から媒体中心に向かって移動する場合よりも長くなってしまう。
【0011】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的の一つは、CLV方式で光ディスク媒体の回転速度を制御する場合において、シーク動作時に光ディスク媒体の回転速度を目標とする回転速度まで変化させるのに要する時間を短縮することのできる光ディスク装置、その制御方法、プログラム及び情報記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための本発明に係る光ディスク装置は、光ディスク媒体に記録された情報を読み取る光ディスク装置であって、前記光ディスク媒体に記録された情報を読み出す光学ピックアップを、前記光ディスク媒体の径方向に沿って相対移動させる駆動部と、目標回転速度及びサーボゲインの指定を受け付けて、当該サーボゲインに応じて前記光ディスク媒体の回転速度を変化させることにより、前記光ディスク媒体を当該目標回転速度で回転させるサーボ制御を実行するサーボ実行部と、前記駆動部に前記光学ピックアップを所与の目標位置まで移動させる移動指示を出力する光学ピックアップ位置制御手段と、前記移動指示に応じて、前記目標位置に対応する目標回転速度を前記サーボ実行部に対して指定し、前記光ディスク媒体の回転速度を変化させる回転制御手段と、を含み、前記回転制御手段は、前記サーボ実行部に対して指定するサーボゲインとして、前記目標位置に対応する目標回転速度を維持するための維持ゲインより大きな変更時ゲインを指定することを特徴とする。
【0013】
また、上記光ディスク装置において、前記回転制御手段は、前記サーボ実行部に対して指定するサーボゲインとして、前記移動指示による前記光学ピックアップの移動開始時には、前記目標位置に対応する目標回転速度を維持するための維持ゲインより大きな変更時ゲインを指定し、当該変更時ゲインにより前記光ディスク媒体の回転速度が変化した後に、前記維持ゲインを指定することとしてもよい。
【0014】
また、上記光ディスク装置において、前記回転制御手段は、前記移動指示により前記光学ピックアップを前記光ディスク媒体の中心側から外周側に向かって移動させる場合に、当該移動の開始時に前記変更時ゲインを指定することとしてもよい。
【0015】
また、上記光ディスク装置において、前記回転制御手段は、前記移動指示による前記目標位置までの前記光学ピックアップの移動量が所定値以上の場合に、当該移動の開始時に前記変更時ゲインを指定することとしてもよい。
【0016】
また、上記光ディスク装置において、前記変更時ゲインは、前記光ディスク媒体の記録領域のうちの最内周の位置に対応する目標回転速度を維持するためのサーボゲインであることとしてもよい。
【0017】
また、本発明に係る光ディスク装置の制御方法は、光ディスク媒体に記録された情報を読み出す光学ピックアップを、前記光ディスク媒体の径方向に沿って相対移動させる駆動部と、目標回転速度及びサーボゲインの指定を受け付けて、当該サーボゲインに応じて前記光ディスク媒体の回転速度を変化させることにより、前記光ディスク媒体を当該目標回転速度で回転させるサーボ制御を実行するサーボ実行部と、を備える光ディスク装置の制御方法であって、前記駆動部に前記光学ピックアップを所与の目標位置まで移動させる移動指示を出力する光学ピックアップ位置制御ステップと、前記移動指示に応じて、前記目標位置に対応する目標回転速度を前記サーボ実行部に対して指定し、前記光ディスク媒体の回転速度を変化させる回転制御ステップと、を含み、前記回転制御ステップでは、前記サーボ実行部に対して指定するサーボゲインとして、前記移動指示による前記光学ピックアップの移動開始時には、前記目標位置に対応する目標回転速度を維持するための維持ゲインより大きな変更時ゲインを指定し、当該変更時ゲインにより前記光ディスク媒体の回転速度が変化した後に、前記維持ゲインを指定することを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係るプログラムは、光ディスク媒体に記録された情報を読み出す光学ピックアップを、前記光ディスク媒体の径方向に沿って相対移動させる駆動部と、目標回転速度及びサーボゲインの指定を受け付けて、当該サーボゲインに応じて前記光ディスク媒体の回転速度を変化させることにより、前記光ディスク媒体を当該目標回転速度で回転させるサーボ制御を実行するサーボ実行部と、を備える光ディスク装置を制御するプログラムであって、前記駆動部に前記光学ピックアップを所与の目標位置まで移動させる移動指示を出力する光学ピックアップ位置制御手段、及び前記移動指示に応じて、前記目標位置に対応する目標回転速度を前記サーボ実行部に対して指定し、前記光ディスク媒体の回転速度を変化させる回転制御手段、としてコンピュータを機能させ、前記回転制御手段は、前記サーボ実行部に対して指定するサーボゲインとして、前記移動指示による前記光学ピックアップの移動開始時には、前記目標位置に対応する目標回転速度を維持するための維持ゲインより大きな変更時ゲインを指定し、当該変更時ゲインにより前記光ディスク媒体の回転速度が変化した後に、前記維持ゲインを指定することを特徴とする。このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に記憶されてよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0020】
本発明の実施の形態に係る光ディスク装置1は、光ディスク媒体に記録された情報を読み取る装置であって、図1に示すように、媒体支持部11と、スピンドルモータ12と、光学ピックアップ13と、三軸アクチュエータ14と、送りモータ15と、駆動回路16と、RFアンプ17と、サーボ信号処理部18と、記録信号処理部19と、制御部20と、を備えている。
【0021】
なお、光ディスク装置1による情報読み出しの対象となる光ディスク媒体Mは、情報が記録される1又は複数のデータ記録層と、その両側からデータ記録層を保護する保護層と、が積層されて構成されることとする。以下では、データ記録層の表面を信号面という。また、光ディスク装置1は、光ディスク媒体Mに記録された情報を読み取るだけでなく、光ディスク媒体Mに対して情報を書き込み可能に構成されてもよい。さらに、光ディスク装置1は、CDや、DVD、Blu−ray Disc(登録商標)など、複数種類の光ディスク媒体Mに記録された情報を読み取り可能に構成されてもよい。
【0022】
媒体支持部11は、光ディスク媒体Mを回転可能に支持する。また、この媒体支持部11は、スピンドルモータ12から伝達される動力によって光ディスク媒体Mを回転させる。
【0023】
光学ピックアップ13は、光ディスク媒体Mに対して光を照射し、照射した光の光ディスク媒体Mでの反射光を検出して、検出した反射光に応じた出力信号を出力する。この光学ピックアップ13は、三軸アクチュエータ14によって光ディスク媒体Mの径方向、及び光ディスク媒体Mの表面に垂直な方向(すなわち、光ディスク媒体Mの回転軸に沿った方向)の2つの方向に移動可能になっており、さらに、光学ピックアップ13の光ディスク媒体Mに対する相対的な傾きを変更可能になっている。三軸アクチュエータ14が光学ピックアップ13を媒体表面に垂直な方向に沿って移動させることにより、光学ピックアップ13に備えられた対物レンズから光ディスク媒体Mの表面までの距離が変化する。
【0024】
図2は、光学ピックアップ13の内部構成の一例を示す図である。この図の例においては、光学ピックアップ13は、発光素子31と、偏光ビームスプリッタ32と、コリメータレンズ33と、コリメータレンズ駆動部34と、立ち上げミラー35と、対物レンズ36と、フォトディテクタ37と、を備えている。
【0025】
発光素子31は、所定波長のレーザー光を出力する半導体レーザー素子である。発光素子31から出射された出射光は、偏光ビームスプリッタ32及びコリメータレンズ33を通過した後、立ち上げミラー35で反射される。さらに、立ち上げミラー35で反射された出射光は、対物レンズ36によって、対物レンズ36から焦点距離Fだけ離れた焦点位置(フォーカス位置)に集光され、光ディスク媒体Mによって反射される。
【0026】
光ディスク媒体Mにより反射された反射光は、対物レンズ36を通過した後、立ち上げミラー35で反射され、偏光ビームスプリッタ32によってフォトディテクタ37側に導かれる。フォトディテクタ37は、例えばN×Nのマトリクス状に配置された複数の受光素子を備えており、偏光ビームスプリッタ32によって導かれた反射光がこれらの受光素子に到達すると、フォトディテクタ37は、複数の受光素子のそれぞれが受光した光の強度に応じた信号を出力信号として出力する。
【0027】
また、コリメータレンズ駆動部34は、アクチュエータ等により構成され、コリメータレンズ33を、レーザー光の光軸方向に沿って前後に駆動する。コリメータレンズ駆動部34がコリメータレンズ33を光軸方向に沿って移動させることにより、対物レンズ36の球面収差補正が可能となる。
【0028】
送りモータ15は、光学ピックアップ13及び三軸アクチュエータ14の全体を、光ディスク媒体Mの径方向に沿って移動させる。この送りモータ15の駆動によって、光学ピックアップ13は、光ディスク媒体Mの中心近傍の位置から外周近傍の位置まで移動可能になっている。
【0029】
駆動回路16は、サーボ信号処理部18から入力される制御信号に従って、コリメータレンズ駆動部34、三軸アクチュエータ14、スピンドルモータ12、及び送りモータ15を駆動する駆動信号を出力する。この駆動回路16からの駆動信号に応じて、スピンドルモータ12の回転速度が変化することによって、光ディスク媒体Mの回転速度が制御される。また、この駆動回路16からの駆動信号に応じて三軸アクチュエータ14及び送りモータ15が駆動することによって、対物レンズ36の媒体回転軸からの径方向に沿った距離、及び対物レンズ36の媒体表面までの距離が制御される。本実施形態では、この駆動回路16と送りモータ15とが、光学ピックアップ13を光ディスク媒体Mの径方向に沿って相対移動させる駆動部として機能する。
【0030】
RFアンプ17、サーボ信号処理部18、記録信号処理部19、及び制御部20は、例えば、光学ピックアップ13からの出力信号をディジタル信号に変換するA/D変換器、及び当該変換により得られたディジタル信号を処理するDSP(Digital Signal Processer)やマイクロコンピュータなどによって実現される。
【0031】
RFアンプ17は、光学ピックアップ13が出力する、複数の受光素子それぞれの出力信号に基づいて、各種の信号を出力する。具体的に、RFアンプ17は、各受光素子からの出力信号を所与のゲインで増幅してデータ再生用のRF信号として出力するとともに、この増幅された全ての受光素子の出力信号を全加算したプルイン信号(PI信号)を出力する。このPI信号のレベルが、光学ピックアップ13が出力する出力信号全体のレベルを表している。
【0032】
また、RFアンプ17は、光ディスク媒体Mの信号面に対する、対物レンズ36のフォーカス位置のずれを示すフォーカスエラー信号(FE信号)を算出し、出力する。一例として、FE信号は、複数の受光素子のうち、所定の対角線方向に沿って配列している受光素子の出力信号の和から、当該対角線と交差する対角線方向に沿って配列している受光素子の出力信号の和を減じることによって算出される。さらに、RFアンプ17は、データ記録層内において情報が記録されるトラックの位置と、対物レンズ36のフォーカス位置と、の間の光ディスク媒体Mの径方向のずれを示すトラッキングエラー信号(TE信号)を算出して、出力する。
【0033】
サーボ信号処理部18は、RFアンプ17が出力するPI信号、FE信号、TE信号などに基づいて、サーボ制御用の各種の信号を生成し、制御部20に出力する。また、サーボ信号処理部18は、制御部20から入力される指示に従って、駆動回路16に対して三軸アクチュエータ14やコリメータレンズ駆動部34、送りモータ15、スピンドルモータ12を駆動させるための制御信号を出力する。
【0034】
また、本実施形態において、サーボ信号処理部18は、サーボ実行部として機能し、制御部20からの指示に応じて光ディスク媒体Mの回転速度(媒体回転速度)を調整するサーボ制御を実行する。具体的に、サーボ信号処理部18は、所与の目標回転速度と、スピンドルモータ12の回転速度をモニタするなどして得られる媒体回転速度と、を比較した結果に基づいて、媒体回転速度を目標回転速度に近づけるように、所与のサーボゲインに応じた変化量でスピンドルモータ12の回転速度を変化させる制御信号を駆動回路16に対して出力する。これによって、本実施形態に係る光ディスク装置1は、光ディスク媒体Mを所与の目標回転速度で回転させるサーボ制御を実現する。
【0035】
本実施形態でサーボ信号処理部18が実行するサーボ制御には、CLVサーボ制御及びCAVサーボ制御の2種類があり、制御部20からの指示に応じて切り替えられる。これら2種類のサーボ制御の違いは、サーボ制御のパラメタである目標回転速度の決定方法にある。ここで、サーボ信号処理部18は、制御部20からの指示により、対物レンズ36のフォーカス位置を光ディスク媒体Mのトラック位置に追従させるように三軸アクチュエータ14を媒体の径方向に沿って移動させるトラッキングサーボ制御も実行している。そして、CLVサーボ制御においては、このトラッキングサーボ制御によって徐々に移動する光学ピックアップ13の位置に対応して、図6に例示されるような関係によって決まる値が、目標回転速度として設定される。また、当該目標回転速度を維持するための維持ゲインが、サーボゲインの値として設定される。これによって、光ディスク装置1が光ディスク媒体Mから情報の読み出しを行う際には、サーボ信号処理部18によってトラッキングサーボ制御とともにCLVサーボ制御が実行され、光学ピックアップ13の移動に伴って媒体回転速度が徐々に変化する。
【0036】
一方、光ディスク装置1が光ディスク媒体M内から情報を読み取る対象となる位置を、ある位置から不連続な別の位置に変更する場合、トラッキングサーボ制御を一旦中止して、光学ピックアップ13の位置を媒体の径方向に沿って動かす必要がある。このような場合には、CAVサーボ制御が実行される。このCAVサーボ制御を実行する際には、サーボ信号処理部18は制御部20からサーボ制御のパラメタである目標回転速度及びサーボゲインの値の指定を受け付けることとし、これら指定されたパラメタに応じて、媒体回転速度が一定の目標回転速度に維持されるように調整するサーボ制御を実行する。この場合に制御部20が指定する目標回転速度及びサーボゲインの値の具体例については、後述する。
【0037】
記録信号処理部19は、RFアンプ17が出力するRF信号に基づいて、光ディスク媒体Mに記録された情報を示すディジタル信号を復調して、制御部20に出力する。また、RF信号の波形の立ち上がりタイミングなどに応じて、光学ピックアップ13による光ディスク媒体Mに記録された情報の読み取り精度を示す評価値(RF振幅やジッター値など)を算出し、制御部20に対して出力する。
【0038】
制御部20は、例えばマイクロコンピュータによって構成され、実行モジュールと記憶素子とを含む。この制御部20の記憶素子には、実行するべきプログラムや各種パラメタが格納され、実行モジュールは、当該記憶素子に格納されたプログラムに従って処理を行う。具体的に、制御部20は、サーボ信号処理部18から入力される信号(PI信号のピーク検出の結果に関する信号や、FE信号に関する処理結果の信号)等の入力を受けて、これらの信号に基づき、対物レンズ36のフォーカスが信号面に合う位置を検出し、当該位置に光学ピックアップ13と光ディスク媒体Mとの距離を設定する処理(フォーカス検出処理)を実行する。
【0039】
また、制御部20は、ホストとなるパーソナルコンピュータや、家庭用ゲーム機本体、ビデオデコーダなどに接続され、ホストからの要求に応じて、送りモータ15や三軸アクチュエータ14を駆動させる命令をサーボ信号処理部18に出力し、対物レンズ36のフォーカス位置(すなわち、光ディスク媒体M上における情報の読み取り位置)を光ディスク媒体M上の所望の位置へ移動させる。また、併せてスピンドルモータ12の回転速度を調整するサーボ制御を実行させる命令をサーボ信号処理部18に出力し、光ディスク媒体Mの回転速度を調整する。そして、その状態において記録信号処理部19が出力する、光ディスク媒体Mから読み取られた信号から復調された信号を、ホスト側へ出力する。
【0040】
以下では、本実施形態において、光ディスク装置1の制御部20が、これまで光ディスク媒体M上において情報の読み取りを実行していた位置から別の位置に光学ピックアップ13を移動させて、当該位置から新たな情報の読み取りを開始するシーク動作を実行する際の処理の具体例について、説明する。本実施形態において、制御部20は、機能的に、図3に示すように、光学ピックアップ位置制御部41と、回転制御部42と、を含んで構成される。これらの機能は、制御部20が内蔵された記憶素子に格納しているプログラムを実行することによってソフトウエア的に実現される。
【0041】
光学ピックアップ位置制御部41は、ホストからの要求などに応じて、光学ピックアップ13による光ディスク媒体M上の読み出し位置を変更する場合、まず、新たに読み出しを行うべき光ディスク媒体M上のトラック位置を特定する。そして、光学ピックアップ13の媒体径方向に沿った位置(光学ピックアップ位置)を、現時点における位置(初期位置D1)から、当該特定されたトラック位置に対応する位置(目標位置D2)まで移動させる移動指示を、サーボ信号処理部18に対して出力する。これにより、送りモータ15が制御されて、光学ピックアップ13の媒体径方向に沿った移動が開始される。
【0042】
回転制御部42は、光学ピックアップ位置制御部41が出力する移動指示に応じて、光ディスク媒体Mの回転速度を変化させる制御を行う。本実施形態では、光ディスク媒体Mから情報を読み出す際には、CLV方式によって媒体回転速度が制御される。そのため、光学ピックアップ位置制御部41により移動指示がなされる直前の時点においては、光ディスク媒体Mは、初期位置D1に対して図6に示すような関係を満たす回転速度Rot(D1)で回転している。回転制御部42は、この媒体回転速度を、移動指示による光学ピックアップ13の目標位置D2に対応する回転速度Rot(D2)に変化させる制御を実行する。
【0043】
このような回転速度の変更を実現するため、回転制御部42は、サーボ信号処理部18に対して、サーボ制御のパラメタである目標回転速度及びサーボゲインの値を指定して、CAVサーボ制御を実行させる。このときサーボ制御のパラメタとして指定される目標回転速度は、目標位置D2に対応する回転速度Rot(D2)である。一方、本実施形態では、回転制御部42によって指定されるサーボゲインの値は、目標位置D2に対応する回転速度Rot(D2)を維持するための維持ゲインGain(D2)であるとは限らない。
【0044】
具体例として、回転制御部42は、光学ピックアップ位置制御部41により移動指示が出力されて光学ピックアップ13の移動が開始されるタイミングでは、まずサーボ信号処理部18に対して、目標回転速度としてRot(D2)を、サーボゲインとしては維持ゲインGain(D2)より大きな値(以下、変更時ゲインという)を、それぞれ出力し、CAVサーボ制御を実行させる。これによって、光ディスク媒体Mの回転速度は、維持ゲインGain(D2)が指定された場合より大きな変化量で目標回転速度Rot(D2)に向けて変化していく。
【0045】
その後、回転制御部42は、変更時ゲインによって媒体回転速度が変化した後、所定のタイミングで、サーボゲインとして維持ゲインGain(D2)を出力する。具体的に、例えば回転制御部42は、サーボ信号処理部18がモニタしている媒体回転速度の値を監視し、媒体回転速度が目標回転速度Rot(D2)に到達した時点で、サーボゲインの値を維持ゲインGain(D2)に変更する。これによって、目標回転速度Rot(D2)に対応する維持ゲインGain(D2)より大きなサーボゲインによって媒体回転速度が変化することによるサーボ発振の発生を防ぐことができる。
【0046】
図4は、このような回転制御部42の制御によるシーク動作時の媒体回転速度の時間変化の一例を示すグラフである。この図においては、図7と同様に、縦軸が媒体回転速度、横軸が時間を示している。また、比較のため、図7に示した従来例の光ディスク装置における媒体回転速度の時間変化が、二点鎖線により示されている。この図に示すように、本実施形態では、維持ゲインGain(D2)より大きな変更時ゲインが設定されることによって、時刻t1以降、従来例より大きな変化量で媒体回転速度が低下している。その結果、時刻t2より早い時刻t3のタイミングで、媒体回転速度が目標回転速度Rot(D2)まで到達し、新たな位置での情報の読み出しが開始可能になる。
【0047】
なお、回転制御部42は、媒体回転速度が目標回転速度Rot(D2)に到達するより早い時点で、サーボゲインの値を維持ゲインGain(D2)に変更してもよい。具体例として、回転制御部42は、媒体回転速度が目標回転速度Rot(D2)に対して所定の比率を乗じた回転速度に到達した時点や、シーク動作開始時における媒体回転速度Rot(D1)と目標回転速度Rot(D2)との間の差と、変更時ゲインと、に応じて算出される時間が経過した時点で、サーボゲインの値を維持ゲインGain(D2)に変更してもよい。こうすれば、変更時ゲインとして大きな値を設定したことによって媒体回転速度が目標回転速度Rot(D2)を超えて変化しすぎてしまうオーバーシュートの発生などを抑えることができる。
【0048】
ここで、変更時ゲインとして指定される値は、例えば光ディスク媒体Mの記録領域のうちの最内周の位置(すなわち、光学ピックアップ位置の値が0になる位置)に対応する回転速度Rot(0)を目標回転速度とした場合の維持ゲインGain(0)であってもよい。このGain(0)は、CLVサーボ制御及びCAVサーボ制御の実行時に取り得るサーボゲインの値のうちの最大値になっている。このような値がサーボゲインとして指定されることによって、サーボ信号処理部18は、CAVサーボ制御によって素早く媒体回転速度を目標回転速度まで変化させることができる。
【0049】
また、回転制御部42は、シーク動作の実行時に常に維持ゲインGain(D2)より大きな値の変更時ゲインを設定せずともよい。具体的に、例えば回転制御部42は、光学ピックアップ位置制御部41が光学ピックアップ13を光ディスク媒体Mの中心側から外周側に向かって移動させる場合に、選択的に、シーク動作開始時のサーボゲインとして維持ゲインGain(D2)より大きな変更時ゲインを指定してもよい。図6のグラフに示されるように、CLV方式では、光学ピックアップ13を光ディスク媒体Mの中心側から外周側に向かって移動させる場合、媒体回転速度を小さくするように制御する必要がある。このような場合には、目標回転速度Rot(D2)に対応する維持ゲインGain(D2)が小さな値になるので、これより大きな変更時ゲインをサーボゲインとして設定することで、シーク動作の所要時間の短縮効果が大きくなる。一方、シーク動作によって光学ピックアップ13を光ディスク媒体Mの外周側から中心側に向かって移動させる場合には、このような変更時ゲインの設定による所要時間の短縮効果が逆向きの移動の場合ほど期待できないことから、従来通り、シーク動作開始時から維持ゲインGain(D2)を設定してCAVサーボ制御を実行させることとしてもよい。
【0050】
また、回転制御部42は、シーク動作による光学ピックアップ13の初期位置D1から目標位置D2までの移動量が所定値以上の場合に、選択的に、シーク動作開始時のサーボゲインとして維持ゲインGain(D2)より大きな変更時ゲインを指定してもよい。この場合も、初期位置D1から目標位置D2までの移動量が所定値未満の場合には、維持ゲインGain(D2)より大きな変更時ゲインの設定によるシーク動作の所要時間の短縮効果が比較的小さいことから、シーク動作開始時より維持ゲインGain(D2)をサーボゲインとして設定することとしてもよい。なお、以上説明した変更時ゲインを適用するか否かの複数の判定条件は、組み合わせて用いられることとしてもよい。
【0051】
以下、本実施形態においてシーク動作時に制御部20が実行する処理の流れの一例について、図5のフロー図に基づいて説明する。
【0052】
シーク動作を実行する場合、まず光学ピックアップ位置制御部41が、送りモータ15に光学ピックアップ13を目標位置D2まで移動させる移動指示を、サーボ信号処理部18に対して出力する(S1)。これに応じて、送りモータ15が駆動し、光学ピックアップ13の媒体径方向に沿った移動が開始される。
【0053】
次に、回転制御部42は、サーボ信号処理部18に対して、CLVサーボ制御を停止してCAVサーボ制御に切り替える指示を出力する(S2)。続いて、CAVサーボ制御のパラメタの一つである目標回転速度を、Rot(D2)に設定する指示を出力する(S3)。さらに回転制御部42は、サーボ信号処理部18に対して、サーボゲインを変更時ゲインGain(0)に設定する指示を出力する(S4)。これらの指定に応じて、サーボ信号処理部18は、媒体回転速度を目標回転速度Rot(D2)に向けて変化させるCAVサーボ制御を実行する。
【0054】
その後、回転制御部42は、サーボ信号処理部18の出力を監視することによって、媒体回転速度が目標回転速度Rot(D2)に到達するタイミングを待つ(S5)。媒体回転速度が目標回転速度Rot(D2)になったことが検知されると、回転制御部42は、CAVサーボ制御を停止してCLVサーボ制御に切り替える指示をサーボ信号処理部18に対して出力する(S6)。続いて回転制御部42は、サーボゲインとして、維持ゲインGain(D2)を設定する指示を出力する(S7)。これにより、媒体回転速度が目標回転速度Rot(D2)に維持されて、目標位置D2における情報の読み出しが開始される。
【0055】
以上説明した本実施の形態によれば、シーク動作実行時に、回転速度を一定に維持しようとするCAVサーボ制御を実行するにも関わらず、目標回転速度Rot(D2)に対応する維持ゲインGain(D2)よりも大きな変更時ゲインがサーボ制御のパラメタとして設定される。これにより、媒体回転速度の変更に要する時間を短縮でき、シーク動作を素早く完了させることが可能になる。
【0056】
なお、本発明の実施の形態は、以上説明したものに限られない。例えば以上の説明においては、光ディスク媒体Mに記録された情報を読み取る位置を変更する際のシーク動作について説明したが、光ディスク媒体Mに対する書き込み位置を変更する際にも同様の制御を実行することとしてもよい。また、以上の説明においては、維持ゲインGain(D2)より大きな変更時ゲインの具体例として、目標回転速度Rot(0)を維持するための維持ゲインGain(0)を用いる例について記載したが、変更時ゲインの値はこれに限らず、維持ゲインGain(D2)より大きな各種の値であってよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施の形態に係る光ディスク装置の構成例を表すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る光ディスク装置の光学ピックアップの内部構成例を表す概要図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る光ディスク装置の機能例を表す機能ブロック図である。
【図4】シーク動作時の媒体回転速度の時間変化の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る光ディスク装置が実行する処理の一例を示すフロー図である。
【図6】CLV方式の光ディスク装置における光学ピックアップの位置と光ディスク媒体の回転速度との関係の一例を示す図である。
【図7】従来例の光ディスク装置における、シーク動作時の媒体回転速度の時間変化の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 光ディスク装置、11 媒体支持部、12 スピンドルモータ、13 光学ピックアップ、14 三軸アクチュエータ、15 送りモータ、16 駆動回路、17 RFアンプ、18 サーボ信号処理部、19 記録信号処理部、20 制御部、31 発光素子、32 偏光ビームスプリッタ、33 コリメータレンズ、34 コリメータレンズ駆動部、35 立ち上げミラー、36 対物レンズ、37 フォトディテクタ、41 光学ピックアップ位置制御部、42 回転制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスク媒体に記録された情報を読み取る光ディスク装置であって、
前記光ディスク媒体に記録された情報を読み出す光学ピックアップを、前記光ディスク媒体の径方向に沿って相対移動させる駆動部と、
目標回転速度及びサーボゲインの指定を受け付けて、当該サーボゲインに応じて前記光ディスク媒体の回転速度を変化させることにより、前記光ディスク媒体を当該目標回転速度で回転させるサーボ制御を実行するサーボ実行部と、
前記駆動部に前記光学ピックアップを所与の目標位置まで移動させる移動指示を出力する光学ピックアップ位置制御手段と、
前記移動指示に応じて、前記目標位置に対応する目標回転速度を前記サーボ実行部に対して指定し、前記光ディスク媒体の回転速度を変化させる回転制御手段と、
を含み、
前記回転制御手段は、前記サーボ実行部に対して指定するサーボゲインとして、前記目標位置に対応する目標回転速度を維持するための維持ゲインより大きな変更時ゲインを指定する
ことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
請求項1記載の光ディスク装置において、
前記回転制御手段は、前記サーボ実行部に対して指定するサーボゲインとして、前記移動指示による前記光学ピックアップの移動開始時には、前記目標位置に対応する目標回転速度を維持するための維持ゲインより大きな変更時ゲインを指定し、当該変更時ゲインにより前記光ディスク媒体の回転速度が変化した後に、前記維持ゲインを指定する
ことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の光ディスク装置において、
前記回転制御手段は、前記移動指示により前記光学ピックアップを前記光ディスク媒体の中心側から外周側に向かって移動させる場合に、当該移動の開始時に前記変更時ゲインを指定する
ことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項記載の光ディスク装置において、
前記回転制御手段は、前記移動指示による前記目標位置までの前記光学ピックアップの移動量が所定値以上の場合に、当該移動の開始時に前記変更時ゲインを指定する
ことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項記載の光ディスク装置において、
前記変更時ゲインは、前記光ディスク媒体の記録領域のうちの最内周の位置に対応する目標回転速度を維持するためのサーボゲインである
ことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項6】
光ディスク媒体に記録された情報を読み出す光学ピックアップを、前記光ディスク媒体の径方向に沿って相対移動させる駆動部と、目標回転速度及びサーボゲインの指定を受け付けて、当該サーボゲインに応じて前記光ディスク媒体の回転速度を変化させることにより、前記光ディスク媒体を当該目標回転速度で回転させるサーボ制御を実行するサーボ実行部と、を備える光ディスク装置の制御方法であって、
前記駆動部に前記光学ピックアップを所与の目標位置まで移動させる移動指示を出力する光学ピックアップ位置制御ステップと、
前記移動指示に応じて、前記目標位置に対応する目標回転速度を前記サーボ実行部に対して指定し、前記光ディスク媒体の回転速度を変化させる回転制御ステップと、
を含み、
前記回転制御ステップでは、前記サーボ実行部に対して指定するサーボゲインとして、前記目標位置に対応する目標回転速度を維持するための維持ゲインより大きな変更時ゲインを指定する
ことを特徴とする光ディスク装置の制御方法。
【請求項7】
光ディスク媒体に記録された情報を読み出す光学ピックアップを、前記光ディスク媒体の径方向に沿って相対移動させる駆動部と、目標回転速度及びサーボゲインの指定を受け付けて、当該サーボゲインに応じて前記光ディスク媒体の回転速度を変化させることにより、前記光ディスク媒体を当該目標回転速度で回転させるサーボ制御を実行するサーボ実行部と、を備える光ディスク装置を制御するプログラムであって、
前記駆動部に前記光学ピックアップを所与の目標位置まで移動させる移動指示を出力する光学ピックアップ位置制御手段、及び
前記移動指示に応じて、前記目標位置に対応する目標回転速度を前記サーボ実行部に対して指定し、前記光ディスク媒体の回転速度を変化させる回転制御手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記回転制御手段は、前記サーボ実行部に対して指定するサーボゲインとして、前記目標位置に対応する目標回転速度を維持するための維持ゲインより大きな変更時ゲインを指定する
ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項7記載のプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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