説明

光ディスク装置、信号処理装置、及び信号処理方法

【課題】ピックアップの振動を抑制した状態でピックアップをシフト可能な技術を提供する。
【解決手段】ピックアップを備え、光ディスクに記録された情報の読み出しと該光ディスクへの情報の書き込みとのうち少なくともいずれか一方を実行する光ディスク装置であって、前記ピックアップの受光素子から出力される検出信号に基づいて、前記ピックアップの振動成分を含むレンズエラー信号を生成するレンズエラー生成部と、前記レンズエラー信号にオフセットを加えて前記ピックアップをシフトさせるレンズエラー信号制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク装置、信号処理装置、及び信号処理方法の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスクの回転振動によるトラック外れやフォーカス外れを防止する技術がある。例えば特許文献1には、ディジタルシグナルフィルタである振動検出フィルタが、そのフィルタ係数を変更するのではなく、サンプリング周波数を変更することにより振動成分の周波数変動に追従して、当該振動成分を抜き取ることフォーカスフィルタ、トラッキングフィルタが、当該振動成分の極性を反転し、反転して生成された打ち消し成分をフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に相殺するように加算して、振動成分を吸収すること、が開示されている。
【0003】
また、例えば、特許文献2には、ディスクからデータプロセッサまでの構成において、ディスクの回転で発生する振動情報を検出すること、この振動情報をディスクの1回転ごとにメモリに記憶すること、ここでの記憶情報に基づいてピックアップ内のレンズへのフォーカス方向及びトラッキング方向でのそれぞれの変位の影響を予測すること、この予測した振動の影響を除去するための補正信号を生成してサーボ制御信号に加算したアクチュエータ駆動信号を生成して送出すること、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−134958号公報
【特許文献2】特開2000−276753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光ディスク(CD:Compact Disc、DVD:Digital Versatile Disc、BD:Blu-ray Disc等)には、記録面に形成されたスパイラル状又は同心円状に設けられたピットに情報(音楽データや画像データ)が記録されている。光ディスク装置のピックアップから照射されたレーザービームの焦点を記録面に合わせるとともに、ピット列(トラック)を追従(以下、トラッキングともいう)し、反射ビームをピックアップで検出することで、ピットに記録された情報の読み取りが実現される。その結果、光ディスクに記録された音楽データや画像データが再生される。
【0006】
光ディスクの記録面に記録された情報を正確に読み取り、若しくは記録面に正確に情報を書き込むための制御として、フォーカシング制御(フォーカシングサーボともいう。)とトラッキング制御(トラッキングサーボともいう。)がある。フォーカシング制御は、レーザービームの焦点位置を合わせる制御であり、レーザービームの焦点ずれをフォーカスエラー信号として検出し、検出したフォーカスエラー信号に基づいてレーザービームの焦点位置が制御される。トラッキング制御は、レーザービームがピット列(トラック)を追従できるようにレーザービームの位置合わせをする制御であり、レーザービームのピット列に対する位置ずれをトラッキングエラー信号として検出し、検出したトラッキングエラー信号に基づいてレーザービームの位置が制御される。
【0007】
光ディスクの記録面に記録された情報を更に正確に読み取り、若しくは記録面に更に正確に情報を書き込めるよう、トラッキングエラー信号を調整することが従来から行われている。トラッキングエラー信号の調整は、例えば、トラッキングコイルの両端に一定電圧
を印加してピックアップのレンズを光ディスクの内周方向又は外周方向へシフトさせることで実現できる。図1は、従来技術において、トラッキングエラー信号を調整するため、トラッキングコイルの両端に一定電圧を印加してピックアップのレンズを光ディスクの内周方向又は外周方向へシフトさせる様子を示す。
【0008】
ここで、光ディスクの再生では、光ディスクの回転による振動がピックアップに伝達しレンズが振動することが問題となる。このピックアップのレンズが振動する問題は、上述したトラッキングエラー信号の調整時、すなわち、ピックアップのレンズをシフトさせるためにトラッキングコイルの両端に一定電圧を印加する際にも発生する。この場合、光ディスクの回転による振動に加え、ピックアップのレンズをシフトさせることでピックアップのレンズに振動が伝達され、その結果、調整対象となる信号(例えば、トラッキングエラー信号)を正確に測定することができなくなる。また、光ディスクの中でも、例えばBDは、線速度がDVDの1.28倍から1.40倍であり、DVDなどに比べてより高速での回転が必要とされることから振動による影響も大きくなることが懸念されている。
【0009】
本発明では、ピックアップの振動を抑制した状態でピックアップをシフト可能な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、上述した課題を解決するため、ピックアップの振動成分を含むレンズエラー信号にオフセットを加えてピックアップをシフトさせることとした。
【0011】
より詳細には、本発明は、ピックアップを備え、光ディスクに記録された情報の読み出しと該光ディスクへの情報の書き込みとのうち少なくともいずれか一方を実行する光ディスク装置であって、前記ピックアップの受光素子から出力される検出信号に基づいて、前記ピックアップの振動成分を含むレンズエラー信号を生成するレンズエラー生成部と、前記レンズエラー信号にオフセットを加えて前記ピックアップをシフトさせるレンズエラー信号制御部と、を備える。
【0012】
光ディスクに記録された情報の読み出しと該光ディスクへの情報の書き込みを正確に行えるよう、ピックアップを光ディスクのピット列に追従させるトラッキング制御に用いる、受光素子から出力される検出信号に基づくトラッキングエラー信号を調整することが従来から行われている。このトラッキングエラー信号の調整は、例えば、トラッキングコイルの両端に一定電圧を印加してピックアップのレンズを光ディスクの内周方向又は外周方向へシフトさせることで実現できる。ここで、ピックアップの振動は、上述したトラッキングエラー信号の調整時にも発生する。ピックアップをシフトさせることでピックアップに振動が伝達され、その結果、調整対象となる信号(例えば、トラッキングエラー信号)を正確に測定することができなくなる。これに対し、本発明によれば、ピックアップの振動成分を含むレンズエラー信号に対して、オフセットを印加してピックアップをシフトさせることで、ピックアップの振動が抑制された状態でピックアップをシフトさせることができる。その結果、例えば、ピックアップをシフトさせた際における正確なトラッキングエラー信号の測定が可能となる。光ディスク装置は、車載用、家庭用の何れでもよい。光ディスクには、CD、DVD、BD等が含まれる。このうちBDは、DVDなどに比べてより高速での回転が必要とされることから振動による影響も大きい。従って、本発明に係る光ディスクは、BDに記録された情報の読み取り又はBDへの情報を書き込む装置として好適に用いることができる。レンズエラー信号は、レンズエラー信号はピックアップにおけるレンズの基準位置に対するレンズのずれに応じた信号であり、ピックアップをシフトさせた際の振動成分と光ディスクが回転する際に発生する振動成分を含む。オフセットは、ピックアップの特性から求められるレンズエラー信号に印加する信号レベルであり、ピックアップの特性には、製造誤差やピックアップの動作に影響する温度特性等が含まれ
る。
【0013】
ここで、本発明に係る光ディスク装置は、前記受光素子から出力される検出信号に基づくトラッキングエラー信号に応じて、前記ピックアップを前記光ディスクのピット列に追従させるトラッキング制御に対する調整動作時において、前記レンズエラー信号制御部で前記レンズエラー信号にオフセットを加えることにより前記ピックアップをシフトした状態において検出される前記トラッキングエラー信号に基づいて、該光ディスク装置の動作の調整を行う調整部を更に備える構成とすることができる。
【0014】
本発明によれば、調整部を備えることで光ディスク装置の動作のより正確な調整が可能となる。トラッキングエラー信号は光ディスクのピットに対するずれに応じた信号である。
【0015】
また、本発明に係る光ディスク装置において、前記調整部は、前記レンズエラー信号制御部で前記レンズエラー信号に正側のオフセットを加えて該ピックアップの駆動部に印加することにより前記ピックアップを正側にシフトした状態において検出される正側トラッキングエラー信号と、前記レンズエラー信号制御部で前記レンズエラー信号に負側のオフセットを加えて該ピックアップの駆動部に印加することにより前記ピックアップを負側にシフトした状態において検出される負側トラッキングエラー信号とに基づいて、該光ディスク装置の動作の調整を行うようにしてもよい。
【0016】
本発明によれば、内周方向又は外周方向の一方への偏りを是正することができる。その結果、光ディスク装置を精度良く安定的に動作させることができる。
【0017】
ここで、本発明は、信号制御装置として特定することもできる。具体的には、本発明は、ピックアップを備え、光ディスクに記録された情報の読み出しと該光ディスクへの情報の書き込みとのうち少なくともいずれか一方を実行する光ディスク装置であって、前記ピックアップの受光素子から出力される検出信号に基づいて、前記ピックアップの振動成分を含むレンズエラー信号を生成するレンズエラー生成部と、前記レンズエラー信号にオフセットを加えて前記ピックアップをシフトさせるレンズエラー信号制御部と、を備える光ディスク装置と接続可能な信号処理装置であって、前記ピックアップの受光素子から出力される検出信号に基づいて、前記ピックアップの振動成分を含むレンズエラー信号にオフセットを加えて該ピックアップの駆動部に印加し、該ピックアップをシフトさせ、前記ピックアップをシフトさせた状態で、前記受光素子から出力される検出信号に基づく信号であって、前記ピックアップを前記光ディスクのピット列に追従させるためのトラッキングエラー信号を取得し、取得されたトラッキングエラー信号に基づいて、該光ディスク装置の動作の調整を行う信号処理装置である。
【0018】
本発明に係る信号処理装置は、既存の光ディスク装置に適用可能であり、また、光ディスク装置の生産ラインにおける検査装置として用いることもできる。
【0019】
また、本発明は、上述した光ディスク装置又は信号処理装置で実行される信号処理方法として特定することもできる。例えば、本発明は、ピックアップを備え、光ディスクに記録された情報の読み出しと該光ディスクへの情報の書き込みとのうち少なくともいずれか一方を実行する光ディスク装置の動作の調整を行うための信号処理方法であって、前記ピックアップの受光素子から出力される検出信号に基づいて、前記ピックアップの振動成分を含むレンズエラー信号にオフセットを加えて該ピックアップの駆動部に印加し、該ピックアップをシフトさせるシフトステップと、前記ピックアップをシフトさせた状態で、前記受光素子から出力される検出信号に基づく信号であって、前記ピックアップを前記光ディスクのピット列に追従させるためのトラッキングエラー信号を取得するトラッキングエ
ラー信号取得ステップと、前記トラッキングエラー信号取得ステップで取得されたトラッキングエラー信号に基づいて、該光ディスク装置の動作の調整を行う調整ステップと、を含む。
【0020】
更に、本発明は、上述した光ディスク装置又は信号処理装置で実行される処理を実現させるプログラムであってもよい。更に、本発明は、そのようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。この場合、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行することにより、その機能を提供させることができる。なお、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、又は化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ピックアップの振動を抑制した状態でピックアップをシフト可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来技術において、トラッキングエラー信号を調整するため、トラッキングコイルの両端に一定電圧を印加してピックアップのレンズを光ディスクの内周方向又は外周方向へシフトさせる様子を示す。
【図2】第一実施形態に係る光ディスク装置の概略構成を示す。
【図3】ピックアップの概略構成を示す。
【図4】受光素子の概略構成を示す。
【図5】レンズダンピング制御におけるトラッキングコイル印加電圧とレンズエラー信号との関係を示す。
【図6】第一実施形態に係る光ディスク装置で実行される処理フローを示す。
【図7】第一実施形態に係る光ディスク装置で処理を実行した場合における、トラッキングコイルへの印加電圧、レンズエラー信号、レンズとの関係を示す。
【図8】第二実施形態に係る信号処理装置の概略構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第一実施形態>
[構成]
次に、本発明の光ディスク装置について、図面に基づいて説明する。図2は、第一実施形態に係る光ディスク装置の概略構成を示す。第一実施形態に係る光ディスク装置100は、光ディスク1へ記録された情報の読み込み又は光ディスク1への情報の書き込みが可能であり、ピックアップ2、スピンドルモータ3、モータドライバIC5、信号処理LSI6を備える。レンズ26、受光素子29、トラッキングコイル30、フォーカスコイル31は、ピックアップ2の構成に含まれる。信号処理LSI6は、トラッキングエラー(TE)生成回路61、フォーカスエラー(FE)生成回路62、レンズエラー(LE)生成回路63、トラッキングコイル駆動回路64、トラッキングサーボフィルタ65、フォーカスサーボフィルタ66、レンズ振動抑制制御フィルタ68、フォーカスコイル駆動回路641、定電圧生成回路60、マイコン7、メモリ8を備える。第一実施形態に係る光ディスク装置100は、例えば車両に搭載されるナビゲーション装置に組み込むことができるがこれに限定されるものではない。光ディスク装置100は、光ディスクの記録面に記録された情報の読み取り、若しくは記録面への情報の書き込みを行う種々の電子機器として用いることができる。
【0024】
光ディスク1には、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc)が例示される。光ディスク1は、これらに限定されるものではなく、情
報の読書きにレーザ光を利用する記憶媒体が含まれる。情報には、テキストデータ、音楽データ、動画データ等が含まれる。
【0025】
[ピックアップ]
ここで図3は、ピックアップ2の概略構成を示す。ピックアップ2は、光ディスク1に記録された情報の読書きを行う。ピックアップ2は、半導体レーザ21、コリメートレンズ22、回析格子23、ビームスプリッタ24、立ち上げミラー25、レンズ26、検出レンズ27、シリンドリカルレンズ28、受光素子29、トラッキングコイル30(図2参照)、フォーカスコイル31(図2参照)といった既存の構成を含む。半導体レーザ21は、光ディスク1に応じた波長のレーザービームを出射する。半導体レーザ21から出射されたレーザービームは、コリメートレンズ22に入射され、コリメートレンズ22によって平行光に変換される。コリメートレンズ22によって変換されたレーザービームは、回折格子23で0次光(メインビーム)と±1次光(一対のサブビーム)とからなる3ビームに分離される。3ビームに分離されたレーザービームは、ビームスプリッタ24を通過し、立ち上げミラー25で反射され、レンズ26に入射され、レンズ26によって光ディスク1の記録面にレーザービームが集光される。光ディスク1の記録面で反射されたレーザービームは、レンズ26、立ち上げミラー25を通過し、ビームスプリッタ24で反射されて検出レンズ27で集光され、シリンドリカルレンズ28で非点収差が与えられ、メインビームと一対のサブビームにクロストーク光が含まれた光が受光素子29に集光される。なお、上述したピックアップ2の構成は、一例にすぎず、例えば、各種レンズの配置等は適宜変更することができる。また、ピックアップ2は、例えば、解析格子23を有しない、一本のレーザービームを光ディスク1に照射し、受光素子29で受光する、より簡易なものでもよい。
【0026】
受光素子(フォトディテクタともいう)29は、光ディスク1で反射された光を集光して電気信号に変換し、検出信号を出力する。ここで、図4は、受光素子の概略構成を示す。図4に示す受光素子29は、メインビームを受光する検出素子A,B,C,Dと、サブビームを受光する検出素子E,Fからなる。光スポット(ディスクへの光照射位置)がピット列の中心位置にある時(レンズがトラッキング方向(ピット列に対して直角方向)の基準位置にある時)は、受光素子29の中央にレーザービームが一致する。具体的には、検出素子A,B,C,Dの中央で光ディスク1から反射されたメインビームが検出され、検出素子E,Fでは、少量かつ同量のサブビームが検出される。検出素子E,Fで検出される光の量は同じであるため、ずれ量は検出されない。一方で、光スポットがピット列の中心位置からずれると、検出素子A,B,C,Dの中央からずれた位置でメインビームが検出され、また、検出素子E,Fでは異なる量のサブビームが検出される。その結果、トラックからのずれに関する情報と、ずれ量に関する情報が取得される。フォーカスについては、非点収差法の場合、レーザー光のフォーカスがピットに合っている時に、検出素子上のビーム形状が真円になる(合っていない場合は、45度方向に長軸・短軸(長さがフォーカスずれにより変化する)を持つ楕円となる)。なお、メインビームのみを照射し受光する構成とする場合には、サブビームを受光する検出素子E,Fは省略することもできる。
【0027】
なお、図4において、受光素子A,B,C,Dから出力される信号a,b,c,dは、メインビームの受光量に対応する信号である。受光素子E,Fの夫々から出力される信号e,fは、サブビームの受光量に対応する信号である。
【0028】
[信号処理LSI]
トラッキングエラー生成回路61は、本発明のトラッキングエラー生成部に相当し、受光素子29と接続され、受光素子29から出力される検出信号に基づいてトラッキングエラー信号を生成する。トラッキングサーボフィルタ65は、生成されたトラッキングエラ
ー信号にフィルタ処理を施し、トラッキングコイル駆動回路64を駆動するための駆動信号を出力する。
【0029】
トラッキングコイル駆動回路64は、トラッキングサーボフィルタ65、レンズ振動抑制制御フィルタ68、又は定電圧生成回路60から出力される駆動信号が入力され、モータドライバIC5を制御し、トラッキングコイル30を駆動させる。より具体的には、トラッキング制御が実行されている状態(トラッキングサーボON状態)では、トラッキングコイル駆動回路64は、トラッキングエラー生成回路61で生成され、トラッキングサーボフィルタ65を通過することで生成されたトラッキングエラー信号に対応する駆動信号に基づいて光ディスク1の記録面のトラックを追従するようにモータドライバICを制御する。また、トラッキング制御が実行されていない状態(トラッキングサーボOFF状態)であってトラッキングエラー信号などの信号調整時では、トラッキングコイル駆動回路64は、レンズエラー信号に対応する駆動信号に基づいて、レンズ26が基準位置と一致するようにモータドライバICを制御する。また、トラッキングコイルに一定電圧を印加する場合には、トラッキングコイル駆動回路64は、定電圧生成回路60で生成された電圧をモータドライバIC5を制御してトラッキングコイル30に印加させる。
【0030】
レンズエラー生成回路63は、本発明のレンズエラー生成部に相当し、受光素子29と接続され、受光素子29から出力される検出信号に基づいてレンズエラー信号を生成する。ゲイン設定レジスタ67は、レンズエラー信号のゲイン調整を行う際の目標値を保持する。レンズエラー信号のゲイン調整は、本発明のレンズエラー信号の調整に相当する。レンズ振動抑制制御フィルタ68は、本発明のレンズダンピング制御部に相当し、ゲイン調整されたレンズエラー信号にフィルタ処理を施し、レンズダンピング制御においてトラッキングコイル駆動回路64を駆動するための駆動信号を出力する。レンズエラー測定回路69は、レンズエラー信号を測定する。定電圧生成回路60は、トラッキングコイル30に印加する一定電圧を生成する。トラッキングコイル駆動回路64は、上述したように、モータドライバIC5を制御し、トラッキングコイル30を駆動させる。
【0031】
フォーカスエラー生成回路62は、受光素子29と接続され、受光素子29から出力される検出信号に基づいてフォーカスエラー信号を生成する。フォーカスサーボフィルタ66は、生成されたフォーカスエラー信号にフィルタ処理を施し、フォーカス制御を行う。フォーカスコイル駆動回路641は、モータドライバIC5を制御し、フォーカスコイル31を駆動させる。トラッキングエラー生成回路61、フォーカスエラー生成回路62、レンズエラー生成回路63は、アンプ、加算器、減算器等によって構成することができる。
【0032】
マイコン7は、CPU(Central Processing Unit)を有する。メモリ8は、揮発性の
RAM(Random Access Memory)と、不揮発性のROM(Read Only Memory)を含む。マイコン7は、ROMに格納されている、フォーカスエラー信号に基づくフォーカシング制御、トラッキングエラー信号に基づくトラッキング制御等の調整処理を実行するためのプログラムをRAMのワークエリアに展開し、受光素子29からの検出信号や予め既定された各種データに応じて、各種プログラムに従った処理を実行し、信号処理LSI6を構成する各回路を制御して光ディスク装置100を機能させる。マイコン7が有する機能は、CPU上で実行されるコンピュータプログラムとして構成することができる。また、各構成は、専用のプロセッサとして構成してもよい。
【0033】
モータドライバIC5は、ピックアップ2を駆動させるための集積回路(Integrated Circuit)であって増幅回路等を含み、トラッキングコイル駆動回路64及びフォーカスコイル駆動回路641からの制御信号を駆動に適した電力信号に変換する等してピックアップ2を駆動させる。
【0034】
<各信号の生成>
[再生信号]
受光素子A,B,C,Dから出力される信号a,b,c,dに対して加算処理が行われることで光ディスク1に記録された情報を含む再生信号が生成される。すなわち、再生信号=a+b+c+dとなる。尚、受光素子A,B,C,Dから出力される信号a,b,c,dは、処理に適したレベルとなるように適宜増幅処理がなされるが、ここでは説明を分かりやすくするため省略する。
【0035】
[フォーカスエラー信号]
フォーカスエラー信号は、レンズ26を光ディスク1に対してフォーカシング制御する際に用いられる信号であり、マイコン7の制御の下、フォーカスエラー生成回路62によって生成される。具体的には、フォーカスエラー生成回路62は、非点収差法を用いてフォーカスエラー信号を生成する。フォーカスエラー生成回路62は、メインビームを受光した受光素子A,B,C,Dの中で一方の対角領域(A,C)から出力される信号a+cと他方の対角領域(B,D)から出力される信号b+dの差分を演算し、フォーカスエラー信号を生成する。すなわち、フォーカスエラー信号=(a+c)−(b+d)となる。
フォーカスエラー信号は、一例としてサブビームを用いることもある。なお、フォーカスエラー生成回路62は、例えば、SSD法(Spot Size Detect)を用いてフォーカスエラー信号を生成してもよく、生成の態様は上記に限定されない。
【0036】
[トラッキングエラー信号]
トラッキングエラー信号は、ピックアップ2を光ディスク1のピット列に追従させるトラッキング制御に用いられる信号(光ディスクのピットに対するずれに応じた信号)であり、マイコン7の制御の下、トラッキングエラー生成回路61によって生成される。具体的には、トラッキングエラー生成回路61は、DPP(ディファレンシャルプッシュプル)法を用いて、トラッキングエラー信号を生成する。具体的には、トラッキングエラー生成回路61は、メインビームに対応する検出素子A,B,C,DからMPP(メインプッシュプル)信号を生成し、サブビームについてはSPP(サブプッシュプル)信号を生成する。MPP信号={(a+b)−(c+d)}となる。また、SPP信号=e−fとなる。そして、トラッキングエラー生成回路61は、MPP信号とSPP信号の差分を算出してトラッキングエラー信号を得る。すなわち、トラッキングエラー信号={(a+b)−(c+d)}−{k・(e−f)}(※kは係数)となる。なお、トラッキングエラー生成回路61は、例えば、位相差法、3Beam法を用いてトラッキングエラー信号を生成してもよく、生成の態様は上記に限定されない。
【0037】
[レンズエラー信号]
レンズエラー信号は、レンズ26の位置ずれを示す信号(ピックアップにおけるレンズの基準位置に対するレンズのずれに応じた信号)であり、マイコン7の制御の下、レンズエラー生成回路63によって生成される。具体的には、レンズエラー生成回路63は、検出素子A,B,C,Dから得られる信号と、検出素子E,Fから得られる信号とを演算することで、レンズ26の位置ずれを示すレンズエラー信号を生成する。レンズ26の位置ずれとは、レーザービームのピット列に対する位置ずれである。例えば、レンズエラー生成回路63は、プッシュプル法により、メインビームに対応する検出素子A,B,C,DからMPP信号を生成し、サブビームについてはSPP信号を生成する。そして、レンズエラー生成回路63は、SPP信号のみ、またはMPP信号とSPP信号とを加算することによりLE信号を生成する。ピックアップの光学パターンにより、SPP信号にはトラック通過成分が現れないこともあり、この場合はSPP信号でのみLE信号を生成してもよい。なお、トラック探索中は、MPP信号及びSPP信号には基準位置からのずれに相当する直流成分が現れる。また、トラック探索中は、レーザービームが複数のトラックを
通過するため、トラックを通過したことを示す成分がMPP信号及びSPP信号の波形として現れる。なお、LE信号全体をSPP信号のみで行える受光素子では、SPP信号にはトラック通過成分は表れない。SPP信号はMPP信号に対して180°だけ位相がずれた波形となるため、MPP信号とSPP信号とを加算することで、トラックを通過したことを示す成分が除去され、レンズ26の基準位置からのずれに相当する直流成分のみが抽出されたレンズエラー信号の生成が可能となる。基準位置とは、光ディスク装置の設計値として決定される位置であり、例えば、レンズ26のトラッキング方向における中心位置である。なお、レンズエラー信号は、レンズ26の基準位置からのずれに相当する直流成分に加えて、レンズ26を移動させた際の振動成分も含む。レンズ振動抑制制御(レンズダンピング制御ともいう)では、レンズ26の振動を打ち消すよう、上記レンズエラー信号が“0”となるように、すなわち、レンズ26が基準位置に一致するように、トラッキングコイル30に印加される電圧が制御される。図5は、レンズダンピング制御におけるトラッキングコイル印加電圧とレンズエラー信号との関係を示す。図5に示すように、レンズダンピング制御ON時には、レンズエラー信号が0となる。
【0038】
<処理フロー>
次に上述した第一実施形態に係る光ディスク装置100で実行される処理について説明する。図6は、第一実施形態に係る光ディスク装置100で実行される処理フローを示す。また、図7は、第一実施形態に係る光ディスク装置100で処理を実行した場合における、トラッキングコイルへの印加電圧、レンズエラー信号、レンズ26との関係を示す。
【0039】
ここで、光ディスク装置100では、装置が精度良く安定的に動作するように、トラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号等の各種信号のオフセット調整や振幅調整等が自動で行われている。これらの調整は、光ディスク装置100の起動時、あるいは光ディスク1が交換されるたびに毎回行われる。
【0040】
以下に説明する処理は、一例として、トラッキングエラー信号のオフセット調整を行うことを目的として実施される。トラッキングエラー信号は、ピックアップの個々の特性、ピックアップの温度特性、反射率などの光ディスク1の特性に依存することから、以下に説明する処理は、例えば、光ディスク1の入れ替え時や温度変化時に自動的にマイコン7によって実行される。なお、以下に説明する処理は、光ディスク装置100に実行ボタンを設け、ユーザが任意に実行できるようにしてもよい。
【0041】
ステップS01では、マイコン7は、レンズダンピング制御をONにする。レンズダンピング制御とは、レンズエラー信号が“0”となるように、トラッキングコイル30に印加する電圧を制御するものである。レンズダンピング制御がONになるとステップS02へ進む。
【0042】
ステップS02では、マイコン7は、レンズエラー信号に“−”(負側)のオフセットを印加する。レンズエラー信号は、レンズ26の基準位置からのずれに相当する直流成分に加えて、レンズ26を移動させた際の振動成分も含み、電圧で表される。印加するオフセットは、ピックアップ2の特性から求めることができる。例えば、レンズ26が100μmずれた場合のレンズエラー信号が1Vであれば、レンズを外周方向に100μmシフトさせる場合には、マイコン7は、定電圧生成回路60を制御してレンズエラー信号に−1Vのオフセットを印加する。その結果、レンズ26が外周方向に100μmシフトされる。本処理では、レンズダンピング制御がON状態における制御特性、すなわち、レンズダンピング制御が実行されている状態でレンズエラー信号に一定電圧を印加するとレンズエラー信号がずれ、レンズエラー信号を0にするようにトラッキングコイルに信号が印加される動作を利用することで、振動が抑制された状態でレンズ26をシフトすることができる。その結果、レンズ26をシフトさせた際における正確な信号測定が可能となる。レ
ンズエラー信号に“−”のオフセットが印加されるとステップS03へ進む。
【0043】
ステップS03では、マイコン7は、レンズ26が外周方向にシフトされた際のトラッキングエラー信号を取得する。例えば、外周方向にシフトされた際のトラッキングエラー信号として、300mVが取得される。取得されたトラッキングエラー信号は、メモリ8に記憶される。次にステップS04では、マイコン7は、レンズエラー信号のオフセットを戻す。レンズエラー信号のオフセットが戻されると、ステップS05へ進む。
【0044】
ステップS05では、マイコン7は、レンズ26の基準位置(中心位置)でのトラッキングエラー信号を取得する。取得されたトラッキングエラー信号は、メモリ8に記憶される。なお、この処理は、省略してもよい。次に、ステップS06では、マイコン7は、レンズエラー信号に“+”(正側)のオフセットを印加する。印加するオフセットは、ピッ
クアップ2の特性から求めることができ、例えば、前述の例の特性でレンズを内周方向に100μmシフトさせる場合には、レンズエラー信号制御部74は、レンズエラー信号に+1Vのオフセットを印加する。その結果、レンズが内周方向に100μmシフトされる。ステップS02と同じく、本処理では、振動が抑制された状態でレンズ26をシフトすることができ、その結果、レンズ26をシフトさせた際における正確な信号測定が実現できる。レンズエラー信号に“+”のオフセットが印加されるとステップS07へ進む。
【0045】
ステップS07では、マイコン7は、レンズ26が内周方向にシフトされた際のトラッキングエラー信号を取得する。例えば、内周方向にシフトされた際のトラッキングエラー信号として、100mVが取得される。取得されたトラッキングエラー信号は、メモリ8に記憶される。
【0046】
次に、ステップS08では、マイコン7は、光ディスク装置100の動作の調整を行う。具体的には、マイコン7は、レンズエラー信号に対してオフセットを印加することで得られた、振動を抑制した状態で測定されたトラッキングエラー信号に基づいて、トラッキングエラー信号のオフセットを算出する。上記の場合、取得されたトラッキングエラー信号は、外周方向シフト時:−300mV、内周方向シフト時:−100mVとなり、光ディスク装置100が偏った特性を有している。そこで、マイコン7は、このような偏りを是正するため、トラッキングエラー信号のオフセット調整を行う。具体的には、マイコン7は、偏りを是正するため、トラッキングエラー信号の偏りを平均化する処理によりトラッキングエラー信号のオフセットを求める。その結果、トラッキングエラー信号オフセットは、+200mVとなり、偏りが是正される。以上により、トラッキングエラー信号のオフセット調整を行うための処理が終了する。なお、以上の処理を実行することでトラッキングエラー信号のオフセット調整が完了したら、マイコン7は、調整したトラッキング信号のオフセットを用いてトラッキング制御を行う。その結果、光ディスク装置100を精度良く安定的に動作させることができる。
【0047】
[効果]
以上説明した第一実施形態に係る光ディスク装置100によれば、ピックアップ2の振動成分を含むレンズエラー信号によるピックアップ制御を利用して、レンズエラー信号にオフセットを印加することにより、振動成分を打ち消した(抑制した)状態でレンズ26をシフトすることができる。その結果、レンズ26をシフトさせた際における正確なトラッキングエラー信号を取得することができる。更に、第一実施形態に係る光ディスク装置100では、正確なトラッキングエラー信号から算出されたトラッキングエラー信号のオフセットを調整し、偏りを是正することができる。従って、偏りが是正されたトラッキングエラー信号のオフセットを用いたトラッキング制御が可能となる。その結果、光ディスク装置100を精度良く安定的に動作させることができる。
【0048】
<変形例>
レンズエラー信号へのオフセットの印加は、“−”(負側)と"+“(正側)のうち何
れか一方でもよい。そこで、マイコン7は、例えば、ステップS01、ステップS02、ステップS03、及びステップS08の処理のみを実行してもよい。この場合、ステップS08では、マイコン7は、レンズエラー信号に対してオフセットを印加することで得られた、振動を抑制した状態で測定されたトラッキングエラー信号に基づいて、トラッキングエラー信号のオフセットを算出するだけでよい。振動を抑制した状態で測定されたトラッキングエラー信号に基づいてトラッキングエラー信号のオフセットを算出し、算出されたオフセットを用いてトラッキング制御を行うことで、光ディスク装置100を精度良く安定的に動作させることができる。例えば、100μmシフトさせたとき本来100mVであるはずが実際には200mVであった場合、−100mVのオフセットとなる。
【0049】
また、第一実施形態におけるステップS01から08の処理は、k値調整を目的として行うこともできる。k値調整とは、例えば光ディスク装置100のトラッキング制御にDPP法を採用する場合に行われる調整である。具体的には、DPP法では、上述したように、MPP信号及びSPP信号が生成される。DPP=MPP信号−k×SPP信号という演算処理から、DPPをトラッキングエラー信号として求めることができる。ここで、トラッキング制御が実行されていない状態では、DPP信号は、レンズシフトによってDC成分が変動する。k値調整とは、このようなレンズシフトが発生しても、k値を適切に調整して、DC成分を除去するものである。
【0050】
<第二実施形態>
図8は、第二実施形態に係る信号処理装置の概略構成を示す。なお、図8では、信号処理LSI6の構成を簡略化して示す。第二実施形態に係る信号処理装置101は、第一実施形態に係る光ディスク装置100におけるマイコン7の機能を有し、光ディスク装置100aとケーブルなどを介して電気的に接続されることで、光ディスク装置100aの動作の調整が可能である。すなわち、信号処理装置101は、図6に示した処理を実行し(信号処理LSI6に必要な動作を実行させ)、調整値(例えば、k値)を光ディスク装置100a内に記憶させて(例えばメモリ8a)、光ディスク装置100aを調整された状態で動作させる。光ディスク装置100aの動作の調整には、トラッキングエラー信号のオフセット調整などが含まれる第二実施形態に係る信号処理装置101は、第一実施形態に係る光ディスク装置100におけるマイコン7が有する機能を有しない光ディスク装置100aに適用可能であり、また、生産ラインにおける検査装置として用いることもできる。
【0051】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明に係る光ディスク装置や信号処理装置はこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。また、上述した実施形態は例示であり、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0052】
1・・・光ディスク
2・・・ピックアップ
3・・・スピンドルモータ
5・・・モータドライバIC
6・・・信号処理LSI
7・・・マイコン
8・・・メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピックアップを備え、光ディスクに記録された情報の読み出しと該光ディスクへの情報の書き込みとのうち少なくともいずれか一方を実行する光ディスク装置であって、
前記ピックアップの受光素子から出力される検出信号に基づいて、前記ピックアップの振動成分を含むレンズエラー信号を生成するレンズエラー生成部と、
前記レンズエラー信号にオフセットを加えて前記ピックアップをシフトさせるレンズエラー信号制御部と、
を備える光ディスク装置。
【請求項2】
前記受光素子から出力される検出信号に基づくトラッキングエラー信号に応じて、前記ピックアップを前記光ディスクのピット列に追従させるトラッキング制御に対する調整動作時において、前記レンズエラー信号制御部で前記レンズエラー信号にオフセットを加えることにより前記ピックアップをシフトした状態において検出される前記トラッキングエラー信号に基づいて、該光ディスク装置の動作の調整を行う調整部を更に備える、請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記調整部は、前記レンズエラー信号制御部で前記レンズエラー信号に正側のオフセットを加えて該ピックアップの駆動部に印加することにより前記ピックアップを正側にシフトした状態において検出される正側トラッキングエラー信号と、前記レンズエラー信号制御部で前記レンズエラー信号に負側のオフセットを加えて該ピックアップの駆動部に印加することにより前記ピックアップを負側にシフトした状態において検出される負側トラッキングエラー信号とに基づいて、該光ディスク装置の動作の調整を行う請求項2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
ピックアップを備え、光ディスクに記録された情報の読み出しと該光ディスクへの情報の書き込みとのうち少なくともいずれか一方を実行する光ディスク装置であって、前記ピックアップの受光素子から出力される検出信号に基づいて、前記ピックアップの振動成分を含むレンズエラー信号を生成するレンズエラー生成部と、前記レンズエラー信号にオフセットを加えて前記ピックアップをシフトさせるレンズエラー信号制御部と、を備える光ディスク装置と接続可能な信号処理装置であって、
前記ピックアップの受光素子から出力される検出信号に基づいて、前記ピックアップの振動成分を含むレンズエラー信号にオフセットを加えて該ピックアップの駆動部に印加し、該ピックアップをシフトさせ、前記ピックアップをシフトさせた状態で、前記受光素子から出力される検出信号に基づく信号であって、前記ピックアップを前記光ディスクのピット列に追従させるためのトラッキングエラー信号を取得し、取得されたトラッキングエラー信号に基づいて、該光ディスク装置の動作の調整を行う信号処理装置。
【請求項5】
ピックアップを備え、光ディスクに記録された情報の読み出しと該光ディスクへの情報の書き込みとのうち少なくともいずれか一方を実行する光ディスク装置の動作の調整を行うための信号処理方法であって、
前記ピックアップの受光素子から出力される検出信号に基づいて、前記ピックアップの振動成分を含むレンズエラー信号にオフセットを加えて該ピックアップの駆動部に印加し、該ピックアップをシフトさせるシフトステップと、
前記ピックアップをシフトさせた状態で、前記受光素子から出力される検出信号に基づく信号であって、前記ピックアップを前記光ディスクのピット列に追従させるためのトラッキングエラー信号を取得するトラッキングエラー信号取得ステップと、
前記トラッキングエラー信号取得ステップで取得されたトラッキングエラー信号に基づいて、該光ディスク装置の動作の調整を行う調整ステップと、を含む信号処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−190525(P2012−190525A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55565(P2011−55565)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】