説明

光ディスク装置

【課題】光ディスクの再生によって生じるデータを確実に保存することができる光ディスク装置を提供することである。
【解決手段】光ディスクに格納されていないデータであって、光ディスクの再生によって生じるデータを外部記憶装置12へ保存する光ディスク装置10において、前記データを保存するときに外部記憶装置12の空き容量が足りない場合、内部記憶装置であるHDD又はメモリ23へ一時保存し、光ディスクの再生が終了したときに前記データを外部記憶装置12へ移動させる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを外部記憶装置へ保存する光ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスク装置としてCD、DVD、BD(Blu-ray Disc)などを記録媒体とする再生機や記録再生機などが普及している。そして、最近のBD再生又は記録再生機は対話型のコンテンツのための基盤であるBD−J(Blu-ray Disc Java(登録商標))をサポートしている。
【0003】
BD−Jを使ったBDの特典コンテンツによれば、インターネットにアクセスして映画の最新の予告編をダウンロードしたり、ピクチャインピクチャ機能やローカルストレージにアクセスしたりできる。ローカルストレージへのアクセス機能及びピクチャインピクチャ機能などインターネットへのアクセスを除いた機能をBonus Viewと呼び、インターネットアクセスを含めたものをBD−Liveと呼ぶ。
【0004】
ダウンロードしたデータはローカルストレージに保存される。しかし、SDカードなどのそれほど容量の大きくない外部記憶装置へダウンロードしたデータを保存する仕様になっている場合、その外部記憶装置の空き容量が足りないとデータを保存できないという問題がある。データの保存方法に関しては様々な技術が提案されている。
【0005】
例えば特許文献1には、データを一時記憶するメモリを備えた光ディスク装置で、データがメモリの容量を超過する場合、メモリカード等の外部記憶装置を接続可能な構成とし、超過データを一旦メモリカードに格納し、その後の空き時間、つまり外部からの書き込み要求が一定時間に亘ってないときに、メモリコントローラやシステムコントローラを制御して光磁気ディスクに記録する光ディスク記録装置が開示されている。
【0006】
また特許文献2には、電子チケットデータを通信網を介してチケット販売センタのサーバからダウンロードするに際して、本来格納すべきICカード等の格納媒体が携帯電話機本体に実装されていない場合、携帯電話機の内部メモリや、それよりも更に大容量のストレージデバイスへ、暗号化して一時格納し、後に格納媒体が実装されたときに、電子チケットデータを内部メモリやストレージデバイスから読み出し復号化して、格納媒体へ格納するデータ処理端末が開示されている。
【0007】
また特許文献3には、オーディオ機器の制御部が、データサーバからダウンロードしようとする楽曲データが、指定されたダウンロード先に記録可能であるかを判別し、ダウンロード先に十分な空き容量がなく記録可能でないと判別すると、ダウンロード先に記録されている楽曲データの消去候補を表示部に一覧表示し、操作部を介して、利用者から選択された楽曲データをデータサーバにアップロードし、又は、そのまま消去する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−295759号公報
【特許文献2】特開2005−63333号公報
【特許文献3】特開2004−191517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1〜3はBD−Jのような技術を考慮していないため、光ディスクの特典コンテンツによるローカルストレージへのアクセス機能については記載されていない。したがって、光ディスクの特典コンテンツに関連したデータをダウンロードし、SDカードなどのそれほど容量の大きくない外部記憶装置へ保存する仕様の光ディスク装置では、その外部記憶装置の空き容量が足りないとデータを保存できないという問題は残ったままである。
【0010】
本発明は、光ディスクの再生によって生じるデータを確実に保存することができる光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、光ディスクに格納されていないデータであって、光ディスクの再生によって生じるデータを外部記憶装置へ保存する光ディスク装置において、前記データを保存するときに前記外部記憶装置の空き容量が足りない場合、内部記憶装置へ一時保存することを特徴とする。
【0012】
上記の光ディスク装置において、前記内部記憶装置に一時保存されたデータがある場合、前記光ディスクの再生が終了したときに該データを前記外部記憶装置へ移動させることが望ましい。
【0013】
また上記の光ディスク装置において、前記移動させる前に、移動させるかどうかの選択を促すようにしてもよい。
【0014】
また上記の光ディスク装置において、例えば、前記データはBD−J(Blu-ray Disc Java(登録商標))に対応したデータである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、光ディスクの再生によって生じるデータを外部記憶装置へ保存するときに外部記憶装置の空き容量が足りない場合、内部記憶装置へ一時保存することにより、データが保存できない事態を防止して確実に保存することができる。さらに、光ディスクの再生が終了したときに該データを外部記憶装置へ移動させることにより、光ディスク装置の電源をオフにしてもデータを維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の光ディスク装置の構成及びその周辺機器を示すブロック図である。
【図2】本発明の光ディスク装置におけるデータ保存に関する動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の光ディスク装置が出力する画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、DVD及びBD(Blu-ray Disc)の録画・再生機能を有する光ディスク装置の一例として、デジタルテレビ放送を受信して録画できるハードディスクドライブ(HDD)一体型の光ディスク装置を用いて説明する。
【0018】
図1は、光ディスク装置10の構成及びその周辺機器を示すブロック図である。光ディスク装置10には、テレビ等の表示装置11と、SDカードやUSBメモリ等の外部記憶装置12と、インターネット等のネットワーク13とが接続されている。また光ディスク装置10は、リモコン14によって操作可能である。以下では、光ディスクとしてBDを例に説明する。
【0019】
光ディスク装置10は、アンテナ15で受信したデジタルテレビ放送信号を復調、デジタル化するチューナ16と、チューナ16から受け取った映像/音声データをMPEG2等に準拠して圧縮符号化したり、HDD記録再生部18又はBD/DVD記録再生部19で再生された圧縮された映像/音声データを伸長復号したりする映像/音声圧縮伸長部17と、映像/音声圧縮伸長部17から受け取った圧縮された映像/音声データをHDDに記録したり、HDDに記録されたデータを再生したりするHDD記録再生部18と、映像/音声圧縮伸長部17から受け取った圧縮された映像/音声データを挿入されたDVD又はBDに記録したり、DVD又はBDに記録されたデータを再生したりするBD/DVD記録再生部19と、各種設定値を表示装置11の一部に表示しながら設定できるようにするOSD(On Screen Display)部20と、OSD部20からの映像信号をアナログ化し、表示装置11へ出力する映像出力部21と、映像/音声圧縮伸長部17からの音声信号をアナログ化し、表示装置へ出力する音声出力部22と、ROMやRAMからなるメモリ23と、リモコン14からの信号を受信するリモコン受信部24と、外部記憶装置12が接続される端子を有する外部I/F25と、ネットワーク13との接続を行う通信部26と、光ディスク装置10の各部を制御する制御部27とを備えている。
【0020】
この光ディスク装置10はBD−J(Blu-ray Disc Java(登録商標))をサポートしており、BD−Liveに対応している。BD−Jでは、BDに格納されたゲームのハイスコア等を保存することを想定した不揮発性メモリ領域としてADA(Application Data Area)が規定されており、ダウンロードした映画の最新の予告編のデータなどBDの内容を見かけ上アップデートするためのデータを保存することを想定した不揮発性メモリ領域としてBUDA(Binding Unit Data Area)が規定されている。
【0021】
また、制御部27は、光ディスクに格納されていないデータであって、光ディスクの再生によって生じるデータを外部記憶装置12へ保存し、このデータを保存するときに外部記憶装置12の空き容量が足りない場合、内部記憶装置(HDDやメモリ23)へ一時保存する制御も行う。以下に、この制御について詳しく説明する。
【0022】
図2は、光ディスク装置10におけるデータ保存に関する動作を示すフローチャートである。図2ではBD−Jに対応したデータを例に説明するが、他の規格に対応したデータでも同様である。
【0023】
BDが再生されている状態において、ステップS10で制御部27はBDの再生によって生じるデータがあるか否かを判別する。ここで、再生とは光ディスクからデータを読み出すこと全般を指し、本編や特典コンテンツを出力している場合の他、メニュー画面等を表示している状態も含む。
【0024】
ステップS10におけるBDの再生によって生じるデータとは、BDに格納されていないデータであって、具体的にはBDに格納されたゲームを実行して得られたハイスコアのデータやダウンロードした最新の映画の予告編のデータなど新たに発生したデータであって、ADA又はBUDAに保存するように規定されたデータのことであり、BDに元々格納されているデータ(本編の映像・音声データ等)は含まない。
【0025】
ステップS10においてBDの再生によって生じるデータがある場合、ステップS11へ進んで制御部27はデータの保存先である外部記憶装置12の空き容量が足りるか否かを判別する。ステップS11において外部記憶装置12の空き容量(ADA又はBUDAの空き容量)が足りる場合は、ステップS12へ進んでそのデータを外部記憶装置12へ保存し、本フローを終了する。
【0026】
一方、ステップS11において外部記憶装置12の空き容量が足りない場合は、ステップS13へ進んでそのデータを内部記憶装置に一時保存する。内部記憶装置としては、HDD又はメモリ23を予め指定しておけばよい。指定方法としては、ユーザが設定メニューから好みの内部記憶装置を設定できるようにしてもよいし、生産時に予め特定の内部記憶装置を指定しておいてもよい。
【0027】
なお、ステップS13においては、外部記憶装置12の空き容量が足りない旨のメッセージを出力して表示装置11に表示してもよい。これにより、ユーザは外部記憶装置12の不要なデータを削除したり、新たな外部記憶装置に交換したりして空き容量を増やすことができる。
【0028】
ステップS13からはステップS14へ進んで制御部27はBDの再生が終了したか否かを判別する。ここでの再生の終了とは光ディスクからデータを読み出していないことを指し、例えば、リモコン14の停止ボタン、取り出しボタン又はHDDへの切り替えボタンが押下された場合である。
【0029】
ステップS14においてBDの再生が終了したと判別した場合、ステップS15へ進んでステップS13において一時保存したデータを外部記憶装置12へ移動させるか否かの選択を促す画面を出力し、表示装置11に表示する。例えば、ゲームのハイスコアのデータの場合であれば、図3に示した画面30のように、「ゲームのハイスコアを保存しますか?保存する場合は十分な空き容量がある外部記憶装置をセットしてください。」などのメッセージとともに、「はい」、「いいえ」を選択可能に表示すればよい。
【0030】
ステップS15からはステップS16へ進んで一時保存したデータを外部記憶装置12へ移動させるか否かを判別する。具体的には、ユーザによりデータの保存が選択されたか(図3で「はい」が選択された場合)、ユーザによりデータを保存しないことが選択されたか(図3で「いいえ」が選択された場合)を判別する。
【0031】
ステップS16においてユーザによりデータの保存が選択された場合、ステップS17へ進んで内部記憶装置に一時保存したデータを外部記憶装置12へ移動させる。移動とは、新たな保存先(外部記憶装置12)に保存して保存元(内部記憶装置)のデータを消去することである。
【0032】
一方、ステップS16においてユーザによりデータを保存しないことが選択された場合、ステップS18へ進んで内部記憶装置に一時保存したデータを消去する。
【0033】
なお、ステップS15、S16、S18は必ずしも必要ではなく、ステップS14においてBDの再生が終了した場合にステップS17へ進んで強制的に内部記憶装置に一時保存したデータを外部記憶装置12へ移動させるようにしてもよい。この場合、内部記憶装置に一時保存した時点(ステップS13)で、再生終了までに外部記憶装置12の空き容量の確保を促すメッセージを出力して表示装置11に表示することが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、DVDプレーヤ、DVDレコーダ、BD/DVDプレーヤ、BD/DVDレコーダ、HDD一体型DVDレコーダ、HDD一体型BD/DVDレコーダ、DVD一体型テレビ、BD/DVD一体型テレビなど、外部記憶装置を接続可能な光ディスク装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0035】
10 光ディスク装置
11 表示装置
12 外部記憶装置
13 ネットワーク
14 リモコン
15 アンテナ
16 チューナ
17 映像/音声圧縮伸長部
18 HDD記録再生部
19 BD/DVD記録再生部
20 OSD部
21 映像出力部
22 音声出力部
23 メモリ
24 リモコン受信部
25 外部I/F
26 通信部
27 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクに格納されていないデータであって、光ディスクの再生によって生じるデータを外部記憶装置へ保存する光ディスク装置において、
前記データを保存するときに前記外部記憶装置の空き容量が足りない場合、内部記憶装置へ一時保存することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記内部記憶装置に一時保存されたデータがある場合、前記光ディスクの再生が終了したときに該データを前記外部記憶装置へ移動させることを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記移動させる前に、移動させるかどうかの選択を促すことを特徴とする請求項2記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記データはBD−J(Blu-ray Disc Java(登録商標))に対応したデータであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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