説明

光ディスク評価方法及び光ディスク評価装置

【課題】従来の方法では、例えば偏心が大きいと、光ディスクの情報記録面の形状等の欠陥が存在している可能性がある部位を特定することができない。
【解決手段】光ディスク評価装置100は、情報記録面D2を有する光ディスクDを、情報記録面D2に記録された情報を再生する際の回転速度より遅い回転速度で回転させる回転制御部2と、回転した光ディスクDの情報記録面D2に光を照射するための光源3と、情報記録面D2からの反射光量を検出する検出部11と、検出部11によって検出された量に基づく値の波形を評価するラジアルプッシュプル信号判定部26とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクの情報記録面の形状等の欠陥を検出するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光ディスクの製造工程では、製造した光ディスクの情報記録面に形状や大きさ等の欠陥が存在しているか否かを、以下に示す方法により判断している。先ず、製造した光ディスクを、情報記録面に記録された情報を再生する際の回転速度により回転させる。そして、光ディスクの情報記録面に光を照射し、フォーカス制御を行い、光の照射位置を光ディスクの半径方向で徐々に変えながら光ディスクから反射された反射光量を検出し、その量に基づくラジアルプッシュプル信号を得る。
【0003】
得られたラジアルプッシュプル信号の波形を評価し、波形の乱れを検出すると、情報記録面におけるその乱れに対応する部位に形状等の欠陥が存在している可能性があると判断する。最後に、欠陥が存在している可能性があると判断した部位を原子間力顕微鏡等により観察し、その部位に形状等の欠陥が存在しているか否かを判断する。なお、情報記録面は、ピット、グルーブ、又はランドである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−311344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光ディスクの情報記録面には、位置情報として用いられるウォブルが存在する。そのため、ラジアルプッシュプル信号の元の信号であるトラッキングエラー信号には、ピット、グルーブ、又はランドに対応する信号(以下、「プッシュプル信号」と記載する。)とともに、ウォブルに対応する信号(以下、「ウォブル信号」と記載する。)が含まれる。トラッキングエラー信号において、ウォブル信号の周波数は、プッシュプル信号の周波数に比べると非常に高い。
【0006】
そこで、情報記録面に形状等の欠陥が存在しているか否かを判断する場合、トラッキングエラー信号の高周波数成分であるウォブル信号を除去する目的で、ローパスフィルタにより、高周波数成分の値を著しく低下させる。そして、ピット、グルーブ、又はランドに対応するラジアルプッシュプル信号の波形を評価する。
【0007】
次に、現実の光ディスクDの回転中心CとトラックTの中心C’との関係を図1を用いて説明する。図1は、現実の光ディスクDの回転中心CとトラックTの中心C’との関係を示す図である。光ディスクDの原盤となるスタンパの作成時における各種位置合わせ精度等により、図1に示すように、製造された光ディスクDでは、回転中心CとトラックTの中心C’とは一致しない。つまり、現実の光ディスクDには、いわゆる「偏心R」が存在する。そのため、図1に示すように、光ディスクDの情報記録面には、トラッキング制御されずに照射された円形となる光Lが横切るトラックの数が少ない部分A(以下、「疎部分A」と記載する。)と、光Lが横切るトラックの数が多い部分B(以下、「密部分B」と記載する。)とが存在する。
【0008】
偏心Rが大きくなると、トラッキングエラー信号の密部分Bに対応する部分の周波数は高くなる。そうすると、ウォブル信号を除去するためのローパスフィルタにより、プッシュプル信号の密部分Bに対応する部分の値は、本来の値より大きく低下する。そのため、密部分Bに形状等の欠陥が存在していても、波形の乱れがラジアルプッシュプル信号に隠れてしまう。つまり、密部分Bに対応する部分については、ラジアルプッシュプル信号の波形の乱れを検出することは困難である。そのため、密部分Bについては、欠陥が存在している可能性がある部位を特定することは困難である。
【0009】
また、情報の転送速度が速い光ディスクについては、再生時の回転速度が速いので情報記録面に欠陥が存在しているか否かを判断する際の回転速度も速い。特に、記録容量を増やすために情報記録面が微細化されている光ディスクについては、密部分Bに対応するトラッキングエラー信号の周波数は高くなる。したがって、上記と同様に、密部分Bに対応する部分については、ラジアルプッシュプル信号の波形の乱れを検出することは困難であり、欠陥が存在している可能性がある部位を特定することは困難である。
【0010】
本発明は、光ディスクの情報記録面の形態の欠陥が存在している可能性がある部位を特定することを可能とする光ディスク評価方法及び光ディスク評価装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明の光ディスク評価方法は、情報記録面を有する光ディスクを、前記情報記録面に記録された情報を再生する際の回転速度より遅い回転速度で回転させるステップと、回転した前記光ディスクの前記情報記録面に光を照射するステップと、前記情報記録面から反射した反射光量を検出するステップと、前記反射光量に基づいてトラッキングエラー信号を算出するステップと、前記トラッキングエラー信号の高周波成分を低減するステップと、前記高周波成分が低減された信号の波形における最大振幅レベルと最小振幅レベルの比率またはレベル差が所定値以内であるか否かを判定するステップとを含む。
【0012】
本発明の光ディスク評価装置は、情報記録面を有する光ディスクを、前記情報記録面に記録された情報を再生する際の回転速度より遅い回転速度で回転させる回転制御部と、回転した前記光ディスクの前記情報記録面に光を照射するための光源と、前記情報記録面から反射した反射光量を検出する検出部と、前記反射光量に基づくトラッキングエラー信号の高周波成分を低減するローパスフィルタと、前記高周波成分が低減された信号の波形における最大振幅レベルと最小振幅レベルの比率またはレベル差が所定値以内であるか否かを判定するプッシュプル信号判定部とを有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、光ディスクの情報記録面の形状等の欠陥が存在している可能性がある部位を特定することを可能とする光ディスク評価方法及び光ディスク評価装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】光ディスクの回転中心とトラックの中心との関係を示す図である。
【図2】本実施の形態の光ディスク評価装置の構成図である。
【図3】トラッキングエラー信号を説明するための図である。
【図4】図1のローパスフィルタの特性を示す図である。
【図5】光ディスクの情報記録面の形状等の欠陥を説明するための図である。
【図6】光ディスクの情報記録面の形状等の欠陥と、ラジアルプッシュプル信号の波形との関係を示す図である。
【図7】光ディスクの断面を含む斜視図である。
【図8】トラッキングエラー信号がウォブル信号を含む信号であることと、ローパスフィルタがトラッキングエラー信号のうちの高周波数成分の値を著しく低下させることとを説明するための図である。
【図9】本実施の形態の光ディスク評価装置の動作の各ステップを示すフローチャートである。
【図10】本実施の形態の光ディスク評価装置の変形動作の各ステップを示すフローチャートである。
【図11】比較例のラジアルプッシュプル信号を示す図である。
【図12】実施例のラジアルプッシュプル信号を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
【0016】
先ず、本実施の形態の光ディスク評価装置100の構成を図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態の光ディスク評価装置100の構成図である。図2には、評価対象の光ディスクDも表示されている。光ディスクDは、製造直後の光ディスクであって、基板D1と、基板D1に設けられている情報記録面D2と、情報記録面D2の上に設けられている透明基板D3とを有する。情報記録面D2は、ピット、グルーブ、又はランドであり、螺旋状に形成されている。
【0017】
本実施の形態の光ディスク評価装置100は、光ディスクDの情報記録面D2の形状等の欠陥が存在している可能性がある部位を特定する装置であって、図2に示すように、スピンドルモータ1と、回転制御部2と、光源3と、光パワー制御部4と、コリメートレンズ5と、偏光ビームスプリッタ6と、4分の1波長板7と、対物レンズ8と、集光レンズ9と、シリンドリカルレンズ10と、検出部11と、第1加算部12と、第2加算部13と、第3加算部14と、第4加算部15と、第1減算部16と、フォーカス制御部17と、第1アクチュエータ18と、第5加算部19と、第2減算部20と、ウォブル検出回路21と、ローパスフィルタ22と、ラジアルプッシュプル信号生成部23と、トラッキング制御部24と、第2アクチュエータ25と、ラジアルプッシュプル信号判定部26と、再生信号評価部27と、出力部28とを有する。
【0018】
スピンドルモータ1は、光ディスクDを回転させる。回転制御部2は、光ディスクDを、情報記録面D2に記録された情報を再生する際の回転速度より遅い所定の回転速度で回転させるようにスピンドルモータ1を制御する。光源3は、半導体レーザによって構成され、直線偏光であって発散性を有する光Lを射出する。光パワー制御部4は、光源3が射出する光Lのパワーを、情報記録面D2に記録された情報を再生する際のパワーより小さくするように光源3を制御する。以下では、「情報記録面D2に記録された情報を再生する際」を「再生時」と記載する場合がある。
【0019】
コリメートレンズ5は、光源3からの発散性を有する光Lを平行光に変換する。偏光ビームスプリッタ6は、コリメートレンズ5からの光を4分の1波長板7の側に反射する。また、偏光ビームスプリッタ6は、4分の1波長板7からの光を透過させて集光レンズ9に向かわせる。4分の1波長板7は、偏光ビームスプリッタ6からの光を円偏光に変換して対物レンズ8に向かわせる。また、4分の1波長板7は、対物レンズ8からの光を直線偏光に変換して偏光ビームスプリッタ6に向かわせる。
【0020】
対物レンズ8は、4分の1波長板7からの光を、光ディスクDの透明基板D3を透過させて情報記録面D2に集める。また、対物レンズ8は、情報記録面D2からの光を平行光にして4分の1波長板7に向かわせる。集光レンズ9は、偏光ビームスプリッタ6からの光を収束させてシリンドリカルレンズ10に向かわせる。シリンドリカルレンズ10は、集光レンズ9からの光を更に収束させて検出部11に集める。
【0021】
以上の構成要素により、光源3から射出した光Lは、コリメートレンズ5、偏光ビームスプリッタ6、4分の1波長板7、及び、対物レンズ8をその順に通過して光ディスクDの情報記録面D2に集められる。そして、光は、情報記録面D2により反射し、対物レンズ8、4分の1波長板7、偏光ビームスプリッタ6、集光レンズ9、及び、シリンドリカルレンズ10をその順に通過して検出部11に集められる。
【0022】
検出部11は、シリンドリカルレンズ10からの光を検出する。検出部11は、従来の光ピックアップの検出器と同様に、4個の受光部を有する。すなわち、検出部11は、第1受光部11Aと、第2受光部11Bと、第3受光部11Cと、第4受光部11Dとを有する。各受光部は、図2に示すように、反時計回りに配置されている。第1受光部11Aと第4受光部11Dとの組の長手方向と、第2受光部11Bと第3受光部11Cとの組の長手方向とは、いずれもトラック方向に対して実質的に直交している。すなわち、両組ともその長手方向は実質的に光ディスクDの半径方向である。
【0023】
検出部11の各受光部は、受光量に応じた電流値の信号を出力する。以下では、第1受光部11Aが出力する電流信号を「電流信号Ia」と記載し、第2受光部11Bが出力する電流信号を「電流信号Ib」と記載し、第3受光部11Cが出力する電流信号を「電流信号Ic」と記載し、第4受光部11Dが出力する電流信号を「電流信号Id」と記載する。
【0024】
第1加算部12は、第2受光部11Bからの電流信号Ibと、第4受光部11Dからの電流信号Idとを加算する。第2加算部13は、第1受光部11Aからの電流信号Iaと、第3受光部11Cからの電流信号Icとを加算する。第3加算部14は、第1受光部11Aからの電流信号Iaと、第2受光部11Bからの電流信号Ibとを加算する。第4加算部15は、第3受光部11Cからの電流信号Icと、第4受光部11Dからの電流信号Idとを加算する。
【0025】
第1減算部16は、第2加算部13によって得られた値から第1加算部12によって得られた値を減じて、フォーカスエラー信号「(Ia+Ic)−(Ib+Id)」を算出する。フォーカス制御部17は、第1減算部16によって算出されたフォーカスエラー信号に基づいて、第1アクチュエータ18にフォーカス制御を行わせる。第1アクチュエータ18は、フォーカス制御部17の制御に従ってフォーカス制御を行う。
【0026】
第5加算部19は、第3加算部14によって得られた値と、第4加算部15によって得られた値とを加算して、RF信号「(Ia+Ib+Ic+Id)」を算出する。第2減算部20は、第3加算部14によって得られた値から第4加算部15によって得られた値を減じて、トラッキングエラー信号「(Ia+Ib)−(Ic+Id)」を算出する。
【0027】
第2減算部20によって算出されるトラッキングエラー信号を、図3を用いて説明する。図3は、トラッキングエラー信号を説明するための図である。図3には、第1受光部11Aと、第2受光部11Bと、第3受光部11Cと、第4受光部11Dとを有する検出部11も表示されている。
【0028】
図3(A)は、光Lが対物レンズ8によってトラックTの凹部の中心に集められている状態を示しており、(Ia+Ib)の値と(Ic+Id)の値とは等しく、トラッキングエラー信号「(Ia+Ib)−(Ic+Id)」の値は0となる。図3(B)は、トラッキングがトラックTの半分ずれたが状態を示しており、(Ia+Ib)の値と(Ic+Id)の値とは最も大きく異なり、トラッキングエラー信号「(Ia+Ib)−(Ic+Id)」の値はマイナスの最大となる。
【0029】
図3(C)は、光Lが対物レンズ8によってトラックTの凸部の中心に集められている状態を示しており、(Ia+Ib)の値と(Ic+Id)の値とは等しく、トラッキングエラー信号「(Ia+Ib)−(Ic+Id)」の値は0となる。図3(D)は、トラッキングがトラックTの半分ずれたが状態を示しており、(Ia+Ib)の値と(Ic+Id)の値とは最も大きく異なり、トラッキングエラー信号「(Ia+Ib)−(Ic+Id)」の値はプラスの最大値となる。
【0030】
なお、光Lの波長をλとすると、nが正数であるとき、トラックの溝の深さが「n×λ/4」でなければ、トラッキングエラー信号は常に「0」にはならない。mを奇数とすると、トラックの溝の深さが「m×λ/8」であるとき、トラッキングエラー信号の振幅は最大となる。
【0031】
図2に戻る。ウォブル検出回路21は、第2減算部20によって算出されたトラッキングエラー信号に基づいて、ウォブルを検出する。
【0032】
次に、ローパスフィルタ22を図4を用いて説明する。図4は、ローパスフィルタ22の特性を示す図である。ローパスフィルタ22は、図4に示すように、カットオフ周波数Fc以上の高周波数成分の値を著しく低下させる特性を有している。すなわち、ローパスフィルタ22は、第2減算部20によって算出されたトラッキングエラー信号のうちのカットオフ周波数Fc以上の高周波数成分の値を著しく低下させる。
【0033】
図2に戻る。ラジアルプッシュプル信号生成部23は、ローパスフィルタ22によって高周波成分が低減されたトラッキングエラー信号を、第5加算部19によって算出されたRF信号により除して正規化してラジアルプッシュプル信号を算出する。トラッキング制御部24は、ラジアルプッシュプル信号生成部23によって算出されたラジアルプッシュプル信号に基づいて、第2アクチュエータ25にトラッキング制御を行わせる。第2アクチュエータ25は、トラッキング制御部24の制御に従ってトラッキング制御を行う。
【0034】
次に、ラジアルプッシュプル信号判定部26を説明するが、その前に、光ディスクDの情報記録面D2の形状等の欠陥を図5を用いて説明する。図5は、光ディスクDの情報記録面D2の形状等の欠陥を説明するための図である。図5(A)は、情報記録面D2に形状等の欠陥を有していない光ディスクDの断面を示している。図5(B)は、情報記録面D2にトラックTの溝の深さが相対的に浅い第1欠陥df1を有する光ディスクDの断面を示している。図5(C)は、情報記録面D2にトラックTの溝の形状が他と異なる第2欠陥df2を有する光ディスクDの断面を示している。なお、情報記録面D2の構造については図7を用いてあらためて説明する。
【0035】
次に、光ディスクDの情報記録面D2の形状等の欠陥と、ラジアルプッシュプル信号の波形との関係を図6用いて説明する。図6は、光ディスクDの情報記録面D2の形状等の欠陥と、ラジアルプッシュプル信号の波形との関係を示す図である。図6(A)は、図5(A)の断面を有する光ディスクDについてのラジアルプッシュプル信号の波形Pwを示す図であって、波形Pwの乱れは存在していない。
【0036】
図6(B)は、図5(B)の断面を有する光ディスクDについてのラジアルプッシュプル信号の波形Pwを示す図であって、波形Pwには、図5(B)の第1欠陥df1に対応する、振幅レベルが相対的に他の部分と比較して小さい第1乱れdis1が存在している。図6(C)は、図5(C)の断面を有する光ディスクDについてのラジアルプッシュプル信号の波形Pwを示す図であって、波形Pwには、図5(C)の第2欠陥df2に対応する、形状が他の部分と異なり、振幅レベルが相対的に他の部分と比較して小さい第2乱れdis2が存在している。
【0037】
図5と図6とから明らかなように、光ディスクDの情報記録面D2の形状等の欠陥と、ラジアルプッシュプル信号の波形とには相関がある。そこで、図2のラジアルプッシュプル信号判定部26は、ラジアルプッシュプル信号生成部23によって算出されたラジアルプッシュプル信号の波形の乱れがあるか否かを判定(評価)し、最大振幅レベルと最小振幅レベルの比率またはレベル差が所定値以内であるか否かを判定することにより、波形の乱れを検出すると、上記の相関に基づいて、波形の乱れに対応する情報記録面D2の部位に形状等の欠陥が存在している可能性があると判断する。
【0038】
再生信号評価部27は、第5加算部19によって算出されたRF信号に基づいて、再生信号を評価する。具体的には、再生信号評価部27は、エラーレート、CNR(Carrier to Noise Ratio)、ジッタ、SAM(Sequence Amplitude Margin)、PRSNR(Partial Response Signal Noise Ratio)、MLSE(Maximum Likelihood Sequence Error)、変調度、アシンメトリ、及びβ等を評価する。
【0039】
出力部28は、ラジアルプッシュプル信号判定部26及び再生信号評価部27によって得られた結果を、本実施の形態の光ディスク評価装置100の外部の図示されていない表示装置に出力して表示させる。
【0040】
次に、光ディスクDの情報記録面D2の構造を図7を用いて説明する。図7は、光ディスクDの断面を含む斜視図である。図7に示すように、光ディスクDの情報記録面D2は、グルーブD21と、ランドD22と、記録膜D23と、記録マークD24と、ウォブルD25とを有する。ウォブルD25は、光ディスクDの情報記録面D2における光の焦点位置を制御する際に用いられる。
【0041】
上述したように、ラジアルプッシュプル信号判定部26は、ラジアルプッシュプル信号の波形の乱れを検出することにより、評価対象の光ディスクDの情報記録面D2の形状や大きさ等の欠陥を検出する。ところで、ラジアルプッシュプル信号の元になるプッシュプル信号は、第2減算部20によって算出されるトラッキングエラー信号に含まれる。トラッキングエラー信号は、情報記録面D2からの反射した反射光量に基づく信号であるので、プッシュプル信号を含むとともに、ウォブルD25に対応するウォブル信号を含む。そのため、情報記録面D2の形状や大きさ等の欠陥を検出するためには、トラッキングエラー信号に含まれるウォブル信号を除去する必要がある。ローパスフィルタ22は、トラッキングエラー信号に含まれるウォブル信号を除去するために、トラッキングエラー信号のうちの高周波数成分の値を著しく低下させる。
【0042】
次に、第2減算部20によって算出されるトラッキングエラー信号がウォブル信号を含む信号であることと、ローパスフィルタ22がトラッキングエラー信号のうちの高周波数成分の値を著しく低下させることとを、図8を用いて説明する。図8は、トラッキングエラー信号がウォブル信号を含む信号であることと、ローパスフィルタ22がトラッキングエラー信号のうちの高周波数成分の値を著しく低下させることとを説明するための図である。
【0043】
図8(A)〜図(D)のトラッキングエラー信号は、光ディスクDの回転速度が再生時の回転速度である場合の信号である。更に詳細には、図8(A)は、偏心が比較的大きい場合のトラッキングエラー信号を示す図であり、図8(B)は、偏心が比較的小さい場合のトラッキングエラー信号を示す図である。図8(C)は、図8(A)に示す偏心が比較的大きい場合のトラッキングエラー信号に対してローパスフィルタ22により高周波成分が低減されウォブル信号が除去されたトラッキングエラー信号を示す図であり、図8(D)は、図8(A)に示す偏心が比較的小さい場合のトラッキングエラー信号に対してローパスフィルタ22により高周波成分が低減されウォブル信号が除去されたトラッキングエラー信号を示す図である。図8(E)は、偏心が比較的大きく、かつ、光ディスクDの回転速度が再生時の回転速度より遅い所定の回転速度である場合の、ローパスフィルタ22によって高周波成分が低減されたトラッキングエラー信号を示す図である。
【0044】
図8(B)と図8(D)とを比較すると明らかなように、偏心が比較的小さい場合、光ディスクDの回転速度が再生時の回転速度であっても、ローパスフィルタ22は、実質的にウォブル信号のみを除去することができる。他方、図8(A)と図8(C)とを比較すると明らかなように、偏心が比較的大きく、かつ、光ディスクDの回転速度が再生時の回転速度である場合、ローパスフィルタ22は、ウォブル信号のみならず、光が横切るトラックの数が多い密部分Bに対応するプッシュプル信号BPの値も小さくする。そのため、密部分Bに形状等の欠陥が存在していても、波形の乱れが密部分Bに対応するプッシュプル信号BPに隠れてしまって、ラジアルプッシュプル信号の波形の乱れを検出することは困難である。
【0045】
そこで、本実施の形態では、回転制御部2は、光ディスクDを、情報記録面D2に記録された情報を再生する際の回転速度より遅い所定の回転速度で回転させるようにスピンドルモータ1を制御する。つまり、回転制御部2は、光ディスクDを再生時の回転速度より遅い速度で回転させるようにスピンドルモータ1を制御する。
【0046】
これにより、光ディスクDを再生時の回転速度で回転させる場合より、単位時間に光が密部分Bを横切るトラックの数を小さくことができる。すなわち、トラッキングエラー信号の時間軸が長くなり、プッシュプル信号の密部分Bに対応する部分の周波数を小さくすることができる。そうすると、図8(E)に示すように、偏心が比較的大きくても、ローパスフィルタ22は、実質的にウォブル信号のみを除去することができる。つまり、密部分Bについて、ローパスフィルタ22によって処理された後のプッシュプル信号の値は、実質的に本来の値となる。その結果、密部分Bに形状等の欠陥が存在していた場合、ラジアルプッシュプル信号判定部26は、ラジアルプッシュプル信号の波形における最大振幅レベルと最小振幅レベルの比率またはレベル差が所定値以内であるか否かを判定することにより、波形の乱れを検出することができる。
【0047】
また、本実施の形態では、光パワー制御部4は、光源3が射出する光のパワーを、情報記録面D2に記録された情報を再生する際のパワーより小さくするように光源3を制御する。情報記録面D2に形状等の欠陥が存在しているか否かを判断する際の評価時の光ディスクDの回転速度が再生時の回転速度より遅くなったのにもかかわらず、光源3が射出する光のパワーを再生時のパワーと同じパワーにしておくと、次のような問題が生じる。すなわち、光の照射による図7の記録膜D23の各部の単位時間における加熱時間が従来より長くなるので記録膜D23の各部の温度が上昇し、記録膜D23が結晶化したり融解したりして記録信号が致命的に損傷してしまう可能性がある。そこで、本実施の形態では、記録膜D23の損傷を防止するために、光パワー制御部4は、光源3が出射する光のパワーが再生時のパワーより小さくなるように光源3を制御する。
【0048】
次に、本実施の形態の光ディスク評価装置100の動作を図9を用いて説明する。図9は、本実施の形態の光ディスク評価装置100の動作の各ステップを示すフローチャートである。
【0049】
作業者は、評価対象の光ディスクDを、光ディスク評価装置100の図示されていない載置部に載置し、光ディスク評価装置100に対して、光ディスクDの情報記録面D2に形状等の欠陥が存在しているか否かを検査させるための指示を与える。その指示により、光パワー制御部4は、光源3が射出する光のパワーが再生時のパワーより小さくなるように光源3を制御する。光源3は、光パワー制御部4の制御に従って、再生時のパワーより小さい所定のパワーの光を射出する(S1)。
【0050】
回転制御部2は、光ディスクDを再生時の回転速度より遅い所定の回転速度で回転させるようにスピンドルモータ1を制御する。スピンドルモータ1は、回転制御部2の制御に従って、再生時の回転速度より低速で光ディスクDを回転させる(S2)。フォーカス制御部17の制御によりフォーカス制御を行い、トラッキング制御は行わない状態とする(S3)。
【0051】
ラジアルプッシュプル信号判定部26は、ラジアルプッシュプル信号生成部23によって算出されたラジアルプッシュプル信号の波形を評価する(S4)。具体的には、ラジアルプッシュプル信号判定部26は、ラジアルプッシュプル信号の波形に乱れが存在するか否かを判断する(S4)。ラジアルプッシュプル信号判定部26は、ラジアルプッシュプル信号の波形において、最大振幅レベルと最小振幅レベルの比率またはレベル差が所定値より大きい波形の乱れを検出すると、波形の乱れの位置を特定し、それに基づいて、光ディスクDの情報記録面D2の形状等の欠陥が存在している部位を特定する(S4)。出力部28は、ラジアルプッシュプル信号判定部26によって得られた結果を光ディスク評価装置100の外部の図示されていない表示装置に出力して表示させる(S5)。
【0052】
ラジアルプッシュプル信号の波形に乱れが存在するか否かの判断結果が表示装置に表示されるので、作業者は、評価対象の光ディスクDの情報記録面D2に形状等の欠陥が存在しているか否かを知ることができる。また、ラジアルプッシュプル信号の波形に乱れが存在する場合、光ディスクDの情報記録面D2の形状等の欠陥が存在している部位を特定する情報が表示装置に表示されるので、作業者は、原子間力顕微鏡等により観察すべき部位を知ることができる。
【0053】
上述したように、本実施の形態では、光ディスクDの情報記録面D2に形状等の欠陥が存在しているか否かを検査する際、回転制御部2は、光ディスクDを、再生時の回転速度より遅い所定の回転速度で回転させるようにスピンドルモータ1を制御する。これにより、光ディスクDの偏心が大きくても、ローパスフィルタ22は、実質的にウォブル信号のみを除去することができ、その結果、ラジアルプッシュプル信号判定部26は、密部分Bについても、ラジアルプッシュプル信号の波形の乱れを検出することができる。
【0054】
また、本実施の形態では、光パワー制御部4は、光源3が射出する光のパワーを、再生時のパワーより小さくするように光源3を制御する。これにより、光ディスクDの記録膜D23の損傷を防止することができる。
【0055】
なお、本実施の形態の光ディスク評価装置100は、図10に示すように動作してもよい。図10は、本実施の形態の光ディスク評価装置100の変形動作の各ステップを示すフローチャートである。
【0056】
すなわち、回転制御部2は、光ディスクDが再生時の回転速度で回転するようにスピンドルモータ1を制御する。スピンドルモータ1は、回転制御部2の制御に従って、再生時の回転速度で光ディスクDを回転させる(S11)。次に、光パワー制御部4は、光源3が射出する光のパワーが再生時のパワーになるように光源3を制御する。光源3は、光パワー制御部4の制御に従って、再生時のパワーの光を射出する(S12)。
【0057】
次に、フォーカス制御部17はフォーカス制御を行い、トラッキング制御部24は、トラッキング制御を行い、再生信号評価部27は、第5加算部19によって算出されたRF信号に基づいて、再生信号を評価する(S13)。例えば、再生信号評価部27は、エラーレート、CNR、ジッタ、SAM、PRSNR、MLSE、変調度、アシンメトリ、及びβ等を評価する。次に、光パワー制御部4は、光源3が射出する光のパワーがそれまでのパワーのより小さい所定のパワーになるように、例えばそれまでのパワーの80%になるように光源3を制御する。光源3は、光パワー制御部4の制御に従って、小さいパワーの光を射出する(S14)。
【0058】
回転制御部2は、光ディスクDがそれまでの回転速度より遅い所定の回転速度、例えばそれまでの回転速度の60%で回転するようにスピンドルモータ1を制御する。スピンドルモータ1は、回転制御部2の制御に従って低速で光ディスクDを回転させる(S15)。
【0059】
フォーカス制御部17の制御によりフォーカス制御を行い、トラッキング制御は行わない状態にした後、ラジアルプッシュプル信号判定部26は、ラジアルプッシュプル信号生成部23によって算出されたラジアルプッシュプル信号の波形を評価する(S16)。具体的には、ラジアルプッシュプル信号判定部26は、ラジアルプッシュプル信号の波形について、最大振幅レベルと最小振幅レベルの比率またはレベル差が所定値以内であるか否かを判定して、波形の乱れが存在するか否かを判断する(S16)。ラジアルプッシュプル信号判定部26は、ラジアルプッシュプル信号の波形の乱れを検出すると、波形の乱れの位置を特定し、それに基づいて、光ディスクDの情報記録面D2の形状等の欠陥が存在している部位を特定する(S16)。出力部28は、ラジアルプッシュプル信号判定部26によって得られた結果を光ディスク評価装置100の外部の図示されていない表示装置に出力して表示させる(S17)。
【0060】
以下に、本発明の実施例及び比較例を説明する。説明の便宜上、先に比較例を説明し、その後に実施例を説明する。
【0061】
(比較例)
比較例では、光パワー制御部4は、光源3が射出する光のパワーが再生時の1.0mWになるように光源3を制御し、回転制御部2は、光ディスクDが再生時の線速度の7.8m/sで回転するようにスピンドルモータ1を制御した。そのとき、ラジアルプッシュプル信号生成部23は、図11に示すラジアルプッシュプル信号を得た。図11は、比較例のラジアルプッシュプル信号を示す図である。
【0062】
光ディスクDのトラックのピッチをTpとし、光ディスクDの偏心量をRoとすると、光ディスクDが1/2回転するときに光源3が射出する光がトラックを横切る数nは、下記の式(1)により表される。
【0063】
n=Ro/Tp ・・・(1)
したがって、光ディスクDの中心からの距離r離れた位置では、光ディスクDが回転する際の線速度をvとすると、ラジアルプッシュプル信号の平均周波数Faveは、下記の式(2)により表される。
【0064】
Fave=2×n×v/(2×π×r) ・・・(2)
光ディスクDには偏心が存在するので、図1に示すように、光ディスクDの情報記録面には、照射された円形となる光Lが横切るトラックの数が少ない疎部分Aと、光Lが横切るトラックの数が多い密部分Bとが存在する。ラジアルプッシュプル信号の密部分Bに対応する部分の周波数は、ラジアルプッシュプル信号の最大周波数Fmaxであって、係数をkとすると、ラジアルプッシュプル信号の最大周波数Fmaxは、下記の式(3)により表される。
【0065】
Fmax=k×Fave ・・・(3)
光ディスクDのトラックのピッチTpが0.32μmであり、光ディスクDの偏心量Roが60μmであり、線速度vが7.8m/sであって、偏心量Roが60μmであるときの係数kが1.6であるので、光ディスクDの中心から24mm(r)離れた位置におけるラジアルプッシュプル信号の最大周波数Fmaxは、上記の式(1)〜(3)により、31kHzである。ローパスフィルタ22が信号の値を著しく低下させるカットオフ周波数Fcが30kHzであったので、ラジアルプッシュプル信号の最大周波数Fmaxは、カットオフ周波数Fcより大きかった。
【0066】
そのため、図11に示すように、ラジアルプッシュプル信号のエンベロープは鼓状になり、ラジアルプッシュプル信号の最大振幅レベル(ピークツウピーク)P1に対するラジアルプッシュプル信号の最小振幅レベル(ピークツウピーク)P2の比は、3dBより大きくなった。つまり、密部分Bに対応するラジアルプッシュプル信号の値は、本来の値より大きく低下した。その結果、ラジアルプッシュプル信号判定部26は、ラジアルプッシュプル信号の密部分Bに対応する部分において、波形の乱れを検出することができなかった。
【0067】
なお、上記の係数kは、例えば実験によって特定される。
【0068】
(実施例)
実施例では、光パワー制御部4は、光源3が射出する光のパワーが再生時の1/2の0.5mWになるように光源3を制御し、回転制御部2は、光ディスクDが再生時の線速度の1/2の3.9m/sで回転するようにスピンドルモータ1を制御した。そのとき、ラジアルプッシュプル信号生成部23は、図12に示すラジアルプッシュプル信号を得た。図12は、実施例のラジアルプッシュプル信号を示す図である。
【0069】
光ディスクDのトラックのピッチTpが0.32μmであり、光ディスクDの偏心量Roが60μmであり、線速度vが3.9m/sであって、偏心量Roが60μmであるときの係数kが1.6であるので、光ディスクDの中心から24mm(r)離れた位置におけるラジアルプッシュプル信号の最大周波数Fmaxは、上記の式(1)〜(3)により、16kHzである。ローパスフィルタ22のカットオフ周波数Fcが30kHzであったので、ラジアルプッシュプル信号の最大周波数Fmaxは、カットオフ周波数Fcより小さかった。
【0070】
そのため、図12に示すように、ラジアルプッシュプル信号の最大振幅レベル(ピークツウピーク)P1に対するラジアルプッシュプル信号の最小振幅レベル(ピークツウピーク)P2の比は、1dBより小さくなった。つまり、密部分Bに対応するラジアルプッシュプル信号の値は、実質的に本来の値となった。その結果、ラジアルプッシュプル信号判定部26は、ラジアルプッシュプル信号の密部分Bに対応する部分において、最大振幅レベルと最小振幅レベルの比率またはレベル差が所定値以内であるか否かを判定することにより、波形の乱れを検出することができた。すなわち、ラジアルプッシュプル信号の最大周波数Fmaxが、ローパスフィルタ22のカットオフ周波数より小さい値となるように所定の線速度(回転速度)を定めることにより、ラジアルプッシュプル信号の密部分Bに対応する部分において、波形の乱れを検出することができる。そして、ラジアルプッシュプル信号判定部26は、ローパスフィルタ22で高周波成分が低減されたラジアルプッシュプル信号の最小振幅レベルと最大振幅レベルの比が所定値(例えば、1dB)以下であるか否かを判定することによって、波形の乱れを検出することができる。
【0071】
また、ラジアルプッシュプル信号を1時間かけて得たが、光ディスクDの記録膜D23の損傷は検出されなかった。それは、光源3が射出する光のパワーが再生時の1/2であったことによると考えられる。
【0072】
なお、上述した本実施の形態では、光ディスクDの情報記録面D2に形状等の欠陥が存在しているか否かを検査する際、回転制御部2は、光ディスクDを、再生時の回転速度より遅い所定の回転速度で回転させるようにスピンドルモータ1を制御する。その際の回転速度は、ラジアルプッシュプル信号の最大の振幅P1に対するラジアルプッシュプル信号の最小の振幅P2の比(P2/P1)が、所定の値以下となるように決定されてもよい。所定の値は例えば3dBである。
【0073】
また、光源3が射出する光のパワーは、次のように制御することが好ましい。すなわち、再生時の光ディスクDの回転速度に対する、検査時の光ディスクDの回転速度の比をRrとすると、検査時の光源3が射出する光のパワーの低下率を、再生時の光のパワーのRr倍程度からRr倍の1/2の間にすることが望ましい。例えば、再生時に光源3が射出する光のパワーが1.0mWであって、検査時の光ディスクDの回転速度が再生時の回転速度の1/2である場合、検査時に光源3が射出する光のパワーを0.5mWから0.75mWにすることが望ましい。
【0074】
また、光ディスクDが再生専用の光ディスクである場合、光ディスクDの情報記録面D2に形状等の欠陥が存在しているか否かを検査するとき、回転制御部2は、光ディスクDを、情報記録面D2に記録された情報を再生する際の回転速度より遅い所定の回転速度で回転させるようにスピンドルモータ1を制御する。
【0075】
更に、ラジアルプッシュプル信号判定部26は、ラジアルプッシュプル信号生成部23によって算出されたラジアルプッシュプル信号の波形を評価し、波形の乱れを検出する。しかしながら、ラジアルプッシュプル信号判定部26は、ローパスフィルタ22によっ
て高周波成分が低減されたトラッキングエラー信号の波形を評価し、波形の乱れを検出してもよい。
【符号の説明】
【0076】
100 光ディスク評価装置、 1 スピンドルモータ、 2 回転制御部、 3 光源、 4 光パワー制御部、 5 コリメートレンズ、 6 偏光ビームスプリッタ、 7 4分の1波長板、 8 対物レンズ、 9 集光レンズ、 10 シリンドリカルレンズ、 11 検出部、 12 第1加算部、 13 第2加算部、 14 第3加算部、 15 第4加算部、 16 第1減算部、 17 フォーカス制御部、 18 第1アクチュエータ、 19 第5加算部、 20 第2減算部、 21 ウォブル検出回路、 22 ローパスフィルタ、 23 ラジアルプッシュプル信号生成部、 24 トラッキング制御部、 25 第2アクチュエータ、 26 ラジアルプッシュプル信号判定部、 27 再生信号評価部、 28 出力部、 L 光、 D 光ディスク、 D2 情報記録面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記録面を有する光ディスクを、前記情報記録面に記録された情報を再生する際の回転速度より遅い回転速度で回転させるステップと、
回転した前記光ディスクの前記情報記録面に光を照射するステップと、
前記情報記録面から反射した反射光量を検出するステップと、
前記反射光量に基づいてトラッキングエラー信号を算出するステップと、
前記トラッキングエラー信号の高周波成分を低減するステップと、
前記高周波成分が低減された信号の波形における最大振幅レベルと最小振幅レベルの比率またはレベル差が所定値以内であるか否かを判定するステップと
を含む光ディスク評価方法。
【請求項2】
前記情報記録面に光を照射する場合、前記情報記録面に記録された情報を再生する際のパワーより小さい所定のパワーの光を照射する
請求項1に記載の光ディスク評価方法。
【請求項3】
情報記録面を有する光ディスクを、前記情報記録面に記録された情報を再生する際の回転速度より遅い回転速度で回転させる回転制御部と、
回転した前記光ディスクの前記情報記録面に光を照射するための光源と、
前記情報記録面から反射した反射光量を検出する検出部と、
前記反射光量に基づくトラッキングエラー信号の高周波成分を低減するローパスフィルタと、
前記高周波成分が低減された信号の波形における最大振幅レベルと最小振幅レベルの比率またはレベル差が所定値以内であるか否かを判定するプッシュプル信号判定部と
を備える光ディスク評価装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−187102(P2011−187102A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−48649(P2010−48649)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(308036402)JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社 (1,152)
【Fターム(参考)】