説明

光ディスク

【課題】SILを備える再生装置において、比較的厚い保護層を備える光ディスクを、比較的良好な再生特性で再生する。
【解決手段】光ディスク(1)は、再生光を出射可能な光源及びSIL(20)を備える再生装置において、SILを介した再生光により再生される。光ディスクは、SILと対向する側の面である一の面に、位相ピットが形成された基板(11)と、該一の面の上層に積層された金属膜(12)と、該金属膜の上に積層された誘電体膜(13)と、該誘電体膜の上層に積層された保護層(14)とを備える。ここで特に、保護層は、その厚さがエバネッセント波の強度が1/eになる距離よりも大きくなるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに関し、特に、50GB(ギガバイト)以上の記録容量を有する高密度光ディスクの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の光ディスクとして、例えば、所謂ニアフィールド技術を用いて情報信号の記録再生を行うディスクであって、基板上に、反射膜と、該反射膜の上に積層された第2の誘電体膜と、該第2の誘電体膜の上に積層された信号記録層と、該信号記録層の上に積層された第1の誘電体膜と、該第1の誘電体膜の上に積層された第3乃至第5の誘電体膜と、を備えるディスクが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
ここでは特に、反射膜、第2の誘電体膜、信号記録層及び第1の誘電体膜により、基板に対する垂直入射光束成分に対するエンハンス条件が構成されており、第3乃至第5の誘電体膜により無反射コーティングが形成されていることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4207315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
所謂ニアフィールド技術を用いて情報信号の記録再生を行う装置では、SIL(Solid Immersion Lens)が用いられることが多い。このような装置では、SILと光ディスクとが近接しているため、SILが光ディスクに衝突し易く、光ディスクが損傷する可能性がある。
【0006】
光ディスクの損傷を防止するための一つの方法として、光ディスクのSILと対向する側の面上に、厚さ数μm(マイクロメートル)の保護層(トップコート)を設ける方法が提案されている。しかしながら、保護層に起因して再生特性が劣化するという技術的問題点がある。
【0007】
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、比較的厚い保護層を備える光ディスクであって、比較的良好な再生特性を得ることができる光ディスクを提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光ディスクは、上記課題を解決するために、再生光を出射可能な光源及びSILを備える再生装置において、前記SILを介した再生光により再生される光ディスクであって、前記SILと対向する側の面である一の面に、位相ピットが形成された基板と、前記一の面の上層に積層された金属膜と、前記金属膜の上に積層された誘電体膜と、前記誘電体膜の上層に積層された保護層とを備え、前記保護層の厚さをdとすると、前記保護層は、
【0009】
【数1】

(1)
の関係を満たす(λ:再生光の波長、θ:マージナル光線の前記SILの当該光ディスクに対向する面への入射角度、n:SILの屈折率、n:保護層の屈折率)。
【0010】
本発明の光ディスクによれば、当該光ディスクは、再生光を出射可能な光源及びSILを備える再生装置において、該SILを介した再生光により(即ち、該SILにより当該光ディスク上に集光された再生光により)再生される。
【0011】
当該光ディスクは、SILと対向する側の面である一の面に位相ピットが形成された基板と、該基板の上層に積層された金属膜と、該金属膜の上に積層された誘電体膜と、該誘電体膜の上層に積層された保護層とを備えて構成されている。
【0012】
ところで、SILを備えた再生装置では、フォトントンネリング効果を利用して、SIL及び光ディスク間で光を伝播させている。SILから光ディスクに伝播する光の強度は、SILの光ディスクに対向する面と、該光ディスクの該SILに対向する面との間の距離(以降、適宜“ギャップ”と称する)が狭い程強くなる。また、光ディスクで反射され、SILへ伝播する光の強度もギャップが狭い程強くなる。つまり、ギャップに応じて、再生装置の信号検出用フォトディテクタへ戻る光量が変化する。
【0013】
光ディスクに位相ピットが形成され、且つ保護層が設けられていない場合、位相ピットでの再生光の回折による信号検出用フォトディテクタへ戻る光量の変化に加えて、該光ディスクの再生時における位相ピットの凹凸に起因するギャップの変動によりフォトディテクタへの戻り光量が変化する。位相ピットの凹凸に起因するギャップの変動には、ギャップサーボが追従できない。このため、位相ピットの凸部では、信号検出用フォトディテクタへ戻る光量が比較的多くなる。他方、位相ピットの凹部では、信号検出用フォトディテクタへ戻る光量が比較的少なくなる。この結果、信号検出用フォトディテクタへ戻る光量の変調に基づいて、光ディスクに記録されている情報を読み取ることができる。
【0014】
他方で、SILが光ディスクに衝突することによる該光ディスクの損傷を防止するために、光ディスクに保護層が設けられている場合、ギャップ変動に起因する信号検出用フォトディテクタへ戻る光量の変調が無くなると共に、信号レベルが小さくなる。するとSNR(Signal−to−Noise Ratio)が悪化し、ジッター及びエラーレートが悪化してしまう。尚、保護層の厚みは、光ディスクの損傷を確実に防止するために、数μmとされることが多い。
【0015】
本発明では、保護層は、上記(1)式の関係を満足する。ここで、(1)式の右辺は、エバネッセント波の強度が1/eとなる距離を表わしている。つまり、(1)式の関係を満足すると、SILの光ディスクに対向する面から浸み出したエバネッセント波の強度が微弱となるため、当該光ディスクは、エバネッセント波(即ち、所謂ニアフィールド技術)による再生には適さないこととなる。尚、当該光ディスクは、高NA(Numerical Aperture)の光により再生される。
【0016】
上述の如く、光ディスクに保護層を設けただけでは、信号検出用フォトディテクタへ戻る光量の変調が無くなってしまう。しかるに本発明では、光ディスクに、金属膜と該金属膜の上に積層された誘電体膜とが設けられている。このように構成すれば、表面プラズモン共鳴により再生信号(即ち、信号検出用フォトディテクタへ戻る光量の変調)を増大することができることが、本願発明者の研究により判明している。
【0017】
この結果、ジッターを低減することができるので、再生特性を向上させることができる。加えて、光ディスクに保護層が設けられているので、光ディスクの損傷を防止することができる。
【0018】
尚、金属膜は、該金属膜の複素屈折率の実数部をn、虚数部をkとすると、該金属膜の複素屈折率が、n<1、k>1.5の関係を満たしていることが望ましい。このような金属膜は、例えばAg(銀)、Al(アルミニウム)、Ag合金、Al合金等により構成すればよい。また、誘電体膜は、例えばZnS−SiO(硫化亜鉛−二酸化ケイ素)、TiO(酸化チタン)、AlN(窒化アルミニウム)等を含んで構成されていることが望ましい。このように構成すれば、比較的容易にプラズモン共鳴を起こすことができる。
【0019】
本発明の光ディスクの一態様では、当該光ディスクは36Gbit/inchより大きい記録面密度を有する。
【0020】
この態様によれば、当該光ディスクの記憶容量を50GB以上とすることができる。
【0021】
本発明の光ディスクの他の態様では、前記金属膜及び前記誘電体膜各々が、交互に2層以上積層されている。
【0022】
この態様によれば、位相ピットにおける再生光(入射光)の回折効率を向上させることができ、もって、再生光の回折による信号検出用フォトディテクタへ戻る光量の変調を増大することができる。
【0023】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係る光ディスクの構成を示す部分断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る光ディスクを構成する各層の特徴を示す表である。
【図3】金属膜に係る複素屈折率と変調度との関係の一例を示す特性図である。
【図4】誘電体膜厚と変調度との関係の一例を示す特性図である。
【図5】誘電体膜厚とジッターとの関係の一例を示す特性図である。
【図6】オシロスコープの画面に表示された、本発明の実施形態に係る光ディスクを再生することにより得られる信号の一例(a)と、比較例に係る光ディスクを再生することにより得られる信号の一例(b)とである。
【図7】オシロスコープの画面に表示された、本発明の実施形態に係る光ディスクを再生することにより得られる信号の他の例(a)と、比較例に係る光ディスクを再生することにより得られる信号の他の例(b)とである。
【図8】本発明の実施形態の変形例に係る光ディスクの構成を示す部分断面図である。
【図9】誘電体膜厚と変調度との関係の他の例を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の光ディスクに係る実施形態を、図面に基づいて説明する。尚、以下で参照する各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
【0026】
本実施形態に係る光ディスクの構成を、図1及び図2を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る光ディスクの構成を示す部分断面図であり、図2は、本実施形態に係る光ディスクを構成する各層の特徴を示す表である。
【0027】
図1において、光ディスク1は、位相ピットが形成された基板11と、該基板11の上に積層された金属膜12と、該金属膜12の上に積層された誘電体膜13と、該誘電体膜13の上に積層された、本発明に係る「保護層」の一例としての、トップコート14とを備えて構成されている。
【0028】
図2に示すように、基板11は、ポリカーボネート(PC)により形成されており、その屈折率は1.63である。金属膜は、Ag合金により形成されており、その屈折率は0.15+1.73iである。誘電体膜は、ZnS−SiOにより形成されており、その屈折率は2.27である。トップコート14は、樹脂により形成されており、その屈折率は1.89である。
【0029】
光ディスク1は、その記録面密度が36Gbit/inchより大きくなるように(即ち、片面1層で50GB以上の記憶容量を有するように)構成されている。
【0030】
本実施形態では特に、トップコート14は、次式の関係を満たすように構成されている。
【0031】
【数2】

(2)
ここで、dはトップコート14の厚さであり、λは入射光の波長であり、θはマージナル光線のSIL20の底面への入射角度(図1参照)であり、nはSIL20の屈折率であり、nはトップコート14の屈折率である。
【0032】
具体的には例えば、波長λを405nm(ナノメートル)、入射角度θを67(即ち、sinθが0.92)、SIL20の屈折率nを2.07とすると、トップコート14の厚さdは、276nmより大きければ、上記(2)式を満たすことになる。
【0033】
光ディスク1は、SIL20を備える再生装置(図示せず)により再生される。光ディスク1の再生時には、再生装置の光源(図示せず)から出射された再生光がSIL20により、光ディスク1上に集光される。
【0034】
光ディスク1の再生時には、SIL20の底面(即ち、SIL20の光ディスク1に対向する面)と、光ディスク1の表面(即ち、光ディスク1のSIL20に対向する面)との間の距離(即ち、ギャップ)が、例えば25nm等になるようにSIL20が制御される。このため、SIL20が光ディスク1に比較的衝突し易い。しかしながら、光ディスク1は、例えば厚さ1μmのトップコート14を備えているので(図2参照)、SIL20が光ディスク1に衝突することによる該光ディスク1の損傷を防止することができる。
【0035】
他方で、トップコート14の厚さが比較的厚いため、SIL20の底面から浸み出したエバネッセント波では、光ディスク1に記録されている情報を読み取ることは極めて困難である。そこで、本実施形態では、光ディスク1に金属膜12及び誘電体膜13を設けることにより、金属膜12及び誘電体膜13の界面で生ずる表面プラズモンを利用して、光ディスク1に記録されている情報を読み取っている。
【0036】
具体的には、光ディスク1に入射した光が基板11上に形成された位相ピットで回折され、該回折された光のうち一部がエバネッセント波となる。該エバネッセント波の波数と、表面プラズモンの波数とが一致すると、プラズモン共鳴が起こり、再生装置のフォトディテクタ(図示せず)へ入射する戻り光の光量が増幅される。この結果、光ディスク1に記録されている情報を読み取ることが可能となる。ここで、プラズモン共鳴を起こすためには、金属膜12及び誘電体膜13各々の厚さを適切に設定すればよい。
【0037】
次に、上述の如く構成された光ディスク1が、SIL20を備える再生装置で再生されている際における、再生装置のフォトディテクタへ入射する戻り光の光量の変調度、及びジッターを、実験により求めた結果を、図3乃至図5を参照して説明する。
【0038】
図3は、金属膜に係る複素屈折率と変調度との関係の一例を示す特性図であり、図4は、誘電体膜厚と変調度との関係の一例を示す特性図であり、図5は、誘電体膜厚とジッターとの関係の一例を示す特性図である。図4及び図5における表は、図4及び図5各々に示される特性図を取得する際の実験条件である。尚、金属膜12は、Ag合金の一例としてのAgPdCuにより形成されており、金属膜12の厚さは25nmであるとする。
【0039】
図3に示すように、金属膜12に係る複素屈折率の実数部nの値が、1より小さくなると変調度が顕著に変化することがわかる。また、金属膜12に係る複素屈折率の虚数部kの値が、1.5より大きいと変調度が顕著に大きくなることがわかる。従って、金属膜12を構成する材料としては、複素屈折率の実数部nが1より小さく(n<1)、複素屈折率の虚数部kが1.5より大きい(k>1.5)材料が望ましいことがわかる。
【0040】
図4に示すように、誘電体膜13が形成されている場合(誘電体膜厚10〜50nmのデータ参照)、誘電体膜13が形成されていない(即ち、プラズモン共鳴を利用しない)場合(誘電体膜厚0nmのデータ参照)に比べて、変調度が向上していることがわかる。
【0041】
また、図5に示すように、誘電体膜13が形成されている場合(誘電体膜厚10〜50nmのデータ参照)、誘電体膜13が形成されていない場合(誘電体膜厚0nmのデータ参照)に比べて、ジッターが低減していることがわかる。
【0042】
ここで、図4及び図5各々に示される特性図を取得する際に用いられた光ディスクが再生された際に実際に得られた信号を図6に示す。図6(a)は、誘電体膜13の厚さが30nmの光ディスク(即ち、本実施形態に係る光ディスク1に相当)が再生された際に得られた信号の一例である。他方、図6(b)は、誘電体膜が形成されていない(即ち、誘電体膜の厚さがゼロの)光ディスク(以降、適宜“比較例に係る光ディスク”と称する)が再生された際に得られた信号の一例である。尚、図6において、「DCRF」はRF信号を意味する。
【0043】
図6(a)及び(b)を比較すると、図6(a)に示した光ディスク1から得られたアイパターンは、図6(b)に示した比較例に係る光ディスクから得られたアイパターンよりも波形が鮮明である。これは、信号の揺らぎ(即ち、ジッター)が少ないことを意味している。つまり、光ディスク1から得られるRF信号は、比較例に係る光ディスクから得られるRF信号よりもジッターが低減されていることがわかる。
【0044】
また、図6(a)に示したRF信号の振幅は、図6(b)に示したRF信号の振幅よりも大きい。つまり、誘電体膜13が形成されることによって、RF信号の振幅が増大されることがわかる。
【0045】
上記の特性は、他の実験条件下においても得られた。具体例を図7に示す。図7(a)は実験条件を示している。図7(b)は、誘電体膜13の厚さが50nmの光ディスク(即ち、本実施形態に係る光ディスク1に相当)が再生された際に得られた信号の一例である。図7(c)は、誘電体膜が形成されていない光ディスク(比較例に係る光ディスクに相当)が再生された際に得られた信号の一例である。
【0046】
図7(b)及び(c)を比較すると、図6と同様に、図7(b)に示したアイパターンは、図7(c)に示したアイパターンよりも波形が鮮明である。また、図7(b)に示したRF信号の振幅は、図7(c)に示したRF信号の振幅よりも大きい。
【0047】
以上の結果、本実施形態に係る光ディスク1によれば、外部からの衝撃による光ディスク1の損傷を防止しつつ、良好な再生特性を得ることができる。
【0048】
尚、光ディスク1を構成する物質等は、図2に示された物質等に限られない。金属膜12には、例えばAg、Al、Al合金、SbTe(アンチモン・テルル)、Si(ケイ素)等も適用することができる。誘電体膜13には、例えばTiO、AlN等も適用することができる。
【0049】
<変形例>
次に、本実施形態に係る光ディスクの変形例について、図8及び図9を参照して説明する。図8は、図1と同趣旨の、本変形例に係る光ディスクの構成を示す部分断面図である。
【0050】
図8において、光ディスク2は、誘電体膜13の上に金属膜15が積層されており、該金属膜15の上に誘電体膜16が積層されている。つまり、光ディスク2では、金属膜及び誘電体膜各々が、交互に2層積層されている。
【0051】
このように構成された光ディスク2が、SIL20を備える再生装置で再生されている際における、再生装置のフォトディテクタへ入射する戻り光の光量の変調度を、シミュレーションにより求めた結果を、図9を参照して説明する。図9は、誘電体膜厚と変調度との関係の他の例を示す特性図である。
【0052】
ここで、金属膜12及び15は、Ag合金の一例としてのAgPdCuにより形成されており、金属膜12及び15各々の厚さは20nmであるとする。図9において、「4層構造」とは、光ディスク2(即ち、金属層12及び15、並びに誘電体膜13及び16の4層)を意味し、「2層構造」とは、光ディスク1(即ち、金属層12及び誘電体膜13の2層)を意味する。
【0053】
図9に示すように、誘電体膜の厚さにもよるが、金属膜15及び誘電体膜16を設けたことにより、変調度を向上させることができることがわかる。尚、金属膜及び誘電体膜各々を交互に3層以上積層してもよい。
【0054】
尚、図9における「2層構造」に係るシミュレーション結果と、図4に示した実験結果とは、最適な誘電体膜13の厚さ(即ち、変調度が最大となる誘電体膜13の厚さ)が互いに異なっているが、傾向は一致しており、シミュレーション結果は妥当であると言える。最適な誘電体膜13の厚さに差異が生じる原因は、光ディスクのピットの側面へのスパッタ膜の厚みに起因していると推測される。
【0055】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う光ディスクもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0056】
1、2…光ディスク、11…基板、12、15…金属膜、13、16…誘電体膜、14…トップコート、20…SIL

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生光を出射可能な光源及びSILを備える再生装置において、前記SILを介した再生光により再生される光ディスクであって、
前記SILと対向する側の面である一の面に、位相ピットが形成された基板と、
前記一の面の上層に積層された金属膜と、
前記金属膜の上に積層された誘電体膜と、
前記誘電体膜の上層に積層された保護層と
を備え、
前記保護層の厚さをdとすると、前記保護層は、
【数1】

の関係を満たす(λ:再生光の波長、θ:マージナル光線の前記SILの当該光ディスクに対向する面への入射角度、n:SILの屈折率、n:保護層の屈折率)
ことを特徴とする光ディスク。
【請求項2】
36Gbit/inchより大きい記録面密度を有することを特徴とする請求項1に記載の光ディスク。
【請求項3】
前記金属膜及び前記誘電体膜各々が、交互に2層以上積層されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ディスク。
【請求項4】
前記金属膜の複素屈折率の実数部をn、虚数部をkとすると、前記金属膜の複素屈折率が、n<1、k>1.5の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光ディスク。
【請求項5】
前記金属膜が、銀、アルミニウム、又は、銀若しくはアルミニウムを主成分とする合金からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光ディスク。
【請求項6】
前記誘電体膜が、ZnS−SiOを含んでなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光ディスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図6】
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【図7】
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