説明

光ネットワークユニットの電力消費を低減するための方法、デバイス、及びシステム並びにコンピュータープログラム

【課題】パッシブ光ネットワークの光ネットワークユニットの電力消費を低減するための方法を提供する。
【解決手段】パッシブ光ネットワークは、通信ネットワークに接続された光回線ターミナルと、光スプリッターと、複数の光ネットワークユニットONUとを含む、方法。前記光回線ターミナルは、前記通信ネットワークからデータを受信し、前記データが対象とする前記光ネットワークユニットを識別し、前記データを記憶し、前記識別された光ネットワークユニットが、該識別された光ネットワークユニットが前記データを受信する第1の時間期間を決定することを可能にする情報を転送し、前記第1の時間期間に従って前記データを転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的にはパッシブ光ネットワークの光ネットワークユニットの電力消費を低減するための方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
パッシブ光ネットワークは、通信ネットワークに接続された光回線ターミナル(光回線終端装置、optical line terminal)と、スプリッターと、複数の光ネットワークユニット(光回線終端装置、optical network unit)とを含む。光回線ターミナルは、光ファイバーを通じてスプリッターにリンクされ、スプリッターは、それぞれの光ファイバーを通じて複数の光ネットワークユニットにリンクされる。
従来のパッシブ光ネットワークでは、送受信するデータがない場合であっても光ネットワークユニットは通常通り動作している。
【0003】
このため、従来のパッシブ光ネットワークにおいて電力管理は効率的でない。この状況はエコロジカルでない。
【0004】
特許文献1は、スリープモードに入ることを要求する光ネットワークユニットを開示し、光回線ターミナルが、スリープ期間が発生するとき及び長さを決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/026312号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、パッシブ光ネットワークにおける電力管理を改善することを可能にする解決策を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
その目的のために、本発明は、パッシブ光ネットワークの光ネットワークユニットの電力消費を低減するための方法に関する。
前記パッシブ光ネットワークは、通信ネットワークに接続された光回線ターミナルと、スプリッターと、複数の光ネットワークユニットとを含み、
前記光回線ターミナルは光ファイバーを通じて前記スプリッターにリンクされ、
前記スプリッターは前記複数の光ネットワークユニットにそれぞれの光ファイバーを通じてリンクされる。
該方法は、前記光回線ターミナルによって実行されるステップとして、
‐前記通信ネットワークからデータを受信するステップと、
‐データが対象とする前記光ネットワークユニットを識別するステップと、
‐前記データを記憶するステップと、
‐情報を転送するステップであって、前記情報は、前記識別された光ネットワークユニットが時間期間を決定することを可能にする情報であり、前記時間期間は、該識別された光ネットワークユニットがデータを受信する時間期間である、情報を転送するステップと、
‐前記時間期間に従ってデータを転送するステップと、
を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明はまた、パッシブ光ネットワークの光ネットワークユニットの電力消費を低減するためのデバイスに関する。
前記パッシブ光ネットワークは、通信ネットワークに接続された光回線ターミナルと、スプリッターと、複数の光ネットワークユニットとを含み、
前記光回線ターミナルは光ファイバーを通じて前記スプリッターにリンクされ、
前記スプリッターは、前記複数の光ネットワークユニットにそれぞれの光ファイバーを通じてリンクされる。
電力消費を制限するための該デバイスは、前記光回線ターミナルに含まれ、
電力消費を制限するための該デバイスは、
‐前記通信ネットワークからデータを受信する手段と、
‐データが対象とする前記光ネットワークユニットを識別する手段と、
‐データを記憶する手段と、
‐前記識別された光ネットワークユニットが、該識別された光ネットワークユニットがデータを受信する第1の時間期間を決定することを可能にする情報を転送する手段と、
‐前記第1の時間期間に従ってデータを転送する手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
このため、光ネットワークユニットは、該光ネットワークユニットがいつ光回線ターミナルからデータを受信するかを決定することができるので、該光ネットワークユニットは、データを受信しないとき、ダウンリンクアイドル状態に入ることができる。ダウンリンクアイドル状態において、少なくとも1つの構成要素が、該光ネットワークユニットの電力消費が低減される状態に設定される。この少なくとも1つの構成要素は、該光ネットワークユニットをスプリッターにリンクする光ファイバーからの信号の受信に使用される構成要素である。したがって、光ネットワークユニットの電力消費が低減される。
【0010】
さらに、光回線ターミナルは、データを記憶することによって、1つの光ネットワークユニットに転送すべきデータを、1つの時間期間にグループ化することができ、これによって通常電力消費状態とアイドル状態との間の切り替え回数が低減される。光ネットワークユニットの電力消費がさらに低減される。
【0011】
特定の特徴によれば、情報は第1のメッセージにおいて転送され、該第1のメッセージは、少なくとも前記識別された光ネットワークユニットが、次の前記第1のメッセージの受信時間を決定することを可能にする情報をさらに含む。
【0012】
このため、本発明は、可変の情報送信サイクルを有するパッシブ光ネットワークに適用可能である。
【0013】
さらに、光ネットワークユニットは、光回線ターミナルからいつ情報を受信するかを決定することができるので、データ又は情報を受信しないときにダウンリンクアイドル状態に入ることができる。したがって、光ネットワークユニットの電力消費が低減される。
【0014】
特定の特徴によれば、光回線ターミナルは、
‐第2の時間期間において、少なくとも1つの光ネットワークユニットによるデータ転送要求を表す少なくとも1つの第2のメッセージを受信し、
‐1つの第2のメッセージを転送できる少なくとも1つの光ネットワークユニットを識別し、
‐前記パッシブ光ネットワークのリソースを、1つの第2のメッセージを転送できる前記少なくとも1つの識別された光ネットワークユニットに割り当てる。
【0015】
このため、光ネットワークユニットがパッシブ光ネットワークのリソースを要求しているか否かを知るために各光ネットワークユニットをポーリングする必要はない。
【0016】
特定の特徴によれば、1つの第2のメッセージを転送できる前記少なくとも1つの光ネットワークユニットは、前記少なくとも1つの第2のメッセージが、前記第2の時間期間のどのタイムスロットにおいて転送されるかを識別することによって識別される。前記少なくとも1つの第2のメッセージは、前記少なくとも1つの光ネットワークユニットによるデータ転送要求を表す。
【0017】
このため、少なくとも1つの光ネットワークユニットの識別は単純である。あるタイムスロットが複数の所定の光ネットワークユニットによって第2のメッセージを転送するのに使用される場合、全タイムスロットの総持続時間は、各タイムスロットが各光ネットワークユニットに割り当てられる場合と比較して低減される。
【0018】
さらに、全ての光ネットワークが同じタイムスロット内で第2のメッセージを転送することができるわけではないので、限られた数の光ネットワークユニットのみがリソースを要求しているとして識別され、その限られた数の光ネットワークユニットにリソースが割り当てられる。
【0019】
特定の特徴によれば、前記光回線ターミナルは、
‐転送すべきデータを有しない少なくとも1つの光ネットワークユニットを決定し、
‐時間サイクル内に、前記第2の時間期間を挿入する。
前記第2の時間期間は、転送すべきデータを有しない前記少なくとも1つの光ネットワークユニットが、少なくとも1つの第2のメッセージを転送することができる時間期間である。
前記少なくとも1つの第2のメッセージは、該少なくとも1つの光ネットワークユニットによるデータ転送要求を表す。
【0020】
このため、パッシブ光ネットワークのリソース全体が効率的に使用される。
【0021】
特定の特徴によれば、前記光回線ターミナルは、前記時間サイクル内で前記第2の時間期間を決定することを可能にする情報を転送する。
前記第2の時間期間は、転送すべきデータを有しない前記少なくとも1つの光ネットワークユニットが、少なくとも1つの第2のメッセージを転送することができる時間期間である。
【0022】
このため、時間サイクル内における第2の時間期間のロケーションを変更することが可能である。
【0023】
本発明の特定の特徴によれば、前記光回線ターミナルは、
‐各光ネットワークユニットが転送すべきデータを有すると判断し、
‐時間サイクル内で、前記第2の時間期間を抑制する。
前記第2の時間期間は、転送すべきデータを有しない少なくとも1つの光ネットワークユニットが、少なくとも1つの第2のメッセージを転送することができる時間期間であり、前記少なくとも1つの第2のメッセージは、該少なくとも1つの光ネットワークユニットによるデータ転送要求を表すメッセージである。
【0024】
このため、パッシブ光ネットワークのリソース全体が効率的に使用される。
【0025】
さらに別の態様によれば、本発明は、パッシブ光ネットワークの光ネットワークユニットの電力消費を低減するための方法に関する。
前記パッシブ光ネットワークは、通信ネットワークに接続された光回線ターミナルと、スプリッターと、複数の光ネットワークユニットとを含み、
前記光回線ターミナルは光ファイバーを通じて前記スプリッターにリンクされ、
前記スプリッターは、前記複数の光ネットワークユニットに、それぞれの光ファイバーを通じてリンクされる。
該方法は、少なくとも1つの光ネットワークユニットによって実行されるステップとして、
‐前記光ネットワークユニットがデータを受信する第1の時間期間を決定することを可能にする情報を受信するステップと、
‐前記決定された第1の時間期間に従って、少なくとも1つの構成要素を、前記光ネットワークユニットの電力消費が低減される状態に設定するステップと、
を含むことを特徴とする。
前記少なくとも1つの構成要素は、前記光ネットワークユニットを前記スプリッターにリンクする前記光ファイバーから信号を受信するのに使用される。
【0026】
本発明はまた、パッシブ光ネットワークの光ネットワークユニットの電力消費を低減するためのデバイスに関する。
前記パッシブ光ネットワークは、通信ネットワークに接続された光回線ターミナルと、スプリッターと、複数の光ネットワークユニットとを含み、
前記光回線ターミナルは光ファイバーを通じて前記スプリッターにリンクされ、
前記スプリッターは前記複数の光ネットワークユニットにそれぞれの光ファイバーを通じてリンクされる。
電力消費を制限するための該デバイスは、1つの光ネットワークユニットに含まれ、
電力消費を制限するための該デバイスは、
‐前記光ネットワークユニットがデータを受信する第1の時間期間を決定することを可能にする情報を受信する手段と、
‐前記決定された第1の時間期間に従って、少なくとも1つの構成要素を、前記光ネットワークユニットの電力消費が低減される状態に設定する手段と、
を備えることを特徴とする。
前記少なくとも1つの構成要素は、前記光ネットワークユニットを前記スプリッターにリンクする前記光ファイバーから信号を受信するのに使用される。
【0027】
このため、光ネットワークユニットは、該光ネットワークユニットがいつ光回線ターミナルからデータを受信するかを決定できるので、該光ネットワークユニットは、データを受信しないとき、ダウンリンクアイドル状態に入ることができる。該光ネットワークユニットの電力消費が低減される。
【0028】
特定の特徴によれば、情報は、次の第1のメッセージにおいて受信される。第1のメッセージは、次の第1のメッセージの受信時間を決定できるようにする情報を含む。次の第1のメッセージの受信時間を決定できるようにする情報に従って、前記少なくとも1つの構成要素を、前記光ネットワークユニットの電力消費が低減される状態に設定する。前記少なくとも1つの構成要素は、前記光ネットワークユニットを前記スプリッターにリンクする前記光ファイバーから信号を受信するのに使用される。
【0029】
このため、本発明は、可変の情報送信サイクルを有するパッシブ光ネットワークに適用可能である。
【0030】
特定の特徴によれば、前記光ネットワークユニットは、
‐前記光ネットワークユニットを前記スプリッターにリンクする前記光ファイバーを通じて転送しなくてはならないデータがないと判断し、
‐少なくとも1つの構成要素を、前記光ネットワークユニットの電力消費が低減される状態に設定する。
前記少なくとも1つの構成要素は、前記光ネットワークユニットを前記スプリッターにリンクする前記光ファイバーを通じて信号を転送するのに使用される。
【0031】
このため、光ネットワークユニットの電力消費が低減される。
【0032】
特定の特徴によれば、前記光ネットワークユニットは、
‐前記光ファイバーを通じてデータ転送要求を識別し、
‐少なくとも1つの構成要素を、前記光ネットワークユニットの電力消費が低減される状態に設定し、
‐第2の時間期間において、前記光ネットワークによるデータ転送要求を表す第2のメッセージを転送する。
前記少なくとも1つの構成要素は、前記光ファイバーを通じて信号を転送するのに使用される。
前記光ファイバーは、前記光ネットワークユニットを前記スプリッターにリンクする。
【0033】
このため、光回線ターミナルは、光ネットワークユニットがパッシブ光ネットワークのリソースを要求しているか否かを知るために各光ネットワークユニットをポーリングする必要がない。光ネットワークユニットは、転送すべきデータを有しないとき、アップリンクアイドル状態に留まることができる。
【0034】
さらに別の態様によれば、本発明は、プログラマブルデバイスに直接ロード可能とすることができるコンピュータープログラムであって、該コンピュータープログラムがプログラマブルデバイス上で実行されるとき、本発明による方法のステップを実施するための命令又はコードの部分を含む、コンピュータープログラムに関する。
【0035】
コンピュータープログラムに関する特徴及び利点は、本発明による方法及び装置に関して上述した特徴及び利点と同じであるので、ここでは繰り返さない。
【0036】
本発明の特徴は、実施形態例の以下の説明を読むことによって、より明らかになるであろう。該説明は、添付の図面を参照して行われる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明が実施されるパッシブ光ネットワークを表す図である。
【図2】本発明が実施される光回線ターミナルのアーキテクチャーを表す図である。
【図3】本発明が実施される光ネットワークユニットのアーキテクチャーを表す図である。
【図4】本発明による、アップリンクアイドル状態管理のために光回線ターミナルによって実行されるアルゴリズムの例を開示する図である。
【図5】本発明による、アップリンクアイドル状態管理のために光ネットワークユニットによって実行されるアルゴリズムの例を開示する図である。
【図6】本発明による、アップリンクアイドル状態管理のクロノグラムの例を表す図である。
【図7】本発明による、ダウンリンクアイドル状態管理のために光回線ターミナルによって実行されるアルゴリズムの例を開示する図である。
【図8】本発明による、ダウンリンクアイドル状態管理のために光ネットワークユニットによって実行されるアルゴリズムの例を開示する図である。
【図9】本発明による、ダウンリンクアイドル状態管理のクロノグラムの例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、本発明が実施されるパッシブ光ネットワークを表している。
【0039】
パッシブ光ネットワーク(PON)は、構内ネットワークアーキテクチャー(premises network architecture)へのポイントツーマルチポイントファイバーであり、PONでは、電力供給されていない光スプリッターSPLを使用して、単一の光ファイバーFOSが光ファイバーF1〜FKを通じて1〜K個の構内にサービス提供することを可能にする。
【0040】
PONは、サービスプロバイダーの中央局における光回線ターミナルOLTと、光スプリッターSPLと、エンドユーザーに近い複数の光ネットワークユニットONU1〜ONUKとから構成される。
【0041】
PONでは、ダウンリンク信号は、光回線ターミナルOLTによって、各構内ONU1〜ONUKにブロードキャストされる。各構内ONU1〜ONUKは、光回線ターミナルOLTとスプリッターSPLとの間で単一のファイバーを共有する。盗聴を防ぐために暗号化が使用される。
【0042】
光ネットワークユニットONU1〜ONUKによって転送されるアップリンク信号は、光回線ターミナルOLTによって制御される多重アクセスプロトコルを使用して(通常は時分割多重アクセス(TDMA)を使用して)光回線ターミナルOLTに転送される。
【0043】
図2は、本発明が実施される光回線ターミナルのアーキテクチャーを表す図である。
【0044】
光回線ターミナルOLTは、たとえば、バス201によって共に接続された構成要素と、図4及び/又は図7において開示するようにプログラムによって制御されるプロセッサ200とに基づくアーキテクチャーを有する。
【0045】
ここで、光回線ターミナルOLTのアーキテクチャーは、プロセッサに基づく代わりに、専用集積回路に基づいてもよいことに留意しなくてはならない。
【0046】
バス201は、プロセッサ200を、読み出し専用メモリROM202、ランダムアクセスメモリRAM203、光インターフェースI/F204、及びネットワークインターフェースI/F206にリンクする。
【0047】
メモリ203は、変数を収容するように意図されるレジスタと、図4及び/又は図7に開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令とを含む。
【0048】
プロセッサ200は光インターフェースI/F204及びネットワークインターフェースI/F206の動作を制御する。
【0049】
読み出し専用メモリ202は、図4及び/又は図7に開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含む。それらの命令は、光回線ターミナルOLTが電源をオンにされると、ランダムアクセスメモリRAM203に転送される。
【0050】
光回線ターミナルOLTは、ネットワークインターフェース206を通じて、図1には示していない通信ネットワークに接続される。たとえば、ネットワークインターフェース206は、光インターフェースであるか、又は、従来の銅ベースのネットワーク用のインターフェースである。
【0051】
光回線ターミナルOLTは、光インターフェースI/F204を通じて光ネットワークユニットONU1〜ONUKに接続される。
【0052】
図3は、本発明が実施される光ネットワークユニットのアーキテクチャーを表す図である。
【0053】
光ネットワークユニットONUは、たとえば、バス301によって共に接続された構成要素と、図5及び/又は図8において開示するようにプログラムによって制御されるプロセッサ300とに基づくアーキテクチャーを有する。
【0054】
ここで、光ネットワークユニットONUのアーキテクチャーは、プロセッサに基づく代わりに、専用集積回路に基づいてもよいことに留意しなくてはならない。
【0055】
バス301は、プロセッサ300を、読み出し専用メモリROM302、ランダムアクセスメモリRAM303、及び光インターフェースI/F304にリンクする。
【0056】
メモリ303は、変数を収容するように意図されるレジスタと、図5及び/又は図8に開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令とを含む。
【0057】
プロセッサ300は光インターフェースI/F304の動作を制御する。
【0058】
読み出し専用メモリ302は、図5及び/又は図8に開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含む。それらの命令は、光ネットワークユニットONUが電源をオンにされると、ランダムアクセスメモリRAM303に転送される。
【0059】
光ネットワークユニットONUは、ネットワークインターフェース306を通じて、図1には示していない通信ネットワーク又はパーソナルコンピューターのようなデバイスに接続される。たとえば、ネットワークインターフェース306は、従来の銅ベースのネットワーク用のインターフェースであるか、又は、無線インターフェースである。
【0060】
図4は、本発明による、アップリンクアイドル状態管理のために光回線ターミナルによって実行されるアルゴリズムの例を開示している。
【0061】
より正確には、本アルゴリズムは光回線ターミナルOLTのプロセッサ200によって実行される。
【0062】
ステップS400において、プロセッサ200は、光ネットワークユニットONU1〜ONUKをポーリングしてそれらのキューステータスを得るために、各光ネットワークユニットONUへのメッセージの転送を命令する。たとえば、このメッセージはゲートメッセージと呼ばれる。
【0063】
次のステップS401において、プロセッサ200は、光インターフェースI/F204を通じて応答メッセージがいくつか受信されている場合、それらの応答メッセージの記憶を命令する。たとえば、いくつかのPONネットワークでは応答メッセージは報告メッセージと呼ばれる。報告メッセージは、該報告メッセージを転送した光ネットワークユニットONUのリソース要件を表す。
【0064】
いくつかの他のPONネットワークでは、メッセージは、ステップS400及びS401に開示されるように転送及び受信されない。
【0065】
次のステップS402において、プロセッサ200は、光ネットワークユニットONU1〜ONUKのうちの少なくとも1つがアップリンク送信に関してアイドル状態にあるか否かを検査する。
【0066】
光ネットワークユニットONUは、アップリンク送信に使用される構成要素のうちの少なくとも一部が、それらの電力消費が低減される状態にされているとき、アップリンク送信に関してアイドル状態にある。
【0067】
いくつかのPONネットワークでは、1つの光ネットワークユニットは、該光ネットワークユニットONUから応答が受信されない場合、アップリンク送信に関してアイドル状態にあると見なされる。
【0068】
いくつかの他のPONネットワークでは、1つの光ネットワークユニットは、該光ネットワークユニットONUがアイドル状態にあることを通知するメッセージを該光ネットワークユニットONUが送信するとき又は送信したとき、アップリンク送信に関してアイドル状態にあると見なされる。
【0069】
いずれの光ネットワークユニットONUもアップリンク送信に関してアイドル状態にない場合、プロセッサ200はステップS403に進む。そうでない場合、プロセッサはステップS404に進む。
【0070】
ステップS403において、プロセッサ200は次のアップリンクサイクルにおけるウェイクアップ時間期間(wake up time period)(WP)を予約しない。
【0071】
ウェイクアップ時間期間とは、アイドル状態にあった光ネットワークユニットONUが、自身がアイドル状態から出ることを要求すること(すなわちアップリンクデータ送信のためのリソースを要求すること)を光回線ターミナルOLTに通知するために、光回線ターミナルOLTにメッセージを転送することができる時間期間である。
【0072】
ステップS403の後、プロセッサ200は、従来のPONネットワークにおいて開示されたのと同様にしてリソースを光ネットワークユニットONUに割り当てる。
【0073】
ステップS404において、プロセッサ200は、アイドル状態にあると識別されている各光ネットワークユニットONUを識別する情報をRAMメモリ203内に記憶する。
【0074】
次のステップS405において、プロセッサ200は次のアップリンクサイクルにおけるウェイクアップ時間期間WPを予約する。
【0075】
次のステップS406において、プロセッサ200は、アイドル状態にある少なくとも1つの光ネットワークユニットONUのそれぞれに、そのサイクルにおけるウェイクアップ時間期間WPのロケーションを通知する。たとえば、ウェイクアップ時間期間WPのロケーションはサイクル同期メッセージに含まれる。たとえば、サイクル同期メッセージはインデックスメッセージと呼ばれる。
【0076】
ウェイクアップ時間期間は、各光ネットワークユニットONUに共通とすることもできるし、複数のタイムスロットに再分割することもできる。アップリンク送信に関してアイドル状態にある各光ネットワークユニットONUに1つのタイムスロットを割り当てることもできるし、アップリンク送信に関してアイドル状態にあろうとなかろうと各光ネットワークユニットONUに1つのタイムスロットを割り当てることもできるし、複数のタイムスロットを割り当て、該複数のタイムスロットのそれぞれを光ネットワークユニットONU1〜ONUKのサブセットに割り当てることもできる。
【0077】
次のステップS407において、プロセッサ200は、少なくとも1つのメッセージがウェイクアップ時間期間に受信されるか否かを検査する。該少なくとも1つのメッセージは、少なくとも1つの光ネットワークユニットONUによるデータ転送要求を表す。
【0078】
ウェイクアップ時間期間にメッセージが受信されない場合、プロセッサ200はステップS400に戻る。
【0079】
ウェイクアップ時間期間に少なくとも1つのメッセージが受信された場合、プロセッサ200はステップS408に進む。
【0080】
ステップS408において、プロセッサ200は、異なる光ネットワークユニットONUによって転送された複数のメッセージの衝突が、ウェイクアップ時間期間において、又は少なくとも1つのタイムスロットにおいて、発生するか否かを検査する。
【0081】
異なる光ネットワークユニットONUによって転送された複数のメッセージの衝突が発生する場合、プロセッサ200はステップS409に進む。そうでない場合、プロセッサ200はステップS413に進む。
【0082】
ステップS409において、プロセッサ200は、衝突が発生したウェイクアップ時間期間(又は衝突が発生した少なくとも1つのタイムスロット)においてメッセージを転送した可能性がある光ネットワークユニットのそれぞれを識別する。
【0083】
次のステップS410において、プロセッサ200は、識別された光ネットワークユニットONUをポーリングしてそのキューステータスを得るために、識別された光ネットワークユニットONU(1つ又はそれぞれ)へのメッセージの転送を命令する。たとえば、このメッセージはゲートメッセージと呼ばれる。
【0084】
次のステップS411において、プロセッサ200は、光インターフェースI/F204を通じて受信された応答メッセージの記憶を命令する。たとえば、応答は報告メッセージと呼ばれる。報告メッセージは、該報告メッセージを転送した光ネットワークユニットONUのリソース要件を表す。
【0085】
いくつかのPONネットワークでは、メッセージは、ステップS410及びステップS411において転送も受信もされない。この場合、リソース要件は、光回線ターミナルOLTによって実行されるアドホックなアルゴリズムによって(たとえばこれまでのアップリンクトラフィックを解析することによって)評価される。
【0086】
次のステップS412において、プロセッサ200は、識別された光ネットワークユニットONU(1つ又はそれぞれ)にリソースを割り当てる。
【0087】
リソースは報告メッセージに従って割り当てることができる。
【0088】
このステップが完了した後、プロセッサ200はステップS400に戻る。
【0089】
次のステップS413において、プロセッサ200は、ステップS407で受信したメッセージを送信する光ネットワークユニットONUをポーリングしてそのキューステータスを得るために、該光ネットワークユニットへのメッセージの転送を命令する。たとえば、このメッセージはゲートメッセージと呼ばれる。
【0090】
次のステップS414において、プロセッサ200は、光インターフェースI/F204を通じて受信した応答メッセージの記憶を命令する。たとえば、応答メッセージは報告メッセージと呼ばれる。報告メッセージは、報告メッセージを転送した光ネットワークユニットONUのリソース要件を表す。
【0091】
いくつかのPONネットワークでは、メッセージは、ステップS413及びステップS414において転送も受信もされない。この場合、リソース要件は、光回線ターミナルOLTによって実行されるアドホックなアルゴリズムによって(たとえばこれまでのアップリンクトラフィックを解析することによって)評価される。
【0092】
次のステップS415において、プロセッサ200は、識別された光ネットワークユニットONU(1つ又はそれぞれ)にリソースを割り当てる。
【0093】
リソースは報告メッセージに従って割り当てることができる。
【0094】
このステップが完了した後、プロセッサ200はステップS400に戻る。
【0095】
図5は、本発明によるアップリンクアイドル状態管理のために光ネットワークユニットによって実行されるアルゴリズムの例を開示している。
【0096】
より正確には、本アルゴリズムは各光ネットワークユニットONUのプロセッサ300によって実行される。
【0097】
ステップS500において、プロセッサ300は、サイクル内におけるウェイクアップ時間期間WP又はウェイクアップタイムスロットWSのロケーションを決定することを可能にする情報の、光インターフェースI/F304を通じた受信を検出する。たとえば、ウェイクアップ時間期間WP又はウェイクアップタイムスロットのロケーションは、サイクル同期メッセージ内に含まれる。たとえば、このサイクル同期メッセージはインデックスメッセージと呼ばれる。
【0098】
ステップS501において、プロセッサ300は、光ネットワークユニットONUのRAMメモリ303内に格納されている送信キュー内にデータが含まれているか否かを検査する。
【0099】
送信キュー内にデータが含まれている場合、プロセッサ300はステップS502に進む。そうでない場合、プロセッサ300はステップS513に進む。
【0100】
ステップS502において、プロセッサ300は、光ネットワークユニットがアップリンク送信に関してアイドル状態にあるか否かを検査する。
【0101】
光ネットワークユニットONUがアップリンク送信に関してアイドル状態にある場合、プロセッサ300はステップS507に進む。そうでない場合、プロセッサ300はステップS503に進む。
【0102】
ステップS503において、プロセッサ300は、光ネットワークユニットONUのキューステータスを転送する機会を与えるメッセージの、光インターフェースI/F304を通じた受信を検出する。
【0103】
次のステップS504において、プロセッサ300は、応答メッセージの、光インターフェースI/F304を通じた転送を命令する。たとえば、応答メッセージは報告メッセージと呼ばれる。報告メッセージは、光ネットワークユニットONUのリソース要件を表す。
【0104】
いくつかのPONネットワークでは、メッセージは、ステップS503及びステップS504において転送も受信もされない。この場合、リソース要件は、光回線ターミナルOLTによって実行されるアドホックなアルゴリズムによって(たとえばこれまでのアップリンクトラフィックを解析することによって)評価される。
【0105】
次のステップS505において、プロセッサ300は、アップリンク送信のために光ネットワークユニットONUに割り当てられたアップリンクリソースを識別する情報を含むメッセージの、光インターフェースI/F304を通じた受信を検出する。たとえば、このメッセージはゲートメッセージと呼ばれる。
【0106】
次のステップS506において、プロセッサ300は、光ネットワークユニットONUに割り当てられたリソースにおける、送信キュー内に格納されているデータの、光インターフェースI/F304を通じた転送を命令する。
【0107】
このステップが完了した後、プロセッサ300はステップS500に戻る。
【0108】
ステップS507において、プロセッサ300は、アップリンク送信に使用される構成要素を、アップリンク送信が動作可能な状態に設定する。
【0109】
次のステップS508において、プロセッサ300は、ウェイクアップタイムスロットWSにおける、又はウェイクアップ時間期間期間WPにおける、ウェイクアップ報告WRの、光インターフェース1/F304を通じた転送を命令する。ウェイクアップ報告WRのロケーションは、ステップS500において、光回線ターミナルOLTによって予め指示されている。
【0110】
ステップS509において、プロセッサ300は、光ネットワークユニットONUのキューステータスを転送する機会を与えるメッセージの、光インターフェースI/F304を通じた受信を検出する。たとえば、このメッセージはゲートメッセージと呼ばれる。
【0111】
次のステップS510において、プロセッサ300は、応答メッセージの、光インターフェースI/F304を通じた転送を命令する。たとえば、応答メッセージは報告メッセージと呼ばれる。報告メッセージは、光ネットワークユニットONUのリソース要件を表す。
【0112】
いくつかのPONネットワークでは、メッセージは、ステップS509及びステップS510において転送も受信もされない。この場合、リソース要件は、光回線ターミナルOLTによって実行されるアドホックなアルゴリズムによって(たとえばこれまでのアップリンクトラフィックを解析することによって)評価される。
【0113】
次のステップS511において、プロセッサ300は、アップリンク送信のために光ネットワークユニットONUに割り当てられたアップリンクリソースを識別する情報を含むメッセージの、光インターフェースI/F304を通じた受信を検出する。たとえば、このメッセージはゲートメッセージである。
【0114】
次のステップS512において、プロセッサ300は、光ネットワークユニットONUに割り当てられたリソースでの、送信キュー内に格納されているデータの、光インターフェースI/F304を通じた転送を命令する。
【0115】
このステップが完了した後、プロセッサ300はステップS500に戻る。
【0116】
ステップS513において、プロセッサ300は、光ネットワークユニットONUがアップリンク送信に関してアイドル状態にあるか否かを検査する。
【0117】
光ネットワークユニットONUがアップリンク送信に関してアイドル状態にある場合、プロセッサ300はステップS500に進む。そうでない場合、プロセッサ300はステップS514に進む。
【0118】
ステップS514において、プロセッサ300は、光ネットワークユニットを、アップリンク送信に関してアイドル状態に設定する。
【0119】
このステップが完了した後、プロセッサ300はステップS500に戻る。
【0120】
図6は、本発明による、アップリンクアイドル状態管理のクロノグラムの例を表している。
【0121】
図6の例において、光ネットワークユニットONUkは、ウェイクアップ期間WP1の発生時にアイドル状態にある。
【0122】
サイクル同期メッセージは、各サイクルにおいて光回線ターミナルOLTによって光ネットワークユニットONUkへ転送される。
【0123】
サイクル同期メッセージS2は、サイクルCyU2において光回線ターミナルOLTによって光ネットワークユニットONUkに転送される。
【0124】
サイクルCyU3及びCyU4において光回線ターミナルOLTによって光ネットワークユニットONUkに転送されるサイクル同期メッセージは、明確にするために、図6には示されていない。
【0125】
たとえば、サイクル同期メッセージはインデックスメッセージと呼ばれる。
【0126】
インデックスメッセージはサイクル持続時間(cycle duration)を通知する。インデックスメッセージは、各光ネットワークユニットONUkに対し、ウェイクアップ時間期間WPのロケーション又はウェイクアップタイムスロットWSのロケーションを指示することができる。インデックスメッセージは、各ONUkに宛てられたダウンリンクデータのロケーション及び持続時間(全ONUkに宛てられたダウンリンクブロードキャストトラフィックのロケーション及び持続時間を含む)も指示することができる。
【0127】
光ネットワークユニットONUkは、ランダムウェイクアップ期間WP1においてウェイクアップ報告を転送しない。
【0128】
CyU2と表記されるサイクルの間、光ネットワークユニットONUkはアップリンクチャネルにおいて転送すべきデータを有する。光ネットワークユニットONUkはアクティブ状態への切り換えを要求し、サイクルCyU2のウェイクアップ期間WP2の間に光回線ターミナルOLTにウェイクアップ報告WRが転送される。
【0129】
本発明の実現の特定の様式によれば、光ネットワークユニットONUkは、ウェイクアップ期間WP2内で該光ネットワークユニットONUkに割り当てられた所与のウェイクアップスロットWS2kの間に、ウェイクアップ報告WRを光回線ターミナルOLTに転送する。
【0130】
それに応答して、光回線ターミナルOLTはゲートメッセージGTを光ネットワークユニットONUkに転送する。
【0131】
ゲートメッセージGTの後、光ネットワークユニットONUkは、光ネットワークユニットONUのキューステータスを表す情報を含むメッセージ報告RPTを光回線ターミナルOLTに転送する。
【0132】
それに応答して、光回線ターミナルOLTはゲートメッセージGTを光ネットワークユニットONUkに転送する。ゲートメッセージGTは、アップリンク送信のために光ネットワークユニットONUkに割り当てられたリソースを表す情報を含むこともできるし、かつ/又は、報告メッセージRPTを送信する機会を与えるメッセージとすることもできる。
【0133】
ゲートメッセージGTの後、光ネットワークユニットONUkは、割り当てられたリソースにおいて、データを光回線ターミナルOLTに転送する。
【0134】
ここで、一変形形態において、ウェイクアップ報告WRは光ネットワークユニットONUのキューステータスを表す情報を含むことができることに留意しなくてはならない。この場合、1つのゲートメッセージGTしか転送する必要がない。RPTメッセージは転送する必要がない。
【0135】
図6の例において、CyU3及びCyU4と表記されるサイクルでは、アイドル状態にある光ネットワークユニットONUが存在しないため、ウェイクアップ時間期間WPは含まれない。
【0136】
ここで、一変形形態において、ウェイクアップ時間期間WPは、少なくとも1つの光ネットワークユニットONUがアイドル状態にあるという事実とは無関係に、各サイクルに挿入することができることに留意しなくてはならない。
【0137】
図7は、本発明による、ダウンリンクアイドル状態管理のために光回線ターミナルによって実行されるアルゴリズムの例を開示している。
【0138】
より正確には、本アルゴリズムは、光回線ターミナルOLTのプロセッサ200によって、図4に開示されるアルゴリズムと並行に実行されるか、又は、図4に開示されるアルゴリズムの代わりに実行される。
【0139】
ステップS700において、プロセッサ200は、ネットワークインターフェースI/F206を通じてデータが受信されたか否かを検査する。
【0140】
データが受信されていない限り、プロセッサ200はステップS700を実行する。データが受信されると、プロセッサ200はステップS701に進む。
【0141】
ステップS701において、プロセッサ200は受信データが対象とする光ネットワークユニットONUを識別する。
【0142】
次のステップS702において、プロセッサ200は、識別された光ネットワークユニットONUに対する送信キュー内に受信データを格納する。
【0143】
次のステップS703において、プロセッサ200は、サイクル同期メッセージを光ネットワークユニットONU1〜ONUKのそれぞれに転送する時間であるか否かを検査する。
【0144】
たとえば、サイクル同期メッセージはインデックスメッセージと呼ばれ、これは図6を参照して既に開示したものと同様である。
【0145】
インデックスメッセージはサイクル持続時間を通知する。インデックスメッセージは、ウェイクアップ時間期間WP又はウェイクアップタイムスロットWSのロケーションを光ネットワークユニットONUに示すことができる。
【0146】
インデックスメッセージは、ブロードキャストされた情報のロケーションを各光ネットワークユニットONU1〜ONUKに示すことができる。
【0147】
サイクル同期メッセージを転送する時間でない場合、プロセッサ200はステップS700に戻る。
【0148】
ステップS704において、プロセッサ200は、光ネットワークユニットONU1〜ONUKのそれぞれへのサイクル同期メッセージの転送を命令する。
【0149】
各サイクル同期メッセージは、宛先光ネットワークユニットONUが、該宛先光ネットワークユニットONUにデータが転送される時間期間を認識することを可能にする情報をさらに含む。
【0150】
次のステップS705において、プロセッサ200は、規定の時間期間における、識別された光ネットワークユニットONUへのデータの転送を命令する。
【0151】
このステップが完了した後、プロセッサ200はステップS700に戻る。
【0152】
図8は、本発明による、ダウンリンクアイドル状態管理のために光ネットワークユニットによって実行されるアルゴリズムの例を開示している。
【0153】
より正確には、本アルゴリズムは、各光ターミナルユニットONU1〜ONUKのプロセッサ300によって、図5に開示されるアルゴリズムと並行に実行されるか、又は、図5に開示されるアルゴリズムの代わりに実行される。
【0154】
ステップS800において、プロセッサ300は、光回線ターミナルOLTからサイクル同期メッセージを受信する時間であるか否かを検査する。たとえば、サイクル同期メッセージは図6及び図7において開示されるようなインデックスメッセージである。
【0155】
サイクル同期メッセージを受信する時間でない限り、プロセッサ800はステップS800を実行する。サイクル同期メッセージを受信する時間である場合、プロセッサ300はステップS801に進む。
【0156】
ステップS801において、プロセッサ300は、ダウンリンク受信に使用される構成要素を、ダウンリンク受信がアクティブであるか又は動作可能である状態(すなわちダウンリンク受信のための光ネットワークユニットの電力消費が低減されていない状態)に設定する。
【0157】
次のステップS802において、プロセッサ300は、光回線ターミナルOLTからの、光インターフェースI/F304を通じたサイクル同期メッセージの受信を検出する。
【0158】
次のステップS803において、プロセッサ300は、光ユニットONUを、ダウンリンク受信に関してアイドル状態に設定する。
【0159】
光ネットワークユニットは、ダウンリンク送信に使用される構成要素のうちの少なくとも一部が、それらの電力消費が低減される状態にされているとき、ダウンリンク送信に関してアイドル状態にある。
【0160】
次のステップS804において、プロセッサ300は、受信したサイクル同期メッセージに含まれる情報から、タイマーを起動する。このタイマーは、光ネットワークユニットONUが、該光ネットワークユニットONUを対象とするデータの受信を開始する持続時間を表す。
【0161】
次のステップS805において、プロセッサ300は、ステップS804において起動されたタイマーが経過しているか否かを検査することによって、光回線ターミナルOLTからのデータを受信する時間であるか否かを検査する。
【0162】
プロセッサ300は、ステップS804において起動されたタイマーが経過している限り、ステップS805を実行する。
【0163】
光回線ターミナルOLTからデータを受信する時間である場合、プロセッサ300はステップS806に進む。
【0164】
ステップS806において、プロセッサ300は、ダウンリンク受信に使用される構成要素を、ダウンリンク受信がアクティブであるか又は動作可能である状態に設定する。
【0165】
次のステップS807において、プロセッサ300は、受信したサイクル同期メッセージに含まれる情報から、タイマーを起動する。このタイマーは、光ネットワークユニットONUが、該光ネットワークユニットONUを対象とするデータを受信する持続時間を表す。
【0166】
次のステップS808において、プロセッサ300は、光回線ターミナルOLTからの、光インターフェースI/F304を通じたデータの受信を検出する。
【0167】
次のステップS809において、プロセッサ300は、ステップS807において起動されたタイマーが経過しているか否かを検査することによって、光回線ターミナルOLTからのデータの受信を停止する時間であるか否かを検査する。
【0168】
光回線ターミナルOLTからのデータの受信を停止する時間である場合、プロセッサ300はステップS810に進む。そうでない場合、プロセッサ300はステップS808に戻る。
【0169】
次のステップS810において、プロセッサ300は、光ユニットONUをダウンリンク受信に関してアイドル状態に設定する。
【0170】
このステップが完了した後、プロセッサ300はステップS800に戻る。
【0171】
図9は、本発明によるダウンリンクアイドル状態管理のクロノグラムの例を表している。
【0172】
時間期間Act1〜Act5は、サイクル同期メッセージS1、S2、及びS3の受信又は光ネットワークユニットONUを対象とするデータD1及びD2の受信に対応する。光ネットワークユニットONUは、この時間期間Act1〜Act5において、ダウンリンクアイドル状態にない。他の場合、光ネットワークユニットONUはダウンリンクアイドル状態にある。
【0173】
光ネットワークユニットONUは、サイクルCyD1、CyD2、及びCyD3のサイクル同期メッセージ内に含まれる情報から、該光ネットワークユニットONUがいつダウンリンクアイドル状態に切り換わる必要があるかを導出する。
【0174】
当然、本発明の範囲から逸脱することなく、上述した本発明の実施形態に対し多くの変更を成すことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッシブ光ネットワークの光ネットワークユニットの電力消費を低減するための方法であって、
前記パッシブ光ネットワークは、通信ネットワークに接続された光回線ターミナル(OLT)と、スプリッター(SPL)と、複数の光ネットワークユニット(ONU1,ONUK)とを含み、
前記光回線ターミナルは光ファイバー(FOS)を通じて前記スプリッターにリンクされ、
前記スプリッターは、前記複数の光ネットワークユニットに、それぞれの光ファイバー(F1,FK)を通じてリンクされる
方法において、前記方法は、
前記光回線ターミナルによって実行される連続したステップとして、
‐前記通信ネットワークからデータを受信するステップ(S700)と、
‐データが対象とする前記光ネットワークユニットを識別するステップ(S701)と、
‐前記データを記憶するステップ(S702)と、
‐情報を転送するステップ(S704)であって、
前記情報は、前記識別された光ネットワークユニットが第1の時間期間を決定することを可能にする情報であり、
前記第1の時間期間は、前記識別された光ネットワークユニットがデータを受信する時間期間である、
情報を転送するステップ(S704)と、
‐前記第1の時間期間に従ってデータを転送するステップ(S705)と、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
情報は、第1のメッセージにおいて転送され、
前記第1のメッセージは、少なくとも前記識別された光ネットワークユニットが、次のメッセージ受信時間を決定することを可能にする情報をさらに含み、
少なくとも前記識別された光ネットワークユニットが、次のメッセージ受信時間を決定することを可能にする前記情報は、前記識別された光ネットワークユニットがデータを受信する次の時間期間を、前記識別された光ネットワークユニットが決定することを可能にする情報を含む
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、
‐第2の時間期間において、少なくとも1つの光ネットワークユニットによるデータ転送要求を表す少なくとも1つの第2のメッセージを受信するステップと、
‐1つの第2のメッセージを転送できる少なくとも1つの光ネットワークユニットを識別するステップと、
‐前記パッシブ光ネットワークのリソースを、1つの第2のメッセージを転送できる前記少なくとも1つの識別された光ネットワークユニットに割り当てるステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
1つの第2のメッセージを転送できる前記少なくとも1つの光ネットワークユニットは、前記少なくとも1つの第2のメッセージが、前記第2の時間期間のどのタイムスロットで転送されるかを識別することによって、識別される
ことを特徴とし、
前記少なくとも1つの第2のメッセージは、前記少なくとも1つの光ネットワークユニットによるデータ転送要求を表す、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、
‐少なくとも1つの光ネットワークユニットは、転送すべきデータを有しないと判断するステップと、
‐時間サイクル内に前記第2の時間期間を挿入するステップと
をさらに含み、
前記第2の時間期間は、転送すべきデータを有しない前記少なくとも1つの光ネットワークユニットが、少なくとも1つの第2のメッセージを転送することができる時間期間であり、
前記第2のメッセージは、前記少なくとも1つの光ネットワークユニットによるデータ転送要求を表す
ことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、前記時間サイクル内で前記第2の時間期間を決定することを可能にする情報を転送するステップをさらに含み、
前記第2の時間期間は、転送すべきデータを有しない前記少なくとも1つの光ネットワークユニットが、少なくとも1つの第2のメッセージを転送することができる時間期間である
ことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、
‐転送すべきデータを有する各光ネットワークユニットを決定するステップと、
‐前記時間サイクル内で前記第2の時間期間を抑制するステップと
をさらに含み、
前記第2の時間期間は、転送すべきデータを有しない前記少なくとも1つの光ネットワークユニットが、少なくとも1つの第2のメッセージを転送することができる時間期間であり、
前記第2のメッセージは、前記少なくとも1つの光ネットワークユニットによるデータ転送要求を表すメッセージである、
ことを特徴とする、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、
少なくとも1つの光ネットワークユニットによって実行される複数のステップとして、
‐第1の時間期間を決定することを可能にする情報を受信するステップであって、前記第1の時間期間は、前記光ネットワークユニットがデータを受信する時間期間である、第1の時間期間を決定することを可能にする情報を受信するステップと、
‐前記決定された第1の時間期間に従って、少なくとも1つの構成要素を、前記光ネットワークユニットの電力消費が低減される状態に設定するステップと
を含み、
前記少なくとも1つの構成要素は、前記光ファイバーから信号を受信するのに使用される構成要素であり、
前記光ファイバーは、前記光ネットワークユニットを前記スプリッターにリンクするものである
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記情報は、次の第1のメッセージの受信時間を決定することを可能にする情報をさらに含むメッセージにおいて受信されることを特徴とし、かつ、
前記次のメッセージ受信時間を前記決定することを可能にする情報に従って、前記少なくとも1つの構成要素を、前記光ネットワークユニットの電力消費が低減される状態にすることを特徴とし、
前記少なくとも1つの構成要素は、前記光ファイバーから信号を受信するのに使用される構成要素であり、
前記光ファイバーは、前記光ネットワークユニットを前記スプリッターにリンクするものであり、
前記次のメッセージ受信時間を前記決定することを可能にする前記情報は、前記識別された光ネットワークユニットが、データを受信する次の時間期間を決定することを可能にする情報を含む情報である、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、
‐前記光ファイバーを通じて転送しなくてはならないデータがないと判断するステップと、
‐少なくとも1つの構成要素を、前記光ネットワークユニットの電力消費が低減される状態に設定するステップと、
をさらに含むことを特徴とし、
前記光ファイバーは、前記光ネットワークユニットを前記スプリッターにリンクするものであり、
前記少なくとも1つの構成要素は、前記光ファイバーを通じて信号を転送するのに使用される構成要素である
請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、
‐前記光ファイバーを通じてデータ転送要求を識別するステップと、
‐少なくとも1つの構成要素を、前記光ネットワークユニットの電力消費が低減されない状態に設定するステップと、
‐第2の時間期間において、前記光ネットワークによる前記データ転送要求を表す1つの第2のメッセージを転送するステップと、
をさらに含むことを特徴とし、
前記光ファイバーは、前記光ネットワークユニットを前記スプリッターにリンクするものであり、
前記少なくとも1つの構成要素は、前記光ファイバーを通じて信号を転送するのに使用される構成要素である
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
パッシブ光ネットワークの光ネットワークユニットの電力消費を低減するためのデバイスであって、
前記パッシブ光ネットワークは、通信ネットワークに接続された光回線ターミナル(OLT)と、スプリッター(SPL)と、複数の光ネットワークユニット(ONU1,ONUK)とを含み、
前記光回線ターミナルは光ファイバー(FOS)を通じて前記スプリッターにリンクされ、
前記スプリッターは、前記複数の光ネットワークユニットに、それぞれの光ファイバー(F1,FK)を通じてリンクされる
デバイスにおいて、
電力消費を制限するための前記デバイスは、前記光回線ターミナルに含まれ、
前記電力消費を制限するための前記デバイスは、
‐前記通信ネットワークからデータを受信する手段(206)と、
‐前記データを記憶すると共に、前記データが受信されると前記データが対象とする前記光ネットワークユニットを識別する手段(203)と、
‐前記データが記憶されると、前記識別された光ネットワークユニットが第1の時間期間を決定することを可能にする情報を転送する手段(204)であって、前記第1の時間期間は、前記識別された光ネットワークユニットが前記データを受信する時間期間である、手段(204)と、
‐前記情報が転送されると、前記第1の時間期間に従って前記データを転送する手段(204)と、
を備えることを特徴とする、デバイス。
【請求項13】
パッシブ光ネットワークの光ネットワークユニットの電力消費を低減するためのシステムであって、
前記システムは、請求項12に記載の電力消費を低減するためのデバイスを備え、
前記システムは、少なくとも1つの光ネットワークユニットをさらに備え、
前記少なくとも1つの光ネットワークユニットは、
‐前記光ネットワークユニットがデータを受信する第1の時間期間を決定することを可能にする情報を受信する手段(304)と、
‐前記決定された第1の時間期間に従って、少なくとも1つの構成要素を、前記光ネットワークユニットの消費が低減される状態に設定する手段(300)と、
を備え、
前記少なくとも1つの構成要素は、前記光ファイバーから信号を受信するのに使用される構成要素であり、
前記光ファイバーは、前記光ネットワークユニットを前記スプリッターにリンクするものである
システム。
【請求項14】
プログラマブルデバイスに直接ロード可能とすることができるコンピュータープログラムであって、前記コンピュータープログラムがプログラマブルデバイス上で実行されるとき、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法の各ステップを実施するための命令又はコード部を含む、コンピュータープログラム。
【請求項15】
プログラマブルデバイスに直接ロード可能とすることができるコンピュータープログラムであって、前記コンピュータープログラムがプログラマブルデバイス上で実行されるとき、請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法の各ステップを実施するための命令又はコード部を含む、コンピュータープログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−182395(P2011−182395A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−33267(P2011−33267)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(503163527)ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ (175)
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
【Fターム(参考)】