光ビームの角度設定方法
【課題】レーザビームをプリズムに入射し射出方向を当該プリズムの回転により振らせる際に正確に所定の角度に向ける。
【解決手段】レーザビームをプリズムに入射し射出方向を当該プリズムにより振らせ、所定の角度に向ける。目標箇所の周囲に所定距離で設けられた複数の光電センサを備える。振られたレーザビームにより複数の光電センサのいずれか1である第1の光電センサにより検知させる。レーザ検知した第1の光電センサの位置と、前記レーザ検知のためのプリズムの基準軸に対するレーザビームの振れ角度φ1とに基づいて第2の光電センサに向けてプリズムの基準軸に対して角度φ2だけレーザビームを振らす。振らしたレーザビームにより第2の光電センサで検知するか否かを判定する。
【解決手段】レーザビームをプリズムに入射し射出方向を当該プリズムにより振らせ、所定の角度に向ける。目標箇所の周囲に所定距離で設けられた複数の光電センサを備える。振られたレーザビームにより複数の光電センサのいずれか1である第1の光電センサにより検知させる。レーザ検知した第1の光電センサの位置と、前記レーザ検知のためのプリズムの基準軸に対するレーザビームの振れ角度φ1とに基づいて第2の光電センサに向けてプリズムの基準軸に対して角度φ2だけレーザビームを振らす。振らしたレーザビームにより第2の光電センサで検知するか否かを判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ビームの射出方向の角度を設定する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下水管あるいは通信ケーブルを地下に敷設するため設置する場所の地上の状況、例えば、コストダウンの観点で地上とのアクセス孔である立坑を減らしたい、川の下で立坑を掘れない場合などから一回に推進する孔の距離を長くしたいとの要望がある。
例えば、通信ケーブルを地下に敷設する場合、300mm〜600mm程度の小口径の管路内に配線する。管路を配設するには図4の側面図のように発進立坑401側から到達立坑402側までの計画線に沿って先導体403で掘削し、その孔に一定長さの推進管を計画線の始めから順次つなげるように推していく。このとき、管路が計画線からずれないように、計画線からのずれを測定しながら推進管を推す方向を決めている。なお、404はレーザ発振器、405は基準プリズムユニット、406は中間プリズムユニット、407はレーザ光線、408は地表である。
【0003】
図5(a)は、計画線からのずれを測定する方法を示し、光学式プリズム計測システムを示す。図5(a)において、501は管路、502は管路501の発進立坑側に配置したレーザ発振器、503は管路501の発進立坑側に設けた基準プリズムユニット、504は管路501に沿って配設された一定長さの推進管、505は推進管504の1つの所定位置に設置された中間プリズムユニット、506は先端部に掘削機を備えた先導体、507は先導体506の掘削機の設置とは反対方向の面の受光部、508はこの計測システムを制御する制御部である。基準プリズムユニット503、中間プリズムユニット505及び先導体504は制御部508に接続し、信号の授受、機構部の制御等を受ける。
各推進管504の長さは、一定のものを用いているからそれらが配設されている管路の長さL1,L2は既知である。
受光部507の上下左右の4個所例えば正四角形の各頂点位置に設けられる光電センサ507aが設けられ、この例を図5(b)に示す。
この明細書において、基準プリズムユニット503と中間プリズムユニット505とを総称してプリズムユニットということがある。これらプリズムユニットは、図6(a)の断面図のように、回転自在に設けられた一対のウェッジプリズム601a,601bと、この一対のウェッジプリズムそれぞれを個別に回転する一対の駆動手段602a,602bと、一対のウェッジプリズムそれぞれの回転角を検出する一対の角度検出手段603a,603bと、光電センサ604を備える。光電センサ604は、図6(b)の側面図に示すように、ケース608の発振立坑側の面上の透過窓609の周囲上下左右4個所例えば正四角形の各頂点位置に設けられ、軸606からの距離が既知であり、例えば等距離にある。そして、透過窓609からウェッジプリズムの面605aまでの距離は既知である。
なお、基準プリズムユニット503に光電センサ604を備える必要はない。
各ウェッジプリズムの一方の面605a,605bと直角な軸606を中心に回転するように一対のウェッジプリズムを配置し、それぞれの傾斜面607a,607bのそれぞれが平行にあるときにプリズムユニット505に入射する光と出る光とは平行となる。プリズムユニットに入射した光は各ウェッジプリズムの相対的な回転角に応じて軸606に対し所定の角度で屈折して透過窓610を通過する。
【0004】
図5、図6において、先導体506が管路501をある程度掘削して進み、その後に推進管504を接続している。中間プリズムユニット505を一定間隔で推進管504a内の所定位置に配置する。
レーザ発振器502からのレーザ光502aは、中間プリズムユニット505の光電センサ604のいずれかで検知できるように、基準プリズムユニット503の一対のウェッジプリズムを回転させ、光電センサ604のいずれか1の光電センサ(第1の光電センサと称する。)で検知する。この第1の光電センサの位置は軸606から所定の距離にあり、駆動手段602a,602bによる回転を角度検出手段603a,603bにより、レーザ光の振れ方向と角度が分かっているから、振れ方向と角度に基づき、この検知状態からレーザ光をウェッジプリズム601aが軸606と交わる箇所に来るように、基準プリズム503により制御する。さらに中間プリズムユニット505を通過したレーザ光502aが先導体506の受光部507で検知できるように、中間プリズムユニット505の一対のウェッジプリズム601a,601bを回転させる。このときの基準プリズムユニット503と中間プリズムユニット505との回転角からレーザ光の屈折角θ1,θ2を知ることができる。θ1は、基準プリズムユニット505のウェッジプリズム601a,601bの対抗する傾斜面607a,607bのそれぞれが平行にあるときに、入射し射出した方向を基準線としたときのその基準線に対する角度である。この角度θ1,θ2と距離L1,L2とから、先導体506の計画線からのずれを算定し、その位置を計算する。なお、L1は基準プリズムユニット503の一対のウェッジプリズムの中間部から中間プリズムユニット505の一対のウェッジプリズムの中間部までの距離、L2は中間プリズムユニット505から先導体506の受光面507までの距離である。
【0005】
このような光学式プリズム計測システムによると、地中深くに敷設する場合でも、ウェッジプリズムの回転角を計測することで精密に光の屈折角を制御でき、位置を高精度に計測することができる。
しかしながら、レーザ光を通す通路例えば推進管の内面が鏡面のように滑らかであり、レーザ光の振れ角度により推進管504の内面に反射するときは減衰なく反射して後段の中間プリズムユニット505の光電センサ604又は先導体506の受光部507により検知される場合がある。このときの検知されるレーザ光は推進管504の内面で反射されたものであるから、このときのレーザ光の屈折角は正しいものではないという、不都合があった。
【特許文献1】特許第3600763号公報
【特許文献2】特許第3663322号公報
【特許文献3】特開2002−090142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明が解決しようとする課題は、光ビームをプリズムに入射し射出方向を当該プリズムの回転により振らせ、所定の角度に向ける光ビームの角度設定方法であって、正確に所定の角度に向ける方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため請求項1に係る光ビームの角度設定方法は、光ビームをプリズムに入射し射出方向を当該プリズムにより振らせ、所定の角度に向ける光ビームの角度設定方法であって、目標箇所の周囲に所定距離で設けられた複数の光電センサを備え、振られた光ビームにより前記複数の光電センサのいずれか1である第1の光電センサにより検知させる第1の過程と、第1の過程において光検知した第1の光電センサの位置と、前記光検知のためのプリズムの基準軸に対する光ビームの振れ角度φ1とに基づいて第2の光電センサに向けてプリズムの基準軸に対して角度φ2だけ光ビームを振らす第2の過程と、第2の過程で振らした光ビームにより第2の光電センサで検知するか否かを判定する第3の過程からなることを特徴とする方法である。
【0008】
請求項2に係る光ビームの角度設定方法は、光ビームをプリズムに入射し射出方向を当該プリズムにより振らせ、所定の角度に向ける光ビームの角度設定方法であって、目標箇所の周囲に所定距離で設けられた複数の光電センサを備え、振られた光ビームにより前記複数の光電センサのいずれか1である第1の光電センサにより検知させる第1の過程と、第1の過程において光検知した第1の光電センサの位置と、前記光検知のためのプリズムの基準軸に対する光ビームの振れ角度φ1とに基づいて第2の光電センサに向けてプリズムの基準軸に対して角度φ2だけ光ビームを振らす第2の過程と、第2の過程で振らした光ビームにより第2の光電センサで検知するか否かを判定する第3の過程と、第3過程において第2の光電センサで検知したとき、目標箇所に向けてプリズムの基準軸に対して目標箇所がなす角度φ3だけ光ビームを振らす第4の過程とからなることを特徴とする方法である。
【0009】
請求項3に係る光ビームの角度設定方法は、光ビームをプリズムに入射し射出方向を当該プリズムにより振らせ、所定の角度に向ける光ビームの角度設定方法であって、目標箇所の周囲に所定距離で設けられた複数の光電センサを備え、振られた光ビームにより前記複数の光電センサのいずれか1である第1の光電センサにより検知させる第1の過程と、第1の過程において光検知した第1の光電センサの位置と、前記光検知のためのプリズムの基準軸に対する光ビームの振れ角度φ1とに基づいて第2の光電センサに向けてプリズムの基準軸に対して角度φ2だけ光ビームを振らす第2の過程と、第2の過程で振らした光ビームにより第2の光電センサで検知するか否かを判定する第3の過程と、第3過程において第2の光電センサで検知したとき、目標箇所に向けてプリズムの基準軸に対して目標箇所がなす角度φ3だけ光ビームを振らし、第2の光電センサで検知されないとき、新たな第1の光電センサにより検知させる第1の過程に戻る第4の過程とからなることを特徴とする方法である。
【0010】
請求項4に係る光ビームの角度設定方法は、光ビームを振らせ目標に当てて反射させ、発光波の発光時と反射波の受光時との時間差から目標との距離を測定する際の角度設定方法において、目標箇所に所定の距離で設けられた複数の反射板を備え、振られた光ビームの反射板による反射光を光ビームの発光手段の位置に設けられた受光器により検知する第1の過程と、第1の過程において光ビームを検知した第1の反射板の前記複数反射板との相対位置と、前記光ビーム検知のための光ビーム偏向手段の基準軸に対する光ビームの振れ角度Φ1とに基づいて第2の反射板に向けて光ビーム偏向手段に対して角度Φ2だけ光ビームを振らす第2の過程と、第2の過程で振らした光ビームにより第2の反射板で検知するか否かを判定する第3の過程からなることを特徴とする方法である。
【0011】
請求項5に係る光ビームの角度設定方法は、光ビームを振らせ目標に当てて反射させ、反射波の有無から目標の角度を測定する際の角度設定方法において、目標箇所に所定の距離で設けられた複数の反射板を備え、振られた光ビームの反射板による反射光を光ビームの発光手段の位置に設けられた受光器により検知する第1の過程と、第1の過程において反射光を検知したときの第1の反射板に向けた前記光ビームの角度と、前記光ビーム検知のための光ビーム偏向手段の基準軸に対する光ビームの振れ角度Φ1とに基づいて第2の反射板に向けて光ビーム偏向手段に対して角度Φ2だけ光ビームを振らす第2の過程と、第2の過程で振らした光ビームにより第2の反射板で検知するか否かを判定する第3の過程からなることを特徴とする方法である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る光ビームの角度設定方法によると、第1の光電センサによる光検知をし、この振れ角度φ1に基づいて第2の光電センサに向けて角度φ2だけ光ビームを振らすから、第2の光電センサにより光ビームの検知があるか否かにより、角度設定が適正に行えたか否かを判定することができる。
【0013】
請求項2に係る光ビームの角度設定方法によると、振れ角度φ1による第1の光電センサの検知と、その後に振れ角度φ1に基づいて第2の光電センサに向けて角度φ2だけ光ビームを振らし、第2の光電センサにより光ビームの検知があるときに、目標箇所に正しく光ビームへの角度設定を適正に行うことができる。
【0014】
請求項3に係る光ビームの角度設定方法によると、振れ角度φ1による第1の光電センサの検知と、その後に振れ角度φ1に基づいて第2の光電センサに向けて角度φ2だけ光ビームを振らし、第2の光電センサにより光ビームの検知がないときに、再度新たな第1光電センサの検知を行うように戻り、正しく角度設定するまで行うことができる。
【0015】
請求項4に係る光ビームの角度設定方法によると、第1の反射板による反射光を光ビームの発光手段の位置に設けられた受光器により検知し、この位置と光ビームの振れ角度Φ1とに基づいて第2の反射板に向けて光ビーム偏向手段に対して角度Φ2だけ光ビームを振らすから、第2の反射板で検知するか否かにより、角度設定が適正に行えたか否かを判定することができ、適正な状態で目標との距離を測定するための前提となる。
【0016】
請求項5に係る光ビームの角度設定方法によると、第1の反射板による反射光を光ビームの発光手段の位置に設けられた受光器により検知し、この角度と光ビームの振れ角度Φ1とに基づいて第2の反射板に向けて光ビーム偏向手段に対して角度Φ2だけ光ビームを振らすから、第2の反射板で検知するか否かにより、角度設定が適正に行えたか否かを判定することができ、適正な状態で複数の目標間の角度を測定するための前提となる。
【実施例1】
【0017】
図1は、光ビームの角度設定方法を説明するフロー図である。
図5と同様のシステムにおいて、レーザ発振器502から基準プリズム503を介して光ビームとしてレーザビームの角度を制御する場合を説明する。レーザ発振器502から中間プリズムユニット505のレーザ発振器502側のウェッジプリズム601aの面605aがその回転中心である軸606と交わる点を目標点とする。中間プリズムユニット505としての図6のケース608は、その第1の光電センサ604aと第3の光電センサ604cとを結ぶ線が垂直方向になり、第2の光電センサ604bと第4の光電センサ604dとを結ぶ線は水平方向に位置するように図示しない治具により推進管504a内に設置される。
基準プリズムユニット503は、制御部508の制御により、レーザ発振器502からのレーザビームを予め定めた順序に従ってその射出方向を変えて振らすように、駆動手段602a,602bを制御する。このとき、制御部508は中間プリズムユニット505である図6(a)の光電センサ604の検知出力を監視する。レーザビームの基準プリズムユニット503の基準線に対する振れφ1(図2参照)により、光電センサ604のいずれか1である第1の光電センサ604aにより検知されたとする(図1のステップP101)。
当該第1の光電センサ604aの位置(軸606からの距離)、透過窓609から目標点までの距離、推進管の長さLが既知であり、基準プリズムユニット503によるレーザビーの振れφ1はその角度検出手段(603a,603b)により得られる(振れ角φは空間にただ1つの方向として定まる。)。制御部508はこれらから基準プリズム503を原点とする目標点の位置及び中間プリズムユニット505の前記検知した第1の光電センサ604a以外の適当な例えば第2の光電センサ604bの位置を求める。さらに制御部508は、第2の光電センサ604bが基準線に対してなす角度φ2を求め、前記角度φ1から必要な回転を計算してφ1からφ2に振らす(図1のステップP2)。(図2参照。)
このとき、第1の光電センサ604aにより検知されたレーザビームが基準プリズムユニット503からの直接光である場合(図3(a))は、制御部508が計算したφ2の振りは正確に第2の光電センサ604bにより検知される。しかし、レーザビームが推進管の内面により反射されたものであるとき(図3(b))は、第2の光電センサ604において検知されるようにレーザビームを振ったとしても異なる方向に振れてしまい第2の光電センサ604bにより検知されることはない。制御部508は、基準プリズムユニット503の制御によって第2の光電センサ604bにより検知するか否かを監視し判定する(図1のステップP3)。
第2の光電センサ604aにより検知されないときはステップ3からステップ1に戻って新たな第1の光電センサを検知し、第2の光電センサ604aにより検知された場合は、制御部508はステップ2において計算した目標点の位置からその点にレーザビームを向けるように角度φ3を求め、前記角度φ2から必要な回転を計算してφ2からφ3に振らす(図1のステップP4)。
【0018】
上記説明では、レーザビーム発振器502からのレーザビームを基準プリズムユニット503により制御し、中間プリズムユニット505の光電センサ(604)により検知させている場合を説明したが、掘削初期に未だ中間プリズム505を設置するに到らずに先導体506の受光部507の光電センサ507aにおいてレーザビームを検知させる場合や、中間プリズムユニット505によりレーザビームを介して先導体506の受光部507の光電センサ507aにおいてレーザビームを検知させる場合あるいは、中間プリズムユニット505によりレーザビームを介して先導体の受光部の代わりに次の中間プリズムユニット(図示せず)の受光部の光電センサ(図示せず)においてレーザビームを検知させる場合においても同様に実施できるものである。
【実施例2】
【0019】
図7は、光ビームを振らせ目標に当てて反射させ、発光波の発光時と反射波の受光時との時間差から目標との距離を測定する際の角度設定を説明するフロー図、図8は構成図である。図8において、801は光波発生器を含む光波距離計、802は光ビームを振る光ビーム偏向手段としての光屈折器(例えば実施例1と同様にウェッジプリズムにより構成し、図示しない角度検出器を備える。)、803は例えばパーソナルコンピュータで構成し光波距離計801、光屈折器802を制御する制御部、804は目標としての掘進機、805はトンネル内面である。
光屈折器802の近傍に受光器802Rを設ける。
掘進機804の背面の所定箇所が距離測定のための目標点が設定されていて、その周囲に複数(たとえば3個)の反射板806a,806b,806cが配設されており、それらの相互間の距離は既知である(例えば1辺の長さが既知の正3角形の頂点上に配置する。)。反射板806は、例えばミラー4個を直角に配置し、入射したビーム光波を入射方向と同方向に反射する(図9)。
距離測定は、光波距離計801の光波発生器からの発光波を反射板により反射させ、これを光屈折器802にの近傍に設けた受光器802Rにより受光させる。そこで、光波発生器により光波の発射から受光器802Rによる受光までの時間を測定することにより、反射板までの距離を計算することができる。ここで、反射板806への発光波が直接入射すれば、正確に距離計算をすることができるが、トンネル内面805により反射したものが反射板806に入射した場合は正確な距離計算はできない。
【0020】
そこで、まず光屈折器802で光ビームを振りいずれかの反射板806(例えば反射板806a)に当てるように振る。この光ビームが振れ角Φ1(光屈折器802の入射光の方向を基準線としてその基準線から空間にただ1つの方向として定まる振れ角)でいずれかの反射板806により反射されもとの光路を辿って、受光器802Rにより検知される(図7のステップP701)。このとき、受光する光は発光時よりも広がっており、受光器802Rは受光できる程度の光屈折器802の近傍に設ける。また、入射光が掘進機804の反射板806a,806b,806c以外の部分における反射光、あるいは他の機材からの反射の場合は入射光の強さが弱いから所定以上の強さを受光器802Rが検知することにより反射板806a,806b,806cから反射と判断する。このとき、反射板への入射がトンネル内面805の反射を介して入射したか否か判別がつかないので、他の反射板に入射するようにさらに光ビームを振ることにする。このとき、最初の反射検出がいずれの反射板からの反射であるかは不知であるから、たとえば第1の反射板806aからの反射光の検知と仮定して、その仮定した第1の反射板806aの位置から例えば第2の反射板806bに入射するように光ビームを振らす。このとき、制御部803は、第1の反射板806aの位置と振れ角Φ1と第2の反射板806bの位置とから第2の反射板806bに入射して反射されるため前記角度Φ1にある状態からの振れ角Φ2を求め、この結果に従って光屈折器802を制御して振れ角Φ2を振る(図7のステップP702)。制御部803は、受光器802Rが反射光を検出するかを監視し、受光器802Rが所定の検知信号を出すと第2の反射板806bによる反射を検知したと判定する(図7のステップP703)。
前記振れ角Φ2によっても、受光器802Rが反射板からの反射を検知しないときは、最初の振れ角Φ1による検知がトンネル内面の反射または第1の反射板806aによる入射反射によるものでないと判定する(図7のステップP703)。このとき、ステップP703からステップP702に戻り、最初の振れ角Φ1による検知を第2の反射板806bからの反射によるものとして、再度同様にステップP702からステップP703を遂行する。このとき、振れ角Φ2については第2の反射板806bから第3の反射板806cに振らすために求める。この過程により、最初の検知が第2の反射板806bによる入射反射によるものでないと判定した場合は、再度ステップP702に戻り、最初の振れ角Φ1による検知を第3の反射板806cからの反射によるものとして、再度同様にステップP702からステップP703を遂行する。このようにして、適切な検知が得られない場合は、適切な検知が得られるまで反射板の全てについてステップP702からステップP703の過程を遂行する。全ての反射板について最初の振れ角Φ1による検知がされ、振れ角Φ2による検知がされない場合は、最初の振れ角Φ1による検知はトンネル内面805からの反射によるものとして、ステップP703からステップP701に戻る。
ステップP703において、最初の振れ角Φ1による検知がトンネル内面の反射または第1の反射板806aによる入射反射によるものでないと判定すると、制御部803はこの検知がトンネル内面805からの反射によらない直接の入射検出であるとして、第1の反射板806a、第2の反射板806bのいずれも適切な検知であるとする。従って、制御部803はステップP702において振れた角度Φ1、Φ2と予め知られた各反射板806a,806bの位置から目標点の位置を計算し、その目標点に光ビームを向けるように角度φ3を求め、前記角度φ2から必要な回転を計算してφ2からφ3に振らして(図7のステップP704)、光波距離計801の光波発生器から例えば第2の反射板806bに対して光パルスを発光し、距離測定を行うことができる。
【実施例3】
【0021】
図10は、光ビームを振らせ所定間隔の目標に当てて反射させ、所定箇所から各目標間を見る角度を測定する際の角度設定を説明するフロー図、図11は構成図である。図11において、1101は光波発生器、1102は光ビームを振る光ビームを振る光ビーム偏向手段としての光屈折器光屈折器(例えば実施例1と同様にウェッジプリズムにより構成し、図示しない角度検出器を備える。)、1103は例えばパーソナルコンピュータで構成し光波距離計1101、光屈折器1102を制御する制御部、1104は目標である掘削機、1105はトンネル内面である。
光屈折器1102の近傍に受光器1102Rを設ける。
掘削機1104に目標点が設定されていて、そこに複数(たとえば3個)の反射板1106a,1106b,1106cが配設されている(例えば直線上に配置する。)。反射板1106は、例えばミラー4個を直角に配置し、入射したビーム光波を入射方向と同方向に反射する(図9と同様)。
角度測定は、光波発生器1101からの発光波を第1の反射板により反射させ、これを光屈折器1102にの近傍に設けた受光器1102Rにより受光させ、そのときの振れ角Φ1を求め、光波発生器1101からの発光波を第2の反射板により反射させ、これを光屈折器1102にの近傍に設けた受光器1102Rにより受光させ、そのときの振れ角Φ2を求めて、Φ1とΦ2との関係から第1の反射板と、第2の反射板との間の角度を求める。ここで、反射板1106への発光波が直接入射すれば、正確に距離計算をすることができるが、トンネル内面1105により反射したものが反射板1106に入射した場合は正確な距離計算はできない。
【0022】
そこで、まず光屈折器1102で光ビームを振りいずれかの反射板1106(例えば反射板1106a)に当てるように振る。この光ビームが振れ角Φ1(光屈折器1102の入射光の方向を基準線としてその基準線から空間にただ1つの方向として定まる振れ角)でいずれかの反射板1106により反射されもとの光路を辿って、受光器1102Rにより検知される(図10のステップP1001)。このとき、受光する光は発光時よりも広がっており、受光器1102Rは受光できる程度の光屈折器1102の近傍に設ける。また、入射光が掘進機1104の反射板1106a,1106b,1106c以外の部分における反射光、あるいは他の機材からの反射の場合は入射光の強さが弱いから所定以上の強さを受光器1102Rが検知することにより反射板1106a,1106b,1106cから反射と判断する。このとき、反射板への入射がトンネル内面1105の反射を介して入射したか否か判別がつかないので、他の反射板に入射するようにさらに光ビームを振ることにする。このとき、最初の反射検出がいずれの反射板からの反射であるかは不知であるから、たとえば第1の反射板1106aからの反射光の検知と仮定して、その仮定した第1の反射板1106aの位置から例えば第2の反射板1106bに入射するように光ビームを振らす。このとき、制御部1103は、第1の反射板1106aの位置と振れ角Φ1と第2の反射板1106bの位置とから第2の反射板1106bに入射して反射されるため前記角度Φ1にある状態からの振れ角Φ2を求め、この結果に従って光屈折器1102を制御して振れ角Φ2を振る(図10のステップP1002)。制御部1103は、受光器1102Rが反射光を検出するかを監視し、受光器1102Rが所定の検知信号を出すと第2の反射板1106bによる反射を検知したと判定する(図10のステップP1003)。
前記振れ角Φ2によっても、受光器1102Rが反射板からの反射を検知しないときは、最初の振れ角Φ1による検知がトンネル内面の反射または第1の反射板1106aによる入射反射によるものでないと判定する(図10のステップP1003)。このとき、ステップP1003からステップP1002に戻り、最初の振れ角Φ1による検知を第2の反射板1106bからの反射によるものとして、再度同様にステップP1002からステップP1003を遂行する。このとき、振れ角Φ2については第2の反射板1106bから第3の反射板1106cに振らすために求める。この過程により、最初の検知が第2の反射板1106bによる入射反射によるものでないと判定した場合は、再度ステップP1002に戻り、最初の振れ角Φ1による検知を第3の反射板1106cからの反射によるものとして、再度同様にステップP1002からステップP1003を遂行する。このようにして、適切な検知が得られない場合は、適切な検知が得られるまで反射板の全てについてステップP1002からステップP1003の過程を遂行する。全ての反射板について最初の振れ角Φ1による検知がされ、振れ角Φ2による検知がされない場合は、最初の振れ角Φ1による検知はトンネル内面1105からの反射によるものとして、ステップP1003からステップP1001に戻る。
ステップP1003において、最初の振れ角Φ1による検知がトンネル内面の反射または第1の反射板1106aによる入射反射によるものでないと判定すると、制御部1103はこの検知がトンネル内面1105からの反射によらない直接の入射検出であるとして、第1の反射板1106a、第2の反射板1106bのいずれも適切な検知であるとする。従って、制御部1103はステップP1002において振れた角度Φ1、Φ2からこれらの位置関係(実施例2で説明した方法で第1の反射板1106a、第2の反射板1106b迄の距離を計測しておく)から屈折器1102から見た第1の反射板1106a、第2の反射板1106bとの間の角度を求めることができる(図10のステップP1004)。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】レーザビームの角度設定方法を説明するフロー図である。(実施例1)
【図2】基準プリズムユニットの座標と中間プリズムユニットの座標と光ビームの振れ角度を説明する図である。
【図3】光ビームの反射を説明する図である。
【図4】地下管路工法を説明する図である。
【図5】光路の曲がり測定をするためのシステムを説明する図である。
【図6】プリズムユニットの構成を説明する図である。
【図7】光ビームの角度設定方法を説明するフロー図である。(実施例2)
【図8】光ビームの角度設定方法を説明する構成図である。(実施例2)
【図9】反射板の光の入射反射を説明する図である。
【図10】光ビームの角度設定方法を説明するフロー図である。(実施例3)
【図11】光ビームの角度設定方法を説明する構成図である。(実施例3)
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ビームの射出方向の角度を設定する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下水管あるいは通信ケーブルを地下に敷設するため設置する場所の地上の状況、例えば、コストダウンの観点で地上とのアクセス孔である立坑を減らしたい、川の下で立坑を掘れない場合などから一回に推進する孔の距離を長くしたいとの要望がある。
例えば、通信ケーブルを地下に敷設する場合、300mm〜600mm程度の小口径の管路内に配線する。管路を配設するには図4の側面図のように発進立坑401側から到達立坑402側までの計画線に沿って先導体403で掘削し、その孔に一定長さの推進管を計画線の始めから順次つなげるように推していく。このとき、管路が計画線からずれないように、計画線からのずれを測定しながら推進管を推す方向を決めている。なお、404はレーザ発振器、405は基準プリズムユニット、406は中間プリズムユニット、407はレーザ光線、408は地表である。
【0003】
図5(a)は、計画線からのずれを測定する方法を示し、光学式プリズム計測システムを示す。図5(a)において、501は管路、502は管路501の発進立坑側に配置したレーザ発振器、503は管路501の発進立坑側に設けた基準プリズムユニット、504は管路501に沿って配設された一定長さの推進管、505は推進管504の1つの所定位置に設置された中間プリズムユニット、506は先端部に掘削機を備えた先導体、507は先導体506の掘削機の設置とは反対方向の面の受光部、508はこの計測システムを制御する制御部である。基準プリズムユニット503、中間プリズムユニット505及び先導体504は制御部508に接続し、信号の授受、機構部の制御等を受ける。
各推進管504の長さは、一定のものを用いているからそれらが配設されている管路の長さL1,L2は既知である。
受光部507の上下左右の4個所例えば正四角形の各頂点位置に設けられる光電センサ507aが設けられ、この例を図5(b)に示す。
この明細書において、基準プリズムユニット503と中間プリズムユニット505とを総称してプリズムユニットということがある。これらプリズムユニットは、図6(a)の断面図のように、回転自在に設けられた一対のウェッジプリズム601a,601bと、この一対のウェッジプリズムそれぞれを個別に回転する一対の駆動手段602a,602bと、一対のウェッジプリズムそれぞれの回転角を検出する一対の角度検出手段603a,603bと、光電センサ604を備える。光電センサ604は、図6(b)の側面図に示すように、ケース608の発振立坑側の面上の透過窓609の周囲上下左右4個所例えば正四角形の各頂点位置に設けられ、軸606からの距離が既知であり、例えば等距離にある。そして、透過窓609からウェッジプリズムの面605aまでの距離は既知である。
なお、基準プリズムユニット503に光電センサ604を備える必要はない。
各ウェッジプリズムの一方の面605a,605bと直角な軸606を中心に回転するように一対のウェッジプリズムを配置し、それぞれの傾斜面607a,607bのそれぞれが平行にあるときにプリズムユニット505に入射する光と出る光とは平行となる。プリズムユニットに入射した光は各ウェッジプリズムの相対的な回転角に応じて軸606に対し所定の角度で屈折して透過窓610を通過する。
【0004】
図5、図6において、先導体506が管路501をある程度掘削して進み、その後に推進管504を接続している。中間プリズムユニット505を一定間隔で推進管504a内の所定位置に配置する。
レーザ発振器502からのレーザ光502aは、中間プリズムユニット505の光電センサ604のいずれかで検知できるように、基準プリズムユニット503の一対のウェッジプリズムを回転させ、光電センサ604のいずれか1の光電センサ(第1の光電センサと称する。)で検知する。この第1の光電センサの位置は軸606から所定の距離にあり、駆動手段602a,602bによる回転を角度検出手段603a,603bにより、レーザ光の振れ方向と角度が分かっているから、振れ方向と角度に基づき、この検知状態からレーザ光をウェッジプリズム601aが軸606と交わる箇所に来るように、基準プリズム503により制御する。さらに中間プリズムユニット505を通過したレーザ光502aが先導体506の受光部507で検知できるように、中間プリズムユニット505の一対のウェッジプリズム601a,601bを回転させる。このときの基準プリズムユニット503と中間プリズムユニット505との回転角からレーザ光の屈折角θ1,θ2を知ることができる。θ1は、基準プリズムユニット505のウェッジプリズム601a,601bの対抗する傾斜面607a,607bのそれぞれが平行にあるときに、入射し射出した方向を基準線としたときのその基準線に対する角度である。この角度θ1,θ2と距離L1,L2とから、先導体506の計画線からのずれを算定し、その位置を計算する。なお、L1は基準プリズムユニット503の一対のウェッジプリズムの中間部から中間プリズムユニット505の一対のウェッジプリズムの中間部までの距離、L2は中間プリズムユニット505から先導体506の受光面507までの距離である。
【0005】
このような光学式プリズム計測システムによると、地中深くに敷設する場合でも、ウェッジプリズムの回転角を計測することで精密に光の屈折角を制御でき、位置を高精度に計測することができる。
しかしながら、レーザ光を通す通路例えば推進管の内面が鏡面のように滑らかであり、レーザ光の振れ角度により推進管504の内面に反射するときは減衰なく反射して後段の中間プリズムユニット505の光電センサ604又は先導体506の受光部507により検知される場合がある。このときの検知されるレーザ光は推進管504の内面で反射されたものであるから、このときのレーザ光の屈折角は正しいものではないという、不都合があった。
【特許文献1】特許第3600763号公報
【特許文献2】特許第3663322号公報
【特許文献3】特開2002−090142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明が解決しようとする課題は、光ビームをプリズムに入射し射出方向を当該プリズムの回転により振らせ、所定の角度に向ける光ビームの角度設定方法であって、正確に所定の角度に向ける方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため請求項1に係る光ビームの角度設定方法は、光ビームをプリズムに入射し射出方向を当該プリズムにより振らせ、所定の角度に向ける光ビームの角度設定方法であって、目標箇所の周囲に所定距離で設けられた複数の光電センサを備え、振られた光ビームにより前記複数の光電センサのいずれか1である第1の光電センサにより検知させる第1の過程と、第1の過程において光検知した第1の光電センサの位置と、前記光検知のためのプリズムの基準軸に対する光ビームの振れ角度φ1とに基づいて第2の光電センサに向けてプリズムの基準軸に対して角度φ2だけ光ビームを振らす第2の過程と、第2の過程で振らした光ビームにより第2の光電センサで検知するか否かを判定する第3の過程からなることを特徴とする方法である。
【0008】
請求項2に係る光ビームの角度設定方法は、光ビームをプリズムに入射し射出方向を当該プリズムにより振らせ、所定の角度に向ける光ビームの角度設定方法であって、目標箇所の周囲に所定距離で設けられた複数の光電センサを備え、振られた光ビームにより前記複数の光電センサのいずれか1である第1の光電センサにより検知させる第1の過程と、第1の過程において光検知した第1の光電センサの位置と、前記光検知のためのプリズムの基準軸に対する光ビームの振れ角度φ1とに基づいて第2の光電センサに向けてプリズムの基準軸に対して角度φ2だけ光ビームを振らす第2の過程と、第2の過程で振らした光ビームにより第2の光電センサで検知するか否かを判定する第3の過程と、第3過程において第2の光電センサで検知したとき、目標箇所に向けてプリズムの基準軸に対して目標箇所がなす角度φ3だけ光ビームを振らす第4の過程とからなることを特徴とする方法である。
【0009】
請求項3に係る光ビームの角度設定方法は、光ビームをプリズムに入射し射出方向を当該プリズムにより振らせ、所定の角度に向ける光ビームの角度設定方法であって、目標箇所の周囲に所定距離で設けられた複数の光電センサを備え、振られた光ビームにより前記複数の光電センサのいずれか1である第1の光電センサにより検知させる第1の過程と、第1の過程において光検知した第1の光電センサの位置と、前記光検知のためのプリズムの基準軸に対する光ビームの振れ角度φ1とに基づいて第2の光電センサに向けてプリズムの基準軸に対して角度φ2だけ光ビームを振らす第2の過程と、第2の過程で振らした光ビームにより第2の光電センサで検知するか否かを判定する第3の過程と、第3過程において第2の光電センサで検知したとき、目標箇所に向けてプリズムの基準軸に対して目標箇所がなす角度φ3だけ光ビームを振らし、第2の光電センサで検知されないとき、新たな第1の光電センサにより検知させる第1の過程に戻る第4の過程とからなることを特徴とする方法である。
【0010】
請求項4に係る光ビームの角度設定方法は、光ビームを振らせ目標に当てて反射させ、発光波の発光時と反射波の受光時との時間差から目標との距離を測定する際の角度設定方法において、目標箇所に所定の距離で設けられた複数の反射板を備え、振られた光ビームの反射板による反射光を光ビームの発光手段の位置に設けられた受光器により検知する第1の過程と、第1の過程において光ビームを検知した第1の反射板の前記複数反射板との相対位置と、前記光ビーム検知のための光ビーム偏向手段の基準軸に対する光ビームの振れ角度Φ1とに基づいて第2の反射板に向けて光ビーム偏向手段に対して角度Φ2だけ光ビームを振らす第2の過程と、第2の過程で振らした光ビームにより第2の反射板で検知するか否かを判定する第3の過程からなることを特徴とする方法である。
【0011】
請求項5に係る光ビームの角度設定方法は、光ビームを振らせ目標に当てて反射させ、反射波の有無から目標の角度を測定する際の角度設定方法において、目標箇所に所定の距離で設けられた複数の反射板を備え、振られた光ビームの反射板による反射光を光ビームの発光手段の位置に設けられた受光器により検知する第1の過程と、第1の過程において反射光を検知したときの第1の反射板に向けた前記光ビームの角度と、前記光ビーム検知のための光ビーム偏向手段の基準軸に対する光ビームの振れ角度Φ1とに基づいて第2の反射板に向けて光ビーム偏向手段に対して角度Φ2だけ光ビームを振らす第2の過程と、第2の過程で振らした光ビームにより第2の反射板で検知するか否かを判定する第3の過程からなることを特徴とする方法である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る光ビームの角度設定方法によると、第1の光電センサによる光検知をし、この振れ角度φ1に基づいて第2の光電センサに向けて角度φ2だけ光ビームを振らすから、第2の光電センサにより光ビームの検知があるか否かにより、角度設定が適正に行えたか否かを判定することができる。
【0013】
請求項2に係る光ビームの角度設定方法によると、振れ角度φ1による第1の光電センサの検知と、その後に振れ角度φ1に基づいて第2の光電センサに向けて角度φ2だけ光ビームを振らし、第2の光電センサにより光ビームの検知があるときに、目標箇所に正しく光ビームへの角度設定を適正に行うことができる。
【0014】
請求項3に係る光ビームの角度設定方法によると、振れ角度φ1による第1の光電センサの検知と、その後に振れ角度φ1に基づいて第2の光電センサに向けて角度φ2だけ光ビームを振らし、第2の光電センサにより光ビームの検知がないときに、再度新たな第1光電センサの検知を行うように戻り、正しく角度設定するまで行うことができる。
【0015】
請求項4に係る光ビームの角度設定方法によると、第1の反射板による反射光を光ビームの発光手段の位置に設けられた受光器により検知し、この位置と光ビームの振れ角度Φ1とに基づいて第2の反射板に向けて光ビーム偏向手段に対して角度Φ2だけ光ビームを振らすから、第2の反射板で検知するか否かにより、角度設定が適正に行えたか否かを判定することができ、適正な状態で目標との距離を測定するための前提となる。
【0016】
請求項5に係る光ビームの角度設定方法によると、第1の反射板による反射光を光ビームの発光手段の位置に設けられた受光器により検知し、この角度と光ビームの振れ角度Φ1とに基づいて第2の反射板に向けて光ビーム偏向手段に対して角度Φ2だけ光ビームを振らすから、第2の反射板で検知するか否かにより、角度設定が適正に行えたか否かを判定することができ、適正な状態で複数の目標間の角度を測定するための前提となる。
【実施例1】
【0017】
図1は、光ビームの角度設定方法を説明するフロー図である。
図5と同様のシステムにおいて、レーザ発振器502から基準プリズム503を介して光ビームとしてレーザビームの角度を制御する場合を説明する。レーザ発振器502から中間プリズムユニット505のレーザ発振器502側のウェッジプリズム601aの面605aがその回転中心である軸606と交わる点を目標点とする。中間プリズムユニット505としての図6のケース608は、その第1の光電センサ604aと第3の光電センサ604cとを結ぶ線が垂直方向になり、第2の光電センサ604bと第4の光電センサ604dとを結ぶ線は水平方向に位置するように図示しない治具により推進管504a内に設置される。
基準プリズムユニット503は、制御部508の制御により、レーザ発振器502からのレーザビームを予め定めた順序に従ってその射出方向を変えて振らすように、駆動手段602a,602bを制御する。このとき、制御部508は中間プリズムユニット505である図6(a)の光電センサ604の検知出力を監視する。レーザビームの基準プリズムユニット503の基準線に対する振れφ1(図2参照)により、光電センサ604のいずれか1である第1の光電センサ604aにより検知されたとする(図1のステップP101)。
当該第1の光電センサ604aの位置(軸606からの距離)、透過窓609から目標点までの距離、推進管の長さLが既知であり、基準プリズムユニット503によるレーザビーの振れφ1はその角度検出手段(603a,603b)により得られる(振れ角φは空間にただ1つの方向として定まる。)。制御部508はこれらから基準プリズム503を原点とする目標点の位置及び中間プリズムユニット505の前記検知した第1の光電センサ604a以外の適当な例えば第2の光電センサ604bの位置を求める。さらに制御部508は、第2の光電センサ604bが基準線に対してなす角度φ2を求め、前記角度φ1から必要な回転を計算してφ1からφ2に振らす(図1のステップP2)。(図2参照。)
このとき、第1の光電センサ604aにより検知されたレーザビームが基準プリズムユニット503からの直接光である場合(図3(a))は、制御部508が計算したφ2の振りは正確に第2の光電センサ604bにより検知される。しかし、レーザビームが推進管の内面により反射されたものであるとき(図3(b))は、第2の光電センサ604において検知されるようにレーザビームを振ったとしても異なる方向に振れてしまい第2の光電センサ604bにより検知されることはない。制御部508は、基準プリズムユニット503の制御によって第2の光電センサ604bにより検知するか否かを監視し判定する(図1のステップP3)。
第2の光電センサ604aにより検知されないときはステップ3からステップ1に戻って新たな第1の光電センサを検知し、第2の光電センサ604aにより検知された場合は、制御部508はステップ2において計算した目標点の位置からその点にレーザビームを向けるように角度φ3を求め、前記角度φ2から必要な回転を計算してφ2からφ3に振らす(図1のステップP4)。
【0018】
上記説明では、レーザビーム発振器502からのレーザビームを基準プリズムユニット503により制御し、中間プリズムユニット505の光電センサ(604)により検知させている場合を説明したが、掘削初期に未だ中間プリズム505を設置するに到らずに先導体506の受光部507の光電センサ507aにおいてレーザビームを検知させる場合や、中間プリズムユニット505によりレーザビームを介して先導体506の受光部507の光電センサ507aにおいてレーザビームを検知させる場合あるいは、中間プリズムユニット505によりレーザビームを介して先導体の受光部の代わりに次の中間プリズムユニット(図示せず)の受光部の光電センサ(図示せず)においてレーザビームを検知させる場合においても同様に実施できるものである。
【実施例2】
【0019】
図7は、光ビームを振らせ目標に当てて反射させ、発光波の発光時と反射波の受光時との時間差から目標との距離を測定する際の角度設定を説明するフロー図、図8は構成図である。図8において、801は光波発生器を含む光波距離計、802は光ビームを振る光ビーム偏向手段としての光屈折器(例えば実施例1と同様にウェッジプリズムにより構成し、図示しない角度検出器を備える。)、803は例えばパーソナルコンピュータで構成し光波距離計801、光屈折器802を制御する制御部、804は目標としての掘進機、805はトンネル内面である。
光屈折器802の近傍に受光器802Rを設ける。
掘進機804の背面の所定箇所が距離測定のための目標点が設定されていて、その周囲に複数(たとえば3個)の反射板806a,806b,806cが配設されており、それらの相互間の距離は既知である(例えば1辺の長さが既知の正3角形の頂点上に配置する。)。反射板806は、例えばミラー4個を直角に配置し、入射したビーム光波を入射方向と同方向に反射する(図9)。
距離測定は、光波距離計801の光波発生器からの発光波を反射板により反射させ、これを光屈折器802にの近傍に設けた受光器802Rにより受光させる。そこで、光波発生器により光波の発射から受光器802Rによる受光までの時間を測定することにより、反射板までの距離を計算することができる。ここで、反射板806への発光波が直接入射すれば、正確に距離計算をすることができるが、トンネル内面805により反射したものが反射板806に入射した場合は正確な距離計算はできない。
【0020】
そこで、まず光屈折器802で光ビームを振りいずれかの反射板806(例えば反射板806a)に当てるように振る。この光ビームが振れ角Φ1(光屈折器802の入射光の方向を基準線としてその基準線から空間にただ1つの方向として定まる振れ角)でいずれかの反射板806により反射されもとの光路を辿って、受光器802Rにより検知される(図7のステップP701)。このとき、受光する光は発光時よりも広がっており、受光器802Rは受光できる程度の光屈折器802の近傍に設ける。また、入射光が掘進機804の反射板806a,806b,806c以外の部分における反射光、あるいは他の機材からの反射の場合は入射光の強さが弱いから所定以上の強さを受光器802Rが検知することにより反射板806a,806b,806cから反射と判断する。このとき、反射板への入射がトンネル内面805の反射を介して入射したか否か判別がつかないので、他の反射板に入射するようにさらに光ビームを振ることにする。このとき、最初の反射検出がいずれの反射板からの反射であるかは不知であるから、たとえば第1の反射板806aからの反射光の検知と仮定して、その仮定した第1の反射板806aの位置から例えば第2の反射板806bに入射するように光ビームを振らす。このとき、制御部803は、第1の反射板806aの位置と振れ角Φ1と第2の反射板806bの位置とから第2の反射板806bに入射して反射されるため前記角度Φ1にある状態からの振れ角Φ2を求め、この結果に従って光屈折器802を制御して振れ角Φ2を振る(図7のステップP702)。制御部803は、受光器802Rが反射光を検出するかを監視し、受光器802Rが所定の検知信号を出すと第2の反射板806bによる反射を検知したと判定する(図7のステップP703)。
前記振れ角Φ2によっても、受光器802Rが反射板からの反射を検知しないときは、最初の振れ角Φ1による検知がトンネル内面の反射または第1の反射板806aによる入射反射によるものでないと判定する(図7のステップP703)。このとき、ステップP703からステップP702に戻り、最初の振れ角Φ1による検知を第2の反射板806bからの反射によるものとして、再度同様にステップP702からステップP703を遂行する。このとき、振れ角Φ2については第2の反射板806bから第3の反射板806cに振らすために求める。この過程により、最初の検知が第2の反射板806bによる入射反射によるものでないと判定した場合は、再度ステップP702に戻り、最初の振れ角Φ1による検知を第3の反射板806cからの反射によるものとして、再度同様にステップP702からステップP703を遂行する。このようにして、適切な検知が得られない場合は、適切な検知が得られるまで反射板の全てについてステップP702からステップP703の過程を遂行する。全ての反射板について最初の振れ角Φ1による検知がされ、振れ角Φ2による検知がされない場合は、最初の振れ角Φ1による検知はトンネル内面805からの反射によるものとして、ステップP703からステップP701に戻る。
ステップP703において、最初の振れ角Φ1による検知がトンネル内面の反射または第1の反射板806aによる入射反射によるものでないと判定すると、制御部803はこの検知がトンネル内面805からの反射によらない直接の入射検出であるとして、第1の反射板806a、第2の反射板806bのいずれも適切な検知であるとする。従って、制御部803はステップP702において振れた角度Φ1、Φ2と予め知られた各反射板806a,806bの位置から目標点の位置を計算し、その目標点に光ビームを向けるように角度φ3を求め、前記角度φ2から必要な回転を計算してφ2からφ3に振らして(図7のステップP704)、光波距離計801の光波発生器から例えば第2の反射板806bに対して光パルスを発光し、距離測定を行うことができる。
【実施例3】
【0021】
図10は、光ビームを振らせ所定間隔の目標に当てて反射させ、所定箇所から各目標間を見る角度を測定する際の角度設定を説明するフロー図、図11は構成図である。図11において、1101は光波発生器、1102は光ビームを振る光ビームを振る光ビーム偏向手段としての光屈折器光屈折器(例えば実施例1と同様にウェッジプリズムにより構成し、図示しない角度検出器を備える。)、1103は例えばパーソナルコンピュータで構成し光波距離計1101、光屈折器1102を制御する制御部、1104は目標である掘削機、1105はトンネル内面である。
光屈折器1102の近傍に受光器1102Rを設ける。
掘削機1104に目標点が設定されていて、そこに複数(たとえば3個)の反射板1106a,1106b,1106cが配設されている(例えば直線上に配置する。)。反射板1106は、例えばミラー4個を直角に配置し、入射したビーム光波を入射方向と同方向に反射する(図9と同様)。
角度測定は、光波発生器1101からの発光波を第1の反射板により反射させ、これを光屈折器1102にの近傍に設けた受光器1102Rにより受光させ、そのときの振れ角Φ1を求め、光波発生器1101からの発光波を第2の反射板により反射させ、これを光屈折器1102にの近傍に設けた受光器1102Rにより受光させ、そのときの振れ角Φ2を求めて、Φ1とΦ2との関係から第1の反射板と、第2の反射板との間の角度を求める。ここで、反射板1106への発光波が直接入射すれば、正確に距離計算をすることができるが、トンネル内面1105により反射したものが反射板1106に入射した場合は正確な距離計算はできない。
【0022】
そこで、まず光屈折器1102で光ビームを振りいずれかの反射板1106(例えば反射板1106a)に当てるように振る。この光ビームが振れ角Φ1(光屈折器1102の入射光の方向を基準線としてその基準線から空間にただ1つの方向として定まる振れ角)でいずれかの反射板1106により反射されもとの光路を辿って、受光器1102Rにより検知される(図10のステップP1001)。このとき、受光する光は発光時よりも広がっており、受光器1102Rは受光できる程度の光屈折器1102の近傍に設ける。また、入射光が掘進機1104の反射板1106a,1106b,1106c以外の部分における反射光、あるいは他の機材からの反射の場合は入射光の強さが弱いから所定以上の強さを受光器1102Rが検知することにより反射板1106a,1106b,1106cから反射と判断する。このとき、反射板への入射がトンネル内面1105の反射を介して入射したか否か判別がつかないので、他の反射板に入射するようにさらに光ビームを振ることにする。このとき、最初の反射検出がいずれの反射板からの反射であるかは不知であるから、たとえば第1の反射板1106aからの反射光の検知と仮定して、その仮定した第1の反射板1106aの位置から例えば第2の反射板1106bに入射するように光ビームを振らす。このとき、制御部1103は、第1の反射板1106aの位置と振れ角Φ1と第2の反射板1106bの位置とから第2の反射板1106bに入射して反射されるため前記角度Φ1にある状態からの振れ角Φ2を求め、この結果に従って光屈折器1102を制御して振れ角Φ2を振る(図10のステップP1002)。制御部1103は、受光器1102Rが反射光を検出するかを監視し、受光器1102Rが所定の検知信号を出すと第2の反射板1106bによる反射を検知したと判定する(図10のステップP1003)。
前記振れ角Φ2によっても、受光器1102Rが反射板からの反射を検知しないときは、最初の振れ角Φ1による検知がトンネル内面の反射または第1の反射板1106aによる入射反射によるものでないと判定する(図10のステップP1003)。このとき、ステップP1003からステップP1002に戻り、最初の振れ角Φ1による検知を第2の反射板1106bからの反射によるものとして、再度同様にステップP1002からステップP1003を遂行する。このとき、振れ角Φ2については第2の反射板1106bから第3の反射板1106cに振らすために求める。この過程により、最初の検知が第2の反射板1106bによる入射反射によるものでないと判定した場合は、再度ステップP1002に戻り、最初の振れ角Φ1による検知を第3の反射板1106cからの反射によるものとして、再度同様にステップP1002からステップP1003を遂行する。このようにして、適切な検知が得られない場合は、適切な検知が得られるまで反射板の全てについてステップP1002からステップP1003の過程を遂行する。全ての反射板について最初の振れ角Φ1による検知がされ、振れ角Φ2による検知がされない場合は、最初の振れ角Φ1による検知はトンネル内面1105からの反射によるものとして、ステップP1003からステップP1001に戻る。
ステップP1003において、最初の振れ角Φ1による検知がトンネル内面の反射または第1の反射板1106aによる入射反射によるものでないと判定すると、制御部1103はこの検知がトンネル内面1105からの反射によらない直接の入射検出であるとして、第1の反射板1106a、第2の反射板1106bのいずれも適切な検知であるとする。従って、制御部1103はステップP1002において振れた角度Φ1、Φ2からこれらの位置関係(実施例2で説明した方法で第1の反射板1106a、第2の反射板1106b迄の距離を計測しておく)から屈折器1102から見た第1の反射板1106a、第2の反射板1106bとの間の角度を求めることができる(図10のステップP1004)。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】レーザビームの角度設定方法を説明するフロー図である。(実施例1)
【図2】基準プリズムユニットの座標と中間プリズムユニットの座標と光ビームの振れ角度を説明する図である。
【図3】光ビームの反射を説明する図である。
【図4】地下管路工法を説明する図である。
【図5】光路の曲がり測定をするためのシステムを説明する図である。
【図6】プリズムユニットの構成を説明する図である。
【図7】光ビームの角度設定方法を説明するフロー図である。(実施例2)
【図8】光ビームの角度設定方法を説明する構成図である。(実施例2)
【図9】反射板の光の入射反射を説明する図である。
【図10】光ビームの角度設定方法を説明するフロー図である。(実施例3)
【図11】光ビームの角度設定方法を説明する構成図である。(実施例3)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ビームをプリズムに入射し射出方向を当該プリズムにより振らせ、所定の角度に向ける光ビームの角度設定方法であって、目標箇所の周囲に所定距離で設けられた複数の光電センサを備え、振られた光ビームにより前記複数の光電センサのいずれか1である第1の光電センサにより検知させる第1の過程と、
第1の過程において光検知した第1の光電センサの位置と、前記光検知のためのプリズムの基準軸に対する光ビームの振れ角度φ1とに基づいて第2の光電センサに向けてプリズムの基準軸に対して角度φ2だけ光ビームを振らす第2の過程と、
第2の過程で振らした光ビームにより第2の光電センサで検知するか否かを判定する第3の過程からなることを特徴とする光ビームの角度設定方法。
【請求項2】
光ビームをプリズムに入射し射出方向を当該プリズムにより振らせ、所定の角度に向ける光ビームの角度設定方法であって、目標箇所の周囲に所定距離で設けられた複数の光電センサを備え、振られた光ビームにより前記複数の光電センサのいずれか1である第1の光電センサにより検知させる第1の過程と、
第1の過程において光検知した第1の光電センサの位置と、前記光検知のためのプリズムの基準軸に対する光ビームの振れ角度φ1とに基づいて第2の光電センサに向けてプリズムの基準軸に対して角度φ2だけ光ビームを振らす第2の過程と、
第2の過程で振らした光ビームにより第2の光電センサで検知するか否かを判定する第3の過程と、
第3過程において第2の光電センサで検知したとき、目標箇所に向けてプリズムの基準軸に対して目標箇所がなす角度φ3だけ光ビームを振らす第4の過程とからなることを特徴とする光ビームの角度設定方法。
【請求項3】
光ビームをプリズムに入射し射出方向を当該プリズムにより振らせ、所定の角度に向ける光ビームの角度設定方法であって、目標箇所の周囲に所定距離で設けられた複数の光電センサを備え、振られた光ビームにより前記複数の光電センサのいずれか1である第1の光電センサにより検知させる第1の過程と、
第1の過程において光検知した第1の光電センサの位置と、前記光検知のためのプリズムの基準軸に対する光ビームの振れ角度φ1とに基づいて第2の光電センサに向けてプリズムの基準軸に対して角度φ2だけ光ビームを振らす第2の過程と、
第2の過程で振らした光ビームにより第2の光電センサで検知するか否かを判定する第3の過程と、
第3過程において第2の光電センサで検知したとき、目標箇所に向けてプリズムの基準軸に対して目標箇所がなす角度φ3だけ光ビームを振らし、第2の光電センサで検知されないとき、新たな第1の光電センサにより検知させる第1の過程に戻る第4の過程とからなることを特徴とする光ビームの角度設定方法。
【請求項4】
光ビームを振らせ目標に当てて反射させ、発光波の発光時と反射波の受光時との時間差から目標との距離を測定する際の角度設定方法において、目標箇所に所定の距離で設けられた複数の反射板を備え、振られた光ビームの反射板による反射光を光ビームの発光手段の位置に設けられた受光器により検知する第1の過程と、
第1の過程において光ビームを検知した第1の反射板の前記複数反射板との相対位置と、前記光ビーム検知のための光ビーム偏向手段の基準軸に対する光ビームの振れ角度Φ1とに基づいて第2の反射板に向けて光ビーム偏向手段に対して角度Φ2だけ光ビームを振らす第2の過程と、
第2の過程で振らした光ビームにより第2の反射板で検知するか否かを判定する第3の過程からなることを特徴とする光ビームの角度設定方法。
【請求項5】
光ビームを振らせ目標に当てて反射させ、反射波の有無から目標の角度を測定する際の角度設定方法において、目標箇所に所定の距離で設けられた複数の反射板を備え、振られた光ビームの反射板による反射光を光ビームの発光手段の位置に設けられた受光器により検知する第1の過程と、
第1の過程において反射光を検知したときの第1の反射板に向けた前記光ビームの角度と、前記光ビーム検知のための光ビーム偏向手段の基準軸に対する光ビームの振れ角度Φ1とに基づいて第2の反射板に向けて光ビーム偏向手段に対して角度Φ2だけ光ビームを振らす第2の過程と、第2の過程で振らした光ビームにより第2の反射板で検知するか否かを判定する第3の過程からなることを特徴とする光ビームの角度設定方法。
【請求項1】
光ビームをプリズムに入射し射出方向を当該プリズムにより振らせ、所定の角度に向ける光ビームの角度設定方法であって、目標箇所の周囲に所定距離で設けられた複数の光電センサを備え、振られた光ビームにより前記複数の光電センサのいずれか1である第1の光電センサにより検知させる第1の過程と、
第1の過程において光検知した第1の光電センサの位置と、前記光検知のためのプリズムの基準軸に対する光ビームの振れ角度φ1とに基づいて第2の光電センサに向けてプリズムの基準軸に対して角度φ2だけ光ビームを振らす第2の過程と、
第2の過程で振らした光ビームにより第2の光電センサで検知するか否かを判定する第3の過程からなることを特徴とする光ビームの角度設定方法。
【請求項2】
光ビームをプリズムに入射し射出方向を当該プリズムにより振らせ、所定の角度に向ける光ビームの角度設定方法であって、目標箇所の周囲に所定距離で設けられた複数の光電センサを備え、振られた光ビームにより前記複数の光電センサのいずれか1である第1の光電センサにより検知させる第1の過程と、
第1の過程において光検知した第1の光電センサの位置と、前記光検知のためのプリズムの基準軸に対する光ビームの振れ角度φ1とに基づいて第2の光電センサに向けてプリズムの基準軸に対して角度φ2だけ光ビームを振らす第2の過程と、
第2の過程で振らした光ビームにより第2の光電センサで検知するか否かを判定する第3の過程と、
第3過程において第2の光電センサで検知したとき、目標箇所に向けてプリズムの基準軸に対して目標箇所がなす角度φ3だけ光ビームを振らす第4の過程とからなることを特徴とする光ビームの角度設定方法。
【請求項3】
光ビームをプリズムに入射し射出方向を当該プリズムにより振らせ、所定の角度に向ける光ビームの角度設定方法であって、目標箇所の周囲に所定距離で設けられた複数の光電センサを備え、振られた光ビームにより前記複数の光電センサのいずれか1である第1の光電センサにより検知させる第1の過程と、
第1の過程において光検知した第1の光電センサの位置と、前記光検知のためのプリズムの基準軸に対する光ビームの振れ角度φ1とに基づいて第2の光電センサに向けてプリズムの基準軸に対して角度φ2だけ光ビームを振らす第2の過程と、
第2の過程で振らした光ビームにより第2の光電センサで検知するか否かを判定する第3の過程と、
第3過程において第2の光電センサで検知したとき、目標箇所に向けてプリズムの基準軸に対して目標箇所がなす角度φ3だけ光ビームを振らし、第2の光電センサで検知されないとき、新たな第1の光電センサにより検知させる第1の過程に戻る第4の過程とからなることを特徴とする光ビームの角度設定方法。
【請求項4】
光ビームを振らせ目標に当てて反射させ、発光波の発光時と反射波の受光時との時間差から目標との距離を測定する際の角度設定方法において、目標箇所に所定の距離で設けられた複数の反射板を備え、振られた光ビームの反射板による反射光を光ビームの発光手段の位置に設けられた受光器により検知する第1の過程と、
第1の過程において光ビームを検知した第1の反射板の前記複数反射板との相対位置と、前記光ビーム検知のための光ビーム偏向手段の基準軸に対する光ビームの振れ角度Φ1とに基づいて第2の反射板に向けて光ビーム偏向手段に対して角度Φ2だけ光ビームを振らす第2の過程と、
第2の過程で振らした光ビームにより第2の反射板で検知するか否かを判定する第3の過程からなることを特徴とする光ビームの角度設定方法。
【請求項5】
光ビームを振らせ目標に当てて反射させ、反射波の有無から目標の角度を測定する際の角度設定方法において、目標箇所に所定の距離で設けられた複数の反射板を備え、振られた光ビームの反射板による反射光を光ビームの発光手段の位置に設けられた受光器により検知する第1の過程と、
第1の過程において反射光を検知したときの第1の反射板に向けた前記光ビームの角度と、前記光ビーム検知のための光ビーム偏向手段の基準軸に対する光ビームの振れ角度Φ1とに基づいて第2の反射板に向けて光ビーム偏向手段に対して角度Φ2だけ光ビームを振らす第2の過程と、第2の過程で振らした光ビームにより第2の反射板で検知するか否かを判定する第3の過程からなることを特徴とする光ビームの角度設定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−256997(P2008−256997A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−100042(P2007−100042)
【出願日】平成19年4月6日(2007.4.6)
【出願人】(000100942)アイレック技建株式会社 (45)
【出願人】(595158762)株式会社アトム技研 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月6日(2007.4.6)
【出願人】(000100942)アイレック技建株式会社 (45)
【出願人】(595158762)株式会社アトム技研 (8)
【Fターム(参考)】
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