説明

光ピックアップ用対物レンズ、並びに、その製造方法及び成形金型

【課題】傷や変形の発生を防止しやすく光学面を高精度にできる光ピックアップ用対物レンズを提供する。
【解決手段】第1外周面LPaに残る突起部21が突き当て跡PSを有しており外縁側に対して中央側で突起しているので、成形に際して可動金型から成形品たる対物レンズOLを離型させる際に、突き当て跡PSに対応する突き出しピンの先端部により対物レンズOLが比較的安定して支持された状態となる。よって、対物レンズOLの位置ずれを防止でき、光学面LSa,LSbや端面部EPに傷や変形が形成されて光学性能や平坦度の精度が劣化することを防止できる。さらに、突き当て跡PSが中央側で突起しているので、突起部21の外縁側に形成される成形バリを突起部21の上端よりも低くできる。よって、成形バリが搬送時や使用時に周囲と接触してゴミ等の原因となることを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ピックアップ用対物レンズ、並びに、その製造方法及び成形金型に関し、特に、光源からの光束を光情報記録媒体に集光し、若しくは光情報記録媒体からの光束を検出するための光ピックアップ用対物レンズ等に関する。
【背景技術】
【0002】
光ピックアップ用対物レンズの製造方法として、第1の金型部を第2の金型部から離間させる型開きの後に、第1の金型部に設けた複数の突き出し部である複数のピンを突出させて、第1の金型部に残った成形品の光学機能面の外周に形成されたフランジ部を第2の金型側に押すことにより、第1の金型から成形品を離型させるものが存在する(例えば特許文献1参照)。
【0003】
上記製造方法において、例えばピンの突き出し跡及び周辺の部位を周囲のフランジ面よりも凹ませることにより(特許文献1の図6参照)、突き出し跡に形成されるバリによってワーキングディスタンスが増大することを防止でき、突き出し跡の周辺形状が変形することの影響を防止できる。また、ピンの突き出し跡のみを周囲のフランジ面よりも凹ませることによっても(特許文献1の図7参照)、突き出し跡に形成されるバリによってワーキングディスタンスが増大することを防止できる。
【特許文献1】特開2007−196665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記製造方法では、第2の金型の内面からピンを突き出す際に、レンズの位置ずれが生じやすく、或いはレンズの突き出し跡の周辺で望ましくない変形の虞がある。
【0005】
すなわち、上記のようにピンの突き出し跡及びその周辺部位を周囲よりも凹ませる場合、突き出し跡が突起してピンによるレンズの保持が行われないので、レンズを含む成形品の取り出し時に位置ずれが生じる。これにより、成形品を成形機から取り出して次工程に運ぶ搬送等に際してレンズの光学面に傷を発生させてしまう場合があった。また、成形品の取り出しに際して成形品ひいてはレンズが変形しその光学性能を劣化させる場合があった。
【0006】
一方、上記のようにピンの突き出し跡のみを周囲のフランジ面よりも凹ませる場合、突き出し跡が凹んでピンによるレンズの保持が行われるが、ピンからレンズを外す際に突き出し跡の周囲が変形し易くなる。このように突き出し跡の周囲が変形すると、レンズの光学面の変形につながり、レンズ外周のフランジに基準面や光ピックアップに組み込む際の調整に使用する鏡面が設けられている場合、それらの平坦度等の精度が劣化する可能性がある。
【0007】
なお、光ピックアップ用の対物レンズについては、NA0.6以上、特にNA0.75〜0.95の高NAレンズの場合、金型間の芯ずれによるコマ収差の発生量が大きくなるため、離型に際して、光学面を転写するコア金型を動作させて対物レンズを突き出すことよりも、ピンによって対物レンズを突き出すことが望ましい。しかしながら、ピンによって対物レンズを突き出す場合、対物レンズの位置ずれや、突き出し跡の周辺での変形が問題となり、特に曲率が大きく肉厚が大きなNA0.75〜0.95の高NAレンズでは、離型の際に対物レンズの位置ずれを最小限に抑えて傷等の発生を防止し、突き出し跡の周辺の変形を防止して光学面を保護する必要性が高まる。
【0008】
そこで、本発明は、傷や変形の発生を防止しやすく光学面を高精度にできる光ピックアップ用対物レンズを提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、上記のような光ピックアップ用対物レンズのための製造方法及び成形金型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明に係る光ピックアップ用対物レンズは、(a)光情報記録媒体側に配置される第1光学面と、(b)光情報記録媒体側であって第1光学面よりも外周側に設けられ、外縁側に対して中央側で突起した突起部の少なくとも一部を突き当て跡として有する第1外周面と、(c)光源側に配置される第2光学面と、(c)光源側であって第2光学面よりも外周側に設けられる第2外周面と、を備える。なお、以上の突起部に関して外縁側とは、光軸に平行な方向に沿って突起部を見た場合の輪郭やこの輪郭に近い内側部分を意味する。また、突き当て跡は、通常、突起部の先端側又は全体として形成される。
【0011】
上記対物レンズによれば、光情報記録媒体側の第1外周面に残る突き当て跡を少なくとも一部に有する突起部が外縁側に対して中央側で突起しているので、成形に際して光情報記録媒体側に配置される光学面を転写するための第1の金型から成形品たる対物レンズを離型させる際に、突き当て跡に対応する突き出しピンの先端部によって対物レンズが比較的安定して支持された状態となる。よって、対物レンズの位置ずれを防止でき、光学面に傷や変形が形成されて光学性能が劣化する可能性を低減できる。なお、突き当て跡を少なくとも一部に有する突起部が中央側で突起しているので、外縁側に形成される成形時のバリを突起部よりも低くできる。よって、成形時のバリが搬送時に周囲と接触してゴミ等の原因となることを防止でき、かかるバリが第1外周面よりも低くなるようにバリ逃げ構造を設ける必要がなくなる。
【0012】
本発明の具体的な態様又は観点では、上記対物レンズにおいて、第1外周面が、突き当て跡を複数有する。この場合、複数の突き当て跡に形成された突起部を利用して、対物レンズを確実に支持することができる。
【0013】
本発明の別の態様では、複数の突き当て跡が、光軸のまわりに等角度間隔で形成されている。この場合、光軸のまわりに等角度間隔で形成された突起部を利用して、対物レンズをバランス良く安定して支持することができる。
【0014】
本発明のさらに別の態様では、突き当て跡の外縁端が、第1外周面の周囲の平坦面よりも突起して設けられている。ここで、突き当て跡の外縁端とは、突き出しピンの先端部の外周によって形成される環状の部分を意味するものとする。この場合、突き当て跡に対応する突き出しピンの先端部が対物レンズの第1外周面に食い込んだ状態となることを確実に防止できるので、対物レンズを突き出しピンから外す際に、対物レンズの第1外周面が変形することを防止できる。なお、第1外周面には、第1光学面のアライメントの基準となる平坦な基準面が形成される場合が多いが、突き当て跡の外縁端が第1外周面の周囲の平坦面よりも突起して設けられている場合、このような基準面の変形を防止することができる。
【0015】
本発明のさらに別の態様では、突き当て跡の外縁端が、第1外周面の周囲の平坦面と同じ高さ位置に設けられている。この場合、突き当て跡に対応する突き出しピンの先端部が対物レンズの第1外周面に食い込んだ状態となることを防止できるので、対物レンズを突き出しピンから外す際に、対物レンズの第1外周面が変形することを防止できる。
【0016】
本発明のさらに別の態様では、突き当て跡の外周部が、突き当て跡の中央部に向けて突起量が増加する傾斜面に形成されている。この場合、突き出しピンの先端部と突き当て跡の突起部とが比較的抜けやすい状態で嵌合するので、対物レンズを突き出しピンから外す作業が簡易なものとなる。
【0017】
本発明のさらに別の態様では、突き当て跡の中央部が、光軸に略垂直な平坦面に形成されている。この場合、対物レンズの保管等に際して突き当て跡の突起部をゴミの出にくい支持脚として利用することができる。
【0018】
本発明のさらに別の態様では、突き当て跡が、截頭円錐形状に形成されている。この場合、突き出しピンの加工が比較的容易である。
【0019】
本発明のさらに別の態様では、突き当て跡が、中央部に向けて突起する円錐状に形成されている。この場合、突き出しピンの加工が容易である。
【0020】
本発明のさらに別の態様では、対物レンズの(像側)開口数NAがNA0.75以上である。この場合、光ピックアップ用の対物レンズは、高NAでありながら、傷や変形の発生を抑えて製造、搬送、及び保管を行うことができるものとなっている。よって、かかる対物レンズをBD(Blu-Ray Disc)の読み取りや書き込みを行うことができる光ピックアップ装置に組み込んだ場合、高精度な読み取り又は書き込みが可能になる。
【0021】
本発明に係る光ピックアップ用対物レンズの製造方法は、(a)第1金型と第2金型とを型閉じした状態でレンズを成形する第1工程と、(b)第1金型と第2金型とを離間することにより、第2金型からレンズを離型する第2工程と、(c)第1金型側に設けた突き出しピンを用いて第1金型からレンズを離型する第3工程と、を備える光ピックアップ用対物レンズの製造方法であって、(d)第1金型が、レンズの光情報記録媒体側に配置される第1光学面を転写するための第1転写面と、第1光学面よりも外周側に設けられる第1外周面を転写する第2転写面と、第2転写面に設けた開口を介して第2転写面の正面方向に進退可能な離型用の突き出しピンと、を有し、(e)突き出しピンが、外縁側に対して中央側で窪んだ凹部を有することを特徴とする。
【0022】
上記製造方法によれば、突き出しピンが外縁側に対して中央側で窪んだ凹部を有するので、第1外周面に残る突き当て跡を少なくとも一部に有する突起部が外縁側に対して中央側で突起することになる。したがって、成形に際して光情報記録媒体側に配置される光学面を転写するため第1の金型から成形品たる対物レンズを離型させる際に、突き当て跡に対応する突き出しピンの先端部によって対物レンズが比較的安定して支持された状態となる。よって、対物レンズの位置ずれを防止でき、光学面に傷や変形が形成されて光学性能が劣化する可能性を低減できる。なお、突き当て跡を少なくとも一部に有する突起部が中央側で突起しているので、外縁側に形成される成形時のバリを突起部上端よりも低くできる。よって、成形時のバリが搬送時や光ディスク等の光情報記録媒体の読み出し又は書き組み時に周囲と接触してゴミ等の原因となることを防止でき、かかるバリが第1外周面よりも低くなるようにバリ逃げ構造を設ける必要がなくなる。
【0023】
本発明に係る光ピックアップ用対物レンズの成形金型は、(a)レンズの光情報記録媒体側に配置される第1光学面を転写するための第1転写面と、第1光学面よりも外周側に設けられる第1外周面を転写する第2転写面と、第2転写面に設けた開口を介して第2転写面の正面方向に進退可能な離型用の突き出しピンと、を有する第1金型と、(b)レンズの光源側に設けられる第2光学面と第2光学面よりも外周側に設けられる第2外周面とを転写する第3転写面と、を備え、(c)突き出しピンが、外縁側に対して中央側で窪んだ凹部を有することを特徴とする。
【0024】
上記成形金型によれば、突き出しピンが外縁側に対して中央側で窪んだ凹部を有するので、第1外周面に残る突き当て跡を少なくとも一部に有する突起部が外縁側に対して中央側で突起することになる。したがって、成形に際して光情報記録媒体側に配置される光学面を転写するための第1の金型から成形品たる対物レンズを離型させる際に、突き当て跡に対応する突き出しピンの先端部によって対物レンズが比較的安定して支持された状態となり、対物レンズの位置ずれを防止でき、光学面或いは光ピックアップに組み込む際の調整に使用する鏡面部に傷や変形が形成されて光学性能や平坦度の精度が劣化することを低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態である光ピックアップ用対物レンズ及びその製造方法等について、図面を参照しつつ説明する。
【0026】
図1(A)及び1(B)は、光ピックアップ用対物レンズの裏面図及び表面図であり、図2は、光ピックアップ用対物レンズの側面図であり、図3は、光ピックアップ用対物レンズのCC断面図である。
【0027】
図示の対物レンズOLは、プラスチック製で、光学的機能を有する円形の中心部OLaと、中心部OLaの周囲から外径方向に延びる環状のフランジ部OLbとを備える。この対物レンズOLは、例えばNA0.85のBD(Blu-Ray Disc)用の対物レンズであり、BDの各種規格を満たすものとなっている。
【0028】
対物レンズOLの中心部OLaは、裏側に僅かに凸の第1光学面LSaを有し、表側に曲率の大きな凸の第2光学面LSbを有する。このうち、第1光学面LSaは、対物レンズOLを光ピックアップ装置に組み込んで動作させる際に光情報記録媒体であるBDに対向して配置される。また、第2光学面LSbは、対物レンズOLを光ピックアップ装置に組み込んで動作させる際に読み取り又は書き込み用のレーザ光源により近い側に配置される。なお、BDに対向すべき第1光学面LSaの光軸OAから離れる外側には、後述する第1外周面LPaとの境界部分として、輪帯状の端面部EPが形成されている。この端面部EPは、例えばコリメート光を正反射する平坦面からなる領域であり、対物レンズOLをアライメントする際に利用される。
【0029】
対物レンズOLのフランジ部OLbは、裏側の環状の第1外周面LPaと、表側の環状の第2外周面LPbと、円筒状の側面SSとを有する。
【0030】
裏側の第1外周面LPaは、略平坦であるが、その周方向に沿って等角度間隔で配置された4つの突起部21を有する。これらの突起部21は、後に詳述するが、成形時に突き出しピンやピン挿通孔(後に詳述)の形状が転写されることによって形成される部分である。
【0031】
具体的な形状について説明すると、4つの突起部21は、第1外周面LPaにおいて周囲に広がる平坦面F1から光軸OA方向に突起する部分として設けられている。各突起部21は、回転対称な形状を有しており、円柱形状の台座部21aと、截頭円錐形状の嵌合部21bとを備える。前者の台座部21aは、上記ピン挿通孔によって形成され、周囲の平坦面F1に対して垂直な円筒側面を有し、後者の嵌合部21bは、上記突き出しピンによって形成される突き当て跡PSに相当し、周辺側よりも中央側で突起している。すなわち、嵌合部21bは、平坦面F1に対して傾斜した円錐側面を周辺側に有するとともに、平坦面F1や端面部EPに対して平行で平坦な頂面F3を中央側に有する。各頂面F3は、光軸OAに垂直な同一平面内に配置されており、周囲の平坦面F1を基準として、光軸OA方向に関して第1光学面LSaよりも高い位置にある。この結果、4つの突起部21は、第1光学面LSaを囲んでBD側に最も突起して配置されることになり、BDに対する対物レンズOLのプロテクタとして機能する。また、各突起部21は、対物レンズOLの外周に沿って均等に配置され支持脚として機能するので、対物レンズOLを例えば平坦な載置台上に置いた場合であっても、第1光学面LSaに傷等が発生することを簡易に防止できる。しかも、複数の対物レンズOLをトレイ上に並べて保管・搬送する場合において、支持脚としての突起部21の上端が平坦な頂面F3となっているので、突起部21の先端が削れてゴミが発生する可能性を低減できる。さらに、突起部21のうち嵌合部21bすなわち突き当て跡PSは、成形時に突き出しピンの先端部と嵌合するので、離型後の対物レンズOLについて落下等を含む位置ずれを防止する役割を果たす。
【0032】
フランジ部OLbにおいて、表側の第2外周面LPbは、輪帯状の平面である取付面F2を備えている。この取付面F2は、対物レンズOLを光ピックアップ装置に組み込む際に、取付用の接合面として利用される。つまり、対物レンズOLは、取付面F2を接着剤を介してレンズホルダ等の座面に接着することによって固定される。なお、取付面F2の内側には、第2光学面LSbとの境界として環状の凹部17aが形成されており、取付面F2の外側には、側面SSとの境界として環状の段差部17b等が形成されている。
【0033】
なお、上記のようにフランジ部OLbに複数の突起部21を設ける場合、フランジ部OLbの一部に窪みを形成する場合に比較して、フランジ部OLbの剛性を高めることができ、対物レンズOLを成型するための成型金型のキャビティ(後述)内での樹脂の流動性を高めることができる。
【0034】
図4は、本製造方法を実施するための成形装置を説明する図であり、図5(A)は、図1の成形装置を構成する成形金型40のうち第1金型としての可動金型41をA方向から見た端面図であり、図5(B)は、成形金型40のうち第2金型としての固定金型42をB方向から見た端面図である。
【0035】
成形金型40を構成する可動金型41と固定金型42とは、パーティングラインPLを境として開閉可能になっている。図4に示す型閉じ状態の両金型41,42に挟まれて形成された空間であるキャビティCVは、成形品としての対物レンズOLの形状に対応するものとなっている。
【0036】
可動金型41は、成形金型を構成する第1金型に相当するものであり、可動側のコア型としての鏡面コア52と、可動側のコア型を支持し、かつ一体に固定することを可能とした構造を有する外周型51と、成形品としての対物レンズOLを突き出すことによって可動金型41から離型する複数の突き出しピン54と、これら突き出しピン54を外周型51から固定金型42に向けて進退移動させる進退駆動装置71とを備える。
【0037】
可動金型41において、外周型51は、パーティングラインPLを形成する端面51cを有する。また、外周型51の中心側には、キャビティCVのうちフランジ領域CVbを画定するための第2転写面51aが設けられている。第2転写面51aは、対物レンズOLのフランジ部OLbの裏側の第1外周面LPaを転写によって成形する。なお、本実施形態では、この第2転写面51aによって、フランジ部OLbの側面SSも併せて成形される。外周型51に設けた円柱状の空洞であるコア挿通孔56の周辺部には、対物レンズOLの突起部21又は突き当て跡PSに対応してピン挿通孔55が軸AX(対物レンズOLの光軸OAに平行)のまわりに等角度間隔で4つ形成されている。これらのピン挿通孔55は、鏡面コア52の軸AXに平行な方向に延びており、突き出しピン54を軸AXに平行な方向に摺動可能に案内する。コア挿通孔56内に挿入された状態で固定されている鏡面コア52の先端側には、キャビティCVのうち中心領域CVaを画定するための第1転写面52aが設けられている。この第1転写面52aは、僅かに凹面に形成されており、対物レンズOLの中心部OLaの第1光学面LSaと、この外周側に付随する端面部EPとを転写によって成形する。なお、鏡面コア52は、不図示のネジ等によって外周型51の根元側において直接的に支持・固定されており、第1転写面52aと第2転写面51aとの位置関係が精密に保たれるようになっている。
【0038】
4つの突き出しピン54は、根元側でエジェクタプレートに固定されており、エジェクタプレートを介して進退駆動装置71に駆動されてピン挿通孔55内で軸AX1に沿って移動可能になっている。これにより、各突き出しピン54は、成形金型40の型開き後に可動金型41から対物レンズOLを離型する際に固定金型42側に前進し、かかる離型後から型閉じまでの間の適当なタイミングで可動金型41の奥側に後退する。具体的には、進退駆動装置71によってエジェクタプレートを介して突き出しピン54を先端側の前進方向に付勢することにより、突き出しピン54が動作位置に移動して、その先端部54aがピン挿通孔55の開口端55aすなわち外周型51の第2転写面51aから必要量だけ突起するので、対物レンズOLを固定金型42側に押し出すことができ、成形後の対物レンズOLを可動金型41から離型することができる。なお、進退駆動装置71によるエジェクタプレートや突き出しピン54に対する前進方向への付勢を停止すると、エジェクタプレートに設けた不図示の戻しバネ等によって突き出しピン54が退避位置に移動して、その先端部54aがピン挿通孔55の奥まで後退し、突き出しピン54が外周型51内に収納される。
【0039】
外周型51のピン挿通孔55に挿入されている各突き出しピン54の先端部54aは、外縁側に対して中央側で窪むように加工されたすり鉢状の凹部31となっている。つまり、凹部31は、軸AX1及びその周辺にあって軸AX1に対して垂直な底面31aと、軸AX1から所定以上離れて内向きに一様に傾斜した円錐側面31bとを有する。なお、4つの突き出しピン54の先端部54aは、いずれも同じ形状を有しており、これら突き出しピン54の可動金型41における退避位置のアライメントにより、対物レンズOLのフランジ部OLbに設けられる4つの突起部21を全て同一形状とすることができる。
【0040】
なお、図示の例では、突き出しピン54の先端部54aが可動金型41の外周型51の内面位置よりも後退した位置に配置されている。つまり、突き出しピン54は、外周型51に形成されたピン挿通孔55の開口端55aの位置よりも距離dだけ後退した位置に配置されている。このように、突き出しピン54を開口端55aの位置よりも後退させることにより、対物レンズOLのフランジ部OLbの裏側に形成される複数の突起部21の高さをそれぞれ簡易に高くすることができる。この際、突き出しピン54の凹部31に対応して突起部21に嵌合部21bが形成されるので、突き出しピン54による可動金型41からの離型時に突き出しピン54と突起部21との嵌合が確保され、対物レンズOLの落下等を含む位置ずれを防止することができる。しかも、嵌合部21bが円筒ではなく先細りの円錐側面を有するので、突き出しピン54の凹部31からの分離が容易になり、対物レンズOLの取り出し工程の初期段階の作業性を高めることができる。さらに、突起部21に嵌合部21bが形成されることにより、後に詳述するが、台座部21aの上端外周(外縁端)に不可避的に形成される成形バリを頂面F3よりも低い位置とすることができ、成形バリが対物レンズOLの組み付け等に悪影響を及ぼすことを防止できる。つまり、嵌合部21bが、バリ逃げ構造としても機能するので、外周型51等を加工してバリ逃げ構造を特別に形成する必要がなくなる。さらに、突起部21は、対物レンズOLのBDに対するプロテクタを取り付ける際の簡易な支持部としても機能し得る。
【0041】
なお、突き出しピン54は、軸AX1全体に沿って一様な断面形状を有する必要は無く、例えば先端部54aで細く根元側で太くすることもできる。つまり、突き出しピン54の根元側に適宜直径を増加させる段差等を設けることができる。
【0042】
以上の可動金型41は、型開閉駆動装置72によって、適当なタイミングで固定金型42に対して進退移動する。具体的には、型開閉駆動装置72は、型閉じ時に可動金型41を軸AX方向に沿って固定金型42に近接するように移動させ、両金型41,42を互いに密着させてキャビティCVを形成する。さらに、型開閉駆動装置72は、キャビティCV中に樹脂を注入する際に可動金型41を必要な圧力で固定金型42に付勢して型締めを行う。一方、型開閉駆動装置72は、型開き時に可動金型41を軸AX方向に沿って固定金型42から離間するように移動させ、固定金型42から成形品たる対物レンズOLを分離する離型や型開きを行う。
【0043】
固定金型42は、成形金型を構成する第2金型に相当するものであり、固定側のコア型としての鏡面コア62と、固定側のコア型を支持し、かつ一体に固定することを可能とした構造を有する外周型61とを備える。
【0044】
外周型61は、パーティングラインPLを形成する端面61cを有する。また、外周型61の中心側すなわち端面61cの最内周には、キャビティCVのうちフランジ領域CVbの最外周を画定するための転写面61aが設けられている。コア挿通孔66内に挿入された状態で固定されている鏡面コア62の先端側には、キャビティCVのうち中心領域CVaとフランジ領域CVbの主要部とを画定するための転写面62aが設けられている。つまり、この転写面62aは、中心領域CVaの第1光学面LSaに対応する光学面転写面S2と、フランジ部OLbの第2外周面LPbのうち取付面F2に対応する転写面S3と、中心領域CVa及びフランジ部OLbの境界に形成された凹部17aに対応する転写面S4と、フランジ部OLbの外縁に形成された段差部17bに対応する転写面S5とで構成される。ここで、光学面転写面S2は、曲率の大きな凹面であり、この光学面転写面S2によって転写される第2光学面LSbは、その動作時に読み取り又は書き込み用のレーザ光源側に配置される。外周型61に設けた転写面61aと鏡面コア62に設けた転写面62aとは、協働して、第2光学面及び第2外周面を転写するための第3転写面を構成する。なお、鏡面コア62は、不図示のネジ等によって外周型61の根元側において直接的に支持・固定されており、一対の転写面61a,62aの位置関係が精密に保たれるようになっている。
【0045】
図6(A)は、図1(A)等に示すフランジ部OLbに形成される突き当て跡PSすなわち突起部21の形状を説明する拡大断面図である。突起部21のうち台座部21aは、ピン挿通孔55の内壁面によって形成され、嵌合部21bは、突き出しピン54の先端部54aの凹部31によって形成される。つまり、突起部21の嵌合部21bは、突き出しピン54の先端部54aを転写した突き当て跡PSそのものとなっており、嵌合部21bの中央部21eは、凹部31の底面31aに対応して平坦な円状の表面を有し、嵌合部21bの外周部21fは、凹部31の円錐側面31bに対応して先細りすなわち軸AX1方向に向けて突起量が増加する円錐側面状の表面を有する。ここで、突き出しピン54とピン挿通孔55との間には、摺動を確保するため、適当な厚みの隙間Gが形成されている。成形時には、この隙間Gに開口端55aから樹脂が不可避的に流れ込むことになるので、成形品である対物レンズOLの突起部21において、台座部21aの上端外周すなわち外縁端21xには、成形バリ21dが不可避的に形成される。しかしながら、外縁端21xの位置が嵌合部21bの厚み分だけ本体側に後退していることから、外縁端21xから延びる成形バリ21dの先端は、嵌合部21bの高さh1の調整により突起部21の頂面F3よりも低い位置とすることができる。よって、成形バリ21dが突起部21の周囲に近接して低く形成された状態となるので、対物レンズOLの搬送・保管時に載置状態に影響を及ぼすことを防止でき、或いは情報の記録又は再生時にBDの表面と干渉することを回避でき、成形バリ21dの意図しない剥離によってゴミが発生することを防止できる。また、平坦面F1を基準とする突起部21の高さHは、突き出しピン54の開口端55aからの後退量に相当する距離dと、突き出しピン54の先端部54aに形成された凹部31に対応して形成された嵌合部21bの高さh1との和d+h1となっている。ここで、距離dは、台座部21aの高さに対応し、周囲の平坦面F1から突起部21の外縁端21xまでの高さ又は軸AX1方向の距離となっている。各突起部21の高さHが、平坦面F1を基準とする第1光学面LSaの突起量h0よりも大きければ、各突起部21は、第1光学面LSaの頂点よりも突起することになる。この場合、突起部21は、BDに対する対物レンズOLのプロテクタとして機能する。なお、各突起部21の高さHを第1光学面LSaの突起量h0よりも大きくすれば、4つの突起部21が対物レンズOLの支持脚又は支持部材となるので、対物レンズOLを例えば平坦な載置台上に置いた場合であっても、第1光学面LSaに傷等が発生することを簡易に防止できる。
【0046】
図6(B)は、図6(A)等に示す突起部21の機能を説明する拡大断面図である。対物レンズOLの成形の離型段階において、可動金型41を後退させて型開きを行うと、可動金型41すなわち外周型51側に対物レンズOLが残る。そこで、突き出しピン54を軸AX1に沿って前進させて動作位置(矢印H側)に移動させると、突き出しピン54に押し出されて可動金型41から対物レンズOLが離型する。この際、各突き出しピン54により、突起部21の突き当て跡PSを介してフランジ部OLbが支持される。つまり、対物レンズOL全体が4つの突き出しピン54の先端部54aによってバランスよく支持されている。具体的に説明すると、突き出しピン54の先端部54aには、上述のように凹部31が形成されている。この凹部31は、対物レンズOLの硬化時に、フランジ部OLbに形成される突起部21の嵌合部21bと密着して嵌合する。突き出しピン54の先端部54aとフランジ部OLbの突起部21との嵌合状態は、型開き後の突き出しによる離型段階後も維持されるので、対物レンズOLは、可動金型41に対して正確に位置決めされた状態で支持される。その後は、不図示のロボットハンドを利用して、例えば経路Iに沿って対物レンズOLの取り出しが行われる。つまり、まず軸AX1方向に沿って引き抜くことで、突き出しピン54から対物レンズOLを無理なく分離することができ、その後は突き出しピン54を後退させて元の位置に戻すとともに、ロボットハンドによって対物レンズOLを成形金型40外に搬出する。以上において、突き出しピン54が対物レンズOLの突起部21と嵌合するので、対物レンズOLの落下等を含む位置ずれを防止することができる。また、上述のように、離型後も突き出しピン54によって対物レンズOLの位置ずれが防止されるので、ロボットハンドによる対物レンズOLの把持が確実となり、対物レンズOLの搬送等に際して対物レンズOLの第1光学面LSaや第2光学面LSbに傷を生させてしまうことを確実に防止できる。また、対物レンズOLを型外に取り出す際に、対物レンズOL延いては光学面LSa,LSbが変形しその光学性能を劣化させることを防止できる。
【0047】
図7(A)及び7(B)は、図6(A)及び6(B)に示す突起部21の変形例を示す。この場合、突起部21の高さH=d+h1が全体的に低くなっており、各突起部21の高さHが、平坦面F1を基準とする第1光学面LSaの突起量h0よりも小さくなっている。つまり、各突起部21は、第1光学面LSaよりも後退していることになるが、嵌合部21bによって成形バリ21dが剥離等から保護された状態となっており、成形バリ21dの意図しない剥離によってゴミが発生することを防止できる。また、各突起部21は、突き出しピン54先端の凹部31と密着して嵌合するので、対物レンズOLは、突き出しによる離型段階においても、可動金型41に対して正確に位置決めされた状態で支持される。
【0048】
図8は、図4等に示す成形装置を用いた対物レンズOLの製造方法を概念的に説明するフローチャートである。まず、不図示の金型温度調節機により、可動金型41と固定金型42とを成形に適する温度まで加熱する(ステップS10)。これにより、両金型41,42においてキャビティCVを形成する金型部分の表面やその近傍の温度を成形に適する温度状態とする。
【0049】
次に、型開閉駆動装置72を動作させ、可動金型41を固定金型42側に前進させて型閉じを開始させる(ステップS11)。型開閉駆動装置72の閉動作を継続することにより、可動金型41と固定金型42とが接触する型閉じ状態となり、型開閉駆動装置72の閉動作を更に継続することにより、可動金型41と固定金型42とを必要な圧力で締め付ける型締めが行われる(ステップS12)。
【0050】
次に、不図示の射出装置を動作させて、型締めされた可動金型41と固定金型42との間のキャビティCV中に、溶融樹脂をゲート等を介して必要な圧力で注入する射出を行わせる(ステップS13)。
【0051】
溶融樹脂をキャビティCVに導入した後は、キャビティCV中の溶融樹脂が放熱によって徐々に冷却されるので、かかる冷却にともなって溶融樹脂が固化し成形が完了するのを待つ(ステップS14)。
【0052】
次に、型開閉駆動装置72を動作させて、可動金型41を後退させ、可動金型41を固定金型42から離間させる型開きを行わせる(ステップS15)。この結果、成形品である対物レンズOLは、可動金型41に保持された状態で固定金型42から離型される。
【0053】
次に、進退駆動装置71を動作させて、突き出しピン54による対物レンズOLの突き出しを行わせる(ステップS16)。具体的には、4つの突き出しピン54を同時に突出させて、対物レンズOLのフランジ部OLbを軸AXに沿ってバランス良く押し出す。この結果、対物レンズOLが、突き出しピン54の先端面に付勢されて固定金型42側に押し出されて、対物レンズOLが可動金型41から離型される。この突き出し状態において、対物レンズOLのフランジ部OLbは、4つの突き出しピン54にアライメントして支持される。この際、4つの突き出しピン54は、フランジ部OLbに設けた4つの突起部21に嵌合しており、対物レンズOLの落下や位置ずれを防止できる。
【0054】
なお、両金型41,42から離型された対物レンズOLは、この対物レンズOLのゲート部(不図示)から延びるスプル部等を把持することによって、成形装置の外部に搬出される(ステップS17)。さらに、搬出後の対物レンズOLは、ゲート部の除去等の外形加工を施されて出荷用の製品とされる。
【0055】
以上説明した本実施形態の製造方法によれば、第1外周面LPaに残る突起部21が突き当て跡PSを有しており外縁側に対して中央側で突起しているので、成形に際して可動金型(第1の金型)41から成形品たる対物レンズOLを離型させる際に、突き当て跡PSに対応する突き出しピン54の先端部54aによって対物レンズOLが比較的安定して支持された状態となる。よって、対物レンズOLの位置ずれを防止でき、光学面LSa,LSbに傷や変形が形成されて光学性能が劣化することを防止できる。さらに、突き当て跡PSが中央側で突起しているので、突起部21の外縁側に形成される成形バリ21dを突起部21の上端よりも低くできる。よって、成形バリ21dが搬送時に周囲と接触してゴミ等の原因となることを防止でき、かかる成形バリ21dが第1外周面LPaよりも低くなるようにバリ逃げ構造を設ける必要がなくなる。
【0056】
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係る光ピックアップ用対物レンズ等について説明する。なお、第2実施形態の対物レンズは、第1実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態と同様であるものとする。
【0057】
図9(A)は、第2実施形態の対物レンズの突起部等を説明する拡大断面図であり、図9(B)は、図9(A)に示す突起部の機能を説明する拡大断面図である。本実施形態において、対物レンズOLのフランジ部OLbに形成された突起部21は、台座部21aを有しておらず、突き当て跡PSに対応する嵌合部21bのみで構成される。具体的に説明すると、この場合、退避位置にある突き出しピン54の先端部54aは、可動金型41の外周型51の内面位置(開口端55aの位置)に一致させて配置されている。結果的に、突起部21は、ピン挿通孔55の内壁面によって形成される部分を有しておらず、突起部21の高さHは、嵌合部21bの高さh1そのものとなる。
【0058】
第2実施形態の対物レンズOLの場合も、突起部21の外縁端21xから延びる成形バリ21dが嵌合部21bによって剥離等から保護された状態となっており、成形バリ21dの意図しない剥離によってゴミが発生することを防止できる。また、突起部21は、突き出しピン54先端の凹部31と密着して嵌合するので、対物レンズOLは、突き出しによる離型段階においても、可動金型41に対して正確に位置決めされた状態で支持される。
【0059】
なお、本実施形態の対物レンズOLの場合、突起部21の高さH=h1は、台座部21aを設けない分だけ相対的に低くなる。よって、突起部21の高さHは、平坦面F1を基準とする第1光学面LSaの突起量h0よりも小さくなっており、突起部21は、第1光学面LSaよりも後退していることになる。
【0060】
図10(A)及び10(B)は、図9(A)及び9(B)に示す突起部21の変形例を示す。この場合、突起部21の高さHが嵌合部21bの高さh1そのものであることに変わりはないが、突起部21の高さHは、第1光学面LSaの突起量h0よりも大きくなっており、突起部21は、第1光学面LSaの頂点よりも突起する。これにより、突起部21は、BDに対する対物レンズOLのプロテクタとして機能し、対物レンズOLを例えば平坦な載置台上に置いたときに、第1光学面LSaに傷等が発生することを簡易に防止できる。
【0061】
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態に係る光ピックアップ用対物レンズ等について説明する。なお、第3実施形態の対物レンズは、第1実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態と同様であるものとする。
【0062】
図11(A)は、第3実施形態の対物レンズの突き当て跡若しく突起部等を説明する拡大断面図であり、図11(B)は、図11(A)に示す突き当て跡の機能を説明する拡大断面図である。本実施形態において、対物レンズOLのフランジ部OLbに形成された突き当て跡PSは、環状の溝部321aと、突起部に相当する嵌合部21bとを備える。具体的に説明すると、溝部321aは、V字断面の円形溝であり、嵌合部21bは、截頭円錐形状を有する。また、本実施形態において、退避位置にある突き出しピン54の先端部54aは、可動金型41の外周型51の内面位置から突出した位置に配置されている。つまり、突き出しピン54は、外周型51に形成されたピン挿通孔55の開口端55aの位置よりも距離d’だけ突出した位置に配置されている。結果的に、突き当て跡PSの高さHは、嵌合部21bの高さh1から突き出しピン54の突出量に相当する距離d’を引いた差h1−d’となっている。
【0063】
第3実施形態の対物レンズOLの場合も、溝部321aの外縁端321xから延びる成形バリ21dが嵌合部21bによって剥離等から保護された状態となっており、成形バリ21dの意図しない剥離によってゴミが発生することを防止できる。また、突き当て跡PSを構成する嵌合部21bは、突き出しピン54先端の凹部31と密着して嵌合するので、対物レンズOLは、突き出しによる離型段階においても、可動金型41に対して正確に位置決めされた状態で支持される。
【0064】
なお、本実施形態の対物レンズOLの場合、突き当て跡PSの高さH=h1−d’は、溝部321aの深さ分だけ相対的に低くなる。よって、突き当て跡PSの高さHは、平坦面F1を基準とする第1光学面LSaの突起量h0よりも小さくなっており、突き当て跡PSは、第1光学面LSaよりも後退していることになる。
【0065】
図12(A)及び12(B)は、図11(A)及び11(B)に示す突き当て跡PSの変形例を示す。この場合、突き当て跡PSの高さH=h1−d’であることに変わりはないが、突き当て跡PSの高さHは、第1光学面LSaの突起量h0よりも大きくなっており、突き当て跡PSは、第1光学面LSaの頂点よりも突起する。これにより、突き当て跡PS又はこれを構成する嵌合部21bは、BDに対する対物レンズOLのプロテクタとして機能し、対物レンズOLを例えば平坦な載置台上に置いたときに、第1光学面LSaに傷等が発生することを簡易に防止できる。
【0066】
〔第4実施形態〕
以下、第4実施形態に係る光ピックアップ用対物レンズ等について説明する。なお、第4実施形態の対物レンズは、第1実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態と同様であるものとする。
【0067】
図13(A)は、第4実施形態の対物レンズの突起部等を説明する拡大断面図であり、図13(B)は、図13(A)に示す突起部の機能を説明する拡大断面図である。本実施形態において、対物レンズOLのフランジ部OLbに形成された突起部21は、台座部21aと、突き当て跡PSに対応する嵌合部421bとで構成される。ただし、突き出しピン54の先端部54aを転写した突き当て跡PSとしての嵌合部421bは、平坦な底面を有しておらず、円錐側面状の表面を有する。突起部21の高さHは、第1実施形態と同様に設定することができ、詳細な図示は省略するが、突き出しピン54の開口端55aからの後退量に相当する距離dと、突き出しピン54の先端部54aに形成された凹部31に対応して形成された嵌合部421bの高さh1との和になっている。
【0068】
第4実施形態の対物レンズOLの場合も、突起部21の外縁端21xから延びる成形バリ21dが嵌合部421bによって剥離等から保護された状態となっており、成形バリ21dの意図しない剥離によってゴミが発生することを防止できる。また、突起部21は、突き出しピン54先端の凹部31と密着して嵌合するので、対物レンズOLは、突き出しによる離型段階においても、可動金型41に対して正確に位置決めされた状態で支持される。さらに、突き出しピン54に形成された凹部31は、比較的加工の容易な円錐形となっている。
【0069】
なお、本実施形態の対物レンズOLの成形に際して、突き出しピン54の先端部54aの退避位置を適宜変更することができる。例えば、一点差線で示すように、退避位置にある突き出しピン54の先端部54aのエッジを、可動金型41の外周型51の内面位置(開口端55aの位置)に一致させて配置することもできる。この場合、突起部21において台座部21aが存在しなくなる。さらに、二点差線で示すように、退避位置にある突き出しピン54の先端部54aを、可動金型41の外周型51の内面位置(開口端55aの位置)から適当量だけ突出させた位置に配置することもできる。この場合、嵌合部421bがフランジ部OLbに部分的に埋め込まれた状態となる。
【0070】
〔第5実施形態〕
以下、第5実施形態に係る光ピックアップ用対物レンズ等について説明する。なお、第5実施形態の対物レンズは、第1実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態と同様であるものとする。
【0071】
図14(A)は、第5実施形態の対物レンズの突起部等を説明する拡大断面図であり、図14(B)は、図14(A)に示す突起部の機能を説明する拡大断面図である。本実施形態において、対物レンズOLのフランジ部OLbに形成された突起部21は、台座部21aと、突き当て跡PSに対応する嵌合部521bとで構成される。ただし、突き出しピン54の先端部54aを転写した突き当て跡PSとしての嵌合部521bは、平坦な底面を有しておらず、半球状の表面を有する。突起部21の高さHは、第1実施形態と同様に設定することができ、詳細な図示は省略するが、突き出しピン54の開口端55aからの後退量に相当する距離dと、突き出しピン54の先端部54aに形成された凹部31に対応して形成された嵌合部521bの高さh1との和になっている。
【0072】
第5実施形態の対物レンズOLの場合も、突起部21の外縁端21xから延びる成形バリ21dが嵌合部521bによって剥離等から保護された状態となっており、成形バリ21dの意図しない剥離によってゴミが発生することを防止できる。また、突起部21は、突き出しピン54先端の凹部31と密着して嵌合するので、対物レンズOLは、突き出しによる離型段階においても、可動金型41に対して正確に位置決めされた状態で支持される。さらに、突き出しピン54に形成された凹部31は、比較的加工の容易な半球となっている。
【0073】
なお、本実施形態の対物レンズOLの成形に際して、突き出しピン54の先端部54aの退避位置を適宜変更することができる。例えば、一点差線で示すように、退避位置にある突き出しピン54の先端部54aのエッジを、可動金型41の外周型51の内面位置(開口端55aの位置)に一致させて配置することもできる。さらに、二点差線で示すように、退避位置にある突き出しピン54の先端部54aを、可動金型41の外周型51の内面位置(開口端55aの位置)から少ない適当量だけ突出させた位置に配置することもできる。
【0074】
〔第6実施形態〕
以下、第6実施形態に係る光ピックアップ用対物レンズ等について説明する。なお、第6実施形態の対物レンズは、第1実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態と同様であるものとする。
【0075】
図15(A)は、第6実施形態の対物レンズの突起部等を説明する拡大断面図であり、図15(B)は、図15(A)に示す突起部の機能を説明する拡大断面図である。本実施形態において、対物レンズOLのフランジ部OLbに形成された突起部21は、台座部21aと、突き当て跡PSに対応する嵌合部621bとで構成され、さらに、嵌合部621bは、円筒状の突起である中央部21eと、円錐状の外周部21fとを有する。突起部21の高さHは、第1実施形態と同様に設定することができる。
【0076】
第6実施形態の対物レンズOLの場合も、突起部21の外縁端21xから延びる成形バリ21dが嵌合部621bによって剥離等から保護された状態となっており、成形バリ21dの意図しない剥離によってゴミが発生することを防止できる。また、突起部21は、突き出しピン54先端の凹部31と密着して嵌合するので、対物レンズOLは、突き出しによる離型段階においても、可動金型41に対して正確に位置決めされた状態で支持される。ここで、中央部21eの軸AX1方向の高さ又は厚みを調整することにより、対物レンズOLの支持安定度を調整することができる。
【0077】
なお、本実施形態の対物レンズOLの成形に際して、突き出しピン54の先端部54aの退避位置を適宜変更することができる。例えば、一点差線で示すように、退避位置にある突き出しピン54の先端部54aのエッジを、可動金型41の外周型51の内面位置(開口端55aの位置)に一致させて配置することもできる。さらに、二点差線で示すように、退避位置にある突き出しピン54の先端部54aを、可動金型41の外周型51の内面位置(開口端55aの位置)から少ない適当量だけ突出させた位置に配置することもできる。
【0078】
〔第7実施形態〕
以下、第7実施形態に係る光ピックアップ用対物レンズ等について説明する。なお、第7実施形態の対物レンズは、第1実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態と同様であるものとする。
【0079】
図16(A)は、第7実施形態の対物レンズの突起部等を説明する拡大断面図であり、図16(B)は、図16(A)に示す突起部の機能を説明する拡大断面図である。本実施形態において、対物レンズOLのフランジ部OLbに形成された突起部21は、台座部21aと、突き当て跡PSに対応する嵌合部721bとで構成され、さらに、嵌合部721bは、環状の部分である中央部21eと、円錐状の外周部21fとを有する。突起部21の高さHは、第1実施形態と同様に設定することができる。
【0080】
第7実施形態の対物レンズOLの場合も、突起部21の外縁端21xから延びる成形バリ21dが嵌合部721bによって剥離等から保護された状態となっており、成形バリ21dの意図しない剥離によってゴミが発生することを防止できる。また、突起部21は、突き出しピン54先端の凹部31と密着して嵌合するので、対物レンズOLは、突き出しによる離型段階においても、可動金型41に対して正確に位置決めされた状態で支持される。ここで、中央部21eに設けた円筒窪みの軸AX1方向の深さを調整することにより、対物レンズOLの支持安定度を調整することができる。
【0081】
なお、本実施形態の対物レンズOLの成形に際して、突き出しピン54の先端部54aの退避位置を適宜変更することができる。例えば、一点差線で示すように、退避位置にある突き出しピン54の先端部54aのエッジを、可動金型41の外周型51の内面位置(開口端55aの位置)に一致させて配置することもできる。さらに、二点差線で示すように、退避位置にある突き出しピン54の先端部54aを、可動金型41の外周型51の内面位置(開口端55aの位置)から少ない適当量だけ突出させた位置に配置することもできる。
【0082】
〔第8実施形態〕
以下、第8実施形態に係る光ピックアップ用対物レンズ等について説明する。なお、第8実施形態の対物レンズは、第1実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態と同様であるものとする。
【0083】
図17(A)は、第8実施形態の対物レンズの突起部等を説明する拡大断面図であり、図17(B)は、図17(A)に示す突起部の機能を説明する拡大断面図である。本実施形態において、対物レンズOLのフランジ部OLbに形成された突起部21は、台座部21aと、突き当て跡PSに対応する截頭円錐状の嵌合部821bとで構成される。突起部21上端の頂面F3は、平坦な円であり、突起部21の高さHは、第1実施形態と同様に設定することができる。
【0084】
第8実施形態の対物レンズOLの場合も、突起部21の外縁端21xから延びる成形バリ21dが嵌合部721bによって剥離等から保護された状態となっており、成形バリ21dの意図しない剥離によってゴミが発生することを防止できる。また、突起部21は、突き出しピン54先端の凹部31と密着して嵌合するので、対物レンズOLは、突き出しによる離型段階においても、可動金型41に対して正確に位置決めされた状態で支持される。ここで、嵌合部821bの軸AX1方向の高さ又は厚みを調整することにより、対物レンズOLの支持安定度を調整することができる。
【0085】
なお、本実施形態の対物レンズOLの成形に際して、突き出しピン54の先端部54aの退避位置を適宜変更することができる。例えば、一点差線で示すように、退避位置にある突き出しピン54の先端部54aのエッジを、可動金型41の外周型51の内面位置(開口端55aの位置)に一致させて配置することもできる。さらに、二点差線で示すように、退避位置にある突き出しピン54の先端部54aを、可動金型41の外周型51の内面位置(開口端55aの位置)から少ない適当量だけ突出させた位置に配置することもできる。
【0086】
〔第9実施形態〕
以下、第9実施形態に係る光ピックアップ用対物レンズ等について説明する。なお、第9実施形態の対物レンズは、第1実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態と同様であるものとする。
【0087】
図18(A)は、第9実施形態の対物レンズの突起部等を説明する拡大断面図であり、図18(B)は、図18(A)に示す突起部の機能を説明する拡大断面図である。本実施形態において、対物レンズOLのフランジ部OLbに形成された突起部21は、台座部21aと、突き当て跡PSに対応する嵌合部921bとで構成され、さらに、嵌合部921bは、半球状の窪み部分である中央部21eと、円錐状の外周部21fとを有する。突起部21の高さHは、第1実施形態と同様に設定することができる。
【0088】
第9実施形態の対物レンズOLの場合も、突起部21の外縁端21xから延びる成形バリ21dが嵌合部721bによって剥離等から保護された状態となっており、成形バリ21dの意図しない剥離によってゴミが発生することを防止できる。また、突起部21は、突き出しピン54先端の凹部31と密着して嵌合するので、対物レンズOLは、突き出しによる離型段階においても、可動金型41に対して正確に位置決めされた状態で支持される。
【0089】
なお、本実施形態の対物レンズOLの成形に際して、突き出しピン54の先端部54aの退避位置を適宜変更することができる。例えば、一点差線で示すように、退避位置にある突き出しピン54の先端部54aのエッジを、可動金型41の外周型51の内面位置(開口端55aの位置)に一致させて配置することもできる。さらに、二点差線で示すように、退避位置にある突き出しピン54の先端部54aを、可動金型41の外周型51の内面位置(開口端55aの位置)から少ない適当量だけ突出させた位置に配置することもできる。
【0090】
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば上記実施形態では、突起部21、突き当て跡PS、凹部31等を回転対称な形状にしたが、これらは、必ずしも回転対称に限らず、楕円面、角錐等で構成することができる。
【0091】
また、突起部21、突き当て跡PS等の表面は、平滑面に限らず、例えば粗面加工等を施すことができる。
【0092】
また、突き出しピン54の断面形状は、円形に限らず、矩形その他の様々な形状とすることができる。
【0093】
また、対物レンズOLの離型用の4つの突き出しピン54の全てを上記実施形態の形状とする必要はなく、1つ又は2つの突き出しピン54のみを上記実施形態の形状とすることができる。
【0094】
また、対物レンズOLの周囲に配置される離型用の突き出しピン54は、4つに限らず、例えば3つ等、製造条件に応じて適宜増減することができる。
【0095】
また、固定金型42及び可動金型41で構成される成形金型40に設けるキャビティCVは1つに限らず、複数とすることができる。つまり、例えば外周型61中に鏡面コア62を複数埋め込むことができ、これに対応させて、可動金型41中に鏡面コア52及び突き出しピン54からなるユニットを複数組埋め込むことができる。この場合、両金型41,42を利用した1ショットの成形によって複数個の対物レンズOLを得ることができる。
【0096】
また、図1等に示す鏡面コア52,62の先端側の転写面52a,62aの形状は、単なる例示であり、対物レンズOLの詳細な用途等に応じて適宜変更することができる。
【0097】
また、上記実施形態で説明して突き出しピン54の配置、構成個数等は、単なる例示であり、適宜変更することができる。
【0098】
また、上記実施形態の成形金型40は、横置型に限らず、横置型又は竪型のいずれとしても実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】(A)は第1実施形態の対物レンズの裏面図であり、(B)は対物レンズの表面図である。
【図2】第1実施形態の対物レンズの側面図である。
【図3】第1実施形態の対物レンズの断面図である。
【図4】対物レンズの製造方法を実施するための成形装置を説明する図である。
【図5】(A)は可動金型の端面図であり、(B)は固定金型の端面図である。
【図6】(A)、(B)は、対物レンズの突起部について形状及び機能を説明する断面図である。
【図7】(A)、(B)は、変形例の突起部について形状及び機能を説明する断面図である。
【図8】製造工程を説明するフローチャートである。
【図9】(A)、(B)は、第2実施形態の対物レンズの突起部について形状及び機能を説明する断面図である。
【図10】(A)、(B)は、変形例の突起部について形状及び機能を説明する断面図である。
【図11】(A)、(B)は、第3実施形態の対物レンズの突起部について形状及び機能を説明する断面図である。
【図12】(A)、(B)は、変形例の突起部について形状及び機能を説明する断面図である。
【図13】(A)、(B)は、第4実施形態の対物レンズの突起部について形状及び機能を説明する断面図である。
【図14】(A)、(B)は、第5実施形態の対物レンズの突起部について形状及び機能を説明する断面図である。
【図15】(A)、(B)は、第6実施形態の対物レンズの突起部について形状及び機能を説明する断面図である。
【図16】(A)、(B)は、第7実施形態の対物レンズの突起部について形状及び機能を説明する断面図である。
【図17】(A)、(B)は、第8実施形態の対物レンズの突起部について形状及び機能を説明する断面図である。
【図18】(A)、(B)は、第9実施形態の対物レンズの突起部について形状及び機能を説明する断面図である。
【符号の説明】
【0100】
21…突起部、 21a…台座部、 21b…嵌合部、 21d…成形バリ、 21x…外縁端、 31…凹部、 31a…底面、 31b…円錐側面、 40…成形金型、 41…可動金型、 42…固定金型、 51a…第2転写面、 52,62…鏡面コア、 52a…第1転写面、 54…ピン、 54a…先端部、 55…ピン挿通孔、 55a…開口端、 61a,62a…第3転写面、 71…進退駆動装置、 72…型開閉駆動装置、 AX…軸、 AX1…軸、 CV…キャビティ、 CVa…中心領域、 CVb…フランジ領域、 EP…端面部、 F1…平坦面、 F2…取付面、 F3…頂面、 LPa…第1外周面、 LPb…第2外周面、 LSa…第1光学面、 LSb…第2光学面、 OA…光軸、 OL…対物レンズ、 OLa…中心部、 OLb…フランジ部、 PS…突き当て跡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光情報記録媒体側に配置される第1光学面と、
光情報記録媒体側であって前記第1光学面よりも外周側に設けられ、外縁側に対して中央側で突起した突起部の少なくとも一部を突き当て跡として有する第1外周面と、
光源側に配置される第2光学面と、
光源側であって前記第2光学面よりも外周側に設けられる第2外周面と、
を備えることを特徴とする光ピックアップ用対物レンズ。
【請求項2】
前記第1外周面は、前記突き当て跡を複数有することを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ用対物レンズ。
【請求項3】
前記複数の突き当て跡は、光軸のまわりに等角度間隔で形成されていることを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ用対物レンズ。
【請求項4】
前記突き当て跡の外縁端は、前記第1外周面の周囲の平坦面よりも突起して設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の光ピックアップ用対物レンズ。
【請求項5】
前記突き当て跡の外縁端は、前記第1外周面の周囲の平坦面と同じ高さ位置に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の光ピックアップ用対物レンズ。
【請求項6】
前記突き当て跡の外周部は、前記突き当て跡の中央部に向けて突起量が増加する傾斜面に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の光ピックアップ用対物レンズ。
【請求項7】
前記突き当て跡の中央部は、光軸に略垂直な平坦面に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の光ピックアップ用対物レンズ。
【請求項8】
前記突き当て跡は、截頭円錐形状に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の光ピックアップ用対物レンズ。
【請求項9】
前記突き当て跡は、中央部に向けて突起する円錐状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の光ピックアップ用対物レンズ。
【請求項10】
NA0.75以上であることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の光ピックアップ用対物レンズ。
【請求項11】
第1金型と第2金型とを型閉じした状態でレンズを成形する第1工程と、
前記第1金型と前記第2金型とを離間することにより、前記第2金型から前記レンズを離型する第2工程と、
前記第1金型側に設けた突き出しピンを用いて前記第1金型から前記レンズを離型する第3工程と、を備える光ピックアップ用対物レンズの製造方法であって、
前記第1金型は、前記レンズの光情報記録媒体側に配置される第1光学面を転写するための第1転写面と、前記第1光学面よりも外周側に設けられる第1外周面を転写する第2転写面と、前記第2転写面に設けた開口を介して前記第2転写面の正面方向に進退可能な離型用の突き出しピンと、を有し、
前記突き出しピンは、外縁側に対して中央側で窪んだ凹部を有すること特徴とする光ピックアップ用対物レンズの製造方法。
【請求項12】
レンズの光情報記録媒体側に配置される第1光学面を転写するための第1転写面と、前記第1光学面よりも外周側に設けられる第1外周面を転写する第2転写面と、前記第2転写面に設けた開口を介して前記第2転写面の正面方向に進退可能な離型用の突き出しピンと、を有する第1金型と、
前記レンズの光源側に設けられる第2光学面と前記第2光学面よりも外周側に設けられる第2外周面とを転写する第3転写面を有する第2金型と、を備え、
前記突き出しピンは、外縁側に対して中央側で窪んだ凹部を有することを特徴とする光ピックアップ用対物レンズの成形金型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−80012(P2010−80012A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−249188(P2008−249188)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(303000408)コニカミノルタオプト株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】