説明

光ピックアップ装置

【課題】厳しい使用/環境下においても光検出器に位置ずれが生じることなく安定した動作を光ピックアップ装置に行わせる。
【解決手段】メディアから反射された光を受光する光検出器10と、光検出器10が装備されるハウジング50とを備える光ピックアップ装置1に関する。光検出器10は、光検出器10をハウジング50に装着させる接着剤が用いられてハウジング50に固定され、ハウジング50に対し光検出器10もしくは接着剤の位置ずれを防ぐ位置ずれ防止部80A,80Bがハウジング50に設けられ、位置ずれ防止部80A,80Bは、複数の方向に沿って延設された固定部81,82,83を有し、位置ずれ防止部80A,80Bに接着剤が塗布されることで、ハウジング50に光検出器10が装着される。光検出器10は、接着剤および位置ずれ防止部80A,80Bによって、確実にハウジング50に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば光ディスク装置に装備され、光ディスクなどのメディアの情報を読み取ることが可能な光ピックアップ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図4は、従来の光ピックアップ装置の一形態を示す斜視図である。
【0003】
ハウジング550にフォトディテクタ510が装備されている。ハウジングとは、部品が収容される箱形のもの等の物が入れられる箱や、箱に類似したものを意味する。
【0004】
フォトディテクタ510は、光ディスク(図示せず)からの反射光の一部を受光して、この受光量に比例した受光電流を生成する光検出器510とされている。この受光電流は、検出信号とされる。フォトディテクタ510は、光を受けて、その信号を電気信号に変えて、光ピックアップ装置501のレンズホルダ(図示せず)のサーボ機構(図示せず)を動作させるための信号を出力するためのものとされている。サーボもしくはサーボ機構とは、制御の対象とされるものの状態を測定し、測定したものと基準値とを比較して、自動的に修正制御を行わせる機構のものを意味する。フォトディテクタ(Photo Detector)は、「PD」と略称される。この光検出器510は、フレキシブル回路体505に接続されている。また、この光検出器510は、プレート520に固定されている。
【0005】
光検出器510がハウジング550に装着されるときの工程について説明する。先ず、光検出器510の光路位置調整を行う。ハウジング550内に形成される光路(図示せず)に対し、光検出器510のX軸と、光検出器510のY軸と、光検出器510のZ軸とを調整する。ハウジング550に対する光検出器510の取付位置調整が行われたのちに、光検出器510が装着されたプレート520と、ハウジング550との間に、固定用の接着剤(図示せず)を橋渡すようにして塗布する。このとき、硬化した接着剤にアンカー効果を発揮させ、ハウジング550に対し光検出器510を備えるプレート520の接着性を向上させるために、ハウジング550の固定部580A,580Bに溝581が設けられている。
【0006】
図4に示す従来の光ピックアップ装置501に類似したものとして、例えば、光検出器の位置精度における不安定要素を軽減させた光学ヘッドの光検出器取付装置というものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−251776号公報(第3頁、第1,2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図4に示す上記従来の光ピックアップ装置501にあっては、X方向という一方向だけに沿って溝581が延設されているため、振動が多く加えられる等の厳しい使用/環境下で用いられる光ピックアップ装置501においては、接着部分580A,580Bに位置ずれが生じる可能性があった。接着部分580A,580Bに位置ずれが生じると、光検出器510に正確に光が入射されなくなる。その結果、光ピックアップ装置501が正常に作動されなくなるという不具合の発生が懸念されていた。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決することにある。本発明は、上記した点に鑑み、厳しい使用/環境下においても光検出器に位置ずれが生じることなく安定した動作を行う光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る光ピックアップ装置は、メディアから反射された光を受光する光検出器と、該光検出器が装備されるハウジングとを備え、該光検出器は、該光検出器を該ハウジングに装着させる接着剤が用いられて該ハウジングに固定され、該ハウジングに対し該光検出器もしくは該接着剤の位置ずれを防ぐ位置ずれ防止部が該ハウジングに設けられ、該位置ずれ防止部は、複数の方向に沿って延設された固定部を有し、該位置ずれ防止部に該接着剤が塗布されることで、該ハウジングに該光検出器が装着されたことを特徴とする。
【0011】
上記構成により、光検出器は、接着剤および位置ずれ防止部により確実にハウジングに固定される。ハウジングに対し光検出器もしくは接着剤の位置ずれを防ぐ位置ずれ防止部がハウジングに設けられ、位置ずれ防止部は、複数の方向に沿って延設された固定部を有するものとされているので、例えば、光ピックアップ装置に激しい振動が加えられることがあっても、ハウジングに対し光検出器が位置ずれを起こし、光ピックアップ装置が正常に作動されなくなるという不具合の発生は回避される。光検出器は、ハウジングの位置ずれ防止部に固着される接着剤により、ハウジングに固定される。従って、厳しい使用/環境下においても光検出器に位置ずれが生じることなく安定した動作が行われる光ピックアップ装置の提供が可能となる。
【0012】
請求項2に係る光ピックアップ装置は、請求項1に記載の光ピックアップ装置において、前記位置ずれ防止部は、第一方向に沿って延設された第一固定部と、該第一方向と異なる方向の第二方向に沿って延設された第二固定部とを備えることを特徴とする。
【0013】
上記構成により、光検出器は、接着剤と、ハウジングに設けられた位置ずれ防止部の第一固定部および第二固定部とにより、確実にハウジングに固定される。第一方向に沿って延設された第一固定部と、第二方向に沿って延設された第二固定部とは、異なる方向に沿って延ばされているので、光ピックアップ装置に複雑な振動が加えられても、光検出器は、接着剤を介して第一固定部と第二固定部とに確実に固定され続ける。第一方向に沿って延設された第一固定部と、第二方向に沿って延設された第二固定部とは、ハウジングに対する光検出器の位置ずれを防止させるストッパーとしての機能を果たす。
【0014】
請求項3に係る光ピックアップ装置は、請求項2に記載の光ピックアップ装置において、前記第一方向に沿って延設された前記第一固定部に対し、前記第二方向に沿って延設された前記第二固定部は、略直交する方向に沿って延長形成されたことを特徴とする。
【0015】
上記構成により、光検出器は、接着剤と、ハウジングに設けられた位置ずれ防止部の第一固定部および第二固定部とにより、確実にハウジングに固定される。第一方向に沿って延設された第一固定部に対し、第二方向に沿って延設された第二固定部は、略直交する方向に沿って延長形成されているので、光ピックアップ装置に複雑な振動が加えられて、光ピックアップ装置のハウジングに対し、光検出器に位置ずれが生じるということは回避される。例えば、光ピックアップ装置に共振が生じることがあっても、光検出器は、接着剤を介して、ハウジングに設けられた位置ずれ防止部の第一固定部と、第一固定部が延設された第一方向に対し、略直交する方向とされる第二方向に沿って延長形成された第二固定部とにより、確実にハウジングに固着され続ける。
【0016】
請求項4に係る光ピックアップ装置は、請求項2又は3に記載の光ピックアップ装置において、前記第一方向は、前記光検出器に当てられる前記光の光軸方向とされ、前記第二方向は、該光検出器に該光が当てられたときの照射面に沿った方向とされたことを特徴とする。
【0017】
上記構成により、光ピックアップ装置に複雑な振動が加えられ、その結果、光ピックアップ装置のハウジングに対して光検出器に位置ずれが生じ、光ピックアップ装置が正常に作動しないという不具合の発生は確実に回避される。ハウジングに設けられた位置ずれ防止部の第一固定部は、光検出器に当てられる光の光軸方向に沿って延設されているので、光ピックアップ装置に共振が生じたときに、光検出器の照射面に沿って光検出器に位置ずれが生じるということは回避される。光検出器の照射面に沿った方向の力が光検出器に加えられようとされたときに、光検出器の光軸方向に沿って延設された位置ずれ防止部の第一固定部により、光検出器の照射面に沿った方向の力はくい止められる。また、ハウジングに設けられた位置ずれ防止部の第二固定部は、光検出器に光が当てられたときの照射面に沿って延設されているので、光ピックアップ装置に共振が生じたときに、光検出器の光軸方向に沿って光検出器に位置ずれが生じるということは回避される。光検出器の光軸方向に沿った力が光検出器に加えられようとされたときに、光検出器の照射面に沿って延設された位置ずれ防止部の第二固定部により、光検出器の光軸方向に沿った力はくい止められる。従って、光ピックアップ装置に共振が生じることで、光ピックアップ装置のハウジングに対し光検出器に位置ずれが生じ、その結果、光ピックアップ装置が正常に作動されないという不具合の発生は確実に回避される。
【0018】
請求項5に係る光ピックアップ装置は、請求項2〜4の何れか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記位置ずれ防止部は、前記第一固定部と前記第二固定部とを隔てる離間部を、さらに備えることを特徴とする。
【0019】
上記構成により、光ピックアップ装置のハウジングに対し、光検出器に位置ずれが生じるということは確実に防止される。ハウジングに設けられた位置ずれ防止部の第一固定部と第二固定部との間に、両固定部を隔てる離間部が備えられているので、接着剤が用いられてハウジングに光検出器が装着されるときに、接着剤は、第一固定部と第二固定部との間の離間部に介在される。これにより、光検出器は、確実にハウジングに固着される。第一固定部と第二固定部とを隔てる離間部に接着剤が介在されることにより、光ピックアップ装置に各方向から激しい振動が加えられても、位置ずれ防止部の第一固定部と、第二固定部と、両固定部を隔てる離間部とに介在された接着剤により、光検出器に位置ずれが生じるということは回避される。従って、安定した動作が行われる光ピックアップ装置の提供が可能となる。
【0020】
請求項6に係る光ピックアップ装置は、請求項2〜5の何れか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記位置ずれ防止部は、前記第一方向と異なる方向とされ且つ前記第二方向と異なる方向とされる第三方向に沿って延設された第三固定部を、さらに備えることを特徴とする。
【0021】
上記構成により、光検出器は、より確実にハウジングに固定される。光ピックアップ装置のハウジングに設けられた位置ずれ防止部は、各方向に沿って延設された第一固定部と第二固定部と第三固定部とを備えるものとされているので、光ピックアップ装置に激しい振動が加えられても、光検出器は、第一固定部と第二固定部と第三固定部と接着剤とにより、確実にハウジングに固定され続ける。従って、厳しい使用/環境下で光ピックアップ装置が使われても、ハウジングに対して光検出器が位置ずれを起こし、光ピックアップ装置に動作不良が生じるということは回避される。
【0022】
請求項7に係る光ピックアップ装置は、請求項6に記載の光ピックアップ装置において、前記第一方向に沿って延設された前記第一固定部と、前記第二方向に沿って延設された前記第二固定部とに対し、前記第三方向に沿って延設された前記第三固定部は、略直交する方向に沿って延長形成されたことを特徴とする。
【0023】
上記構成により、光検出器は、接着剤と、ハウジングに設けられた位置ずれ防止部の第一固定部と第二固定部と第三固定部とにより、確実にハウジングに固定される。第一方向に沿って延設された第一固定部と、第二方向に沿って延設された第二固定部とに対し、第三方向に沿って延設された第三固定部は、略直交する方向に沿って延長形成されているので、光ピックアップ装置に複雑な振動が加えられて、光ピックアップ装置のハウジングに対し、光検出器に位置ずれが生じるということは確実に回避される。例えば、光ピックアップ装置に共振が生じることがあっても、光検出器は、接着剤を介して、ハウジングに設けられた位置ずれ防止部の第一固定部と、第一方向に対し略直交する方向の第二方向に沿って延長形成された第二固定部と、第一方向と第二方向とに対し略直交する方向の第三方向に沿って延設された第三固定部とにより、確実にハウジングに固着され続ける。
【0024】
請求項8に係る光ピックアップ装置は、請求項6又は7に記載の光ピックアップ装置において、前記第三方向は、前記光検出器に前記光が当てられたときの照射面に沿った方向とされたことを特徴とする。
【0025】
上記構成により、光ピックアップ装置に複雑な振動が加えられ、その結果、光ピックアップ装置のハウジングに対して光検出器に位置ずれが生じ、光ピックアップ装置が正常に作動しないという不具合の発生は回避される。ハウジングに設けられた位置ずれ防止部の第三固定部は、光検出器に光が当てられたときの照射面に沿って延設されているので、光ピックアップ装置に共振が生じたときに、光検出器の光軸方向に沿って光検出器に位置ずれが生じるということは回避される。光検出器の光軸方向に沿った力が光検出器に加えられようとされたときに、光検出器の照射面に沿って延設された位置ずれ防止部の第三固定部により、光検出器の光軸方向に沿った力は、よりくい止められる。
【0026】
請求項9に係る光ピックアップ装置は、請求項6〜8の何れか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記位置ずれ防止部は、前記第一固定部と、前記第三固定部とを隔てる離間部をさらに備えることを特徴とする。
【0027】
上記構成により、光ピックアップ装置のハウジングに対し、光検出器に位置ずれが生じるということは、より防止される。ハウジングに設けられた位置ずれ防止部の第一固定部と第三固定部との間に、両固定部を隔てる離間部が備えられているので、接着剤が用いられてハウジングに光検出器が装着されるときに、接着剤は、第一固定部と第三固定部との間の離間部に介在される。これにより、光検出器は、確実にハウジングに固着される。第一固定部と第三固定部とを隔てる離間部に接着剤が介在されることにより、光ピックアップ装置に各方向から激しい振動が加えられても、位置ずれ防止部の第一固定部と、第三固定部と、両固定部を隔てる離間部とに介在された接着剤により、光検出器に位置ずれが生じるということは、より回避される。従って、安定した動作が行われる光ピックアップ装置の提供が可能となる。
【0028】
請求項10に係る光ピックアップ装置は、請求項1〜9の何れか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記固定部は、前記接着剤が入り込むことのできる溝を備えることを特徴とする。
【0029】
上記構成により、光検出器は、確実にハウジングに固定される。ハウジングの位置ずれ防止部に設けられた固定部の溝に接着剤が入り込むことで、ハウジングに対し光検出器は確実に固定される。溝に入り込んで硬化した接着剤にアンカー効果が発揮されるので、接着剤は確実に溝内に固着される。アンカー効果とは、接着剤が被着材の表面にある空隙に侵入硬化し、釘や楔のような働きをすることをいう。アンカー効果は、投錨効果もしくはファスナー効果とも呼ばれている。溝に入り込んで固化した接着剤にアンカー効果が発揮されるので、光ピックアップ装置のハウジングに激しい振動が加えられても、接着剤に位置ずれが生じるということは回避される。従って、光検出器は、ハウジングの位置ずれ防止部における固定部の溝に入り込んだ接着剤により、確実にハウジングに固定される。
【0030】
請求項11に係る光ピックアップ装置は、請求項1〜10の何れか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記位置ずれ防止部は、前記ハウジングから突設された突出部に設けられたことを特徴とする。
【0031】
上記構成により、光検出器は、確実にハウジングに装着される。ハウジングに光検出器を固定させるときに、ハウジングから突設された突出部の位置ずれ防止部に接着剤を塗布させることで、光検出器は、ハウジングに確実に固着される。また、ハウジングから突出部が突設されたことにより、ハウジングに光検出器を装着させるための接着剤の塗布作業が行われ易くなる。接着剤が塗布されるための位置ずれ防止部を備えた突出部がハウジングに突設されることにより、ハウジングに対する光検出器の位置ずれ発生は回避され易くなる。
【0032】
請求項12に係る光ピックアップ装置は、請求項1〜11の何れか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記光検出器は、前記ハウジングに対し該光検出器の位置決めを行わせ易くさせる固定板に装備され、該固定板と、該ハウジングの前記位置ずれ防止部とに、前記接着剤が塗布されたことを特徴とする。
【0033】
上記構成により、光検出器は、精度よくハウジングに装着される。接着剤が用いられて光検出器がハウジングに装着されるときに、固定板に光検出器が装備されていれば、ハウジングに対し、光検出器の取付けが行われるときの位置決め作業は行われ易くなる。光検出器がハウジングに装着されるときに、例えば、光路調整が行われつつハウジングに対し光検出器を備える固定板の取付位置調整が行われ、固定板の取付位置が定められたのちに、ハウジングの位置ずれ防止部と、固定板とに接着剤が塗布されることで、光検出器は、ハウジングに精度よく装着される。
【0034】
請求項13に係る光ピックアップ装置は、請求項1〜12の何れか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記接着剤として、紫外線が照射されることで硬化する紫外線硬化型接着剤が用いられたことを特徴とする。
【0035】
上記構成により、光検出器は、迅速に精度よくハウジングに装着固定される。紫外線硬化型接着剤は、塗布された接着剤に紫外線が照射されるだけで硬化するものとされている。光検出器がハウジングに装備されるときに、紫外線硬化型接着剤が用いられていれば、接着剤の固化は迅速に行われる。従って、接着剤が硬化する過程で、ハウジングに対し光検出器に位置ずれが生じるということは回避され、光検出器は正確にハウジングに装備される。
【0036】
請求項14に係る光ピックアップ装置は、請求項1〜13の何れか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記接着剤として、エポキシ系接着剤が用いられたことを特徴とする。
【0037】
上記構成により、光検出器は、精度よくハウジングに装着固定される。エポキシ系接着剤は、低収縮で耐熱性などに優れるものとされている。エポキシ系接着剤は、低収縮なものとされているので、ハウジングに対し光検出器は高精度に装着される。また、エポキシ系接着剤は、耐熱性に優れるものとされているので、例えば、光ピックアップ装置のハウジングが高温となったときに、接着剤が熱の影響を受けて甚だしく変質するということは回避される。光ピックアップ装置が高温となっても、光検出器は、エポキシ系接着剤により、ハウジングに精度よく確実に装着され続ける。
【0038】
請求項15に係る光ピックアップ装置は、請求項1〜14の何れか1項に記載の光ピックアップ装置において、持運びが容易なコンピュータの光ディスク装置に装備可能とされたことを特徴とする。
【0039】
上記構成により、持運びが容易なコンピュータ用光ディスク装置の光ピックアップ装置が動作不良を起こし、その結果、持運びが容易なコンピュータが正常に作動しないという不具合の発生は回避される。持運びが容易なコンピュータとして、例えば、ラップトップ型コンピュータまたはノートブック型コンピュータが挙げられる。ラップトップ型コンピュータまたはノートブック型コンピュータといった持運びが容易なコンピュータは、小型化、軽薄化、軽量化される傾向にあり、これに伴って、光ピックアップ装置も小型化、軽薄化、軽量化される傾向にある。例えば、持運びが容易なコンピュータが移動されるときに、コンピュータに激しい振動が加えられることがあっても、光ピックアップ装置のハウジングに対して光検出器が位置ずれを起こし、光ピックアップ装置が正常に作動されなくなるという不具合の発生は回避される。光検出器は、ハウジングの位置ずれ防止部に固着される接着剤により、ハウジングに固定され続ける。従って、激しい振動が加えられるといった厳しい使用/環境下においても、安定した動作が行われる小型軽薄化光ピックアップ装置の提供が可能となる。
【発明の効果】
【0040】
以上の如く、請求項1に記載の発明によれば、接着剤および位置ずれ防止部により、確実に光検出器をハウジングに固定させることができる。ハウジングに対し光検出器もしくは接着剤の位置ずれを防ぐ位置ずれ防止部がハウジングに設けられ、位置ずれ防止部は、複数の方向に沿って延設された固定部を有するものとされているので、例えば、光ピックアップ装置に激しい振動が加えられることがあっても、ハウジングに対し光検出器が位置ずれを起こし、光ピックアップ装置が正常に作動されなくなるという不具合の発生は回避される。光検出器は、ハウジングの位置ずれ防止部に固着される接着剤により、ハウジングに固定される。従って、厳しい使用/環境下においても光検出器に位置ずれが生じることなく安定した動作が行われる光ピックアップ装置を提供することができる。
【0041】
請求項2に記載の発明によれば、接着剤と、ハウジングに設けられた位置ずれ防止部の第一固定部および第二固定部とにより、確実に光検出器をハウジングに固定させることができる。第一方向に沿って延設された第一固定部と、第二方向に沿って延設された第二固定部とは、異なる方向に沿って延ばされているので、光ピックアップ装置に複雑な振動が加えられても、光検出器は、接着剤を介して第一固定部と第二固定部とに確実に固定され続ける。第一方向に沿って延設された第一固定部と、第二方向に沿って延設された第二固定部とは、ハウジングに対する光検出器の位置ずれを防止させるストッパーとしての機能を果たす。
【0042】
請求項3に記載の発明によれば、接着剤と、ハウジングに設けられた位置ずれ防止部の第一固定部および第二固定部とにより、確実に光検出器をハウジングに固定させることができる。第一方向に沿って延設された第一固定部に対し、第二方向に沿って延設された第二固定部は、略直交する方向に沿って延長形成されているので、光ピックアップ装置に複雑な振動が加えられて、光ピックアップ装置のハウジングに対し、光検出器に位置ずれが生じるということは回避される。例えば、光ピックアップ装置に共振が生じることがあっても、光検出器は、接着剤を介して、ハウジングに設けられた位置ずれ防止部の第一固定部と、第一固定部が延設された第一方向に対し、略直交する方向とされる第二方向に沿って延長形成された第二固定部とにより、確実にハウジングに固着され続ける。
【0043】
請求項4に記載の発明によれば、光ピックアップ装置に複雑な振動が加えられ、その結果、光ピックアップ装置のハウジングに対して光検出器に位置ずれが生じ、光ピックアップ装置が正常に作動しないという不具合の発生は確実に回避される。ハウジングに設けられた位置ずれ防止部の第一固定部は、光検出器に当てられる光の光軸方向に沿って延設されているので、光ピックアップ装置に共振が生じたときに、光検出器の照射面に沿って光検出器に位置ずれが生じるということは回避される。光検出器の照射面に沿った方向の力が光検出器に加えられようとされたときに、光検出器の光軸方向に沿って延設された位置ずれ防止部の第一固定部により、光検出器の照射面に沿った方向の力はくい止められる。また、ハウジングに設けられた位置ずれ防止部の第二固定部は、光検出器に光が当てられたときの照射面に沿って延設されているので、光ピックアップ装置に共振が生じたときに、光検出器の光軸方向に沿って光検出器に位置ずれが生じるということは回避される。光検出器の光軸方向に沿った力が光検出器に加えられようとされたときに、光検出器の照射面に沿って延設された位置ずれ防止部の第二固定部により、光検出器の光軸方向に沿った力はくい止められる。従って、光ピックアップ装置に共振が生じることで、光ピックアップ装置のハウジングに対し光検出器に位置ずれが生じ、その結果、光ピックアップ装置が正常に作動されないという不具合の発生を確実に回避させることができる。
【0044】
請求項5に記載の発明によれば、光ピックアップ装置のハウジングに対し、光検出器に位置ずれが生じるということを確実に防止することができる。ハウジングに設けられた位置ずれ防止部の第一固定部と第二固定部との間に、両固定部を隔てる離間部が備えられているので、接着剤が用いられてハウジングに光検出器が装着されるときに、接着剤は、第一固定部と第二固定部との間の離間部に介在される。これにより、光検出器は、確実にハウジングに固着される。第一固定部と第二固定部とを隔てる離間部に接着剤が介在されることにより、光ピックアップ装置に各方向から激しい振動が加えられても、位置ずれ防止部の第一固定部と、第二固定部と、両固定部を隔てる離間部とに介在された接着剤により、光検出器に位置ずれが生じるということは回避される。従って、安定した動作が行われる光ピックアップ装置を提供することができる。
【0045】
請求項6に記載の発明によれば、より確実に光検出器をハウジングに固定させることができる。光ピックアップ装置のハウジングに設けられた位置ずれ防止部は、各方向に沿って延設された第一固定部と第二固定部と第三固定部とを備えるものとされているので、光ピックアップ装置に激しい振動が加えられても、光検出器は、第一固定部と第二固定部と第三固定部と接着剤とにより、確実にハウジングに固定され続ける。従って、厳しい使用/環境下で光ピックアップ装置が使われても、ハウジングに対して光検出器が位置ずれを起こし、光ピックアップ装置に動作不良が生じるということは回避される。
【0046】
請求項7に記載の発明によれば、接着剤と、ハウジングに設けられた位置ずれ防止部の第一固定部と第二固定部と第三固定部とにより、確実に光検出器をハウジングに固定させることができる。第一方向に沿って延設された第一固定部と、第二方向に沿って延設された第二固定部とに対し、第三方向に沿って延設された第三固定部は、略直交する方向に沿って延長形成されているので、光ピックアップ装置に複雑な振動が加えられて、光ピックアップ装置のハウジングに対し、光検出器に位置ずれが生じるということは確実に回避される。例えば、光ピックアップ装置に共振が生じることがあっても、光検出器は、接着剤を介して、ハウジングに設けられた位置ずれ防止部の第一固定部と、第一方向に対し略直交する方向の第二方向に沿って延長形成された第二固定部と、第一方向と第二方向とに対し略直交する方向の第三方向に沿って延設された第三固定部とにより、確実にハウジングに固着され続ける。
【0047】
請求項8に記載の発明によれば、光ピックアップ装置に複雑な振動が加えられ、その結果、光ピックアップ装置のハウジングに対して光検出器に位置ずれが生じ、光ピックアップ装置が正常に作動しないという不具合の発生を回避できる。ハウジングに設けられた位置ずれ防止部の第三固定部は、光検出器に光が当てられたときの照射面に沿って延設されているので、光ピックアップ装置に共振が生じたときに、光検出器の光軸方向に沿って光検出器に位置ずれが生じるということは回避される。光検出器の光軸方向に沿った力が光検出器に加えられようとされたときに、光検出器の照射面に沿って延設された位置ずれ防止部の第三固定部により、光検出器の光軸方向に沿った力は、よりくい止められる。
【0048】
請求項9に記載の発明によれば、光ピックアップ装置のハウジングに対し、光検出器に位置ずれが生じるということを、より防止させることができる。ハウジングに設けられた位置ずれ防止部の第一固定部と第三固定部との間に、両固定部を隔てる離間部が備えられているので、接着剤が用いられてハウジングに光検出器が装着されるときに、接着剤は、第一固定部と第三固定部との間の離間部に介在される。これにより、光検出器は、確実にハウジングに固着される。第一固定部と第三固定部とを隔てる離間部に接着剤が介在されることにより、光ピックアップ装置に各方向から激しい振動が加えられても、位置ずれ防止部の第一固定部と、第三固定部と、両固定部を隔てる離間部とに介在された接着剤により、光検出器に位置ずれが生じるということは、より回避される。従って、安定した動作が行われる光ピックアップ装置を提供することができる。
【0049】
請求項10に記載の発明によれば、確実に光検出器をハウジングに固定させることができる。ハウジングの位置ずれ防止部に設けられた固定部の溝に接着剤が入り込むことで、ハウジングに対し光検出器は確実に固定される。溝に入り込んで硬化した接着剤にアンカー効果が発揮されるので、接着剤は確実に溝内に固着される。溝に入り込んで固化した接着剤にアンカー効果が発揮されるので、光ピックアップ装置のハウジングに激しい振動が加えられても、接着剤に位置ずれが生じるということは回避される。従って、光検出器は、ハウジングの位置ずれ防止部における固定部の溝に入り込んだ接着剤により、確実にハウジングに固定される。
【0050】
請求項11に記載の発明によれば、確実に光検出器をハウジングに装着させることができる。ハウジングに光検出器を固定させるときに、ハウジングから突設された突出部の位置ずれ防止部に接着剤を塗布させることで、光検出器は、ハウジングに確実に固着される。また、ハウジングから突出部を突設させたことにより、ハウジングに光検出器を装着させるための接着剤の塗布作業が行われ易くなる。接着剤が塗布されるための位置ずれ防止部を備えた突出部がハウジングに突設されることにより、ハウジングに対する光検出器の位置ずれ発生は回避され易くなる。
【0051】
請求項12に記載の発明によれば、精度よく光検出器をハウジングに装着させることができる。接着剤が用いられて光検出器がハウジングに装着されるときに、固定板に光検出器が装備されていれば、ハウジングに対し、光検出器の取付けが行われるときの位置決め作業は行われ易くなる。光検出器がハウジングに装着されるときに、例えば、光路調整が行われつつハウジングに対し光検出器を備える固定板の取付位置調整が行われ、固定板の取付位置が定められたのちに、ハウジングの位置ずれ防止部と、固定板とに接着剤が塗布されることで、光検出器は、ハウジングに精度よく装着される。
【0052】
請求項13に記載の発明によれば、迅速に精度よく光検出器をハウジングに装着固定させることができる。紫外線硬化型接着剤は、塗布された接着剤に紫外線が照射されるだけで硬化するものとされている。光検出器がハウジングに装備されるときに、紫外線硬化型接着剤が用いられていれば、接着剤の固化は迅速に行われる。従って、接着剤が硬化する過程で、ハウジングに対し光検出器に位置ずれが生じるということは回避され、光検出器は正確にハウジングに装備される。
【0053】
請求項14に記載の発明によれば、精度よく光検出器をハウジングに装着固定させることができる。エポキシ系接着剤は、低収縮で耐熱性などに優れるものとされている。エポキシ系接着剤は、低収縮なものとされているので、ハウジングに対し光検出器は高精度に装着される。また、エポキシ系接着剤は、耐熱性に優れるものとされているので、例えば、光ピックアップ装置のハウジングが高温となったときに、接着剤が熱の影響を受けて甚だしく変質するということは回避される。光ピックアップ装置が高温となっても、光検出器は、エポキシ系接着剤により、ハウジングに精度よく確実に装着され続ける。
【0054】
請求項15に記載の発明によれば、持運びが容易なコンピュータ用光ディスク装置の光ピックアップ装置が動作不良を起こし、その結果、持運びが容易なコンピュータが正常に作動しないという不具合の発生を回避させることができる。持運びが容易なコンピュータとして、例えば、ラップトップ型コンピュータまたはノートブック型コンピュータが挙げられる。ラップトップ型コンピュータまたはノートブック型コンピュータといった持運びが容易なコンピュータは、小型化、軽薄化、軽量化される傾向にあり、これに伴って、光ピックアップ装置も小型化、軽薄化、軽量化される傾向にある。例えば、持運びが容易なコンピュータが移動されるときに、コンピュータに激しい振動が加えられることがあっても、光ピックアップ装置のハウジングに対して光検出器が位置ずれを起こし、光ピックアップ装置が正常に作動されなくなるという不具合の発生は回避される。光検出器は、ハウジングの位置ずれ防止部に固着される接着剤により、ハウジングに固定され続ける。従って、激しい振動が加えられるといった厳しい使用/環境下においても、安定した動作が行われる小型軽薄化光ピックアップ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る光ピックアップ装置の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】光ピックアップ装置の位置ずれ防止部を示す拡大説明図である。
【図3】同じく光ピックアップ装置の位置ずれ防止部を示す拡大平面図である。
【図4】従来の光ピックアップ装置の一形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下に本発明に係る光ピックアップ装置の一実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0057】
図1は、本発明に係る光ピックアップ装置の一実施の形態を示す斜視図、図2は、光ピックアップ装置の位置ずれ防止部を示す拡大説明図、図3は、同じく光ピックアップ装置の位置ずれ防止部を示す拡大平面図である。
【0058】
図1〜図3の如く、X−X軸に沿った方向が、光ピックアップ装置1の奥行方向とされる。また、図1および図2の如く、Y−Y軸に沿った方向が、光ピックアップ装置1の高さ方向とされる。また、図1および図3の如く、Z−Z軸に沿った方向が、光ピックアップ装置1の幅方向とされる。また、図2において、紙面に対し垂直な方向が光ピックアップ装置1のZ−Z軸方向とされる。また、図3において、紙面に対し垂直な方向が光ピックアップ装置1のY−Y軸方向とされる。なお、この明細書における各方向X,Y,Zの定義は、光ピックアップ装置1を説明するための便宜上のものとされる。
【0059】
光ディスク装置(図示せず)内に各種光ディスク(図示せず)などの各種メディア(図示せず)が挿入される。光ディスク装置に装備される光ピックアップ装置1が用いられて、光ディスクに記録された情報などのデータが再生される。また、光ディスク装置が用いられて、光ディスクに情報などのデータの記録が行われる。光ディスクとして、例えば、「CD−ROM」,「DVD−ROM」などの読出し専用の光ディスクや、「CD−R」,「DVD−R」,「DVD+R」などの追記型の光ディスクや、「CD−RW」,「DVD−RW」,「DVD+RW」(登録商標),「DVD−RAM」,「HD DVD」(登録商標),「Blu-ray Disc」(登録商標)などの書込み/消去や書換え可能なタイプの光ディスクなどが挙げられる。
【0060】
また、光ディスクとして、例えばディスク両面に信号面(図示せず)が設けられ、データ書込み/消去やデータ書換えが可能とされた光ディスク(図示せず)等も挙げられる。さらに、光ディスクとして、例えば二層の信号面(図示せず)が設けられ、データ書込み/消去やデータ書換えが可能とされた光ディスク(図示せず)等も挙げられる。
【0061】
「CD」は、「Compact Disc」(商標)の略称とされる。また、「DVD」(登録商標)は、「Digital Versatile Disc」もしくは「Digital Video Disc」の略称とされる。また、「CD−ROM」もしくは「DVD−ROM」の「ROM」は、「Read Only Memory」の略称とされ、CD−ROMもしくはDVD−ROMは、データ読出し専用のものとされている。また、「CD−R」または「DVD−R」もしくは「DVD+R」の「R」は、「Recordable」の略称とされ、CD−RまたはDVD−RもしくはDVD+Rは、データの書込みが可能なものとされている。また、「CD−RW」または「DVD−RW」もしくは「DVD+RW」の「RW」は、「ReWritable」の略称とされ、CD−RWまたはDVD−RWもしくはDVD+RWは、データの書換えが可能なものとされている。また、「DVD−RAM」は、「Digital Versatile Disc Random Access Memory 」の略称とされ、データの読み書き・消去が可能なものとされている。
【0062】
また、「HD DVD」は、「High Definition DVD 」の略称とされる。「HD DVD」は、従来のDVD系列のものと互換性をもたせ、且つ、従来のDVD系列のディスクよりも記憶容量の大きいものとされる。従来のCDには、赤色/近赤外レーザが用いられていた。また、従来のDVDには、赤色レーザが用いられていた。しかしながら、「HD DVD」の光ディスク200に記録されたデータ/情報が読み出されるときには、青紫色レーザが用いられる。また、「Blu-ray 」とは、従来の信号の読み書きに用いられていた赤色のレーザに対し、高密度記録が実現されるために採用された青紫色のレーザを意味する。
【0063】
図1の如く、ダイカスト製のハウジング50に、光検出器10が装備されている。光検出器10は、不図示の光ディスクからの反射光の一部を受光して、この受光量に比例した受光電流を生成するものとされている。この受光電流は、検出信号とされる。光検出器10は、レーザ光を受けて、その信号を電気信号に変えて、光ピックアップ装置1のレンズホルダ(図示せず)のサーボ機構(図示せず)を動作させるための信号を出力するためのものとされている。光検出器は、PDまたはPDICと呼ばれている。「PDIC」は、「Photo Diode IC」の略称である。このPDIC10は、アルミニウム製の固定板20に装着されている。また、このPDIC10は、フレキシブル基板5に通電可能に接続されている。
【0064】
このフレキシブル基板5は、フレキシブルプリント回路体として形成されている。フレキシブルプリント回路体(Flexible Printed Circuit)は、「FPC」と略称される。FPCは、複数の回路導体(図示せず)が絶縁シート(図示せず)に印刷されて、例えば銅箔などの金属箔(図示せず)が絶縁シートに並設され、その上に透明もしくは半透明の保護層(図示せず)が設けられて構成される。便宜上、絶縁シートの回路導体を省略したFPC5を図示した。
【0065】
光ピックアップ装置1は、上記各種のものを備えて構成される。光ピックアップ装置1は、図示されたもの以外に、他のもの(図示せず)も備えるものとされているが、図1〜図3においては、便宜上、それらの他のものを省略した。
【0066】
図1の如く、この光ピックアップ装置1は、光ディスク(図示せず)などのメディア(図示せず)から反射されたレーザ光を受光するPDIC10と、PDIC10が装備されるプレート20と、PDIC10を備えたプレート20が装備されるハウジング50とを備えるものとして構成されている。
【0067】
PDIC10を備えるプレート20は、PDIC10を備えるプレート20をハウジング50に装着させる接着剤91,92,93(図2,図3)が用いられてハウジング50に固定されている。各接着剤91,92,93は、同一の種類のものが用いられている。ハウジング50に対し、PDIC10を備えるプレート20もしくは固化された接着剤91,92,93の位置ずれを防ぐ一対の位置ずれ防止部80A,80B(図1)が、ハウジング50に設けられている。各位置ずれ防止部80A,80Bは、複数の方向X,Y,Zに沿って延設された複数の固定部81,82,83を有するものとされている。各位置ずれ防止部80A,80Bに接着剤91,92,93(図2,図3)が塗布されることで、ハウジング50に、PDIC10を備えるプレート20が装着される。
【0068】
このようにPDIC10を備えるプレート20がハウジング50に装着されていれば、PDIC10を備えるプレート20は、接着剤91,92,93およびハウジング50に設けられた位置ずれ防止部80A,80Bにより、確実にハウジング50に固定される。
【0069】
ハウジング50に対し、PDIC10を備えるプレート20もしくは固化された接着剤91,92,93の位置ずれを防ぐ一対の位置ずれ防止部80A,80Bがハウジング50に設けられ、各位置ずれ防止部80A,80Bは、複数の方向X,Y,Zに沿って延設された複数の固定部81,82,83を有するものとされているので、例えば、光ピックアップ装置1に激しい振動が加えられることがあっても、ハウジング50に対し、PDIC10を備えるプレート20が位置ずれを起こし、光ピックアップ装置1が正常に作動されなくなるという不具合の発生は回避される。PDIC10を備えるプレート20は、ハウジング50の位置ずれ防止部80A,80Bに固着される各接着剤91,92,93により、ハウジング50に固定される。
【0070】
従って、厳しい使用/環境下においても、PDIC10を備えるプレート20に位置ずれが生じることなく安定した動作が行われる光ピックアップ装置1を、光ピックアップ装置1の使用者や光ピックアップ装置1を備える光ディスク装置(図示せず)の組立メーカ等に提供することができる。
【0071】
ハウジング50に設けられた各位置ずれ防止部80A,80B(図1)は、第一方向Xに沿って延設された各第一固定部81a,81b,81c,81d,81e,81f,81g(図2)と、第一方向Xと異なる方向の第二方向Yに沿って延設された各第二固定部82a,82bとを備えるものとされている。
【0072】
このように各位置ずれ防止部80A,80Bが形成されていれば、PDIC10を備えるプレート20は、各接着剤91,92,93と、ハウジング50に設けられた位置ずれ防止部80A,80Bの各第一固定部81a,81b,81c,81d,81e,81f,81gおよび各第二固定部82a,82bとにより、確実にハウジング50に固定される。
【0073】
第一方向Xに沿って延設された各第一固定部81a,81b,81c,81d,81e,81f,81gと、第二方向Yに沿って延設された各第二固定部82a,82bとは、異なる方向に沿って延ばされているので、光ピックアップ装置1に複雑な振動が加えられても、PDIC10を備えるプレート20は、各接着剤91,92,93を介して、各第一固定部81a,81b,81c,81d,81e,81f,81gと、各第二固定部82a,82bとに確実に固定され続ける。第一方向Xに沿って延設された各第一固定部81a,81b,81c,81d,81e,81f,81gと、第二方向Yに沿って延設された各第二固定部82a,82bとは、ハウジング50に対し、PDIC10付プレート20の位置ずれを防止させるストッパーとしての機能を果たす。
【0074】
一対の突出部70A,70B上に設けられた各位置ずれ防止部80A,80Bは、PDIC10が位置する部分を中心に略対称に形成されている。
【0075】
第一方向Xに沿って延設された各第一固定部81a,81b,81c,81d,81e,81f,81gに対し、第二方向Yに沿って延設された各第二固定部82a,82bは、略直交する方向に沿って延長形成されている。
【0076】
このようにすることで、PDIC10を備えるプレート20は、各接着剤91,92,93と、ハウジング50に設けられた位置ずれ防止部80A,80Bの各第一固定部81a,81b,81c,81d,81e,81f,81gおよび各第二固定部82a,82bとにより、確実にハウジング50に固定される。第一方向Xに沿って延設された各第一固定部81a,81b,81c,81d,81e,81f,81gに対し、第二方向Yに沿って延設された各第二固定部82a,82bは、略直交する方向に沿って延長形成されているので、光ピックアップ装置1に複雑な振動が加えられて、光ピックアップ装置1のハウジング50に対し、PDIC10を備えるプレート20に位置ずれが生じるということは回避される。
【0077】
例えば、光ピックアップ装置1に共振が生じることがあっても、PDIC10を備えるプレート20は、各接着剤91,92,93を介して、ハウジング50に設けられた位置ずれ防止部80A,80Bの各第一固定部81a,81b,81c,81d,81e,81f,81gと、各第一固定部81a,81b,81c,81d,81e,81f,81gが延設された第一方向Xに対し、略直交する方向とされる第二方向Yに沿って延長形成された各第二固定部82a,82bとにより、確実にハウジング50に固着され続ける。
【0078】
上記第一方向X(図1)は、PDIC10に当てられるレーザ光の光軸方向とされている。また、上記第二方向Yは、PDIC10にレーザ光が当てられたときの照射面に沿った方向とされている。
【0079】
これにより、光ピックアップ装置1に複雑な振動が加えられ、その結果、光ピックアップ装置1のハウジング50に対し、PDIC10を備えるプレート20に位置ずれが生じ、光ピックアップ装置1が正常に作動しないという不具合の発生は確実に回避される。
【0080】
ハウジング50に設けられた位置ずれ防止部80A,80Bの各第一固定部81a,81b,81c,81d,81e,81f,81gは、PDIC10に当てられるレーザ光の光軸方向に沿って延設されているので、光ピックアップ装置1に共振が生じたときに、PDIC10の照射面に沿って、PDIC10を備えるプレート20に位置ずれが生じるということは回避される。
【0081】
PDIC10の照射面に沿った方向の力が、PDIC10を備えるプレート20に加えられようとされたときに、PDIC10の光軸方向に沿って延設された位置ずれ防止部80A,80Bの各第一固定部81a,81b,81c,81d,81e,81f,81gにより、PDIC10の照射面に沿った方向の力はくい止められる。
【0082】
また、ハウジング50に設けられた位置ずれ防止部80A,80Bの各第二固定部82a,82bは、PDIC10にレーザ光が当てられたときの照射面に沿って延設されているので、光ピックアップ装置1に共振が生じたときに、PDIC10の光軸方向に沿って、PDIC10を備えるプレート20に位置ずれが生じるということは回避される。
【0083】
PDIC10の光軸方向に沿った力が、PDIC10を備えるプレート20に加えられようとされたときに、PDIC10の照射面に沿って延設された位置ずれ防止部80A,80Bの各第二固定部82a,82bにより、PDIC10の光軸方向に沿った力はくい止められる。
【0084】
従って、光ピックアップ装置1に共振が生じることで、光ピックアップ装置1のハウジング50に対し、PDIC10を備えるプレート20に位置ずれが生じ、その結果、光ピックアップ装置1が正常に作動されないという不具合の発生は確実に回避される。
【0085】
図2の如く、位置ずれ防止部80A(80B)は、第一固定部81a,81b,81cと第二固定部82a,82bとを隔てる第一離間部85a,85b,85cを、さらに備えるものとして構成されている。
【0086】
第一離間部85a,85b,85cが位置ずれ防止部80A,80Bに備えられていれば、光ピックアップ装置1のハウジング50に対し、PDIC10を備えるプレート20に位置ずれが生じるということは確実に防止される。ハウジング50に設けられた位置ずれ防止部80A,80Bの第一固定部81a,81b,81cと第二固定部82a,82bとの間に、両固定部81a,81b,81c,82a,82bを隔てる第一離間部85a,85b,85cが備えられているので、接着剤91が用いられて、ハウジング50にPDIC10を備えるプレート20が装着されるときに、接着剤91は、第一固定部81a,81b,81cと第二固定部82a,82bとの間の第一離間部85a,85b,85cに介在される。
【0087】
これにより、PDIC10を備えるプレート20は、確実にハウジング50に固着される。第一固定部81a,81b,81cと第二固定部82a,82bとを隔てる第一離間部85a,85b,85cに、接着剤91が介在されることにより、光ピックアップ装置1に各方向から激しい振動が加えられても、位置ずれ防止部80A,80Bの第一固定部81a,81b,81cと、第二固定部82a,82bと、両固定部81a,81b,81c,82a,82bを隔てる第一離間部85a,85b,85cとに介在された接着剤91により、PDIC10を備えるプレート20に位置ずれが生じるということは回避される。従って、安定した動作が行われる光ピックアップ装置1を、光ピックアップ装置1の使用者や光ピックアップ装置1を備える光ディスク装置(図示せず)の組立メーカ等に提供することができる。
【0088】
ハウジング50に設けられた位置ずれ防止部80A,80Bは、第一方向Xと異なる方向とされ且つ第二方向Yと異なる方向とされる第三方向Zに沿って延設された第三固定部83a,83bを、さらに備えるものとして構成されている。
【0089】
位置ずれ防止部80A,80Bに第三固定部83a,83bが備えられることにより、PDIC10を備えるプレート20は、より確実にハウジング50に固定される。光ピックアップ装置1のハウジング50に設けられた位置ずれ防止部80A,80Bは、各方向に沿って延設された第一固定部81a,81b,81c,81d,81e,81f,81gと、第二固定部82a,82bと、第三固定部83a,83bとを備えるものとされているので、光ピックアップ装置1に激しい振動が加えられても、PDIC10を備えるプレート20は、各第一固定部81a,81b,81c,81d,81e,81f,81gと、各第二固定部82a,82bと、各第三固定部83a,83bと、各接着剤91,92,93とにより、確実にハウジング50に固定され続ける。従って、厳しい使用/環境下で光ピックアップ装置1が使われても、ハウジング50に対し、PDIC10を備えるプレート20が位置ずれを起こし、光ピックアップ装置1に動作不良が生じるということは回避される。
【0090】
第一方向Xに沿って延設された各第一固定部81a,81b,81c,81d,81e,81f,81gと、第二方向Yに沿って延設された各第二固定部82a,82bとに対し、第三方向Zに沿って延設された各第三固定部83a,83bは、ハウジング50から突設された突出部70A,70Bの角部75a,75bにおいて、略直交する方向に沿って延ばされると共に湾曲状に延長形成されている。
【0091】
PDIC10を備えるプレート20は、固化された各接着剤91,92,93と、ハウジング50に設けられた位置ずれ防止部80A,80Bの各第一固定部81a,81b,81c,81d,81e,81f,81gと、各第二固定部82a,82bと、各第三固定部83a,83bとにより、確実にハウジング50に固定される。
【0092】
第一方向Xに沿って延設された各第一固定部81a,81b,81c,81d,81e,81f,81gと、第二方向Yに沿って延設された各第二固定部82a,82bとに対し、第三方向Zに沿って延設された各第三固定部83a,83bは、略直交する方向に沿って延ばされると共に湾曲状に延長形成されているので、光ピックアップ装置1に複雑な振動が加えられて、光ピックアップ装置1のハウジング50に対し、PDIC10を備えるプレート20に位置ずれが生じるということは確実に回避される。
【0093】
例えば、光ピックアップ装置1に共振が生じることがあっても、PDIC10を備えるプレート20は、各接着剤91,92,93を介して、ハウジング50に設けられた位置ずれ防止部80A,80Bの各第一固定部81a,81b,81c,81d,81e,81f,81gと、第一方向Xに対し略直交する方向の第二方向Yに沿って延長形成された各第二固定部82a,82bと、第一方向Xと第二方向Yとに対し略直交する方向の第三方向Zに沿って延設された各第三固定部83a,83bとにより、確実にハウジング50に固着され続ける。
【0094】
前記第三方向Zは、PDIC10にレーザ光が当てられたときの照射面に沿った方向とされている。
【0095】
これにより、光ピックアップ装置1に複雑な振動が加えられ、その結果、光ピックアップ装置1のハウジング50に対し、PDIC10を備えるプレート20に位置ずれが生じ、光ピックアップ装置1が正常に作動しないという不具合の発生は回避される。ハウジング50に設けられた位置ずれ防止部80A,80Bの各第三固定部83a,83bは、PDIC10にレーザ光が当てられたときの照射面に沿って延設されているので、光ピックアップ装置1に共振が生じたときに、PDIC10の光軸方向に沿ってPDIC10を備えるプレート20に位置ずれが生じるということは回避される。PDIC10の光軸方向に沿った力が、PDIC10を備えるプレート20に加えられようとされたときに、PDIC10の照射面に沿って延設された位置ずれ防止部80A,80Bの各第三固定部83a,83bにより、PDIC10の光軸方向に沿った力は、よりくい止められる。
【0096】
図2の如く、ハウジング50に設けられた位置ずれ防止部80A(80B)は、第一固定部81d,81e,81f,81gと、第三固定部83a,83bとを隔てる第二離間部85d,85e,85f,85gを、さらに備えるものとして構成されている。図3を用いて詳しく説明すると、ハウジング50に設けられた位置ずれ防止部80A(80B)は、第一固定部81d,81eと、第三固定部83aとを隔てる第二離間部85d,85eを、さらに備えるものとして構成されている。
【0097】
光ピックアップ装置1のハウジング50に設けられた位置ずれ防止部80A,80Bに、第二離間部85d,85e,85f,85gが備えられることにより、光ピックアップ装置1のハウジング50に対して、PDIC10を備えるプレート20に位置ずれが生じるということは、より防止される。ハウジング50に設けられた位置ずれ防止部80A,80Bの第一固定81d,81e,81f,81gと、第三固定部83a,83bとの間に、両固定81d,81e,81f,81g,83a,83bを隔てる第二離間部85d,85e,85f,85gが備えられているので、接着剤92,93が用いられて、ハウジング50にPDIC10を備えるプレート20が装着されるときに、接着剤92,93は、第一固定部81d,81e,81f,81gと第三固定部83a,83bとの間の第二離間部85d,85e,85f,85gに介在される。これにより、PDIC10を備えるプレート20は、確実にハウジング50に固着される。
【0098】
第一固定部81d,81e,81f,81gと第三固定部83a,83bとを隔てる第二離間部85d,85e,85f,85gに、接着剤92,93が介在されることにより、光ピックアップ装置1に各方向から激しい振動が加えられても、位置ずれ防止部80A,80Bの第一固定81d,81e,81f,81gと、第三固定部83a,83bと、両固定部81d,81e,81f,81g,83a,83bを隔てる第二離間部85d,85e,85f,85gとに介在された接着剤92,93により、PDIC10を備えるプレート20に位置ずれが生じるということは、より回避される。従って、安定した動作が行われる光ピックアップ装置1を、光ピックアップ装置1の使用者や光ピックアップ装置1を備える光ディスク装置(図示せず)の組立メーカ等に提供することができる。
【0099】
ハウジング50(図1)の位置ずれ防止部80A,80Bに設けられた固定部81,82,83は、接着剤91,92,93(図2,図3)が入り込むことのできる断面略矩形状の溝81,82,83(図1)を備えるものとされている。図2を用いて詳しく説明すると、固定部81a,81b,81c,81d,81e,81f,81g,82a,82b,83a,83bは、接着剤91,92,93が入り込むことのできる断面略矩形状の溝81a,81b,81c,81d,81e,81f,81g,82a,82b,83a,83bを備えるものとされている。
【0100】
また、第一溝81a,81b,81cと第二溝82a,82bとを隔てる第一離間部85a,85b,85cは、第一隔壁85a,85b,85cとして形成されている。また、第一溝81d,81e,81f,81gと、第三溝83a,83bとを隔てる第二離間部85d,85e,85f,85gは、第二隔壁85d,85e,85f,85gとして形成されている。
【0101】
このように、ハウジング50の位置ずれ防止部80A,80Bが凹凸状に形成されることにより、PDIC10を備えるプレート20は、確実にハウジング50に固定される。ハウジング50の位置ずれ防止部80A,80Bに設けられた固定部81a,81b,81c,81d,81e,81f,81g,82a,82b,83a,83bの溝81a,81b,81c,81d,81e,81f,81g,82a,82b,83a,83bに接着剤91,92,93が入り込むことで、ハウジング50に対し、PDIC10を備えるプレート20は確実に固定される。
【0102】
溝81a,81b,81c,81d,81e,81f,81g,82a,82b,83a,83bに入り込んで硬化した接着剤91,92,93に、アンカー効果が発揮されるので、接着剤91,92,93は、確実に溝81a,81b,81c,81d,81e,81f,81g,82a,82b,83a,83b内に固着される。アンカー効果とは、接着剤が被着材の表面にある空隙に侵入硬化し、釘や楔のような働きをすることをいう。アンカー効果は、投錨効果もしくはファスナー効果とも呼ばれている。
【0103】
溝81a,81b,81c,81d,81e,81f,81g,82a,82b,83a,83bに入り込んで固化した接着剤91,92,93にアンカー効果が発揮されるので、光ピックアップ装置1のハウジング50に激しい振動が加えられても、固化された接着剤91,92,93に位置ずれが生じるということは回避される。
【0104】
従って、PDIC10を備えるプレート20は、ハウジング50の位置ずれ防止部80A,80Bにおける固定部81a,81b,81c,81d,81e,81f,81g,82a,82b,83a,83bの溝81a,81b,81c,81d,81e,81f,81g,82a,82b,83a,83bに入り込んで固化された接着剤91,92,93により、確実にハウジング50に固定される。
【0105】
位置ずれ防止部80A,80Bは、ハウジング50から互いに向かい合わせられて突設された一対の突出部70A,70B上に設けられている。ハウジング50から互いに向かい合わせられて突設された一対の突出部70A,70Bは、PDIC10が位置する部分を中心に略対称に形成されている。
【0106】
これにより、PDIC10を備えるプレート20は、確実にハウジング50に装着される。ハウジング50にPDIC10を備えるプレート20を固定させるときに、ハウジング50から突設された突出部70A,70Bの位置ずれ防止部80A,80Bに、接着剤91,92,93を塗布させることで、PDIC10を備えるプレート20は、ハウジング50に確実に固着される。
【0107】
また、ハウジング50から突出部70A,70Bが突設されたことにより、ハウジング50に、PDIC10を備えるプレート20を装着させるための接着剤91,92,93の塗布作業が行われ易くなる。接着剤91,92,93が塗布されるための位置ずれ防止部80A,80Bを備えた突出部70A,70Bがハウジング50に突設されることにより、ハウジング50に対し、PDIC10を備えるプレート20の位置ずれ発生は、回避され易くなる。
【0108】
PDIC10は、ハウジング50に対してPDIC10の位置決めを行わせ易くさせるプレート20に装備されている。PDIC10が装備されたプレート20と、ハウジング50の位置ずれ防止部80A,80Bとに、接着剤91,92,93が塗布される。
【0109】
これにより、PDIC10を備えるプレート20は、精度よくハウジング50に装着される。接着剤91,92,93が用いられて、PDIC10を備えるプレート20がハウジング50に装着されるときに、プレート20にPDIC10が装備されていれば、ハウジング50に対し、PDIC10の取付けが行われるときの位置決め作業は行われ易くなる。
【0110】
PDIC10がハウジング50に装着されるときに、例えば、光路調整が行われつつハウジング50に対してPDIC10を備えるプレート20の取付位置調整が行われ、プレート20の取付位置が定められたのちに、ハウジング50の位置ずれ防止部80A,80Bと、プレート20とに、接着剤91,92,93が塗布されることで、PDIC10を備えるプレート20は、ハウジング50に精度よく装着される。
【0111】
上記接着剤91,92,93として、紫外線が照射されることで硬化する紫外線硬化型接着剤91,92,93が用いられた。
【0112】
これにより、PDIC10を備えるプレート20は、迅速に精度よくハウジング50に装着固定される。紫外線硬化型接着剤91,92,93は、塗布された接着剤91,92,93に紫外線が照射されるだけで硬化するものとされている。PDIC10を備えるプレート20がハウジング50に装備されるときに、紫外線硬化型接着剤91,92,93が用いられていれば、接着剤91,92,93の固化は迅速に行われる。従って、接着剤91,92,93が硬化する過程で、ハウジング50に対しPDIC10を備えるプレート20に位置ずれが生じるということは回避され、PDIC10を備えるプレート20は、正確にハウジング50に装備される。
【0113】
上記接着剤91,92,93として、エポキシ系接着剤91,92,93が用いられた。
【0114】
これにより、PDIC10を備えるプレート20は、精度よくハウジング50に装着固定される。エポキシ系接着剤91,92,93は、低収縮で耐熱性などに優れるものとされている。エポキシ系接着剤91,92,93は、低収縮なものとされているので、ハウジング50に対し、PDIC10を備えるプレート20は高精度に装着される。
【0115】
また、エポキシ系接着剤91,92,93は、耐熱性に優れるものとされているので、例えば、光ピックアップ装置1のハウジング50が高温となったときに、接着剤91,92,93が熱の影響を受けて甚だしく変質するということは回避される。光ピックアップ装置1が高温となっても、PDIC10を備えるプレート20は、エポキシ系接着剤91,92,93により、ハウジング50に精度よく確実に装着され続ける。エポキシ系接着剤91,92,93は、硬化後に、比較的硬いものとなる。
【0116】
光硬化型接着剤の一種とされる紫外線硬化型接着剤として、例えば、米国EMI社製:商品名「OPTOCAST」シリーズのもの等が挙げられる。具体的な紫外線硬化型接着剤としては、米国EMI社製:OPTOCAST3400,OPTOCAST3415等が挙げられる。OPTOCAST3400,OPTOCAST3415等の紫外線硬化型接着剤は、エポキシ系のものとされ、一液性の紫外線硬化型接着剤とされている。エポキシ系の紫外線硬化型接着剤は、低収縮性で高耐熱性のものとされ、耐薬品性、耐湿性に優れるものとされている。一液性の紫外線硬化型接着剤が用いられることにより、二液性の紫外線硬化型接着剤が使用されるときに行われる液と液との混合作業が不要となる。従って、接着剤の塗布工程は、迅速で効率的に行われる。
【0117】
また、光硬化型接着剤の一種とされる紫外線硬化型接着剤として、例えば、米国NORLAND社製:光学UV接着剤NOA60,NOA83H等が挙げられる。光学UV接着剤NOA60,NOA83H等の紫外線硬化型接着剤は、アクリル系のものとされ、一液性の紫外線硬化型接着剤とされている。アクリル系の紫外線硬化型接着剤は、硬化時間が短く数秒単位で硬化可能なものとされている。「UV」とは、「ultraviolet 」を意味する。また、「ultraviolet radiation 」は、「紫外線」を意味する。紫外線硬化型接着剤は、UV硬化型接着剤などと呼ばれている。光ピックアップ装置の設計仕様などにより、例えば二液性の紫外線硬化型接着剤が用いられて接着工程が行われたものも使用可能とされる。二液性の紫外線硬化型接着剤として、例えば二液性エポキシ系の紫外線硬化型接着剤などが挙げられる。
【0118】
PDIC10がハウジング50に装着されるときの工程について説明する。先ず、PDIC10の光路位置調整を行う。ハウジング50内に形成される光路(図示せず)に対し、PDIC10のX軸と、PDIC10のY軸と、PDIC10のZ軸とを調整する。ハウジング50に対するPDIC10の取付位置調整が行われたのちに、PDIC10が装着されたプレート20と、ハウジング50の位置ずれ防止部80A,80Bとの間に、固定用のエポキシ系紫外線硬化型接着剤91,92,93を橋渡すようにして塗布する。その後、エポキシ系紫外線硬化型接着剤91,92,93に紫外線を照射させて、エポキシ系紫外線硬化型接着剤91,92,93を硬化させる。このようにして、PDIC10を備えるプレート20をハウジング50に固定させる。
【0119】
光ピックアップ装置1は、持運びが容易なコンピュータの光ディスク装置(図示せず)に装備可能な小型軽薄なものとされている。
【0120】
略安定した動作を行う小型軽薄な光ピックアップ装置1が光ディスク装置に装備されていれば、持運びが容易なコンピュータ用光ディスク装置の光ピックアップ装置1が動作不良を起こし、その結果、持運びが容易なコンピュータが正常に作動しないという不具合の発生は回避される。持運びが容易なコンピュータとして、例えば、ラップトップ型コンピュータ(図示せず)や、ノートブック型コンピュータ(図示せず)等が挙げられる。
【0121】
コンピュータについて説明する。パーソナルコンピュータ(Personal Computer )は、「PC」と略称とされている。また、パーソナルコンピュータは、パソコン等と略称されて用いられている。
【0122】
デスクトップ型コンピュータは、卓上型コンピュータとされ、机の上で使用可能なコンピュータとされている。しかしながら、デスクトップ型コンピュータは、容易に持運びができないタイプのものとされている。
【0123】
デスクトップ型PCに対し、ラップトップ型PCや、ノート型PCは、軽量化、軽薄化が要求されることから、スリム型ドライブとされる光ディスク装置を備えた構造のものとされている。ラップトップ型PCや、ノート型PCは、デスクトップ型PCと異なる構造のものとされている。ラップトップ型PCもしくはノート型PCは、ディスプレイ(図示せず)と、PC本体(図示せず)とが、一体構造のものとされている。PC本体に対し、ディスプレイが折りたたまれることで、ラップトップ型PCもしくはノート型PCは、薄型サイズのものとなる。ノート型PCは、このものが折りたたまれて平面視されたときに、略A4判もしくはこれ以下の大きさの汎用PCとされる。このようなことから、ノート型PCは、ブック型PCとも呼ばれている。このように、ノート型PCもしくはラップトップ型PCは、コンパクトなものとして容易に持運びができるものとされている。
【0124】
ラップトップ型コンピュータや、ノートブック型コンピュータ等の持運びが容易な形態のコンピュータは、小型化、軽薄化、軽量化される傾向にあり、これに伴って、光ピックアップ装置1も小型化、軽薄化、軽量化される傾向にある。
【0125】
例えば、持運びが容易なコンピュータが移動されるときに、コンピュータに激しい振動が加えられることがあっても、光ピックアップ装置1のハウジング50に対してPDIC10が位置ずれを起こし、光ピックアップ装置1が正常に作動されなくなるという不具合の発生は回避される。PDIC10は、ハウジング50の位置ずれ防止部80A,80Bに固着される接着剤91,92,93により、ハウジング50に固定され続ける。
【0126】
従って、激しい振動が加えられるといった厳しい使用/環境下においても、PDIC10を備えるプレート20に位置ずれが生じることなく、安定した動作が行われる小型軽薄化光ピックアップ装置1を、光ピックアップ装置1の使用者や光ピックアップ装置1を備える光ディスク装置の組立メーカ等に提供することができる。
【0127】
上記光ピックアップ装置1は、例えば「CD−ROM」,「DVD−ROM」などに対応したデータ読出し専用の光ディスク装置に装備可能とされる。また、上記光ディスク装置用チルト調整回路は、例えば、「CD−ROM」,「DVD−ROM」などの読出し専用の光ディスクや、「CD−R」,「DVD−R」,「DVD+R」などの追記型の光ディスクや、「CD−RW」,「DVD−RW」,「DVD+RW」,「DVD−RAM」,「HD−DVD」,「Blu ray Disc」などの書込み/消去や書換え可能なタイプの光ディスクに対応した光ディスク装置に装備可能とされる。
【0128】
また、上記光ピックアップ装置1を備える光ディスク装置は、例えば、ノート型PCや、ラップトップ型PCや、デスクトップ型PCなどのコンピュータや、CDプレーヤなどの音響機器や、DVDプレーヤなどの音響/映像機器などに装備可能なものとされる。また、上記光ディスク装置は、CD系光ディスクや、DVD系光ディスク等の複数のメディアに対応可能なものとされる。本発明のものは、図示されたものに限定されるものではない。本発明のものは、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能なものとされる。
【符号の説明】
【0129】
1 光ピックアップ装置
5 FPC(フレキシブル基板)
10 PDIC(光検出器)
20 プレート(固定板)
50 ハウジング
70A,70B 突出部
75a,75b 角部
80A,80B 位置ずれ防止部
81,81a,81b,81c,81d,81e,81f,81g,82,82a,82b,83,83a,83b 溝(固定部)
85a,85b,85c,85d,85e,85f,85g 隔壁(離間部)
91,92,93 紫外線硬化型接着剤(接着剤)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアから反射された光を受光する光検出器と、
該光検出器が装備されるハウジングと
を備え、
該光検出器は、該光検出器を該ハウジングに装着させる接着剤が用いられて該ハウジングに固定され、
該ハウジングに対し該光検出器もしくは該接着剤の位置ずれを防ぐ位置ずれ防止部が該ハウジングに設けられ、
該位置ずれ防止部は、複数の方向に沿って延設された固定部を有し、
該位置ずれ防止部に該接着剤が塗布されることで、該ハウジングに該光検出器が装着されたことを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項2】
前記位置ずれ防止部は、
第一方向に沿って延設された第一固定部と、
該第一方向と異なる方向の第二方向に沿って延設された第二固定部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
【請求項3】
前記第一方向に沿って延設された前記第一固定部に対し、前記第二方向に沿って延設された前記第二固定部は、略直交する方向に沿って延長形成されたことを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ装置。
【請求項4】
前記第一方向は、前記光検出器に当てられる前記光の光軸方向とされ、
前記第二方向は、該光検出器に該光が当てられたときの照射面に沿った方向とされたことを特徴とする請求項2又は3に記載の光ピックアップ装置。
【請求項5】
前記位置ずれ防止部は、前記第一固定部と前記第二固定部とを隔てる離間部を、さらに備えることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の光ピックアップ装置。
【請求項6】
前記位置ずれ防止部は、前記第一方向と異なる方向とされ且つ前記第二方向と異なる方向とされる第三方向に沿って延設された第三固定部を、さらに備えることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載の光ピックアップ装置。
【請求項7】
前記第一方向に沿って延設された前記第一固定部と、前記第二方向に沿って延設された前記第二固定部とに対し、前記第三方向に沿って延設された前記第三固定部は、略直交する方向に沿って延長形成されたことを特徴とする請求項6に記載の光ピックアップ装置。
【請求項8】
前記第三方向は、前記光検出器に前記光が当てられたときの照射面に沿った方向とされたことを特徴とする請求項6又は7に記載の光ピックアップ装置。
【請求項9】
前記位置ずれ防止部は、前記第一固定部と、前記第三固定部とを隔てる離間部をさらに備えることを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載の光ピックアップ装置。
【請求項10】
前記固定部は、前記接着剤が入り込むことのできる溝を備えることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の光ピックアップ装置。
【請求項11】
前記位置ずれ防止部は、前記ハウジングから突設された突出部に設けられたことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の光ピックアップ装置。
【請求項12】
前記光検出器は、前記ハウジングに対し該光検出器の位置決めを行わせ易くさせる固定板に装備され、
該固定板と、該ハウジングの前記位置ずれ防止部とに、前記接着剤が塗布されたことを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の光ピックアップ装置。
【請求項13】
前記接着剤として、紫外線が照射されることで硬化する紫外線硬化型接着剤が用いられたことを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の光ピックアップ装置。
【請求項14】
前記接着剤として、エポキシ系接着剤が用いられたことを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の光ピックアップ装置。
【請求項15】
持運びが容易なコンピュータの光ディスク装置に装備可能とされたことを特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載の光ピックアップ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−123996(P2011−123996A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29179(P2011−29179)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【分割の表示】特願2006−162175(P2006−162175)の分割
【原出願日】平成18年6月12日(2006.6.12)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】