説明

光ファイバ・ジャイロスコープ用磁気補償器

光ファイバ・ジャイロスコープ(FOG)は、センシングコイルの幾何学軸に対して特定の磁気感度の大きさと方向とをもつセンシングコイルを含む。FOGは、複数の磁気補償器も含む。各磁気補償器は、特定の磁気感度の大きさと方向とを有するように製造され、その大きさは、大きさと方向とに関して大きな許容範囲をもって、センシングコイルの感度と同等である。補償器の合成された磁気感度がセンシングコイルの磁気感度を打ち消すように、補償器が、互いに対して、またセンシングコイルに対して位置決めされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般に光ファイバ・ジャイロスコープに関し、より具体的には、そのようなジャイロスコープ用の磁気補償器に関する。
【背景技術】
【0002】
米国政府の権益
本発明は米国海軍省との契約書第N00030−02−C−0011号のもとに米国政府からの資金援助で開発された。したがって米国政府が本発明に一定の権利を有する。
【0003】
光ファイバ・ジャイロスコープ(FOG)は、2つの干渉し、逆方向に伝播する光ビームの間で位相シフト差を検出することによって回転を検知するのに使用されるデバイスである。当業者に周知であるように、FOGは磁界がある場合にバイアス・オフセット誤差を示す。これらのバイアス・オフセット誤差は、自然に、不可避的にFOG製造プロセスの間に生じるファイバねじれによって引き起こされる。
【0004】
磁界の影響を減少させる1つの通常のアプローチは、磁気シールド材料を含む筐体中にFOGの一定の構成要素を収納するということで、それは、FOGの敏感な構成要素を磁界の影響から保護するように設計される。しかし、このアプローチは多くの欠点がある。例えば、そのような磁気シールド材料はFOGの重量もコストも共に増加させる。さらに、周囲の磁界の影響から敏感な構成要素を完全に分離するために十分なシールド材料を用いてFOGを収納することは、一般的には実行不可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
磁界の影響を減少させる別のアプローチは、周囲の磁界がある場合に影響を受けるバイアス・オフセット誤差を補償するように特別に設計された光学構成要素、つまり補償器をFOGに追加することである。このアプローチは、一般的には複雑な、労力を要する製造プロセスを含み、まず、FOGの全体の磁気感度の軸方向及び接線方向成分が決定される。次いで、2つの別々の補償器が、独立に、これらの成分のそれぞれに正確に一致し、それらを打ち消すように設計、製造される。つまり、第1補償器が軸方向の磁気感度成分を打ち消すように設計、製造され、第2補償器が接線方向の磁気感度成分を打ち消すように設計、製造される。
【0006】
このアプローチには、多くの欠点もある。例えば、そのアプローチは、各補償器が、その感度の大きさと方向とに対し共に極端に厳しい許容範囲に従って製造されなければならないことを要求する。さらに、このアプローチを利用することによって、FOGに対する組み立てプロセスは、補償器の軸に沿う感度を確実に打ち消すことと、その直交軸に沿う感度をもち込むことを確実に避けるために両方の補償器の機械的な位置合わせに関する厳しい許容範囲を伴う。このアプローチに付随した厳しい許容範囲が与えられると、その結果は、許容可能な補償レベルが達成されるまで、継続的に感度を調整する非常に労働集約的、反復的プロセスになる。その上に、最先端の製造技術を用いたとしても、特定の感度を有する補償器を製造できることに関しては限界がある。結果として、そのような補償器の最終的性能が制限される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
FOG磁気補償器に付随した前述した欠点が、本発明の実施形態によって対処され、以下の明細書を参照し、検討することによって理解されるであろう。
一実施形態では、光ファイバ・ジャイロスコープは、センシングコイルの幾何学軸に関して特定の大きさと方向とをもつ磁気感度を有するセンシングコイルを含む。さらに光ファイバ・ジャイロスコープは、大きさにおいてセンシングコイルの磁気感度と同等の磁気感度を有する第1補償器と、大きさにおいてセンシングコイルの磁気感度及び第1補償器の磁気感度と同等の磁気感度を有する第2補償器とを含む。補償器の合成された磁気感度がセンシングコイルの磁気感度を打ち消すように、第1補償器及び第2補償器が、互いに対して、またセンシングコイルに対して位置決めされる。いずれの補償器もセンシングコイルの磁気感度の軸方向成分または接線方向成分と正確に一致させる必要はない。
【0008】
別の実施形態では、光ファイバ・ジャイロスコープは、センシングコイルの幾何学軸に対して特定の磁気感度の大きさと方向とをもつセンシングコイルと、複数の磁気補償器とを含む。各磁気補償器は、特定の磁気感度の大きさと方向とを有するように製造され、その磁気感度の大きさは、磁気感度の大きさと方向に関して大きな許容範囲をもって、センシングコイルの感度と同等である。補償器の合成された磁気感度がセンシングコイルの磁気感度を打ち消すように、補償器が、互いに対して、またセンシングコイルに対して位置決めされる。
【0009】
別の実施形態では、光ファイバ・ジャイロスコープを製造する方法が、センシングコイルの幾何学軸に関して測定可能な大きさと方向とをもつ磁気感度を有するセンシングコイルを製造すること、及び大きさにおいてセンシングコイルの磁気感度と同等の磁気感度を有する、複数の前もって製造された補償器を提供することを含む。この方法は、さらに補償器の合成された磁気感度がセンシングコイルの磁気感度を打ち消すように、2つ以上の補償器を、互いに対して、またセンシングコイルに対して位置決めすることを含む。
【0010】
別の実施形態では、センシングコイルと、第1補償器と、第2補償器とを含む光ファイバ・ジャイロスコープを組み立てる方法が実施される。その方法は、センシングコイル、第1補償器、及び第2補償器を最初の位置に位置決めすることを含み、センシングコイル、第1補償器、及び第2補償器のそれぞれが軸方向成分と接線方向成分とをもつ磁気感度を有する。この方法はさらに、センシングコイルと第1補償器の幾何学軸を、ほぼ平行に、また第2補償器の幾何学軸をセンシングコイルと第1補償器の幾何学軸に対し非平行に位置決めすること、第2補償器をそれ自身の幾何学軸を中心として、磁気感度の軸方向成分の和が、ほぼゼロになるまで回転させること、及び第1補償器と第2補償器をセンシングコイルの幾何学軸にほぼ平行な軸を中心として、磁気感度の接線成分の和が、ほぼゼロになるまで回転させることを含む。
【0011】
特許請求される本発明の1つのまたは複数の実施形態の詳細が添付の図面と以下の説明の中に記載されている。他の特徴と利点が、その説明、図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
種々の図面において、同様の参照番号及び名称は同様の要素を示す。
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を成し、本発明が実施できる特定の例示的実施形態を例として示す添付の図面を参照する。これらの実施形態は、十分詳細に説明されており当業者が本発明を実施することを可能にし、また、別の実施形態が利用されてよく、本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく論理的、機械的、及び電気的変更を加えることができることを理解されたい。したがって以下の詳細な説明は、制限的な意味に捉えられるべきでない。
【0013】
図1は、従来の磁気補償器と製造技術で実施されたFOGの構成要素の図示である。図1の実施形態において図示された構成要素は、センシングコイル110と、横方向補償器120、及び軸方向補償器130を含む。当業者に周知であるように、センシングコイル110は、周囲に磁界がある場合に受けるバイアス・オフセット誤差を特徴づける磁気感度Sを示す。補償器120、130が、センシングコイル110の磁気感度を受動的に打ち消すように光学回路に追加される。図1に図示された従来の磁気補償器と方法を用いると、この磁気感度が、Sで標示された接線方向磁気感度成分140と、Sで標示された軸方向磁気感度成分150で表される直交するベクトルに分解され、それらは、センシングコイル110の幾何学軸に、それぞれ垂直及び平行である。
【0014】
センシングコイル110とは違って、補償器120、130は、好ましくは1方向だけに磁気感度を示す。特に横方向補償器120は、好ましくはCで標示された接線方向磁気感度160だけで、ほとんど軸方向磁気感度を示さない、それに対して、軸方向補償器130は、好ましくはCで標示された軸方向磁気感度170だけで、ほとんど接線方向磁気感度を示さない。
【0015】
センシングコイル110が製造された後に、SとSの大きさが決定される。ひとたび、これらの大きさが決定されると、補償器で打ち消そうと意図しているセンシングコイル110の感度成分に、それら補償器の磁気感度が正確に一致するように、横方向補償器120と軸方向補償器130が設計される。言い換えると、横方向補償器120は、Cの大きさが、正確にSの大きさに一致するように設計され、軸方向補償器130は、Cの大きさが正確にSの大きさに一致するように設計される。
【0016】
いったん補償器120と130が設計されると、補償器は、それぞれ、C及びCの大きさと方向の両方に対し極端に厳しい許容範囲を満たすように厳密な標準に適合して製造されなければならない。次いで、センシングコイル110、横方向補償器120、軸方向補償器130、及びFOGの他の構成要素が、当業者によって良く知られ、良く理解されている様々な従来技術を用いて組み立てられる。
【0017】
補償器120、130の磁気感度は、不可避的に起こり、現在利用可能な製造技術を用いて完全には制御できないファイバのねじれによって影響されるので、C及びCの設計値からの少なくともわずかな偏差が製造プロセスの間で起こると言わざるをえない。その結果、補償器120、130の製造は、受け入れられるレベルの補償が達成されるまで補償器120、130の磁気感度をそれぞれ測定しては調整する典型的な反復的プロセスになる。この時間を費やし、また労働集約的なプロセスは、全体のFOG製造プロセスに対し相当なコストと複雑さを付加する。さらに、正確に制御された磁気感度を有する補償器を製造することができないことから、さらに、そのような補償器の究極的性能を本質的に制限する。以下に説明されるシステムと方法は、従来の磁気補償器に付随したこれらの、また他の欠点に対処する。
【0018】
図2は、本発明の一実施形態に従って実施される磁気補償器を含むFOGの構成要素を図示している。図示された実施形態において、構成要素は、センシングコイル210、第1補償器220、及び第2補償器230を含む。センシングコイル210は、従来のもので、様々な周知の技術を用いて設計、製造することができる。ある実施形態では、補償器220、230は、光ファイバのコイル状の及びねじれた長さを含む。補償器220、230は、好ましくは、ファラデー効果により磁気感度を有する、例えば、ビスマス鉄ガーネットなど適切な材料を含む光デバイスである。
【0019】
前述したように、センシングコイル210は、周囲に磁界がある場合に受けるバイアス・オフセット誤差を特徴づける磁気感度240を示す。全磁気感度240、Sは、それぞれセンシングコイル210の幾何学軸に平行、及び垂直である直交するベクトルS、Sに分解できる。しかし、前述した従来のアプローチと違って、個々の補償器が、独立にSの接線方向成分及び軸方向成分を打ち消す(つまり、1つの補償器はSを打ち消し、別の補償器はSを打ち消す)ように設計し、組み立てられてない。むしろ、C、Cで標示された、それぞれの補償器の磁気感度250、260の組合せが、センシングコイル210の全体の磁気感度240を受動的に打ち消すように、補償器220、230を互いに対して、またセンシングコイル210に対して位置決めすることによって、補償が達成される。このプロセスは、全ての感度の和がゼロとなるような全てのベクトルの単純な加算としてベクトル空間内でモデル化できる。
【0020】
例えば、図3は、センシングコイル210の磁気感度240(S)と、補償器220、230の磁気感度250、260(C及びC)とのベクトル空間表現である。簡単にするために図3は、S、C、Cが単一平面内にある2次元の場合を図示している。図3に図示されているように、CとCのベクトル和が、センシングコイル210の感度240、Sと同じ大きさをもつが、逆方向に向いているCで標示された全体の補償感度270を作るように、角度θ、θが調整されてもよい。
【0021】
数学的には、ベクトルは、常用座標中に分解することができ、したがって以下の2つの数式1及び数式2で定義できる。
【0022】
【数1】

【0023】
【数2】

【0024】
これらの数式において、C、C、及びSは、成分感度によって定義され、一方θとθは、組み立て時点で調整されるべき変数である。図3に図示されている2次元の筋書きでは、ゼロにさせることが必要な2つの数式があり、調整されるべき2つの変数θとθがある。したがって、任意の1つの感度C、C、またはSの大きさが、他の2つの和より大きくない限り、これらの数式を、ゼロに等しくさせることができる。
【0025】
従来の補償器と違って、C、Cは、Sを効果的に打ち消すために非常に狭いマージン内に入る必要がないので、この関係は、以前に利用できたものより相当大きな融通性をもって、補償器220、230を設計、製造することを可能にする。むしろ、C、Cの大きさがSの大きさと単に匹敵できさえすれば、補償器220、230は、それらの意図された機能を果たすことができる。この融通性が増したことで、補償器220、230を、個々のセンシングコイル210毎に、別個に設計し、組み立てし、較正する必要はなく、むしろセンシングコイルの特性決定より前に有利に製造することを可能にする。
【0026】
図2に図示された3次元の場合では、第3軸での感度の和をゼロにすることを可能にする追加の自由度が加わる。単一の補償器220、230が、どれか特定の方向でのセンシングコイル210の磁気感度240を打ち消す必要がないので、依然、完全な打消しは、2つの補償器220、230だけで達成可能である。例えば、一実施形態では、センシングコイル210と2つの補償器220、230が、図2に図示された構成で配置することができる。他の実施形態では、別の構成を実施してもよく、あるいは、センシングコイル210の磁気感度240、Sの完全な打消しという同じ効果を達成するのに、さらなる補償器を利用してもよい。
【0027】
図示された実施形態では、両方の補償器220、230が、大きな接線方向の感度と小さな軸方向の感度を有しているが、これは必ずしも必要ない。他の実施形態では、1つ、または複数の補償器が大きな軸方向感度と小さな接線方向感度を有し、あるいは、かなりの接線方向成分と軸方向成分を含む感度を有してもよい。角度αとαは、各補償器の幾何学軸に対する、それぞれの補償器220、230の全感度の方向を表す。
【0028】
組み立ての間に、補償器220、230は、互いに対して、またセンシングコイル210に対して様々な方法で回転することができる。例えば、一実施形態では、第1補償器220は、θによって示されるように、センシングコイル210の幾何学軸に平行な軸を中心として回転でき、第2補償器230は、θによって示されるように、それ自身の幾何学軸を中心として、また、θによって示されるように、センシングコイル210の幾何学軸に平行な軸を中心として回転することができる。ある実施形態では、θとθの回転軸の間の角度αは、ゼロでなく、固定され、それに対し別の実施形態では、この角度を調整可能とすることができる。
【0029】
組み立てプロセスの間に補償器220、230を位置決めする1つの例示的方法が以下に説明される。この例において、補償器220、230は、図2の実施形態で図示されたように配置されている。まず、全体の軸方向感度が、第2補償器230を回転することによって打ち消され、したがってCの軸方向成分がSとCの軸方向成分の和を打ち消すまでθが調整される。数学的には、このステップは以下の数式3によって記述される。
【0030】
【数3】

【0031】
このステップの後にθは固定される。次いで、後の2つの数式4及び数式5によって記述されるように、全体の接線成分感度が、全ての接線成分の和がゼロになるまでθとθを調整することによって打ち消される。
【0032】
【数4】

【0033】
【数5】

【0034】
組み立てプロセスの間に補償器220、230を位置決めする、この例示的方法は、センシングコイル210の磁気感度240、Sを打ち消すための効果的なアプローチであるが、別の実施形態において実施することができる多くの他の方法がある。
【0035】
上述した磁気補償器及びFOG組み立て技術は、伝統的アプローチをしのぐ多くの明確な利点を提示する。第1に、その補償器は、従来の補償器と技術を用いる場合に必要とされる非常に狭い許容範囲にまで、センシングコイルの感度と一致するように組み立てる必要がない。第2に、上述したその補償器と方法は、FOG内で補償器とセンシングコイルの機械的位置合わせについて、要求が緩和されることになる。第3に、センシングコイルの予期された感度と、大きさにおいて同等の感度をもつ包括的な補償器は、前もって量産でき、そのような2つの補償器は、センシングコイルの磁気感度を効果的に打ち消すように組み立ての時点で配置することができる。
【0036】
補償器の磁気感度の正確な大きさを制御することよりも、精密、かつ正確に補償器の位置と方向を制御することの方が容易なので、これらの磁気補償器は、伝統的な補償器よりも、さらに効果的にそれらの意図された機能を発揮することができる。したがって、前述した補償器と方法とを用いることで、磁気補償器の設計、製造、組み立てにおいて劇的に融通性が増す。この融通性が増すことで好都合なことに全体のFOG製造工プロセスが単純化され、それによってプロセスに付随した時間とコストが共に著しく減少し、歩留りが増加する。
【0037】
いくつかの好ましい実施形態に関して、本発明が説明されてきたが、本明細書に記載された特徴や利点の全てをもたらさない実施形態を含めて、当業者には明らかである他の実施形態が、やはり本発明の範囲内である。したがって本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲とその均等物を参照することによってのみ定義される
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】従来の磁気補償器と製造技術で実施されたFOGの構成要素の図である。
【図2】本発明の一実施形態に従って実施された磁気補償器を含むFOGの構成要素の図である。
【図3】センシングコイルの磁気感度と補償器の磁気感度のベクトル空間表現である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバ・ジャイロスコープであって、
センシングコイル(210)を有しており、前記センシングコイル(210)は、前記センシングコイル(210)の幾何学軸に関して特定の大きさと方向とをもつ磁気感度(240)を有し、
前記光ファイバ・ジャイロスコープはさらに、大きさにおいて前記センシングコイル(210)の磁気感度と同等の磁気感度(250)を有する第1補償器(220)と、
大きさにおいて前記センシングコイル(210)の磁気感度および前記第1補償器(220)の磁気感度と同等の磁気感度(260)を有する第2補償器(230)と、を含み、
前記補償器の合成された磁気感度が、前記センシングコイル(210)の磁気感度(240)を打ち消すように、前記第1補償器(220)及び前記第2補償器(230)が、互いに対して、及び前記センシングコイル(210)に対して位置決めされ、
いずれの前記補償器も前記センシングコイル(210)の磁気感度(240)の軸方向成分または接線方向成分と正確に一致させる必要がないことを特徴とする光ファイバ・ジャイロスコープ。
【請求項2】
請求項1の光ファイバ・ジャイロスコープであって、前記第1補償器(220)及び前記第2補償器(230)が、光ファイバのコイル状の及びねじれた長さを含むことを特徴とする光ファイバ・ジャイロスコープ。
【請求項3】
請求項1に記載の光ファイバ・ジャイロスコープであって、前記第1補償器(220)及び前記第2補償器(230)が、ファラデー効果による磁気感度を有する材料を含む光デバイスであることを特徴とする光ファイバ・ジャイロスコープ。
【請求項4】
請求項3に記載の光ファイバ・ジャイロスコープであって、前記第1補償器(220)及び前記第2補償器(230)が、ビスマス鉄ガーネットを含むことを特徴とする光ファイバ・ジャイロスコープ。
【請求項5】
請求項1に記載の光ファイバ・ジャイロスコープであって、前記第1補償器(220)、前記第2補償器(230)及び前記センシングコイル(210)のうちの任意の1つの磁気感度の大きさが、他の2つの磁気感度の大きさの和より大きくないことを特徴とする光ファイバ・ジャイロスコープ。
【請求項6】
光ファイバ・ジャイロスコープを製造する方法であって、
センシングコイル(210)を製造するステップを有し、前記センシングコイル(210)は、前記センシングコイル(210)の幾何学軸に関して測定可能な大きさと方向とをもつ磁気感度(240)を有し、
前記方法はさらに、大きさにおいて前記センシングコイル(210)の磁気感度と同等の磁気感度を有する、複数の前もって製造された補償器を提供するステップと、
前記補償器の合成された磁気感度が、前記センシングコイル(210)の磁気感度を打ち消すように、2つ以上の前記補償器を、互いに対して、及び前記センシングコイル(210)に対して位置決めするステップとを含むことを特徴とする製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の製造方法であって、前記補償器及び前記センシングコイル(210)のうちの任意の1つの磁気感度の大きさが、残りのデバイスの磁気感度の大きさの和より大きくないことを特徴とする製造方法。
【請求項8】
請求項6に記載の製造方法であって、2つ以上の前記補償器を位置決めする前記ステップが、前記センシングコイル(210)の幾何学軸にほぼ平行である第1回転軸を中心に第1補償器220をθだけ回転させるステップと、前記センシングコイル(210)の幾何学軸にほぼ平行である第2回転軸を中心に前記第2補償器(230)をθだけ回転させ、さらに第2補償器自身の幾何学軸にほぼ平行である第3回転軸を中心に前記第2補償器(230)をθだけ回転させるステップとを含むことを特徴とする製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の製造方法であって、θだけ回転させる前記第2回転軸とθだけ回転させる前記第3回転軸との間の角度がゼロでなく且つ固定されることを特徴とする製造方法。
【請求項10】
請求項8に記載の製造方法であって、θだけ回転させる前記第2回転軸とθだけ回転させる前記第3回転軸θとの間の角度が調整可能であることを特徴とする製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−523418(P2008−523418A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555085(P2007−555085)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/044513
【国際公開番号】WO2007/084098
【国際公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】