説明

光ファイバ線引方法

【課題】 ダミー部材が接続された大径の光ファイバ母材を線引きするに際し、炉心管内の不活性ガスの流れの変動を確実になくして、外径寸法変動がほとんどなく品質の良い光ファイバを得ることができる光ファイバ線引方法を得ること。
【解決手段】 ダミー部材2,3が接続された光ファイバ母材1を線引炉10の上部シール部16から該線引炉10の炉心管12内に送り込みながら加熱・溶融して、光ファイバ4を得る光ファイバ線引方法において、光ファイバ母材1の上端部に該母材1と略同一径で円筒状をなす母材同径円筒状ダミー部材2が溶着接続されており、さらに、前記ダミー部材2の内側に母材1と中心軸が一致するように位置され、上端部が母材送り装置20に把持されて懸垂保持され、光ファイバ母材1よりも小径をなす小径棒状ダミー部材3の下端部が、光ファイバ母材1の上端部に接続された状態で、当該光ファイバ母材1の線引きを行うこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダミー部材が接続された光ファイバ母材を線引炉の炉心管に送り込みながら加熱・溶融して、光ファイバを得る光ファイバ線引方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大径の光ファイバ母材を線引きする場合、光ファイバ母材を残量が僅かになるまで歩留り良く線引き可能とするとともに、光ファイバ母材を懸垂支持する部材に対する重量負荷を軽減するために、光ファイバ母材にこれよりも小径で棒状のダミー部材を接続して線引きを行うことが知られている。
【0003】
図7は従来の光ファイバ線引方法(特許文献1)を説明するための説明図である。図7において、51は線引炉、52はヒータ、53は炉心管、54は不活性ガス投入口、55はガラス母材、56はダミー部材としての枝棒、57はシール治具、58は不活性ガス投入口、59はマスフローコントローラ、60はチューブ治具である。
【0004】
線引炉51の炉体内部には、ヒータ52と線引炉51の中心に置かれた炉心管53とが備えられている。線引炉51の下部には不活性ガス投入口54が設けられており、炉心管53内に炉心管53などの酸化消耗を防止するために不活性ガスを連続的に導入している。また、線引炉51の上部には、外気が炉心管53内に混入するのを防止するため、不活性ガス投入口58が設けられたシール治具57が設置されている。
【0005】
ダミー部材としてのガラス製の枝棒56は、ガラス母材55よりも小径をなし、ガラス母材55の上端部に溶着接続されている。つば部60aを有するチューブ治具60は、ガラス母材55と略同一径で円筒状をなし、石英ガラスで構成されている。
【0006】
そして、この従来の光ファイバ線引方法では、ガラス母材55の上端部に溶着接続されている枝棒56にガラス母材55と略同一径のチューブ治具60を被せた状態で、このガラス母材55を線引炉51の炉心管53に送り込みながら加熱・溶融して、光ファイバを得るようにしている。
【特許文献1】特開2000−264670号公報(第2−3頁、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述した従来の光ファイバ線引方法では、大径の光ファイバ母材を線引きするに際し、ガラス母材55に溶着接続されている枝棒56にガラス母材55と略同一径のチューブ治具60を被せた状態で、このガラス母材55を線引炉51の炉心管53に送り込みながら加熱・溶融して、光ファイバを得るようにしたものであるから、母材送り装置により、枝棒56の上端部を把持して枝棒56をガラス母材55と一体に下降移動させる際に、チューブ治具60とガラス母材55との接触部がずれて両者の間に隙間が生じたり、チューブ治具60がシール治具57を通過するときにガラス母材55から離れたりするおそれがあった。ガラス母材55とチューブ治具60との接触部に隙間が生じると、炉心管53内の不活性ガスの流れに乱れが生じて、ガラス母材55から引出される光ファイバに外径寸法変動が生じ易くなる。
【0008】
そこで本発明の課題は、ダミー部材が接続された大径の光ファイバ母材を線引きするに際し、炉心管内の不活性ガスの流れの変動を確実になくして、外径寸法変動がほとんどなく品質の良い光ファイバを得ることができる光ファイバ線引方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
請求項1の発明は、ダミー部材が接続された光ファイバ母材を線引炉の上部シール部から該線引炉の炉心管内に送り込みながら加熱・溶融して、光ファイバを得る光ファイバ線引方法において、光ファイバ母材の上端部に該光ファイバ母材と略同一径で円筒状をなす母材同径円筒状ダミー部材が溶着接続されており、さらに、前記母材同径円筒状ダミー部材の内側に光ファイバ母材と中心軸が一致するように位置され、上端部が母材送り装置に把持されて懸垂保持され、光ファイバ母材よりも小径をなす小径棒状ダミー部材の下端部が、光ファイバ母材の上端部に接続された状態で、当該光ファイバ母材の線引きを行うことを特徴とする光ファイバ線引方法である。
【0011】
請求項2の発明は、ダミー部材が接続された光ファイバ母材を線引炉の上部シール部から該線引炉の炉心管内に送り込みながら加熱・溶融して、光ファイバを得る光ファイバ線引方法において、光ファイバ母材の上端部に該光ファイバ母材と略同一径で円筒状をなす母材同径円筒状ダミー部材が溶着接続されており、さらに、上端部が母材送り装置に把持されて懸垂保持され、光ファイバ母材よりも小径なす小径棒状ダミー部材の下端部が、前記母材同径円筒状ダミー部材の上端部に接続された状態で、当該光ファイバ母材の線引きを行うことを特徴とする光ファイバ線引方法である。
【0012】
請求項3の発明は、ダミー部材が接続された光ファイバ母材を線引炉の上部シール部から該線引炉の炉心管内に送り込みながら加熱・溶融して、光ファイバを得る光ファイバ線引方法において、光ファイバ母材の上端部に、ロッドインチューブ法による該光ファイバ母材の製造の際に石英管によって所定長さ上方に延びる母材同径円筒状ダミー部材が形成されており、さらに、前記母材同径円筒状ダミー部材の内側に光ファイバ母材と中心軸が一致するように位置され、上端部が母材送り装置に把持されて懸垂保持され、光ファイバ母材よりも小径をなす小径棒状ダミー部材の下端部が、光ファイバ母材の上端部に接続された状態で、当該光ファイバ母材の線引きを行うことを特徴とする光ファイバ線引方法である。
【0013】
請求項4の発明は、ダミー部材が接続された光ファイバ母材を線引炉の上部シール部から該線引炉の炉心管内に送り込みながら加熱・溶融して、光ファイバを得る光ファイバ線引方法において、光ファイバ母材の上端部に、ロッドインチューブ法による該光ファイバ母材の製造の際に石英管によって所定長さ上方に延びる母材同径円筒状ダミー部材が形成されており、さらに、上端部が母材送り装置に把持されて懸垂保持され、光ファイバ母材よりも小径なす小径棒状ダミー部材の下端部が、前記母材同径円筒状ダミー部材の上端部に接続された状態で、当該光ファイバ母材の線引きを行うことを特徴とする光ファイバ線引方法である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1又は請求項2の光ファイバ線引方法は、ダミー部材として、光ファイバ母材の上端部に溶着接続され、該光ファイバ母材と略同一径で円筒状をなす母材同径円筒状ダミー部材を用いるようにしている。したがって、大径の光ファイバ母材であっても、該光ファイバ母材を下降させる母材送り装置に対する重量負荷を軽減することができ、母材送り装置のコストダウンを図ることができる。また、線引きが進行して光ファイバ母材に溶着接続されている母材同径円筒状ダミー部材が線引炉内に下降しても、母材同径円筒状ダミー部材と線引炉の上部シール部との隙間(クリアランス)が光ファイバ母材通過時と同じで変化しないので、よって、炉心管内の不活性ガスの流れの変動を確実になくして、外径寸法変動がほとんどなく品質の良い光ファイバを得ることができる。さらに、ダミー部材として、その下端部が光ファイバ母材の上端部に接続され(請求項1の光ファイバ線引方法)、あるいは母材同径円筒状ダミー部材の上端部に接続され(請求項2の光ファイバ線引方法)、その上端部が母材送り装置に把持されて懸垂保持され、光ファイバ母材よりも小径をなす小径棒状ダミー部材を用いるようにしている。したがって、大径の光ファイバ母材であっても、母材送り装置の把持部の大型化を回避することができる。
【0015】
請求項3又は請求項4の光ファイバ線引方法は、石英管に挿入された石英母材コアを該石英管と融着一体化するロッドインチューブ法による光ファイバ母材の製造の際に前記石英管によって光ファイバ母材の上端部に形成された母材同径円筒状部を、ダミー部材として用いるようにしている。したがって、前記請求項1又は請求項2の光ファイバ線引方法による前記効果に加え、光ファイバ母材に対して手間をかけずに容易に石英管製の母材同径円筒状ダミー部材を形成することができ、また、光ファイバ母材と母材同径円筒状ダミー部材とが外径変動なく極めて滑らかに連なっているので、炉心管内の不活性ガスの流れの変動をより確実になくすことができて、外径寸法変動が極めて小さい品質の良い光ファイバを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態による光ファイバ線引方法を説明するための説明図である。
【0017】
図1に示すように、線引炉10は、炉体内部に設けられたヒータ11と、このヒータ11の内側に設けられた円筒状をなす炉心管12とを備えている。線引炉10の下部には、炉心管12などの酸化消耗を防止するために炉心管12内に不活性ガスを導入する不活性ガス供給口14を有する下部シール部13が設けられている。全体として円筒状をなす下部シール部13には、光ファイバ4が引出される光ファイバ導出口15が設けられている。また、線引炉10の上部には、光ファイバ母材導入口18を有するとともに、外気が炉心管12内に混入するのを防止するため、不活性ガスが導入される不活性ガス供給口17を有する円筒状の上部シール部16が設けられている。
【0018】
光ファイバ母材1には、光ファイバ母材1の上端部に光ファイバ母材1と略同一径で円筒状をなす石英ガラス製の母材同径円筒状ダミー部材2が両者の中心軸(軸心線)が一致するように溶着接続されるとともに、この母材同径円筒状ダミー部材2の内側に光ファイバ母材1と中心軸(軸心線)が一致するように位置され、光ファイバ母材1よりも小径をなす石英ガラス製の小径棒状ダミー部材3の下端部が光ファイバ母材1の上端部に接続(例えば、溶着接続、螺合接続など)されている。
【0019】
20は母材送り装置である。母材送り装置20は、上下方向に垂直に延びるスライドレール24と、スライドレール24に沿って昇降するスライドブロック23と、スライドブロック23に取り付けられた水平2軸位置決めXYステージ22と、このXYステージ22に取り付けられたチャック21とにより構成されている。そして、光ファイバ母材1に接続された小径棒状ダミー部材3の上端部が、母材送り装置20のチャック21に把持されることにより、母材同径円筒状ダミー部材2が溶着されるとともに小径棒状ダミー部材3が接続された光ファイバ母材1が、懸垂保持されている。母材同径円筒状ダミー部材2の長さは、上部シール部16の光ファイバ母材導入口18(上部シール部16の上端)からヒータ11の上下方向における中心までの距離よりも少し長めに設定されており、線引きを行っている間は、母材同径円筒状ダミー部材2が上部シール部16より上方へ突出するようになっている。
【0020】
このように、光ファイバ母材1を線引きするに際し、ダミー部材として、光ファイバ母材1の上端部に溶着接続され、光ファイバ母材1と略同一径で円筒状をなす母材同径円筒状ダミー部材2を用いるようにしている。したがって、大径の光ファイバ母材1であっても、光ファイバ母材1を下降させる母材送り装置20に対する重量負荷を軽減することができ、母材送り装置20のコストダウンを図ることができる。また、図2に示すように、線引きが進行して光ファイバ母材1に溶着接続されている母材同径円筒状ダミー部材2が線引炉1内に下降しても、母材同径円筒状ダミー部材2と上部シール部16との隙間(クリアランス)が光ファイバ母材通過時と同じで変化しないので、よって、炉心管2内の不活性ガスの流れの変動を確実になくして、外径寸法変動がほとんどなく品質の良い光ファイバを得ることができる。さらに、ダミー部材として、その下端部が光ファイバ母材1の上端部に接続され、その上端部が母材送り装置20のチャック21に把持されて懸垂保持され、光ファイバ母材1よりも小径をなす小径棒状ダミー部材3を用いるようにしている。したがって、大径の光ファイバ母材1であっても、チャック21の大型化、ひいては母材送り装置20の大型化を回避することができる。
【0021】
なお、上部シール部16の光ファイバ母材導入口18に、炉心管12内への大気の流入を防止する手段として、光ファイバ母材1の外周面、あるいは母材同径円筒状ダミー部材2の外周面に接触する円環状のカーボンフェルトからなるシート状耐熱封止材を設けるようにしてもよい。
【0022】
図3は本発明の別の実施形態による光ファイバ線引方法を説明するための説明図である。ここで、小径棒状ダミー部材3’の形態が相違する点以外は前記図1,図2に示される構成と同一なので、共通する部分には図1及び図2と同一の符号を付して説明を省略し、異なる点について説明する。
【0023】
図3に示すように、光ファイバ母材1に溶着接続された母材同径円筒状ダミー部材2の上端部に、光ファイバ母材1よりも小径なす石英ガラス製の小径棒状ダミー部材3’の円板状下端部が、光ファイバ母材1と小径棒状ダミー部材3’との中心軸(軸心線)が一致するように接続されている。
【0024】
このように、光ファイバ母材1を線引きするに際し、ダミー部材として、光ファイバ母材1の上端部に溶着接続され、光ファイバ母材1と略同一径で円筒状をなす母材同径円筒状ダミー部材2を用いるようにしている。したがって、大径の光ファイバ母材1であっても、光ファイバ母材1を下降させる母材送り装置20に対する重量負荷を軽減することができ、母材送り装置20のコストダウンを図ることができる。また、線引きが進行して光ファイバ母材1に溶着接続されている母材同径円筒状ダミー部材2が線引炉1内に下降しても、その間母材同径円筒状ダミー部材2と上部シール部16との隙間(クリアランス)が光ファイバ母材通過時と同じで変化しないので、よって、炉心管2内の不活性ガスの流れの変動を確実になくして、外径寸法変動がほとんどなく品質の良い光ファイバを得ることができる。さらに、ダミー部材として、その下端部が母材同径円筒状ダミー部材2の上端部に接続され、その上端部が母材送り装置20のチャック21に把持されて懸垂保持され、光ファイバ母材1よりも小径をなす小径棒状ダミー部材3’を用いるようにしている。したがって、大径の光ファイバ母材1であっても、チャック21の大型化を回避することができる。
【0025】
図4は本発明に係る、母材同径円筒状ダミー部材の製造時に母材同径円筒状ダミー部材が一体形成された光ファイバ母材を概略的に示す斜視図である。図5は本発明の別の実施形態による光ファイバ線引方法を説明するための説明図、同じく、図6は本発明の別の実施形態による光ファイバ線引方法を説明するための説明図である
【0026】
図4,図5に示すように、光ファイバ母材1を線引きするに際し、ダミー部材として、光ファイバ母材1に母材同径円筒状ダミー部材2を溶着接続することに代えて、それと同じ長さに設定され、石英管に挿入された石英母材コア(石英棒材)を該石英管と融着一体化するロッドインチューブ法による光ファイバ母材1の製造の際に前記石英管によって光ファイバ母材1の上端部に形成された母材同径円筒状ダミー部材2’を用いるようにしている。これにより、前記図1に示される実施形態による前記効果に加えて、光ファイバ母材1に対して手間をかけずに容易に石英管製の母材同径円筒状ダミー部材2’を形成することができ、また、光ファイバ母材1と母材同径円筒状ダミー部材2’とが外径変動なく極めて滑らかに連なっているので、炉心管12内の不活性ガスの流れの変動をより確実になくすことができて、外径寸法変動が極めて小さい品質の良い光ファイバを得ることができる。
【0027】
同様に、図4,図6に示すように、光ファイバ母材1を線引きするに際し、ダミー部材として、光ファイバ母材1に母材同径円筒状ダミー部材2を溶着接続することに代えて、それと同じ長さに設定され、石英管に挿入された石英母材コアを該石英管と融着一体化するロッドインチューブ法による光ファイバ母材1の製造の際に前記石英管によって光ファイバ母材1の上端部に形成された母材同径円筒状ダミー部材2’を用いるようにしている。これにより、前記図3に示される実施形態による前記効果に加えて、光ファイバ母材1に対して手間をかけずに容易に石英管製の母材同径円筒状ダミー部材2’を形成することができ、また、光ファイバ母材1と母材同径円筒状ダミー部材2’とが外径変動なく極めて滑らかに連なっているので、炉心管12内の不活性ガスの流れの変動をより確実になくすことができて、外径寸法変動が極めて小さい品質の良い光ファイバを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態による光ファイバ線引方法を説明するための説明図である。
【図2】図1における光ファイバ母材の線引きが進行した様子を示す説明図である。
【図3】本発明の別の実施形態による光ファイバ線引方法を説明するための説明図である。
【図4】本発明に係る図であって、光ファイバ母材の製造時に母材同径円筒状ダミー部材が一体形成された光ファイバ母材を概略的に示す斜視図である。
【図5】本発明の別の実施形態による光ファイバ線引方法を説明するための説明図である。
【図6】本発明の別の実施形態による光ファイバ線引方法を説明するための説明図である。
【図7】従来の光ファイバ線引方法を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0029】
1…光ファイバ母材
2,2’…母材同径円筒状ダミー部材
3,3’…小径棒状ダミー部材
4…光ファイバ
10…線引炉
11…ヒータ
12…炉心管
13…下部シール部
14,17…不活性ガス供給口
15…光ファイバ導出口
16…上部シール部
18…光ファイバ母材導入口
20…母材送り装置
21…チャック
22…水平2軸位置決めXYステージ
23…スライドブロック
24…スライドレール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダミー部材が接続された光ファイバ母材を線引炉の上部シール部から該線引炉の炉心管内に送り込みながら加熱・溶融して、光ファイバを得る光ファイバ線引方法において、光ファイバ母材の上端部に該光ファイバ母材と略同一径で円筒状をなす母材同径円筒状ダミー部材が溶着接続されており、さらに、前記母材同径円筒状ダミー部材の内側に光ファイバ母材と中心軸が一致するように位置され、上端部が母材送り装置に把持されて懸垂保持され、光ファイバ母材よりも小径をなす小径棒状ダミー部材の下端部が、光ファイバ母材の上端部に接続された状態で、当該光ファイバ母材の線引きを行うことを特徴とする光ファイバ線引方法。
【請求項2】
ダミー部材が接続された光ファイバ母材を線引炉の上部シール部から該線引炉の炉心管内に送り込みながら加熱・溶融して、光ファイバを得る光ファイバ線引方法において、光ファイバ母材の上端部に該光ファイバ母材と略同一径で円筒状をなす母材同径円筒状ダミー部材が溶着接続されており、さらに、上端部が母材送り装置に把持されて懸垂保持され、光ファイバ母材よりも小径なす小径棒状ダミー部材の下端部が、前記母材同径円筒状ダミー部材の上端部に接続された状態で、当該光ファイバ母材の線引きを行うことを特徴とする光ファイバ線引方法。
【請求項3】
ダミー部材が接続された光ファイバ母材を線引炉の上部シール部から該線引炉の炉心管内に送り込みながら加熱・溶融して、光ファイバを得る光ファイバ線引方法において、光ファイバ母材の上端部に、ロッドインチューブ法による該光ファイバ母材の製造の際に石英管によって所定長さ上方に延びる母材同径円筒状ダミー部材が形成されており、さらに、前記母材同径円筒状ダミー部材の内側に光ファイバ母材と中心軸が一致するように位置され、上端部が母材送り装置に把持されて懸垂保持され、光ファイバ母材よりも小径をなす小径棒状ダミー部材の下端部が、光ファイバ母材の上端部に接続された状態で、当該光ファイバ母材の線引きを行うことを特徴とする光ファイバ線引方法。
【請求項4】
ダミー部材が接続された光ファイバ母材を線引炉の上部シール部から該線引炉の炉心管内に送り込みながら加熱・溶融して、光ファイバを得る光ファイバ線引方法において、光ファイバ母材の上端部に、ロッドインチューブ法による該光ファイバ母材の製造の際に石英管によって所定長さ上方に延びる母材同径円筒状ダミー部材が形成されており、さらに、上端部が母材送り装置に把持されて懸垂保持され、光ファイバ母材よりも小径なす小径棒状ダミー部材の下端部が、前記母材同径円筒状ダミー部材の上端部に接続された状態で、当該光ファイバ母材の線引きを行うことを特徴とする光ファイバ線引方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−70187(P2007−70187A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−260865(P2005−260865)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】