説明

光ユニット

本発明の光ユニットは光源(2)およびリフレクタ(6)を有する。光源(2)は外管(5)によって包囲されている。外管(5)の開放端部には、当該の外管に対する心合わせ機能を有するばねクリップ(12)が係止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1の上位概念に記載の光ユニットに関する。光ユニットとは特にメタルハライドランプまたはナトリウム高圧放電ランプなどの高圧放電灯ないしこれを用いたリフレクタランプである。一般に放電管は外管内に収容されている。また本発明はハロゲングローランプをベースとしたリフレクタランプにも適用可能である。
【0002】
従来の技術
国際出願第2004046609号明細書から、セラミック放電管およびリフレクタを備えたメタルハライドランプが公知である。ここでは内部容器が外管内に配置されている。こうしたランプは平坦なクリップおよび接合剤によって組み合わされている。ここで、クリップの開口部はリフレクタの首領域に存在するベースランプの封止部を包囲している。クリップの下方の首領域には接合剤が充填されており、ベースランプは封止領域で形状のかみ合いによって固定されている。ただし、ここでは、放電管の光重心の位置がリフレクタの焦点にきちんとアライメントされるか否かはわからない。他の接続手段として、圧着、すなわち、金属ピンをプレスプロセスによって変形させることが挙げられる。未公開の独国出願第102006006063.6号明細書からは、キャップを外管へ固定するためにクリップを用いる同様のリフレクタランプが公知である。
【0003】
発明の開示
本発明の課題は、ランプをリフレクタに光学的に簡単にアライメントできるリフレクタランプの製造方法を提供することである。
【0004】
この課題は請求項1の特徴部分に記載の構成により解決される。従属請求項には殊に有利な実施形態が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】リフレクタランプの第1の実施例の側方断面図である。
【図2】リフレクタランプの第2の実施例の側方断面図である。
【図3】図2のリフレクタランプの外管の側方断面図である。
【図4】図3の外管の詳細図である。
【図5】ばねクリップの側方断面図である。
【図6】図5のばねクリップの斜視図である。
【0006】
リフレクタランプにおいては、組み込まれた燃焼器の光重心ひいてはランプの光重心が計算されたリフレクタ焦点に位置することが重要である。ここに偏差が存在すると、出射角、中心ビーム強度、照明の均一性などのパラメータが変化してしまうからである。
【0007】
本発明のクリップは同時に2つの機能を果たしている。1つは本来の心合わせを行う機能であり、もう1つは防眩キャップを支持する機能である。
【0008】
これにより、第1に、ベースランプ、特にその内部容器を外管すなわちアンチバースト保護管(Platzerschuzrohr)内で半径方向につき簡単に心合わせすることができる。当該の心合わせプロセスは取り付け過程の一部分と見なすことができ、個別のプロセスとして行う必要はない。
【0009】
詳細には、本発明は、出射開口、首部および軸線を有する凹状のリフレクタならびに保護管が設けられており、リフレクタは軸線方向に長く延在する容器を備えた光源を包囲しており、光源は所定の間隔を置いて外管によって包囲されており、外管は首部に隣接する第1の端部と出射開口に隣接する第2の端部とを有しており、外管は第1の端部の近傍において首部に接続されており、保護管は少なくとも第2の端部の近傍において容器の出力側での直径に緩く適合された内径を有しており、外管の第2の端部に形状の適合する少なくとも2つのばねクリップが係止され、ばねクリップは2つの脚部を有し外管の端部を把持する、光ユニットにおいて、ばねクリップの内側脚部が内側へ向かって屈曲することによって光源の容器に接しており、各ばねクリップは容器が外管に対して心合わせされるように外管の周囲に相互に間隔を置いて分布していることを特徴とする。
【0010】
有利には、外管はばねクリップの外側の脚部を係止する係止手段を有している。当該の係止手段は、特に、1つの溝であるか、または、外管の外側表面に設けられた複数の局所的凹部すなわち少なくとも2つの凹部である。
【0011】
緩い適合とは、ばねクリップが小さい距離を橋絡していることを意味している。当該の距離は約0.5mm〜3mmである。
【0012】
有利には、ばねクリップの内側の脚部はV字状に内側へ向かって屈曲されている。外管の損傷を回避するために、内側脚部は有利には内側へ向かって突出する自由端部を有する。
【0013】
たいていの場合、光源は金属ハロゲン化物の充填された放電管である。
【0014】
有利な実施形態によれば、本発明は金属リフレクタ、有利にはアルミニウムリフレクタを備えたメタルハライド蒸気灯に関している。当該の蒸気灯は純粋に機械的に相互接続された複数の部品から成る。光源はセラミック製のソケットに挿入されたいわゆるベースランプである。ベースランプの給電線は、光重心が仮想のリフレクタ焦点へ合うように軸線方向でアライメントした後、セラミック製のソケットのソケットピンまたはコンタクトピンによって圧着される。アルミニウムリフレクタも同様にセラミック製のソケットの個所での圧着により固定される。
【0015】
ベースランプはこれまでベースピン圧着によってしか軸線方向のアライメントが行えなかった。また、燃焼器の中心がリフレクタ焦点に合うように半径方向でアライメントすることも重要である。これは、心合わせ専用のホールドクリップを設けることならびにこのクリップを外管となるアンチバースト保護管の表面に配置することにより行われる。
【0016】
複数の心合わせ用ホールドクリップは有利にはばね鋼から成り、保護管の上方端面の周に等間隔に配置される。クリップの数は少なくとも3個、有利には多くとも6個である。クリップの幅bは有利には1mm〜4mmであり、材料強度sは有利には0.1mm〜0.3mmである。外管の上方領域には例えばこの領域を取り囲むように凹部が成形されている。クリップの外側へ向かう位置に第1の"鼻部"が成形されており、これによりクリップがガラス管の外面の凹部に係止される。クリップは内側へ向かう別の位置に第2の大きな"鼻部"ないし"波部"を有する。"鼻部"ないし"波部"は本来の心合わせ機能を担当する。外側へ向かって屈曲されたクリップの部分は、上方からクリップおよび外管の上方へ接合される防眩キャップ(Blendschutzkappe)の固定に用いられる。クリップの屈曲部は"逆鉤"としての機能を果たす。こうして、防眩キャップが接合された後は、防眩キャップの脱離はほとんど起こらない。
【0017】
アンチバースト保護管の下方端面には同様の形態で第2のクリップが設けられる。当該のタイプのクリップは独国公開第102006006063.6号明細書の心合わせ機能を有さないホールドクリップとして公知である。こうしたクリップは心合わせ機能を除いて前述したクリップと同様の特性を有する。
【0018】
アンチバースト保護管、防眩キャップ、心合わせ用ホールドクリップおよびホールドクリップなどのプレ実装される各部分は、一方ではセラミック製のソケット内へ圧着されたベースランプによって接合される。他方では、アンチバースト保護管の下方領域がホールドクリップを備えたリフレクタの首部に埋め込まれる。接合時にベースランプの外管は少なくとも2つの心合わせ用ホールドクリップの"鼻部"ないし"波部"と称される領域に接触し、これによって心合わせがなされる。心合わせ用ホールドクリップの"鼻部"ないし"波部"と称される領域は接合後にベースランプの外管の円筒状部分に載置される。その周にホールドクリップを有するアンチバースト保護管をリフレクタの首部に沈み込ませることにより、アンチバースト保護管はホールドクリップを介してリフレクタ首部にはめ込まれて固定される。ホールドクリップの逆鉤機能によりアンチバースト保護管の脱離が阻止される。
【0019】
以下に複数の実施例に則して本発明を詳細に説明する。
【0020】
実施例の説明
図1には内部容器またはベースランプ2を備えたリフレクタランプ1が示されている。内部容器またはベースランプ2は外管14によって包囲された放電管3から成る。放電管はPCAセラミックから成り、2つの端部にそれぞれ1つずつ毛管を有する。内部容器2はソケット4の中央開口内に位置している。内部容器2は、軸線に対して平行に配向されたシリンダ状の保護管(Berstschutzrohr)5により、間隔を置いて包囲されている。保護管5はアルミニウムから成るリフレクタ6によって包囲されている。リフレクタ6は首部7および輪郭部8を有する。首部7の直径は有利には保護管5の直径に適合されている。これらの部材はソケット4に載置されている。これについては複数の公知の技術が存在する。ただし固定の形式についてはあまり知られていない。
【0021】
保護管5はベースランプの外径すなわち外管14の外径に緩く適合化された内径を有する。これにより、ばねクリップ12の橋絡について約1mm〜約2mmの距離が得られる。
【0022】
ばねクリップはリフレクタの開口から外管5へ挿入されている。2つのばねクリップ12は、いわゆる書類挟みのダブルクリップと同様に、外管5の端部で挟み込みを行うように成形されている。ここで、挟み込み部12は外管の全周にわたって等間隔に分布している。各挟み込み部は基本的にはU字状に湾曲しており、短い外側脚部70と長い内側脚部69とを有する。内側脚部にはV字状に内側へ向かう屈曲部72が続いており、この屈曲部が内側脚部の軸線に対して有する偏向の度合は膨らんだ部分の偏向の度合よりも格段に大きい。この屈曲部72の稜73はベースランプに心合わせされている。ここに、僅かに突出した自由端部74が続いている。これについては図5,図6の破線の部分を参照されたい。
【0023】
アルミニウムリフレクタの首部は例えばソケット4の個所で圧着されている。このためにソケット4の側方に孔が設けられているが、これは図示されていない。
【0024】
首部7はここではソケットの段状の切欠11として構成されている。
【0025】
保護管はソケット側でリフレクタの首部に挟み込みによって固定されている。保護管は別の段50の上縁に載置されている。もちろん他の固定の形態も可能である。
【0026】
光源ないしベースランプは例えばハロゲングローランプまたは高圧放電ランプである。
【0027】
図2には、図1の実施例と同様に構成され、さらに円筒状の外管の上方にシールド42を有するカバー41を備えたリフレクタランプ39が示されている。このようにするとばねクリップの支持特性が改善される。このために、図3に示されているように、外管5は周を囲む凹部13を有する。クリップの外側脚部70は湾曲しており、鼻部80によって、図5,図6に示されているように、溝または凹部13内で支持を行う。内側脚部69は屈曲しており、弧状部81によって外側脚部70の鼻部80を挟むことにより、保護管5の端部を支持している。これに代えて、周を囲む溝13がもちろん局所的な切欠、陥入部などであってもよい。カバー41を支承するために、心合わせ用ばねクリップの開放端部75は、図2,図5に示されているように、外側脚部の個所で外側へ屈曲されている。内側脚部および外側脚部は基部82を介して相互に接続されている。
【0028】
図3には保護管5の斜視図が示されている。それぞれ上方端部および下方端部に端部を取り巻く溝13が設けられている。上方端部には3つの心合わせ用ばねクリップ12が全周にわたって等間隔で配置されている。同様に、心合わせ機能を有さないばねクリップ40も保護管5の下方端部に配置されている。
【0029】
図4には心合わせ用クリップの詳細が示されている。図5には心合わせ用ばねクリップの側面図、図6には斜視図が示されている。
【0030】
もちろん、V字状の屈曲部72の偏向度は応力のない状態では機能モードにおける偏向度より大きい。ただしその差は図示されていない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出射開口、首部および軸線を有する凹状のリフレクタならびに保護管が設けられており、前記リフレクタは軸線方向に長く延在する容器を備えた光源を包囲しており、該光源は所定の間隔を置いて外管によって包囲されており、該外管は前記首部に隣接する第1の端部と前記出射開口に隣接する第2の端部とを有しており、前記外管は前記第1の端部の近傍において前記首部に接続されており、
前記保護管は少なくとも前記第2の端部の近傍において前記容器の出力側での直径に緩く適合された内径を有しており、前記外管に対して形状の適合する少なくとも2つのばねクリップが係止され、該ばねクリップは2つの脚部を有し前記外管の端部を把持する、
光ユニットにおいて、
前記ばねクリップの内側脚部が内側へ向かって屈曲することによって前記光源の前記容器に接しており、各ばねクリップは前記容器が前記外管に対して心合わせされるように前記外管の周囲に相互に間隔を置いて分布している
ことを特徴とする光ユニット。
【請求項2】
少なくとも1つのばねクリップの前記内側脚部はV字状に内側へ向かって折り曲げられている、請求項1記載の光ユニット。
【請求項3】
少なくとも1つのばねクリップの前記内側脚部は内側に向かって屈曲した自由端部を有する、請求項1記載の光ユニット。
【請求項4】
前記光源は金属ハロゲン化物の充填された放電管を含む、請求項1記載の光ユニット。
【請求項5】
前記外管はその端部の近傍に部分的に溝また凹部を有しており、該溝または該凹部に形状を適合させることにより前記ばねクリップの湾曲部が係止される、請求項1記載の光ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−509717(P2010−509717A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535578(P2009−535578)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【国際出願番号】PCT/EP2006/068250
【国際公開番号】WO2008/055543
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(504458493)オスラム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (168)
【氏名又は名称原語表記】Osram Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Hellabrunner Strasse 1, D−81543 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】