説明

光半導体素子

【課題】変調の高効率化と波長帯域の広範囲化とを両立しうる光半導体素子を提供する。
【解決手段】入力光が入力される導波路と、導波路と光学的に結合するように配されたリング変調器と、リング変調器内の光パワーをモニタする光検出器と、リング変調器及び光検出器に接続され、光検出器により検出された信号に基づいて変調信号をリング変調器に印加する制御部とをそれぞれ有する複数の変調部とを有し、複数の変調部は、リング変調器の直径が互いに異なっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光半導体素子に関する。
【背景技術】
【0002】
光送受信器の小型大容量化・低消費電力化を行う上で、シリコン基板上に光デバイスを実現することが重要な役割を担う。シリコン基板上に形成した光デバイスでは屈折率差の大きい光導波路が使えることから、他材料と比較して小型化に有利であり電子回路との集積も容易なことから、1チップで多数の光送受信器を集積することが可能になる。
【0003】
光デバイスの中でも特に変調器は、その特性が光送受信器の消費電力やサイズに大きな影響を与える。特に、リング型変調器は、素子自体が小型であり、変調電圧が小さく、光損失も小さいため、小型化・低消費電力化に有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開2009/0169149号明細書
【特許文献2】特開2005−055882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、リング型変調器では、変調効率を高くすると変調可能な波長帯域が狭くなることがあった。
【0006】
本発明の目的は、変調の高効率化と波長帯域の広範囲化とを両立しうる光半導体素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一観点によれば、入力光が入力される導波路と、前記導波路に光学的に結合するように設けられた周回光路長の異なる複数のリング変調器と、複数の前記リング変調器のうち、前記入力光の波長に共振波長が一致する前記リング変調器に選択的に変調信号を印加する制御部とを有する光半導体素子が提供される。
【0008】
また、実施形態の他の観点によれば、入力光が入力される導波路と、前記導波路と光学的に結合するように配されたリング変調器と、前記リング変調器内の光パワーをモニタする光検出器と、前記リング変調器及び前記光検出器に接続され、前記光検出器により検出された信号に基づいて変調信号を前記リング変調器に印加する制御部とをそれぞれ有する複数の変調部とを有し、前記複数の変調部は、前記リング変調器の直径が互いに異なっている光半導体素子が提供される。
【発明の効果】
【0009】
開示の光半導体素子によれば、変調の高効率化と波長帯域の広範囲化とを両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、第1実施形態による光半導体素子の構造を示す概略図である。
【図2】図2は、第1実施形態による光半導体素子の構造を示す断面図(その1)である。
【図3】図3は、第1実施形態による光半導体素子の構造を示す断面図(その2)である。
【図4】図4は、第1実施形態による光半導体素子の変調部の構造を示す概略図である。
【図5】図5は、第1実施形態による光半導体素子の変調部における光損失の波長特性を示すグラフ(その1)である。
【図6】図6は、第1実施形態による光半導体素子の変調部における光電流及び電圧Vの波長特性を示すグラフである。
【図7】図7は、第1実施形態による光半導体素子の動作を示す概略図である。
【図8】図8は、第1実施形態による光半導体素子の変調部における光損失の波長特性を示すグラフ(その2)である。
【図9】図9は、第1実施形態による光半導体素子における透過率の波長特性を示すグラフ(その1)である。
【図10】図10は、第1実施形態による光半導体素子の変調部における光損失の波長特性を示すグラフ(その3)である。
【図11】図11は、第1実施形態による光半導体素子における透過率の波長特性を示すグラフ(その2)である。
【図12】図12は、参考例による光半導体素子の構造を示す概略図である。
【図13】図13は、参考例による光半導体素子における変調光出力パワーの波長特性を示すグラフ(その1)である。
【図14】図14は、参考例による光半導体素子における変調光出力パワーの波長特性を示すグラフ(その2)である。
【図15】図15は、参考例による光半導体素子における変調光出力パワーの波長特性を示すグラフ(その3)である。
【図16】図16は、参考例による光半導体素子における変調光出力パワーの波長特性を示すグラフ(その4)である。
【図17】図17は、第2実施形態による光半導体素子の構造を示す概略図である。
【図18】図18は、第2実施形態による光半導体素子の構造を示す断面図である。
【図19】図19は、第3実施形態による光半導体素子の構造を示す概略図である。
【図20】図20は、第3実施形態による光半導体素子の構造を示す断面図(その1)である。
【図21】図21は、第3実施形態による光半導体素子の構造を示す断面図(その2)である。
【図22】図22は、第2実施形態による光半導体素子の変調部における光損失の波長特性を示すグラフ(その1)である。
【図23】図23は、第2実施形態による光半導体素子の変調部における光損失の波長特性を示すグラフ(その2)である。
【図24】図24は、第4実施形態による光半導体素子の構造を示す概略図である。
【図25】図25は、第4実施形態による光半導体素子の構造を示す断面図(その1)である。
【図26】図26は、第4実施形態による光半導体素子の構造を示す断面図(その2)である。
【図27】図27は、第4実施形態による光半導体素子の構造を示す断面図(その3)である。
【図28】図28は、第5実施形態による光半導体素子の構造を示す概略図である。
【図29】図29は、第5実施形態による光半導体素子の構造を示す断面図(その1)である。
【図30】図30は、第5実施形態による光半導体素子の構造を示す断面図(その2)である。
【図31】図31は、第6実施形態による光半導体素子の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
第1実施形態による光半導体素子について図1乃至図16を用いて説明する。
【0012】
図1は、本実施形態による光半導体素子の構造を示す概略図である。図2及び図3は、本実施形態による光半導体素子の構造を示す断面図である。図4は、本実施形態による光半導体素子の変調部の構造を示す概略図である。図5、図8及び図10は、本実施形態による光半導体素子の変調部における光損失の波長特性を示すグラフである。図6は、本実施形態による光半導体素子の変調部における光電流及び電圧Vの波長特性を示すグラフである。図7は、本実施形態による光半導体素子の動作を示す概略図である。図9及び図11は、本実施形態による光半導体素子における透過率の波長特性を示すグラフである。図12は、参考例による光半導体素子の構造を示す概略図である。図13乃至図16は、参考例による光半導体素子における変調光出力パワーの波長特性を示すグラフである。
【0013】
はじめに、本実施形態による光半導体素子の構造について図1乃至図3を用いて説明する。なお、図2は、図1におけるA−A′線断面図である。図3は、図1におけるB−B′線断面図である。
【0014】
本実施形態による光半導体素子は、図1に示すように、直線導波路10と、直線導波路10に入力された入力光を変調するための複数の変調部33とを有している。
【0015】
各変調部33には、直線導波路10に光学的に結合するように配置されたリング変調器16が設けられている。リング変調器16は、光変調部37と、光検出部(光検出器)38とが設けられたリング型導波路34を有している。光変調部37には、変調信号を印加するための電極36a、36bが接続されている。また、光検出部38には、光電流を検出するための電極36c、36bが接続されている。電極36bは、光変調部37と光検出部38とで共用されている。光検出部38の電極36cは、制御部28の入力に接続されている。また、電極36cは、抵抗24を介してVdd線32に接続されている。また、電極36cとグラウンド線との間にはバイパスコンデンサ26が形成されている。制御部28の出力には、光変調部37の電極36aが接続されている。電極36bは、グラウンド線に接続されている。
【0016】
制御部28は、変調信号線30とグラウンド線との間に直列に接続されたP型デプレッショントランジスタ20とN型エンハンスメントトランジスタ22とを有している。P型デプレッショントランジスタ20及びN型エンハンスメントトランジスタ22のゲート端子が、光検出部38の電極36cに接続される入力端子となる。P型デプレッショントランジスタ20とN型エンハンスメントトランジスタ22との接続端子が、光変調部37の電極36aに接続される出力端子となる。なお、本明細書では、光検出部38をも含めて制御部と呼ぶこともある。
【0017】
各変調部33は、リング変調器16のリング型導波路34の直径が互いに異なるように設計されている。例えば、リング変調器16のリング型導波路34の直径が、入力光が入力される直線導波路10の入力端12側から変調光が出力される出力端14側に向かって徐々に増加するように、各変調部33が設計されている。
【0018】
例えば、リング型導波路34の直径が9950nmから2.5nm間隔で10050nmまで、合計で41個の直径の異なるリング変調器16を有する変調部33を、直線導波路10の入力端12側から順次配列する。
【0019】
なお、リング型導波路34の直径の設定範囲は、リング型導波路34の直径(周回光路長)により規定されるリング共振器16の共振波長の分布する波長範囲が、入力光の想定波長域を含むように、適宜設定する。変調部33の個数は、特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜増減することができる。図1は、m個の変調部33のうち(n−1)番目〜(n+1)番目の変調部33を示したものである。
【0020】
図1に示す光導波路構造は、図2及び図3に示すように、SOI(Silicon On Insulator)基板52を用いて形成することができる。
【0021】
例えば、直線導波路10及びリング型導波路34は、SOI層54をメサ形状にパターニングすることにより形成される。
【0022】
光変調部37は、例えば、リング導波路34の一部に設けられたp型導電層56と、p型導電層56上にエピタキシャル成長されたSiGeの光吸収層58と、光吸収層58上に形成された多結晶シリコンのn型導電層60とにより形成することができる。
【0023】
光検出部38は、リング導波路34の他の一部に設けられたp型導電層56aと、p型導電層56a上にエピタキシャル成長されたSiGeの光吸収層58aと、光吸収層58上に形成された多結晶シリコンのn型導電層60aとにより形成することができる。
【0024】
直線導波路10、リング型導波路34、光変調部37及び光検出器38の周囲には、シリコン酸化膜層62が形成されており、直線導波路10、リング型導波路34を囲うクラッドとして機能する。
【0025】
電極36a,36b,36cは、シリコン酸化膜層62上に形成され、シリコン酸化膜60に埋め込まれたVIA配線64a,64b、64cを介して、p型導電層56、n型導電層60,60a、p型導伝導56aにそれぞれ接続されている。電極36a,36b,36cは、例えば、銅を用いて形成することができる。VIA配線64a〜64dは、例えば、タングステンを用いて形成することができる。
【0026】
次に、本実施形態による光半導体素子の動作について図4乃至図16を用いて説明する。
【0027】
まず、各変調部33の基本動作について説明する。
【0028】
入力光である波長λのCW(Continuous Wave)光は、図4に示すように、直線導波路10の入力端12から入力される。CW光の波長とリング変調器16の共振波長とが一致しているとき、直線導波路10の入力端12から入力されたCW光は、リング変調器16のリング導波路34に導かれる。リング導波路34に導かれた光は、リング導波路34を周回したのち、直線導波路10に導かれ、出力光となる。
【0029】
ここで、リング導波路34の一部には、光変調部37が設けられている。光変調部37には、電界の強さによって吸収係数が変化する電界吸収材料(EA材料)が設けられている。このEA材料に印加することにより、リング導波路34内の吸収係数を変化することができる。EA材料として、例えば上述のSiGeのような、電界の増加に伴い吸収係数が増大する材料を用いると、図5に矢印で示すように、光変調部37に印加する電圧の増加に伴い、リング導波路34内における光損失が増大する。
【0030】
この結果、リング共振器16の共振波長付近では、変調信号Vが大きくなるほどにリング変調器16内における損失は大きくなり、リング変調器16から直線導波路10に導かれる光の強度は減少する。これにより、直線導波路12の出力端14から出力される出力光の強度は減少する。
【0031】
したがって、CW光の波長とリング共振器16の共振波長とが近似しているときには、光変調部37に印加する電圧によって光強度の変調が可能となる。
【0032】
また、リング導波路34の他の一部には、光検出器38が設けられている。光検出器38は、リング導波路34内に導かれた光の強度を検出するためのものである。光検出器38には、抵抗24を介して印加される電圧Vddによって逆バイアスが印加されている。これにより、リング変調器16に導かれた光は、光検出器38の光吸収層58aに吸収され、光電流Iとして検出される。
【0033】
光検出器38により検出される光電流Iは、リング変調器16内の光パワーPにほぼ比例する。このため、CW光の波長と光電流Iとは、例えば図6に示すように、CW光の波長とリング変調器16の共振波長とが一致する波長域にピークを有する関係となる。
【0034】
CW光の波長とリング変調器16の共振波長とが一致するときの光電流Iの最大値をIp,maxと表すと、I=Ip,maxのとき、光検出器38に印加される電圧(電極36cの電圧)は最小となる。光検出器38の電極36cの電圧をV、抵抗24の抵抗値をRとすると、電圧Vは式(1)のように表される。
【0035】
=Vdd−R …(1)
ここで、抵抗24の抵抗値RをVdd/Ip,maxに設定すると、CW光の波長とリング変調器16の共振波長とが一致するとき、電圧Vはゼロになる。また、CW光の波長がリング変調器16の共振波長からずれるほど、電圧Vは電圧Vddに漸近する。
【0036】
電極36cは、制御部28の入力にも接続されており、電極36cの電圧Vは、制御部28の入力にも印加される。
【0037】
電圧Vがゼロのとき、p型デプレッショントランジスタ20はオン状態となり、n型エンハンスメントトランジスタ22はオフ状態になる。これにより、変調信号Vがリング変調器16の電極36aに印加される。
【0038】
一方、電圧VがVdd近傍のとき、p型デプレッショントランジスタ20はオフ状態となり、n型エンハンスメントトランジスタ22はオン状態になる。これにより、リング変調器16の電極36aには、変調信号Vが印加されない。
【0039】
このように、制御部28は、光検出器38により検出された信号の大きさに基づいて、変調信号の入力端子とリング変調器16との間のインピーダンスを変化し、リング変調器16に印加される変調信号を重み付けするものである。
【0040】
このようにして、光変調部33では、CW光の波長とリング変調器16の共振波長とが一致するときには、光変調部37に変調信号Vが印加され、変調信号Vによる光強度の変調が行われる。一方、CW光の波長とリング変調器16の共振波長とが異なるときには、光変調部37に変調信号Vが印加されず、光強度の変調は行われない。
【0041】
本実施形態による光半導体素子は、前述のように、互いにリング長の異なるリング変調器16を有する複数の変調部33を有している。このため、これら複数の変調部33のうち、CW光の波長と一致する共振波長を有するリング変調器16を有する変調部33では、図7に矢印で示すように、リング変調器16に変調信号Vが印加される。これに対し、CW光の波長と異なる共振波長を有するリング変調器16を有するその他の変調部33では、図7に×付きの矢印で示すように、リング変調器16に変調信号Vが印加されない。
【0042】
変調電圧VがVlowのとき、共振波長がCW光の波長に一致するリング変調器16(例えば、n番目の変調部33のリング変調器16)では、変調電圧Vは印加されるがその値が低いため、光損失は増加しない。また、共振波長がCW光の波長と異なるリング変調器16では、変調電圧Vは印加されないため、光損失は増加しない。このため、総てのリング変調器16に変調電圧Vlowが印加されたと等価の状態となり、複数のリング変調器16の共振波長域に渡って損失は一様に小さくなる。
【0043】
すなわち、(n−1)〜(n+1)番目のリング変調器の損失曲線は、図8に示す損失曲線S1〜S3のようになり、総てのリング変調器による損失を足し合わせると、損失曲線S4のようになる。この結果、総てのリング変調器16において生じる光の損失を考慮すると、本実施形態による光半導体素子の透過特性は、図9に示すようになる。
【0044】
図9に示すように、各リング変調器16の透過率曲線は、均等に重なり合っている。変調電圧V=Vlowのとき、総てのリング変調器16で生じる光の損失は僅かであるため、全てのリング変調器16の透過特性としては、透過率が高く、平坦な曲線を示す。
【0045】
これに対し、変調電圧VがVhighのとき、共振波長がCW光の波長に一致するリング変調器16(例えば、n番目の変調部33の変調器16)では、変調電圧Vhighは印加されて光損失が増加する。また、共振波長がCW光の波長と異なるリング変調器16では、変調電圧Vは印加されないため、光損失は増加しない。このため、CW光の波長近傍においてのみ光損失が増加し、他の波長域では損失は一様に小さくなる。
【0046】
すなわち、(n−1)〜(n+1)番目のリング変調器の損失曲線は、図10に示す損失曲線S1〜S3のようになり、総てのリング変調器による損失を足し合わせると、損失曲線S4のようになる。この結果、総てのリング変調器16において生じる光の損失を考慮すると、本実施形態による光半導体素子の透過特性は、図11に示すようになる。
【0047】
このようにして、被変調光であるCW光の波長に共振するリング共振器16のみを選択的に駆動することにより、高効率である一方狭い波長帯域を持つリング共振器を使用しながら、様々な波長のCW光に対する動作が可能になる。
【0048】
次に、本実施形態による光半導体素子を用いるメリットについて、参考例による光半導体素子と比較して説明する。
【0049】
比較例による光半導体素子80は、図12に示すように、直線導波路82,84と、その間に設けられたリング型導波路86とを有するものである。直線導波路82の一端部から入力されたCW光は、直線導波路82の他端部から出力される。ドライバ回路88から電極94a,94bと電極94cとの間に印加される変調信号によってリング型導波路86の共振波長を変化することにより、直線導波路82の他端部から出力される出力光を変調する。この光半導体素子80では、直線導波路84に接続された光検出器96により検出されたモニタ電流に基づいて制御部98がヒータ100を制御することにより、CW光の波長とリング型導波路86の共振波長とを一致させる。
【0050】
図12に示す光半導体素子80において、直線導波路82とリング型導波路86との間隔によって設定されるパワー透過率をT、直線導波路84とリング型導波路86との間隔によって設定されるパワー透過率をTとする。パワー透過率とは、ある導波路から別の導波路へ光が伝搬する割合である。導波路間の間隔が狭いほど、パワー透過率は高くなる。変調光出力パワー曲線のピークの波長帯域は、パワー透過率が高いほど、即ち、導波路間の間隔が狭いほど広くなる。
【0051】
パワー透過率が低いとき、例えばT=T=1%の場合、図13に示すような変調光パワー曲線が得られる。リング型導波路88に変調信号を印加していない状態(電圧V)では、実線で示すような変調光出力パワー曲線が得られる。また、リング型導波路88に変調信号をした状態(電圧Von)では、点線で示すような変調光出力パワー曲線が得られる。
【0052】
このように、パワー透過率が低いときには、変調光出力パワー曲線のピークが急峻になり、変調光出力パワー曲線のピークの波長帯域は狭くなる。このことは、変調信号の変化に対する変調光出力パワーの変化が大きいことを意味するものであり、急峻な変調光出力パワー曲線は、光半導体素子の変調効率を高めるうえで有効である。
【0053】
一方、パワー透過率が高いとき、例えばT=T=40%の場合、図14に示すような光変調パワー曲線が得られる。リング型導波路88に変調信号を印加していない状態(電圧V)では、実線で示すような変調光出力パワー曲線が得られる。また、リング型導波路86に変調信号をした状態(電圧Von)では、点線で示すような変調光出力パワー曲線が得られる。
【0054】
このように、パワー透過率が高いときには、波長の変化に対する変調光出力パワーの変化は小さく、図14に矢印の範囲で示すように、変調効率は高いとは言えない。その一方、変調光出力パワー曲線のピークの波長帯域は広いため、入力光の波長とリング型導波路88の共振波長との間のずれの許容量を大きくすることができる。
【0055】
光半導体素子80の変調効率を高く設定すると、CW光の波長とリング型導波路86の共振波長とが一致するとき、例えば、電極94a,94bと電極94cとの間に電圧を印加していない状態(電圧V)では、図15の実線上の●部に相当する出力パワーを得ることができる。また、電極94a,94bと電極94cとの間に電圧を印加した状態(電圧Von)では、図15の点線上の●部に相当する出力パワーを得ることができる。
【0056】
このように、CW光の波長とリング型導波路88の共振波長とが一致すると、電極94a,94bと電極94cとの間に電圧を印加することにより変調光出力パワーを十分変調することができる。
【0057】
しかしながら、CW光の波長とリング型導波路86の共振波長とは、製造ばらつきや環境温度等によって必ずしも一致しているとは限らない。CW光の波長とリング型導波路86の共振波長とが一致してない場合、例えば図16に示すように、リング型導波路86に電圧が印加されても変調光出力パワーに十分な変化が生じないことがある。
【0058】
そのような場合、リング型導波路86の共振波長がCW光の波長と一致するようにヒータ100を用いて制御するが、上述したように、変調光出力パワーの波長帯域が狭いため、CW光の波長とリング型導波路86の共振波長とを一致させることが困難である。
【0059】
このように、参考例による光半導体素子80において、変調効率を向上することと、入力光の波長とリング共振器の共振波長との間のずれの許容量を大きくすることとは、相反する要求である。
【0060】
これに対し、本実施形態による光半導体素子では、共振波長の異なるリング共振器を複数設けるため、入力光の波長とリング共振器の共振波長との間のずれの許容量を大きくすることができる。また、CW光の波長に一致する共振波長を有するリング共振器を選択的に駆動するため、変調光出力パワーの波長帯域が狭いリング共振器を用いることができる。これにより、変調効率の向上と、入力光の波長とリング共振器の共振波長との間のずれの許容量の増加との双方の要求を同時に実現することができる。また、様々な波長のCW光に対する動作も可能となる。
【0061】
このように、本実施形態によれば、共振波長の異なるリング変調器を複数設け、CW光の波長に一致する共振波長を有するリング変調器を選択的に駆動するので、変調の高効率化と広範囲の波長制御とを両立することができる。
【0062】
[第2実施形態]
第2実施形態による光半導体素子について図17及び図18を用いて説明する。図1乃至図16に示す第1実施形態による光半導体素子と同一の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し又は簡潔にする。
【0063】
図17は、本実施形態による光半導体素子の構造を示す概略図である。図18は、図17におけるA−A′線断面図である。
【0064】
本実施形態による光半導体素子は、図17に示すように、リング変調器16が直線導波路10の上方で光学的に結合するように配置されているほかは、第1実施形態による光半導体素子と同様である。
【0065】
リング型導波路34は、例えば図18に示すように、SOI層54上に形成されたSiGe層58とアモルファスシリコン層101とにより形成することができる。この場合、光変調部37及び光検出器38はSiGe層58を用いて形成し、その他の部分は、アモルファスシリコン層101を用いて形成する。
【0066】
リング変調器16が直線導波路10の上方で光学的に結合する場合でも、第1実施形態による光半導体素子と同様に機能することができる。
【0067】
このように、本実施形態においても、共振波長の異なるリング変調器を複数設け、CW光の波長に一致する共振波長を有するリング変調器を選択的に駆動するため、変調の高効率化と広範囲の波長制御とを両立することができる。
【0068】
[第3実施形態]
第3実施形態による光半導体素子について図19乃至図23を用いて説明する。図1乃至図18に示す第1及び第2実施形態による光半導体素子と同一の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し又は簡潔にする。
【0069】
図19は、本実施形態による光半導体素子の構造を示す概略図である。図20は、図19におけるA−A′線断面図である。図21は、図19におけるB−B′線断面図である。図22及び図23は、本実施形態による光半導体素子の変調部における光損失の波長特性を示すグラフである。
【0070】
本実施形態による光半導体素子は、図19に示すように、光変調部37及び光検出器38の構造が異なっているほかは、第1実施形態による光半導体素子と同様である。
【0071】
光変調部37は、例えば図20に示すように、光の導波方向に沿ってリング型導波路34の外周側及び内周側に形成されたn型領域102とp型領域103とを有している。n型領域102とp型領域103とは、逆に配置してもよい。
【0072】
光検出器38は、例えば図21に示すように、光の導波方向に沿って外周側及び内周側に形成されたn型領域102a及びp型領域103aと、n型領域102a及びp型領域103a上にエピタキシャル成長されたSiGeの光吸収層58aとを有している。
【0073】
シリコン酸化膜層62上に形成された電極36a,36b,36cは、シリコン酸化膜層62内に埋め込まれたVIA配線64e〜64hを介してn型領域102,102a及びp型領域103,103aに接続されている。VIA配線64e〜64hは、例えば、タングステンを用いて形成することができる。
【0074】
本実施形態による光半導体素子は、電極36aと電極36bとの間に印加される変調信号Vによってリング変調器16の共振波長を変化することにより、直線導波路10の出力端14から出力される出力光を変調する。リング変調器16の共振波長は、電極36a,36b間に電圧を印加してリング導波路34の材料の屈折率を変化することにより、変化することができる。
【0075】
変調電圧VがVlowのとき、(n−1)〜(n+1)番目のリング変調器の損失曲線は、図22に示す損失曲線S1〜S3のようになり、総てのリング変調器による損失を足し合わせると、損失曲線S4のようになる。
【0076】
これに対し、変調電圧VがVhighのとき、共振波長がCW光の波長に一致するリング変調器16(例えば、n番目の変調部33のリング変調器16)では、リング変調器16の共振波長は長波長側にシフトする。これに伴い、損失曲線もまた長波長側にシフトする。また、共振波長がCW光の波長と異なるリング変調器16では、変調電圧Vは印加されないため、リング変調器16の共振波長は変化しない。このため、CW光の波長近傍においてのみ光損失が減少し、変化したリング変調器16の共振波長近傍では光損失は大きくなる。
【0077】
すなわち、(n−1)〜(n+1)番目のリング変調器の損失曲線は、図23に示す損失曲線S1〜S3のようになり、総てのリング変調器による損失を足し合わせると、損失曲線S4のようになる。この結果、本実施形態による光半導体素子においても、第1実施形態による光半導体素子と同様の変調効果を得ることができる。
【0078】
このように、本実施形態においても、共振波長の異なるリング変調器を複数設け、CW光の波長に一致する共振波長を有するリング変調器を選択的に駆動するため、変調の高効率化と広範囲の波長制御とを両立することができる。
【0079】
[第4実施形態]
第4実施形態による光半導体素子について図24及び図27を用いて説明する。図1乃至図23に示す第1乃至第3実施形態による光半導体素子と同一の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し又は簡潔にする。
【0080】
図24は、本実施形態による光半導体素子の構造を示す概略図である。図25は、図24におけるA−A′線断面図である。図26は、図24におけるB−B′線断面図である。図27は、図24におけるC−C′線断面図である。
【0081】
本実施形態による光半導体素子は、図24に示すように、第3実施形態による光半導体素子において、光検出部38がリング型導波路34にではなく、リング型導波路34の外に設けられている。
【0082】
リング型導波路34内に導かれた光は、リング型導波路34と光学的に結合されるように配された導波路104を介して、リング型導波路34の外に設けられた光検出器38により検出される。また、光検出器38には、光電流Iを検出するための電極36d,36eが接続されている。光検出器38の電極36dは、抵抗24を介してVdd線32に接続されている。また、制御部28の入力に接続されている。電極36eは、グラウンド線に接続されている。
【0083】
リング型導波路34及び導波路104は、例えば図25及び図26に示すような構造を有している。導波路104は、例えばSOI層54を例えばメサ形状にパターニングすることにより形成される。
【0084】
光検出器38は、例えば図27に示すように、リング型導波路34と同様の材料のn型層105及びp型層106と、n型層105及びp型層106上にエピタキシャル成長されたSiGeの光吸収層58aとによって形成される。
【0085】
シリコン酸化膜層62上に形成された電極36d,36eは、VIA配線64i,64jを介してn型層105及びp型層106に接続されている。電極36d,36eは、例えば、銅を用いて形成することができる。VIA配線64i,64jは、例えば、タングステンを用いて形成することができる。
【0086】
このように、光検出器38をリング型導波路34の外に設けて、この光検出器38によって光電流Iを検出するようにしてもよい。
【0087】
[第5実施形態]
第5実施形態による光半導体素子について図28及び図30を用いて説明する。図1乃至図27に示す第1乃至第4実施形態による光半導体素子と同一の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し又は簡潔にする。
【0088】
図28は、本実施形態による光半導体素子の構造を示す概略図である。図29は、図28におけるA−A′線断面図である。図30は、図28におけるB−B′線断面図である。
【0089】
本実施形態による光半導体素子は、図28に示すように、光変調部37及び光検出器38の構造が変化しているほかは、第1実施形態による光半導体素子と同様である。
【0090】
光変調部37は、図29に示すように、リング型導波路34上に設けられたn型InP層110と、n型InP層110上に設けられた量子井戸(Multi Quantum Well)層112及び金属層116と、量子井戸層112上に設けられたp型InP層114と金属層118とによって形成されている。
【0091】
光検出器38は、図30に示すように、リング型導波路34上に設けられたn型InP層110aと、n型InP層110a上に設けられた量子井戸層112a及び金属層116aと、量子井戸層112a上に設けられたp型InP層114aと、p型InP層114a上に設けられた金属層118aとによって形成されている。
【0092】
シリコン酸化膜層62上に形成された電極36a,36b,36cは、VIA配線64k〜64nを介して金属層116,116a,118,118aに接続されている。
【0093】
このように、光変調部37及び光検出器38は、量子井戸を用いて形成するようにしてもよい。
【0094】
[第6実施形態]
第6実施形態による光半導体素子について図31を用いて説明する。図1乃至図30に示す第1乃至第5実施形態による光半導体素子と同一の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し又は簡潔にする。
【0095】
図31は、本実施形態による光半導体素子の構造を示す概略図である。
【0096】
本実施形態による光半導体素子は、図31に示すように、制御部28の入力と電極36cとの間にオペアンプ120が更に設けられているほかは、第1実施形態による光半導体素子と同様である。
【0097】
オペアンプ120の非反転入力端子は、グラウンド線に接続されている。オペアンプ120の反転入力端子は、電極36cに接続されている。オペアンプ120の出力端は、p型デプレッショントランジスタ20の入力とn型エンハンスメントトランジスタ22の入力とに接続されている。また、抵抗24は、オペアンプのマイナス端子側と出力端子側とに接続されている。また、電極36fには、電圧Vddが印加されるようになっている。
【0098】
これにより、オペアンプ120によって光検出器38によって検出される光電流Iを電圧Vに変換し、制御部28に入力することができる。
【0099】
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0100】
例えば、上記実施形態では、直径の異なる複数の円形のリング変調器を設けたが、リング変調器の形状は、これに限定されるものではない。複数のリング変調器は、互いに周回光路長が異なるものであればよく、例えば、角部を円弧状とした多角形形状のリング変調器等を用いてもよい。
【0101】
また、上記実施形態では、制御部28をp型デプレッショントランジスタ20及びn型エンハンスメントトランジスタ22を有する回路を用いて形成したが、制御部28を形成する回路はこれに限定されるものではない。制御部28には、光検出器38の出力がハイレベルのときに光変調部37に変調信号が印加され、光検出器37の出力がローレベルのときに光変調部37に変調信号が印加されない回路を適宜用いることができる。
【0102】
また、上記実施形態では、リング型導波路34をシリコンにより形成したが、リング型導波路34の形成材料は特に限定されるものではない。
【0103】
また、上記第4実施形態では、第3実施形態による光半導体素子の光検出器38をリング型導波路34の外に設ける場合について説明したが、他の実施形態による光半導体素子の光検出器38をリング型導波路34の外に設けるようにしてもよい。
【0104】
また、上記第5実施形態では、光変調部37及び光検出器38に量子井戸を用いた例を説明したが、光変調部37及び光検出器38に量子ドットを用いるようにしてもよい。
【0105】
また、上記第6実施形態による光半導体素子のオペアンプ120を、第1乃至第5実施形態による光半導体素子に適用するようにしてもよい。
【0106】
また、上記実施形態に記載した光半導体素子の構造、構造パラメータ、構成材料等は、一例を示したものにすぎず、当業者の技術常識等に応じて適宜修正や変更が可能である。
【0107】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0108】
(付記1) 入力光が入力される導波路と、
前記導波路に光学的に結合するように設けられた周回光路長の異なる複数のリング変調器と、
複数の前記リング変調器のうち、前記入力光の波長に共振波長が一致する前記リング変調器に選択的に変調信号を印加する制御部と
を有することを特徴とする光半導体素子。
【0109】
(付記2) 入力光が入力される導波路と、
前記導波路と光学的に結合するように配されたリング変調器と、前記リング変調器内の光パワーをモニタする光検出器と、前記リング変調器と前記光検出器との間に接続され、前記光検出器により検出された信号に基づいて変調信号を前記リング変調器に印加する制御部とをそれぞれ有する複数の変調部とを有し、
前記複数の変調部は、前記リング変調器の周回光路長が互いに異なっている
ことを特徴とする光半導体素子。
【0110】
(付記3) 付記2記載の光半導体素子において、
前記制御部は、前記光検出器により検出された前記信号の大きさに基づいて、前記リング変調器に印加する前記変調信号を重み付けする
ことを特徴とする光半導体素子。
【0111】
(付記4) 付記2又は3記載の光半導体素子において、
前記制御部は、前記光検出器により検出された前記信号の大きさに基づいて、前記変調信号の入力端子と前記リング変調器との間のインピーダンスを変化する
ことを特徴とする光半導体素子。
【0112】
(付記5) 付記2乃至4のいずれか1項に記載の光半導体素子において、
前記制御部は、前記入力光の波長と前記リング変調器の共振波長とが一致しているときに、前記変調信号を前記リング変調器に印加する
ことを特徴とする光半導体素子。
【0113】
(付記6) 付記5記載の光半導体素子において、
前記制御部は、前記光検出器により検出された前記信号が最大値を示すとき、前記入力光の波長と前記共振波長とが一致したと判断する
ことを特徴とする光半導体素子。
【0114】
(付記7) 付記2乃至6のいずれか1項に記載の光半導体素子において、
前記光検出器は、前記リング変調器の一部に形成されている
ことを特徴とする光半導体素子。
【0115】
(付記8) 付記7記載の光半導体素子において、
前記光検出器の電極と、前記リング変調器の電極とは、別々に形成されている
ことを特徴とする光半導体素子。
【0116】
(付記9) 付記2乃至8のいずれか1項に記載の光半導体素子において、
前記光検出器は、前記リング変調器の外側に形成されている
ことを特徴とする光半導体素子。
【0117】
(付記10) 付記1乃至9のいずれか1項に記載の光半導体素子において、
複数の前記リング変調器の共振波長が分布する波長範囲内に、前記入力光の想定波長域が位置している
ことを特徴とする光半導体素子。
【0118】
(付記11) 付記1乃至10のいずれか1項に記載の光半導体素子において、
前記リング変調器は、光吸収量を変化させることにより前記入力光を変調する
ことを特徴とする光半導体素子。
【0119】
(付記12) 付記1乃至10のいずれか1項に記載の半導体素子において、
前記リング変調器は、共振波長を変化させることにより前記入力光を変調する
ことを特徴とする光半導体素子。
【符号の説明】
【0120】
10…直線導波路
12…入力端
14…出力端
16…リング変調器
20…p型デプレッショントランジスタ
22…n型エンハンスメントトランジスタ
24…抵抗
26…バイパスコンデンサ
28…制御部
30…変調信号線
32…Vdd
33…変調部
34…リング型導波路
36a〜36f…電極
37…光変調部
38…光検出器
52…SOI基板
54…SOI層
56…p型導電層
58,58a…光吸収層
60…n型導電層
62…シリコン酸化膜
64a〜64n…VIA配線
80…光半導体素子
82…直線導波路
84…直線導波路
86…リング型導波路
88…ドライバ回路
94a,94b,94c…電極
96…光検出器
98…制御部
100…ヒータ
101…アモルファスシリコン層
102,102a…n型領域
103,103a…p型領域
105…n型層
106…p型層
110,110a…n型InP層
112,112a…量子井戸層
114,114a…p型InP層
116,116a…金属層
118,118a…金属層
120…オペアンプ
S1〜S4…損失曲線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力光が入力される導波路と、
前記導波路に光学的に結合するように設けられた周回光路長の異なる複数のリング変調器と、
複数の前記リング変調器のうち、前記入力光の波長に共振波長が一致する前記リング変調器に選択的に変調信号を印加する制御部と
を有することを特徴とする光半導体素子。
【請求項2】
入力光が入力される導波路と、
前記導波路と光学的に結合するように配されたリング変調器と、前記リング変調器内の光パワーをモニタする光検出器と、前記リング変調器と前記光検出器との間に接続され、前記光検出器により検出された信号に基づいて変調信号を前記リング変調器に印加する制御部とをそれぞれ有する複数の変調部とを有し、
前記複数の変調部は、前記リング変調器の周回光路長が互いに異なっている
ことを特徴とする光半導体素子。
【請求項3】
請求項2記載の光半導体素子において、
前記制御部は、前記光検出器により検出された前記信号の大きさに基づいて、前記リング変調器に印加する前記変調信号を重み付けする
ことを特徴とする光半導体素子。
【請求項4】
請求項2又は3記載の光半導体素子において、
前記制御部は、前記光検出器により検出された前記信号の大きさに基づいて、前記変調信号の入力端子と前記リング変調器との間のインピーダンスを変化する
ことを特徴とする光半導体素子。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の光半導体素子において、
前記制御部は、前記入力光の波長と前記リング変調器の共振波長とが一致しているときに、前記変調信号を前記リング変調器に印加する
ことを特徴とする光半導体素子。
【請求項6】
請求項5記載の光半導体素子において、
前記制御部は、前記光検出器により検出された前記信号が最大値を示すとき、前記入力光の波長と前記共振波長とが一致したと判断する
ことを特徴とする光半導体素子。
【請求項7】
請求項2乃至6のいずれか1項に記載の光半導体素子において、
前記光検出器は、前記リング変調器の一部に形成されている
ことを特徴とする光半導体素子。
【請求項8】
請求項7記載の光半導体素子において、
前記光検出器の電極と、前記リング変調器の電極とは、別々に形成されている
ことを特徴とする光半導体素子。
【請求項9】
請求項2乃至8のいずれか1項に記載の光半導体素子において、
前記光検出器は、前記リング変調器の外側に形成されている
ことを特徴とする光半導体素子。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光半導体素子において、
複数の前記リング変調器の共振波長が分布する波長範囲内に、前記入力光の想定波長域が位置している
ことを特徴とする光半導体素子。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2013−41138(P2013−41138A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178303(P2011−178303)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】